JP2778753B2 - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は誘導電動機のすべり周波数形のベクトル制御
装置に関する。
(従来の技術) 誘導電動機は、従来、定速度電動機として使用される
ことが多かったが、電力用半導体素子の進歩によって、
インバータやサイクロコンバータなどの電力変換器の普
及が進み、可変速電動機としての用途が著しく拡大して
きた。
誘導電動機の可変速制御方式には、優れた応答性が得
られるベクトル制御方式がある。ベクトル制御方式に
は、2次磁束をベクトル量として検出して1次電流の制
御信号に用いる磁束検出形ベクトル制御方式と、磁束ベ
クトルを電動機定数に基づいて演算して制御するすべり
周波数形ベクトル制御方式が知られている。
本発明は後者のすべり周波数形ベクトル制御方式の調
整装置に関するものである。
従来のすべり周波数形ベクトル制御装置は、第9図に
例示するように、2次磁束指令値Φ と発生トルク指
令値TM を入力して1次電流指令値I1 を出力するベク
トル制御器1′と、前記1次電流指令値I1 に基づいて
1次電流値I1を制御する電流計電力変換装置2と、この
1次電流値I1によって所定の速度およびトルクで回転す
る誘導電動機3と、この電導機の回転速度ωを検出す
る速度検出器4とから構成されている。
ベクトル制御を実現するには、2次磁束指令値Φ
とベクトル指令値TM とから1次電流のトルク電流指令
値i1R と励磁電流指令値i1I 、およびすべり周波数指
令値ω を、下式により算出し、電力変換装置への指
令値として与えればよい。すなわち、 ここで、L2は誘導電動機の2次側自己インダクタン
ス、R2は2次抵抗、Mは相互インダクタンスである。ベ
クトル制御器1′は、上式に基づいて、2次磁束指令値
Φ とトルク指令値TM とを誘導電動機3の伝達特性
に応じて演算し、1次電流の励磁電流指令値i1R とト
ルク電流指令値i1I 、およびすべり周波数指令値ω
を出力する各種係数器11,11′,12,12′、除算要素1
3、微分要素14、加算器15を備えている。なお、2次磁
束Φと同一の各速度で回転する複素平面を考え、この
平面上でΦの方向を実軸、実軸からπ/2進んだ軸を虚
軸としている。
1次電流の励磁指令値i1R とトルク電流指令値i1I
は演算回路16に導かれ、1次電流指令絶対値i1 として
出力される。一方、すべり周波数指令値ω は速度検
出器4からの回転周波数信号ωと共に加算器17に導か
れ加算された後、ベクトルジェネレータ18によって、2
次磁束の予測位置を示す単位ベクトルに変換される。乗
算器19はこの単位ベクトルと前記の1次電流指令絶対値
i1 を乗算し、得られた1次電流指令値I1*を電流形電
力変換器2に出力する。
上述のように、1次電流の成分指令値i1R とi1I
よびすべり周波数指令値ω を乗算する場合には、2
次抵抗R2が直接関与するが、従来のベクトル制御方式で
は、この2次抵抗R2の値を設定するに当たり、使用する
誘導電動機の設計値を用いたり、立ち上げ時の調整で試
行錯誤的に値を突き止めたりしていた。
(発明が解決しようとする課題) 誘導電動機の2次抵抗の値は、一定ではなく温度に依
存して変化することが知られている。従って、2次抵抗
R2の値を設定するに当たり、使用する誘導電動機の設計
値を用いると、環境条件によって実際の値とは異なる値
になることがある。立ち上げ時の調整で試行錯誤的に値
を突き止める方法では、最終的には実際の値に設定でき
る場合も多いであろうが、調整担当者にある程度以上の
経験と勘が必要とされ、調整に時間がかかるという問題
点があった。
以上の説明では誘導電動機の電源を電流形としていた
が、電源が電圧形であっても同様の問題点がある。
本発明は従来技術における上記の問題点を除去し、誘
導電動機のベクトル制御装置の2次抵抗R2や、制御系の
構成によっては2次時定数(=L2/R2)を自動的に調整
する機能をもつ誘導電動機のベクトル制御装置を提供す
