JP2768543B2 - 電気車の制御装置 - Google Patents

電気車の制御装置

Info

Publication number
JP2768543B2
JP2768543B2 JP23717390A JP23717390A JP2768543B2 JP 2768543 B2 JP2768543 B2 JP 2768543B2 JP 23717390 A JP23717390 A JP 23717390A JP 23717390 A JP23717390 A JP 23717390A JP 2768543 B2 JP2768543 B2 JP 2768543B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control device
constant
motor
current
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23717390A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04121004A (ja
Inventor
哲二 弘津
省司 河西
中村  清
安藤  武
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP23717390A priority Critical patent/JP2768543B2/ja
Publication of JPH04121004A publication Critical patent/JPH04121004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2768543B2 publication Critical patent/JP2768543B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、可変電圧可変周波数インバータ駆動の誘導
電動機を推進用電動機として使用したインバータ式電気
車の制御装置に係り、特に粘着性能の向上が望まれる電
気車に好適な誘導電動機の制御装置に関する。
〔従来の技術〕
近年、インバータ制御の誘導電動機を推進用の電動機
とした電車や電気機関車などの電気車が実用に供される
ようになってきているが、このようなインバータ式電気
車における誘導電動機駆動用のVVVF(可変電圧可変周波
数)インバータの制御方式の従来技術としては、乗心地
向上及び運転の自動化のため定トルク制御が要求されて
いる。
ところで、このうような誘導電動機を駆動電動機とし
て用いた電気車において、定トルク制御を実現するため
には、誘導電動機の電圧Vと周波数fが比例する(V/f
=一定)ように制御し、電動機電流IMが一定になるよう
に誘導電動機のすべり周波数を制御している。
第5図は、従来の誘導電動機を用いた電気車の制御装
置の一例を示しもので、電気車の速度に対応してインバ
ータ出力周波数fINVを制御する周波数制御手段と、電流
IMが一定となるようにすべり周波数を調整する電流制御
手段、及び空転或いは滑走を止める再粘着制御手段とで
構成されている。
詳細に説明すると、架線1の直流電力はパンタグラフ
2、フィルタリアクトル3、フィルタコンデンサ4を介
してインバータ5の入力に供給される。そして、このイ
ンバータ5で直交変換されて可変電圧可変周波数の三相
交流電力が出力され、4台の誘導電動機6A〜6Dに供給さ
れ、これら誘導電動機により力行ならびに回生制動が行
なわれる。
誘導電動機6A〜6Dの回転速度はパルスジェネレータ7A
〜7Dによりパルスとして検出され、周波数演算部8A〜8D
に入力して各電動機毎の回転周波数が演算される。そし
て、最大・最小選択部9Aで、これらの回転周波数の内、
力行時は最小値、回生制動時は最大値が出力され、それ
が基準回転周波数froとなる。この基準回転周波数f
roは、全電動機が空転ないし滑走しない限り、車両速度
に相当する回転周波数となる。
一方、最大最小選択部9Bにおいては、力行時は最大
値、回生制動時は最小値が出力され、空転ないし滑走電
動機回転周波数frsとなる。
また、パターン発生部16からは、トルク制御に必要な
すべり周波数パターンfspが出力され、これが加減算部1
5で基準回転周波数froに加算(力行時)、又は減算(回
生制動時)され、インバータ周波数fINVとなり、インバ
ータ5に入力され、その出力電圧及び周波数が制御され
る。
従って、以上の構成が周波数制御手段になる。
次に、インバータ5の出力電流を変流器10で検出し、
電流検出部11で実効値演算された出力値IMが比較部12に
入力される。そして、これが、パターン発生部16から出
力された電流パターンIpと比較され、その偏差ΔIMが出
力される。この偏差ΔIMは、適当な遅れとゲインを与え
ることにより周波数への換算を行なう定電流制御演算部
13に入力され、その出力Δfs1が切換部14を介して加減
