JP2774698B2 - 感応性の優れた平版用版材の製法 - Google Patents
感応性の優れた平版用版材の製法Info
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- JP2774698B2 JP2774698B2 JP3005905A JP590591A JP2774698B2 JP 2774698 B2 JP2774698 B2 JP 2774698B2 JP 3005905 A JP3005905 A JP 3005905A JP 590591 A JP590591 A JP 590591A JP 2774698 B2 JP2774698 B2 JP 2774698B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は親水性のスルホン酸基を
有する平版用版材において、レーザー等による製版に際
して優れた感応性を示す版材に関するものである。更に
詳しくいえば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、ア
ルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザーまたは半導
体レーザー等のレーザー光やキセノン光等の光または/
及び熱エネルギーを照射することにより画像部を形成さ
せる製版方式において、高い感応性を有する版材を提供
するものである。
有する平版用版材において、レーザー等による製版に際
して優れた感応性を示す版材に関するものである。更に
詳しくいえば、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、ア
ルゴンレーザー、ヘリウム・ネオンレーザーまたは半導
体レーザー等のレーザー光やキセノン光等の光または/
及び熱エネルギーを照射することにより画像部を形成さ
せる製版方式において、高い感応性を有する版材を提供
するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、先に特開平01−018
635号公報において、レーザー光を照射することによ
り画像形成することを特徴とする平版用印刷版の製法を
提供した。これは、その表面に感光性または/及び感熱
性を有する親水性のスルホン酸基が配されている新規な
平版用版材の製版方法であり、例えば、コンピュータ画
面で編集された情報を、ネガフィルム等を介することな
く、版材の表面を直接にレーザー光を用いて走査するだ
けで親油性画像部を形成させることができるため極めて
簡便に平版用印刷版を製造することができる。従って、
PS版等の従来の平版用版材を用いた製版工程において
必要とされている煩雑な処理工程、即ち、エッチング、
デコーティングまたは化学的処理等の如き、親水性非画
像部を形成させるための湿式の製版工程を必要としない
優れたものであるが、例えば、レーザー製版においてレ
ーザー光の大半を透過させてしまうためエネルギー効率
が低いものとなり、比較的大きな出力のレーザーを必要
とするという問題があった。
635号公報において、レーザー光を照射することによ
り画像形成することを特徴とする平版用印刷版の製法を
提供した。これは、その表面に感光性または/及び感熱
性を有する親水性のスルホン酸基が配されている新規な
平版用版材の製版方法であり、例えば、コンピュータ画
面で編集された情報を、ネガフィルム等を介することな
く、版材の表面を直接にレーザー光を用いて走査するだ
けで親油性画像部を形成させることができるため極めて
簡便に平版用印刷版を製造することができる。従って、
PS版等の従来の平版用版材を用いた製版工程において
必要とされている煩雑な処理工程、即ち、エッチング、
デコーティングまたは化学的処理等の如き、親水性非画
像部を形成させるための湿式の製版工程を必要としない
優れたものであるが、例えば、レーザー製版においてレ
ーザー光の大半を透過させてしまうためエネルギー効率
が低いものとなり、比較的大きな出力のレーザーを必要
とするという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点の改良された、レーザー光に優れた感応性を示す、平
版用版材の製法を提供することを目的とする。
点の改良された、レーザー光に優れた感応性を示す、平
版用版材の製法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボン
ブラック含有ポリアルキレン系樹脂組成物を用いると上
記課題を解決することができるとの知見を得て、鋭意研
究した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は、カーボンブラック5〜30重量%を含有したポリア