ることを目的とする。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は上記の目的を達成するために、以下の構成に
て誘導電動機のベクトル制御の調整機能をもつ、誘導電
動機のベクトル制御装置である。
誘導電動機のベクトル制御装置において、速度指令と
実際の速度との偏差に応じてトルク電流指令を出す速度
制御ループを備え、速度指令として一定の変化率で値が
増大ないしは減少するランプ入力を与えて速度制御を行
い、このランプ入力を与えている間のトルク電流指令波
形あるいは実際のトルク電流波形を記憶するメモリを用
意し、この記憶しておいたトルク電流指令波形あるいは
実際のトルク電流波形の特徴量を抽出し、このトルク電
流指令波形あるいは実際のトルク電流波形がステップ状
の波形に近付くように誘導電動機のベクトル制御の二次
抵抗または誘導電動機の二次時定数を調整し、以上の過
程の繰返しによりトルク電流指令波形または実際のトル
ク電流波形を、二次抵抗または二次時定数とその真値と
が等しいときの波形と比較して両波形がほぼ等しいと判
定されると、ベクトル制御の制御パラメータを適正な値
に調整する機能を付加したものである。
(作 用) 誘導電動機のベクトル制御における2次抵抗R2、ある
いは2次時定数の誤設定は、正しく設定したときに比
べ、誘導電動機の発生するトルクがベクトル制御におい
てトルク電流と定義された電流成分(以後、単にトルク
電流と記す。なお、誘導電動機の発生トルクに1対1に
対応する電流成分を真のトルク電流、電流検出器によっ
て検出した3相交流電流からd−q変換により求めたq
軸電流成分を実際のトルク電流と記す。)に対して過小
ないし過大となる現象として現われる。これは、2次抵
抗R2、あるいは2次時定数の誤設定により、トルク電流
ベクトルと磁束ベクトルとの直交関係が崩れて、トルク
電流が真のトルク電流と1対1に対応しなくなるためで
ある。この現象を観測する1つの方法は、誘導電動機に
速度制御を施し、ランプ状の速度変化をさせて誘導電動
機を定トルク駆動することである。2次抵抗R2、あるい
は2次時定数が正しく設定されていれば、定トルク駆動
に対応してトルク電流指令および実際のトルク電流がス
テップ状の波形(厳密には実際の速度の応答時間だけ立
ち上がりが遅れたステップ状の波形に近い波形である
が、記述の簡単のため、以後本明細書では特に断わらな
い限り単にステップ状の波形と記した場合、このステッ
プ状の波形に近い波形を意味するものとする。)とな
る。この設定が狂っていると、トルク電流指令および実
際のトルク電流がステップ状の波形ではなくなる。ステ
ップ状の波形からずれた分により、前記した誘導電動機
の発生するトルク過不足を埋め合わせるのである。した
がって、トルク電流指令あるいは実際のトルク電流の波
形を観測して、それがステップ状の波形でなければ、2
次抵抗R2、あるいは2次時定数の設定が正しくないこと
がわかる。さらには、これらの波形がステップ状の波形
となるように2次抵抗R2、あるいは2次時定数を調整す
れば、正しい設定が実現できたことになる。
上記の理論的考察から、誘導電動機に速度制御を施
し、ランプ状の速度変化をさせて、その間のトルク電流
指令または実際のトルク電流の波形がステップ状の波形
になるよう2次抵抗R2、あるいは2次時定数を調整する
ことにより、(発明が解決しようとする課題)の項で指
摘した従来技術の問題点を解決できる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の第1の実施例に係わる誘導電動機の
ベクトル制御装置のブロック図である。同図において、
第9図と同一の構成要素には同一の記号を付し説明を省
略する。
第1図で、本発明に関わる誘導電動機のベクトル制御
器1は、第9図に示した従来例のベクトル制御器1′に
以下に説明する要素を付加して、ベクトル制御の制御パ
ラメータを適正な値に調整する機能を付与している。こ
こで、制御パラメータとは誘導電動機の二次抵抗(R2
または誘導電動機の二次時定数(L2/R2)のことであ
る。すなわち、本発明に関わるベクトル制御器1には、
