JP2824696B2 - 電気車制御装置 - Google Patents

電気車制御装置

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JP2824696B2
JP2824696B2 JP23767290A JP23767290A JP2824696B2 JP 2824696 B2 JP2824696 B2 JP 2824696B2 JP 23767290 A JP23767290 A JP 23767290A JP 23767290 A JP23767290 A JP 23767290A JP 2824696 B2 JP2824696 B2 JP 2824696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気車制御装置に係り、特に、可変電圧、可
変周波数インバータの出力電力を誘導電動機に供給し、
誘導電動機によって電気車を駆動するに好適な電気車制
御装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、電気車においては、乗り心地向上および運転
の自動化のため一定トルクの制御が要求されている。そ
こで、誘導電動機を駆動電動機として用いている電気車
において一定トルク制御を実現するために、誘導電動機
の電圧Vと周波数fが比例するようにV/f=一定制御を
行うと共に電動機の出力電流が一定となるように、誘導
電動機のすべり周波数を制御する方法が採用されてい
る。
ところが、電流一定制御を行うと、誘導電動機で駆動
されている車輪のいずれかが空転ないし滑走したときに
は、誘導電動機のすべり周波数の減少(力行時)、増加
(回生静動時)に伴って電流も減少するが、モータ電流
が電流パターンに近付くように制御されるため、空転な
いし滑走軸のトルクが減少せずに、大空転ないし大滑走
を起しやすくなる。また粘着軸のトルクも増大するた
め、次々に空転ないし滑走を誘発し、全軸が空転ないし
滑走する機会が多くなる。そのため、空転ないし滑走速
度が予め設定したレベルを越えたときに、定電流制御に
代って、力行時にはすべり周波数を減少させ、回生制動
時にはすべり周波数を増加させてトルクを急激に低下さ
せて、空転ないし滑走を防止するようにした再粘着制御
方法が採用されている。
ところが、この制御方法では、誘導電動機固有の定速
特性を活かすことができず、空転ないし滑走速度が設定
レベルを越えたときにすべり周波数を調整しても、すべ
り周波数を微細に制御することが困難であり、空転ない
し滑走速度が大き目となり、再粘着制御によってトルク
が大きく減少し、空転ないし滑走が生じた時の索引力な
いし制動力の変動が大きく、乗り心地の向上を図ること
が困難であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、誘導電動機固有の定速特性(電動
機に印加する交流電源の電圧および周波数が一定のと
き、他の変動に見合ってトルクが急変し、回転速度が一
定となる特性)を活かすことについて十分に配慮されて
おらず、粘着性能を高めることができないので、空転な
いし滑走時に乗り心地を害しやすいという不具合があ
る。
そこで、誘導電動機固有の定数特性を活かす制御方法
として、特開昭54−3711号公報に記載されているよう
に、誘導電動機群の中の最大の電流を一定に制御するよ
うにしたものが提案されている。このような制御方法を
行えば、一部の電動機が空転ないし滑走を起こすと、そ
の電動機の電流が減少するので、粘着電動機の電流が最
大となり、それが一定に制御され、空転ないし滑走電動
機に対して定電流制御を行われず、誘導電動機固有の定
速特性に従って駆動することができる。ところが、この
制御方法では、空転速度は小さくなるが空転速度が振動
せずに一定値に収束し、車輪とレール間の粘着係数が増
大するまで空転が継続されることになる。
また、電流パターンとインバータの出力電流との偏差
を零に抑制するための定電流制御系に、滑走ないし空転
速度に応じた電流パターンを減少させる電流しぼりを設
けたものが提案されているが、この方法によっても十分
な再粘着性能を得ることができない。更に、平成2年電
気学会全国講演予行集8頁〜167頁に記載されているよ
うに、定電流制御に加えて、空転速度を一時遅れ要素を
介してフィードバックしてトルク指令を減少させるよう
にしたものも提案されているが、この方法でも再粘着性
能を十分に高めることができなかった。
本発明の目的は、電気車の駆動輪が滑走または空転し
たときに電気車の駆動輪を自動的に再粘着させることが
