JP2774122B2 - 1,4‐二置換 2‐ブテン類の製造方法 - Google Patents

1,4‐二置換 2‐ブテン類の製造方法

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JP2774122B2 JP63508498A JP50849888A JP2774122B2 JP 2774122 B2 JP2774122 B2 JP 2774122B2 JP 63508498 A JP63508498 A JP 63508498A JP 50849888 A JP50849888 A JP 50849888A JP 2774122 B2 JP2774122 B2 JP 2774122B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この出願は、1987年9月28日に出願された対応する出
願番号第101,885号の一部継続出願であるので、引用に
よりそっくりそのまま組み入れられる。
発明の分野 本発明は、3,4−エポキシ−1−ブテンのジオキシ置
換2−ブテン類の接触転化方法に関する。一つの態様で
は、この発明は、1,4−二置換2−ブテン類の選択的製
造に関する。
背景 特開昭54(1979)‐79214号公報は、出願原料3,4−エ
ポキシ−1−ブテンから2−ブテン−1,4−ジオールの
接触合成に関する方法を公表する。この反応で触媒とし
てヨウ化水素酸だけを使用して実施する場合には、所期
の反応生成物は約57%未満の選択性を有するが、ほんの
約15%〜25%にすぎない範囲内の収率で得られるにすぎ
ないことが公表されている。
触媒としてのヨウ化水素酸と遷移金属化合物が組み合
わせで使用される場合には、反応の選択性が改善される
ことが示唆されている。「遷移金属化合物」の語は、元
素の周期律表の第4、第5および第6周期の元素のう
ち、IIIA,IVA,VA,VIA,VIIA,VIIIおよびIbの群からなる
化合物類を包含するものとして定義されている。より具
体的には、イットリウム、ランタノイド元素、チタン、
ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、タングステ
ン、マンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウ
ム、コバルト、ロディウム、イリジウム、ニッケル、パ
ラジウム、白金、銅、銀および金を含有する化合物が使
用されうる。報告された最高収率は、ヨウ化水素酸と二
酸化マンガンの組み合わせを使用する57%である。その
他の報告された収率のすべては、50%を下まわる。
特開昭50(1975)‐84514号公報は、まず最初にヨウ
化カリウムと3,4−エポキシ−1−ブテンを反応させ、
次いで酢酸と反応させることにより4−アルキルカルボ
ニルオキシ2−ブテン−1−オールの無触媒製造方法を
公表する。
Tsuji,KataokaおよびKobayashiの「パラジウム錯体に
より触媒される1,3−ジエンモノエポキシド類への求核
性位置選択的1,4−付加(Regio-selective 1,4-Additio
n of Nucleophiles to 1,3-Diene Monoepoxides Cataly
zed by Palladium Complex)」,Tetrahedron Letter
s,Vol.22,No.27,2575〜2578ページ、1981は、Pd(PP
h34の存在下でジメチルマロネート、アセトアセテー
ト、ピロリジン、2−メチル−1,3−ペンタンジオンお
よびアリルスルホニルトルエンのような化合物類と1,3
−ジエンモノエポキサイド類の反応を公表する。1,4−
ジオキシ置換2−ブテンの生成を教示した例は全く存在
しない。
Tsuda,Tokai,IshidaおよびSaegusaの「β−ケト酸と
1,3−ジエンモノオキシド類のパラジウム触媒反応、な
らびに1,3−ジエンモノエポキシド類のアリルアルキル
化および異性化(Palladium-Catalyzed Reaction of 1,
3-Diene Monoxides with β−Keto Acids,Allylic Alky
lation and Isomerization of 1,3-Diene Monoepoxide
s)」Journal of Organic Chemistry,1986,Vol.51,52
16〜5221ページは、適応する場合にはその教示内容と本
質的に重複証拠となる。
Trost,UrchおよびHungの「ポリエン求電子性パートナ
ーによるパラジウム触媒アルキル化における位置化学的
直接効果(Regiochemical Directing Effects in Palla
dium Catalyzed Alkylations with Polyene Electrophi
lic Partners)」,Tetrahedron Letters,Vol.27,No.4
1,4949〜4952ページは、Pd(PPh34の存在下で炭化求
核剤による重複ジエンモノオキシドのアルキル化を公表
する。
Fujinami,Suzuki,Kamiya,FukuzawaおよびSakaiの「二
酸化炭素によるブタジエンモノオキシドのパラジウム触
媒反応(Palladium Catalyzed Reaction of Butadiene
Monoxide with Carbon Dioxide),Chemistry Letter
s,199〜200ページ、1985は、触媒としてPd(PPh34
使用するブタンジエンモノオキシドの3,4−カーボネー
ト−1−ブテンへの転化を公表する。
環式および非環式ジエンモノオキシド類に関するパラ
ジウム触媒(接触)反応もまた、次のものに報告されて
いる: Trost,LynchおよびAngleの「エポキシ化−カルボキシ
ル化を介する非対称シス−ヒドロキシル化:(+)−シ
テレオバイラルのホルマール合成(Asymmetric cis‐Hy
droxylation via Epoxidation-Carboxylation:A Formal
Synthesis of (+)‐Citreoviral)」,Tetrahedron
Lewtters,Vol.28,No.4,375〜378ページ。
TrostおよびAngleの「立体化学の保持を伴うアリルエ
ポキシド類のパラジウムによるビシナル開裂:シスヒド
ロキシル化同値(Palladium-Mediated Vicinal Cleavag
e of Allyl Epoxides with Retention of Stereochemis
try:A Cis Hydroxylation Equivalent)」,J.Am.Chem.
