JP2774118B2 - 加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼 - Google Patents
加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物
用高疲労強度鋼に関し、さらに詳しくは、機械装置類、
特に、自動車の足廻り部品等において軸物材として適用
することができる加工性および耐ねじり疲労特定に優れ
た軸物用高疲労強度鋼に関するものである。
用高疲労強度鋼に関し、さらに詳しくは、機械装置類、
特に、自動車の足廻り部品等において軸物材として適用
することができる加工性および耐ねじり疲労特定に優れ
た軸物用高疲労強度鋼に関するものである。
[従来技術] 一般的に、高周波焼入れ処理により最終品質を得るた
めに機械構造用鋼として、C 0.45〜0.55wt%を含有する
中炭素鋼が使用されてきている。しかし、製品の寸法精
度を向上させ、かつ、歩留りを向上させるためには、中
炭素鋼を使用しても冷間鍛造を行うことが多くなってき
ている。
めに機械構造用鋼として、C 0.45〜0.55wt%を含有する
中炭素鋼が使用されてきている。しかし、製品の寸法精
度を向上させ、かつ、歩留りを向上させるためには、中
炭素鋼を使用しても冷間鍛造を行うことが多くなってき
ている。
そして、この冷間鍛造性を向上させるために、Si、Mn
等の元素含有量を低減させるので、最終製品段階におい
て、必要な強度が保持できないという問題が発生してい
る。
等の元素含有量を低減させるので、最終製品段階におい
て、必要な強度が保持できないという問題が発生してい
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記に説明したように、従来において使用さ
れている製品が必要な強度を保持できないという問題点
に鑑み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結
果、最終製品段階において必要な強度が保持でき、さら
に、軸物材として好適な加工性および耐ねじり疲労特性
に優れた軸物用高疲労強度鋼を開発したのである。
れている製品が必要な強度を保持できないという問題点
に鑑み、本発明者が鋭意研究を行い、検討を重ねた結
果、最終製品段階において必要な強度が保持でき、さら
に、軸物材として好適な加工性および耐ねじり疲労特性
に優れた軸物用高疲労強度鋼を開発したのである。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る加工性および耐ねじり疲労特性に優れた
軸物用高疲労強度鋼は、 (1)C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.30〜0.5
0wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt
%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120pp
m、O≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴
とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高
疲労強度鋼を第1の発明とし、 (2)C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.30〜0.5
0wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt
%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120pp
m、O≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、さらに、 Mo≦0.30wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特
徴とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用
高疲労強度鋼を第2の発明とする2つの発明よりなるも
のである。
軸物用高疲労強度鋼は、 (1)C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.30〜0.5
0wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt
%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120pp
m、O≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴
とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高
疲労強度鋼を第1の発明とし、 (2)C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.30〜0.5
0wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt
%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120pp
m、O≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、さらに、 Mo≦0.30wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特
徴とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用
高疲労強度鋼を第2の発明とする2つの発明よりなるも
のである。
本発明に係る加工性および耐ねじり疲労特性に優れた
軸物用高疲労強度鋼について、以下詳細に説明する。
軸物用高疲労強度鋼について、以下詳細に説明する。
先ず、本発明に係る加工性および耐ねじり疲労特性に
優れた軸物用高疲労強度鋼の含有成分および含有割合に
ついて説明する。
優れた軸物用高疲労強度鋼の含有成分および含有割合に
ついて説明する。
Cは含有量が0.40wt%未満では必要な最小硬さが得ら
れず、耐摩耗性が劣化し、また、0.70wt%を越えて含有
させると鍛造工具寿命の著しい劣化を招来するばかり
か、切削加工性、研削加工性を劣化させる。よって、C
含有量は0.40〜0.70wt%とする。
れず、耐摩耗性が劣化し、また、0.70wt%を越えて含有
させると鍛造工具寿命の著しい劣化を招来するばかり
か、切削加工性、研削加工性を劣化させる。よって、C
含有量は0.40〜0.70wt%とする。
Siは含有量が0.10wt%を越えて含有させると冷間鍛造
性、特に、変形能を劣化させる。よって、Si含有量は0.
10wt%以下とする。
性、特に、変形能を劣化させる。よって、Si含有量は0.
10wt%以下とする。
Mnは含有量が0.30wt%未満では脱酸が不充分であり、
また、0.50wt%を越えて含有させると変形能を劣化させ
る。よって、Mn含有量は0.30〜0.50wt%とする。
また、0.50wt%を越えて含有させると変形能を劣化させ
る。よって、Mn含有量は0.30〜0.50wt%とする。
Pは疲労破壊時の粒界強度を向上させるが、含有量が
0.010wt%を越えて含有させるとこの効果は期待できな
い。よって、P含有量は0.010wt%以下とする。
0.010wt%を越えて含有させるとこの効果は期待できな
い。よって、P含有量は0.010wt%以下とする。
Sは0.015wt%を越えて含有量させると変形能を劣化
させる。よって、S含有量は0.015wt%以下とする。
させる。よって、S含有量は0.015wt%以下とする。
Niは高周波焼入れによってねじり疲労強度を向上させ
るのに有効な元素であり、含有量が0.10wt%未満ではこ
のような効果は少なく、また、1.0wt%を越えて含有さ
せると冷間鍛造性を大きく阻害する。よって、Ni含有量
は0.10〜1.0wt%とする。
るのに有効な元素であり、含有量が0.10wt%未満ではこ
のような効果は少なく、また、1.0wt%を越えて含有さ
せると冷間鍛造性を大きく阻害する。よって、Ni含有量
は0.10〜1.0wt%とする。
Crは高周波焼入れによりねじり疲労強度を向上させ、
かつ、冷間鍛造性を劣化させないために、Cr含有量は1.