できる電気車制御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
前記目的を達成するために、本発明は、第1の装置と
して、電気車の駆動輪を駆動する複数の電動機と、スイ
ッチング信号により直流電力を交流電力に変換して各誘
導電動機に供給する可変電圧可変周波数インバータと、
各誘導電動機の回転周波数を検出する複数の回転周波数
検出手段と、各回転周波数検出手段の出力から電気車の
運転モードに応じた基準回転周波数を検出する基準回転
周波数検出手段と、各回転周波数検出手段の出力を基に
非粘着状態の駆動輪に連結された誘導電動機の異常回転
周波数を検出する異常回転周波数検出手段と、基準回転
周波数と異常回転周波数との偏差を電気車の運転モード
に応じて算出する偏差算出手段と、インバータの目標出
力電流に対応した電流指令を出力する電流指令手段と、
各誘導電動機の目標トルクに対応したすべり周波数指令
を出力するすべり周波数指令手段と、インバータの出力
電流を検出する電流検出手段と、偏差算出手段の出力を
比例要素を介して入力した信号と電流検出手段の出力と
の和を減算値として、この減算値と電流指令との偏差に
応じた電流偏差信号を出力する電流偏差信号発生手段
と、電流偏差信号を零に抑制するための周波数信号を出
力する周波数信号出力手段と、偏差算出手段の出力を遅
れ要素を介して入力した信号と周波数信号出力手段の出
力信号および基準回転周波数検出手段の出力信号により
前記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべり周波
数指令に従ったスイッチング信号をインバータに供給す
るスイッチング信号発生手段とを備えて構成されている
電気車制御装置を構成したものである。
第2の装置として、電気車の駆動輪を駆動する複数の
電動機と、スイッチング信号により直流電力を交流電力
に変換して各誘導電動機に供給する可変電圧可変周波数
インバータと、各誘導電動機の回転周波数を検出する複
数の回転周波数検出手段と、電気車の特定の車輪の回転
数を監視して基準回転周波数を検出する基準回転周波数
検出手段と、各回転周波数検出手段の出力を基に非粘着
状態の駆動輪に連結された誘導電動機の異常回転周波数
を検出する異常回転周波数検出手段と、基準回転周波数
と異常回転周波数との偏差を電気車の運転モードに応じ
て算出する偏差算出手段と、インバータの目標出力電力
に対応した電流指令を出力する電流指令手段と、各誘導
電動機の目標トルクに対応したすべり周波数指令を出力
するすべり周波数指令手段と、インバータの出力電流を
検出する電流検出手段と、偏差算出手段の出力を比例要
素を介して入力した信号と電流検出手段の出力との和を
減算値として、この減算値と電流指令との偏差に応じた
電流偏差信号を出力する電流偏差信号発生手段と、電流
偏差信号を零に抑制するための周波数信号を出力する周
波数信号出力手段と、偏差算出手段の出力を遅れ要素を
介して入力した信号と周波数信号出力手段の出力信号に
より前記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべり
周波数指令に従ったスイッチング信号をインバータに供
給するスイッチング信号発生手段とを備えて構成されて
いる電気車制御装置を構成したものである。
第3の装置として、電気車の駆動輪を駆動する複数の
電動機と、スイッチング信号により直流電力を交流電力
に変換して各誘導電動機にそれぞれ供給する複数の可変
電圧可変周波数インバータと、各誘導電動機の回転周波
数を検出する複数の回転周波数検出手段と、各回転周波
数検出手段の出力から電気車の運転モードに応じた基準
回転周波数を検出する基準回転周波数検出手段と、各回
転周波数検出手段の出力と基準回転周波数との偏差を電
気車の運転モードに応じて算出する複数の偏差算出手段
と、各インバータの目標出力電流に対応した電流指令を
出力する電流指令手段と、各誘導電動機の目標トルクに
対応したすべり周波数指令を出力するすべり周波数指令
手段と、各インバータの出力電流を検出する複数の電流
検出手段と、各偏差算出手段の出力を比例要素を介して
入力した信号と各電流検出手段の出力との和を減算値と
して、この減算値と電流指令との偏差に応じた電流偏差
信号を出力する複数の電流偏差信号発生手段と、各電流
偏差信号をそれぞれ零に抑制するための周波数信号を出
力する複数の周波数信号出力手段と、各偏差算出手段の
出力を遅れ要素を介して入力した信号と各周波数信号出
力手段の出力信号および基準回転周波数検出手段の出力
