JP2766794B2 - 衝撃試験用シリンダ - Google Patents

衝撃試験用シリンダ

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JP2766794B2
JP2766794B2 JP7295201A JP29520195A JP2766794B2 JP 2766794 B2 JP2766794 B2 JP 2766794B2 JP 7295201 A JP7295201 A JP 7295201A JP 29520195 A JP29520195 A JP 29520195A JP 2766794 B2 JP2766794 B2 JP 2766794B2
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克己 植松
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の各
種衝撃試験に用いることができるシリンダに関するもの
で、ダイナミックテストと呼ばれる高速試験とスタティ
ックテストいわれる低速試験の両者を兼用することがで
きる衝撃試験用シリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車に関連する各種試験装置には、ダ
イナミックテストと呼ばれる高速試験とスタティックテ
ストいわれる低速試験がある。前者は、ステアリング衝
撃試験、ヘッドレスト衝撃吸収試験などであり、後者は
ヘッドレスト耐荷重試験などである。従来の試験装置で
は、高速試験装置と低速試験装置はそれぞれ別個の装置
となっていた。
【0003】ここで、従来の高速試験に用いられるシリ
ンダの例について説明しておく。図5において、シリン
ダは大きく分けてロード側シリンダ2とセット側シリン
ダ1とからなる。ロード側シリンダ2とセット側シリン
ダ1はオリフィスプレート5で区画されているが、オリ
フィスプレート5の中央にはロード側シリンダ2とセッ
ト側シリンダ1とを連通させるオリフィス4が形成され
ている。セット側シリンダ1内にはピストンロッド8を
一体に有するピストン12が摺動可能に設けられてい
る。
【0004】セット側シリンダ1には図示されないボン
ベからバルブとガス通路を通じて適宜の気体、例えば窒
素ガスが導入され、一定のガス圧がかけられるようにな
っている。一方、ロード側シリンダ2には空気その他の
ガスが導入される。セット側シリンダ1にかかるガス圧
は、ロード側シリンダ2のガス圧よりも低くなってい
る。上記オリフィス4の面積は上記ピストン12の先端
の面積より小さく形成され、ピストン12が上記オリフ
ィス4を塞いだ形で、ロード側シリンダ2とセット側シ
リンダ1とのガス圧による押圧力をバランスさせること
ができるようになっている。上記オリフィスプレート5
には、トリガー手段として、上記ピストン12の先端面
にトリガー圧をかけるためのトリガーガス供給通路62
が設けられている。
【0005】セット側シリンダ1内にはオリフィスプレ
ート5とは反対側にフローティングピストン15が、ロ
ード側シリンダ2内にはオリフィスプレート5とは反対
側にフローティングピストン16が設けられている。こ
れらフローティングピストン15、16はそれぞれセッ
ト側シリンダ1とロード側シリンダ2の容積調整用で、
フローティングピストン15とセット側シリンダ1の一
端との間およびフローティングピストン16とロード側
シリンダ2の一端との間にはそれぞれ任意の量の水が封
入されている。これらフローティングピストン15、1
6は必須のものではない。上記ピストン12の前面側に
は上記オリフィス4を空間的余裕をもって貫通するピン
9が取り付けられている。ピン9はピストン12の加速
度調整用で、その外形は所望の加速特性が得られるよう
な任意の形状になっている。例えば、図5に示すよう
に、ピン9の外形を長さ方向の中間部に大径部を設けた
形にしておけば、この大径部がオリフィス4を通過する
とき加速度を弱めることになり、図5の下部に示す線図
のように、加速度特性曲線に二つのピークをもたせるこ
とができる。
【0006】図6ないし図8は、上記従来の衝撃試験用
