JP2776387B2 - 冷媒流体圧力スイッチ - Google Patents

冷媒流体圧力スイッチ

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JP2776387B2 JP63172608A JP17260888A JP2776387B2 JP 2776387 B2 JP2776387 B2 JP 2776387B2 JP 63172608 A JP63172608 A JP 63172608A JP 17260888 A JP17260888 A JP 17260888A JP 2776387 B2 JP2776387 B2 JP 2776387B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、冷凍システムの電気回路の開閉制御を行
う冷媒流体圧力スイッチに関する。
[従来の技術] 一般に、冷凍システムにおいては、その冷凍システム
内の冷媒流体圧力が異常値になると、システムの保護の
ために、その主要機器例えば圧縮器の電源を遮断するた
めの冷媒流体圧力スイッチが用いられている。
これらの冷媒流体圧力スイッチのうち、ある一定圧力
以下においてスイッチをオフする低圧カットオフスイッ
チ、ある一定圧力以上においてスイッチをオフする高圧
カットオフスイッチが使用されており、また、それらの
機能を2機能または3機能複合したスイッチも使用され
ている。
このような冷媒流体圧力スイッのうちの低圧カットオ
フスイッチを第2図に示している。この低圧カットオフ
スイッチは、上端開口部を有するスイッチケース6と、
このスイッチケース5の内部に組込まれたスイッチ機構
と、冷媒流体の導入部を有しスイッチケース6の上端開
口部に嵌合固定されるハウジング7と、このハウジング
7の冷媒流体導入部と上記スイッチ機構とを隔離し且つ
冷媒流体圧力をスイッチ機構に伝達するダイヤフラム1
とを具備するものである。
このダイヤフラム1は、可撓性を有するポリイミドフ
ィルム等で形成され、このダイヤフラム1を冷媒流体圧
力に抗して圧力伝達素子2を介して上方に付勢するバイ
アスバネ3を用い、冷媒流体導入側の圧力が一定圧力以
上になると、スイッチ機構の可動接点4と固定接点5が
接続され、冷媒流体導入側の圧力が一定圧力以下になる
と、この接点が断たれる構造になっている。
この種スイッチの最大の欠点は、冷凍システム内の冷
媒の多くはポリイミドフィルム等の樹脂膜に対して透過
性があり、このため、樹脂膜ダイヤフラムの使用は透過
性の小さい冷媒R12を用いる冷凍システムに用途が限ら
れていた。したがって、樹脂膜に対し透過性の大きい冷
媒R12以外の冷媒を用いる冷媒システムにおいては、透
過性の小さい金属膜ダイヤフラムが用いられ、第3図に
示すように金属膜ダイヤフラム10の周辺部を溶接する構
造の冷媒流体圧力スイッチが用いられてきた。
第3図に示す冷媒流体圧力スイッチは高圧カットスイ
ッチであり、このようなスイッチは流体圧力による形態
変更がスナップ作用であるため有効な特性を示すが、ス
イッチの開閉圧力差が小さく且つ金属膜ダイヤフラム10
に働く圧力の小さい低圧カットオフスイッチ用として
は、一旦製作した後のキャリブレーション工程を入れた
り、わざわざ圧力調整用のスプリングを内蔵させるなど
の製作上の困難さを伴っている。
[発明が解決しようとする課題] 近年フロンガス規制が製造量、販売量とも国際的に実
施されることとなり、冷媒R12はオゾン層破壊に関与す
るものとして規制対象となった。しかし、冷媒R22は規
制外であるから、今後の冷凍システムの冷媒はR12からR
22への移行またはR12の代替冷媒例えばR134aの使用に向
かうか、R12を使用する場合はその漏洩が厳しく規制さ
れることにある。
そこで、冷媒流体ガスの透過性などの改善を施したダ
イヤフラムが本発明者などによって提案され、本発明と
