JP2766185B2 - 溶融塩型燃料電池発電プラント - Google Patents

溶融塩型燃料電池発電プラント

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JP2766185B2
JP2766185B2 JP6137574A JP13757494A JP2766185B2 JP 2766185 B2 JP2766185 B2 JP 2766185B2 JP 6137574 A JP6137574 A JP 6137574A JP 13757494 A JP13757494 A JP 13757494A JP 2766185 B2 JP2766185 B2 JP 2766185B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は溶融塩型燃料電池発電プ
ラントに係り、特にその発電プラントの出力特性を長期
にわたって高性能にかつ安定に維持するのに好適な溶融
塩型燃料電池発電プラントに関する。 【0002】 【従来の技術】溶融塩型燃料電池はアルカリ金属炭酸塩
を電解質として600〜700℃の高温で作動させる型
の燃料電池であり、作動温度において炭酸塩が溶融状態
となり、炭酸イオン(CO3 2- )がイオン伝導体として
の役割をなす。セルの基本構成は、電解質基板に上記電
解質が保持された電解質板の両側に電極であるアノード
(燃料極)及びカソード(酸化剤極)をそれぞれ配設
し、その外側にそれぞれ燃料ガス室及び酸化剤ガス室を
設けてなり、これを単位電池として複数個積層した積層
電池をブロックとすることにより所定の電池電圧が得ら
れるようになっている。また、積層電池の大容量化のた
めには、電極面積を増大して大電流を流せるようにして
いる。燃料電池は燃料ガス及び酸化剤ガスをそれぞれ上
記各室に供給することによって電気化学的反応を起こさ
せ、化学エネルギを電気エネルギに直接変換できる効率
の高い直流発電機である。溶融塩型燃料電池では、燃料
ガスとして水素(H2 )あるいは水素及び一般化炭素
(CO)を含有するガスを上記燃料ガス室に、また酸化
剤ガスとして酸素(O2 )及び炭酸ガス(CO2 )を含
有するガスを上記酸化剤ガス室に供給することにより、
下記の電気化学的反応がそぞれ進行し、外部に電流を
取出すことができる。 【0003】 2H2 +2CO3 2- →2CO2 +2H2 O+4e … (1)式 2CO2 +O2 +4e→2CO3 2- … (2)式 この電気化学的反応は電極表面上で電解質と上記反応ガ
スが共存する、いわゆる三相界面で進行すると考えら
れ、電気化学的反応をスムーズに、十分な速度で進行さ
せることができれば高い電池性能を維持することができ
る。そのためには、三相界面といわれる電極内の反応場
を十分に確保することが重要である。すなわち、電極比
表面積が広く、かつ電極表面が適度に電解質で濡れてお
り、かつ電極細孔を適正化して反応ガスの細孔内拡散を
スムーズに行なわせるようにすることが必要である。反
応場を広く維持するための制御法として、例えばリン酸
型燃料電池においては、撥水性制御、細孔調制御など
が挙げられる。前者の方式はポリテトラフルオロエチレ
ンに代表される撥水剤を電極触媒中に適度に存在させて
リン酸の電極に対する濡れ性を制御する方式であるが、
溶融塩型燃料電池において該撥水剤に相当する適当な材
料は見当たらず、溶融塩型燃料電池における三相界面維
持のための電池部材の特性制御は細孔調制御法に限ら
れる。電極細孔径、電解質基板細孔径の関係は、例えば
文献((ディベロップメント オブ モルテン カーボ
ネート フュエル セルズ フォー パワー ジェネレ
ーション)(DEVELOPMENT OF MOLTEN CARBONATE FUEL C
ELLS FOR POWER GENERATION )1980年4月合衆国エ
ネルギー省発行)に示されているように、一般に電解質
基板細孔径の方が電極細孔径にくらべて約1ケタ小さ
く、平均細孔径は通常1ミクロン以下であるのに対し
て、電極細孔径は3〜10ミクロンの平均細孔径を有し
ているのが通常である。これにより、電解質基板の電解
質保持力が電極のそれにくらべて高くなり、電解質によ