パラメータ調整部52が付加されている。50は、比較器54
で求めた速度指令ω と電動機速度ωの偏差に基づ
き、速度指令ω に実際の電動機速度ωが追従する
よう、トルク指令値TM を出力する速度制御器である。
このような機能を果たす速度制御器の制御論理は通常の
PI(比例・積分)などで十分である。トルク電流指令値
i1I の波形は、波形解析部51に蓄えられ、オーバーシ
ュート、整定時間、立ち上がり時間(以下これらのこと
を特徴量と呼ぶ)が算定される。波形解析部51で算定さ
れた特徴量は、パラメータ調整部52に入力され、パラメ
ータ(本実施例では2次抵抗R2)の修正方向(増減)と
その量が算定され、係数器12と12′に設定されている2
次抵抗R2の設定値を修正する。
第2図は、波形解析部51の構成例を示している。トル
ク電流指令値i1I の波形はサンプル−ホールド回路511
でサンプルされ、メモリ512に蓄えられ、マイクロプロ
セッサ53で特徴量を算定する。第3図(a)は、トルク
電流指令値i1I の応答波形例と、第3図(b)はマイ
クロプロセッサ53が行う特徴量算定の過程を説明するフ
ローチャートである。メモリ512にはこのトルク電流指
令値i1I の応答波形が適当なサンプリング周期でサン
プリングした値が記憶されている。まずトルク電流指令
値i1I の応答の整定値isetを求める。メモリ512に蓄え
る波形を、電流応答が十分整定するまでの波形としてお
けば、この整定値isetは最後にサンプリングした値とす
ればよい。リプルなどの影響を避けるために、最後にサ
ンプリングした値とすればよい。リプルなどの影響を避
けるために、最後にサンプリングした複数個の値を平均
してもよい。次に、サンプリングしたすべての値の内の
最大値imaxを求める。imaxとisetを比較し、imax>iset
であれば、オーバーシュートが発生したことがわかるの
で、そのオーバーシュート量OVを求める。
である。
imax<isetであれば、オーバーシュートは発生してお
らず OV=0 である。この場合は他の特徴量として、整定時間Tset
求める。これは、サンプリングした値を初めから順次調
べ、応答の開始からその値が例えば0.95*isetを初めて
上回ったときまでの時間を求めればよい。
パラメータ調整部52の構成例は波形解析部51と同様マ
イクロプロセッサとメモリである。これは第2図と同じ
なので図は省略する。この場合、メモリには特徴量に基
づいた調整ルールを記憶させておく。調整ルールの例を
第4図と第5図を用いて説明する。第4図は、速度制御
により電動機速度ωを同図(a)に示したようにラン
プ状に増加させたとき、2次抵抗R2の誤設定がトルク電
流指令値i1I の応答波形に与える影響を示すシミュレ
ーション結果である。
2次抵抗R2の真値をR2 としたとき、第4図(b)は
R2>R2 でベクトル制御部に設定した2次抵抗R2の値が
真値R2 より大きい場合である。この場合は、発生トル
クが過大となるので応答の初期にオーバーシュートが発
生し、速度制御により電動機速度ωをランプ状に保つ
よう、このオーバーシュートが抑えられる。オーバーシ
ュート量がこの状態を評価する特徴量になり得る。
第4図(c)はR2=R2 で、ベクトル制御部に設定し
た2次抵抗R2の値が真値R2 に等しい場合である。この
場合は、トルクが過不足なく発生するので、速度制御器
に設定した速度制御の応答特性に見合った過渡特性を示
して応答していることがわかる。応答波形は図示のよう
にほぼステップ状になる。
第4図(b)と第4図(c)を比較すると、電動機速
度の応答は両者とも互いに同じであるので実際に発生し
ているトルクも同じであるが、第4図(b)では、先に
指摘したようにトルク電流指令に対し発生トルクが過大
になるので、トルク電流の整定値は第4図(c)の場合
の約15Aより小さい約9Aになっている。
第4図(d)はR2<R2 でベクトル制御部に設定した
2次抵抗R2の値が真値R2 より小さい場合である。この
場合は、発生トルクが過小となるのでその分大きなトル