は別の発明(特願昭63−113864号、特開平1−283726号
公報)として先に出願されている。
この先願発明に係る冷媒流体感圧スイッチ(圧力スイ
ッチ)のダイヤフラムは、冷媒ガス側に配置する金属薄
膜とスイッチ機構側に配置する樹脂膜とを重ね合わせた
2層構造のダイヤフラムであって、金属膜により冷媒流
体ガスの透過を防ぎ、ダイヤフラムの変形応力を樹脂膜
に受け持たせるという技術思想である。
本発明は、先願発明に係る2層構造のダイヤフラムを
スイッチケース及びハウジングと一体化する構造にかか
るものであるが、先願発明に係る2層ダイヤフラムを単
に第2図に示す従来の冷媒流体圧力スイッチのダイヤフ
ラムに代えた構造とすると、2層構造のダイヤフラムの
樹脂膜とスイッチケース6の上端面とのズレ、樹脂膜と
金属膜とのズレ、OリングガスケットGとの位置ズレな
どの発生のおそれがあり、冷媒ガス透過性やダイヤフラ
ムの耐久性に問題が生じる。
また、ガスケットGが挿入圧縮される空間を規定する
寸法は、圧縮前のガスケット圧に対して第2図に示すよ
うな寸法B(ダイヤフラムの厚さ),C(ハウジング7の
嵌合部段差),D(スイッチケース6の嵌合部段差)の3
つの要素があるため、ガスケット圧縮代のバラツキ原因
となる。更に、スイッチ機構の組込みに際しても前記の
ように主要部品間のズレを排除しなければ目的とする気
密シールが保持できないなどの問題がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前述の諸問題を解決するために、上端に開
口部を有するスイッチケースと、このスイッチケースの
内部に組み込まれたスイッチ機構と、冷媒流体の導入部
を有し前記スイッチケースの上端開口部に嵌合固定され
るハウジングと、このハウジングの冷媒流体導入部と前
記スイッチ機構とを隔離し且つ冷媒流体圧力を前記スイ
ッチ機構に伝達するダイヤフラムとを具備する冷媒流体
圧力スイッチにおいて、前記スイッチケースが、その上
端開口部に棚部と棚部の外周から立ち上がる外周立上り
部とを具備し、前記ダイヤフラムが、冷媒流体の導入部
側に配置されたステンレススチール鋼膜と前記スイッチ
機構の側に配置されたポリイミド樹脂膜とを重ね合わせ
た2層構造に構成されるとともに、前記スイッチケース
の外周立上り部の大きさとほぼ同じ大きさの径を有し、
前記スイッチケースの外周立上り部の上端で前記ハウジ
ングを固定し、前記スイッチケースの棚部に周辺部を載
置した前記ダイヤフラムを、ハウジングとの間にガスケ
ットを介在させて固定したことを特徴とする。
[作用] ハウジングの冷媒流体導入部とスイッチケースのスイ
ッチ機構組込み部分とを隔離するダイヤフラムを、冷媒
流体の導入部側に配置されたステンレススチール鋼膜と
前記スイッチ機構の側に配置されたポリイミド樹脂膜と
を重ね合わせた2層構造に構成するとともに、前記スイ
ッチケースの外周立上り部の大きさとほぼ同じ大きさの
径を有するものとし、前記ステンレススチール鋼薄膜に
よって冷媒流体ガスの透過を防ぎ、変形応力をポリイミ
ド樹脂膜に受け持たせることができるので、ダイヤフラ
ム全体の耐久性を向上させることができる。
また、スイッチケースの上端開口部に棚部と棚部から
立ち上がる外周立上り部とを設け、スイッチケースの外
周立上り部の上端でハウジングを固定し、スイッチケー
スの棚部に周辺部を載置したダイヤフラムを、ハウジン
グとの間にガスケットを介在させて固定する構造にした
ことにより、ポリイミド樹脂膜とスイッチケースとのズ
レ、ポリイミド樹脂膜とステンレススチール鋼薄膜との
ズレ、ガスケットの位置ズレなどの発生のおそれがな
く、冷媒流体ガスの気密性を確実に保つことができ、ま
たガスケット圧縮代を規制する寸法がX,Y(第1図参
照)の二要素に減じて圧縮代のバラツキを小さくするこ
とができる。
[実施例] 以下、本発明の位置実施例を第1図に従い説明をす
る。
この実施例の冷媒流体圧力スイッチは、流体圧力が2.