ピストンの動作を示す。ただし、図6ないし図8ではフ
ローティングピストン15、16を省略した構造になっ
ている。セット側シリンダ1にはバルブ30とガス供給
通路60を経て圧力P1の不活性ガス、例えば窒素ガス
が供給される。ピストン12の前面(図6において左
側)の面積をS3とすると、ピストン12の後面すなわ
ち上記ガス圧P1を受ける側の面積S1は、上記面積S
3からピストンロッド8の縦断面積Sを引いた面積、す
なわち、S1=S3−Sとなる。従って、ピストン12
はP1×S1=P1×(S3−S)の押圧力でオリフィ
スプレート5に向かって押しつけられることになる。ピ
ストン12の前面中央には平坦な隆起部12aが設けら
れており、この隆起部12aがオリフィスプレート5の
前記オリフィス4の周縁部に圧接し、図7に示すよう
に、隆起部12aが上記オリフィス4を塞いだ形で、ピ
ストン12、オリフィスプレート5、シリンダの内壁で
囲まれる扁平なリング状の空間65が形成される。この
空間65はバルブ10を有するトリガー圧供給通路62
に連通している。
【0007】上記のようにピストン12がオリフィスプ
レート5に押しつけられた状態で、ロード側シリンダ2
にはバルブ31と空気供給通路61を経て圧力P2の空
気を供給する。オリフィス4の開口面積をS2とする
と、オリフィス4を通してピストン12にかかる押圧力
はP2×S2である。そこで、この押圧力P2×S2
と、上記押圧力P1×S1とをバランスさせ、実際には
P1×S1をP2×S2よりも多少大きく設定してお
き、ピストン12がオリフィスプレート5に押圧された
状態を維持しておく。ちなみに、P2はP1の6倍程
度、S1はS2の6倍以上、例えば6.6〜7.2程度
に設定されている。もっとも、P1,P2は実験目的に
応じて任意の値に設定すればよい。
【0008】次に、バルブ10を開いてトリガー圧供給
通路62から圧力P3の空気その他のガスを供給する。
上記空間65には圧力P3がかかり、上記空間65のピ
ストン12に対する面積をS4としたとき、ピストン1
2にはP3×S4の押圧力が加算される。すなわち、ピ
ストン12には、それまでのP1×S1対P2×S2の
関係で押圧力がかかっていたものが、P1×S1対P2
×S2+P3×S4の関係で押圧力がかかり、バランス
関係が崩れてピストン12が図の右方に向かって移動さ
せられる。ピストン12が僅かでも図の右方に移動する
と、オリフィス4を通じてピストン12の全面に圧力P
2がかかり、ピストン12は高速で移動させられる。
【0009】既に説明したように、上記圧力P2は、圧
力P1よりも数倍大きく設定してあるため、上記トリガ
ー圧P3が付加された瞬間に、ピストン12およびピス
トンロッド8に大きな推力が発生し、図8に示すよう
に、ピストン12およびピストンロッド8が高速で図の
右方に移動する。このピストンロッド8の先端にダミー
人形を取り付け、このダミー人形を自動車のステアリン
グホイールに衝突さればステアリング衝撃試験を行うこ
とができるし、ヘッドレストに衝突させればヘッドレス
ト衝撃吸収試験を行うことができ、その他各種のいわゆ
るダイナミックテストを行うことができる。シリンダで
移動させる対象物は自動車の車体であってもよいし車体
の一部であってもよい。上記のようにしてピストン12
およびピストンロッド8が高速で移動するとき、セット
側シリンダ1内のガスが圧縮されてダンパとして作用
し、ピストン12移動行程の終端部での衝撃が緩和され
る。ピストン12を元の位置に戻す場合は、バルブ32
を開いて圧力P2のガスを放出すればよい。ピストン1
2には、セット側シリンダ1において常時P1×S1の
押圧力がかかっており、この押圧力によってピストン1
2は自動的に図7に示す原位置に復帰する。
【0010】セット側シリンダ1に供給するガスを不活
性の窒素ガスとしたのは、上記のようにピストン12お
よびピストンロッド8が高速で移動したとき、セット側
シリンダ1のガスが急激に圧縮されて発熱するため、発
熱によってガスに着火することがないようにする必要が
あるからである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上述べた従来の衝撃
試験用シリンダは、移動させようとする対象物を高速移
