JP2770752B2 - 大豆蛋白素材およびその製法 - Google Patents

大豆蛋白素材およびその製法

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JP2770752B2 JP25800794A JP25800794A JP2770752B2 JP 2770752 B2 JP2770752 B2 JP 2770752B2 JP 25800794 A JP25800794 A JP 25800794A JP 25800794 A JP25800794 A JP 25800794A JP 2770752 B2 JP2770752 B2 JP 2770752B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大豆蛋白素材およびび
その製法に関する。さらに詳しくは、本発明は、層状物
が一体的に配向した構造、または層状物が繊維状に裂け
る構造を有する大豆蛋白素材およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から組織を有する種々の蛋白素材が
知られている。例えば、湯葉を捲回して結着したもの
は、同心円的に表面に並行に積層した構造で、構成する
層はフィルムそのものであり、生状態では湯葉そのもの
の食感であり、また加熱されても肉様食感とは言い難
い。また、エクストルーダーで製造した蛋白素材は、そ
れ自体豆腐様の滑らかさ・ソフトさがなく、ラメラーな
(網状の)多孔質の構造で層状とは言い難い。
【0003】他方、蛋白を凝固させ、それを凍結により
組織化する方法が知られている。典型的には、凍り豆腐
は硬めに調整した豆腐を凍結熟成して得られるが、凍結
変性による海綿状多孔質の(セル状の)組織であって層
状構造を有しない。また、特公平5−68221号に
は、動物性の繊維状蛋白を原料とし、凍結により筋肉の
繊維構造と筋肉束の層状構造を形成させることが記載さ
れているが、そこで得られる蛋白素材は繊維状組織を基
本とする組織である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、良好
な食感を有する大豆蛋白素材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、良好な食
感を有する大豆蛋白素材の製法につき研究を重ねた結
果、特定の金属を含有する大豆蛋白溶液を加熱処理した
後に緩慢凍結することによってそのような大豆蛋白素材
が得られること、また得られる蛋白素材は層状構造を有
することを見い出した。
【0006】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものであり、加熱処理した大豆蛋白溶液をアルカリ土類
金属の存在下に緩慢凍結することよりなる大豆蛋白素材
の製法、および層状物が非セル状の氷結晶に沿って配向
して成長した構造を有する大豆蛋白素材を提供するもの
である。
【0007】まず、大豆蛋白素材の製法について説明す
る。
【0008】本発明の製法で用いることができる大豆蛋
白としては、大豆、脱脂大豆等から抽出した大豆蛋白
(豆乳、酸沈殿蛋白、濃縮大豆蛋白、分離大豆蛋白等)
が挙げられる。
【0009】大豆蛋白溶液とは、大豆蛋白が沈澱を生じ
てない状態をいい、溶液状態、分散状態、あるいは高濃
度の場合にはペースト状態のものも含む意味である。
【0010】本発明の製法における大豆蛋白溶液は、粗
蛋白に対し0.01〜5.0重量%、好ましくは0.2 〜
1.0重量%のアルカリ土類金属を含むことが重要であ
る。このアルカリ土類金属の量によって本発明蛋白素材
の物性の強度を調節することができる。
【0011】すなわち、アルカリ土類金属量が多い程強
度が増す傾向になり、少ない程固体と液体の中間の滑ら
かな食感となる傾向になる。0.01重量%未満では層
状構造は形成されず、5.0重量%を超えるともはや層
状構造とはいい難いものとなる。
【0012】アルカリ土類金属は、水系下でイオンに解
離するアルカリ土類金属の塩や水酸化物として用いるこ
とができる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、
マグネシウム等が例示される。これらアルカリ土類金属
は1種または複数種組み合わせて用いることができる。
実用的観点および風味等の観点より、カルシウムが好ま
しい。
【0013】カルシウムとしては、塩化カルシウム、水
酸化カルシウム、硫酸カルシウム等、いずれのカルシウ
ム化合物を用いることもできる。また、これらのカルシ
ウム化合物は数種を併用することもできる。さらに、前
述したカルシウム以外のアルカリ土類金属イオンと併用
することもできる。
【0014】本発明の製法において、アルカリ土類金属
含有大豆蛋白溶液は、0.1%〜35重量%の濃度とす
る。濃度が0.1重量%未満では次工程で凍結しても目
的とする積層状構造を形成することが困難であり、35
重量%を超えると大豆蛋白溶液をたとえスラリー状にし
ても流動状に保つことが困難となり、目的とする積層状
構造を形成することが困難となる。
【0015】本発明の製法では、アルカリ土類金属含有
大豆蛋白溶液は60℃以上で1秒間以上、好ましくは8
0℃〜160℃で1秒間以上加熱するのが適当である。
この加熱処理は殺菌作用と共に凍結変性促進作用があ
る。
【0016】また、前述したように、本発明におけるア
ルカリ土類金属含有大豆蛋白溶液は凍結する際に沈澱状
態でないことが重要である。大豆蛋白溶液が沈澱状態し
はならないpH域は、濃度にもよるが通常pH5から
9、好ましくは6から8、より好ましくは6.5から7.
