JP2770851B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

半導体集積回路

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JP2770851B2
JP2770851B2 JP7327176A JP32717695A JP2770851B2 JP 2770851 B2 JP2770851 B2 JP 2770851B2 JP 7327176 A JP7327176 A JP 7327176A JP 32717695 A JP32717695 A JP 32717695A JP 2770851 B2 JP2770851 B2 JP 2770851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁放射の低減を図
った半導体集積回路に関し、特にトランジスタ素子のオ
ン、オフ動作により発生される電磁放射を低減した半導
体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】近年における半導体集積回路の動作に伴
い、半導体集積回路の内部のトランジタが高速にオン、
オフ動作された時に、その立ち上がり時や立ち下がり時
に、その高周波成分が電磁放射の発生源となり、この電
磁放射が周囲の回路や機器に電磁障害を与え、これらの
性能の劣化や誤動作をひきおこす原因となっている。
【0003】例えば図9はシリアルデータ信号を一旦シ
リアル−パラレル変換して信号処理を行う回路の一例で
あり、S/P変換回路11はデータ入力端子INから周
波数fで入力されたシリアルなデータ信号をクロック入
力端子Cから入力されるクロックをn分周するクロック
n分周回路14の出力によりn列にパラレル変換し、f
/nの周波数のn列のデータ1〜nを出力する。デジタ
ル信号処理回路12はn列のデータに対してそれぞれ所
定の処理を実行する。またP/S変換回路13はデジタ
ル信号処理回路12で処理されたn列のデータをシリア
ル変換し、データ出力端子outから周波数fのデータ
として出力する。
【0004】このような回路では、信号処理の高速化を
図るために、各回路を構成する半導体素子、例えばMO
Sトランジスタはゲートが最高動作周波数で駆動される
ように全てのMOSトランジスタが設計されている。こ
のため、各回路のMOSトランジスタの立ち上がり時間
と立ち下がり時間は極めて短いものとなり、この際に前
記した高周波が発生し、これが電磁放射の原因となって
いる。このような電磁放射を低減するために、従来で
は、例えば特開昭64−15820号公報や特開平3−
129416号公報に記載されたものがある。前者のも
のは、回路内部で必要とされるクロック周波数よりも低
い周波数のクロックを回路に入力させるようにし、回路
内部でその周波数を発生させることで、入力部における
周波数クロックによる電磁放射を低減するものである。
また、後者のものは、入力部には正弦波を入力させ、回
路内部でこの正弦波を矩形波に変換することで、入力部
において矩形部が入力されないようにし、入力部におけ
る電磁放射を低減するものである。
【0005】以上電磁放射(EMI)について述べたが
逆の電磁感受性(EMS)・イミュニティについてもト
ランジスタが高速にオン、オフ動作する半導体集積回路
は弱い。すなわち高速にオン、オフ動作するということ
はMOSトランジスタはわずかなノイズでも反応し、誤
動作を引きおこしやすいということである。例えば図5
は、シリアルデータ信号を一旦シリアル−パラレル変換
して信号処理を行う回路の一例であり、S/P変換回路
11はデータ入力端子INから周波数fで入力されたシ
リアルなデータ信号を、クロック入力端子Cから入力さ
れるクロックをn分周するクロックn分周回路14の出
力によりn列にパラレル変換し、f/nの周波数のn列
のデータ1〜nを出力する。デジタル信号処理回路12
はn列のデータに対してそれぞれ所定の処理を実行す
る。また、P/S変換回路13はデジタル信号処理回路
12で処理されたn列のデータをシリアル変換し、デー
タ出力端子OUTから再び周波数fのデータとして出力
する。さらにP/S変換回路13は出力制御信号入力端
子Sがあり、制御信号を受けると、出力端子OUTから
のデータを出力しなくなる。
【0006】このような回路では、信号処理の高速化を
