JP2772521B2 - 投光反射型光検出器の光学系 - Google Patents

投光反射型光検出器の光学系

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、読取対象としての対象物に向けて検出用
光を発すると共に、対象物で反射された光を受光して対
象物の反射率の違いを検出する投光反射型光検出器の光
学系の改良に関するものである。 従来の技術 この種の投光反射型光検出器としては、例えばいわゆ
るペン型のバーコードリーダーがある。 従来のペン型バーコードリーダー1の光学系は、第6
図に概略的に示したような構成とされている。図中の符
号1aはバーコードリーダーのケーシングであり、このケ
ーシング1a内に光源となる発光ダイオード(LED)2と
受光素子3とが設けられている。 LED2から発した光は集光素子4を介して読取対象とし
てのバーコードパターン(図示せず)を照明すると共
に、このバーコードパターンで反射されて再び集光素子
4を介してケーシング1a内に入射し、入射した反射光の
一部は光ファイバー5を介して受光素子3に導かれる。 バーコードパターンの読取に際しては、集光素子4と
バーコードパターンとを接触させた状態で走査を行う。
これにより、受光素子3からは走査によるバーコードパ
ターンの反射率の変化に対応してバーコードパターンの
持つ情報に応じた電気信号が出力される。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上述したような従来のバーコードリー
ダーは読取深度が極端に狭く、集光素子4とバーコード
パターンとが離間すると読取不能となってしまう。従っ
て、バーコードパターンのプリントされた面が滑らかで
ある場合はともかく、例えば可撓性のある袋等にプリン
トされている場合にはプリント面に生じた凹凸によって
走査中に集光素子4とバーコードパターンとが離間し、
読取が不能となる虞があった。 発明の目的 この発明は、上述した各問題点に鑑みてなされたもの
であり、読取対象から離れた場所からでも読取対象の情
報を検出することができる投光反射型光検出器の光学系
を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するためには、バーコードリーダー
の読取深度を深くする必要があり、そのためにはレーザ
ー集束光としての投光光束の広がり角を小さくすると共
にその光路中から光ファイバーのような障害物を除去す
ることにより、投光光束の集光性を劣化させないように
し、かつ、受光素子へ効率的に反射光を集光させるよう
構成する必要がある。 この点に鑑み、特許請求の範囲(1)の投光反射型光
検出器の光学系は、 読取対象に向けてレーザー集束光を発するレーザー発
光部と投光レンズとからなる投光部と、投光レンズの光
軸に対してその光軸が傾けられ、且つ、前記読取対象か
らの反射光を集光する集光レンズと集光された反射光の
光量を検出する受光素子とを有する受光部とを備え、前
記集光レンズは、前記投光部から発するレーザー集束光
の進行方向を変えずに透過させる透過部を有すると共
に、該透過部の周囲に前記反射光を偏向させて前記受光
素子に集束させる偏向レンズ部を有し、前記投光レンズ
の光軸とほぼ平行な直接上に前記読取対象の読取深度範
囲が存在し、前記投光部の光軸と前記集光レンズの光軸
とが前記読取深度範囲内で交差し、前記読取深度範囲の
各物点の前記集光レンズに対する共役な像点が、前記集
光レンズの光軸と直交する直線に対して傾いた傾斜直線
上に存在し、前記受光素子は、前記傾斜直線上の前記読
取深度範囲の各物点の集光レンズに対する共役な像点範
囲の中点に配置されたことを特徴とする。 作用 この発明に係る投光反射型光検出器の光学系は、上述
したような構成としたため、投光部から発するレーザー
集束光は対象物に達し、この対象物で反射される。反射
光は集光レンズを介して投光部(投光系)とは異なる方
向に位置する受光素子に向けて集光される。 実施例 以下、この発明の実施例を第1図〜第5図に基づいて
説明する。 《参考例》 第2図及び第3図は、この発明の参考例を示したもの
である。 まず、共通構成から説明する。これらの光学系におい
て、図示せぬ対象物へ向けて図中左側へレーザー集束光