算部15に入力される。
従って、以上の構成が電流制御手段になる。
さらに、加減算部17では、空転又は滑走電動器回転周
波数frsと基準回転周波数froの差fvs(力行時)、又はf
roとfrsの差fvs(回生制動時)を求める。なお、この差
fvsは、全電動機が空転ないし滑走しない限り、空転な
いし滑走速度(空転軸の車輪周速と車両速度の差ないし
車両速度と滑走軸の車輪周速の差)に相当する回転周波
数となる。
そこで、この差fvsは再粘着制御演算部18に入力さ
れ、その出力Δfs2は切換部14を介して加減算部15に入
力される。再粘着制御演算部18ではfvsが設定したレベ
ルを越したことにより空転ないし滑走を検知し、力行時
には空転を止めるため誘導電動機のすべり周波数(fINV
−fro)を減少させる極性の出力Δfs2を、回生制動時に
は滑走を止めるためすべり周波数(fINV−fro)を増加
させる極性の出力Δfs2を出力する。
従って、以上の構成が再粘着制御手段となる。
切換部14は、空転しない滑走が検知されないときは定
電流制御演算部13の出力を加減算部15に入力させ、空転
ないし滑走が検知されたときには再粘着制御演算部18の
出力Δfs2を加減算部15に入力させるように構成してあ
る。
このような従来の制御方法にあっては、空転ないし滑
走を生じない粘着状態では、上記した周波数制御手段と
電流制御手段との作用により、誘導電動機のすべり周波
数と電流が一定に制御され、定トルク制御が行われる。
しかし、誘導電動機で駆動される車輪のいずれかが空転
ないし滑走したときには、当該誘導電動機のすべり周波
数の減少(力行時)、増加(回生制動時)にともなって
電流IMも減少するが、定電流制御演算部13の出力Δfs1
によりIMを電流パターンIpに近づけるように制御するた
め、前記の再粘着制御手段がない場合、空転ないし滑走
軸のトルクが減少せず大空転ないし大滑走を起こし易
い。又、粘着軸のトルクも増大させるため、次々に空転
ないし滑走を誘発し、全軸が空転ないし滑走する機会が
多くなるなどの問題がある。
そこで、従来技術では、前記の再粘着制御手段が設け
られており、これにより、空転ないし滑走速度が予め設
定したレベルを越したら定電流制御を打ち切り、速やか
にすべり周波数が減少(力行時)、又は増加(回生制動
時)させ、トルクを急減させ、空転又は滑走を止める
(再粘着)ようにしているのである。
なお、この種の装置として関連するものとしては、特
開昭54−3711号公報、特開昭55−10002号公報、実開昭5
8−22801号公報、特開平1−243803号公報、又は鉄道総
研報告、'89−5、p54〜61、或いは平成元年電気学会全
国大会講演予稿集P7−193、さらには平成2年電気学会
全国大会講演予稿集P8−167等による開示を挙げること
ができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、誘導電動機固有の定速特性、すなわ
ち、電動機に印加する交流電源の電圧及び周波数が一定
のときには、負荷の変動に見合ってトルクが急変し、回
転速度を一定に保とうとする、好ましい特性を活かす点
についての配慮が十分なされておらず、期待されたほど
粘着性能が得られないこと、空転ないし滑走発生時の乗
心地を害し易いなどの問題があった。
つまり、従来技術では、誘導電動機固有の定速特性が
活かされていないため、再粘着制御がなければ大空転な
いし大滑走になり易いという本質的に好ましくない特性
となってしまい、再粘着制御を施こしても微細な制御が
困難であり、空転ないし滑走速度が大きめとなり、再粘
着制御に際してトルクを大きく減少させ過ぎてしまう傾
向になってしまう。従って、粘着性能が期待したほど得
られないほか、空転ないし滑走が生じたときのけん引力
ないし制動力の変動が大きくなり乗心地を害してしまう
のである。
本発明の目的は、誘導電動機固有の定速特性が充分に
活かされ、優れた粘着性能が得られると供に、空転ない
し滑走が生じたときのけん引力ないし制動力の変動が充
分に小さく抑えられ、快適な乗心地を充分に与えること
ができる電気車の制御装置の提供にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の電気車制御装置は、上記目的を達成するた
め、最大電流一定制御方式による電流制御手段と、すべ
り周波数のフィードバックに必要な、空転ないし滑走速
度相当の回転周波数に、所定の遅れ要素を与える手段と
を設けたものである。
〔作用〕
最大電流一定制御により、任意の電動機が空転ないし
滑走したとき、その電動機の電流は減少し、最大電流は
粘着している電動機の電流となるので、空転ないし滑走
している電動機については定電流制御は行なわれなくな
り、空転ないし滑走の拡大を抑えるように働く。また、
空転ないし滑走速度が遅れ要素を介してフィードバック
されるので、時定数T及びゲインKを適値に選定するこ
とにより自己再粘着性をもたせることができる。
