JP2774552B2 - 作業機械の油圧回路 - Google Patents

作業機械の油圧回路

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JP2774552B2
JP2774552B2 JP5794189A JP5794189A JP2774552B2 JP 2774552 B2 JP2774552 B2 JP 2774552B2 JP 5794189 A JP5794189 A JP 5794189A JP 5794189 A JP5794189 A JP 5794189A JP 2774552 B2 JP2774552 B2 JP 2774552B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、油圧アクチユエータにより駆動される作業
部材を有する油圧シヨベル、油圧クレーン、その他の種
々の作業機械の油圧回路に関する。
[従来の技術] 作業機械には所期の作業を実施するのに必要な作業部
材およびこれを駆動する油圧アクチユエータを備えてい
る。その典型的な例として油圧シヨベルを挙げることが
できる。即ち、油圧シヨベルは、油圧シヨベルを移動さ
せるための下部走行体、この下部走行体上に旋回可能に
載置された上部旋回体、およびブーム、アーム、バケツ
トより成るフロント機構で構成されている。上部旋回体
には、運転室、原動機、油圧ポンプ等の種々な設備が装
架され、かつ、フロント機構が取付けられている。
ところで、近年、種々の作業機構において、省エネ、
操作性の観点から、油圧アクチュエータの最大負荷圧と
油圧ポンプの吐出圧力との差圧(以降、ロードセンシン
グ差圧と示す)が一定圧になるように油圧ポンプの吐出
量を制御することにより油圧アクチユエータの駆動速度
を制御するロードセンシングシステムと称される優れた
速度制御システムが提案されている。また、このロード
センシングシステムにおいて、複合操作時の各アクチュ
エータの流量配分を操作レバー操作量に応じたものにす
るために、圧力補償弁を設け、これにより複合操作時の
操作性を確保している。このロードセンシングシステム
を第5図により説明する。
第5図は油圧シヨベルの油圧回路の一部を示す油圧回
路である。図で、1は可変容量油圧ポンプ(以下、油圧
ポンプと称する)、1aは油圧ポンプ1のおしのけ容積可
変機構(以下、斜板で代表させる)、2は斜板1aを駆動
制御するレギユレータである。レギユレータ2は、斜板
1aを駆動する油圧シリンダ2a、吐出容量切換弁で構成さ
れる馬力制御機構2b、および前記差圧により駆動される
制御弁2cによつて構成されている。3はバケツトシリン
ダであり、リンク機構3Aを介してバケツト3Bを駆動す
る。3Cはリンク機構3Aの一端と後述するアームとを可回
動に連結する連結部を示す。4はバケツトシリンダ3の
駆動を制御する方向切換弁である。4p1,4p2は方向切換
弁4のパイロツト管路であり、図示しないバケツトレバ
ーが操作されたときその操作量に応じたパイロツト圧を
導入する。5は油圧ポンプ1と方向切換弁4との間に介
在せしめられた圧力補償弁である。この圧力補償弁5の
機能については後述する。6a,6bはバケツトシリンダ3
の主回路に設けられたリリーフ弁であり、バケツトシリ
ンダ3の最高負荷圧を規定する。7はバケツトシリンダ
3の負荷圧を導く検出管路、8はこの検出管路の負荷圧
および後述するブームの負荷圧のうちの高い方の負荷圧
を選択するシヤトル弁である。9はタンクである。10は
シヤトル弁8で選択された最大負荷圧を導く最大負荷圧
検出管路、11はロードチエツクのための逆止弁である。
12は油圧シヨベルのブーム、13はブーム12を駆動する
ブームシリンダである。14はブームシリンダ13を制御す
る方向切換弁、14p1,14p2はそのパイロツト管路、15は
圧力補償弁、16a,16bはリリーフ弁、17はブームシリン
ダ3の負荷圧をシヤトル弁8に導く検出管路、18は逆止
弁であり、これらはバケツトシリンダ3の油圧回路の各
要素に対応する。なお、19はアンロード弁、20は油圧ポ
ンプ1の最高吐出圧力を規定するリリーフ弁である。
次に、上記ロードセンシングシステムを構成する油圧
回路の動作を説明する。油圧シヨベルのバケツト3Bを駆