り電極の濡れ過ぎ、ひいては電解質による電極細孔の閉
塞に伴うガス拡散不良などを招かないようにしている。
しかし、その半面、電極表面への電解質移動が阻害され
て電解質による濡れ状態が不十分となり、電気化学的反
応の場が不足し、かつイオン拡散抵抗の増大を招く可能
性もある。 【0004】このような細孔調制御法以外の方法とし
て、電極細孔内への電解質貯蔵法がある。あらかじめ、
ガス拡散に対する影響を及ぼさない範囲で所定量の電解
質を電極であるアノード及び/又はカソード細孔内に保
持させて、これを電池に組込む方法であり、これによっ
て電気化学的反応場を最適化して電池の高性能化を達成
するとともに、長寿命化を図ろうとするものである。 【0005】これまで記述したごとく、溶融塩型燃料電
池の高性能化並びに長寿命化のために種々の手段、方法
が適用されてきたが、これ以外にも電池の組立精度、電
池の運転方法など、電池性能の発現のためには多くの因
子があり、時として発電を開始してから定格出力に達す
るまでに長時間を要することもしばしば経験した。さら
には長時間の運転経過に伴い、電解質基板や電極の細孔
特性が変化し、それに伴って電解質の存在状態が変化し
て電気化学的反応場が減少し、電池性能が低下してくる
という問題もある。 【0006】尚、燃料電池の長寿命化という観点で従来
技術としては、負荷の増大時に燃料ガス、酸化剤ガスの
圧力を増大させ、負荷減少時には供給する各ガスの圧力
を減少させる方法(特開昭60−10566号)、燃料
電池の正・負極に供給する活物質を互いに入れ換え、電
池の正・負極を変換する発電方法を一回以上行う方法
(特開昭60−189177号)、カソード又はアノー
ドに供給されるガスに電解質を含有させることにより電
解質の蒸発・拡散を抑制する方法(特開昭61−241
66号)等がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は溶融塩
型燃料電池の積層体、すなわち複数個の単位電池を積層
してなるブロックあるいはそれらの集合体としてのスタ
ックとして構成されるまでの、各種電池構成部材の特性
を改善したその技術の集大成であるが、組上げられた電
池の運転方法、電池性能維持のための制御法の点には十
分な配慮がなされておらず、電池性能の低下を外部から
の手段で抑制できにくいという問題があった。 【0008】電池性能を上げるためには、反応ガス圧力
調制御、電池運転温度制御、反応ガス分圧制御などが
一般的である。しかし、反応ガス圧力調制御の場合に
は、アノードとカソードの間の差圧をあまり大きくする
ことができない。電池の耐バブル圧に限界があり、それ
を越えるとガスクロスオーバ現象が生じ、電池を損傷す
ることになる。また、アノード及び/又はカソードとベ
ルジャ内圧力との差圧もあまり大きくすることができな
い。その差圧を大きくとりすぎると、ガスシール特性の
不良を招き、反応ガスが電池外部へリークして反応ガス
利用率の低下を招き、発電効率が低下するし、また外部
からパージガスが電池内部に流入すれば、反応ガス分圧
の低下を招き、電池性能が低下することになる。 【0009】一方、電池運転温度制御の場合には、電池
運転温度を高めることにより、電解質イオン拡散や反応
ガス拡散の速度も高くなり、電池部材の固有抵抗も低減
し、電極の電解質による濡れ性も変化して電極・電解質
板界面の状態が変わり、電気化学的反応速度が高くなる
ことが多いが、あまり電池運転温度を高くしすぎると、
電池部材料の腐食が促進される、電極のクリープあるい
は焼結が促進される、また電解質の蒸散が促進されるな
ど、電池寿命の低下を速める要因ともなる。また、反応
ガス分圧制御の場合には、燃料ガス中のH2 及び/又は
CO分圧、酸化剤ガス中のO2 及びCO2 分圧を高める
ことにより、確かに電池性能が高くなるが、本願発明の
ごとき、水蒸気改質装置あるいは石炭ガス化装置と燃料
電池本体との組合せによる溶融塩型燃料電池発電プラン
トでは反応ガス分圧を任意に高くすることは容易ではな
い。しいて言えば、気液分離により水蒸気分圧を低くし
て反応ガス分圧を高くすることはできるが、これとても
電池本体内での炭素析出を防止するという一方の抑制条
件からすれば限界がある。ましてや、大容量の発電プラ