〔実施例〕
ここで、本発明の実施例について説明する前に、ま
ず、本発明によれば、上記した目的が達成できることに
なる理由について、以下に説明する。
まず、このような電気車の制御において、定トルク制
御を適用し、かつ空転ないし滑走を起こした電動機に関
しては、誘導電動機固有の定速特性が現われるようにし
た制御方法としては、従来から、例えば特開昭54−3711
号公報などにより、最大電流一定制御方式として知られ
ているものがある。
これは、第5図の従来例のようにインバータ5の出力
電流を一定に制御するのではなく、各誘導電動機6A〜6D
の電流を検出し、それらのうちの最大の電流を一定に制
御するものである。
このようにすれば、全電動機が粘着状態にあれば当然
定トルク制御が行なわれ、一部の電動機が空転ないし滑
走を起こすと、その電動機の電流は減少するので、粘着
している電動機の電流が最大となり、それが一定に制御
され、他方、空転ないし滑走している電動機に関しては
定電流制御は行なわれず、誘導電動機固有の定速特性に
従った挙動を示す。なお、ここでは説明の簡単化のた
め、各電動機の特性差、車輪径差による各電動機電流差
は無視し得るものとし、全電動機粘着時の各電動機電流
は等しいものとしている。
そこで、この最大電流一定制御の場合について、空転
現象のディジタル計算機によるシミュレーションを行っ
てみると、その結果、空転速度は第5図の場合より小さ
くなるが、振動は伴わず、そのまま一定値に収束するこ
とがわかった。このように空転速度が一定値に収束する
場合、車輪レール間粘着係数が増大しないと再粘着せ
ず、空転を継続することになるので、確実に空転を止め
るためには、前記のような再粘着制御手段を設ける必要
がある。
ところで、直流電動機を用いた交流電気機関車におい
ては、電動機回路に挿入されるリアクトルのインダクタ
ンスの作用により、数km/h以下の低車速域においては空
転速度が振動的となり、自動的に再粘着する(自己再粘
着と称している)ことが知られており、これが特に低車
速域において、このような交流電気機関車の粘着性能が
良好であることの原因と考えられる。
そこで、誘導電動機を用いた電気車においても、上記
交流電気車の場合と同様の自己再粘着性をもたせること
ができれば、粘着性能が格段に向上することが期待され
る。
一方、定トルク制御を行わない誘導電動機式電気車の
モデルについて、各部の定数を変化させた空転シミュレ
ーションにより、実用的範囲内での定数変更によっては
自己再粘着性をもたせられないことを示した研究が知ら
れている(平成元年電気学会全国大会講演予稿集P7−19
3)。
さらに、トルク指令値を与え、その指令値相当のトル
クを発生させるためのインバータ出力電圧を演算するよ
うにし、低トルク制御は行なわないようにした制御方式
において、空転時のトルク変動が上記した交流電気機関
車の場合と同様となるように、空転速度を1次遅れを介
してフィードバックし、トルク指令を減少させることに
より自己再粘着性を持たせ得ることを示した研究も知ら
れている(平成2年電気学会全国大会講演予稿集P8−16
7)。
ところで、第5図の従来例のように、インバータ5の
出力電流を一定に制御する方式では、前記のようにそれ
が空転ないし滑走を助長する作用をするので、それに空
転ないし滑走速度を1次遅れを介してフィードバックす
る系を付加しても、自己再粘着性は持たせられ得ない。
しかし、最大電流一定制御として空転ないし滑走電動
機に関しては定電流制御が働らかないようにして、前記
フィードバックを付加すれば自己再粘着性が得られると
考えて、シミュレーションを行った結果が第4図であ
る。
この第4図は、種々の場合についての1個の電動機が
空転したときのシミュレーション結果の一例である。
まず、第4図(i)は、第5図と同様のインバータ出
力電流一定制御とし、再粘着制御演算部18は働らかせな
い場合(Δfs2=0としたもの)であり、空転している
電動機数が増えるにつれ、さらに空転速度が増大するこ
とが示されている。
次に、同図(ii)は、前記の最大電流一定制御で再粘
着制御は働かせない場合であり、空転速度は一定値に収
束し、自己再粘着性は現われていないことが示されてい
る。
しかして、同図(iii)は、本発明の一実施例の場合
であり、1次遅れのゲインを3.0に、そして時定数は0.3
秒に設定し、フィードバック系に不感帯を設けない場合
の特性で、空転速度は短時間でゼロに戻り、自己再粘着
性が充分に現われていることが判る。
ところで、この(iii)の本発明の実施例の場合、フ
ィードバック系に1次遅れがあるのでノイズは低減され
ている。従って、不感帯は必らずしも必要ではない。し
かし、レール継目などによる振動が大きい場合や、急な
カーブが存在する場合等において、それによりトルクが
変動しない程度の不感帯を、空転ないし滑走速度相当の
回転周波数検出部に設けた方が望ましいこともある。
第4図(iv)は、このような場合に対応した本発明の