により前記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべ
り周波数指令に従ったスイッチング信号を各インバータ
に供給する複数のスイッチング信号発生手段とを備えて
構成されている電気車制御装置を構成したものである。
第4の装置として、電気車の駆動輪を駆動する複数の
電動機と、スイッチング信号により直流電力を交流電力
に変換して各誘導電動機に供給する可変電圧可変周波数
インバータと、各誘導電動機の回転周波数を検出する複
数の回転周波数検出手段と、電気車の特定の車輪の回転
数を監視して基準回転周波数を検出する基準回転周波数
検出手段と、各回転周波数検出手段の出力と基準回転周
波数との偏差を電気車の運転モードに応じて算出する複
数の偏差算出手段と、各インバータの目標出力電流に対
応した電流指令を出力する電流指令手段と、各誘導電動
機の目標トルクに対応したすべり周波数指令を出力する
すべり周波数指令手段と、各インバータの出力電流を検
出する複数の電流検出手段と、各偏差算出手段の出力を
比例要素を介して入力した信号と各電流検出手段の出力
との和を減算値として、この減算値と電流指令との偏差
に応じた電流偏差信号を出力する複数の電流偏差信号発
生手段と、各電流偏差信号をそれぞれ零に抑制するため
の周波数信号を出力する複数の周波数信号出力手段と、
各偏差算出手段の出力を遅れ要素を介して入力した信号
と各周波数信号出力手段の出力信号および基準回転周波
数検出手段の出力により前記すべり周波数指令を補正
し、補正されたすべり周波数指令に従ったスイッチング
信号を各インバータに供給する複数のスイッチンク信号
発生手段とを備えて構成されている電気車制御装置を構
成したものである。
第1〜第4の装置のうちいずれか一つの装置を含む第
5の装置として、偏差算出手段の出力とスイッチング信
号発生手段の入力とを結ぶ系のうち遅れ要素を含む系
に、偏差算出手段の出力レベルが設定レベルを越えたと
きに偏差信号を出力する不感帯要素を挿入してなる電気
車制御装置を構成したものである。
第1〜第5の装置のうちいずれか一つの装置を含む第
6の装置として、遅れ要素は、各回転周波数検出手段
と、インバータとを結ぶフィードバック系が振動系とな
る要素で構成されてなる電気車制御装置を構成したもの
である。
〔作用〕
本発明は、直流電動機を用いた交流電動機関車におい
ては、電動機回路に挿入されるリアクトルのインダクタ
ンスの作用により、数km/h以下の低車速時において、空
転速度が振動的となって車輪が自動的に再粘着されるこ
とに着目してなされたものであり、誘導電動機を用いた
電気車においても、交流電気車と同様の自己再粘着性を
有するモデルについてシュミレーションを行ったとこ
ろ、第4図に示されるような結果が得られた。
第4図は種々の場合についての1個の誘導電動機が空
転したときのシュミレーション結果の一例である。第4
図の(A)は、インバータの出力電流を一定とする制御
系に電流パターンを絞る電流パターンがなく、またすべ
り周波数のフィードバック系に一次遅れ要素がないもの
のシュミレーション結果を示す。
第4図(B)は、定電流制御系に電流パターンの絞り
があるがすべり周波数のフィードバック系に一次遅れ要
素がないもののシシュミレーション結果を示す。
第4図の(C)は、定電流制御系に電流パターンの絞
りがないすべり周波数のフィードバック系に一次遅れ要
素があるもののシュミレーション結果を示す。
第4図の(A)〜(C)に示されるシュミレーション
結果から空転速度が振動特性を示さないため、空転速度
が一定値に収束するだけで、自己再粘着特性を示さない
ことが理解できる。
一方、第4図の(D),(E)は、それぞれ本発明に
係る装置のシュミレーション結果であり、定電流制御系
に電流パターンの絞りを設けると共にすべり周波数のフ
ィードバック系に一次遅れ要素を設けたもののシュミレ
ーション結果である。
第4図の(D),(E)から空転速度が振動的とな
り、自己再粘着特性を示すことが理解される。なお、第
4図の(D)に示すシュミレーションでは、電流パター
ンの絞り系のゲインは400A/Hz、一次遅れ要素のゲイン
は3.0で、時定数Tは0.3秒としたものを示している。
また第4図の(E)はすべり周波数のフィードバック
系に不感帯要素を設け、車両が急なカーブを走行すると
き等において、振動したときのノイズによって自己再粘
着性が影響を受けないようにしたものである。この場合
不感帯はすべり率(空転速度/車両速度)1%(車両速
度は20km/h)相当とし、電流パターンを減少させる絞り
系のゲインK1は400A/Hz、一次遅れ要素のゲインK2は6.