動させる場合には、オペレータは図示しないバケツトレ
バーを操作する。これに応じて方向切換弁4の一方のパ
イロツト管路、例えばパイロツト管路4p2に油圧が生
じ、方向切換弁4はバケツトレバーの操作量に応じた絞
り(方向切換弁4内に図示されている)をもつて図示の
ように右側位置に切換えられる。このため、油圧ポンプ
1の圧油は圧力補償弁5、方向切換弁4の絞りを経てバ
ケツトシリンダ3のボトム側に供給され、バケツト3Bを
巻込む方向に駆動する。この動作中、バケツトシリンダ
3の負荷圧は検出管路7を介して圧力補償弁5の一方
側、およびシヤトル弁8を介してレギユレータ2の制御
弁2cの一方側へ供給される。又、油圧ポンプ1の吐出圧
力はレギユレータ2の馬力制御機構2bおよび制御弁2cの
他方側へ供給される。さらに、圧力補償弁5の下流側の
圧力は自身の他方側へ供給されている。
今、上記の状態において、バケツト3の駆動速度を増
速すべく、さらにバケツトレバーが操作されると、方向
切換弁4の開口面積が増大してその絞り量が減少する。
これにより方向切換弁4の下流側圧力、即ちバケツトシ
リンダ3の負荷圧が上昇し、方向切換弁4の上流側およ
び下流側間の差圧(以降、方向切換弁4の差圧と記す)
が減少する。一方、上昇した負荷圧は、圧力補償弁5の
絞り量をその増圧分だけ減少させ、方向切換弁4の上流
側圧力を上昇させて減少した差圧を回復させようとす
る。また、負荷圧の上昇に伴い、ロードセンシング差圧
が減少し、これにより制御弁2cが駆動して、斜板1aの傾
転量を増加せしめる。以上の動作により、油圧ポンプ1
の吐出量は増大して方向切換弁4の上流側圧力が上昇
し、方向切換弁4を通る流量は増加し、減少していた方
向切換弁4の差圧は増加して元の値に戻る。また、油圧
ポンプ1の吐出量の増加に伴いロードセンシング差圧も
元の所定値に戻る。バケツトシリンダ3を減速すべくバ
ケツトレバーが操作されると、上記とは逆の動作が行な
われるが、過渡状態経過後、方向切換弁4の差圧は元の
位置に戻る。
又、上記の状態において、外部負荷がかかる等の理由
により負荷圧が上昇すると、方向切換弁4の下流側圧力
が上昇するので方向切換弁4の差圧、およびロードセン
シング差圧が小さくなる。同時に圧力補償弁5はの一方
端に上昇した負荷圧が加えられるので、その絞り量を小
さくして方向切換弁4の上流側圧力を上昇させて方向切
換弁4の差圧を規定値に戻そうとする。さらに、上記上
昇した負荷圧はレギユレータ2の制御弁2cに導入され、
これによりレギユレータ2は油圧ポンプ1の吐出流量を
増加させるように駆動され、このため方向切換弁4の上
流側圧力は増加し、方向切換弁4の差圧が規定値に戻る
とともに、ロードセンシング差圧も元の所定値に戻る。
即ち、外部負荷等の何等かの理由で負荷圧が上昇して
も、ロードセンシング差圧および方向切換弁4の差圧は
規定値に維持され、バケツトシリンダ3には負荷圧の増
加にもかかわらず、バケツトレバーの操作量に応じた流
量が供給される。負荷圧が減少した場合の動作は上記動
作と逆になり、同様にバケツトレバーの操作量に応じた
流量が供給されることになる。
結局、バケツトシリンダ3の駆動では、ロードセンシ
ング差圧および方向切換弁4の差圧を一定とするロード
センシングシステムが作用し、優れた速度制御を行なう
ことができる。ブーム12の駆動動作もこれに準じる。
さらに、バケツトシリンダ3とブームシリンダ13を同
時に駆動させる複合操作の場合の動作を説明する。この
ような複合操作は、油圧シヨベルの作業としては常時行
なわれる作業である。バケツトレバーとブームレバーと
を同時に操作すると、それらの操作量に応じた絞りをも
つて方向切換弁4,14がそれぞれ開き、バケツトシリンダ
3およびブームシリンダ13に圧油が供給され、方向切換
弁4,14の両側間には所定の差圧が生じる。これら方向切
換弁4,14の差圧は上記バケツトシリンダ3の動作におけ
ると同様に一定に保持される。
ところで、油圧回路において、共通の油圧ポンプから
圧油が供給される複数の負荷に対して複合操作を行なつ
た場合、何等の手当てをも講じなければ、圧油は軽負荷
の方へ供給されて重い負荷の駆動が困難になる現像が知
られている。しかしながら、本油圧回路では圧力補償弁
5,15の存在により上記現象を防止することができる。即