一実施例のシミュレーション結果で、不感帯は、車両速
度を20km/hとして、すべり率(空転ないし滑走速度/車
両速度)1%相当とし、遅れ要素のゲインは6.0、時定
数は0.3秒としている。このように、不感帯を設けて
も、ゲインを大きくすれば充分に自己再粘着性を持たせ
得ることが判る。
なお、この第4図は、力行時での空転のシミュレーシ
ョン結果であるが、回生制動時の滑走の場合はトルクの
作用方向が空転のときと逆になるだけで、基本的には空
転の場合と同じであり、第4図と同様の結果となる。
以上のことを踏まえ、以下、本発明による電気車の制
御装置について、図示の実施例により詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例で、第5図と同じ符号を付
してあるものは同じ機能を有するものとしてある。
この第1図に示した実施例が、第5図の従来例と異な
る点は、4台の誘導電動機6A〜6Dに対応して、同じく4
個の変流器10A〜10Dと4個の電流検出部11A〜11Dを設け
ると共に、最大値選択部20を追加し、さらに再粘着制御
演算部18に代えて1次遅れ要素21が設けられ、且つ、切
換部14が省略されている点にある。
各誘導電動機6A〜6Dの電流は、各変流器10A〜10Dによ
り検出され、電流検出部11A〜11Dで実効値演算される。
そして、それらのうちの最大値IMAXを最大値選択部20で
選択し、この最大値IMAXを電流パターンIpと比較し、そ
の偏差によってすべり周波数を制御することによって最
大電流IMAXが一定となるように制御する。
一方、空転ないし滑走速度に相当する回転周波数fvs
は1次遅れ要素21に入力され、該1次遅れ要素21の出力
Δfs2により、すべり周波数を減少(力行時)ないし増
加(回生制御時)させるように制御する。なお、この1
次遅れ要素21において、Tは時定数、Kはゲインであ
る。
そこで、この実施例では、最大電流一定制御とし、か
つ空転ないし滑走速度に1次遅れを持たせてフィードバ
ックしているものであり、この結果、何れかの電動機が
空転ないし滑走したとすると、その電動機の電流が減少
し、最大電流IMAXは粘着している電動機の電流となるの
で、空転ないし滑走した電動機については定電流制御が
行なわれなくなり、さらに空転ないし滑走速度が1次遅
れ要素を介してフィードバックされるので、時定数T及
びゲインKを適値に選定することにより、自己再粘着性
をもたせることができるようになり、従って、第4図
(iii)に示した通りの特性が得られ、充分な粘着特性
と優れた乗り心地を与えることができるのである。
次に、第2図により、本発明の他の一実施例について
説明する。
この第2図の実施例でも各電動機の電流の最大値IMAX
を定電流制御する点では第1図の実施例と同様である
が、この実施例が第1図の実施例と異なる点は、インバ
ータ5A〜5Dを図示のように各電動機6A〜6Dごとに個別に
設け、各電動機ごとに独立にインバータ出力を制御でき
るようにした点にあり、このため、4個の加減算部17A
〜17Dと、4個の1次遅れ要素21A〜21D、4個の加減算
部22A〜22D及び4個の加減算部23A〜23Dを設けたもので
ある。なお、加減算部22A〜22D、23A〜23Dは、第1図の
実施例における加減算部15と同じ機能のものを、説明の
便宜上、2群に分けて図示したものである。
加減算部17A〜17Dにより、力行時には各電動機6A〜6D
の回転周波数frA〜frDと基準回転周波数froの差fvsA〜f
vsDを、そして回生制動時にはfroとfrA〜frDとの差fvsA
〜fvsDをそれぞれ求める。従って、これらの差fvsA〜f
vsDは、全電動機が空転ないし滑走しない限り、各電動
機の空転ないし滑走速度に相当する回転周波数である。
これらの差fvsA〜fvsDは1次遅れ要素21A〜21Dに入力
され、各1次遅れ要素の出力Δfs2A〜Δfs2Dにより各電
動機のすべり周波数を減少(力行時)、ないし増加(回
生制動時)させるように、加減算部22A〜22D及び加減算
部23A〜23Dによりフィードバックされる。
このような構成であるから、任意の電動機が空転ない
し滑走したとき、その電動機の電流が減少し、最大電流
IMAXは粘着している電動機の電流値となるので、空転な
いし滑走電動機に対しては定電流制御が行なわれない。
さらに、各電動機ごとの空転ないし滑走速度が1次遅れ
要素を介してフィードバックされるので、時定数T及び
ゲインKを適値に選定することによって自己再粘着性を
もたせることができる。
そして、上記第1図の実施例では、1台のインバータ
4台の電動機を制御しているため、自己再粘着機能が作
動したとき、粘着している電動機のトルクも減少するの
に対して、この第2図の実施例では、粘着している電動
機のトルクには影響をおよぼさないという長所がある。
ところで、以上の説明では、基準回転周波数として、
各電動機の回転周波数の最小値(力行時)ないし最大値
(回生制動時)を用いる場合について説明したが、付随