5の範囲が適当である。
【0017】pHが大豆蛋白の等電点である4.5付近
では大豆蛋白溶液は不溶性のスラリー状態となり、この
状態で凍結しても凍豆腐様のセル状の組織になるなどし
て、目的とする積層状構造を有する大豆蛋白素材は得ら
れない。一方、pHが高過ぎても目的とする積層状構造
が得られにくいのみならず、風味や色調も悪化するので
好ましくない。
【0018】また、大豆蛋白素材を製造するに際し、主
原料の大豆蛋白の他に、その他の蛋白、澱粉、油脂、調
味料、着色料、着香料等を併用することもできる。この
併用により、前記大豆蛋白溶液を調味し、前記の条件で
凍結解凍したものは滑らかな食感の食品として、そのま
ま美味しく食することができる。
【0019】なお、グルコノデルタラクトンを大豆蛋白
溶液加熱後の工程で用いることにより、凍結変性した大
豆蛋白素材を加熱すれば該グルコノデルタラクトンが分
解してpHを下げ、組織を強固なものとする効果があ
る。
【0020】本発明の製法においては、以上のごとく調
製された蛋白含水物を緩慢凍結する。緩慢凍結すること
により層状物が積層した構造を形成することができる。
この際、緩慢凍結の速度が遅い程層状物は面を形成し、
繊維状に裂くことは困難となるが、緩慢凍結の速度が速
くなるにつれて層状物は繊維状に裂きやすくなり、巨視
的にも繊維状感が増してくるが、凍結速度が余りに速過
ぎていわゆる急速乾燥になると、凍結変性の程度が低下
し、組織化が困難になる。
【0021】積層状構造から層状物が繊維状に裂ける構
造に変化する緩慢凍結の速度は、目的とする大豆蛋白素
材の大きさ、形状にもよるが、通常、大豆蛋白素材の表
面の温度降下速度が1分間に0.4℃より遅い場合には
層状物は面を形成し、さらに繊維状には裂け難い層状構
造を形成し、1分間に0.4℃より速くなるにつれて層
状物が繊維状に裂ける構造や層状物が巨視的に繊維状物
となる傾向にある。
【0022】緩慢凍結においては、最大氷結晶生成帯通
過時間は30分以上であることを要する。蛋白含水物の
中心部の最大氷結晶生成帯の通過時間が2時間以上で形
成される層状物は繊維状には裂け難くなる傾向にあり、
最大氷結晶生成帯通過時間が2時間未満と短くなるにつ
れて層状物が繊維状に裂ける構造や層状物が巨視的に繊
維状物となる傾向にある。
【0023】緩慢凍結の速度を遅くするには熱伝達率の
低い空気冷却が適当であり、通常−20℃から−30℃
の雰囲気下で凍結するkが好適である。また、緩慢凍結
の速度を速くするには熱伝達率の高い液体ブライン(通
常−20℃〜−25℃が一般である)に接触させるのが
適当である。
【0024】通常、−2℃以下で凍結することができ
る。実用的には−2℃〜−60℃を採用するのが適当で
あり、特に、効率的には−20℃〜−30℃の雰囲気下
で緩慢凍結することができる。
【0025】本発明の製法において、積層状構造ないし
繊維状構造が形成される過程は以下のように推察され
る。すなわち、蛋白含水物を凍結温度以下の雰囲気に置
くと、緩慢凍結の速度が遅い場合は、表面部に氷結晶が
線状に形成され、時間の経過と共に熱伝達方向(中心
部)に向かって成長する。これと共に蛋白質が凍結変性
し始め、表面から熱伝達方向(中心部)、すなわち、温
度の低い方から高い方へ向かって蛋白と氷結晶が層状構
造を形成するのである。緩慢凍結速度が速くなるにつれ
て氷結晶が細かいものとなり、形成される蛋白の層が繊
維状に裂ける構造となったり、表面に形成される氷結晶
が線状から点状へ短くなるために巨視的繊維状構造が形
成されると推察される。
【0026】従って、例えば、三方を断熱し、一方のみ
を冷気または液体ブラインに解放すれば、まず開放部表
面に線状ないし点状の氷結晶が生成され、次いで冷気伝
達方向に沿って氷結晶が面状ないし線状に成長してゆ
く。これにつれて大豆蛋白も凍結変性を生じ、氷結晶の
層と凍結変性された蛋白の層が1枚1枚層状に並んだ層
状物ないし巨視的繊維状物が得られる。
【0027】別法として、例えば、周囲を冷気または液
体ブラインに解放すれば中心部に向かって蛋白の層ない
し繊維が氷結晶を介して形成される。すなわち、凍結が
周囲から中心に向かって進行するので、最初表面で線状
ないし点状の氷結晶が生成し、これがやがて内部に向か
う面状ないし線状の結晶に成長するが、内部でこれらの
成長が競合すると、成長の劣勢な方が成長を止め、優勢
な方は次の競合に出会うまでさらに成長を続ける(図
