JP2777392B2 - 細胞培養基板およびその製法 - Google Patents

細胞培養基板およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、細胞を培養するための細胞培養基板および
その製法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、動植物の細胞を種々の条件下において培養する
研究、あるいは特定の培養細胞の代謝活動による産生物
の研究が活発に行なわれており、特に人工的には合成が
不可能であったり、あるいは、合成が極めて困難な物質
を、特定の細胞活動を利用して製造することが多方面に
おいて検討されている。
このような細胞の培養は、通常、細胞を多糖類、タン
白質、ポリスチレンなどの高分子物質(特開昭58−8917
9,特開昭59−164015,特開昭60−257745,特開昭61−5228
1)あるいはそれらを表面処理した基体などの培養床に
植込みあるいは接種したものを、例えば培地中に置き、
当該細胞株に適応した環境条件下でインキュベーション
することによって行なわれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述したように、細胞の培養は、通常、培養床に細胞
を播種したものを培地中に存在させ、当該細胞をその培
養に適した環境下におくことによって行なわれている
が、このような細胞の培養においては、培養床の特性が
大きな影響を及ぼし、例えば正常2倍体細胞などの接着
依存性細胞は培養床に接着し単層で増殖するものである
ので、培養効率は培養床の特性、特にその接着性、増殖
性の良否に大きく左右される。
この様な細胞培養床としては、酸素プラズマあるいは
空気プラズマ中で表面を酸化し、親水化処理したポリス
チレンが最も一般的に用いられているが、プラズマ処理
によって表面を親水化しても、親水性が不安定で、表面
の均一性が悪く、かつ経時変化を起こし時間とともに親
水性が劣化するなどの欠点があり、このような細胞培養
床による培養においては、培養効率が必ずしも十分とは
いえず、新規で有用な細胞培養床の出現が強く望まれて
いる。
更に、親水化処理した培養床上では播種した細胞は自
由に増殖するため所望の形態に沿った細胞培養床あるい
は細胞の培養範囲を制御できる細胞培養床の出現が強く
望まれていた。細胞の培養床への接着は、細胞表面の膜
流動・溶存タンパク質・基体表面構造に大きく関与して
いることを科学的に解析している片岡一則、岡野光夫、
桜井靖久らが、材料表面のミクロ相分離構造が細胞の粘
着性と形態変化を左右する重要な因子であることを明ら
かにしたことから〔例えば、“バイオメディカルポリマ
ー”(化学増刊82)化学同人,1980〕いくらかの研究者
がソフトセグメントとハードセグメントあるいは親水性
と疎水性のセグメントを有するブロックあるいはグラフ
ト共重合体を合成し、種々のミクロ相分離構造を有する
材料を培養床へ応用しようとしている。
ところが、これらの共重合体は合成した重合体の塊の
断面を観れば、ミクロ相分離構造を形成している部分は
あるものの、細胞の培養機構にとって最も重要であるミ
クロドメインの均一性が悪く、また制御が極めて困難で
あるとの問題がある。
また、細胞培養用の容器等を成形あるいは、従来容器
にコーティング等をする場合、実際の細胞が接する表面
は共重合体の一方のポリマーが表面を覆って安定化する
ため、ミクロ相分離構造が形成されないという致命的な
問題がある。
本発明は、以上の如き事情に基づいてなされたもので
あって、細胞の接着性及び増殖性に優れていて細胞を有
利に培養することができる細胞培養床或いは細胞の培養
範囲を任意に制御できる細胞培養床を提供するものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の如き従来の合成樹脂等を用いた