Soc.,1985,Vol.107,6123〜6124ページ。この文献は、ア
リールエポキシド類への二酸化炭素の選択的1,2−付加
を論ずる。すべての実験で使用される触媒は、トリイソ
プロピルホスファイトである。脚注(9)では、パラジ
ウムホスフィン触媒の使用が所期の転化にとって不十分
であったことを指摘している。
TrostおよびMolander,「パラジウム(O)触媒による
中性アルキル化(Neutral Alkylations via Palladium
(0) Catalysis)」,J.Am.Chem.Soc.,1981,Vol.103,
5969〜5972ページ。
Deardorff,MylesおよびMacFerrinの「モノ保護および
ジ保護シス−2−シクロペンテン−1,4−ジオール類へ
のパラジウム触媒ルート(A Palladium-Catalyzed Rout
e to Mono-and Diprotected cis−2−Cyclopentene−
1,4−diols)」,Tetrahedron Letters,Vol.26,No.46,
5615〜5618ページ(1985)。この文献は、1,2−付加を
受けず、単に1,4−付加生成物を生成するにすぎない環
式不飽和エポキシドであるシクロペンタジエンモノエポ
キシドへのカルボン酸類の付加を論ずる。
Deardorff,Shambayati,LindeおよびDunnの「シリル誘
導化カルボキシレートおよびフェノキシド類のシクロペ
ンタジエンモノエポキシドへのパラジウム触媒syn 1,4
−付加(Palladium-Catalyzed Syn 1,4−Additions to
Cyclopentadiene Monoepoxide)。区別して保護したシ
ス−2−シクロペンテン−1,4−ジオール類への立体お
よび位置制御ルート(A Stereo-and Regiocontrolled R
oute to Differentially Protected cis−2−Cyclopen
tene−1,4−diols)」,J.Org. Chem.,1988,Vol.52,18
9〜191ページ。
前述の従来技術が明らかにするように、触媒反応によ
る3,4−エポキシ−1−ブテンから1,4−ジオキシ置換2
−ブテン化合物の製造は、本発明前にほぼ知られてい
た。しかしながら、常法は各種の不利益を示した。例え
ば、多くの方法は所期の1,4−置換様式を生ずるが、ま
た目的としない多量の1,2−ジオキシ異性体をも生成す
る。
所期の1,4−ジオキシ置換様式(<60%)を達成する
最高水準の選択性は、ヨウ化水素酸またはヨウ化アルカ
リ金属塩を使用することにより達成されてきた。いずれ
にしても、高腐蝕性酸の反応媒体が生ずる。この反応媒
体を還流させるかまたは加熱することが装置腐蝕の課題
をますます悪化させる。
発明の概要 本発明は、出発原料として3,4−エポキシ−1−ブテ
ンを用いる高収率の1,4−二置換2−ブテン類の製造方
法を初めて利用可能にする。本発明の方法は、大規模な
合成環境下における反応媒体との境界面に常用されるガ
ラス、スチール、黄銅、ゴムおよび構造用プラスチック
のような材料に全く影響を及ぼさない触媒を使用する。
さらに、本発明の方法は反応媒体の加熱を必要とせず、
本発明の合成工程を遂行するのに必要な装置の原価を低
下すると共に簡略化する。
一の態様におけるこの発明は、1,4−ジオキシ置換2
−ブテンを製造するために触媒の存在下で酸素求核剤、
例えばアルコール、カルボン酸、酸無水物または置換ヒ
ドロキシ、カルボキシもしくは酸無水物を含有する化合
物と3,4−エポキシ−1−ブテンを反応させることから
なり、オキシ置換基少なくとも1つが酸素求核剤のオキ
シ基である方法に向けられる。この方法は、触媒がPd
(0)錯体、例えば四つのホスフィン配位子を有するパ
ラジウム錯体であって、酸素求核剤が活性メチレン基ま
たは活性メチン基を全く含まないことで特に特徴付けら
れる。
発明の詳細な記述 この発明の方法は、下記構造式で示される3,4−エポ
キシ−1−ブテンの1,4−二置換誘導体の製造に関す
る: 上式中、RはC1〜C20のアルキルもしくは置換アルキ
ル、C4〜C10の芳香族もしくはヘテロ原子置換芳香族
部分、C1〜C20のアシルまたは式 (該式中、ArはC4〜C10の芳香族もしくはヘテロ原子
置換芳香族部分である)であり;そしてR′はRまたは
Hであって、RまたはR′のどちらも活性メチレン基ま
たは活性メチン基を全く含まないことを前提とする。本
明細書で使用されるところの「活性メチレン基または活
性メチン基」の語は、2つの強い電子吸引性基の間に挟
まれたメチレンまたはメチン(一置換メチレン)基: (上式中、Rは水素または置換炭化水素基を含むいず
れかの炭化水素基であることができ、そしてWはカルボ