0、時定数Tは0.3秒に設定されている。このように、ゲ
インK2を大きく設定すれば、不感帯要素を設けても、自
己再粘着特性を持たせることが可能となる。
また第4図では、カ行時の空転シュミレーション結果
を示しているが、回生制動時の滑走の場合には、トルク
の作用方向が空転のときと逆となるだけで、基本的には
空転と同様であり、第4図と同様のシュミレーション結
果が得られた。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図において、インバータ5は複数の誘導電動機6
A,6B,6C,6Dと共に電気車に搭載されており、インバータ
5には架線1からの直流電力がパンタグラフ2、フィル
タリアクトル3、フィルタコンデンサ4を介して入力さ
れている。インバータ5はスイッチング素子等を備え、
スイッチング信号により電流電力を交流電力に変換し、
この交流電力を各誘導電動機6A〜6Dに供給すると共に、
スイッチング信号により出力電圧および周波数を可変と
する可変電圧、可変周波数インバータとして構成されて
いる。
各電動機6A〜6Dは電気車の駆動輪を駆動するようにな
っており、各電動機には各電動機の回転周波数を検出す
るためのパルスジェネレータ7A,7B,7C,7D設けられてお
り、各パルスジェネレータの出力が周波数演算部8A,8B,
8C,8Dに入力されている。そして各演算部8A〜8Dにおい
て各電動機6A〜6Dの回転周波数が算出されるようになっ
ている。すなわち、パルスジェネレータ7A〜7D、周波数
演算部8A〜8Dは回転周波数検出手段として構成されてい
る。そして各演算部8A〜8Dの出力は最大最小選択部9A,9
Bに入力されている。選択部9Aはカ行時に最小値を選択
し、回生制動時には最大値を選択し、選択した回転周波
数を基準回転周波数froとして出力する基準回転周波数
検出手段として構成されている。一方、選択部9Bはカ行
時に最大値を選択し、回生制動時には最小値を選択し、
選択した回転周波数を空転または滑走時における電動機
の回転周波数frsとして出力する異常回転周波数検出手
段として構成されている。そして各選択部9A,9Bの出力
がそれぞれ加減算部17に入力されている。
加減算部17は、カ行時に基準回転周波数froを減算値
として、回転周波数frsと基準回転周波数froとの偏差に
応じた信号fvsを出力し、回生制動時には、回転周波数f
rsを減算値として、回転周波数frsと基準回転周波数fro
との偏差に応じた信号fvsを出力する偏差算出手段とし
て構成されている。偏差に応じた信号fvsは、各電動機
が空転ないし滑走しない限り、空転ないし滑走速度(空
転軸の車輪周速と車両速度の差ないし車両速度と滑走軸
の車輪周速の差)に相当する回転周波数である。そして
加減算部17の出力fvsは比例要素20を介して比較部12に
入力されると共に一時遅れ要素21を介して加減算部15に
入力されるようになっている。
比較部12には、パターン発生部16からインバータ5の
目標出力電流に対応した電流指令を示す電流パターンIP
が入力されていると共に、電流検出手段を構成する変流
器10と電流検出部11からインバータ5の出力電流IMが入
力されている。そして比較部12は、信号fvsをゲインK1
の比例要素20を介して入力した信号と電流IMとの和を減
算値として、この減算値を電流パターンIPとの偏差に応
じた信号ΔIMを出力するようになっている。すなわち、
比較部12は電流偏差信号発生手段として構成されてい
る。そしてこの信号は定電流制御演算部13に入力されて
いる。この信号が演算部13に入力されると、演算部13か
らは、電流偏差信号ΔIMを零に抑制するための周波数信
号を出力するようになっている。すなわち、演算部13は
周波数信号出力手段として構成されている。
加減算部15には演算部13と一次遅れ要素21および選択
部9Aの出力が入力されていると共に、パターン発生部16
から各電動機の目標トルクに対応したすべり周波数指令
を示すすべり周波数パターンfspが入力されている。そ
してカ行時には一次遅れ要素21の出力が減算値として入
力され、回生制動時にはすべり周波数パターンfspが減
算値として入力されるようになっている。すなわち加減
算部15にはすべり周波数パターンfspを演算部13と一次
遅れ要素21および選択部9Aの出力信号によって補正し、
補正されたすべり周波数パターンをインバータ周波数f
INVとするスイッチング信号をインバータ5へ供給する
スイッチング信号発生手段として構成されている。
以上の構成において、インバータ周波数fINVに従って
インバータ5の出力電圧および周波数が制御され、電動
機6A〜6Dの駆動が行われる。このときインバータ5の出
力電流は電流パターンIpに従って制御され、比例要素20
の出力が電流絞りとして機能する。更に空転ないし滑走
速度相当の回転周波数fvsが一次遅れ要素21を介して加
減算部15に入力されるため、カ行時にはすべり周波数が
減少するように制御され、回生制動時にはすべり周波数
が増加するように制御される。そしていずれかの電動機
に連結された車輪が滑走または空転すると、空転速度ま
たは滑走速度が振動特性を示し、自動的に車輪が再粘着
する自己再粘着性を持たせることができる。このため、
空転ないし滑走時のトルク変動を小さく抑制することが
可能となり、乗り心地の向上に寄与することができる。
更に本実施例を機関車に適用すれば軽量で多量の貨車を
索引することが可能になり、電車に適用すれば高加速高
加減速運転が可能となり、電動車の数を減少させること
が期待できる。
次に本実施例の他の実施例を第2図に示す。
本実施例は、1台の車両に4台のインバータ5A,5B,5
C,5Dを設け、各インバータ5A〜5Dの出力をそれぞれ電動
機6A〜6Dに接続し、更に各インバータ5A〜5Dの出力に変
流器10A〜10D、電流検出部11A〜11Dを設け、更に各イン
バータ5A〜5D対応させて加減算部17A〜17D、比例要素20
A〜20D、一次遅れ要素21A〜21D、比較部12A〜12D、低電
流制御演算部13A〜13D、加減算部15A〜15Dを設け、各周
波数演算部8A〜8Dの出力を加減算部17A〜17に供給し、
選択部9Aの出力を加減算部17A〜17Dに入力させるように
したものである。すなわち、各電動機6A〜6Dをインバー
タ5A〜5Dへ独立に制御するようにしたものである。
本実施例においても、前記実施例と同様に、比例要素
20A〜20Dが電流絞りとして機能し、各一次遅れ要素21A
〜21Dの出力が加減算部15A〜15Dに入力され、すべり周
波数がカ行時には減少するように制御され、回生制動時
には増加するように制御される。そしていずれかの電動
機に接続された車輪が滑走または空転すると、空転速度
または滑走速度が振動特性を示し、非粘着状態にある車
輪が自動的に再粘着される。この場合、前記実施例にお
いては、いずれかの電動機の滑走または空転が検出され
るとすべての電動機のトルクが減少するように制御され
るのに対して、本実施例では、非粘着状態にある電動機
のみがトルク減少されるため、粘着状態にある電動機の
トルクに影響を及ぼすことはない。
また前記各実施例において、基準回転周波数froを検
出するに際して、パルスジェネレータ7A〜7D、周波数演
算部8A〜8D、最大最小選択部9Aを設けるものについて述
べたが、電車の特定の車輪例えば、付随車の車輪にパル
スジェネレータを設け、このパルスジェネレータの出力
信号を車両速度相当の回転周波数として検出すれば、こ
の回転周波数を基準回転周波数として利用することがで
きる。この場合には、すべての電動機が空転ないし滑走
したときでも、事故再粘着性を持たせることができる。
次に、第3図に示されるように、加減算部17と一次遅
れ要素21との間に不感帯要素24を設け、加減算部17の出
力レベルが一定レベルを越えたときのみ一次遅れ要素21
から信号を出力するようにすれば、電車がレールの継目
等を走行したり、急なカーブを走行したりしたときの振
動に伴うノイズによって、自己再粘着性が影響を受ける
のを防止することができる。
この不感体要素21は、回転周波数fvsの不感体値Δよ
り小さいときには出力を零とし、周波数fvsがΔより大
きいときにはfvs−Δの信号を出力するように構成され
ている。そしてこの不感体値Δはすべての電動機の粘着
時に車両の振動、曲線路等の外乱によってトルク変動が
生じないような最小の値に設定されている。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、インバータを
制御する制御系に電流絞りを設けると共に遅れ要素を設
け、空転速度および滑走速度が振動特性を示すようにし
て電気車の滑走または空転時に車輪が自動的に再粘着す
る自己再粘着性を持たせるようにしたため、空転ないし
滑走時のトルク変動を小さくすることができ、乗り心地
の向上に寄与することができる。また機関車においては
軽量で多量の貨車を牽引することが可能となり、電車に
おいては、高加速高加減速運転が可能となり、電動車数
の減少に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す構成図、第2図は本発
明の他の実施例を示す構成図、第3図は不感帯要素の構
成説明図、第4図は従来方式と本発明の方式による空転
シミュレーション結果を示す特性図である。 5,5A,5B,5C,5D……インバータ、 6A,6B,6C,6D……誘導電動機、 7A,7B,7C,7D……トルスジェネレータ、 9A,9B……最大最小選択部、 10,10A,10B,10C……変流器、 12……比較部、13……定電流制御演算部、 15……加減算部、16……パターン発生部、 17……加減算部、20……比例要素、 21……一次遅れ要素、24……不感帯要素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 武 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭64−60204(JP,A) 特開 昭53−146115(JP,A) 特開 平2−164203(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60L 3/00 - 3/12 B60L 9/00 - 9/32 B60L 15/00 - 15/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気車の駆動輪を駆動する複数の電動機
    と、スイッチング信号により直流電力を交流電力に変換
    して各誘導電動機に供給する可変電圧可変周波数インバ
    ータと、各誘導電動機の回転周波数を検出する複数の回
    転周波数検出手段と、各回転周波数検出手段の出力から
    電気車の運転モードに応じた基準回転周波数を検出する
    基準回転周波数検出手段と、各回転周波数検出手段の出
    力を基に非粘着状態の駆動輪に連結された誘導電動機の
    異常回転周波数を検出する異常回転周波数検出手段と、
    基準回転周波数と異常回転周波数との偏差を電気車の運
    転モードに応じて算出する偏差算出手段と、インバータ
    の目標出力電流に対応した電流指令を出力する電流指令
    手段と、各誘導電動機の目標トルクに対応したすべり周
    波数指令を出力するすべり周波数指令手段と、インバー
    タの出力電流を検出する電流検出手段と、偏差算出手段
    の出力を比例要素を介して入力した信号と電流検出手段
    の出力との和を減算値として、この減算値と電流指令と
    の偏差に応じた電流偏差信号を出力する電流偏差信号発
    生手段と、電流偏差信号を零に抑制するための周波数信
    号を出力する周波数信号出力手段と、偏差算出手段の出
    力を遅れ要素を介して入力した信号と周波数信号出力手
    段の出力信号および基準回転周波数検出手段の出力信号
    により前記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべ
    り周波数指令に従ったスイッチング信号をインバータに
    供給するスイッチング信号発生手段とを備えて構成され
    ている電気車制御装置。
  2. 【請求項2】電気車の駆動輪を駆動する複数の電動機
    と、スイッチング信号により直流電力を交流電力に変換
    して各誘導電動機に供給する可変電圧可変周波数インバ
    ータと、各誘導電動機の回転周波数を検出する複数の回
    転周波数検出手段と、電気車の特定の車輪の回転数を監
    視して基準回転周波数を検出する基準回転周波数検出手
    段と、各回転周波数検出手段の出力を基に非粘着状態の
    駆動輪に連結された誘導電動機の異常回転周波数を検出
    する異常回転周波数検出手段と、基準回転周波数と異常
    回転周波数との偏差を電気車の運転モードに応じて算出
    する偏差算出手段と、インバータの目標出力電力に対応
    した電流指令を出力する電流指令手段と、各誘導電動機
    の目標トルクに対応したすべり周波数指令を出力するす
    べり周波数指令手段と、インバータの出力電流を検出す
    る電流検出手段と、偏差算出手段の出力を比例要素を介
    して入力した信号と電流検出手段の出力との和を減算値
    として、この減算値と電流指令との偏差に応じた電流偏
    差信号を出力する電流偏差信号発生手段と、電流偏差信
    号を零に抑制するための周波数信号を出力する周波数信
    号出力手段と、偏差算出手段の出力を遅れ要素を介して
    入力した信号と周波数信号出力手段の出力信号により前
    記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべり周波数
    指令に従ったスイッチング信号をインバータに供給する
    スイッチング信号発生手段とを備えて構成されている電
    気車制御装置。
  3. 【請求項3】電気車の駆動輪を駆動する複数の電動機
    と、スイッチング信号により直流電力を交流電力に変換
    して各誘導電動機にそれぞれ供給する複数の可変電圧可
    変周波数インバータと、各誘導電動機の回転周波数を検
    出する複数の回転周波数検出手段と、各回転周波数検出
    手段の出力から電気車の運転モードに応じた基準回転周
    波数を検出する基準回転周波数検出手段と、各回転周波
    数検出手段の出力と基準回転周波数との偏差を電気車の
    運転モードに応じて算出する複数の偏差算出手段と、各
    インバータの目標出力電流に対応した電流指令を出力す
    る電流指令手段と、各誘導電動機の目標トルクに対応し
    たすべり周波数指令を出力するすべり周波数指令手段
    と、各インバータの出力電流を検出する複数の電流検出
    手段と、各偏差算出手段の出力を比例要素を介して入力
    した信号と各電流検出手段の出力との和を減算値とし
    て、この減算値と電流指令との偏差に応じた電流偏差信
    号を出力する複数の電流偏差信号発生手段と、各電流偏
    差信号をそれぞれ零に抑制するための周波数信号を出力
    する複数の周波数信号出力手段と、各偏差算出手段の出
    力を遅れ要素を介して入力した信号と各周波数信号出力
    手段の出力信号および基準回転周波数検出手段の出力に
    より前記すべり周波数指令を補正し、補正されたすべり
    周波数指令に従ったスイッチング信号を各インバータに
    供給する複数のスイッチング信号発生手段とを備えて構
    成されている電気車制御装置。
  4. 【請求項4】電気車の駆動輪を駆動する複数の電動機
    と、スイッチング信号により直流電力を交流電力に変換
    して各誘導電動機に供給する可変電圧可変周波数インバ
    ータと、各誘導電動機の回転周波数を検出する複数の回
    転周波数検出手段と、電気車の特定の車輪の回転数を監
    視して基準回転周波数を検出する基準回転周波数検出手
    段と、各回転周波数検出手段の出力と基準回転周波数と
    の偏差を電気車の運転モードに応じて算出する複数の偏
    差算出手段と、各インバータの目標出力電流に対応した
    電流指令を出力する電流指令手段と、各誘導電動機の目
    標トルクに対応したすべり周波数指令を出力するすべり
    周波数指令手段と、各インバータの出力電流を検出する
    複数の電流検出手段と、各偏差算出手段の出力を比例要
    素を介して入力した信号と各電流検出手段の出力との和
    を減算値として、この減算値と電流指令との偏差に応じ
    た電流偏差信号を出力する複数の電流偏差信号発生手段
    と、各電流偏差信号をそれぞれ零に抑制するための周波
    数信号を出力する複数の周波数信号出力手段と、各偏差
    算出手段の出力を遅れ要素を介して入力した信号と各周
    波数信号出力手段の出力信号および基準回転周波数検出
    手段の出力により前記すべり周波数指令を補正し、補正
    されたすべり周波数指令に従ったスイッチング信号を各
    インバータに供給する複数のスイッチンク信号発生手段
    とを備えて構成されている電気車制御装置。
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