1)ので、面状ないし線状に成長する度合い(成長する
先端の深度)はまちまちとなる。さらに別法として、例
えば、相対する2方向のみを冷気または液体ブラインに
解放する場合は、最初両表面で線状ないし点状の氷結晶
が生成し、これが内部に向かって平行して成長し面状な
いし線状の結晶になるが、隣接する成長はほとんど競合
せずに一方向のみの成長を続け、最終的な衝突面を形成
して成長が終了する(図3)。また、例えば、周囲をブ
ラインと接触させるのを周囲の一部分のみとし、接触部
分を時間の経過とともにランダムに変化させれば、氷結
晶の成長方向をランダムに三次元的に変化させることも
可能である。
【0028】蛋白はこの面状氷結晶ないし線状氷結晶で
仕切られた状態で凍結変性して、積層した構造または巨
視的繊維状構造を形成する。通常の大豆蛋白溶液等を凍
結してもこのような面状氷結晶乃至線状氷結晶は形成さ
れないが、本発明における大豆蛋白溶液を前記条件で凍
結するとかかる面状氷結晶ないし線状氷結晶が形成され
るのである。
【0029】ここに、凍結に利用できる容器は、凍結耐
性を有する材質で作成されたものを利用でき、例えば、
ステンレススティール、アルミなどの金属容器の他軟質
プラスティック等の容器が挙げられる。
【0030】以上の工程で得られた凍結状の大豆蛋白素
材は、緩慢凍結後さらに解凍または解凍・脱水すること
ができる。
【0031】解凍した大豆蛋白素材は、そのまま食した
り、食品素材として利用することもできるが、利用によ
り、あるいは流通、保存等の観点から脱水することもで
きる。
【0032】脱水は遠心分離やプレス等公知の手段を用
いることができる。通常、組織を堅固なものとすること
ができるので加圧脱水が好ましい。加圧脱水において
は、プレスする等応力を加えて蛋白質の層と層の間ある
いは層自体に含まれる水分を減らすことができるが、こ
の加圧作用は蛋白質の層と層を密着させ組織を強固なも
のとする効果がある。
【0033】解凍もしくは解凍・脱水した大豆蛋白素材
は、さらに加熱することができる。解凍した大豆蛋白素
材または脱水した大豆蛋白素材は、加熱前は口内で溶け
るような滑らかな食感であるものが、加熱により肉様食
感を有するものとすることができる。
【0034】解凍した大豆蛋白素材をそのまま加熱する
と単位層または複数層あるいは巨視的繊維が溶液中で単
離してフレーク状ないし繊維状とすることができる
【0035】また、前記脱水のところで説明したよう
に、応力を加え、層と層または繊維と繊維を密着させて
加熱すると、層と層または繊維と繊維とが付着して密な
構造のブロック状の肉様蛋白素材とすることができる。
なお、このブロック状の肉様蛋白素材は、手等で層状に
剥したり繊維状に裂くことができる。
【0036】応力を加える態様は自由である。例えば、
前記脱水のところで述べた方法、ケーシングチューブ等
に充填して蛋白が加熱固定するに充分な温度で加熱する
方法等を用いることができる。加熱量は大豆蛋白素材の
層ないし繊維が付着して固定される程度の熱履歴(通常
は80℃以上)であれば充分である。
【0037】以上の凍結した大豆蛋白素材、解凍した大
豆蛋白素材、脱水した大豆蛋白素材、加熱した大豆蛋白
素材等は、さらに乾燥することができる。
【0038】乾燥手段としては、凍結乾燥、マイクロ波
乾燥、フライ乾燥、熱風乾燥等公知の乾燥手段を用いる
ことができる。
【0039】以上説明したように、緩慢凍結速度の緩急
に応じ、本発明の製法により得られる大豆蛋白素材は、
層状物が一次元的ないし三次元的に成長し、非セル状の
複数の氷結晶痕跡に沿って配向した構造を有する。配向
した構造は層状物の積層した構造としたり、容易に解繊
できる構造とすることができる。また、氷結晶の成長先
端痕跡が節面を構成することもできる。
【0040】まず、層状物が一次元的ないし三次元的に
成長し、非セル状の複数の氷結晶痕跡に沿って配向した
構造を有する大豆蛋白素材について説明する。大豆蛋白
素材は、非セル状の複数の氷結晶痕跡、例えば、面状に
生成した氷結晶痕跡を介して層状物が積層した構造を有
する。
【0041】ここに、面状に生成した氷結晶とは、含水
大豆蛋白素材の表面に凍結により生成した線状の氷結晶
が面状に成長しながら冷気伝達方向に向かって成長する
氷結晶の面をいう。
【0042】面状に生成した氷結晶痕跡とは、面状に生
成した氷結晶が存在する場合や氷結晶が融解したり乾燥
等により消失した後の状態も含むものとする。