図るために、各回路を構成する半導体素子、例えばMO
Sトランジスタはゲートが最高動作周波数で駆動される
ように全てのMOSトランジスタが設計されている。こ
のため各回路のMOSトランジスタの立ち上がり時間と
立ち下がり時間は極めて短いものとなり、素子の遮断周
波数が高く、ノイズに反応しやすくなる。特に制御入力
端子Sのように外部端子となっている所はノイズをうけ
やすく誤動作の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た公報に記載されている技術は、電磁放射の顕著な入力
部における電磁放射を防止することは可能であるが、回
路内部の素子における動作は依然として高速な動作が行
なわれているため、回路内部から発生する電磁放射を低
減することは困難である。また、これらの公報では、集
積回路に周波数変換回路や波形整形回路が必要とされる
ため、集積回路の回路構成が大きくなり、小型でかつ高
密度な半導体集積回路を実現する上では好ましくない。
第2の問題点は、外部からのノイズに弱く誤動作しやす
いということである。この理由は、トランジスタの遮断
周波数が高いため周波数の高いノイズにも反応するため
である。
【0008】本発明の目的は、回路部における電磁放射
を有効に低減することを可能にしかつノイズに強い半導
体集積回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体集積回路
は、高速動作が必要とされる高速動作回路部と、これよ
りも遅い速度での動作が許される低速動作回路部とを備
える構成において、低速動作回路部を立ち上がり時間及
び立ち下がり時間の遅い素子で構成したことを特徴とす
る。
【0010】例えば、低速動作回路部を構成する素子
を、高速動作回路部のMOSトランジスタよりもチャネ
ル長の長いMOSトランジスタで構成する。又、低速動
作回路部を構成する素子に供給するバイアス電圧を高速
動作回路部の素子に供給するバイアス電圧よりも低電圧
とする。又、低速動作回路部を構成する素子を、高速動
作回路部のMOSトランジスタの出力部のキャパシタン
ス(寄生容量)を大きくしたMOSトランジスタで構成
する。
【0011】
【作用】一般にMOSトランジスタやバイポーラトラン
ジスタ等の素子では、素子からの電磁放射量は信号の立
上がり時間や立ち下がり時間に逆比例し、速ければ速い
ほど増加する。従って、周波数の高い回路部は立ち上が
り時間や立ち下がり時間の速いゲートで実現しなければ
ならないが、周波数が低い回路部は、そのトランジスタ
のチャネル長を長くし、或いはバイアス電圧を低くした
り、出力のキャパシタンス(寄生容量)を大きくしたり
することで立ち上がり時間や立ち下がり時間が遅くされ
た素子で構成することで、少なくともこの回路部におけ
る電磁放射が低減される。さらに素子の遮断周波数が低
いためノイズに反応しずらく誤動作しないイミュニティ
的にも強い半導体集積回路となる。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0013】まず、本発明の第1実施例は前記した従来
例と同様、データ信号を一旦シリアル−パラレル変換し
て信号処理を行う回路に適用される。即ち、図9に示す
ように、S/P変換回路11はデータ信号入力端子IN
から周波数fで入力されたシリアルなデータ信号をn列
にパラレル変換し、f/nの周波数のn列のデータ1〜
nを出力する。また、クロックn分周回路14はクロッ
ク入力端子Cから入力されたクロック信号をn分周し、
前記S/P変換回路11に入力し、前記したパラレル変
換を可能とする。デジタル信号処理回路12はn列のデ
ータに対してそれぞれ所定の処理を実行する。また、P
/S変換回路13はデジタル信号処理回路12で処理さ
れたn列のデータをシリアル変換し、再び周波数fのデ
ータとしてデータ出力端子OUTから出力する。
【0014】図1は上述した図9の回路を半導体基板1
00上に集積回路として構成した際のブロック構成図で
ある。S/P変換回路11、P/S変換回路13、クロ
ックn分周回路(1/n)14を構成する短チャネル素
子領域101の素子は、周波数fに対応して、短い立ち
上がり時間と立ち下がり時間で高速動作が可能とされる
ように、チャネル長の短いMOSトランジスタで構成さ
れる。これに対し、デジタル信号処理回路13を構成す