ニル、スルホニル、ニトリルもしくはニトロのような強
い電子吸引性基である)をいう。
活性メチレン基または活性メチン基を含有するジカル
ボン酸またはカルボキシル置換エステルが、2〜4個の
ホスフィン配位子を有するパラジウム錯体のような触媒
の存在下で3,4−エポキシ−1−ブテンと反応させられ
る場合には、所期の1,4−ジオキシ置換2−ブテン反応
生成物の形成が妨げられる。その代わりとして、反応が
強い電子吸引性基に結合するメチレンもしくはメチン基
由来の水素の置換により起こる。このことは、強い電子
吸引性基がカルボニル基である場合についての前記従来
技術の教示により例証されている。従って、プロパンジ
オン(マロン)酸は本発明の目的からとくに除去され
る。
予期される置換誘導体類は、ハロゲン、カルボニル、
スルホニル、ニトリルおよびニトロ部分を含む。分子中
でそれらの置換が活性メチレンまたは活性メチン基を生
じない場合にこれらが予期される。
本発明の方法は、Pd(O)錯体、例えば2から4個ま
での範囲内にあるホスフィン配位子を有するパラジウム
錯体、すなわち、反応条件下でPd(O)まで還元されう
るパラジウム化合物を含んでなる触媒の存在下で、酸素
求核剤と出発原料3,4−エポキシ−1−ブテンの反応に
より達成される。
本発明の実施に際して使用が予期されている酸素求核
剤は、アルコール類、カルボン酸類、酸無水物類ならび
に置換ヒドロキシ、カルボキシもしくは無水物を含有す
る化合物である。
この明細書で使用される場合の「酸素求核剤」の語
は、少なくとも1個のヒドロキシ基を有する(例、アル
コール類)か、カルボキシ基を有する(例、カルボン酸
類)か、またはその場でカルボキシルアニオンを形成し
うる化合物(例、酸無水物)を有する、場合によって置
換されていてもよいヒドロカルビル基をいう。
「アルコール」の語は、1個以上のヒドロキシ置換基
を有する、場合によって置換されていてもよい炭化水素
を示す。モノアルコールのような第一級、第二級および
第三級アルコール類ならびにポリヒドロキシ変異体、例
えばアルカンジオール類、アルカントリオール類、アル
カンテトラオール類などが予期されている。広義には、
炭素原子約20個までを有するアルコール類が本発明の実
施に際して有効であると予期されている。好ましいアル
カノール類は約1から12個までの炭素原子を含有するも
のであり、1から6個までの炭素原子を有するアルカノ
ール類が最も好ましいものである。
好ましい脂肪族アルコール類の例は、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
プロペン−2−オール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノー
ル、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル
−1−ブタノール、1,2−エタンジオール(エチレング
リコール)、1,2,3−プロパントリオール(グリセロー
ル)、i−1,2,3,4−ブタンテトロール(i−エリスリ
トール)および2,2−ジヒドロキシメチル−1,3−プロパ
ンジオール(ペンタエリスリトール)である。
本発明の実施に際して有用であると予期されている芳
香族アルコール類としては、1以上のヒドロキシ置換基
またはヒドロキシ置換ヒドロカルビル置換基を有する1
以上の芳香族環を含有するものが挙げられる。好ましい
芳香族アルコール類としては、6〜10個の炭素原子を含
有する芳香核(例えば、フェニルまたはナフチル核)の
置換基として1個以上のヒドロキシ置換C1〜C6アルキ
ル基を含むものが挙げられる。別の観点からすると、具
体的な芳香族アルコール類は、置換基として6〜10個の
炭素原子を含有する1個以上の芳香族環(例えば、フェ
ニルまたはナフチル環)を含むことで相違するだけの前
記脂肪族アルコール類の変異体であることができる。芳
香族アルコール類の例としてはベンジルアルコール、2
−フェニルエタノール、シンナミルアルコール、ベンゾ
ヒドロールおよびトリフェニルカルビノールが挙げられ
る。
フェノール系アルコール類もまた、この発明の実施に
際して使用することが予期されている。本明細書で定義
されるところの「フェノール系アルコール」の語は、ヒ
ドロキシ置換炭素環式芳香族環をいう。炭素環式芳香族
環は、好ましくは6〜10個の炭素原子を含む(例えば、
フェニルまたはナフチル)。好ましいフェノール系アル
コール類の例としては、ヒドロキシベンゼン(フェノー
ル)、1,2−ベンゼンジオール(ピロカテコール)、1,3
−ベンゼンジオール(レゾルシノール)、1,4−ベンゼ
ンジオール(ヒドロキノン)、1,2,3−ベンゼントリオ
ール(ピロガロール)、1,3,5−ベンゼントリオール
(フロログルシノール)、2−ヒドロキシトリエン(o