ク電流指令が必要となり、応答が遅れる。この遅れは整
定時間で評価できる。
第4図(c)と第4図(d)を比較すると、電動機速
度の応答は両者とも互いに同じであるので実際に発生し
ているトルクも同じであるが、第4図(d)では、先に
指摘したようにトルク電流指令に対し発生トルクか過小
になるので、トルク電流の整定値は第4図(c)の場合
の約15Aより大きい約20Aになっている。
以上で説明したように、2次抵抗R2の誤設定は、 1) 速度制御により電動機速度ωをランプ状に応答
させ、 2) その間のトルク電流指令の応答にオーバーシュー
トが発生したら、R2>R2 であるので、ベクトル制御部
に設定した2次抵抗R2の値を小さくし、 3) その間のトルク電流指令の応答が遅れ、整定時間
が長くなったらR2<R2 であるので、ベクトル制御部に
設定した2次抵抗R2の設定値を大きくする。
という調整ルールで、修正できる。第5図は上記の調整
ルールに従い、2次抵抗R2の設定値を調整する具体的方
法の一例を示すフローチャートである。ここではまず第
3図で説明した方法で、トルク電流指令の応答波形の特
徴量を算定する。既に説明したように、オーバーシュー
トが発生した場合は、R2>R2 であるので、 ΔR2=−KOV・OV により、2次抵抗R2の設定値の修正量ΔR2を求める。
オーバーシュートがなく、整定時間Tsetが、R2=R2
の時の整定時間Tset より長ければ、R2<R2 であるの
で、 ΔR2=Kset・(Tset−Tset ) により、2次抵抗R2の設定値の修正量ΔR2を求める。R2
=R2 の時の整定時間Tset は、速度制御器51により誘
導電動機を速度制御したときの電動機速度のステップ応
答の整定時間が一つの目安となる。KOV、Ksetは特徴量
から修正量を決定するためのゲインである。
このようにして求めたΔR2を用いてR2を修正して、前
記の電動機速度のランプ応答を再度行なう。
以上の手順を、調整が終了したと判定できるまで繰り
返す。調整終了の判定法は、種々考えられるが、要する
にトルク電流指令の応答波形がR2=R2 の時の波形にな
ったことが確認できる方法ならどんな方法でもよい。例
えば、 1 オーバーシュートがなく、かつ Tset −裕度<Tset<Tset +裕度 ここで、裕度とは整定時間の許容範囲のことである。
2 オーバーシュートが所定の裕度(例えば1%)内に
納まる。ここで、裕度とはオーバーシュートの許容範囲
のことである。
3 R2=R2 の時のトルク電流指令の応答波形と調整過
程の応答波形との誤差の時間積分が0か0に近い値にな
る。(時間積分すると量としては、単なる誤差の他、誤
差の絶対値、誤差の自乗値などが考えられる。) 4 R2=R2 の時のトルク電流指令の応答波形を折れ線
などで近似した波形と調整過程の応答波形との誤差の時
間積分が所定の値より小さくなる。(時間積分する量と
しては、単なる誤差のほか、誤差の絶対値、誤差の自乗
値などが考えられる。) 5 所定のステップ状の波形と調整過程の応答波形との
誤差の時間積分が所定の値より小さくなる。(時間積分
する量としては、単なる誤差の他、誤差の絶対値、誤差
の自乗値などが考えられる。) などの方法がある。
第5図のフローチャートでは、上記の1および2の終
了判定条件を用いた例を示している。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実
施例では、2次抵抗R2の設定値の修正量ΔR2を求める際
に、ファジィ推論を応用する。以下では、第1の実施例
と異なる部分だけを説明する。
第6図はファジィ推論を用いてΔR2を求める方法を説
明する図である。本実施例のファジィ推論は、2段階の
前提と結論よりなる。前提1では、「オーバーシュート
が16%である」とか、「整定時間が36msecである」とか
の、ファジィ推論への入力が定められる。結論では、
「R2を6%減らす」などの、ファジィ推論の出力が得ら
れる。前提2は、定義しておいた、一般に複数個のファ
ジィ推論のルール内で、前提1に関係するものを列挙す
