JP2773506B2 - 超電導配線の端子構造とその形成方法 - Google Patents

超電導配線の端子構造とその形成方法

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JP2773506B2 JP3347843A JP34784391A JP2773506B2 JP 2773506 B2 JP2773506 B2 JP 2773506B2 JP 3347843 A JP3347843 A JP 3347843A JP 34784391 A JP34784391 A JP 34784391A JP 2773506 B2 JP2773506 B2 JP 2773506B2
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聡 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導配線の端子構造
に関する。より詳細には、本発明は、酸化物超電導体に
より構成された配線の端子構造とその形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来知られていた超電導材料は一般にヘ
リウムの液化温度以下の極低温でしか超電導体にならな
かったので、これを実用的に利用できる分野は非常に限
られていた。しかしながら、1986年に[La,Ba]2CuO4
るいは[La,Sr]2CuO4 等の複合酸化物焼結体が高い臨界
温度を有する超電導材料であることが報告されて以来、
Y−Ba−Cu−O系あるいはBi−Ca−Sr−Cu−O系等の複
合酸化物が極めて高い温度範囲で超電導特性を示すこと
が次々に確認された。このような高い温度で超電導特性
を示す材料は、廉価な液体窒素を冷却媒体として使用す
ることができるので、超電導技術の応用が俄かに現実的
な課題として検討されるようになってきている。
【0003】酸化物超電導体の最も単純な用途は、これ
を配線として利用することである。即ち、近年急速に発
達した半導体技術により、ひとつの集積回路中には膨大
な数の素子が造り込まれており、これらを接続するため
の配線長も非常に長くなっている。これを超電導配線に
置き換えることにより、素子間の信号遅延を減少させた
り、配線抵抗の減少により回路全体の消費電力の増加や
発熱に伴う性能および特性の劣化を画期的に低減させる
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】薄膜回路中における超
電導配線の形成自体は、既に半導体技術の分野で確立さ
れている加工技術を応用すれば容易とさえいえる段階に
ある。ところが、そうやって形成された超電導配線を含
む回路を何らかの形で外部と接続する際には、下記のよ
うな超電導配線独特の問題が発生する。
【0005】即ち、酸化物超電導体は、その結晶構造に
関して異方性を有することが知られており、代表的なY
1Ba2Cu37-x 等の場合では、その結晶のc軸に直角な
方向に超電導電流が流れ易い。従って、薄膜回路の配線
として利用する場合は、基板の成膜面に対して結晶のc
軸が直角に配向するように成膜した酸化物超電導薄膜
(以下、 "c軸配向膜" と記載する)を使用する。
【0006】ところが、上述のようなc軸配向膜を使用
した超電導配線のコンタクトパッドに対してリードワイ
ヤ等を接続する場合は、通常、端子パッドに対して上方
から接続する。
【0007】図2は、一般的な薄膜回路における端子構
造を示す図である。
【0008】同図に示すように、薄膜により形成された
配線4の端部にはコンタクトパッド4aが形成されてお
り、リードワイヤ5等は、コンタクトパッド4aに上方
からボンディングされる。従って、c軸配向した酸化物
超電導薄膜を配線材料として使用した場合、リードワイ
ヤから超電導配線の端子に対しては、超電導電流がc軸
方向に流れることになり、この接合部におけるコンタク
ト抵抗が著しく増大する。
【0009】一方、上記のような理由で増大するコンタ
クト抵抗を低減するために、接続部の面積を大きくする
方法も考えられるが、この場合は、回路中でコンタクト
パッドが占める面積が著しく大きくなり、集積回路の構
成上好ましくない。
【0010】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、配線パッドの面積の増加を抑制する一方で、
コンタクト抵抗を低減させることができる新規な超電導