−クレゾール)、1−ナフトールおよび2−ナフトール
が挙げられる。
芳香族アルコールとフェノール系アルコールを共に有
する1−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)
エタン(チロソール)のような、前記カテゴリーの1を
超える範囲のものに該当し、本発明の実施に際して使用
することが予期されている追加のアルコール類が存在す
る。
本明細書で使用される「カルボン酸」の語は、炭素原
子置換基としてカルボキシル〔−C(O)OH〕基を含む
炭化水素または置換炭化水素を示す。炭素原子1〜20個
のアルカン酸のような簡単な脂肪族一塩基カルボン酸、
例えば、メタン酸(ギ酸)、エタン酸(酢酸)、プロパ
ン酸(プロピオン酸)、ブタン酸(酪酸)およびペンタ
ン酸(吉草酸)が予期されている。炭素原子1〜20個の
アルカンジオン酸のような飽和脂肪族二塩基カルボン
酸、例えば、エタンジオン酸(シュウ酸)、ブタンジオ
ン酸(コハク酸)、ペンタンジオン酸(グルタル酸)お
よびヘキサンジオン酸(アジピン酸)が予期されてい
る。炭素原子1〜20個を含有する不飽和−もしくは二塩
基カルボン酸、例えば、プロペン酸(アクリル酸)、2
−メチルプロペン酸(メタクリル酸)、トランス−2−
ブテン酸(クロトン酸)、シス−2−ブテン酸(イソク
ロトン酸)および3−ブテン酸(ビニル酢酸)が予期さ
れている。
芳香族カルボン酸、例えば、炭素原子1〜約10個を含
有するカルボン酸部分少なくとも1個で置換された炭素
原子6〜10個の芳香核(フェニルまたはナフチル)を有
するものも、また予期されている。このような芳香族カ
ルボン酸の例としては、安息香酸、フェニルエタン酸
(α−トルイル酸)、3−フェニルプロパン酸(ヒドロ
桂皮酸)、トランス−3−フェニルプロペン酸(桂皮
酸)、ベンゼンヘキサカルボン酸(メリット酸)、2−
メチル安息香酸(o−トルイル酸)、3−メチル安息香
酸(m−トルイル酸)、4−メチル安息香酸(p−トル
イル酸)、1−ナフタレンカルボン酸(α−ナフトエ
酸)および2−ナフタレンカルボン酸(β−ナフトエ
酸)が挙げられる。特に予期されている二塩基芳香族カ
ルボン酸は、フタール酸類、1,2−ベンゼンジカルボン
酸(フタール酸)、1,3−ベンゼンジカルボン酸(イソ
フタノール酸)および1,4−ベンゼンジカルボン酸(テ
レフタール酸)である。
本発明の実施に際して使用することが予期されている
酸無水物としては、次式の対称もしくは非対称酸無水物
が挙げられる: 上式中、RおよびR′は独立して、1〜20個の炭素原子
を有するアルキル、芳香族もしくはヘテロ原子置換芳香
族部分、アラルキルおよびアルクアリールなどであるこ
とができる。酸無水物の例には、無水酢酸および無水フ
タール酸などが含まれる。
本発明の実施に際して予期されているアルコール類、
カルボン酸類および酸無水物のそれぞれは、例えば、ハ
ロゲン、カルボニル、スルホニル、ニトリルおよびニト
ロ部分のような、記載した反応を妨害しない他の置換基
を含むことができ、分子中のそれらの置換位置は活性メ
チレンまたは活性メチン基を生じないことが予期されて
いる。必要がある場合には、さらに追加のヒドロキシ、
アルコキシおよびアリールオキシ置換基が存在すること
もできる。このような酸の例としては、β−ヒドロキシ
酢酸(グリコール酸)、クエン酸、o−ヒドロキシ安息
香酸(サリチル酸)、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒ
ドロキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸(アニス
酸)、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸(没食子酸)お
よび4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸(シリ
ンガ酸)が挙げられる。
前記カルボン酸類とアルコール類の置換変異体に加え
て、遊離のヒドロキシまたはカルボキシ〔−C(O)O
H〕部分または置換基少なくとも1個を有するこれらの
アルコール類およびカルボン酸類もまた、本発明の実施
に際して使用することが予期されている。これらのエス
テル類は、2個以上のヒドロキシ基またはカルボキシ基
を含有する前述のようにこの発明の実施に際して有用な
いずれかのアルコール類またはカルボン酸類の部分エス
テル類と看做すことができる。この発明の要件を満たす
いずれかの二塩基カルボン酸によるこの発明の用件を満
たすいずれかのアルコールの部分エステル類が特に予期
されている。同様に、この発明の要件を満たすいずれか
のジヒドロキシアルコールによるこの発明の用件を満た
すいずれかのカルボン酸の部分エステルが特に予期され