動させるいわゆるダイナミックテスト専用であり、対象
物を低速移動させるいわゆるスタティックテストを行う
ことはできない。従って、スタティックテストを行う場
合は、別の専用の装置を使わなければならない。
【0012】本発明は以上のような従来技術に鑑みてな
されたもので、一つの衝撃試験用シリンダでいわゆるダ
イナミックテストとスタティックテストを行うことを可
能にした衝撃試験用シリンダを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載の発明は、一定のガス圧がかけられ
るロード側シリンダと、ロード側シリンダのガス圧より
も低いガス圧がかけられるセット側シリンダと、ロード
側シリンダとセット側シリンダとを区画するとともにロ
ード側シリンダとセット側シリンダとを連通させるオリ
フィスが形成されたオリフィスプレートと、セット側シ
リンダ内に摺動可能に設けられかつピストンロッドを一
体に有するピストンとを有し、上記オリフィスの面積を
上記ピストンの先端の面積より小さく形成し、ピストン
が上記オリフィスを塞いだ形でロード側シリンダとセッ
ト側シリンダとのガス圧による押圧力をバランスさせる
ことができるようにし、トリガー手段でピストンの先端
面にトリガー圧をかけることにより押圧力のバランスを
崩して上記ピストンを移動させ、ピストンの全面にロー
ド側シリンダのガス圧を与えてピストンを高速で移動さ
せ、このピストンの移動で被検体に衝撃を与えるように
した衝撃試験用シリンダにおいて、上記ロード側シリン
ダ内に、上記オリフィスを通じて上記ピストンを押すこ
とができる低速試験用流体シリンダを設けた。
【0014】請求項2記載の発明は、低速試験用流体シ
リンダのピストンが、セット側シリンダ内に設けられた
ピストンを押すことができるように、低速試験用流体シ
リンダのピストンロッドとセット側シリンダ内のピスト
ンとを相対向させた。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる衝撃試験用
シリンダの実施の形態について図1ないし図4を参照し
ながら説明する。ただし、本発明にかかる衝撃試験用シ
リンダの実施形態の大半は、図5以下に示す前記従来例
の構成と共通であるから、共通の構成部分には共通の符
号を付す。
【0016】図1において、シリンダは大きく分けてロ
ード側シリンダ2とセット側シリンダ1とからなる。ロ
ード側シリンダ2とセット側シリンダ1はオリフィスプ
レート5で区画されているが、オリフィスプレート5の
中央にはロード側シリンダ2とセット側シリンダ1とを
連通させるオリフィス4が形成されている。ロード側シ
リンダ2のオリフィスプレート5とは反対側の端部には
端板3が固定され、セット側シリンダ1のオリフィスプ
レート5とは反対側の端部には端板7が固定されてい
る。セット側シリンダ1内にはピストン12が摺動可能
に設けられている。ピストン12には、インサートピス
トン11の介在のもとにピストンロッド8が一体に取り
付けられている。
【0017】セット側シリンダ1には前述のように不活
性ガス、例えば窒素ガスが導入され、一定のガス圧がか
けられるようになっている。一方、ロード側シリンダ2
には空気または適宜のガスが導入される。セット側シリ
ンダ1にかかるガス圧は、ロード側シリンダ2のガス圧
よりも低い。上記オリフィス4の面積は上記ピストン1
2の先端の面積より小さく形成され、ピストン12がオ
リフィス4を塞いだ形で、ロード側シリンダ2とセット
側シリンダ1とのガス圧による押圧力をバランスさせる
ことができるようになっている。上記オリフィスプレー
ト5には、トリガー手段として、上記ピストン12の先
端面にトリガー圧をかけるためのトリガーガス供給通路
62が設けられている。
【0018】上記ピストン12の前面側には上記オリフ
ィス4を空間的余裕をもって貫通するピン9が取り付け
られている。ピン9はピストン12の加速度調整用で、
その外形は所望の加速特性が得られるような適宜の形状
になっている。ちなみに、図1に示す例では円錐形にな
っている。ピストン12の外周にはシリンダ内壁との気
密を保つためのOリングが嵌められ、その他各部材の連