配線の端子構造を提供することをその目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従うと、
酸化物超電導薄膜により形成された超電導配線におい
て、成膜面に対して端面が傾斜するように一部を除去さ
れた、結晶のc軸が該成膜面に対して直角に配向した超
電導配線と、該超電導配線の露出した端面上に形成され
た、結晶のa軸が成膜面に対して直角に配向した酸化物
超電導薄膜とを備え、該a軸配向領域の表面をコンタク
トパッドとすることを特徴とする超電導配線の端子構造
が提供される。
【0012】また、上記本発明に係る端子構造を形成す
る方法として、本発明により、結晶のc軸が成膜面に対
して直角に配向した酸化物超電導薄膜により形成された
超電導配線の一部を、端面が該成膜面に対して傾斜する
ように除去する工程と、該工程により露出した端面上
に、結晶のa軸が該成膜面に対して直角に配向した酸化
物超電導薄膜を成膜する工程とを含むことを特徴とする
超電導配線の端子構造の形成方法が提供される。
【0013】
【作用】本発明に係る超電導配線の端子構造は、超電導
配線の一部を構成するc軸配向膜と、傾斜した界面を介
して形成されたa軸配向膜を装荷されていることをその
主要な特徴としている。
【0014】前述のように、回路中での機能を考えてc
軸配向膜を使用した超電導配線では、電流の伝播方向が
基板と直角になる端子部分においてコンタクト抵抗が増
大する。これに対して、本発明に係る端子構造では、コ
ンタクトパッドとなる領域において、c軸配向膜と傾斜
した界面を介して装荷されたa軸配向膜を備えている。
【0015】即ち、酸化物超電導体により形成されたa
軸配向膜内では、酸化物超電導薄膜の厚さ方向に超電導
電流が流れ易くなる。ここで、a軸配向膜とc軸配向膜
とは傾斜した界面を介して隣接しているので、両者の間
で超電導電流の伝播方向は効率良く変換される。
【0016】尚、上述のような端子構造は、超電導配線
を構成するc軸配向膜の一部を、端面が傾斜するように
エッチングした後、形成された端面上にa軸配向膜を堆
積させることにより作製できる。
【0017】傾斜した端面は、適切なマスクを使用した
等方性エッチング等により形成することができる。ま
た、a軸配向膜は、成膜時の基板温度を適切に制御する
ことにより成膜することができる。
【0018】以上のような特徴を備えた本発明に係る端
子構造においてその超電導配線を形成する材料として
は、Y1Ba2Cu37-x 、Bi2Sr2Ca2Cu3x 、Tl2Ba2Ca2Cu
3x 等を例示することができる。
【0019】以下、本発明をより具体的に説明するが、
以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず、本発明の技術
的範囲を何ら限定するものではない。
【0020】
【実施例】図1は本発明に係る端子構造の形成方法を工
程毎に示す図である。
【0021】まず、図1(a) に示すように、c軸配向し
た酸化物超電導薄膜により形成された超電導配線2を最
上層に装荷された基板1を用意する。尚、ここでいう基
板1とは、実際には、下層に他の回路、素子、配線等が
実装されたものである。
【0022】上述のような超電導配線2を備えた基板1
に対して、まず、図1(b) に示すように、コンタクトパ
ッドとなる領域に対応したホールパターンを有するマス
ク6を装荷する。次に、図1(c) に示すように、適切な
エッチ剤を用いた等方性エッチング処理により、超電導
配線2の一部を除去する。このとき、エッチング処理に
より露出する超電導配線2の側方端面は、エッチング速
度に応じた所定の傾斜を形成する。
【0023】次に、図1(d) に示すようにマスク6を除
去した後、必要に応じた表面処理、例えば、超高真空中
で 350〜400 ℃のアニール処理等を実施する。続いて、
図1(e) に示すように、少なくとも超電導配線2の端面
上を被覆するように、a軸配向した酸化物超電導薄膜3
を成膜する。
【0024】以上のようにして形成した端子構造におい
て、a軸配向した酸化物超電導薄膜3内では、超電導電
流は、成膜面に対して直角に流れ易くなっている。一
方、c軸配向膜である超電導配線内では、超電導電流は
成膜面と平行に流れる。更に、a軸配向膜とc軸配向膜
とは、傾斜した端面を介して接している。従って、この
界面では、c軸配向領域内で基板と平行に伝播してきた
超電導電流が基板と直角に伝播方向を変換される。