を投光する投光部は、レーザーダイオード(以下、LDと
いう)10と投光レンズ11とから構成され、対象物の持つ
情報の空間的なピッチに対して読取可能なビーム径を、
ビームウェストP前後のQ〜Rの区間で維持するよう設
定されている。 また、対象物によって反射された光束は、集光レンズ
12を介して受光素子13へ向けて集光されるが、この際対
象物側にある点P,Q,Rはそれぞれ集光レンズ12を介して
Q′,P′,R′に結像する。 ところで、読取側では点Q,Rの中点はビームウエスト
Pであるが、像点側ではQ′〜P′の距離がP′〜R′
の距離より小さくなる。そこで、受光素子13は、読取深
度の両端Q,Rにある対象物の情報を同時に読み取るため
に、この読取深度に対応する像点範囲Q′〜R′の中点
であるS′に配置されている。 また、集光レンズ12はその光軸l1が投光部の光軸l2
読取深度内Q〜Rの点S(像点S′と共役な点)で交差
するよう配置されている。なお、集光レンズ12の中心を
通り、その光軸l1と直交する直線をl3とし、この直線l3
が投光部の光軸l2と交わる点をUとすると、読取対象に
おける投光部の光軸l2上に位置する物点は集光レンズ12
を介して点Uと像点S′とを結ぶ傾斜直線l4上に結像す
る。 上記のような配置とすることにより読取深度を深くす
ることができ、受光素子13が位置する像点S′において
最も集光効率を高めることができる。但し、光軸l1、l2
の交点は上述したように点Sに限定されず、少なくとも
読取深度内Q〜Rにあれば集光効率の向上に貢献する。 第2図のような構成とすれば、従来の構成のように投
光光束の光路中に障害物が存在しないため、投光光束の
集束性がよい。また、比較的対象物に近い位置で反射光
を集光することができるので、集光できる光量は比較的
大きい。 但し、集光レンズ12が対象物に近接していると、集光
レンズ12から光軸l2上の点Q〜Rの区間を見込む角度が
大きくなるため、像点Q′,R′のバラツキも大きくな
り、受光素子13がカバーすべき検出範囲も大きくなる。
しかし、例えばペン型バーコードリーダーに一般的に使
用されている受光素子はフォトトランジスタ、フォトダ
イオード等の素子であり、これらの素子では上記のよう
な大きな受光範囲を完全にカバーすることは不可能であ
る。 ところで、対象物の空間的なピッチを読み取るための
原理的な読取深度は投光部の構成によって決定される
が、この読取深度内にある対象物の情報の実際上の読取
能力は、受光素子13から出力される情報信号とノイズと
の比によって決定される。 そのため、投光部の出力、受光素子の感度等を適宜設
定することにより、上記のように受光範囲を完全にカバ
ーできなくとも対象物の情報を読み取ることができる。 次に、第3図の構成では集光レンズ12を対象物から比
較的離間させることにより、集光レンズ12から光軸l2
の点Q〜Rの区間を見込む角度を小さくしている。この
ような構成とすれば、集光レンズ12による倍率を小さく
することができるために像点Q′,R′のバラツキ範囲を
小さくすることができ、第2図に示したものと同様な受
光素子13で検出範囲を完全にカバーすることができる。 但し、反射光のエネルギーは距離の二乗に反比例して
減少するため、このように対象物と集光レンズ12との距
離が大きい場合には、同径の集光レンズ12を使用する限
り第2図の例より集光される光量が減少する。なお、こ
の場合にも投光部の発光光量を大きくするか、あるいは
集光レンズ12を大径化することによって読取能力を確保
することができる。 《実施例》 第1図、第4図、第5図はこの発明の実施例を示した
ものである。 まず、第4図に従ってこの実施例に係る光学系の原理
を説明する。同図において、投光系は参考例と同様LD10
と投光レンズ11とから構成されており、対象物の持つ情
報の空間的なピッチに対して読取可能なビーム径を、ビ
ームウェストP前後のQ〜Rの区間で維持するよう設定
されている。 また、投光系の光路中には反射光を受光素子13へ導く
集光レンズ20が配設されている。この集光レンズ20は、
第5図に破線で示した外径の球面レンズLを一部くり抜
いたような形状を呈しており、仮想レンズLの光軸l1
投光系の光軸l2とが点S(点Sの定義は参考例を参照)