細胞培養床の問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結
果、基板表面に規則性を有する微細なパターンを形成す
ることによって基板表面に細胞を安定的に粘着し、長期
にわたって細胞の生育・増殖に関して安定したデータが
得られるという事実を見い出し、また、基板表面に規則
性を有する微細なパターンの集合体からなる所望のパタ
ーンを形成することで該パターンに所望の細胞を該パタ
ーンの形状に沿って選択的に吸着し、培養し得るという
事実を見出し本発明に到達したものである。
すなわち、本発明の要旨は、基板表面に規則性を有す
る微細なパターンを形成することによって基板表面に細
胞を安定的に粘着し、培養し得るようにした細胞培養基
板であり、前記パターンは凹凸状のパターン、あるい
は、細胞の粘着性を付与する各種官能基を有するパター
ン、あるいは、細胞の粘着性を付与する所定の電荷を有
するパターンであることを特徴とする細胞培養基板また
は、基板表面に所望のパターンを形成し、該パターン上
に所望の細胞を該パターンの形状に沿って選択的に吸着
し、培養し得るようにした選択的細胞培養基板、前記パ
ターンが凹凸状の微細パターン、前記パターンが微細な
パターンの集合体、前記パターンが十文字パターンから
成るもの、あるいは、細胞の吸着性を付与する各種官能
基を有する微細パターン、あるいは細胞の吸着性を付与
する所定の電荷を有する微細パターンの集合体であるこ
とを特徴とする微細培養基板およびそれらの製法であ
る。
なお、基板表面に形成される微細なパターンとしては
培養する細胞及び培地の種類にもよるが、規則性を有す
るパターンなら何でも可能であり、特にラインとスペー
スから成るパターン・水玉模様状のパターン・格子パタ
ーンなどが好ましく、またパターンのサイズは50Å〜50
0μm位が特に好ましく用いられ得る。パターンの凹凸
としては、これも培養する細胞及び培地の種類にもよる
が、その深さは一般に0.01〜100μm位が適している。
また、細胞の粘着性を付与する官能基としては、細胞
にもよるが、カルボニル基,カルボキシル基,エポキシ
基,アミノ基,アミド基,イミド基、ニトロ基,スルホ
ン基,水酸基,ハロゲン基などが用いられ得る。
さらに、細胞の粘着性を付与する電荷は、細胞にもよ
るが、カルボキシル基あるいはその塩・アンモニウム塩
・スルホン酸基あるいはその塩などとして官能基として
電荷を有する場合と基板自体を導電性材料として外部か
ら直接電荷を持たせる場合のいずれでも良い。
以上のような規則性を有するパターンを形成する基板
としては、ガラス、セラミックス、各種金属板はもちろ
ん透明性のため、細胞の観察を容易にする点では、ポリ
アセタール,ポリアミド,ポリカーボネート,ポリブチ
レンテレフタレート,ポリエチレンテレフタレート,FR
−AS樹脂,FR−ABS樹脂,AS樹脂,ABS樹脂,ポリフェニレ
ンオキサイド,ポリフェニレンサルファイド,ポリスル
ホン,ポリエーテルスルホン,ポリエーテルエーテルケ
トン,ポリアリレート,ポリオキシベンゼン,フッ素系
樹脂,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリアミドビス
マレイミド,ポリエーテルイミド,シリコーン樹脂,BT
樹脂,GL樹脂,ポリメチルペンテン,超高分子量ポリエ
チレン、FR−ポリプロピレン,ポリスチレン及びこれら
の誘導体等の高分子材料が特に好ましく用いられ得る。
次に基板表面に規則性の微細パターンを形成させる細
胞培養基盤の製法について説明する。
1.例えばポリアセタール,ポリアミド,ポリスチレン,
ポリメチルメタクリレートなどの高分子から成る基板に
紫外光・レーザー・電離放射線・電子ビーム・イオンビ
ーム・レーザービーム等で所望のパターンを描画する。
そうするとビームの照射部分の基材が若干変質し、未照
射部分との間で表面エネルギーの異なる規則的なパター