【0043】層状物とは、前記面状氷結晶痕跡を介して
(換言すれば前記面状氷結晶によって仕切られて)大豆
蛋白が凍結変性して面状の層を形成したもので、層の方
向は凍結条件に左右されて一定となることは希であり、
通常、わずかの角度ないし大きい角度に複数の層単位は
互いに異方向に生成される。
【0044】積層した構造とは、前記層状物が複数組合
わさって形成された積層した構造をいう。この積層した
構造は、単位層が任意の重なりを呈しながらもその形成
する複数層の方向は通常若干の角度をもって形成された
構造である。
【0045】これは、大豆蛋白素材の冷気側に最初に形
成される線状の氷線が統一された一定方向ではなく、こ
の線状の氷線が冷気伝達方向に成長して面状の氷結晶を
生成するからである。従って、単位層自体必ずしも均一
な平面状ではなく、複数の層は任意の重なりを呈するも
のとなる。
【0046】ここに、緩慢凍結速度を速くすると層状物
が繊維状に裂ける(解繊できる)構造を形成したり、層
状物が巨視的繊維状物になり、さらに繊維状に裂ける構
造を形成する。
【0047】繊維状に裂ける構造を有する大豆蛋白素材
とは、巨視的には層状ないし繊維状であるが、その層な
いし繊維をさらに細かい繊維に裂くことができる構造を
いう。
【0048】また、氷結晶は冷気の伝達方向に向かって
成長するが、本発明の製法における大豆蛋白溶液中の氷
結晶成長速度にはバラツキが生ずるため、先端痕跡は直
線的とはならず節面的にギザギザ状となる。その節面の
ギザギザの程度は凍結条件や容器の態様などに応じ荒く
なったり細かくなったりする。
【0049】また、本発明の大豆蛋白素材で加熱固定し
ていないものは中性以下のpH域で安定であるが、加熱
固定しているものについては特にpHの制限はなく、通
常、pH9以下が適当である。pHが低い程硬さが増し
て強固な食感となる。
【0050】本発明の大豆蛋白素材で加熱固定していな
いもののなかでも既に解凍したものにあっては、解凍後
短時間内に食したり、後の加熱調理等に利用される等の
場合はpHは任意であるが、これらの場合を除き、通
常、中性付近ないし酸性域が適当である。
【0051】これは、加熱固定していない大豆蛋白素材
にあっては、アルカリ域で長時間にわたって水性媒体中
に放置されると溶解する性質を示すからである。
【0052】本発明の大豆蛋白素材は、加熱固定してい
ないものと加熱固定したものとでは物性的に異なるの
で、以下それについて説明する。
【0053】まず、加熱固定していない大豆蛋白素材に
ついて説明する。なお、加熱固定(heat set)とは、加
熱によって大豆蛋白素材がいかなるpH域の水性媒体中
でも溶解しない程度に熱変性した状態をいう。
【0054】加熱固定していない大豆蛋白素材は、積層
間または繊維間に氷が介在したもの、水が介在したも
の、気体の介在したもの、および何も存在しなくて層と
層または繊維と繊維が密着したもの等を態様として挙げ
ることができる。
【0055】加熱固定していない大豆蛋白素材は、その
ままあるいは水が介在した状態では見掛けはゲル状にも
見えるが、積層構造ないし繊維構造を有しながら、食感
的に口中で溶けるような滑らかなものである。
【0056】次に、加熱固定した大豆蛋白素材について
説明する。加熱固定した大豆蛋白素材は、積層した各層
ないし繊維が単一もしくは複数の層状ないし繊維状に単
離して、フレーク状ないし繊維状に似た形状を呈する。
【0057】なお、加熱の際に、加圧、プレス等の応力
をかけて層と層または繊維と繊維の間に介在する水を排
し、層ないし繊維同士が密着した状態として加熱したも
のは、ブロック状に形成されて、その食感は肉様食感と
して優れたものとなる。
【0058】次に、前記加熱固定していないものと加熱
固定したものはそれぞれ乾燥状態でもよい。乾燥手段と
しては、凍結乾燥、加熱乾燥、フライ乾燥等の他いずれ
の手段を用いてもよく、用途(食品惣菜、即席具材
等)、流通、保存等目的の利用方法に応じて自由に選択
することができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
する。 実施例1 脱脂大豆をその12倍(重量比)の水で水抽出して得ら
れた豆乳に塩酸を加え、pHを4.5に調整して酸沈澱
大豆蛋白を得た。
【0060】次いで、水を加えて蛋白濃度12重量%に
調整した酸沈殿大豆蛋白に1.56%の水酸化カルシウ
ムを加え、 水酸化ナトリウムでpH6.8に中和した。