結部で気密を保つ必要のある部分には適宜Oリングが嵌
められているが、図面上では省略されている。
【0019】上記ピストンロッド8の外端側、すなわち
端板7側の端部にはヘッドキャップ20の介在のもとに
プッシャー21が取り付けられている。プッシャー21
にはダミー人形等の被駆動体が取り付けられる。
【0020】上記ロード側シリンダ2内には、前記オリ
フィス4を通じてピストン12を押すことができる低速
試験用流体シリンダ47が設けられていて、本発明の構
成上の特徴になっている。低速試験用流体シリンダ47
はその基端がロード側シリンダ2の端板3の内面側中央
に固定されてロード側シリンダ2の長手方向に平行に延
びている。低速試験用流体シリンダ47は例えばオイル
シリンダでなり、オイル供給路49から適宜の圧力でオ
イルが供給され、また排出されることにより、内部のピ
ストンが前後動し、これとともにピストンロッド48が
進退するようになっている。
【0021】低速試験用流体シリンダ47のピストン
は、セット側シリンダ1内に設けられたピストン12を
押すことができるように、低速試験用流体シリンダ47
のピストンロッド48がセット側シリンダ1内のピスト
ン12と相対向している。実際には、ピストンロッド4
8はセット側シリンダ1内のピストン12に固着された
ピン9の先端面と対向している。また、ピストンロッド
48の先端面とピン9の先端面とが確実に当接するよう
に、ピストンロッド48の先端部にスリーブ23の一端
側が嵌合されて固着され、スリーブ23の他端側内周に
ピン9の先端部が嵌まることができるようになってい
る。
【0022】前記従来例と同様に、セット側シリンダ1
には適宜のバルブとガス供給通路を経て圧力P1のガス
(例えば、窒素ガス)が供給される。ピストン12の前
面(図1において右側)の面積をS3とすると、ピスト
ン12の後面すなわち上記ガス圧P1を受ける側の面積
S1は、S1=S3−Sとなる。従って、ピストン12
はP1×S1=P1×(S3−S)の押圧力でオリフィ
スプレート5に向かって押しつけられることになる。ピ
ストン12の前面中央には、前記インサートピストン1
1の面が隆起しており、この隆起した面が上記押圧力で
オリフィスプレート5の前記オリフィス4の周縁部に圧
接することにより、ピストン12、オリフィスプレート
5、シリンダの内壁で囲まれる扁平なリング状の空間6
5が形成される。この空間65はバルブを有するトリガ
ー圧供給通路62に連通している。
【0023】図1に示すように、ピストン12がオリフ
ィスプレート5に押圧させられ、ピストン12がオリフ
ィス4を塞いだ形で、ロード側シリンダ2に圧力P2の
空気を供給する。オリフィス4の開口面積をS2とする
と、オリフィス4を通してピストン12にかかる押圧力
はP2×S2である。そこで、この押圧力P2×S2
と、上記押圧力P1×S1とをバランスさせ、実際には
P1×S1をP2×S2よりも多少大きく設定してお
き、ピストン12がオリフィスプレート5に押圧された
状態を維持しておく。
【0024】次に、トリガー圧供給通路62から圧力P
3の空気その他のガスを供給する。前記従来例でも説明
したように、上記圧力P3は前記空間65にかかり、上
記空間65のピストン12に対する面積をS4としたと
き、ピストン12にはP3×S4の押圧力が加算され
る。すなわち、ピストン12には、それまでのP1×S
1対P2×S2の関係で押圧力がかかっていたものが、
P1×S1対P2×S2+P3×S4の関係で押圧力が
かかり、バランス関係が崩れてピストン12が図の右方
に向かって移動させられる。ピストン12が僅かでも図
の左方に移動すると、オリフィス4を通じてピストン1
2の全面に圧力P2がかかって大きな押圧力となり、ピ
ストン12を高速で移動させる。
【0025】上記圧力P2は、圧力P1よりも数倍大き
く設定してあるため、上記トリガー圧P3が付加された
瞬間に、ピストン12およびピストンロッド8に大きな
推力が発生し、ピストン12およびピストンロッド8が
高速で図の左方に移動する。このピストンロッド8の先
端のプッシャー21にダミー人形を取り付け、このダミ
ー人形を自動車のステアリングホイールに衝突さればス
テアリング衝撃試験を行うことができるし、ヘッドレス