ち、各圧力補償弁5,15にはそれぞれ自己の属する油圧ア
クチユエータの負荷圧が供給されているので、負荷圧の
小さなバケツトシリンダ3の圧力補償弁5の絞り量は大
きくなり、これに比べて負荷圧の大きなブームシリンダ
13の圧力補償弁15の絞り量は小さくなる。このため、油
圧ポンプ1からの圧油はバケツトシリンダ3およびブー
ムシリンダ13に適切に分配されることになる。
[発明が解決しようとする課題] 上記ロードセンシングシステムを用いた油圧回路にお
いて、例えばバケツトシリンダ3を単独駆動している場
合、バケツトシリンダ3がその伸び側のストロークエン
ドに達すると、バケツトシリンダ3はそれ以上駆動され
ず、これを駆動しようとして供給される圧油はリリーフ
弁6bを介してタンク9に排出される。このため、バケツ
トシリンダ3の負荷圧はリリーフ弁6bに設定された圧力
(これをPrとする)まで上昇する。ところで、ロードセ
ンシングシステムを採用している場合、油圧ポンプ1
は、馬力制御機構2bが流量を抑制する機能を発揮するも
のの、レギユレータ2の制御弁2cの機能により、リリー
フ弁6bの設定圧Pr所定のロードセンシング差圧(これを
ΔPとする)を加えた吐出圧力(Pr+ΔP)をもつてあ
る流量(これをQpとする)を吐出する。即ち、ロードセ
ンシングシステムでは、バケツトシリンダ3がストロー
クエンドに達しリリーフ弁6bが作動している状態にあつ
ても常に上記ロードセンシング差圧を一定に維持すべく
差圧ポンプ1が駆動されることになる。この結果、リリ
ーフ弁6bからの圧油の排出が継続され、大きなエネルギ
損失が生じるという問題があった。
さらに、バケツトシリンダ3とブームシリンダ13とが
複合操作されているとき、上記のようにバケツトシリン
ダ3がストロークエンドに達すると、前述のように馬力
制御機構2bが働き、油圧ポンプ1の吐出流量が抑制され
る。このため、ストロークエンドに達しない常態におい
て作動しているブームシリンダ13への流量も減少し、ブ
ームシリンダ13の速度が低下する。したがつて、複合操
作の場合には、バケツトシリンダ3側におけるエネルギ
損失に加え、ブームシリンダ13の作業効率を低下させる
という問題も生じていた。
上記のように油圧シリンダがストロークエンドに達し
た場合には、油圧シヨベル本体に衝撃を生じる。したが
つて、上記問題を解決するには、油圧シヨベルのオペレ
ータはこの衝撃を感知したとき直ちに適宜な処置を採れ
ばよいのであるが、通常、オペレータは複数の油圧アク
チユエータを同時に操作していることが多く、上記処置
が面倒であるばかりでなく、衝撃がストロークエンドに
起因するものであるか否かの判断は困難であり、かつ、
複合操作の場合には、原因がストロークエンドであつて
も、どの油圧シリンダで発生したかの判断も困難であつ
て、オペレータに過大な負荷をかけることになる。
さらに、ロードセンシングシステムを採用しているも
のも含めた一般的な問題として、油圧アクチユエータ又
はそれにより駆動される作業部材に、ある範囲以上の作
動を禁止していた場合がしばしば生じる。例えば、周囲
条件によつては、当該範囲以上の作動は作業機械又は周
囲物体に損傷を生じるという場合や、作業機械が転倒す
るおそれが生じる場合がこれに相当する。このような場
合、オペレータは操作中常に当該範囲に対して配慮する
ことが必要となり、オペレータに余分の労力を強いると
いう問題があつた。
本発明はこれら従来技術の課題を一挙に解決するもの
であり、その目的は、ロードセンシングシステムにおい
て、油圧アクチユエータのストロークエンド位置でのエ
ネルギ損失や流量不足を解消することができ、又は所定
範囲以上の作業部材の移動を停止あるいは抑制すること
ができ、ひいてはオペレータの負担を大幅に軽減するこ
とができる作業機械の油圧回路を提供するにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、本発明は、油圧源と、こ
の油圧源の圧油により駆動される1つ又は複数の油圧ア
クチユエータと、この油圧アクチユエータを制御する方
向切換弁と、この方向切換弁の上流側および下流側間の
差圧を規定する圧力補償弁と、前記油圧アクチュエータ
の最大負荷圧と前記油圧源の吐出圧との差圧が所定圧力
になるように前記油圧源の吐出量を制御するレギュレー