【0061】次に、140℃で15秒間加熱した。蛋白
溶液が冷却しない熱いうちに(少なくとも40℃以上
で)、0.79%の塩化カルシウムを加え、十分攪拌し
てカルシウムを反応させた。
【0062】得られた蛋白溶液を容量400ミリリット
ルのステンレス製容器に入れ、小型環境試験器(タバイ
エスペック(株)製)内で、庫内温度−20℃にて、表
面温度の降下速度が−0.2℃/分の冷却スピードで−
20℃まで冷却し、凍結させた。このときの氷結晶生成
開始温度は−0.5℃であって、最大氷結晶生成帯域通
過時間は2時間10分であった。この凍結品を解凍して
食すると、まるで液体のような極めて滑らかな食感を有
していた。よく観察すると、層状のゲルのような組織を
有するものであったが、水分を全体的に均一に含むゲル
とは異なり、層状の大豆蛋白は凍結変性され、水を介し
て積層状構造を有する大豆蛋白素材であった。
【0063】一方、この凍結組織化品を解凍状態にて乳
酸でpH5.5〜6.0に調整した。調整するpHが低い
程食感は硬くなる傾向が見られた。次いで、遠心脱水し
て水分含量を70%とした。このときの層の形成態様は
面状の組織が均一な方向ではないが、積層した層状構造
を形成しており、食すると比較的柔らかいが口中で咀嚼
できる程度の組織を有するものであった。
【0064】この際、強く脱水する程食感が硬くなる傾
向が見られた。次いで、得られた脱水物を80℃で30
分加熱処理し、冷却した。
【0065】得られたものを食すると、ゲルのような滑
らかな食感とは全く異なり、極めて肉に近似した食感を
有していた。観察すると、層状組織はそのままであった
が、大豆蛋白は凍結変性と共に熱変性を受けており、組
織が硬くしっかりしたものとなり、食感的に肉様になっ
たものであった。
【0066】実施例1で得られた凍結乾燥した大豆蛋白
素材(冷凍品を解凍せずに真空乾燥したもの)の写真を
図1に示す。
【0067】実施例2 脱脂大豆をその12倍重量の水で水抽出して得られた豆
乳に塩酸を加え、pH4.5に調整して酸沈澱大豆蛋白
を得た。この大豆蛋白の乾燥固形分当たりの粗蛋白は9
2%であった。
【0068】次いで、水を加え蛋白濃度12重量%に調
整した酸沈殿大豆蛋白に1.56%の水酸化カルシウム
を加え、 水酸化ナトリウムでpH6.8に中和した。こ
こで大豆油を蛋白量に対し50%の量を加え、常法によ
り乳化して大豆蛋白エマルジョン溶液を得た。
【0069】次に、140℃で15秒間加熱した。蛋白
溶液が冷却しない熱いうちに(少なくとも40℃以上
で)、0.79%の塩化カルシウムを加え、十分攪拌し
てカルシウムを反応させた。得られた蛋白溶液を、実施
例1と同様にして凍結した。表面温度降下速度−0.2
℃/分の冷却スピードで−20℃まで冷却し、凍結させ
た。このときの中心部の氷結晶生成温度は−0.5℃で
あって、この温度域を通過してさらに温度降下を開始す
るまでの最大氷結晶生成帯域通過時間は2時間10分で
あった。
【0070】この凍結品を解凍して食すると、まるで液
体のような極めて滑らかな食感を有していた。よく観察
すると、層状のゲルのような組織を有するものであった
が、水分を全体的に均一に含むゲルとは異なり、層状の
大豆蛋白は凍結変性され、水を介して積層状構造を有す
る大豆蛋白素材であった。
【0071】一方、この凍結組織化品を解凍状態にて、
乳酸でpH5.5〜6.0に調整した。調整するpHが低
い程食感は硬くなる傾向が見られた。次いで、 遠心脱
水して水分含量を70%とした。この際、強く脱水する
ほど食感が硬くなる傾向が見られた。
【0072】次いで、得られた脱水物を80℃で30分
間加熱処理し、冷却した。得られたものを食すると、ゲ
ルのような滑らかな食感とは全く異なり、極めて肉に近
似した食感を有していた。観察すると、層状組織はその
ままであったが、大豆蛋白は凍結変性と共に熱変性を受
けており、組織が硬くしっかりしたものとなり、食感的
に肉様になったものであった。
【0073】また、前記水を介して積層状構造を有する
大豆蛋白素材を凍結乾燥した。この凍結乾燥したものに
水を加えて戻したものは凍結乾燥前と同様の性質を示し
た。
【0074】実施例3 実施例1と同様の方法において水酸化カルシウムと塩化
カルシウムを併用したのに代えて、以下に記載するよう
に水酸化カルシウム及び水酸化ナトリウムを用い、同様
の水を介して積層状構造を有する大豆蛋白素材を製造し
た。
【0075】蛋白濃度12%の酸沈殿蛋白に1.96%