トに衝突させればヘッドレスト衝撃吸収試験を行うこと
ができ、既に説明した従来例と同様に、その他各種のい
わゆるダイナミックテストを行うことができる。ダイナ
ミックテスト終了後、セット側シリンダ2のバルブを開
いてセット側シリンダ2内を大気圧にすれば、ピストン
12には、セット側シリンダ1において常時P1×S1
の押圧力がかかっているため、この押圧力によってピス
トン12を自動的に図1に示す原位置に復帰させること
ができる。
【0026】上記ダイナミックテストを行うとき、低速
試験用流体シリンダ47は何ら動作することなく、ピン
9が低速試験用流体シリンダ47側のピストンロッド4
8およびスリーブ23から自然に離間し、低速試験用流
体シリンダ47の存在がダイナミックテストの障害にな
ることはない。
【0027】上記の実施形態において、低速試験用流体
シリンダ47を駆動すれば、被駆動体を低速で移動させ
ていわゆるスタティックテストを行うことができる。す
なわち、オイル供給路49から適宜の圧力でオイルを供
給すると低速試験用流体シリンダ47内のピストンが移
動し、このピストンと一体のピストンロッド48がシリ
ンダ47から押し出され、ピストンロッド48と対向す
るピン9が押されてピン9と一体のピストンロッド8が
セット側シリンダ1の外方に向かって比較的低速で移動
させられる。そこで、ピストンロッド8の先端部のプッ
シャー21に例えばダミー人形の頭部を装着してこれを
自動車のヘッドレストに押し当てれば、ヘッドレストの
耐荷重試験を行うことができる。そのほかの各種スタテ
ィックテストを行うことができることはいうまでもな
い。
【0028】上記のようにスタティックテストを行う際
に、セット側シリンダ1内のガスがピストン12によっ
て圧縮され、低速試験用流体シリンダ47による押圧力
に対して抵抗となるが、低速試験用流体シリンダ47は
この抵抗に対抗できるだけの十分に大きな押圧力をもっ
ているので、スタティックテストに支障を来すことはな
い。スタティックテスト終了後のピストン12の復帰
も、セット側シリンダ1にかかっているP1×S1の押
圧力によって自動的に行われる。以上の説明からわかる
とおり、セット側シリンダ1のガス圧P1は、一旦設定
した後はバルブを閉鎖状態にして一定に保持しておく。
従って、セット側シリンダ1側のバルブを開閉するの
は、ガス圧P1の設定を変更する場合である。
【0029】図2ないし図4は、本発明にかかる衝撃試
験用シリンダを用いて行うことができる各種試験の例を
示す。図2の例は、上記ピストンロッド8の先端部のプ
ッシャー21にダミー人形50を装着し、これを高速度
移動させて自動車のステアリングホイール51に衝突さ
せてダミー人形50が受けるダメージからステアリング
ホイール51の安全性をテストするダイナミックテスト
の一例である。
【0030】図3は、人体の脚部のダミー52を上記ピ
ストンロッド8の先端部のプッシャー21に装着して高
速度移動させ、自動車のダッシュボード53に衝突させ
てダミー52が受けるダメージからダッシュボード53
の安全性をテストするダイナミックテストの別の例を示
す。
【0031】図4は、適宜の形状の押圧体54を上記ピ
ストンロッド8の先端部のプッシャー21に装着し、こ
れを前記低速試験用流体シリンダ47の駆動により低速
移動させて自動車のヘッドレスト、背もたれ、ドア、そ
の他各所に押しつけて耐荷重試験を行うスタティックテ
ストの例を示す。
【0032】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、一定のガ
ス圧がかけられるロード側シリンダと、ロード側シリン
ダのガス圧よりも低いガス圧がかけられるセット側シリ
ンダと、ロード側シリンダとセット側シリンダとを区画
するとともにロード側シリンダとセット側シリンダとを
連通させるオリフィスが形成されたオリフィスプレート
と、セット側シリンダ内に摺動可能に設けられかつピス
トンロッドを一体に有するピストンとを有し、上記オリ
フィスの面積を上記ピストンの先端の面積より小さく形
成し、ピストンが上記オリフィスを塞いだ形で、ロード
側シリンダとセット側シリンダとのガス圧による押圧力
