JP2770968B2 - 高エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複合粉末 - Google Patents

高エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複合粉末

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JP2770968B2 JP63313122A JP31312288A JP2770968B2 JP 2770968 B2 JP2770968 B2 JP 2770968B2 JP 63313122 A JP63313122 A JP 63313122A JP 31312288 A JP31312288 A JP 31312288A JP 2770968 B2 JP2770968 B2 JP 2770968B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複
合粉末に関し、さらに詳しくは高エネルギー溶射法の溶
射材料として好適なクロム炭化物−メタル複合溶射材料
に関する。
〔従来の技術〕
従来、材料の耐食性や耐摩耗性の向上を目的として、
材料の表面にこれらの諸性能に優れた材料を溶射する方
法が知られている。特に石炭焚ボイラの伝熱管、バーナ
インペラ、ガスタービン部品などにおいては、高温で使
用されるため、前記耐食性や耐摩耗性の他、耐熱性およ
び高温における耐食性が必要であり、耐熱性、耐食性お
よび耐摩耗性に優れたクロム炭化物とメタルの複合粉末
による溶射が行われている。
前記溶射材料であるクロム炭化物としては、Cr3C2、C
r7C3、Cr23C6の3種類があるが、最も高い硬度を有する
Cr3C2が一般的に使用され、またメタルとしては、耐熱
性に優れたNi(80重量%)とCr(20重量%)の合金が一
般的に使用されている。また前記粉末の混合率は、一般
にクロム炭化物が80〜75重量%である。混合粉末の形態
としては、炭化物とメタルを機械的に混合したもの、炭
化物とメタルを焼結した複合粉末およびバインダーで結
合させた複合粉末が実用化されている。これらのうち皮
膜中のクロム炭化物の分布の均一さを向上させるために
は複合粉末のほうが好適である。
溶射材料の溶射方法としては、(1)プラズマ溶射
法、(2)高エネルギー溶射法(酸素−アセチレンの爆
発エネルギーを利用した爆発溶射、超音速強化ガス溶射
法等)が利用されている。
溶射皮膜が耐熱性、耐食性および耐摩耗性を長時間に
わたって安定に発揮するためには、溶射皮膜中の気孔が
少なく、粒子間の結合力が強く、さらに母材と溶射被膜
の密着力が高いことが必要である。母材と溶射皮膜の密
着性は、溶射時の粒子速度が速いほど向上するため、前
記溶射方法のうち高粒子速度が得られる爆発溶射法が有
効な方法である。
また溶射によって強固な皮膜、すなわち気孔が少な
く、粒子間の結合力が強い被膜を得るためには、溶射材
料を溶融または半溶融状態で被溶射材の表面に付着さ
せ、粒子同士を強固に結合させる必要がある。しかしな
がら、爆発溶射の場合のガス温度は、酸素−アセチレン
ガスの混合比を変化させて調節されるが、最高でも約30
00℃程度であり、また粒子速度はマッハ2〜3と高速で
ある。従って、粒子が高温に保持される時間が短く、ま
た一般的に市販されている溶射材料の粒度分布の幅が広
いため、すべての粒子を溶融するのは困難であり、一部
の粒子、特に高融点で低熱伝導のクロム炭化物は未溶融
のままで被溶射物表面に付着する。その結果、溶射皮膜
中の粒子間の結合力が弱くなり、皮膜中に多数の気孔が
発生し、強固な皮膜が得られないという問題がある。
一方、特開昭60−77968号公報には、炭化クロム80〜9
5重量%とニクロム20〜5重量%の混合粉末を270メッシ
ュ(53μm)以下としてプラズマ溶射すると優れた耐摩
耗性を有する被膜が得られることが示され、また、特開
昭59−64766号公報には、溶射材料として、セラミック
ス粒子と金属とが機械的に噛合って一体結合(混合・粉
砕結合)した粒子またはそれをバインダーで造粒した粒
子(5〜120μm)を用いると緻密な被膜が得られるこ
とが示されている。しかしながら、高エネルギー溶射に
よる場合は特に溶射温度がプラズマ溶射に比べて低いた
め、粉末特にクロム炭化物の未溶融分が多くなり、密着
性および粒子間結合力が不充分で耐摩耗性に劣り、被膜
の気孔率が高く、均一な被膜が得られないという欠点が
ある。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、前記従来技術の問題を解決し、高エ
ネルギー溶射法における溶射材料のすべての粒子が周囲
に溶融部を有する状態で被溶射面に付着することがで
き、気孔率が小さく均一な被膜を得ることができる高エ
ネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複合粉末を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、上記従来技術の問題を鋭意検討した結
果、クロム炭化物−メタル複合粒子を構成するクロム炭
化物粒子およびメタル粒子の粒径分布を一定の範囲に制
限し、さらにクロム炭化物−メタル複合粒子の粒径分布
も一定の範囲に制限し、単独で存在するクロム炭化物を
減少させることによって気孔率の小さい均一な被膜が得
られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の高エネルギー溶射用クロム炭化物
−メタル複合粉末は、クロム炭化物粒子およびメタル粒
子の混合物からなる炭化物−メタル複合粉末において、
前記クロム炭化物粒子の粒径が10μm以下、前記メタル
粒子の粒径が20μm以下であり、かつこれらの混合物を
焼結粉砕して結合粒子径を5〜40μmとしたことを特徴
とする。
本発明に用いられるクロム炭化物粒子としては、Cr3C