タとを備えた作業用機械の油圧回路において、前記油圧
アクチュエータ又はこれにより駆動される負荷の所定の
作動位置を検出する位置検出器と、前記所定の作動位置
が検出されたときのみ対応する前記油圧アクチュエータ
の負荷圧信号を減少させる補正部と、この補正部からの
負荷圧信号を前記油圧源および前記圧力補償弁のうちの
少なくとも前記油圧源に伝達する伝達手段とを設けたこ
とを特徴とする。
[作用] 油圧アクチユエータ又はこれにより駆動される作業部
材に対して予め所定の作動位置を定め、油圧アクチユエ
ータ又は作業部材が当該作動位置に達したとき、これを
位置検出器で検出し、この検出があつたときのみ補正部
の補正機能を作動させる。これにより、位置検出器で検
出されない通常作動位置においては、負荷圧が油圧源お
よび圧力補償弁に伝達されてロードセンシング制御が実
行され、上記所定の作動位置が検出されたときには、補
正部により負荷圧信号を減少させ、この減少せしめられ
た圧力信号を油圧源に、又は油圧源と圧力補償弁に伝達
する。
[実施例] 以下、本発明の図示の実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明の第1の実施例に係る油圧シヨベルの
油圧回路の一部の回路図である。図で、第5図に示す部
分と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。な
お、レギユレータ2の詳細機構の図示は省略し、これを
ブロツクで示す(以下の各実施例において同じ)。25a,
25bはバケツトシリンダ3の伸び側および縮み側のスト
ロークエンドを検出する検出器である。この検出器25a,
25bとしては、リミツトスイツチ、又は光、磁気あるい
は超音波等を利用する検出器が用いられ、ピストンがス
トロークエンドに達したとき電気信号を出力する構成と
なつている。
26はOR回路で構成される指示装置であり、検出器25a,
25bのいずれかから電気信号が出力されたとき、所定の
電流を出力する。27は指示装置26から出力される電流に
より駆動される切換弁であり、検出回路7に挿入され
る。この切換弁27は、電流が供給されない場合は導通状
態にあり、電流が供給されると検出回路7を遮断すると
ともにシヤトル弁8をタンク9に接続する。
次に、本実施例の動作を説明する。バケツトシリンダ
3のピストンがストロークエンドにない場合、指示装置
26から電流は出力されず、切換弁27は図示のように導通
状態である。したがつて、この場合の動作は第5図に示
す従来の油圧回路の動作と同じである。
一方、バケツトシリンダ3のピストンがいずれの側か
のストロークエンドに達すると、検出器25a,25bの対応
する方から信号が出力される。これにより、指示装置26
は電流を出力し、切換弁27は図の左側位置に切換えられ
る。したがつて、バケツトシリンダ3の負荷圧力はシヤ
トル弁8には導入されず、タンク9の圧力(回路最低圧
力であり、この圧力をPTとする)がシヤトル弁8に導入
される。このため、最大負荷圧検出管路10を通つてレギ
ユレータ2に導入される圧力もタンク9の圧力PTとな
り、レギユレータ2は油圧ポンプ1の吐出圧力が圧力
(PT+ΔP)となるように斜板1aの傾転量を低下させ
る。したがつて、油圧ポンプ1からの吐出流量は大幅に
抑制され、リリーフ弁6a又はリリーフ弁6bから排出され
る油はほぼ0となり、エネルギ損失は大きく減少する。
又、バケツト3Bとブーム12が複合操作される場合、バ
ケツトシリンダ3がストロークエンドにないときには、
第5図に示す装置と同じ動作となるが、バケツトシリン
ダ3がストロークエンドに達すると、前述のように切換
弁27が作動し、シヤトル弁8に導入されるバケツトシリ
ンダ3の負荷圧力はタンク9の圧力(回路最低圧)とな
る。したがつて、最大負荷圧検出管路10の圧力はブーム
シリンダ13の負荷圧力となり、油圧ポンプ1の吐出圧力
は、レギユレータ2の制御によりブームシリンダ13の負
荷圧力とロードセンシング差圧ΔPとの和となり、従来
装置のように(圧力Pr+ΔP)のような極めて高い圧力
となることはない。この結果、馬力制御機構2bが大きく
作動して油圧ポンプ1の吐出流量を大幅に抑制すること
はなく、ブームシリンダ13に対する流量を確保すること
ができ、ひいては、ブームシリンダ13の作業効率の低下