1kg/cm2(ゲージ圧)に到達したとき電気回路をONに
し、それより高い流体圧力の状況下では電気回路をONの
ままに保ち、逆に流体圧力が2.0kg/cm2(ゲージ圧)に
低下したとき電気回路をOFFにし、再び流体圧力が2.1kg
/cm2(ゲージ圧)に到達するまでは電気回路をOFFに保
つような機能をもたせることを目的としたもので、通常
冷凍システムの低圧カットオフ保護スイッチとしての用
途を有するものである。
本実施例において、冷媒流体圧力スイッチの外郭は亜
鉛クロメートメッキを施したハウジング11をスイッチケ
ース12にかしめ固定することにより構成される。
前記ハウジング11は冷媒流体(圧力ガス冷媒)の導入
部を有する。また、前記スイッチケース12はハウジング
11が嵌合される上端開口部を有し、この上端開口部とは
逆の面すなわち、第1図の状態で低面に当たる部分に調
節ネジ13が螺挿されている。
この調節ネジ13はバイアスネジ14の圧縮長さを調整し
電気回路の開閉圧力の設定を行う際に用いるもので、こ
の調節ネジ13に接する金属製のバネ押え部品15とバイア
スネジ14をスイッチケース12に設けられた下部空洞部に
内装する。前記バイアスバネ14はスイッチケース12の上
部空洞内に配置した圧力伝達素子18から伝達される流体
圧力による力に抗して所望の設定圧力でスイッチの開閉
が行われるようにスイッチ機構の可動部品を上方へ付勢
する力を与える。このバイアスバネ14の長さは、ターミ
ナル19,20の上端折曲部(固定接点16,16a)に対するバ
ネ受け材17の変位制限と調整ネジ13の調整によって設定
可能となっている。
前記バイアスバネ14の上方には、このバネと下面で組
み合うバネ受け材17が配置されており、このバネ受け材
17は圧力伝達素子18と組み合い圧力伝達素子18による下
方への力とバイアスネジ14の上方への力が釣り合った位
置に止まるものである。但し、このバネ受け材17の上方
への変位はターミナル19,20の上端折曲部(固定接点16,
16a)によって制限を受ける。
前記ターミナル19,20はスイッチケース12の貫通孔に
挿通され、このターミナル対の上端は内方に向けて略直
角に折曲されて、スイッチケース12の上方空洞部に設け
た第1の棚部21に支持固定され、固定接点16,16aを形成
している。また、固定接点16,16aの上方に位置するスイ
ッチケース12の上方空洞部に、この上部空洞部の内壁面
を摺動する圧力伝達素子18を位置する。この圧力伝達素
子18の下部金属部品22は、圧力伝達素子18と一体になっ
て動く可動接点としての機能をもち、圧力伝達素子18が
2.1kg/cm2(ゲージ圧)の流体圧力で下方に押されると
き固定接点16,16aと接触し、流体圧力が再び2.0kg/cm2
(ゲージ圧)以下になると、バイアスバネ14の力により
固定接点16,16aから離れる。また、圧力伝達素子18は、
その上面が樹脂膜ダイヤフラム23と接し、このダイヤフ
ラム23を介しての流体圧力を下方に伝達する。また、圧
力伝達素子18の下部に金属部分22を貫通し、バネ受け部
材17の中空部と組み合って突起部24を形成し、この突起
部24によって圧力伝達素子18をスイッチケース12の中心
部に位置させる。更に、圧力電圧素子18の上部外周部
は、スイッチケース12の上部空洞部の内壁面を揺動す
る。
そして、スイッチケース12の最上部(上端開口部)に
は、外周立上り部25と棚部26を設け、この棚部26に周辺
部を載置した前記2層構造のダイヤフラムの樹脂膜23
を、ハウジング11との間にスイッチケース12の外周立上
り部25に接して配置したガスケット28を介在させて支持
固定する。
このようにスイッチケース12の上端開口部に立上り部
25と棚部26を設け、その空間部に重合ダイヤフラム23,2
7をガスケット28とともに載置し支持固定すると、ハウ
ジング11のかしめ工程においてダイヤフラム23,27がズ
レることはない。
この実施例においては、ガスケット28はクロロプレン
ゴム材質のOリングを用い、金属薄膜ダイヤフラム27は
10μm厚のSUS304L膜、樹脂膜ダイヤフラム23には50μ
m厚のポリイミドフィルムを用いている。
上記構成体(スイッチ機構と2層構造の重合ダイヤフ
ラムを組込んだスイッチケース12)に上方からハウジン
グ11を被嵌し、このハウジング11の下方周辺部をスイッ
チケース12の外周肩部にかしめ、前記ガスケット28の圧
縮によりスイッチケース12と重合ダイヤフラム23,27と