ている。ジヒドロキシアルコールを二塩基カルボン酸で
エスエル化する場合には、エステル化を通じて存在する
アルコールに対する酸の割合を単に変化させることによ
り、フリーのカルボキシル基またはフリーのヒドロキシ
ル基のいずれかを含むエステルを生成することができ
る。
本発明の実施に際して、広範な範囲のヒドロキシおよ
び/またはカルボキシ置換エステル類が利用できる。予
期されているヒドロキシまたはカルボキシ置換エステル
類の例は下記のものである:メチルグリコレート、2−
ヒドロキシエチルアセテート、グリセロールジアセテー
ト、メチルヘミオキザレート、ジ(2−ヒドロキシエチ
ル)スクシネートおよびジ(6−ヒドロキシヘキシル)
テレフタレート。
前記で定義した求核剤は、必要があれば、1,4−二置
換−2−ブテン類の形成を妨害しないいずれか一の基ま
たは基の組み合わせによりさらに置換されうることも認
識されている。例えば、ハロゲン(すなわち、フロロ、
クロロ、ブロモおよびヨード)置換基が特に予期されて
いる。極端な場合には、本発明で予期されている酸素求
核剤類の水素原子の1つまたはすべてがハロゲン類で置
換されていてもよい。ハロゲン置換、特にクロロおよび
ブロモ置換芳香族炭化水素部分が予期されている。カル
ボニル、スルホニル、ニトリルおよびニトロ基はまた、
分子中のそれらの置換が活性メチン メチレン部分を生
じない限り予期されている。さらに、他の無妨害性置換
基は、この発明の教示が理解できる当業者に明らかであ
ろう。
この発明の反応に利用される触媒は、Pd(O)錯体、
例えば、約2から4個までの範囲内のホスフィン配位子
を有するパラジウム錯体である。これらの錯体でパラジ
ウムはゼロの酸化状態にあることに注目することが重要
である。当業者は、各種の方法、例えばヒドラジン、一
酸化炭素、金属アルコキシド、アルキルアルミニウム、
アルコールまたはアミンを用いるビス(ホスフィノ)パ
ラジウム塩の処理でPd(O)を発生することができるこ
とを認識する。特に、Pd(O)錯体の調製について便利
な方法は、適当な反応条件下にパラジウム化合物をさら
すこと、例えば、アルコールまたはオレフィン系不飽和
成分のような反応系の成分の一つによる(Ph3P)2PdCl
2の還元でそれらをその場で発生せしめることである。
現在のところ、好ましいPd(O)錯体源は4個のホス
フィン配位子を有するパラジウム錯体である。各ホスフ
ィン配位子は、パラジウム原子に配位した三置換リン原
子を提供する。好ましくは、三つの置換基の少なくとも
2個はフェニル部分である。残りの置換基は多種多様な
炭化水素の中から選ぶことができる。従って、その最と
も一般的な形状の好ましいパラジウム(O)錯体は、次
式により示すことができる: Pd(PPh2R″)4 上式中、各R″は独立してヒドロカルビル基、そして
場合により置換したヒドロカルビル基であってもよく、
好ましくはこれらの化合物の入手の容易さからすると6
個を超える炭素原子をほんの1つ含有するものが好まし
い。
特に好ましい形態では、各R″がフェニルである。
もう一つの好ましい形態では、各Rが脂肪族炭化水
素、例えば炭素原子1〜6個のアルキルまたはアルキレ
ンであることができる。触媒の好ましい形態では、2個
のホスフィン配位子が連結部分を介して結合し、例えば
次式(II)で示すようなアルキレンを使用して二座配位
子を生成する: 式中、nは1〜6の整数である。
本発明のもう一つの好ましい態様では、次式 (式中、nは0〜4で変動し、そして各mは1〜3で変
動可能)で示される二座配位子、ならびに次式 (式中、x結合およびy結合は芳香族部分の隣接環原子
上にある)で示される二座配位子を有する。
当業者は、Pd(O)錯体がまた、例えばオレフィンお
よび亜リン酸エステルなどで安定化されうることを認識
する。
もう一つの好ましい形態では、パラジウム(O)錯体
がポリマー支持体に担持される。すなわち、パラジウム
錯体はポリマー反復単位のペンダント基を形成する。こ
の形態では、ホスフィン配位子の少なくとも1個の置換
基がポリマーの反復単位である。ポリマー支持体へのパ
ラジウム錯体の配位は、使用中の損失に対して触媒保護
の利点を提供する。ポリマー支持体に担持される市販の
パラジウム錯体の例は、ポリマー担持テトラキストリフ
ェニルホスフィンパラジウム(O)、カタログ♯24815-
0(Aldrich Chemical Co.Inc.より入手可能)である。
酸素求核試薬が液体である場合には、3,4−エポキシ
−1−ブテン反応体の溶媒としても利用することができ
る。この例では、単に触媒と2種の反応体が要求される
にすぎない。
必要があれば、それぞれの反応体について個別の溶媒
を使用することができる。テトラヒドロフラン、ベンゼ