が防止される。
なお、上記実施例の説明では、バケツトシリンダのス
トロークエンドの検出に、バケツトシリンダに設けた検
出器を用いる例について説明したが、リンク機構3Aの回
動部分の回転角、例えば連結部3Cの回転角度を検出する
角度検出器を用いることもできる。この場合、角度検出
器として両ストロークエンドに相当する角度に達したと
き信号を出力する構成のものを用いることもできるし、
又、角度検出器としては単に角度に比例した信号を出力
するものを用い、指示装置の方に、両ストロークエンド
に対応する角度を設定する設定手段、角度検出器からの
信号と設定手段の設定値とを比較する比較手段、および
比較手段の比較の結果に応じて切換弁に信号を出力する
出力手段を設けてもよい。
なお又、ブームシリンダ側に検出器(角度検出器も含
む)、指示装置、切換弁を備えてもよいのは明らかであ
る。
第2図は本発明の第2の実施例に係る油圧シヨベルの
油圧回路の一部の回路図である。図で、第1図に示す部
分と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。30
は連結部3Cに設置されてバケツト3Bの回転角度を検出す
る角度検出器であり、検出した角度に比例した電気信号
を出力する。31は第1図に示す指示装置26に相当する指
示装置である。指示装置31には、前述のように、バケツ
トシリンダ3の両ストロークエンドに対応する2つの角
度を設定する設定手段、角度検出器30の信号と設定手段
により設定設定された角度とを比較する比較手段、およ
び比較手段で角度検出器30の検出値が設定手段で設定さ
れた設定値に一致すると判断されたとき電流を出力する
出力手段が備えられている。この出力手段は、出力する
電流を小さな値から徐々に増加させ、所定期間経過後に
所定電流とする制御機構を有する。32は指示装置31の出
力電流に応じて作動する圧力制御弁、33は絞りである。
次に、本実施例の動作で説明する。バケツトシリンダ
3のピストンがストロークエンドにない場合には、指示
装置31から電流は出力されず、圧力制御弁32は作動しな
い。したがつて、この場合の動作は第5図に示す回路の
動作と同じである。一方、バケツトシリンダ3のピスト
ンがいずれの側かのストロークエンドに達すると、指示
装置31から最初小さな値の電流が出力され、これに応じ
て圧力制御弁32が作動し、絞り33以降における検出管路
7の圧力をその作動量に応じて低下させる。このため、
レギユレータ2に導入される圧力もストロークエンドに
おけるリリーフ圧Prより低い圧力となる。レギユレータ
2はこの導入された圧力に基づいて油圧ポンプ1の吐出
圧力をストロークエンドにおける場合の吐出圧力よりも
低下させ、吐出流量は減少する。以後、指示装置31から
の電流は時間の経過とともに増大してゆき、圧力制御弁
32の作動量が増大してゆき、これに伴つてシヤトル弁8
に導入される圧力は低下してゆき、油圧ポンプ1の吐出
圧力、吐出流量も低下してゆく。所定時間経過後、指示
装置31の出力電流は所定値に達し、このときの圧力制御
弁32の作動により、シヤトル弁8に導入される圧力はタ
ンク9の圧力(回路最低圧力)となり、第1の実施例と
同様の状態となる。これにより、ストロークエンドにお
けるエネルギ損失を大幅に抑制できるが、本実例の場合
これに加えて、第1の実施例における切換弁27の急激な
切換動作がないので、操作上のオペレータの異和感を緩
和することができ、なめらかな操作性を得ることができ
る。
バケツト3Bとブーム12の複合操作時の動作および効果
は第1の実施例の場合の複合操作時の動作および効果に
準じる。
なお、指示装置31における設定手段の設定値をストロ
ークエンドでなく、ストロークエンドの手前の所定位置
に対応する角度に設定しておけば、バケツトシリンダ3
のピストンの速度を当該所定位置からストロークエンド
間で減速せしめることができ、この結果、ストロークエ
ンドにおいてピストンがシリンダケースに衝突したとき
の衝撃を緩和せしめることができる。
第3図は本発明の第3の実施例に係る油圧シヨベルの
油圧回路の一部の回路図である。図で、第1図に示す部
分と同一又は等価な部分には同一符号を付して説明を省
略する。35は油圧シヨベルのアーム、36はアーム35を駆