ルキレン系の樹脂組成物よりなるフィルムまたはシート
をスルホン化することを特徴とする感応性の優れた平版
用版材の製法である。
ブラック含有ポリアルキレン系樹脂組成物を用いると上
記課題を解決することができるとの知見を得て、鋭意研
究した結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は、カーボンブラック5〜30重量%を含有したポリア
ルキレン系の樹脂組成物よりなるフィルムまたはシート
をスルホン化することを特徴とする感応性の優れた平版
用版材の製法である。
【0005】本発明において該フィルムまたはシートに
含有されたカーボンブラックは、次いでスルホン化反応
により感応性スルホン酸基を有する平版用版材とされた
とき、カーボンブラック本来の特性である光または/及
び熱吸収能を向上させる効果が感応性スルホン酸基に対
して有効に生かされるため比較的低出力のレーザー等を
用いて高速製版を行うことを可能とするが、更に、スル
ホン化反応により生成する感応性スルホン酸基の量が同
反応において副生する非感応性スルホン酸基の生成量に
比して多くなると共に前者がエネルギーレベルの低い長
波長領域のレーザー光にも有効に感応し得るようになる
ためアルゴンレーザーから半導体レーザーに至る広範囲
のレーザー光を用いた画像形成を可能にすることと相俟
って、平版用版材の製版性を著しく向上させる。
含有されたカーボンブラックは、次いでスルホン化反応
により感応性スルホン酸基を有する平版用版材とされた
とき、カーボンブラック本来の特性である光または/及
び熱吸収能を向上させる効果が感応性スルホン酸基に対
して有効に生かされるため比較的低出力のレーザー等を
用いて高速製版を行うことを可能とするが、更に、スル
ホン化反応により生成する感応性スルホン酸基の量が同
反応において副生する非感応性スルホン酸基の生成量に
比して多くなると共に前者がエネルギーレベルの低い長
波長領域のレーザー光にも有効に感応し得るようになる
ためアルゴンレーザーから半導体レーザーに至る広範囲
のレーザー光を用いた画像形成を可能にすることと相俟
って、平版用版材の製版性を著しく向上させる。
【0006】更に、版材に含有されているカーボンブラ
ックは、親水性の感応性スルホン酸基を消失させること
により画像部を形成させたとき、該画像部においてイン
キに対する親和性を向上させるためインキ着肉性の優れ
た印刷物を提供し得る。尚、感応性スルホン酸基は赤外
吸収スペクトルにおいて波数1200付近に吸収バンド
を示すから、前記のスルホン化されたフィルムまたはシ
ートの赤外吸収スペクトルにおいて該バンドの挙動から
本発明になる平版用版材の感光性または/及び感熱性の
程度を予想することができる。即ち、赤外吸収スベクト
ルにおいて、カーボンブラックを含有したフィルムまた
はシートをスルホン化することにより得られる平版用版
材では感応性スルホン酸基に帰属される波数1200付
近のバンドが相対的に強く現れる。
ックは、親水性の感応性スルホン酸基を消失させること
により画像部を形成させたとき、該画像部においてイン
キに対する親和性を向上させるためインキ着肉性の優れ
た印刷物を提供し得る。尚、感応性スルホン酸基は赤外
吸収スペクトルにおいて波数1200付近に吸収バンド
を示すから、前記のスルホン化されたフィルムまたはシ
ートの赤外吸収スペクトルにおいて該バンドの挙動から
本発明になる平版用版材の感光性または/及び感熱性の
程度を予想することができる。即ち、赤外吸収スベクト
ルにおいて、カーボンブラックを含有したフィルムまた
はシートをスルホン化することにより得られる平版用版
材では感応性スルホン酸基に帰属される波数1200付
近のバンドが相対的に強く現れる。
【0007】特に、本発明において、感応性スルホン酸
基に帰属される波数1200付近の強いバンドとスルホ
ン酸基の伸縮振動(対称)に帰属される波数1050付
近のバンドとの吸光度比が0.6以上であることが好ま
しい。0.6以上であるときレーザー等により製版する
うえで好ましい感光性または/及び感熱性を有する平版
用版材を与えることができる。該吸光度比が0.6未満
の場合には、製版においてレーザー等を用いて走査され
た表面が熱溶融によりかなり変形する程度の大きなエネ
ルギーを必要とする。一方、吸光度比が2.3以上のも
のをえることは一般に困難である。
基に帰属される波数1200付近の強いバンドとスルホ
ン酸基の伸縮振動(対称)に帰属される波数1050付
近のバンドとの吸光度比が0.6以上であることが好ま
しい。0.6以上であるときレーザー等により製版する
うえで好ましい感光性または/及び感熱性を有する平版
用版材を与えることができる。該吸光度比が0.6未満
の場合には、製版においてレーザー等を用いて走査され