ン、トルエン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、クロロホルム、ジクロロメタン、アセトニトリ
ルおよびアセトンのような各種普通の極性非プロトン性
液体溶媒が選ばれうる。パラジウム触媒の存在下では3,
4−エポキシ−1−ブテンとそれ自体が反応しうるの
で、反応に使用される溶媒は相当水を除去したものであ
ることが好ましい。
酸求核剤は、その溶解性の限度まで溶媒に組み入れる
ことができるが、一般に約0.1〜5モル濃度、好ましく
は約0.5〜2モル濃度で作用させることが最も都合よ
い。酸素求核剤がそれ自体溶媒として機能しるう場合に
は、別の溶媒は全く不要であるため、より高い濃度が可
能であることが明らかである。低濃度もまた利用可能で
あるが、さらなる希釈からもたらされる幾つかの特殊な
利益の損失が避けられない。一般に酸素求核剤の高い濃
度は1,4付加生成物について高い選択率をもたらすが、
一方、酸素求核剤の低い濃度は1,2付加生成物について
高い選択率をもたらす。
これらの反応体と触媒の割合は、高収率で所期の反応
生成物が得られる限り広範に変動させることができる。
触媒は貴金属を含むので、一般に低濃度でその触媒を使
用することが好ましい。3,4−エポキシ−1−ブテンに
基づいて0.01モル%程度の低い触媒濃度が予期され、3,
4−エポキシ−1−ブテンに基づいて少なくとも0.05モ
ル%である触媒濃度が好ましく、最適には少なくとも0.
1モル%が好ましい。触媒濃度は、3,4−エポキシ−1−
ブテンに基づいて5モル%未満が通常であり、2モル%
未満が好ましい。
3,4−エポキシ−1−ブテンに対する酸素求核剤のモ
ル比は、広範に変更することができる。1:10〜10:1のモ
ル比、好ましくは1:5〜5:1が予期されている。3,4−エ
ポキシ−1−ブテンの転化を最大にすることが必要な場
合には、残余の反応体または反応体類を化学量論的に過
剰存在させねばならない。従って、3,4−エポキシ−1
−ブテンに対する酸素求核剤を3:1〜4:1にすることが考
慮される。
3,4−エポキシ−1−ブテンの転化は、室温以下で行
うことができる。事実、混合中の発熱を制御するために
3,4−エポキシブテンのそこに添加する前に、酸素求核
剤を−30〜20℃の範囲内の温度に冷却することが好まし
く、−10〜0℃の範囲内の温度にすることが最も好まし
い。温和な加熱(例、約50℃まで)は反応を促進するこ
とを可能にするが好ましくない。
実施例 本発明の実施を以下の例でさらに具体的に説明する。
例1 ブタジエンモノオキシドとメタノールの反応 メタノール20mlでテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0.5g,0.43mmol)とブタジエンモノオ
キシド3.45ml(3.0g,0.043mmol)を溶解した。この反応
混合物を室温で18時間撹拌し、次いで、減圧下で濃縮し
た。この濃厚物を、1mm圧、40〜55℃で蒸留して1−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−ブト−2−エン(EとZ異性
体の混合物)および4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ブ
ト−1−エンの比3:1からなる無色油状物4.2g(96%)
を得た。
1H NMR(CDCl3)4−ヒドロキシ−3−メトキシ−ブ
ト−1−エン:5.6(m,1H);5.22(m,2H):3.7(m,1H);
3.5(m,2H);3.3(s,3H);2.2(br s,1H),2−ヒドロキ
シ−4−メトキシ−ブト−2−エン:5.8(m,2H);4.2
(m,2H);3.9(d,J=6Hz,2H):3.3(s,3H);2.2(br s,
1H). 例2 ブタジエンモノオキシドとn−ブタノールの反応 n−ブタノール20mlでテトラキス(トリフェニルホス
フィン)パラジウム(0.4g,0.35mmol)を溶解し、この
溶液を0℃まで冷却した。次にブタジエンモノオキシド
(2.3ml,2.0g,0.028mol)を滴下し、この溶液を室温ま
で加温した。この反応混合物を18時間室温で撹拌し、次
いで減圧下で分別蒸留して1−ヒドロキシ−4−ブトキ
シ−ブト−2−エン対4−ヒドロキシ−3−ブトキシ−
ブト−エン(bp,75〜120℃,1mm)の4:1混合物4.0g(90
%)を得た。
1H NMR(CDCl3)4−ヒドロキシ−3−ブトキシ−ブ
ト−1−エン:5.65(m,1H);5.25(m,2H):3.8(m,2
H);3.5(m,3H);3.3(s,1H);2.3(br s,1H);1.55
(m,2H);1.4(m,2H);0.9(t,J=6Hz,3H),1−ヒドロ
キシ−4−ブトキシ−ブト−2−エン:5.85(m,2H);4.