ントになれば、上記改質装置やガス化装置以外にH
2 源、O2 源あるいはCO2 源を別に設けることは実際
的ではない。 【0010】上記の如き、反応ガス圧力調制御、電池
運転温度制御あるいは反応ガス分圧制御は、電池本体の
特性を根本的に改善できる方法ではなく、それら外部要
因によって一時的に電池性能は高くなるが、それらの条
件を元に戻せば、電池性能も元に戻ってしまうか、ある
いはむしろ電池本体を損傷して悪い特性状態になってし
まうのが一般的である。 【0011】本発明の目的は従来技術の欠点を解消し、
燃料電池本体自身の特性を改善し、発電プラントの出力
特性を長期にわたって高性能にかつ安定に維持するのに
好適な溶融塩型燃料電池発電プラントを提供するにあ
る。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めには、前述の如く電極内の反応場を十分に確保するこ
とが重要であり、電極表面及び電極・電解質板界面にお
ける電解質の存在状態を適正化する必要がある。電池性
能が発現しにくかったり、電池性能が低下してきた時、
応々にして電解質の存在状態が不適であり、電解質がア
ノード側あるいはカソード側に片寄っており、電極の電
解質による濡れの過不足を生じている場合が多い。 【0013】本発明者らは、この電解質存在状態を外部
からの簡便な運転処理により変化させ、そのアンバラン
スな状態を適正な存在状態にして電池特性の改善を図る
目的で種々の試みを重ねた結果、本願発明を提供するに
至った。 【0014】溶融炭酸塩を電解質とする型の燃料電池に
おいて、電池性能が発現しにくい場合、あるいは電池性
能が低下してきた場合に、電池に負荷をかけた状態で反
応ガス供給量を低減するか遮断し、一定時間その状態を
維持させたのち、再度元の状態に復帰させるだけの至極
簡便な操作により、電池電圧がその処理前にくらべて高
くなることを明らかにした。さらに詳しく述べれば、ア
ノードに供給する燃料ガスである水素含有ガスを一時的
に遮断するか、その供給量を低減させて上記の操作を実
施する。また、カソードに供給するC2含有ガスある
いは空気(若しくはCO 2 )の少なくともどちらか一方
を遮断するか、その供給量を低減させて上記の操作を実
施する。また、アノードに供給する燃料ガス及びカソー
ドに供給する酸化剤ガスの両方を一時的に遮断するか、
その供給量を低減させて上記の操作を実施してもよい。 【0015】本願発明は、溶融塩型燃料電池発電プラン
トの出力特性が低下してきた場合に、上記操作をプラン
ト運転制御機構として組込むことにより、その特性を回
復する方式を提供するものであり、長期にわたって高性
能でかつ安定な出力特性の維持が達成される。 【0016】 【作用】さらに具体的に本願発明の作用効果を説明す
る。その一例はアノードに供給する燃料ガスを遮断する
か、その供給量を低減した場合である。 【0017】燃料ガス中のH2 が供給されなくなった
り、あるいは不足すると、アノード側では次のような反
応が進行することが予想される。 【0018】 2CO3 2- →2CO2 +O2 +4e … (3)式 2CO2 2- +2M→2CO2 +2MO+4e … (4)式 ここで、Mはアノード側に用いられる金属を意味する。 【0019】アノードで酸素発生が起こり、電池として
はカソードでO2 を汲み上げ、アノードでO2 が発生す
る、いわゆる酸素ポンプとして機能すると考えられ、ま
た電池材料Mの酸化による被膜形成も予想される。いず
れにしても、前述の(1)及び(2)式が進行する正常
な電池反応から、アノードでの反応が(3)あるいは
(4)式にかわることにより、アノード電位が変化す
る。この急激な電位変化により電解質の移動現象が起こ
り、電極の電解質による濡れの状態が良好になって電気
化学的反応場が増大し、電池特性の改善が図られると推
定できる。 【0020】また、前述の如く、電池材料、特に電極の
酸化被膜形成による表面改質により、電解質濡れ特性が
変化して電気化学的反応場増大に効果を発揮したことも
予想される。 【0021】他の一例はカソードに供給するC2 含有
ガスを遮断するか、供給量を低減した場合である。 【0022】酸化剤ガス中のCO2 が供給されなくなっ