ハウジング11を気密に一体化する。
このような下方の部品から順次組み立てる組立工程に
よれば、圧力スイッチの姿勢を一貫して第1図に示す上
下方向を保つことができ、かつスイッチケース12と重合
ダイヤフラム23,27のズレや2層構造の重合ダイヤフラ
ム23,27同士間の部品のズレは発生しない。
以上のように組み立てられた冷媒流体圧力スイッチ
は、冷凍システムの冷媒がR22の場合でも殆ど冷媒流体
ガスの透過はないので、ハウジング上部に冷媒流体が入
り、その流体圧力が増加するとバイアスバネ14の力に抗
して重合ダイヤフラム23,27と圧力伝達素子18が下方へ
の力を受け、流体圧力が2.1kg/cm2に達すると、圧力伝
達素子18の下方に固定して設けられた可動接点(金属部
品22)がターミナル19,20の固定接点16,16aに接触し
て、ターミナル19,20に接続されている電気回路は閉と
なる。
一方、一旦、流体圧力が加えられた系が何らかの理由
で圧力を失い、その流体圧力が2.0kg/cm2に低下する
と、圧力伝達素子18はバイアスバネ14の上方への力に抗
し得ず上方に押しやられて接点22は離間するので、ター
ミナル19,20に接続された電気回路は開となる。
[発明の効果] 以上のような本発明のスイッチ構造をとることによ
り、冷媒流体ガスのスイッチ機構部への侵入がなくなる
ので、従来この種の冷媒流体圧力スイッチが殆ど使用さ
れなかったR22,R500,R502等の冷媒を用いる冷凍システ
ムに本発明の冷媒流体圧力スイッチを用いることができ
る。
また、本発明のスイッチ構造によれば、ガスケット圧
縮代の管理が容易であるから、ダイヤフラムが重合多層
のものであっても各層間のズレ等が生じるおそれは少な
い耐久性に優れた冷媒流体圧力スイッチが得られる。
更に、本発明のスイッチ構造によれば、その組立時に
おいて部品の脱落や誤組立などの不具合が生じない構造
の冷媒流体圧力スイッチが得られる。
なお、上述においては、低圧カットオフスイッチの実
施例をもって本発明を詳細に説明したが、本発明のスイ
ッチ構造を用いて高圧カットオフスイッチは勿論のこ
と、二動作型の冷媒流体圧力スイッチ、及び三動作型の
冷媒流体圧力スイッチを得ることもできることはいうま
でもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である重合ダイヤフラムを用
いた冷媒流体圧力スイッチ(低圧カットオフスイッチ)
の中央縦断面図、第2図は従来の樹脂膜ダイヤフラムを
用いた冷媒流体圧力スイッチ(低圧カットオフスイッ
チ)の中央縦断面図、第3図は従来の金属薄膜ダイヤフ
ラムを用いた冷媒流体圧力スイッチの中央縦断面図であ
る。 11……ハウジング,12……スイッチケース,13……調節ネ
ジ,14……バイアスネジ,15……バネ押え部材,16、16a…
…固定接点,17……バネ受け部材,18……圧力伝達素子,1
9、20……ターミナル,23……樹脂膜ダイヤフィルム,25
……外周立上り部,26……棚部,27……金属薄膜ダイヤフ
ラム,28……ガスケット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上端に開口部を有するスイッチケースと、
    このスイッチケースの内部に組み込まれたスイッチ機構
    と、冷媒流体の導入部を有し前記スイッチケースの上端
    開口部に嵌合固定されるハウジングと、このハウジング
    の冷媒流体導入部と前記スイッチ機構とを隔離し且つ冷
    媒流体圧力を前記スイッチ機構に伝達するダイヤフラム
    とを具備する冷媒流体圧力スイッチにおいて、 前記スイッチケースが、その上端開口部に棚部と棚部の
    外周から立ち上がる外周立上り部とを具備し、 前記ダイヤフラムが、冷媒流体の導入部側に配置された
    ステンレススチール鋼膜と前記スイッチ機構の側に配置
    されたポリイミド樹脂膜とを重ね合わせた2層構造に構
    成されるとともに、前記スイッチケースの外周立上り部
    の大きさとほぼ同じ大きさの径を有し、 前記スイッチケースの外周立上り部の上端で前記ハウジ
    ングを固定し、 前記スイッチケースの棚部に周辺部を載置した前記ダイ
    ヤフラムを、ハウジングとの間にガスケットを介在させ
    て固定した ことを特徴とする冷媒流体圧力スイッチ。
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