る長チャネル素子領域102の素子は、周波数f/nの
比較的に低速で動作が行なわれるため、立ち上がり時間
と立ち下がり時間が長くなるチャネル長の長いMOSト
ランジスタで構成される。また、各回路にバイアスを供
給するためのバイアス回路15が設けられている。
【0015】従って、この集積回路を駆動した時には、
S/P変換回路11、P/S変換回路13、クロックn
分周回路14においては、周波数fの信号やクロックが
入力された時には、これらを構成するMOSトランジス
タのチャネル長が短いため、図2(a)のように、立ち
上がり時間と立ち下がり時間は1nS程度の速い状態で
の動作が行われる。一方、デジタル信号処理回路12で
は、そのMOSトランジスタのチャネル長が長いため、
例えば同じ周波数fの信号が入力された場合には、図2
(b)のように、立ち上がり時間と立ち下がり時間は3
nS程度の遅い状態での動作が行われる。この場合、デ
ジタル信号処理回路12では、周波数がf/nでの動作
となるために、立ち上がり時間と立ち下がり時間が遅く
なった場合でもその動作に悪影響を受けることはない。
【0016】これにより、この集積回路では、回路の大
部分を占めるデジタル信号処理回路12をチャネル長の
長いMOSトランジスタで構成することで、その動作に
影響を受けることなく、MOSトランジスタにおける立
ち上がり時間と立ち下がり時間を遅いものにすることが
できる。そして、前記したように、MOSトランジスタ
の動作に伴う電磁放射の量は、立ち上がり時間と立ち下
がり時間の速度に反比例するため、このデジタル信号処
理回路12において発生される電磁放射を低減すること
が可能となる。この例では、立ち上がり時間と立ち下が
り時間が1nSから3nSに遅くされているため、その
分電磁放射量が低減される。
【0017】したがって、他のS/P変換回路11、P
/S変換回路13、クロックn分周回路14において
は、従来と同様な電磁放射が発生されるとしても、これ
らの回路が集積回路に占める割合は小さいため、集積回
路全体としての電磁放射を格段に低減することが可能と
なる。
【0018】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。
【0019】図3は本発明の第2実施例を示しており、
図9の回路に本発明を適用した場合の前記第1実施例の
図1に相当するブロック構成図である。ここでは、S/
P変換回路11、デジタル信号処理回路12、P/S変
換回路13、クロックn分周回路(1/n)14は、そ
れぞれ同じ構成の素子、例えば、チャネル長の等しいM
OSトランジスタで構成されているが、高電圧バイアス
回路15Aと低電圧バイアス回路15Bが設けられてお
り、S/P変換回路11、P/S変換回路13、クロッ
クn分周回路14は、周波数fに対応して、短い立ち上
がり時間と立ち下がり時間で高速動作が可能とされるよ
うに、高電圧バイアス回路15AによりMOSトランジ
スタのゲート及びドレインの各バイアスとして高電圧を
印加する。これに対し、デジタル信号処理回路12は、
周波数f/nの比較的に低速で動作が行なわれるため、
立ち上がり時間と立ち下がり時間が長くなるように、低
電圧バイアス回路15BによりMOSトランジスタのゲ
ート及びドレインの各バイアスとして低電圧を印加す
る。
【0020】従って、この集積回路を駆動した時には、
S/P変換回路11、P/S変換回路13、クロックn
分周回路14においては、周波数fの信号やクロックが
入力された時には、これらを構成するMOSトランジス
タには高電圧のバイアスが供給されているため、図2
(a)のように、立ち上がり時間と立ち下がり時間は1
nS程度の速い状態での動作が行われる。一方、デジタ
ル信号処理回路12では、そのMOSトランジスタには
低電圧のバイアスが供給されているため、例えば同じ周
波数fの信号が入力された場合には、図2(b)のよう
に、立ち上がり時間と立ち下がり時間は3nS程度の遅
い状態での動作が行われる。
【0021】これにより、この第2実施例でも、回路の
大部分を占めるデジタル信号処理回路12においては、
その動作に影響を受けることなく、MOSトランジスタ
における立ち上がり時間と立ち下がり時間を遅いものに
することができる。従って、回路の大部分を占めるデジ
タル信号処理回路12において発生される電磁放射を低
減することが可能となる。したがって、他のS/P変換