た表面が熱溶融によりかなり変形する程度の大きなエネ
ルギーを必要とする。一方、吸光度比が2.3以上のも
のをえることは一般に困難である。
【0008】ここでいう吸光度比は、赤外吸収スペクト
ルの解析において一般に採用されているベースライン法
を用いて求める。尚、スルホン化物の赤外吸収スペクト
ルは反射法(ATR法)によって測定することが出来
る。本発明において使用されるカーボンブラックは高分
子化合物の添加剤として通常に使用されている炭素材の
ほかに、一般にフィラーとして工業的に多量使用されて
いる石油コークス、ギルソナイトコークス、ピッチコー
クスまたは無煙炭等の炭素材を用いることができる。
尚、用いられるカーボンブラックの平均粒子径は10n
m以上が好ましく、更に好ましくは100nm以上のも
のであって、該粒子径が10nm未満のものは一般に入
手及び取扱い性の点で劣るのみならず、光吸収能も低い
ため好ましくない。
ルの解析において一般に採用されているベースライン法
を用いて求める。尚、スルホン化物の赤外吸収スペクト
ルは反射法(ATR法)によって測定することが出来
る。本発明において使用されるカーボンブラックは高分
子化合物の添加剤として通常に使用されている炭素材の
ほかに、一般にフィラーとして工業的に多量使用されて
いる石油コークス、ギルソナイトコークス、ピッチコー
クスまたは無煙炭等の炭素材を用いることができる。
尚、用いられるカーボンブラックの平均粒子径は10n
m以上が好ましく、更に好ましくは100nm以上のも
のであって、該粒子径が10nm未満のものは一般に入
手及び取扱い性の点で劣るのみならず、光吸収能も低い
ため好ましくない。
【0009】一方、該カーボンブラックの粒子径が10
00nm以上のものを用いたとき印刷物のところどころ
に印刷むらが発生するから好ましくなく、1000nm
未満のものを用いるのが好ましい。また、本発明で用い
られるカーボンブラックの含有量はポリアルキレン系樹
脂組成物の5〜30重量%であり、該含有量が5重量%
未満のときは平版用版材としたとき感応性の向上効果は
小さく、一方、30重量%を越えた平版用版材では非画
像部に地汚れが発生しやすくなること、基材シート及び
該シートのスルホン化表面の機械的物性が低下するため
耐刷力が小さくなること等のため特別の工夫を要する。
00nm以上のものを用いたとき印刷物のところどころ
に印刷むらが発生するから好ましくなく、1000nm
未満のものを用いるのが好ましい。また、本発明で用い
られるカーボンブラックの含有量はポリアルキレン系樹
脂組成物の5〜30重量%であり、該含有量が5重量%
未満のときは平版用版材としたとき感応性の向上効果は
小さく、一方、30重量%を越えた平版用版材では非画
像部に地汚れが発生しやすくなること、基材シート及び
該シートのスルホン化表面の機械的物性が低下するため
耐刷力が小さくなること等のため特別の工夫を要する。
【0010】本発明において使用されるポリアルキレン
系樹脂は、融点またはビカー軟化点が80°C以上のポ
リアルキレン化合物であって、例えば低密度ポリエチレ
ン、一般にオクテンまたはブテン等との共重合反応を用
いて製造される線状の低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ−クロロトリフルオロエ
チレン等があげられる。また、本発明のポリアルキレン
系樹脂は、共重合反応により、側鎖にメチル、エチルま
たはブチル等のアルキル基、ニトリル基、アミド基、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、メトキシまたはエトキ
シ等のアルコキシカルボニル基、ビニル基、及び塩素ま
たは臭素等のハロゲン元素等の中から選ばれた1種また
は2種以上を有する化合物を用いることができる。更
に、本発明のポリアルキレン系樹脂組成物は分子量が2
万以下のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体
またはアタクチックポリプロピレン等の融点または軟化
点が80°C以下のポリアルキレン化合物、酢酸ビニル
樹脂、ポリエーテルをソフトセグメントとしたウレタン
系エラストマーまたはエピクリロヒドリンゴム等の非ジ
エン系のゴム及びポリブタジエンまたはポリスチレン−
ブタジエン等のジエン系ゴム等の1種または2種以上を
10〜40部の範囲内で含むことができる。
系樹脂は、融点またはビカー軟化点が80°C以上のポ
リアルキレン化合物であって、例えば低密度ポリエチレ
ン、一般にオクテンまたはブテン等との共重合反応を用
いて製造される線状の低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペ
ンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ−クロロトリフルオロエ
チレン等があげられる。また、本発明のポリアルキレン
系樹脂は、共重合反応により、側鎖にメチル、エチルま
たはブチル等のアルキル基、ニトリル基、アミド基、ヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、メトキシまたはエトキ
シ等のアルコキシカルボニル基、ビニル基、及び塩素ま
たは臭素等のハロゲン元素等の中から選ばれた1種また
は2種以上を有する化合物を用いることができる。更
に、本発明のポリアルキレン系樹脂組成物は分子量が2
万以下のポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体
またはアタクチックポリプロピレン等の融点または軟化
点が80°C以下のポリアルキレン化合物、酢酸ビニル
樹脂、ポリエーテルをソフトセグメントとしたウレタン
系エラストマーまたはエピクリロヒドリンゴム等の非ジ
エン系のゴム及びポリブタジエンまたはポリスチレン−
ブタジエン等のジエン系ゴム等の1種または2種以上を
10〜40部の範囲内で含むことができる。
【0011】本発明において用いられるポリアルキレン
系樹脂組成物は、更に、熱安定剤、光安定剤、滑剤、及
びフィラー等をそれぞれの樹脂組成物本来の版剤として
の特性を著しく損なわない範囲内でブレンドすることが
できる。また、均一なブレンド組成物とするため、例え
ば、アドマー(三井石油化学(株)製、商品名)等の相
溶性向上剤を添加することができる。
系樹脂組成物は、更に、熱安定剤、光安定剤、滑剤、及
びフィラー等をそれぞれの樹脂組成物本来の版剤として
の特性を著しく損なわない範囲内でブレンドすることが
できる。また、均一なブレンド組成物とするため、例え
ば、アドマー(三井石油化学(株)製、商品名)等の相
溶性向上剤を添加することができる。
【0012】これらの添加剤をブレンドする方法は樹脂
加工において一般に公知となっている方法を用いること
ができる。例えば、ポリプロピレンとカーボンブラック
とをブレンダーを用いて混合したのち二軸押出機や加圧
ニーダー等を用いて混練することができる。更に、フィ
ルムまたはシートを製造する方法は一般に公知の方法、
例えばプレス法、Tダイ法、インフレーション法等を採
用することができる。
加工において一般に公知となっている方法を用いること
ができる。例えば、ポリプロピレンとカーボンブラック
とをブレンダーを用いて混合したのち二軸押出機や加圧
ニーダー等を用いて混練することができる。更に、フィ
ルムまたはシートを製造する方法は一般に公知の方法、
例えばプレス法、Tダイ法、インフレーション法等を採
用することができる。
【0013】本発明において、スルホン化反応の方法に
ついては特に制限はなく公知のスルホン化剤、例えば、
発煙硫酸を用いて前記のフィルムまたはシートを該反応
液中に浸漬してもよい。また、発煙硫酸以外のスルホン
化剤としてガス状の無水硫酸及び無水硫酸を四塩化炭
素、クロロホルム、二塩化エチレン等の無水硫酸にたい
して比較的活性の少ない有機溶剤に希釈したものを用い
てもよい。
ついては特に制限はなく公知のスルホン化剤、例えば、
発煙硫酸を用いて前記のフィルムまたはシートを該反応
液中に浸漬してもよい。また、発煙硫酸以外のスルホン
化剤としてガス状の無水硫酸及び無水硫酸を四塩化炭
素、クロロホルム、二塩化エチレン等の無水硫酸にたい
して比較的活性の少ない有機溶剤に希釈したものを用い
てもよい。
【0014】尚、スルホン化の条件は使用される高分子
の種類及びスルホン化剤によって異なるが、一般に無水
硫酸等の酸化型のスルホン化剤を用いて反応を行った場
合には波数1200付近に赤外吸収スペクトルのバンド
を有する構造のものが生成しやすい。一般に吸光度比が
0.6以上で感光または、及び感熱性の優れたオフセッ
ト印刷用版材を得ることができるが、特に、低出力レー
ザーを用いて高速製版を行うためには吸光度比1.0以
上が必要であり、一般に高感度版材を得るためにはスル
ホン化反応温度を0°C付近で行うことが好ましいが、
本発明の平版用版材では特別に低い反応温度を設定する
必要がなく雰囲気の温度を30°C以下になるようにす
ればよい。
の種類及びスルホン化剤によって異なるが、一般に無水
硫酸等の酸化型のスルホン化剤を用いて反応を行った場
合には波数1200付近に赤外吸収スペクトルのバンド
を有する構造のものが生成しやすい。一般に吸光度比が
0.6以上で感光または、及び感熱性の優れたオフセッ
ト印刷用版材を得ることができるが、特に、低出力レー
ザーを用いて高速製版を行うためには吸光度比1.0以
上が必要であり、一般に高感度版材を得るためにはスル
ホン化反応温度を0°C付近で行うことが好ましいが、