る。
以下に具体例を示す。
前提1から前提2の前件部(if節)を導くには、まず
第6図(a)に定義したメンバシップ関数の中から前提
1に適合するもの選ぶ。第6図(a)で、オーバーシュ
ートのメンバシップ関数を例として説明すると、[OV=
16%]はZとPSに該当する。整定時間についても同様に
して、Tset=36msecがZとPSに該当することを知る。こ
のようにして前提1で入力されたオーバーシュートと整
定時間がメンバシップ関数により評価される。
次に第6図(b)に示した調整ルール表を検索して、
メンバシップ関数による評価結果にかかわるルールを取
り出す。この調整ルール表においてハッチングを施した
ものが、この評価結果にかかわるルールであり、かつ上
記の前提2の推論ルールである。
結論を求めるには、前提2の推論ルールに基づく推論
結果を数値化する。第6図(c)はこの過程を説明して
いる。各ルールについて、OVとTsetが、おのおのの評価
に対応するメンバシップ関数において取るグレードを求
める。ルール1では、OVがメンバシップ関数Zで取るグ
レードωr1とTsetがメンバシップ関数Zで取るグレード
ωr1を比較して、小さい方のωr1を採用し、これに対応
するΔR2のメンバシップ関数Zをωr1でカットし、図示
のハッチングを施した台形状の図形が得られる。ルール
2についても同様に行なう。この場合、前件部はOVに関
する条件しかないから、OVがメンバシップ関数PSで取る
グレードωr2で、ΔR2のメンバシップ関数NSをカット
し、もう1つの台形状の図形を得る。このようにして得
られた2つの台形状の図形を図示のように合成(推論合
成)し、その重心に対応するΔR2の値を結論としての出
力とするのである。以後の動作は、既に説明した他の実
施例と同じであるので、説明を省略する。
なお、以上で説明したファジィの手法は1例であっ
て、本発明におけるファジィ推論の適用法はこの1例に
限定されるものではなく、ファジィ推論に属する他の方
法を用いることを妨げない。
第7図は本発明の第3の実施例に係わる誘導電動機の
ベクトル制御装置のブロック図である。同図において、
第1図と同一の構成要素には同一の記号を付し説明を省
略する。
本実施例では、トルク電流指令の応答波形の代わりに
トルク電流の応答波形から特徴量を求め、既に説明した
他の実施例を適用する。すなわち、電流検出器61により
各相の電流を検出し、検出した電流に基づき座標変換器
62により回転座標上の直流量としてのトルク電流成分i
1Iを求め、その波形を波形解析部51に蓄えるのである。
以後の動作は、既に説明した他の実施例と同じであるの
で、説明を省略する。
第8図は本発明の第4の実施例に係わる誘導電動機の
ベクトル制御装置のブロック図である。同図において、
第1図と同一の構成要素には同一の記号を付し説明を省
略する。
本実施例では、誘導電動機を駆動する電源として電圧
形電力変換装置2′を用いている。このため、図示のご
とく、電流制御ループを設け、電流制御を施している。
すなわち、電流検出器61により各相の電流を検出し、検
出した電流に基づき座標変換器62により回転座標上の直
流量としてのトルク電流成分i1Iと励磁電流成分i1Rを求
め、これらとおのおのの指令値との偏差を比較器63およ
び64で計算し、電流制御器65および66で電圧形電力変換
装置2′に与える電圧指令v11とv1Rを算出する。この電
流制御系により電流応答が指令値によく追従するよう調
整しておけば、電流制御ループ付きの電圧形電力変換装
置2′は電流形電力変換装置とみなすことができ、既に
説明した他の実施例を適用できる。本実施例の第8図で
は、トルク電流指令の応答波形からその特徴量を求め以
後の調整を行なっているが、第3の実施例と同様、トル
ク電流指令の応答波形の代わりに、トルク電流の応答波
形から特徴量を求めて、以後の調整を行なってもよいこ
とは言を持たない。
以上の実施例では、トルク電流指令値ないしはトルク
電流の応答波形の特徴量として、オーバーシュートと整
流時間を用いたが、第4図に示したR2の誤設定を反映で