回路11、P/S変換回路13、クロックn分周回路1
4においては、従来と同様な電磁放射が発生されるとし
ても、これらの回路が集積回路に占める割合は小さいた
め、集積回路全体としての電磁放射を格段に低減するこ
とが可能となる。
【0022】ここで、前記第1及び第2実施例では、本
発明をシリアル−パラレル変換方式のデジタル信号処理
を行う集積回路に適用した例を示しているが、動作速度
の速い回路と動作速度の遅い回路とが混在する集積回路
であれば、前記各実施例と同様に本発明を適用すること
ができる。
【0023】また、前記各実施例は動作を行う素子とし
てMOSトランジスタを用いているが、特に、バイアス
を相違させて回路に供給する第2実施例の構成は、バイ
ポーラトランジスタを素子とする回路にも同様に適用す
ることができる。
【0024】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。
【0025】図4は本発明の第3実施例を示しており、
図9の回路に本発明を適用した場合の前記第1実施例の
図1に相当するブロック構成図である。
【0026】前記S/P変換回路11、P/S変換回路
13、クロックn分周回路(1/n)14を構成する、
キャパシタンス(寄生容量)の小さい領域101´の素
子は、周波数fに対応して、短い立ち上がり時間と立ち
下がり時間で高速動作が可能とされるように、出力キャ
パシタンス(寄生容量)の少ない遮断周波数の高いMO
Sトランジスタで構成される。これに対し、デジタル信
号処理回路12を構成するキャパシタンス(寄生容量)
の大きい領域102´の素子は、周波数f/nの比較的
に低速で動作が行なわれるため、立ち上がり時間と立ち
下がり時間が長くなる出力キャパシタンス(寄生容量)
の多い遮断周波数の低いMOSトランジスタで構成され
る。また、各回路にバイアスを供給するためのバイアス
回路15が設けられる。
【0027】従って、この集積回路を駆動した時には、
S/P変換回路11、P/S変換回路13、クロックn
分周回路14においては、周波数fの信号やクロックが
入力された時には、これらを構成するMOSトランジス
タの出力のキャパシタンス(寄生容量)は少ないため、
図5(a)のように、立ち上がり時間と立ち下がり時間
は1nS程度の速い状態での動作が行われる。一方、デ
ジタル信号処理回路12では、そのMOSトランジスタ
の出力のキャパシタンス(寄生容量)が多いため、例え
ば同じ周波数fの信号が入力された場合には、図5
(b)のように、立ち上がり時間と立ち下がり時間は5
nS程度の遅い状態での動作が行われる。この場合、デ
ジタル信号処理回路12では、周波数がf/nでの動作
となるために、立ち上がり時間と立ち下がり時間が遅く
なった場合でもその動作に悪影響を受けることはない。
【0028】これにより、この集積回路では、回路の大
部分を占めるデジタル信号処理回路12を出力のキャパ
シタンス(寄生容量)の多いMOSトランジスタで構成
することで、その動作に影響を受けることなく、MOS
トランジスタにおける立ち上がり時間と立ち下がり時間
を遅いものにすることができる。
【0029】そして、前記したように、MOSトランジ
スタの動作に伴う電磁放射の量は、立ち上がり時間と立
ち下がり時間の速度に反比例するため、このデジタル信
号処理回路12において発生される電磁放射を低減する
ことが可能となる。この例では、立ち上がり時間と立ち
下がり時間が1nSから5nSに遅くされているため、
下記計算により電磁放射量が低減されていることがわか
る。
【0030】台形波の式は下記の数式1で表される。
【0031】
【数1】 ここに、I:ピーク対ピークの波高値 d:デューティ
サイクル tr:立ち上がり時間、立ち下がり時間
T:周期 n:高次波の次数で表われる。
【0032】図5(a)はd:0.5(50%) tr
=1nS f=10MHz T=100nSとする。
【0033】この11倍波は、下記の数式2で表わされ
る。
【0034】
【数2】 図5(b)はd:0.5(50%) tr=5nS f
=10MHz T=100nS この11倍波は、下記
の数式3で表される。
【0035】
【数3】 数式3は数式2に対して58%(4.7dB)放射が小
さくなったことを示している。
【0036】又、図5(a)、図5(b)の台形波の包
絡線のグラフを図6に示す。この図からも特に高い周波