2(d,J=8Hz,2H);4.0(d,J=8Hz,2H);3.45(m,2H);
2.2(br s,1H);1.55(m,2H);1.4(m,2H);0.9(t,J=
6Hz,3H). 例3 ブタジエンモノオキシドとエタノールの反応 エタノール1でテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(1.0g,0.86mmol)を溶解し、反応混合
物を0℃に冷却した。次に、ブタジエンモノオキシド
(160g,2.28mol)を滴下した。この溶液を室温まで加熱
し、18時間撹拌した。減圧下で分別蒸留し、1−ヒドロ
キシ−4−エトキシ−ブト−1〔2〕−エン対4−ヒド
ロキシ−3−エトキシ−ブト−1−エンの比3:1を得た
(161g,61%,bp45〜70℃,1mm)。
1H NMR(CDCl3)1−ヒドロキシ−4−エトキシ−ブ
ト−2−エン:5.8(m,2H);4.1(d,J=6Hz,2H);3.95
(d,J=6Hz,2H);3.45(q,J=8Hz,2H);2.5(br s,1
H);1.2(t,J=8Hz,3H),4−ヒドロキシ−3−エトキシ
−ブト−1−エン:5.7(m,1H);5.2(m,2H);3.65−3.3
(m,5H);2.5(br r,1H);1.2(t,J=8Hz,3H). 例4 酢酸とブタジエンモノオキシドの反応 テトラヒドロフラン20ml中ポリマーテトラキス(トリ
フェニルホスフィン)パラジウム(O)(Aldrichカタ
ログ♯24815−0)0.4g懸濁液に酢酸(0.82ml,14.3mmo
l)を加え、次いでブタジエンモノオキシド(1.0g,14.3
mmol)を加えた。次に、ポリマーに結合した触媒を濾去
し、濾過物を減圧下で濃縮した。生成物のGLC分析は、
1−アセトキシ−4−ヒドロキシ−ブト−2−エン対3
−アセトキシ−4−ヒドロキシ−ブト−1−エンの比1:
1を示した。減圧蒸留してこの生成混合物を1.7g(91
%)を得た。
1H NMR(CDCl3)1−アセトキシ−4−ヒドロキシ−
ブト−2−エン:5.82(m,2H);4.7(d,J=8Hz,2H);4.2
5(d,J=8Hz,2H);2.8(br s,1H);2.05(s,3H),3−ア
セトキシ−4−ヒドロキシ−ブト−1−エン:5.82(m,1
H);5.35(m,3H);3.75(m,2H);2.4(br s,1H);2.05
(s,3H). 例5 ブタジエンモノオキシドとフェノールの反応 テトラヒドロフラン70mlでテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(0.4g,0.35mmol)とフェノー
ルを溶解し、この溶液を0℃に冷却した。次に、ブタジ
エンモノオキシド(5.5ml,50mmol)を加え、室温まで加
熱して反応を行った。室温で2時間後、GLC分析はフェ
ノールがもはや存在しないことを示し、次いで(1−ヒ
ドロキシ−4−フェノキシ−ブト−2−エン対4−ヒド
ロキシ−3−フェノキシ−ブト−1−エン)の比1:4で
2つの生成物が得られたことを示した。溶媒と過剰のブ
タジエンモノオキシドを減圧下で除去し、残渣をシリカ
ゲル上でクロマト処理して各生成物の純粋な試料を合計
収率91%で得た。
1H NMR(CDCl3)4−ヒドロキシ−3−フェノキシ−
ブト−1−エン:7.6(m,2H;7.2(m,3H);6.1(m,1H);
5.6(m,2H);5.0(m,1H);4.05(m,2H);2.6(br s,1
H),1−ヒドロキシ−4−フェノキシ−ブト−2−エン:
7.6(m,2H);7.2(m,3H);6.1(m,1H);4.6(m,2H);4.