ンが形成される(第1図)。
2.1と同様な基板に、高融点金属の微細パターンから成
るマスクを介して、X線、γ線、シンクロトロン放射光
を照射する、あるいは遮光材の微細パターンから成るマ
スクを介してレーザー、紫外光等を照射する。そうする
と1と同じ様にビームの照射部分の基材が変質し、表面
エネルギーの異なる規則的なパターンを有する基板が形
成される(第2図)。
3.1および2の光照射の際及び光照射後基板表面が活性
化しているうちに、基板周辺をハロゲン系ガス雰囲気,
シリコン系ガス雰囲気,アミン系ガス雰囲気などにする
ことでパターンに各種官能基を容易に導入することがで
きる(第3図)。
4.ガラス,セラミックス,金属,高分子などの基板上に
電子ビーム、X線など電離放射線または、紫外光に反応
して溶媒への溶解性の差の生じるいわゆるレジスト性の
ポリマーをスピンコーティング等により所望の厚さに塗
布する。これに該当ビームで微細パターンを描画し、現
像して、ガラス,セラミックス,金属,高分子などの基
板上に所望の厚さ及び大きさを有するパターンが形成で
きる。
このようなパターンを形成可能なレジスト性のポリマ
ーとしては、ほとんどのポリマーが可能であるが、二重
結合エポキシ基,スルホン基,アミノ基,アミド基,イ
ミド基,ニトロ基,フェニル基等を含有しているポリマ
ーが特に好ましい。
以上から分るように、レジスト性ポリマーとして官能
基あるいは電荷を有する官能基を有するポリマーを用い
ることにより、容易に官能基や電荷のパターンを有する
基板が形成できる(第4図)。
5.細胞の粘着性が特に培養床の電荷に依存する細胞の場
合は、上記基板に導電性の金属,ITO,高分子等を用いて
その上に規則性のパターンを形成することにより、スイ
ッチのON−OFFにて容易に粘着細胞の粘着−剥離を行う
ことができるという利点を有している。
以上1〜5を組み合わせることにより、より複雑なパ
ターンを有する基板が形成できる。
本発明は、表面性状を高精度に制御した基板を形成す
るものである。
本発明の適用においては、培養されるべき接着依存性
細胞は、何ら制限されるべきものではなく、例えばヒト
胎児繊維芽細胞,ヒト血管内皮細胞,ヒト子宮ガン細
胞,チャイニーズ−ハムスター肺細胞,サル腎繊維芽細
胞,ヒト包皮細胞、ヒナ繊維芽細胞、ウサギ胎児の腎細
胞,サル肺細胞、ブタ血管内皮細胞,ヒト膵臓B細胞,
ヒト膵臓T細胞などを挙げることができ、更に従来の培
養床では全く培養できなかった細胞をも培養することが
可能である。
また、この基板によれば、任意の形態の細胞増殖体
(組織)の培養が可能であるので、例えば神経細胞を細
長い状態に培養したり、皮膚細胞を損傷形態に合わせて
任意の形に培養したりすることが可能となる。
また、この方法を利用して単位面積当りの培養細胞の
定性分析や定量分析に有効に利用できる。
〔作 用〕
本発明は、基板表面に性状の異なる規則的な微細パタ
ーンを形成することによって種々の細胞を効率的に培養
しようとするものであるり、更に、基板表面に性状の異
なる規則的な微細パターンの集合体を任意の形態に形成
することによって種々の細胞を任意の形態に培養しよう
とするものである。
本発明の規則的な微細パターンの上で細胞が増殖しや
すいという機構の詳細は不明であるが、発明者らは次の
如く考えている。
細胞の粘着機構は細胞の表面の粘着因子(レセプタ
ー)及びその膜流動と粘着に関与する培地中のタンパク
質と、培養基板の表面高次構造に深い関係があると考え
られる。従って制御された表面構造を示す基板に、まず
粘着に関与するタンパク質が選択的に吸着する。この
際、吸着タンパク質も基板の表面高次構造の影響を受け
て吸着パターンに制御性が生じている。このタンパク層
の上に当該細胞が、膜表面のレセプターを介して粘着す
る。この時、基板表面がタンパク質や細胞の大きさ、レ
セプターの種類,間隔,厚さなどに最適な条件になって