数の高次波になればなるほど立ち上がり立ち下がり時間
の遅いほうが電磁放射量がより少なくなっていくことが
わかる。
【0037】したがって、他のS/P変換回路11、P
/S変換回路13、クロック分周回路14においては、
従来と同様な電磁放射が発生されるとしても、これらの
回路が集積回路に占める割合は小さいため、集積回路の
全体としての電磁放射を格段に低減することが可能とな
る。
【0038】図7は、本発明の第4実施例を示すブロッ
ク図である。図7では、P/S変換回路13の出力を出
力制御信号入力端子Sからの信号により出力を止めたり
出したりする。出力制御信号入力端子Sを形成するトラ
ンジスタは遮断周波数の低い、キャパシタンス(寄生容
量)の大きい素子を使うことによりノイズに反応しにく
くなる。これは、ノイズによる誤動作が少なくなったと
いうことで、イミュニティが良くなったことを意味す
る。
【0039】図8は、本発明による高周波用素子と低周
波用素子の混在する半導体におけるロケーションの例で
ある。高周波信号用素子は高周波信号入出力端子(ピ
ン)からできるだけ近い位置に配置することにより高周
波信号が作る電流ループをできるだけ小さくする。これ
により電磁放射の一番大きな問題となる高周波信号から
の放射を低減することができる。尚、図8において、6
01は入出力ピン、602はワイヤーを示す。
【0040】以上、第3及び第4実施例でも本発明をシ
リアル−パラレル変換方式のデジタル信号処理を行う集
積回路に適用した例を示しているが、動作速度の速い回
路とが混在される集積回路であれば、第3及び第4実施
例と同様に本発明を適用することが可能である。
【0041】また第3及び第4実施例は動作を行う素子
としてMOSトランジスタを用いた例を示しているが、
バイポーラトランジスタ等その他の集積回路にも適用す
ることができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、高速動作
が必要とされる高速動作回路部と、これよりも遅い速度
での動作が許される低速動作回路部とを備える構成にお
いて、低速動作回路部を立ち上がり時間及び立ち下がり
時間の遅い素子で構成することにより、高速動作が必要
とされる回路部は立ち上がり時間や立ち下がり時間の速
いゲートで実現しなければならない一方で、低速動作回
路部は立ち上がり時間や立ち下がり時間が遅くされた素
子で構成することで、少なくともこの回路部における電
磁放射が低減される。
【0043】例えば低速動作回路部を構成する素子を、
高速動作回路部のMOSトランジスタよりもチャネル長
の長いMOSトランジスタで構成することで、低速動作
回路部のMOSトランジスタの立ち上がり時間と立ち下
がり時間を遅くし、低速動作回路部からの電磁放射を抑
制することができる。
【0044】また、低速動作回路部を構成する素子に供
給するバイアス電圧を、高速動作回路部を構成する素子
に供給するバイアス電圧よりも低電圧とすることで、低
速動作回路部のトランジスタの立ち上がり時間と立ち下
がり時間を遅くし、低速動作回路部からの電磁放射を抑
制することができる。
【0045】更に、低速動作回路部を構成する素子を、
高速動作回路部のMOSトランジスタよりもキャパシタ
ンス(寄生容量)の大きいトランジスタで構成すること
で、低速動作回路部のMOSトランジスタの立ち上がり
時間と立ち下がり時間を遅くし、低速動作回路部からの
電磁放射を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る半導体集積回路のブ
ロックレイアウト図である。
【図2】図1の各回路部における立ち上がり時間と立ち
下がり時間を示す図であり、(a)は高速動作回路部、
(b)は低速動作回路部における立ち上がり時間と立ち
下がり時間を示す。
【図3】本発明の第2実施例に係る半導体集積回路のブ
ロックレイアウト図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る半導体集積回路のブ
ロックレイアウト図である。
【図5】図4の各回路部における立ち上がり時間と立ち
下がり時間を示す図であり、(a)は高速動作回路部、
(b)は低速動作回路部における立ち上がり時間と立ち
下がり時間を示す。
【図6】図5(a)及び(b)の台形波のフーリエスペ
クトルの包絡線のグラフを示す図である。