本発明の平版用版材では特別に低い反応温度を設定する
必要がなく雰囲気の温度を30°C以下になるようにす
ればよい。
【0015】本発明においてスルホン化量が交換当量に
して5×10-5〜1×10-1ミリ当量/cm2 の時、オフセ
ット印刷版において非画像部を形成するに必要な親水性
を与えることができる。一般にスルホン化反応の進行に
伴ってスルホン化量が増大し版面の親水性も向上する
が、該吸光度比は必ずしもスルホン化量と直線的ではな
いから、各々の樹脂組成物についてそれぞれ最適の条件
を選定しなければならない。
して5×10-5〜1×10-1ミリ当量/cm2 の時、オフセ
ット印刷版において非画像部を形成するに必要な親水性
を与えることができる。一般にスルホン化反応の進行に
伴ってスルホン化量が増大し版面の親水性も向上する
が、該吸光度比は必ずしもスルホン化量と直線的ではな
いから、各々の樹脂組成物についてそれぞれ最適の条件
を選定しなければならない。
【0016】また、前記のスルホン化されたフィルムま
たはシートの表面を希釈された硫酸または塩酸等の酸、
水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウム等のアルカリ
の水溶液、または過酸化水素または次亜塩素酸ソーダ等
の酸化剤の水溶液等を用いて処理を行うことができる。
これらの処理により、前記スルホン化反応における副生
物やハンドリング時に付着した脂肪分を除去すること等
ができるため画像の形成性及び印刷性を向上させること
ができる。
たはシートの表面を希釈された硫酸または塩酸等の酸、
水酸化ナトリウムまたは水酸化カルシウム等のアルカリ
の水溶液、または過酸化水素または次亜塩素酸ソーダ等
の酸化剤の水溶液等を用いて処理を行うことができる。
これらの処理により、前記スルホン化反応における副生
物やハンドリング時に付着した脂肪分を除去すること等
ができるため画像の形成性及び印刷性を向上させること
ができる。
【0017】さらに、目的に応じて他の基材、例えば、
金属板、プラスチックフィルム、紙等に貼り合わせるこ
とができる。この場合、スルホン化に先立って貼り合わ
せてもよいし、スルホン化後に貼り合わせてもよい。
金属板、プラスチックフィルム、紙等に貼り合わせるこ
とができる。この場合、スルホン化に先立って貼り合わ
せてもよいし、スルホン化後に貼り合わせてもよい。
【0018】
【実施例】以下実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、ス
ルホン化量は次により求める。即ち、表面をスルホン化
したフィルムまたはシート(表面積Mcm2 )を1規定
の塩化カルシウム水溶液に浸漬して平衡状態とし、その
水溶液中に生じた塩化水素を、0.1規定の水酸化ナト
リウム水溶液(力価:f)を用いて滴定し、指示薬フェ
ノールフタレインによる中和値(Xcc)を求めて、次
式により算出する。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、ス
ルホン化量は次により求める。即ち、表面をスルホン化
したフィルムまたはシート(表面積Mcm2 )を1規定
の塩化カルシウム水溶液に浸漬して平衡状態とし、その
水溶液中に生じた塩化水素を、0.1規定の水酸化ナト
リウム水溶液(力価:f)を用いて滴定し、指示薬フェ
ノールフタレインによる中和値(Xcc)を求めて、次
式により算出する。
【0019】 スルホン化量(ミリ当量/cm2 )=(0.1×f×X)/M
【0020】
【実施例1】ポリプロピレン85重量部、カーボンブラ
ック15重量部よりなる樹脂組成物を用いてプレス成形
法により、厚さ約150μmのシートを作製した。この
シートをガス導入管及び排気管を備えたガラス容器内に
セットし、内温が約20°Cになるよう外部から冷却し
た。一方、無水硫酸の入ったガス発生器に、乾燥した窒
素ガスを1分間に2リットルの割合で導入することによ
り得られる無水硫酸ガス気流を導入しながら15分間ス
ルホン化反応を行った。
ック15重量部よりなる樹脂組成物を用いてプレス成形
法により、厚さ約150μmのシートを作製した。この
シートをガス導入管及び排気管を備えたガラス容器内に
セットし、内温が約20°Cになるよう外部から冷却し
た。一方、無水硫酸の入ったガス発生器に、乾燥した窒
素ガスを1分間に2リットルの割合で導入することによ
り得られる無水硫酸ガス気流を導入しながら15分間ス
ルホン化反応を行った。
【0021】スルホン化反応終了後、このシートを反応
容器から素早く取出して水洗いし、暗所にて室温で自然
乾燥を行った。このようにして得た版材はスルホン化量
が1.2×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度比が1.