いるために、細胞が安定的に生育するものと考えてい
る。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 (基板の作成) ポリスチレン(分子量100,000,分散度1.01以下)の3
%キシレン溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾
過したものを滅菌・洗浄したガラス基板上にスピンコー
ティング法により塗布し、110℃にて30分間、加熱処理
して厚さ0.1μmの均一なポリスチレン膜を得た。次に
この基板に加速電圧10KVの電子線描画装置にて50μC/cm
2の照射量で露光して幅0.2μmのラインとスペースから
なる繰り返しパターンの描画を行った。露光後、この基
板を酢酸イソアミルを主成分とする溶剤中に60秒間浸漬
して現像し、続いてエチルアルコールで120秒間すすい
で0.2μmのラインとスペースから成るポリスチレンの
パターンを有するガラス基板を得た。
(細胞の培養) 細胞:ヒト血管内皮細胞 培地:ダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO製)90cm2
に牛胎児血清10cm3、内皮細胞増殖因子2.0mg、ペパリン
9.0mgを混合し、全量100cm3を濾過滅菌したもの。
内径60mmのガラス製フラットシャレー内で、前記培養
基板上に、上記液体培地を満たし、これに2.3×104個の
上記細胞を播種し、インキュベーター中で炭酸ガス下温
度37℃の環境下で培養を行った。48時間経過後におい
て、細胞培養床の表面層に接着していた細胞数は7.2×1
04個であり、72時間後の細胞数は9.7×104個であり、良
好な増殖能を示した。
実施例2 (基板の作成) 表面に厚さ400Åのシリコン窒化膜を設けた石英ガラ
ス基板にポリアミノスチレンの4%キシレン溶液をスピ
ンコーティング法により塗布し、100℃にて30分間加熱
処理して厚さ0.2μmの均一な膜を得た。次にこの基板
に長さ1μm、幅0.1μmのタンタルから成る繰り返し
パターンを有するX線マスクを用いて30mJ/cm2のエネル
ギーにてX線一括露光を行った。
続いて、この基板をメチルエチルケトンを主成分とす
る溶剤中で60秒間現像し、つづいてエチルアルコールで
120秒間すすいで、X線マスクと同一のパターンを有す
る基板を得た。この基板のパターンは表面にアミノ基を
有するものであった。
尚、この方法は、他の実施例に比較して量産性が極め
て高い方法であった。
(細胞の培養) 細胞:WKAラット胎児肺由来のRFL細胞 培地:RPMI 1640(Gibco社製)の培養液に牛胎児血清
(Gibco社製)を10%加えたもの。
前記基板上に上記液体培地中にて、上記細胞を播種
し、5%炭酸ガス中インキュベーター内37℃で培養し
た。
細胞播種後、96時間後の細胞増殖率は、同じ大きさの
ポリスチレンシャレーで培養したのに比べて2.1倍であ
った。
実施例3 (基板の作成) 内径60mmのガラス製フラットシャレーの容器内面にポ
リメチルメタクリレートのエチルセロソルブアセテート
溶液を塗布した後、乾燥及び200℃,30分間の加熱処理を
施して厚さ約3μmのポリメチルメタクリレート層を有
してなるシャレーを得た。次に、これに加速電圧20KVの
電子線描画装置にて100μC/cm2の照射量で露光して幅0.
1μmの繰り返しパターンの描画を行った。この電子線
描画によってポリメチルメタクリレート層の表面は露光
部と未露光部とで表面エネルギーの異なる規則的なパタ
ーンを有する表面が形成できた。
(細胞の培養) 細胞:Hela(ヒト子宮頚部癌) 培地:イーグルMEM培地10mlに牛血清2ml,7.5%NaHCO3
2mlを加えたもの。
作成したシャレー内に上記液体培地を満たし、これに
1×105個の上記細胞を播種し、37℃の保温下、5%炭
酸ガス気流中でインキュベーションした。48時間後、0.