をバランスさせることができるようにし、トリガー手段
でピストンの先端面にトリガー圧をかけることにより押
圧力のバランスを崩して上記ピストンを移動させ、ピス
トンの全面にロード側シリンダのガス圧を与えてピスト
ンを高速で移動させ、このピストンの移動で被検体に衝
撃を与えるようにした衝撃試験用シリンダにおいて、上
記ロード側シリンダ内に、上記オリフィスを通じて上記
ピストンを押すことができる低速試験用流体シリンダを
設けたため、ダイナミックテストと呼ばれる高速試験
と、スタティックテストいわれる低速試験の両者を兼用
させることが可能となった。
【0033】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明において、低速試験用流体シリンダのピストン
が、セット側シリンダ内に設けられたピストンを押すこ
とができるように、低速試験用流体シリンダのピストン
ロッドとセット側シリンダ内のピストンとを相対向させ
たため、ダイナミックテスト時はセット側シリンダ内の
ピストンが低速試験用流体シリンダのピストンロッドか
ら離間し、低速試験用流体シリンダの存在がダイナミッ
クテストの障害になることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる衝撃試験用シリンダの実施形態
を示す断面図。
【図2】本発明にかかる衝撃試験用シリンダの使用例を
概念的に示す側面図。
【図3】本発明にかかる衝撃試験用シリンダの別の使用
例を概念的に示す側面図。
【図4】本発明にかかる衝撃試験用シリンダのさらに別
の使用例を概念的に示す側面図。
【図5】従来の衝撃試験用シリンダの例を示す断面図。
【図6】従来の衝撃試験用シリンダの動作の一態様を示
す断面図。
【図7】従来の衝撃試験用シリンダの動作の別の態様を
示す断面図。
【図8】従来の衝撃試験用シリンダの動作のさらに別の
態様を示す断面図。
【符号の説明】
1 セット側シリンダ 2 ロード側シリンダ 3 オリフィス 5 オリフィスプレート 8 ピストンロッド 10 トリガー手段としてのバルブ 12 ピストン 47 低速試験用流体シリンダ 48 ピストン

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定のガス圧がかけられるロード側シリ
    ンダと、 ロード側シリンダのガス圧よりも低いガス圧がかけられ
    るセット側シリンダと、 ロード側シリンダとセット側シリンダとを区画するとと
    もにロード側シリンダとセット側シリンダとを連通させ
    るオリフィスが形成されたオリフィスプレートと、 セット側シリンダ内に摺動可能に設けられかつピストン
    ロッドを一体に有するピストンとを有し、 上記オリフィスの面積は上記ピストンの先端の面積より
    小さく形成され、ピストンが上記オリフィスを塞いだ形
    でロード側シリンダとセット側シリンダとのガス圧によ
    る押圧力をバランスさせることができ、 上記ピストンの先端面にトリガー圧がかけられることに
    より上記押圧力のバランスを崩して上記ピストンを移動
    させ、ピストンの全面にロード側シリンダのガス圧を与
    えてピストンを高速で移動させ、このピストンの移動で
    被検体に衝撃を与えるためのトリガー手段が設けられて
    なる衝撃試験用シリンダであって、 上記ロード側シリンダ内に設けられていて、上記オリフ
    ィスを通じて上記ピストンを押すことができる低速試験
    用流体シリンダを有することを特徴とする衝撃試験用シ
    リンダ。
  2. 【請求項2】 低速試験用流体シリンダのピストンが、
    セット側シリンダ内に設けられたピストンを押すことが
    できるように、上記低速試験用流体シリンダのピストン
    ロッドとセット側シリンダ内のピストンとが相対向して
    いる請求項1記載の衝撃試験用シリンダ。
JP7295201A 1995-11-14 1995-11-14 衝撃試験用シリンダ Expired - Lifetime JP2766794B2 (ja)

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