2、Cr7C3およびCr23C6の少なくとも1種が用いられる
が、特にCr3C2が好ましい。
本発明に用いられるメタルとしては、Ni80重量%とCr
20重量%の合金が好ましいが、その他にNi50重量%とCr
50重量%の合金やFe−Cr合金なども用いることができ
る。またより耐高温腐食性を向上させるために上記合金
にAl、Si、Y等を単独または併用して添加することもで
きる。
前記クロム炭化物粒子径は10μm以下、またメタル粒
子径は20μm以下とする必要がある。この範囲以外で
は、高エネルギー溶射による場合、皮膜中に未溶融粒子
が多くなり、被膜の気孔率が高く、粒子間の結合力が弱
くなる。
前記クロム炭化物粒子およびメタル粒子の混合率は、
好ましくはクロム炭化物が80〜75重量%である。また該
混合物の結合は焼結によって行われる。例えば混合物を
1000℃で焼結した後、再粉砕して粒子状とされる。この
ような焼結粉砕法によれば粒子同士の結合力を高めるこ
とができる。
混合物の結合粒子の粒径は、溶射材料すべての粒子を
溶融または半溶融状態とする観点から、5〜40μm、好
ましくは最小粒子径を5〜10μm、最大粒子径を20〜40
μmとする必要がある。
〔作用〕
クロム炭化物粒子とメタル粒子の複合材料の溶融性を
改善するためには粒子を微細にする必要があるが、この
際、両者の融点および熱伝導性に差があるため、高融点
で低熱伝導性のクロム炭化物粒径を小さくし、低融点で
高熱伝導性のメタル粒径をクロム炭化物より大きくする
ことによって、これらを均一に溶融させることができ
る。またクロム炭化物は単独で存在するよりも、メタル
と結合していたほうが溶融特性は向上する。
本発明になる溶射粉末は、メタルとクロム炭化物が適
切な粒径で結合しているため、通常の溶射条件でクロム
炭化物およびメタルは溶射中に溶融または半溶融の状態
で被溶射物の表面に付着することができ、皮膜中の粒子
間の結合が強固になる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により詳しく説明する。
実施例1〜5 Cr3C2粉末および80重量%Niと20重量%Crとの混合粉
末をそれぞれミルで粉砕し、これらの粉末を第1表に示
す1次粒子径に分級した後、両方の粉末を重量比で75:2
5になるように混合し、1000℃で焼結させ、これを再粉
砕し、第1表に示す造粒粒子径に分級した。この溶射材
料粉末を下記条件で爆発溶射法により鋼板表面に溶射
し、厚さ0.3mmの溶射皮膜を形成した。
酸素流量 :351/min アセチレン流量:301min 溶射粉末供給量:10mg/sec 形成された溶射皮膜について、断面のビッカース硬度
Hv300(荷重300g)の測定および断面の気孔率の測定を
行なった。その結果を第1表に示した。
比較例1および2 市販のCr3C2−Ni(80重量%)・Cr(20重量%)複合
粉末(粒径:10〜44μm)、および市販のCr3C2粉末(粒
径:10μm未満)とNi(80重量%)・Cr(20重量%)粉
末(粒径:20μm未満)を機械的に混合した粉末をそれ
ぞれ実施例1と同様にして溶射皮膜を形成し、同様の測
定を行なった。その結果を第1表に示す。
これらの結果から、本発明による溶射材料粉末を使用
した溶射皮膜は、従来の溶射材料粉末を使用し場合に比
べて硬度が高く、気孔率が低く緻密で強固であることが
示された。
第1図および第2図は、それぞれ本発明の溶射被膜お
よび比較例1による溶射被膜断面の顕微鏡写真図であ
る。この図から本発明の皮膜は、市販の粉末を使用した
皮膜に比べて未溶融粒子および気孔が非常に少なく、か
つ均一な組成で積層化が良好であることが示される。
なお、本発明の粉末は、高エネルギー溶射に限定され
ず、プラズマ溶射の溶射材料とすることもできる。
〔発明の効果〕
本発明の高エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複
合粉末によれば、すべての粒子が溶融または半溶融状態
で被溶射面に到達するため、断面硬度の高い、気孔率の
小さい均一な組成の溶射皮膜の形成が可能であり、被溶
射面の耐熱、耐食、耐摩耗性を向上させ、製品の耐用年
数を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の粉末を使用して形成した溶射皮膜の
断面を示す拡大図、第2図は、市販の粉末を使用して形
成した溶射皮膜の断面を示す拡大図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−33364(JP,A) 特開 昭60−89557(JP,A) 特開 平1−212746(JP,A) 特開 昭61−201701(JP,A) 特開 昭59−64766(JP,A) 特開 昭48−13230(JP,A) 特開 昭50−2637(JP,A) 特開 昭56−20161(JP,A) 特公 昭36−9955(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 4/00 - 6/00 C23C 26/00 B22F 1/00 - 1/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム炭化物粒子およびメタル粒子の混合
    物からなる炭化物−メタル複合粉末において、前記クロ
    ム炭化物粒子の粒径が10μm以下、前記メタル粒子の粒
    径が20μm以下であり、かつこれらの混合物を焼結粉砕
    して結合粒子径を5〜40μmとしたことを特徴とする高
    エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複合粉末。
JP63313122A 1988-12-12 1988-12-12 高エネルギー溶射用クロム炭化物−メタル複合粉末 Expired - Lifetime JP2770968B2 (ja)

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