25%トリプシン溶液にてシャレー壁面に生育した細胞を
離脱させ、この細胞浮遊液中の細胞数を測定した。その
結果、培地中の細胞数は5.2〜10×105個であり、良好な
増殖能を示した。
実施例4 (基板の作成) 内径60mmのポリスチレン製のフラットシャレーの容器
内面にポリ(セバシルピペラジン)の5%メタノール溶
液を塗布した後、乾燥及び80℃,30分の加熱処理を施し
て厚さ0.1μmのポリ(セバシルピペラジン)層を有し
て成るシャレーを得た。次にこれに加速電圧10KVの電子
線描画装置にて10μC/cm2の照射量で露光して0.3μmφ
のドットパターンの描画を行った。露光後、このシャレ
ーをメタノールに60秒間浸漬して現像し、水で120秒間
すすいで0.3μmφのドットパターンを有するシャレー
を得た。
(細胞の培養) 細胞:ヒト血管内皮細胞 培地:ダルベッコ変法イーグル培地(Gibco社製)90c
m3に牛胎児血清10cm3、内皮細胞増殖因子2.0mg,ヘパリ
ン9.0mgを混合し、全量100cm3を濾過滅菌したもの。
作成したシャレー内に前記液体培地を満たし、上記細
胞を播種し、5%炭酸ガス中、インキュベーター内にて
37℃で培養した。
細胞播種後、3時間後にはほとんどの細胞が付着し、
96時間後の細胞増殖率は、同じ大きさのポリスチレン製
シャレーで培養したものに比べて2〜5倍であった。
実施例5 (基板の作成) ポリ(ステンレスルホン酸アンモニウム)の0.5%水
溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過したもの
を滅菌・洗浄したポリスチレン製のシャレーに注ぎ、加
熱真空乾燥して、シャレー内にポリ(スチレンスルホン
酸アンモニウム)から成る厚さ約200Åの腫を得た。
次に、この基板に加速電圧50kVの電子線描画装置にて
430μC/cm2の照射量で露光して幅約250Åラインの繰り
返しパターンから成る幅1cmの十文字パターンの描画を
行った。露光後、このシャレーを水にて現像して幅250
Åラインの繰り返し微細パターンの集合体から成る十文
字パターンを有するシャレーを得た。
(細胞の培養) 細胞:ヒト血管内皮細胞 培地:ダルベッコ変法イーグル培地に牛胎児血清、内
皮細胞増殖因子、ヘパリンを加え濾過滅菌したもの。
前記培養シャレーに、上記液体培地を満たし、これに
ヒト胎児臍帯より離脱した血管内皮細胞を播種し、炭酸
ガス下、37℃にてインキュベートした。72時間経過後に
おいて観察したところ十文字のパターンの範囲に血管内
皮細胞が効率良く増殖しており、培養細胞の形態を制御
することができた。
実施例6 (基板の作成) ポリ(セバシル−3−アミノ−ペルハイドロアゼピ
レ)の0.5%水溶液を0.2μmのメンブランフィルターで
濾過したものを滅菌・洗浄したガラス製のシャレーに注
ぎ、加熱真空乾燥したシャレー内にポリ(セバシル−3
−アミノ−ペルハイドロアゼピレ)から成る厚さ約300
Åの膜を得た。
次に、この基板の長さ0.1μm、幅0.05μmのタンタ
ルの繰り返しパターンの集合体から成る直径1cmの水玉
模様パターンを有するX線マスクを用いて500mg/cm2
エネルギーにてX線一括露光を行った。
続いて、このシャレーをエタノールと水との混合液に
て60秒間現像し、X線マスクと同一のパターンを有する
基板を得た。
(細胞の培養) 細胞:ミニブタ大動脈血管内皮細胞 培地:F−10培地+10%ウシ胎児血清 前記培養シャレーに、上記液体培地を満たし、これに
ミニブタ大動脈よりトリプシンやコラゲナーゼなどの酵
素を用いて採取した血管内皮細胞を播種し、炭酸ガス
下、37℃にてインキュベートした。48時間経過後におい
て、培養シャレーを観察したところ、細胞は水玉模様状
に増殖していた。
〔発明の効果〕
本発明は、基板表面に規則性を有する凹凸パターン、
細胞の粘着を制御する官能基のパターン、荷電分布の異
なるパターン、表面エネルギーの異なるパターン等を高
精度に形成することにより、基板表面に細胞を安定的に
粘着し、長期にわたって細胞を増殖できるものである。