【図7】本発明の第4実施例に係る半導体集積回路のブ
ロックレイアウト図である。
【図8】本発明の回路を実現する半導体集積回路の物理
的ロケーションの図である。
【図9】従来の半導体集積回路の一例を示す回路図であ
る。
【符号の説明】
11 S/P変換回路 12 デジタル信号処理回路 13 P/S変換回路 14 クロックn分周回路 15 バイアス回路 15A 高電圧バイアス回路 15B 低電圧バイアス回路 100 半導体基板 101 短チャネル素子領域 102 長チャネル素子領域 101´ キャパシタンス(寄生容量)の小さい領域 102´ キャパシタンス(寄生容量)の大きい領域 601 入出力ピン 602 ワイヤー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04B 15/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速動作が必要とされる高速動作回路部
    と、これよりも遅い速度での動作が許される低速動作回
    路部とを備える半導体集積回路において、前記低速動作
    回路部を立ち上がり時間及び立ち下がり時間の遅い素子
    で構成したことを特徴とする半導体集積回路。
  2. 【請求項2】請求項1記載の半導体集積回路において、
    低速動作回路部を構成する素子を高速動作回路部を構成
    するMOSトランジスタよりもチャネル長の長いMOS
    トランジスタで構成してなることを特徴とする半導体集
    積回路。
  3. 【請求項3】請求項1記載の半導体集積回路において、
    低速動作回路部を構成する素子に供給するバイアス電圧
    を高速動作回路部を構成する素子に供給するバイアス電
    圧よりも低電圧としてなることを特徴とする半導体集積
    回路。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の半導体集積回路におい
    て、低速動作回路部を構成する素子の出力にキャパシタ
    ンス(寄生容量)を持たせることにより、該低速動作回
    路部を構成する素子が高速動作回路部を構成する素子よ
    りもオンオフ動作が遅く遮断周波数が低い素子からなる
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の半導体集積回路におい
    て、更に信号出力を制御する制御入力端子を備え、該制
    御入力端子のトランジスタのキャパシタンス(寄生容
    量)を、回路部を構成する素子のキャパシタンス(寄生
    容量)よりも大きく形成してなることを特徴とする半導
    体集積回路。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の半導体集積回路におい
    て、高速動作する素子をウェハーの外側に配置すること
    により、高速動作する信号がつくるループを最短にする
    ことによって形成してなることを特徴とする半導体集積
    回路。
  7. 【請求項7】 シリアル信号をパラレル信号に変換した
    上で信号処理を行う半導体集積回路において、パラレル
    信号を処理する回路部を構成する素子をシリアル信号を
    処理する回路部を構成する素子であるMOSトランジス
    タよりもチャネル長の長いMOSトランジスタで構成し
    てなることを特徴とする半導体集積回路。
  8. 【請求項8】 シリアル信号をパラレル信号に変換した
    上で信号処理を行う半導体集積回路において、パラレル
    信号を処理する回路部を構成する素子に供給するバイア
    ス電圧をシリアル信号を処理する回路部を構成する素子
    に供給するバイアス電圧よりも低電圧としてなることを
    特徴とする半導体集積回路。
  9. 【請求項9】 シリアル信号をパラレル信号に変換した
    上で信号処理を行う半導体集積回路において、パラレル
    信号を処理する回路部を構成する素子の出力のキャパシ
    タンス(寄生容量)をシリアル信号を処理する回路部を
    構成する素子の出力のキャパシタンス(寄生容量)より
    も大きく形成してなることを特徴とする半導体集積回
    路。
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