動するアームシリンダである。したがつて、方向変換弁
4、圧力補償弁5、リリーフ弁6a,6b、指示装置26、切
換弁27等は第1図に示す油圧回路においてはバケツトシ
リンダ3に対するものであつたが、本実施例においては
アームシリンダ36に対するものである。28は圧力補償弁
にアームシリンダ36の負荷圧を導入するパイロツト管路
であり、このパイロツト管路28は切換弁27とシヤトル弁
8との間に接続されている。25a′,25b′は第1図に示
す検出器25a,25bに相当する検出器であり、その構成は
ほぼ同じであるが、設定個所が異なる。即ち、これら検
出器25a′,25b′は、油圧シヨベルの作業態様、周囲条
件等に応じて予め設定された位置に設置されており、こ
れら検出器25a′,25b′で限定される区間はアーム35の
作動許容範囲となり、かつ、これら区間外の範囲は作動
禁止範囲となる。
30′は油圧シヨベルの上部旋回体に対するブーム12の
相対角度を検出する角度検出器であり、第2図に示す角
度検出器とほぼ同一構成のものである。26′は指示装置
であり、設定手段、比較手段および出力手段を有する。
設定手段には、検出器25a′,25b′と同じく、作業態
様、周囲条件等に応じて予め定められたブーム12の2つ
の角度が設定されており、これら2つの設定角度間で限
定される範囲はブーム12の作動許容範囲であり、この範
囲外の領域はブーム12の作動禁止範囲となる。比較手段
は角度検出器30′の検出値が上記2つの設定角度の範囲
内か範囲外かを判断する。出力手段は、当該検出値が範
囲外であると判断されたとき所定の電流を出力する。2
7′は指示装置26′の出力電流により切換えられる切換
弁である。28′は圧力補償弁15にブームシリンダ13の負
荷圧力を導入するパイロツト管路であり、切換弁27′と
シヤトル弁8の間に接続されている。
次に、本実施例の動作をアームシリンダ36の回路につ
いて説明する。アームシリンダ36のピストンが検出器25
a′,25b′で限定される作動許容範囲内にあるとき、指
示装置26から電流は出力されず、切換弁27は図示位置に
ある。したがつて、アームシリンダ36の負荷圧はそのま
まシヤトル弁8に導入されることとなり、第5図に示す
油圧回路に準じる動作となる。
一方、アームシリンダ36のピストンが、検出器25a′
他は25b′に対応する位置に来ると、指示装置26から電
流が出力され、切換弁27が切換られる。この結果、検出
管路7に現れたアームシリンダ36の負荷圧は遮断され、
シヤトル弁8にはタンク9の圧力(回路最低圧力)が導
入されるとともに、この回路最低圧力はパイロツト管路
28を介して圧力補償弁5にも導入される。これにより、
レギユレータ2は油圧ポンプを第1図に示す実施例と同
様に制御するとともに、圧力補償弁5はパイロツト管路
28の圧力が回路最低圧力なるためほぼ遮断状態となる。
したがつて、アームシリンダ36への圧油の供給はできな
くなり、アームシリンダ36は停止する。即ち、作動禁止
範囲におけるアーム35の作動は自動的に停止されること
となり、この結果、オペレータは作業態様や周囲条件等
を考慮に入れながらアームレバーを操作する必要はなく
なり、オぺレータの負担は大幅に軽減されるとともに、
作動禁止範囲でのアームの動作によつて生じる事故等を
確実に防止することができる。
又、従来、アーム35が作動禁止範囲に入つたとき、オ
ペレータはアームを停止させるため方向切換弁4を急激
に中立位置に戻す操作をしていたが、この操作は、方向
切換弁4におけるアームシリンダ36のタンクへの戻り油
排出通路を急激に遮断する操作であるため、この操作を
行なつたときには大きな衝撃が生じていた。しかし、本
実施例では、アームシリンダ36に圧油を供給する側を絞
つて遮断するので、上記のような衝撃は大幅に緩和され
る。
なお、圧力補償弁5には、図示のようにそれを開く側
に付勢するばねが設けられているが、このばねのばね力
は無駄なエルネギ損失を減少させる目的で比較的低い値
に設定されているので、上記動作において、圧力補償弁
5は当該ばねの存在によつてもほぼ遮断状態となる。
ブームシリンダ13の油圧回路の動作はアームシリンダ
36の油圧回路の動作に準じることは明らかであるので、
その説明は省略する。又、その効果も同じであるが、特
に、従来、ブームシリンダ13がブーム上げ方向の作動禁