車の車輪にパルスジェネレータを設け、それより車両速
度相当の回転周波数を求めて基準回転周波数として利用
することができ、そのようにすれば全電動機が空転ない
し滑走したときでも自己再粘着性をもたらせられる効果
がある。
又、上記実施例では、パルスジェネレータにより電動
機の回転数検出を行なっているが、他の回転数検出手段
により誘導電動機の回転数を検出しても同様の効果が得
られる。
さらに、以上の実施例では、空転ないし滑走速度フィ
ードバック系に不感帯を設けていないが、前記のよう
に、すべり率1%程度の不感帯を設けても、ゲインを大
きくすることにより自己再粘着性をもたせ得る。
第3図は、第1図の実施例に不感帯を挿入した場合の
空転ないし滑走速度フィードバック系の一実施例で、24
が不感帯要素を示す。
この不感帯要素24は、図示のように、入力である空転
ないし滑走速度相当の回転周波数fvsが不感帯値Δより
小さいときは出力を零とし、fvsが不感帯値Δより大き
いときはfvs−Δを出力するものである。
この不感帯値Δは、全電動機が粘着しているときに、
車両の振動、曲線路通過等の外乱が与えられたときで
も、これにより問題となるようなトルク変動が生じない
ような最小の値とする。
このような不感帯を設けることによって、上記の外乱
による影響を問題のない程度に抑制できる効果があり、
1次遅れ要素21のゲインK、時定数Tを適値に選定する
ことにより自己粘着性をもたせるという本発明の主目的
を達成できることは前記のとおりである。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、粘着性能の優
れた誘導電動機式の電気車制御装置を提供することがで
き、電気機関車に適用した場合においては、軽量の機関
車で大量の客車や貨車のけん引が可能となり、電車に適
用した場合においては、高加速高減速運転が可能にな
り、1列車内での電動車両数の減少が期待できるので、
経済的な効果も大きい。
さらに空転ないし滑走時のトルク変化が小さいので乗
心地が格段に向上する効果もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による電気車の制御装置の一実施例を示
す全体構成図、第2図は同じく本発明の他の一実施例を
示す全体構成図、第3図は本発明における不感帯要素の
一実施例を示すブロック図、第4図は動作説明用の特性
図、第5図は従来例の全体構成図である。 1……架線、2……パンタグラフ、3……フィルタリア
クトル、4……フィルタコンデンサ、5……インバータ
5、6A〜6D……誘導電動機、7A〜7D……パルスジェネレ
ータ、8A〜8D……周波数演算部、9A、9B……最大・最小
選択部、10A〜10D……変流器、11A〜11D……電流検出
部、12……比較部、13……定電流制御演算部、15、17…
…加減算部、16……パターン発生部、20……最大値選択
部、21……1次遅れ要素。
フロントページの続き (72)発明者 安藤 武 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭50−114531(JP,A) 特開 平2−119503(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 3/00 - 3/12 B60L 9/00 - 9/32 B60L 13/00 B60L 15/00 - 15/42

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可変電圧可変周波数インバータで制御され
    る少なくとも2台の誘導電動機を動輪駆動用電動機とし
    て用いた電気車の制御装置において、上記少なくとも2
    台の誘導電動機の各電流検出値の中から最大値を示す電
    流値が所定の一定値を保つように制御する定電流制御手
    段と、空転速度又は滑走速度の検出結果に所定の遅れ特
    性を与える信号伝達手段と、この信号伝達手段を介して
    入力された空転速度又は滑走速度より上記電動機の滑り
    周波数を制御する再粘着制御手段とを設け、これら定電
    流制御手段と再粘着制御手段とにより上記可変電圧可変
    周波数インバータの出力周波数が制御されるように構成
    したことを特徴とする電気車の制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の発明において、上記可変電圧可
    変周波数インバータの設置台数が1であり、この1台の
    インバータにより上記少なくとも2台の誘導電動機が共
    通に制御されるように構成したことを特徴とする電気車
    の制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1の発明において、上記可変電圧可
    変周波数インバータの設置台数が上記少なくとも2台の