の水酸化カルシウムを加え、水酸化ナトリウムでpH
6.8に中和する方法と、0.78%の塩化カルシウムを
加え、水酸化ナトリウムでpH6.8に中和する方法と
を採用した。
【0076】次に、140℃で15秒間加熱した。冷却
後、実施例1と同様にして表面の温度降下速度−0.2
℃/分の冷却スピードで−20℃まで冷却し、凍結させ
た。得られた凍結品は水を介して層状の組織を有し、固
体でありながら液体のような極めて滑らかな食感を有す
るものであった。
【0077】さらに、実施例1と同様にpH調整し、脱
水、加熱して肉様の食感を有する大豆蛋白組織化品を得
た。
【0078】実施例4 実施例1と同様の方法において大豆蛋白の粗蛋白当たり
カルシウム量として0.2重量%となる量の水酸化カル
シウムおよび塩化カルシウムを用いて大豆蛋白素材を得
た。
【0079】食感は極めて柔らかであった。組織的には
層状構造が形成され、ガラス棒等で緩やかに攪拌すると
容易に層状組織の層と層とが崩れた。
【0080】比較例1 実施例1と同様の方法において、大豆蛋白の粗蛋白当た
りカルシウム量として0.005重量%となる量の水酸
化カルシウムおよび塩化カルシウムを用いて大豆蛋白素
材を得た。凍結により層状に氷結晶が形成されたが、解
凍すると大豆蛋白組織は形成されずペーストとなった。
【0081】実施例5 実施例1と同様の方法において、大豆蛋白の粗蛋白当た
りカルシウム量として3重量%となる量の水酸化カルシ
ウムおよび塩化カルシウムを用いて大豆蛋白素材を得
た。
【0082】大豆蛋白素材は柔らかであったが実施例
1、実施例2、実施例3と同様にして得られたものより
硬い食感であった。
【0083】比較例2 実施例1と同様の方法において、大豆蛋白の粗蛋白当た
りカルシウム量として6重量%となる量の水酸化カルシ
ウムおよび塩化カルシウムを用いて大豆蛋白素材を得
た。
【0084】凍結前の大豆蛋白溶液が凝集して流動性が
無くなり、凍結により層状構造は形成されず、海綿状構
造を形成し、凍り豆腐様の大豆蛋白素材が得られた。食
感は滑らかでなく凍豆腐様であった。
【0085】実施例6 実施例1と同様にして凍結前の大豆蛋白溶液を得た。次
いで、この大豆蛋白溶液のpHを6.5に調整し、実施
例1と同様に凍結して大豆蛋白素材を得た。
【0086】実施例1と同様にして得られた凍結前の大
豆蛋白溶液に比べて本実施例の大豆蛋白溶液の粘度は高
くなり、これを凍結して得た大豆蛋白素材は解凍して食
すると、実施例1と同様にして得た大豆蛋白素材に比べ
て硬くギスギスした食感であったが、水を介して層状構
造を有するものであった。
【0087】また、これを実施例1と同様にして加熱し
たものは、実施例1と同様にして得たものよりも硬い肉
様食感を呈した。
【0088】比較例3 pHを4.5とする以外は実施例5と同様にして大豆蛋
白素材を得た。凍結前の大豆蛋白溶液は豆腐様に凝集
し、これを凍結すると海綿状の凍豆腐のような組織化物
が得られ、食感は実施例5のものよりも硬く凍り豆腐様
であった。
【0089】実施例7 凍結時の大豆蛋白溶液のpHを8.0とする以外は実施
例5と同様にして大豆蛋白素材を得た。
【0090】得られた大豆蛋白素材は実施例1と同様に
して得たものに比べて極めて柔らかく、ガラス棒等で緩
やかに攪拌すると容易に層状に組織が崩れてしまうが、
水を介して層状構造が形成された大豆蛋白素材であっ
た。また、この大豆蛋白素材を実施例1と同様にして加
熱すると肉様の食感を呈した。
【0091】比較例4 pH11に調整する以外は実施例6と同様にして大豆蛋
白素材を調製した。凍結により層状組織は形成された
が、解凍すると大豆蛋白組織が消失してペーストになっ
た。
【0092】実施例8 実施例1と同様にして凍結時の大豆蛋白溶液のpHを
6.8とし、その他は実施例1と同様にして凍結し、大
豆蛋白素材を得た。このとき、凍結により形成された層
状構造は解凍後、20℃で放置するか、あるいは80℃
で加熱しても溶解しなかった。
【0093】実施例9 実施例1と同様にして得た凍結前の大豆蛋白溶液のpH
を7.5とし、実施例1と同様にして、凍結により、氷
の針状結晶による層状構造が形成された大豆蛋白素材を
得た。
【0094】これを解凍した後、20℃で放置するか、
あるいは80℃で加熱すると溶解したが、解凍後pH
6.8に再調整した。このpHを再調整した大豆蛋白素
材を加熱したところ、溶解しなかった。