で交わるよう所定角度傾斜して配置されている。 また、集光レンズ20の中央部には投光部から発する光
束をその進行方向を変えずに透過させる透過部21が設け
られており、この透過部21の周囲は反射光を偏向、集光
させる偏向レンズ部22とされている。 第4図では仮想レンズLの中心をT、この中心Tを通
り仮想レンズLの光軸l1と垂直な直線をl3としており、
直線l3と投光系の光軸l2との交点をUとしている。 なお、透過部21はこの例では単なる孔であるが、投光
系の光軸l2と垂直な平面を集光レンズ20の両面に形成し
てもよいし、あるいは周囲と異なるパワーを有する面を
形成して投光光束を集束させる機能を持たせてもよい。
また、集光レンズ20の母体となっている仮想レンズ上L
も、この例で示したような球面レンズばかりでなく非球
面レンズとしてもよいし、あるいはこれらをフレネルレ
ンズ化したものであってもよい。 上記の受光素子13は、集光レンズ20を介して点Sと共
役な像点S′に受光面が傾斜直線l4に対して垂直となる
状態で設けられている。 さて、次に上記のような構成とされた光学系の作用を
説明する。 LD10から発したレーザービームは投光レンズ11を介し
て集束光となり、集光レンズ20の透孔部21を抜けて点P
でビーム径が最小となるよう集束する。投光孔束は点Q
〜Rの間に置かれた対象物で反射され、反射光は集光レ
ンズ20に達するまでは投光光束と同一の光路をとり、集
光レンズ20の偏向レンズ部22によって投光系の光軸l2
所定の角度をもって投光光束の光路から外れ、受光素子
13へ向けて集光される。 このとき、点Pに対象物があれば、反射光は点Pと共
役な受光素子13上の像点P′に集束する。 なお、ここで点Tと像点P′とを通る直線をl4とする
と、投光系の光軸l2上の点の集光レンズ20を介した共役
点は傾斜直線l4上に位置することとなる。従って、対象
物が点Qにある場合には、反射光は像点Q′へ向けて集
束し、対象物が点Rにあるときには反射光は像点R′へ
向けて集束する。 このように、投光部の光軸l2の両側から反射光を集束
させることができるため、異なる像点に集束するそれぞ
れの反射光束の中心線を傾斜直線l4と一致させることが
でき、また、傾斜直線l4が集光レンズ20の中心を通って
いるため、像点のバラツキによる受光素子13上での光束
のバラツキがなく、集光レンズ20を対象物に接近させて
も小さな受光素子で反射光の領域をカバーすることがで
き、前述した参考例よりも高効率で反射光を受光素子へ
導くことができる。 また、集光レンズ20を投光光束の光路内に進入させて
設けることができるため、これを別個に配置する前記の
光学系と比べ、この部分の構成をコンパントにすること
ができる。 続いて、第1図に基づいて本発明をペン型バーコード
リーダーに適用した例を説明する。なお、第4図と同一
部材には同一符号を付して説明を省略する。 このバーコードリーダーのケーシング30内には、LD10
と投光レンズ11とから成る投光部と、第4図及び第5図
に示したものと同様な孔あき型の集光レンズ20と、受光
素子13とが設けられている。そして、LD10から発するレ
ーザービームは投光レンズ11によってビームウェスト位
置Pへ向けて集束され、所定の規格のバーコードパター
ンに対して読取可能なビーム径を、ビームウェストP前
後のQ〜Rの区間で維持するよう設定されている。 また、ケーシング30の先端部には、投光光束、反射光
束を通過させる開口31が点Rに一致して設けられてい
る。この開口31は図示したような透孔であってもよい
し、あるいは防塵用のカバーガラスによって開成したも
のであってもよい。 作用については前述した第4図の光学系と同様であ
り、ある所定の規格のバーコードパターンについては点
Q〜R間に位置する限り、ケーシング30の開口から離間
した場合にも情報の読取が可能となる。 ここで付言すれば、上記規格よりも大きな規格のバー
コードパターンの読取を行う際には読取深度は点Q〜R
より広くなり、細かい規格のバーコードパターンの読取
を行う際には読取深度は点Q〜Rより狭くなる。そし
て、読取深度が狭くなる場合には、バーコードパターン
を開口31に密着させた状態での読取が不能となるという
事態も起こり得るため、読取ろうとする最小の規格のバ
ーコードに対する読取深度の近接側限界を開口31に一致