止範囲に入つたとき方向切換弁14を中立位置に戻すと、
前記の衝撃により油圧シヨベルが後方に転倒する危険も
生じていたが、本実施例ではこのような危険も防止する
ことができる。
第4図は本発明の第4の実施例に係る油圧シヨベルの
油圧回路の一部の回路図である。図で、第2図に示す部
分と同一又は等価な部分には同一符号が付してある。35
はアーム、36はアームシリンダであり、方向切換弁4、
圧力補償弁5、リリーフ弁6a,6b、圧力制御弁32、絞り3
3等はアームシリンダ36に対するものである。34は圧力
補償弁5にアームシリンダ36の負荷圧を導入するパイロ
ツト管路であり、圧力制御弁32と検出管路7の接続点、
およびシヤトル弁8の間に接続されている。25a″,25
b″は第3図に示す検出器25a′,25b′とほぼ同一構成の
検出器である。検出器25a″,25b″は、作業態様、周囲
条件等に応じて予め設定された位置に設定されており、
これら検出器25a″,25b″で限定さる区間は強い駆動力
を必要とする強作業範囲となり、それ以外の部分は弱い
駆動力を必要とする弱作業範囲となる。38は指示装置で
ある。この指示装置38は検出器25a″,25b″の検出信号
に基づいてアームシリンダ36のピストンが前記強作業範
囲にあるか弱作業範囲にあるかを判断する判断手段、お
よび弱作業範囲と判断されたとき所定の大きさの電流を
出力する出力手段を備えている。なお、上記判断手段
は、例えばフリツプフロツプ回路により構成される。
30′は第3図に示す角度検出器30′と同じ角度検出
器、32′,33′はそれぞれ圧力制御弁32、絞り33と同じ
圧力制御弁および絞り、38′は指示装置である。指示装
置38′は、強作業範囲と弱作業範囲を区分する2つの設
定値を設定する設定手段、角度検出器30′から出力され
る検出値と各設定値とを比較する比較手段、および比較
手段でブーム12が弱作業範囲にあると判断されたとき所
定の電流を出力する出力手段を備えている。
次に、本実施例の動作を説明する。アームシリンダ36
のピストンが検出器25a″,25b″の間の強作業範囲にあ
るとき、指示装置38からの出力はなく、圧力制御弁32は
作動しない。したがつて、この場合の動作は第5図に示
す回路の動作に準じる。
一方、当該ピストンが強作業範囲から検出器25a″,25
b″のいずれかを通過して弱作業範囲に入ると、指示装
置38から所定の電流が出力され、この電流に応じて圧力
制御弁32が作動し、絞り33以降における検出管路7の圧
力をその作動量に応じて低下させる。これにより、レギ
ユレータ2は油圧ポンプ1の吐出圧力を低下させる。同
時に、圧力補償弁5はパイロツト管路34の圧力が低下す
るので、閉じる方向に駆動され、その絞りの量が大きく
なる。このような油圧ポンプ1と圧力補償弁5動作によ
り、方向切換弁4の下流側の圧力は低下し、アームシリ
ンダ36の駆動力が低下する。これにより、弱作業範囲に
おけるオペレータの操作が極めて容易になる。
ブームシリンダ13の油圧回路の動作および効果も上記
アームシリンダ36の油圧回路の動作および効果に準じる
が、特に油圧シヨベルによるクレーン作業時のブーム上
げの場合、アーム35およびバケツト3Bの角度を検出して
その検出値を指示装置38′に入力して、これらの角度が
ある角度以上のときのブーム角度に対して弱作業範囲を
設定しておけば、ブーム12が弱作業範囲に入つたとき駆
動力が不足してそれ以上のブーム上げが阻止され、油圧
シヨベル転倒の危険を防止することができる。
なお、上記各実施例の説明では、油圧シヨベルを例示
して説明したが、他の作業機械にも適用可能であるのは
当然である。又、油圧ポンプとして可変容量油圧ポンプ
を示したが、アンロード弁が備えられている場合、固定
ポンプを用いることもできる。さらに、ストロークエン
ド検出は一方のストロークエンドのみでもよいし、又、
作業禁止範囲および弱作業範囲は両側でなく一方側のみ
に設定してもよい。これらの場合、検出器、又は角度検
出器に対する設定値は1つとなる。さらに又、指示装置
としては、マイクロコンピユータを用いることもでき
る。
又、レギユレータの制御弁を電磁弁で構成し、ポンプ
吐出圧力および最大負荷圧を検出する検出手段を設け、
その検出値および上記各実施例の検出器や角度検出器の