【0095】実施例10 実施例1と同様にして得た凍結前の大豆蛋白溶液を予め
80℃で15秒間加熱処理し、実施例1と同様に凍結し
て得た大豆蛋白素材を解凍したものは、極めて柔らか
く、ガラス棒等で緩やかに攪拌すると容易に組織が崩れ
てしまうが、水を介した層状構造を有していた。
【0096】比較例5 実施例1と同様にして得た凍結前の大豆蛋白溶液を予め
55℃で15秒間加熱処理する以外は実施例10と同様
にして大豆蛋白素材を得た。
【0097】得られた大豆蛋白素材をガラス棒等で緩や
かに攪拌すると、一部組織化が不十分となるため、白濁
した。
【0098】実施例11 実施例1と同様にして調製した凍結前の大豆蛋白溶液1
250ミリリットルを実施例1と同様にして−10℃の
雰囲気温度で凍結したところ、表面温度降下速度は1分
間に0.02℃の冷却スピードであった。このときの中
心部の氷結晶生成温度は−0.5℃であって、この温度
域を通過してさらに温度降下を開始するまでの氷結晶生
成帯域通過時間は4時間50分であった。
【0099】得られた大豆蛋白素材は、水を介して層状
構造が形成された組織を有し、極めて柔らかいものであ
った。
【0100】なお、溶液を凍結する場合、その容量、形
態により、表面部と中心部とでは温度変化が異なる。そ
こで、冷却温度変化は表面部の温度変化を採用した。ま
た、凍結時の表面部の温度変化は直線的でないため、冷
却開始温度から雰囲気温度達成時までの温度変化を直線
で結んで冷却速度とした。
【0101】実施例12 実施例2と同様にして得た豆蛋白エマルジョン溶液を1
40℃で15秒間加熱し、0.79%の塩化カルシウム
を加え、攪拌してカルシウムを反応させ、蛋白溶液を調
製(以下、「Ca蛋白溶液」という)した。
【0102】Ca蛋白溶液の粗蛋白当たりグルコノデル
タラクトン(以下「GDL」という)を下記表1の量だ
け加え、表面温度降下速度−0.2℃/分の冷却スピー
ドで−20℃まで冷却し、凍結させた。なお、このとき
の最大氷結晶生成帯域通過時間は2時間10分であっ
た。
【0103】この凍結品を解凍し、プレス脱水(水分含
量70%)し、80℃で30分間加熱処理した。加熱後
の大豆蛋白食品素材のpHおよび食感を表1に併せて示
す。
【0104】
【表1】GDL pH 食感 1% 6.6 柔らかい肉様食感 2% 6.2 柔らかい肉様食感 2.5% 5.9 やや歯応えある肉様食感 3% 5.7 やや硬い肉様食感 5% 5.1 硬い肉様食感8% 4.5 硬い肉様食感
【0105】表1から分かるように、GDLを加えてお
けば、その後のpH調製の工程が省略でき、食感を予め
調整できる等の効果がある。
【0106】実施例13 脱脂大豆を水抽出(15倍w/w)して得た豆乳に塩酸
を加え、pH4.5に調整して酸沈殿大豆蛋白を得た。
粗蛋白は乾燥固形分当たり92%であった。
【0107】次いで、この酸沈殿大豆蛋白の濃度を12
%に調整し、この酸沈殿大豆蛋白溶液に対して水酸化カ
ルシウム1.56%および塩化カルシウム0.39%を加
え、さらに、塩化ナトリウム0.8%を加え、水酸化ナ
トリウムでpHを6.5に調整した。大豆油を粗蛋白に
対して50%加え、ホモミキサー(特殊機化工業(株)
製)を用い、4000回転/秒の条件で乳化して大豆蛋
白エマルジョン溶液を得た。次いで、140℃で15秒
間加熱し、その後5℃まで冷却した。この溶液に0.3
%のグルコノデルタラクトンを加え、大豆蛋白エマルジ
ョン調製液とした。
【0108】この大豆蛋白エマルジョン調製液1800
ccを、底面および側面2方を発泡スチロールで断熱し
たステンレス容器(縦70mm、横112mm、高さ1
05mm)に入れ、−30℃の空冷式の冷凍庫内で凍結
させた。
【0109】冷凍過程で中心部温度を測定したところ、
最大氷結晶生成帯の通過時間は6時間であった。凍結し
て得られた大豆蛋白組織化物は面状に生成した氷結晶痕
跡を介した層状組織であった。注意深く剥がすと、層と
層は部分的には軽く結着する部分があるが、層状に剥離
することができた。食すると咀嚼性に優れたものであっ
た。
【0110】実施例14 脱脂大豆を12倍重量の水で水抽出して得た豆乳に塩酸
を加え、pH4.5に調製して酸沈殿大豆蛋白を得た。
この大豆蛋白の乾燥固形分当たりの粗蛋白は92%であ
った。
【0111】次いで、この酸沈殿大豆蛋白の濃度を12
%に調製し、水酸化カルシウム1.56%および塩化カ
ルシウム0.39%を加え、さらに、塩化ナトリウム0.