させるように、例えば第1図における点Rをケーシング
30内に位置させるように設計してもよい。 なお、この実施例では本発明の投光反射型光検出器の
光学系をペン型のバーコードリーダーに適用した例につ
いてのみ述べたが、非接触で対象物の光学的な情報を検
出できることから、物体の表面検査、製品に付着したゴ
ミの検査等にも当然使用することができる。 効果 以上、説明してきたようにこの発明によれば、対象物
から離間した位置で対象物の情報を検出することができ
る。また、投光レンズの光軸に対して斜めの光軸を有す
る集光レンズ(いいかえると読取対象に対して斜めに光
軸が傾けられた集光レンズ)により反射光を受光するよ
うに受光部を配置することにより、投光部と受光部との
干渉を避けて集光レーザー光を読取対象に照射し、その
反射光量を増大させる構成とした場合に、読取深度範囲
の各物点から反射された反射光が集光する各像点を結ぶ
傾斜直線上に受光素子を配置したので、反射光の受光効
率の向上を図ることができ、さらに、読取深度範囲、集
光レンズ及び受光素子の位置関係に基づくあおり効果に
よって読取深度を深くすることができる。 また、上述の効果に加え、受光素子を、傾斜直線上の
読取深度範囲の各物点の集光レンズに対する共役な像点
範囲の中点に配置することにより、読取深度の両端にあ
る対象物の情報を同等に読み取ることができ、反射光の
受光効率の向上を図ることができるという効果を奏する
のである。 なお、透過部と偏向レンズ部とを有する集光レンズを
投光光束の光路中に設けた場合には、集光レンズの配置
に特別なスペースを要さず、しかも、集光レンズを対象
物に近接させた場合にも小型の受光素子で反射光の領域
をカバーすることができるため、集光レンズや受光素子
の大型化を招くこともない。従って、反射光のエネルギ
ーを効率的に利用することができると共に、光学系をコ
ンパクトにまとめることができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明の実施例に係る投光反射型光検出器の
光学系を示すバーコードリーダーの光学系の概略図、第
2図及び第3図はこの発明の参考例に係る投光反射型光
検出器の光学系を示す説明図、第4図はこの発明の実施
例に係る投光反射型光検出器の光学系を示す説明図、第
5図は第4図に示した光学系の受光レンズをIII−III線
方向から見た平面図、第6図は従来のペン型バーコード
リーダーの光学系の概略を示す説明図である。 10……レーザーダイオード(投光部) 11……投光レンズ(投光部) 12、20……集光レンズ 13……受光素子 21……透過部 22……偏向レンズ部 l1……集光レンズの光軸 l2……投光部の光軸

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.読取対象に向けてレーザー集束光を発するレーザー
    発光部と投光レンズとからなる投光部と、 投光レンズの光軸に対してその光軸が傾けられ、且つ、
    前記読取対象からの反射光を集光する集光レンズと集光
    された反射光の光量を検出する受光素子とを有する受光
    部とを備え、 前記集光レンズは、前記投光部から発するレーザー集束
    光の進行方向を変えずに透過させる透過部を有すると共
    に、該透過部の周囲に前記反射光を偏向させて前記受光
    素子に集束させる偏向レンズ部を有し、 前記投光レンズの光軸とほぼ平行な直線上に前記読取対
    象の読取深度範囲が存在し、 前記投光部の光軸と前記集光レンズの光軸とが前記読取
    深度範囲内で交差し、 前記読取深度範囲の各物点の前記集光レンズに対する共
    役な像点が、前記集光レンズの光軸と直交する直線に対
    して傾いた傾斜直線上に存在し、 前記受光素子は、前記傾斜直線上の前記読取深度範囲の
    各物点の集光レンズに対する共役な像点範囲の中点に配
    置されたことを特徴とする投光反射型光検出器の光学
    系。 2.前記透過部は、前記集光レンズの中央部に設けられ
    ていることを特徴とする特許請求の範囲(1)に記載の
    投光反射型光検出器の光学系。
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