    誘導電動機の設置個数と同数であり、これらインバータ
    により上記少なくとも2台の誘導電動機が個別に制御さ
    れるように構成したことを特徴とする電気車の制御装
    置。
  4. 【請求項4】請求項1の発明において、上記再粘着制御
    手段に含まれているフィードバック系に不感帯が設定さ
    れていることを特徴とする電気車の制御装置。
JP23717390A 1990-09-10 1990-09-10 電気車の制御装置 Expired - Lifetime JP2768543B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23717390A JP2768543B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 電気車の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23717390A JP2768543B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 電気車の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04121004A JPH04121004A (ja) 1992-04-22
JP2768543B2 true JP2768543B2 (ja) 1998-06-25

Family

ID=17011461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23717390A Expired - Lifetime JP2768543B2 (ja) 1990-09-10 1990-09-10 電気車の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2768543B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0600364B1 (en) * 1992-11-30 1997-04-23 Hitachi, Ltd. Inverter controlled induction motor driving system for electric rolling stock
WO2005110801A1 (ja) 2004-05-19 2005-11-24 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha 電気車制御装置
CN102050122B (zh) * 2010-12-16 2012-09-05 中国北车集团大连机车车辆有限公司 机车防空转滑行控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04121004A (ja) 1992-04-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07106007B2 (ja) 鉄道車両の粘着制御装置
JPH0880082A (ja) 電気車の制御装置
US4392091A (en) Vehicle propulsion control apparatus and method
JP2768543B2 (ja) 電気車の制御装置
WO1992012873A1 (en) Apparatus for controlling electric car
JP2674999B2 (ja) 列車駆動システム
JP2824696B2 (ja) 電気車制御装置
JP2735237B2 (ja) 鉄道車両用制御装置
JPH02141354A (ja) 電気車のブレーキ制御装置
JPH07131907A (ja) 電車のインバータ群制御装置
Hwang et al. Re-adhesion control for high-speed electric railway with parallel motor control system
JP2592536B2 (ja) 電力変換装置の制御装置
JPH0454801A (ja) 電気車制御装置
JPH0522442B2 (ja)
JP2000224708A (ja) 電気車制御装置
JPH08154306A (ja) 電気車主回路システム
JPS61116903A (ja) 電気車用走行制御装置
JPS6098804A (ja) 電気車の制御装置
JPS6112444B2 (ja)
JPH09182208A (ja) 電気車制動方法
JPH0382301A (ja) 電気車の駆動制御装置
Bredenberg Regenerative braking for direct-current locomotives
JPH0469002A (ja) インバータ電気車の制御方法
JPS60148302A (ja) 電気車用ブレ−キ制御装置
JP2731155B2 (ja) 電気車制御装置