【0025】以上のような端子構造を配線パッドとして
用いるならば、酸化物超電導薄膜3の表面に接続された
リードワイヤ等の部材に対して、基板上の回路または配
線から円滑に超電導電流が伝播される。尚、図1におい
て示される超電導配線2は、実際には必要に応じて適宜
パターニングして使用される。
【0026】〔作製例〕図1に示した製造方法並びに構
造で超電導配線を作製した。
【0027】まず、15mm×8mm、厚さ 0.5mmのMgO
2 (100)基板の表面に、超電導配線1として、c軸
配向したY1Ba2Cu37-x 薄膜をスパッタリング法によ
り成膜した。成膜条件は、下記の表1に示す通りであ
る。
【0028】
【表1】
【0029】次に、上記a軸配向膜上に、フォトレジス
トにより形成されたマスク層6を堆積させた後、そのマ
スク層6に 500μmの間隔を空けて直径直径80μmの1
対のホールパターンを形成した。
【0030】続いて、上記ホールパターンを有するマス
クを装荷した状態で、HCl(1:1000)をエッチ剤とし
たウェットエッチング処理により、超電導配線1の一部
を除去した。このとき、超電導配線1の端面には、成膜
面に対して傾斜した端面が形成された。
【0031】次に、マスク層6を除去して、必要に応じ
た清浄化処理を実施した後、a軸配向したY1Ba2Cu3
7-x 薄膜を成膜した。成膜条件は下記の表2に示す通り
である。
【0032】
【表2】
【0033】以上のようにして、図1に示したような配
線構造を完成した。また、比較のために、同じ仕様の基
板上に厚さ 200nmのc軸配向Y1Ba2Cu37-x 薄膜を表
1に示した成膜条件で成膜して比較試料を作製した。
【0034】以上のようにして作製した2つの試料の表
面に、 500μmの間隔で1対のリードワイヤをそれぞれ
接続し、液体窒素による冷却下で両者の間に電流を流し
たところ、単純なc軸配向膜を装荷した比較試料では明
らかな抵抗成分が検出された。
【0035】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明に従う端子構造
を具備した超電導配線においては、超電導電流を成膜面
に平行に伝播させるためにc軸配向して形成された超電
導配線に対して、超電導電流を外部に導くために、超電
導配線と傾斜した界面を介して形成されたa軸配向膜を
備えている。
【0036】従って、酸化物超電導薄膜により形成され
た配線を含む超電導回路または素子と、外部の回路等と
を効率良く接続することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る端子構造の構成および形成方法を
工程毎に示す図である。
【図2】薄膜回路における一般的な端子構造を示す図で
ある。
【符号の説明】 1・・基板、 2・・a軸配向膜、 3・・酸化物超電導薄膜(Y1Ba2Cu37-x 薄膜)、 4・・薄膜配線、 4a・・コンタクトパッド、 5・・リードワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 39/24 ZAA H01L 39/22 ZAA H01L 39/00 ZAA H01L 39/02 ZAA

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導薄膜により形成された超電導
    配線において、 成膜面に対して端面が傾斜するように一部を除去され
    た、結晶のc軸が該成膜面に対して直角に配向した超電
    導配線と、該超電導配線の露出した端面上に形成され
    た、結晶のa軸が成膜面に対して直角に配向した酸化物
    超電導薄膜とを備え、該a軸配向領域の表面をコンタク
    トパッドとすることを特徴とする超電導配線の端子構
    造。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された端子構造を形成する
    方法であって、 結晶のc軸が成膜面に対して直角に配向した酸化物超電
    導薄膜により形成された超電導配線の一部を、端面が該
    成膜面に対して傾斜するように除去する工程と、該工程
    により露出した端面上に、結晶のa軸が該成膜面に対し
    て直角に配向した酸化物超電導薄膜を成膜する工程とを
    含むことを特徴とする超電導配線の端子構造の形成方
    法。
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