本発明によれば、膵細胞や肝細胞のような今まで培養が
不可能、あるいは培養が極めて難しいとされていた細胞
も培養することが可能である。更に、本発明は培養細胞
の形態を任意に制御することが可能であり細胞工学に寄
与するばかりでなく生化学的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は基板表面に紫外光,レーザー,電離放射線等で
所望のパターンを描画する方法を示す図、第2図はX線
マスクを通して、放射光を照射する方法を示す図、第3
図は紫外光,レーザー、電離放射線の照射をガス雰囲気
中で行う方法を示す図、第4図は基板表面にレジスト性
ポリマーを塗布した後に紫外光,レーザー光,電離放射
線を照射する方法をそれぞれ示す図、第5図は十文字パ
ターンの斜視図である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に規則性を有する微細なパターン
    を形成することによって基板表面に細胞を安定的に吸着
    し、培養し得るようにした細胞培養基板であって、前記
    パターンが凹凸状のパターンであり、前記パターンを形
    成する素材が、細胞の吸着性を付与する官能基及び/又
    は電荷を有することを特徴とする前記細胞培養基板。
  2. 【請求項2】基板表面に所望のパターンを形成し、該パ
    ターン上に所望の細胞を該パターンの形状に沿って選択
    的に吸着し、培養し得るようにした選択的細胞培養基板
    であって、前記パターンが規則性を有する凹凸状の微細
    なパターンの集合体からなるものであり、前記パターン
    を形成する素材が、細胞の吸着性を付与する官能基及び
    /又は電荷を有することを特徴とする前記選択的細胞培
    養基板。
  3. 【請求項3】前記パターンが十文字パターンからなる請
    求項2記載の選択的細胞培養基板。
  4. 【請求項4】前記官能基が、カルボニル基、カルボキシ
    ル基、エポキシ基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニ
    トロ基、スルホン基、水酸基、又はハロゲン基である請
    求項1〜3のいずれか一項に記載の細胞培養基板。
  5. 【請求項5】前記電荷が導電性の金属、ITO又は高分子
    によるものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の
    細胞培養基板。
  6. 【請求項6】基板表面に電子ビーム、イオンビーム、又
    はレーザービームを照射して、微細なパターンを形成す
    ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載
    の細胞培養基板の製法。
  7. 【請求項7】基板表面に高融点金属の微細パターンから
    なるマスクを介してX線、γ線、もしくはシンクロトロ
    ン放射光を照射し、又は遮光材の微細パターンからなる
    マスクを介してレーザーもしくは紫外光を照射すること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞
    培養基板の製法。
  8. 【請求項8】照射をハロゲン系ガス雰囲気、シリコン系
    ガス雰囲気、又はアミン系ガス雰囲気のもとで行うこと
    を特徴とする請求項6又は7記載の製法。
  9. 【請求項9】基板表面にレジスト性ポリマーを塗布し、
    次いで電子ビーム又はX線を照射することを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の細胞培養基板の製
    造方法。
  10. 【請求項10】基板表面に導電性の金属、ITO又は高分
    子で規則性を有する微細なパターンを形成することを特
    徴とする請求項5記載の細胞培養基板の製法。
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