8%を加え、水酸化ナトリウムでpH6.5に中和し
た。ここで、大豆油を蛋白量に対し50%を加え、ホモ
ミキサー(特殊機化工業 (株)製) を用い、4000回
転/秒で乳化して大豆蛋白エマルジョン溶液を得た。
【0112】次いで、140℃で15秒間加熱し、その
後5℃まで冷却した。この溶液に0.3%のグルコノデ
ルタラクトンを加え、大豆蛋白の調製溶液を得た。この
溶液1800ccを、底面および側面2方を発泡スチロ
ールで断熱したステンレス 製容器( 縦70mm、横1
12mm、高さ105mm)に入れ、−23℃の塩化カ
ルシウムの冷却ブライン中で凍結させた。凍結過程で中
心部の温度変化を測定したところ、最大氷結晶生成帯の
通過時間は55分であった。
【0113】さらに、この凍結体を、中心部の温度が4
0℃になるように温水で解凍加熱した。次いで、この組
織化物を容器から取り出し、繊維方向と並行にプレス
脱水(水分含量70%) した。得られた組織化物を真空
下で密封パックし、温水にて中心部が80℃になるよう
加熱し、その後冷却した。
【0114】得られた大豆蛋白組織化物は、図2に示す
ごとく、断面は積層状に見えるが(図2中、断面は写真
の上部に示される)、細い繊維が一方向に配向し相互に
結着したブロック塊であり、引き裂くと、図3に示すご
とく、一方向にのみ繊維状にほぐれる肉様組織であり、
食感も良好であった。
【0115】
【発明の効果】本発明により、生の状態では口内で溶け
るような極めて滑らかな食感を有するが、これを加熱し
たものは極めて肉に近似した食感を有するように、食感
に優れた大豆蛋白素材およびその製法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた大豆蛋白食品素材の凍結
乾燥品の顕微鏡写真を表す図面代用写真である。
【図2】 実施例14で得られたブロック塊の大豆蛋白
素材の顕微鏡写真を表す図面代用写真である。
【図3】 図2の蛋白素材をほぐすことにより繊維状に
裂けつつあるところを示す顕微鏡写真を表す図面代用写
真である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱処理した大豆蛋白溶液をアルカリ土
    類金属の存在下に緩慢凍結することを特徴とする大豆蛋
    白素材の製法。
  2. 【請求項2】 該大豆蛋白溶液がアルカリ土類金属を大
    豆蛋白の粗蛋白に対して0.01〜5.0重量%含有する
    請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 緩慢凍結後、さらに、解凍または解凍・
    脱水することよりなる請求項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】 さらに、加熱することよりなる請求項3
    記載の製法。
  5. 【請求項5】 さらに、乾燥することよりなる請求項3
    または4記載の製法。
  6. 【請求項6】 層状物が非セル状の氷結晶に沿って配向
    して成長した構造を有する大豆蛋白素材。
  7. 【請求項7】 配向した構造が層状物の積層した構造で
    ある請求項6記載の大豆蛋白素材。
  8. 【請求項8】 配向した構造が容易に解繊できる構造で
    ある請求項6または7記載の大豆蛋白素材。
  9. 【請求項9】 氷結晶の成長先端痕跡が節面を構成する
    請求項6、7または8いずれか1項に記載の大豆蛋白素
    材。
  10. 【請求項10】 加熱処理した大豆蛋白溶液をアルカリ
    土類金属の存在下に緩慢凍結することにより得られる、
    層状物が非セル状の氷結晶に沿って配向して成長した構
    造を有する大豆蛋白素材。
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