4であった。次いで、この版材を回転ロールに貼り付け
て、3m/secの速度で回転させながら半導体レーザ
(シャープ(株)製;LT027MD/MF、出力10
mw)を光学レンズで集光して走査することにより製版
して印刷版としたものをオフセット印刷機に取り付けて
印刷を行ったところ22μmの鮮明な画線を得た。
容器から素早く取出して水洗いし、暗所にて室温で自然
乾燥を行った。このようにして得た版材はスルホン化量
が1.2×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度比が1.
4であった。次いで、この版材を回転ロールに貼り付け
て、3m/secの速度で回転させながら半導体レーザ
(シャープ(株)製;LT027MD/MF、出力10
mw)を光学レンズで集光して走査することにより製版
して印刷版としたものをオフセット印刷機に取り付けて
印刷を行ったところ22μmの鮮明な画線を得た。
【0022】
【比較例1】カーボンブラックを含まないポリプロピレ
ン樹脂よりなる版材及び印刷版を実施例1と同様にして
作成した。得られた版材はスルホン化量が1.5×10
-3ミリ当量/cm2 、吸光度比が0.9であった。また
印刷版をオフセット印刷機に取り付けて印刷を行ったと
ころ、微かに画線が認められる程度であった。
ン樹脂よりなる版材及び印刷版を実施例1と同様にして
作成した。得られた版材はスルホン化量が1.5×10
-3ミリ当量/cm2 、吸光度比が0.9であった。また
印刷版をオフセット印刷機に取り付けて印刷を行ったと
ころ、微かに画線が認められる程度であった。
【0023】
【実施例2】高密度ポリエチレン90重量部及びカーボ
ンブラック10重量部よりなる樹脂組成物を用いてプレ
ス成形法により、厚さ約150μmのシートを作製し
た。このシートを実施例1で使用したスルホン化反応装
置を用い、反応時間を20分間としたほかは実施例1と
全く同じ方法で反応を行い、スルホン化されたシートの
版材を製造した。このようにして得られた版材はスルホ
ン化量が0.8×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度比
が1.7であった。
ンブラック10重量部よりなる樹脂組成物を用いてプレ
ス成形法により、厚さ約150μmのシートを作製し
た。このシートを実施例1で使用したスルホン化反応装
置を用い、反応時間を20分間としたほかは実施例1と
全く同じ方法で反応を行い、スルホン化されたシートの
版材を製造した。このようにして得られた版材はスルホ
ン化量が0.8×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度比
が1.7であった。
【0024】次いで、これらの版材を回転ロールに貼り
付けて、ヘリウム・ネオンレーザ(日本電気(株)製;
GLG5400,出力10mw)のビーム径20μmに
集光し、ロールの回転速度を4m/secに設定して走
査することにより印刷版を作製した。更に、実施例1と
同様の方法でオフセット印刷を行ったところ、本発明の
版材では線巾約21μmの鮮明な画線を得た。
付けて、ヘリウム・ネオンレーザ(日本電気(株)製;
GLG5400,出力10mw)のビーム径20μmに
集光し、ロールの回転速度を4m/secに設定して走
査することにより印刷版を作製した。更に、実施例1と
同様の方法でオフセット印刷を行ったところ、本発明の
版材では線巾約21μmの鮮明な画線を得た。
【0025】
【比較例2】高密度ポリエチレン97重量部及びカーボ
ンブラック3重量部の樹脂組成物から、実施例2と同様
に版材及び印刷版を作成した。この版材はスルホン化量
が1.2×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度が1.2
であった。また印刷版は、実施例2と同様にオフセット
印刷を行ったところ、インキの着肉が劣り、掠れが発生
した。
ンブラック3重量部の樹脂組成物から、実施例2と同様
に版材及び印刷版を作成した。この版材はスルホン化量
が1.2×10-3ミリ当量/cm2 及び吸光度が1.2
であった。また印刷版は、実施例2と同様にオフセット
印刷を行ったところ、インキの着肉が劣り、掠れが発生
した。
【0026】
【実施例3】エチレンとアクリル酸エチルの共重合体
(重合開始時におけるアクリル酸エチルの含有率6.5
モル%;共重合体の吸水率1.5%)70重量部及びカ
ーボンブラック30重量部よりなる樹脂組成物を用いて
プレス成形法により厚さ約150μmのシートを作製し
た。
(重合開始時におけるアクリル酸エチルの含有率6.5
モル%;共重合体の吸水率1.5%)70重量部及びカ
ーボンブラック30重量部よりなる樹脂組成物を用いて
プレス成形法により厚さ約150μmのシートを作製し
た。
【0027】これらのシートを実施例2と同様の条件に
てスルホン化反応を行い印刷用版材を製造した。このよ
うにして得られた版材はスルホン化量が4.3×10-3
ミリ当量/cm2 及び吸光度比が1.9であった。次い
で、これらの版材を回転ロールに張り付けて、ヘリウム
・ネオンレーザを用い実施例2と同一の条件にて印刷版
を作製し、オフセット印刷を行ったところ本発明の版材
では線巾約23μmの鮮明な画線の印刷物を得た。
てスルホン化反応を行い印刷用版材を製造した。このよ
うにして得られた版材はスルホン化量が4.3×10-3
ミリ当量/cm2 及び吸光度比が1.9であった。次い
で、これらの版材を回転ロールに張り付けて、ヘリウム