0wt%以下とする。
かつ、冷間鍛造性を劣化させないために、Cr含有量は1.
0wt%以下とする。
Ni+0.70Crは、0.250wt%未満では高いねじり疲労強
度が得られず、また、1.150wt%を越えて含有させると
冷間鍛造性、特に、変形抵抗が増大して工具寿命が劣化
する。よって、Ni+0.70Crは0.025〜1.150wt%とする。
度が得られず、また、1.150wt%を越えて含有させると
冷間鍛造性、特に、変形抵抗が増大して工具寿命が劣化
する。よって、Ni+0.70Crは0.025〜1.150wt%とする。
Alは結晶粒の微細化のために含有させる元素であり、
含有量が0.010wt%未満ではこの効果は少なく、また、
0.050wt%を越えて含有させると効果は飽和してしま
い、無駄である。よって、Al含有量は0.010〜0.050wt%
とする。
含有量が0.010wt%未満ではこの効果は少なく、また、
0.050wt%を越えて含有させると効果は飽和してしま
い、無駄である。よって、Al含有量は0.010〜0.050wt%
とする。
NはAlと同じく結晶粒を微細化するために含有させる
元素であり、含有量が40ppm未満ではこのような効果は
少なく、また、120ppmを越えて含有させると効果は飽和
してしまう。よって、N含有量は40〜120ppmとする。
元素であり、含有量が40ppm未満ではこのような効果は
少なく、また、120ppmを越えて含有させると効果は飽和
してしまう。よって、N含有量は40〜120ppmとする。
Oは含有量が20ppmを越えて含有させると冷間鍛造性
に、特に、変形能を著しく劣化させる。よって、O含有
量は20ppm以下とする。
に、特に、変形能を著しく劣化させる。よって、O含有
量は20ppm以下とする。
Moは焼入れ性を確保できない場合に含有させる元素で
あるが、含有量が0.30wt%を越えて含有させると冷間鍛
造性、特に、変形抵抗を増大させる。よって、Mo含有量
は0.30wt%以下とする。
あるが、含有量が0.30wt%を越えて含有させると冷間鍛
造性、特に、変形抵抗を増大させる。よって、Mo含有量
は0.30wt%以下とする。
[実 施 例] 次に、本発明に係る加工性および耐ねじり疲労特性に
優れた軸物用高疲労強度鋼の実施例を説明する。
優れた軸物用高疲労強度鋼の実施例を説明する。
実施例 第1表に示す含有成分および含有割合の鋼を通常の溶
製法により溶解鋳造後、鍛造した。
製法により溶解鋳造後、鍛造した。
鍛造後、冷間鍛造性を調査するために、25φの棒に機
械加工を行った。
械加工を行った。
25φ棒→○s→TP加工(20φ×301)→拘束圧縮試験 鍛造後、疲労性を調査するために、55φの棒に機械加
工を行った。
工を行った。
55φ棒→○→TP加工(平行部セレーションを加工28
φ)→高周波焼入れ→ねじり疲労試験 第1表に試験結果を示す。
φ)→高周波焼入れ→ねじり疲労試験 第1表に試験結果を示す。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明に係る加工性および耐ね
じり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼は上記の構成
であるから、優れた加工性および耐疲労特性を有してお
り、機械構造用鋼として、特に、自動車の足廻り部品で
軸物用材料として好適な効果を有するものである。
じり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼は上記の構成
であるから、優れた加工性および耐疲労特性を有してお
り、機械構造用鋼として、特に、自動車の足廻り部品で
軸物用材料として好適な効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 豊文 兵庫県神戸市垂水区高丸7丁目3―2― 244 (56)参考文献 特開 昭62−23929(JP,A) 特開 昭60−230960(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.3
0〜0.50wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120ppm、O
≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、残部Feおよび不可避不純物からなることを特徴
とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高
疲労強度鋼。 - 【請求項2】C 0.40〜0.70wt%、Si≦0.10wt%、Mn 0.3
0〜0.50wt%、 P≦0.010wt%、S≦0.015wt%、Ni 0.10〜1.0wt%、 Cr≦1.0wt%、Al 0.010〜0.050wt%、N 40〜120ppm、O
≦20ppm を含有し、かつ、 Ni+0.70Cr 0.250〜1.150wt% であり、さらに、 Mo≦0.30wt% を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなることを特
徴とする加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用
高疲労強度鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313165A JP2774118B2 (ja) | 1988-12-12 | 1988-12-12 | 加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63313165A JP2774118B2 (ja) | 1988-12-12 | 1988-12-12 | 加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02159347A JPH02159347A (ja) | 1990-06-19 |
JP2774118B2 true JP2774118B2 (ja) | 1998-07-09 |
Family
ID=18037885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63313165A Expired - Fee Related JP2774118B2 (ja) | 1988-12-12 | 1988-12-12 | 加工性および耐ねじり疲労特性に優れた軸物用高疲労強度鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2774118B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60230960A (ja) * | 1984-04-27 | 1985-11-16 | Daido Steel Co Ltd | 機械構造用部品の製造方法 |
JPH075960B2 (ja) * | 1985-07-22 | 1995-01-25 | 大同特殊鋼株式会社 | 冷間鍛造用鋼の製造方法 |
-
1988
- 1988-12-12 JP JP63313165A patent/JP2774118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02159347A (ja) | 1990-06-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |