JP2767764B2 - ビスフェノール類の製法 - Google Patents
ビスフェノール類の製法Info
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- solvent
- phenol
- bisphenol
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビスフェノール類の製法に関する。
近年ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂の用途およ
び需要が拡大されるにつれて、高品質の樹脂が要求され
るようになり、その原料であるビスフェノールAは高品
質であり、しかも色相、熱安定性にすぐれた品質が要求
されるようになってきた。
び需要が拡大されるにつれて、高品質の樹脂が要求され
るようになり、その原料であるビスフェノールAは高品
質であり、しかも色相、熱安定性にすぐれた品質が要求
されるようになってきた。
しかしながら、ビスフェノールAにはフェノールをは
じめとして種々の副生物を含んでいる。フェノールは重
合反応を阻害し、副生物は着色の原因となることが多
い。そこで不純物を除去する目的で様々な精製法が提案
されている。一つは、特公昭39-26718号、特公昭52-427
90号、特公昭56-13700号などの蒸留法で、もう一つは、
特公昭39-3680号、特開昭59-62543号、特開昭57-142936
号など再結晶法による方法が示されている。前者は、ビ
スフェノールが熱的に不安定で、熱分解で生じた不純物
を取除く操作が必要であり、しかも高沸点(220℃、4mm
Hg)で常温では固体(凝固点約157℃)であるため、取
扱いが容易でないといった問題もあり、当然生産設備は
はん雑で高価にならざるをえない。
じめとして種々の副生物を含んでいる。フェノールは重
合反応を阻害し、副生物は着色の原因となることが多
い。そこで不純物を除去する目的で様々な精製法が提案
されている。一つは、特公昭39-26718号、特公昭52-427
90号、特公昭56-13700号などの蒸留法で、もう一つは、
特公昭39-3680号、特開昭59-62543号、特開昭57-142936
号など再結晶法による方法が示されている。前者は、ビ
スフェノールが熱的に不安定で、熱分解で生じた不純物
を取除く操作が必要であり、しかも高沸点(220℃、4mm
Hg)で常温では固体(凝固点約157℃)であるため、取
扱いが容易でないといった問題もあり、当然生産設備は
はん雑で高価にならざるをえない。
又、再結晶法にしても、再結晶だけでは、不純物の除
去が十分ではなく、酸性条件または添加物の存在下に再
結晶が行われている。そして、特公昭52-42790号、特公
昭56-13700号、特開昭58-135832号、特開昭59-62542号
にみられるように一度、ビスフェノールAフェノール付
加物として単離したのち、精製するといった操作が必要
とされている。
去が十分ではなく、酸性条件または添加物の存在下に再
結晶が行われている。そして、特公昭52-42790号、特公
昭56-13700号、特開昭58-135832号、特開昭59-62542号
にみられるように一度、ビスフェノールAフェノール付
加物として単離したのち、精製するといった操作が必要
とされている。
本発明はこれらの従来の欠点を解消したビスフェノー
ル類、とくにビスフェノールAの製法の提供を目的とす
るものである。
ル類、とくにビスフェノールAの製法の提供を目的とす
るものである。
すなわち、本発明は、フェノール類とアセトンを、好
ましくは酸性触媒の存在下に、反応させて得られた反応
生成物を必要に応じて塩基でpH2〜5の範囲に中和し、
反応生成物から水とフェノール類を分離回収したのち、
ビスフェノール類と共沸蒸留しうる溶媒を加え、減圧下
に共沸蒸留を行い、ついでその留出物から前記溶媒を除
去し、必要に応じてさらに前記留出物を有機溶媒を用い
て洗浄することを特徴とするビスフェノール類の製法に
関する。
ましくは酸性触媒の存在下に、反応させて得られた反応
生成物を必要に応じて塩基でpH2〜5の範囲に中和し、
反応生成物から水とフェノール類を分離回収したのち、
ビスフェノール類と共沸蒸留しうる溶媒を加え、減圧下
に共沸蒸留を行い、ついでその留出物から前記溶媒を除
去し、必要に応じてさらに前記留出物を有機溶媒を用い
て洗浄することを特徴とするビスフェノール類の製法に
関する。
本発明のビスフェノール類はビスフェノールAおよび
その誘導体を指す。該誘導体としてはフェノール核にア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲンなどの置換基を有す
るものを意味する。したがって、原料のフェノール類
は、これに対応する構造をもつものである。
その誘導体を指す。該誘導体としてはフェノール核にア
ルキル基、アルコキシ基、ハロゲンなどの置換基を有す
るものを意味する。したがって、原料のフェノール類
は、これに対応する構造をもつものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、反応、中和、原料回収、ビスフェノール類
共沸蒸留、共沸溶媒除去からなり、まず、フェノール類
とアセトンとを、好ましくは酸性触媒、例えば塩酸、硫
酸などの無機酸、又は、強酸性陽イオン交換樹脂等の存
在下、反応させてから、必要に応じて60〜65℃で塩基に
より、pH1〜5、好ましくはpH3.5〜4.0に中和する。塩
基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩、炭酸
アルカリ金属塩の水溶液が使用できるがこれに限定され
るものではない。
共沸蒸留、共沸溶媒除去からなり、まず、フェノール類
とアセトンとを、好ましくは酸性触媒、例えば塩酸、硫
酸などの無機酸、又は、強酸性陽イオン交換樹脂等の存
在下、反応させてから、必要に応じて60〜65℃で塩基に
より、pH1〜5、好ましくはpH3.5〜4.0に中和する。塩
基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩、炭酸
アルカリ金属塩の水溶液が使用できるがこれに限定され
るものではない。
続いて、二層に分離した反応液から水層を除去する
か、又はそのままで加熱し、常圧、又は減圧下に水を回
収する。更に内温が160〜170℃になるまでフェノール類
を回収してから、系に共沸溶媒を加えて、減圧下に共沸
蒸留する。ここでの共沸溶媒は、常温ではビスフェノー
ル類を溶解しないか、ほとんどしない熱的、化学的に安
定な、しかも有機溶媒で除去できる溶媒であればどんな
溶媒でもよく、例えば、熱媒体油として広く使用される
アルキルベンゼン、例えば商品名バーレムサーム200、
ジベンジルトルエン、例えば商品名バーレムサーム400
〔松村石油(株)製〕などが使用できる。
か、又はそのままで加熱し、常圧、又は減圧下に水を回
収する。更に内温が160〜170℃になるまでフェノール類
を回収してから、系に共沸溶媒を加えて、減圧下に共沸
蒸留する。ここでの共沸溶媒は、常温ではビスフェノー
ル類を溶解しないか、ほとんどしない熱的、化学的に安
定な、しかも有機溶媒で除去できる溶媒であればどんな
溶媒でもよく、例えば、熱媒体油として広く使用される
アルキルベンゼン、例えば商品名バーレムサーム200、
ジベンジルトルエン、例えば商品名バーレムサーム400
〔松村石油(株)製〕などが使用できる。
次に共沸溶媒中で結晶化したビスフェノール類を分離
し、溶媒は、そのまま次の共沸溶媒として使用できる。
分離されたビスフェノール類は、わずかの共沸溶媒が付
着しているのみで不純物のほとんどない白色の結晶であ
るが、乾燥するには、共沸溶媒が高沸点であるので続い
て有機溶媒を使用して洗浄し、再結晶を行うことによっ
て共沸溶媒を除去し、高純度のビスフェノール類を得る
ことができる。ここで使用する有機溶媒は、ビスフェノ
ール類との相溶性がほとんどなく、共沸溶媒を除去でき
るものであればどのような溶媒でもよいが、好ましくは
ベンゼン、トルエンのようなアルキルベンゼン、クロル
ベンゼンのようなハロゲン化ベンゼン、ジベンジルトル
エンのようなアルキルベンゼン誘導体などの芳香族炭化
水素系の溶媒がよい。
し、溶媒は、そのまま次の共沸溶媒として使用できる。
分離されたビスフェノール類は、わずかの共沸溶媒が付
着しているのみで不純物のほとんどない白色の結晶であ
るが、乾燥するには、共沸溶媒が高沸点であるので続い
て有機溶媒を使用して洗浄し、再結晶を行うことによっ
て共沸溶媒を除去し、高純度のビスフェノール類を得る
ことができる。ここで使用する有機溶媒は、ビスフェノ
ール類との相溶性がほとんどなく、共沸溶媒を除去でき
るものであればどのような溶媒でもよいが、好ましくは
ベンゼン、トルエンのようなアルキルベンゼン、クロル
ベンゼンのようなハロゲン化ベンゼン、ジベンジルトル
エンのようなアルキルベンゼン誘導体などの芳香族炭化
水素系の溶媒がよい。
以下、実施例によって本発明の具体的な方法を説明す
る。
る。
フェノール300g(3.2モル)に、アセトン36.2g(0.62
モル)を加え助触媒として15%メチルメルカプタンナト
リウム塩水溶液0.6ml加えたのち、撹拌しながら、塩化
水素ガスを飽和するまで吸込み、60℃で5時間反応させ
た。反応終了後16%水酸化ナトリウム水溶液でpH4.0に
調整し、65℃に昇温した。二層に分離した下層の水層を
除去したのち、有機層を常圧下に加温し、内温が160℃
に上昇するまで水を回収し、更に減圧下真空度10mmHg
で、内温が160℃になるまでフェノールを回収した。フ
ェノールが留出しなくなれば(回収フェノール179.8
g)、バーレムサーム400を200ml加え、減圧下に昇温
し、初留を除去したのち、真空度3mmHgで190〜195℃の
留分を集めた。留出物を室温まで冷却したのち、結晶化
したビスフェノールAを濾取した。
モル)を加え助触媒として15%メチルメルカプタンナト
リウム塩水溶液0.6ml加えたのち、撹拌しながら、塩化
水素ガスを飽和するまで吸込み、60℃で5時間反応させ
た。反応終了後16%水酸化ナトリウム水溶液でpH4.0に
調整し、65℃に昇温した。二層に分離した下層の水層を
除去したのち、有機層を常圧下に加温し、内温が160℃
に上昇するまで水を回収し、更に減圧下真空度10mmHg
で、内温が160℃になるまでフェノールを回収した。フ
ェノールが留出しなくなれば(回収フェノール179.8
g)、バーレムサーム400を200ml加え、減圧下に昇温
し、初留を除去したのち、真空度3mmHgで190〜195℃の
留分を集めた。留出物を室温まで冷却したのち、結晶化
したビスフェノールAを濾取した。
この湿結晶をモノクロルベンゼンで洗浄したのち、更
にモノクロルベンゼン200mlで再結晶し、乾燥すること
によって白色針状晶のビスフェノールA124.7gを得た、
収率87.8%。凝固点156.5℃。溶融色20。フェノール含
有量30ppm以下。
にモノクロルベンゼン200mlで再結晶し、乾燥すること
によって白色針状晶のビスフェノールA124.7gを得た、
収率87.8%。凝固点156.5℃。溶融色20。フェノール含
有量30ppm以下。
(1) 本発明では、反応生成物からビスフェノール類
フェノール付加物を分離する必要がない。
フェノール付加物を分離する必要がない。
(2) 本発明は共沸蒸留することによって熱分解物を
作ることなく、ビスフェノール類の蒸留を行うことがで
きる。
作ることなく、ビスフェノール類の蒸留を行うことがで
きる。
(3) 本発明により、色相、耐熱性にすぐれた高純度
ビスフェノール類をうることができる。
ビスフェノール類をうることができる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 37/20 C07C 37/78 C07C 37/84 C07C 39/16
Claims (2)
- 【請求項1】フェノール類とアセトンを反応させて得ら
れた反応生成物から水とフェノール類を分離回収したの
ち、ビスフェノール類と共沸蒸留しうる溶媒を加え、減
圧下に共沸蒸留を行い、ついでその留出物から前記溶媒
を除去することを特徴とするビスフェノール類の製法。 - 【請求項2】フェノール類とアセトンを反応させて得ら
れた反応生成物から水とフェノール類を分離回収したの
ち、ビスフェノール類と共沸蒸留しうる溶媒を加え、減
圧下に共沸蒸留を行い、ついでその留出物から前記溶媒
を除去し、さらに前記留出物を有機溶媒を用いて洗浄す
ることを特徴とするビスフェノール類の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22860089A JP2767764B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | ビスフェノール類の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22860089A JP2767764B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | ビスフェノール類の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0393738A JPH0393738A (ja) | 1991-04-18 |
JP2767764B2 true JP2767764B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=16878896
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22860089A Expired - Lifetime JP2767764B2 (ja) | 1989-09-04 | 1989-09-04 | ビスフェノール類の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767764B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202008000567U1 (de) | 2008-01-14 | 2008-03-20 | Wipotec Wiege- Und Positioniersysteme Gmbh | Wägesystem |
JP7167537B2 (ja) * | 2018-08-07 | 2022-11-09 | 三菱ケミカル株式会社 | ビスフェノール製造方法、及びポリカーボネート樹脂の製造方法 |
-
1989
- 1989-09-04 JP JP22860089A patent/JP2767764B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0393738A (ja) | 1991-04-18 |
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