・ネオンレーザを用い実施例2と同一の条件にて印刷版
を作製し、オフセット印刷を行ったところ本発明の版材
では線巾約23μmの鮮明な画線の印刷物を得た。
【0028】
【比較例3】実施例3で用いた共重合体65重量部及び
カーボンブラック35重量部よりなる樹脂組成物を用い
て、実施例3と同様に版材及び印刷版を作製した。この
版材ではスルホン化量が3.7×10-3ミリ当量/cm
2 及び吸光度比が1.6であった。また印刷版を実施例
3と同様にオフセット印刷したところ、非画像部のとこ
ろどころに地汚れが発生した。
カーボンブラック35重量部よりなる樹脂組成物を用い
て、実施例3と同様に版材及び印刷版を作製した。この
版材ではスルホン化量が3.7×10-3ミリ当量/cm
2 及び吸光度比が1.6であった。また印刷版を実施例
3と同様にオフセット印刷したところ、非画像部のとこ
ろどころに地汚れが発生した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、レーザー等による製版
において、エネルギーの吸収能率を向上させると共に比
較的エネルギーレベルの低い長波長領域のレーザー光に
も有効に感応し得る製版性の改良された平版用版材を提
供することができる。また同時に、インキ着肉性の優れ
た平版用版材を提供することができる。
において、エネルギーの吸収能率を向上させると共に比
較的エネルギーレベルの低い長波長領域のレーザー光に
も有効に感応し得る製版性の改良された平版用版材を提
供することができる。また同時に、インキ着肉性の優れ
た平版用版材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−188661(JP,A) 特開 昭60−52392(JP,A) 特開 昭64−18635(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41N 1/00 - 1/22
Claims (1)
- 【請求項1】 カーボンブラック5〜30重量%を含有
したポリアルキレン系樹脂組成物よりなるフィルムまた
はシートをスルホン化することを特徴とする感応性の優
れた平版用版材の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3005905A JP2774698B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 感応性の優れた平版用版材の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3005905A JP2774698B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 感応性の優れた平版用版材の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04238091A JPH04238091A (ja) | 1992-08-26 |
JP2774698B2 true JP2774698B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=11623917
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3005905A Expired - Lifetime JP2774698B2 (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | 感応性の優れた平版用版材の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2774698B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3496370B2 (ja) * | 1995-11-08 | 2004-02-09 | 東レ株式会社 | 直描型水なし平版印刷版原版 |
EP1895612A4 (en) | 2005-06-21 | 2012-05-30 | Dainippon Ink & Chemicals | FUEL CELL SEPARATOR, PROCESS FOR PRODUCING THE SAME, AND FUEL CELL |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59188661A (ja) * | 1983-04-11 | 1984-10-26 | Fuji Photo Film Co Ltd | 電子写真製版用材料 |
JPS6052392A (ja) * | 1983-08-31 | 1985-03-25 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 平版印刷用版材 |
-
1991
- 1991-01-22 JP JP3005905A patent/JP2774698B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04238091A (ja) | 1992-08-26 |
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---|---|---|---|
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