きるのであれば特徴量として何を用いてもよい。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明では、誘導電動機のベ
クトル制御機の2次抵抗R2の誤設定による影響を、速度
制御ループを設けて誘導電動機の速度にランプ状の応答
をさせたときのトルク電流指令またはトルク電流の応答
波形のステップ状の波形からのずれとして定量化し、そ
の結果に基づいてベクトル制御器の2次抵抗R2の設定を
調整している。これにより、誘導電動機のベクトル制御
装置の2次抵抗R2に関連した制御パラメータ、すなわち
2次抵抗R2そのものや、制御系の構成によっては2次時
定数(=L2/R2)を自動的に調整する機能をもつ誘導電
動機のベクトル制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の第1の実施例に係わる誘導電動機のベ
クトル制御装置のブロック図、第2図は、第1図の波形
解析部51の構成例を示す図、第3図はマイクロプロセッ
サ53が行なう特徴量産丁の過程を説明するフローチャー
トとトルク電流応答波形例を示す図、第4図は、速度制
御により電動機速度ωをランプ応答させたとき、2次
抵抗R2の誤設定がトルク電流指令値i1I の応答波形に
与える影響を示すシミュレーション結果を示す図、第5
図は調整ルールに従い、2次抵抗R2の設定値を調整する
具体的方法の一例を示すフローチャート、第6図はファ
ジィ推論を用いてΔR2を求める方法を説明する図、第7
図は本発明の第3の実施例に係わる誘導電動機のベクト
ル制御装置のブロック図、第8図は本発明の第4の実施
例に係わる誘導電動機のベクトル制御装置のブロック
図、第9図は従来のすべり周波数形ベクトル制御装置を
示す構成図である。 1,1′……ベクトル制御器、2……電流形電力変換装
置、3……誘導電動機、4……速度検出器、11,11′,1
2,12′……係数器、13……除算要素、14……微分要素、
15……加算器、16……演算回路、17……加算器、18……
ベクトルジェネレータ、19……乗算器、50……速度制御
器、51……波形解析部、52……パラメータ調整部、53…
…マイクロプロセッサ、511……サンプル−ホールド回
路、512……メモリ、61……電流検出器、、62……座標
変換器、54,63,64……比較器、65,66……電流制御器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機のベクトル制御装置において、 速度指令と実際の速度との偏差に応じてトルク電流指令
    を出す速度制御ループを備え、 速度指令として一定の変化率で値が増大ないしは減少す
    る入力(以下「ランプ入力」という)を与えて速度制御
    を行い、このランプ入力を与えている間のトルク電流指
    令波形あるいは実際のトルク電流波形を記憶するメモリ
    を用意し、この記憶しておいたトルク電流指令波形ある
    いは実際のトルク電流波形の特徴量を抽出し、このトル
    ク電流指令波形あるいは実際のトルク電流波形がステッ
    プ状の波形に近付くように誘導電動機のベクトル制御の
    二次抵抗または誘導電動機の二次時定数(以下「ベクト
    ル制御の制御パラメータ」と呼ぶ)を調整し、 以上の過程の繰返しによりトルク電流指令波形または実
    際のトルク電流波形を、二次抵抗または二次時定数とそ
    の真値とが等しいときの波形と比較して両波形がほぼ等
    しいと判定されると、ベクトル制御の制御パラメータを
    適正な値に調整する機能を付加したことを特徴とする誘
    導電動機のベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】前記特徴量に基づく制御パラメータの調整
    をファジイ推論を用いて行うことを特徴とする請求項1
    記載の誘導電動機のベクトル制御装置。
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