検出値を、マイクロコンピユータで構成される演算処理
装置に入力し、これらの値に基づいて制御弁を上記各実
施例のように制御してもよい。さらに、圧力補償弁をも
電磁弁で構成し、上記の検出器にさらに負荷圧および方
向切換弁上流側圧力を検出する検出器を設け、これらの
検出器の検出値も上記演算処理装置に入力し、制御弁と
圧力補償弁の両者を上記各実施例のように制御してもよ
い。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明では、油圧アクチユエータ
又は負荷の所定の作動位置において補正部により負荷圧
を減少し、この減少された圧力により油圧ポンプ又は油
圧ポンプと圧力補償弁を制御するようにしたので、ロー
ドセンシングシステムにおいて、ストロークエンドでの
エネルギ損失や流量不足を解消することができ、又は所
定範囲を外れた作業部材の移動を自動的に停止させるこ
とができ、あるいは作業部材の駆動を自動的に抑制する
ことができ、ひいてはオペレータの負担を大幅に軽減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図、第4図はそれぞれ本発明の第
1、第2、第3、第4の実施例に係る油圧シヨベルの油
圧回路の一部の回路図、第5図は従来の油圧シヨベルの
油圧回路の一部の回路図である。 1……油圧ポンプ、2……レギユレータ、3……バケツ
トシリンダ、4,14……方向切換弁、5,15……圧力補償
弁、13……ブームシリンダ、25a,25b,25a′,25b′,25
a″,25b″……検出器、26,26′,31,38,38′……指示装
置、27,27′……切換弁、32,32′……圧力制御弁、36…
…アームシリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F15B 11/00 - 11/10 E02F 3/43

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧源と、この油圧源の圧油により駆動さ
    れる1つ又は複数の油圧アクチュエータと、この油圧ア
    クチュエータを制御する方向切換弁と、この方向切換弁
    の上流側および下流側間の差圧を規定する圧力補償弁
    と、前記油圧アクチュエータの最大負荷圧と前記油圧源
    の吐出圧との差圧が所定圧力になるように、前記油圧源
    の吐出量を制御するレギュレータとを備えた作業機械の
    油圧回路において前記油圧アクチュエータ又はこれによ
    り駆動される負荷の所定の作動位置を検出する位置検出
    器と、前記所定の作動位置が検出されたときのみ対応す
    る前記油圧アクチュエータの負荷圧信号を減少させる補
    正部と、この補正部からの負荷圧信号を前記油圧源およ
    び前記圧力補償弁のうちの少なくとも前記油圧源に伝達
    する伝達手段とを設けたことを特徴とする作業機械の油
    圧回路。
  2. 【請求項2】請求項(1)において、前記補正部は、前
    記位置検出器の出力に応じて信号を発生する信号発生手
    段と、前記負荷圧を前記油圧源に導く管路に挿入され前
    記信号発生手段の出力信号により作動する切換弁とで構
    成されることを特徴とする作業機械の油圧回路。
  3. 【請求項3】請求項(1)において、前記補正部は、前
    記位置検出器の出力に応じて信号を発生する信号発生手
    段と、前記負荷圧を前記油圧源に導く管路に接続され前
    記信号発生手段の出力信号により作動する圧力制御弁と
    で構成されることを特徴とする作業機械の油圧回路。
  4. 【請求項4】請求項(1)において、前記位置検出器に
    より検出されるべき前記作動位置は、前記油圧アクチュ
    エータの作動限界であることを特徴とする作業機械の油
    圧回路。
  5. 【請求項5】請求項(1)において、前記位置検出器に
    より検出されるべき前記作動位置は、前記油圧アクチュ
    エータにより駆動される部材の作業許容範囲により定め
    られる作動位置であることを特徴とする作業機械の油圧
    回路。
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