25(m,2H);2.15(br s,1H). 例6 テレフタール酸とブタジエンモノオキシドの反応 ジメチルホルムアミド20mlでテレフタール酸(2.4g,1
4.3mmol)を懸濁し、次いでPd(PPh34(0.4g,0.35mmo
l)およびブタジエンモノオキシド(2.3ml,2.0g,28.6mm
ol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次
いで水性ブライン200mlと酢酸エチル200ml間で分配させ
た。有機層を分離し、水性ブラインで3度洗浄し、次い
で無水硫酸ナトリウム上で乾燥しそして減圧濃縮した。
得られた固体の1H NMRは、生成混合物の主要成分が目
的のジ−〔1−(4−ヒドロキシ−2−ブテニル)〕テ
レフタレートであり、少量のジ−〔2−(1−ヒドロキ
シ−4−ブテニル)〕テレフタレートと1−(4−ヒド
ロキシ−2−ブテニル)、2−(1−ヒドロキシ−4−
ブテニル)テレフタレートを伴うことを示した。
例7 無水酢酸とブタジエンモノオキシドの反応 テトラヒドロフラン50mlでテトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(1.8g,0.5mmol)を溶解し、次
いで無水酢酸(4.05ml,14.3mmol)とブタジエンモノエ
ポキシド(3.45ml,14.3mmol)を加えた。ブタジエンエ
ポキシドは、室温2時間により定量的収量で1,4−ジア
セトキシ−ブト−2−エンと3,4−ジアセトキシ−ブト
−1−エンの混合物に転化された。生成物は前記反応条
件下で平衡に達し、最終的に75:25の割合を与え、1,4−
異性体(GLCによる測定)を優先することがわかった。
減圧下で溶媒を除去し、得られた油状物を〜0.8mmHgで
蒸留してジアセトキシブテン類の混合物7.0g(95%)を
得た。
1 NMR(CDCl3)1,4−ジアセトキシ−ブト−2−エン,
E:Z異性体の4:1混合物E:5.9(t,J=8Hz,2H);4.6(d,J
=8Hz,2H);2/05(s,3H):Z:5.78(t,J=8Hz,2H);4.7
(d,J=8Hz,2H);2.05(s,3H).3,4−ジアセトキシ−ブ
ト−1−エン:5.8(m,1H);5.5(m,1H);5.3(m,2H);
4.08(m,2H);2.04(s,3H);2.02(s,3H). この発明を、その好ましい態様を具体的に引用して詳
細に記載してきたが、本発明の精神および範囲内で各種
の変更と改良が有効になされうることを理解しなければ
ならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/025 C07C 69/025 Z 69/80 69/80 B 69/82 69/82 B // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭54−79214(JP,A) 特開 昭57−11931(JP,A) Tetrahodron Lette rs,Vol.26,No46,P.5615− 5618,1985 J.Am Chem,Soc,Vo l.107,p.6123−6124,1985 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 43/178,43/23,41/03,69/025,69 /80,69/82,67/26 B01J 31/24 C07B 61/00

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式 〔上式中、RはC1〜C20のアルキルもしくは置換アル
    キル、C4〜C10の芳香族もしくはヘテロ原子置換芳香
    族部分、C1〜C20のアシルまたは式 (この式中、ArはC4〜C10の芳香族もしくはヘテロ原
    子置換芳香族部分を表す)であり、そして R′はRまたはHであるが、ただし、 RまたはR′のいずれも活性メチレンもしくは活性メチ
    ン基を含まず、ここで「活性メチレンもしくは活性メチ
    ン基」の語は、2個の強い電子吸引性基間に挟まれた下
    記式で示されるメチレンもしくはメチン(一置換メチレ
    ン)基という: (上式中、Rは水素または置換された炭化水素基を含
    む炭化水素基であることができ、そしてWはカルボニ
    ル、スルホニル、ニトリル及びニトロからなる群から選
    ばれる強い電子吸引性基である)〕で示される化合物の
    製造方法であって、オキシ置換基の一つまたは両方が酸
    素求核剤のオキシ残基である1,4−ジオキシ置換2−ブ
    テンを製造するため、触媒の存在下で酸素求核剤を3,4
    −エポキシ−1−ブテンと反応させることを含んでな
    り、前記酸素求核剤が活性メチレンもしくは活性メチン
    基を欠いており、かつ、アルコール類、カルボン酸類、
    酸無水物類、置換されたヒドロキシ含有化合物類、置換
    されたカルボキシ含有化合物類または置換された酸無水
    物含有化合物類から選ばれ、前記触媒がPd(O)錯体ま
    たはそのPd(O)錯体の前駆体からなり、前記反応が−
    30から20℃までの温度範囲で行われ、前記触媒の濃度が
    3,4−エポキシ−1−ブテンに基づき0.01から5モル%
    未満までの範囲にされ、そして酸素求核剤と3,4−エポ
    キシ−1−ブテンのモル比が1:10から10:1までの範囲に
    されることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記酸素求核剤がアルコールである請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記アルコールが炭素原子1〜20個を含有
    するアルカノールである請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】前記アルコールがフェノール系アルコール
    である請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】前記アルコールがフェノールである請求項
    4記載の方法。
  6. 【請求項6】前記酸素求核剤がカルボン酸である請求項
    1記載の方法。
  7. 【請求項7】前記カルボン酸が炭素原子1〜20個を含有
    するアルカン酸である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】前記アルカン酸が酢酸である請求項7記載
    の方法。
  9. 【請求項9】前記カルボン酸がジカルボン酸である請求
    項6記載の方法。
  10. 【請求項10】前記ジカルボン酸がフタール酸またはテ
    レフタール酸である請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】前記酸素求核剤が酸無水物である請求項
    1記載の方法。
  12. 【請求項12】前記酸無水物が無水酢酸または無水フタ
    ール酸である請求項11記載の方法。
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