たり、あるいは不足した場合のカソード側での反応は明
確ではないが、次のような反応が進行することが予想さ
れる。 【0023】 4O2 +4e→4O2 - … (5)式 8MO+4e→8M+4O2 - … (6)式 カソードでO2 のイオン化によるパーオキサイドやスー
パーオキサイドを生成する反応や電極材料である金属酸
化物MOの還元反応である。このような反応の進行によ
ってカソードでの電位変化が起こり、電解質の移動によ
る電極の濡れ状態が変化して電池特性の改善が図られる
と考えられる。また、カソードの表面改質も電極の電解
質による濡れ特性を変化させ、電気化学的反応場の増大
につながるケースもあると予想される。 【0024】上述のごとく、アノード及び/又はカソー
ドに供給する反応ガスの一方又は両方を遮断するか、供
給量を低減することにより、アノード及び/又はカソー
ドの電位変化が起こり、電極・電解質板界面の状態が変
化し、電気化系的反応場が変化し、電池性能が発現しに
くい場合や、その性能が低下してきた場合には、電池特
性を改善する方向に働くことが多く、又その効果は顕著
である。 【0025】界面動電現象の1つとしてすでに知られて
いる電気浸透電気化学測定法(藤嶋,相澤,井上共著;
技報堂出版 頁46〜47)、すなわち電位差を駆動力
として圧力差を生じさせ、電解質液相を移動させるとい
う現象が起きている可能性が十分にある。 【0026】本願発明者らは、これまでに他の種の燃料
電池であるメタノール・空気燃料電池やリン酸燃料電
池において、電位掃引(電位を1サイクル以上スイング
させる操作)や電位差を強制的につける手段によって電
極の電解質による濡れ特性が変化することを確認してお
り、電気浸透現象が有効に作用していることが考えられ
るが、溶融塩型燃料電池においては、ただ単に電位掃引
や電位印加の操作をした場合にくらべて、本願発明のご
とき、反応ガスの一方又は両方の遮断若しくは供給量の
低減という操作は電池特性の改善に著しい効果があるこ
とを見出した。本願発明による操作を実施するにあたっ
て、電位電池を複数個積層してなるブロックあるいはこ
れらが集合したセルスタックに負荷電流が流れているの
が好ましく、電池性能発現に効果が大である。負荷電流
値は特に限定されるものではないが、負荷電流値が大き
い場合には短時間の反応ガス遮断若しくは供給量の低減
操作でも高い電池性能を発現する。例えば、電流密度1
50mA/cm2 の一定電流を強制的に負荷させた場合
には1分前後ないし数分の上記操作で効果を発揮し得
る。しかし、50mA/cm2 以下の電流密度において
も数分ないし数10分と少し長い時間をかけることによ
り、その効果が発揮できることを確認している。負荷電
流がゼロ、すなわち開路状態での上記操作では電池性能
発現の効果は少ないが、長時間この状態を維持するか、
反応ガスの遮断を数度繰りかえすことにより、その効果
が認められるケースもある。 【0027】本願発明の操作を実施するにあたって、当
初は強制的に通電して一定電流を流せるようにした。そ
の場合、積層電池スタック全体に通電することもできる
し、積層電池をブロック化し、出力特性の低下したブロ
ックだけに所定電流を流すこともでき、いずれの場合に
も効果があることを確認した。本願発明においても、も
ちろんこの方式を採用することができるが、将来におい
てセルスタックの大面積化、高積層化がより一層進み、
例えば面積が10,000cm2 (1m×1m)になっ
たとすると、電流密度が150mA/cm2 であれば通
電電流は1500Aとなり、大容量の定電流負荷電源が
必要となるし、例えばセルスタックの積層段数が600
段,1ブロックの積層段数40段,15ブロックの集合
体と仮定すれば、出力特性の低下したブロックだけに所
定電流を流すためにはその制御機構も複雑となる。ただ
し、実施することは可能である。本願発明者らは本願発
明の方法を実施するにあたって、定電流負荷電源でない
通常の負荷を接続した場合の電池特性に及ぼす効果を調
べた結果から、本願発明の溶融塩型燃料電池発電プラン
ト運用法の有効性が実証された。 【0028】本願発明の特徴とするところは、溶融塩型
燃料電池発電プラントの出力特性があらかじめ定められ
た指標である電池電圧、電力、内部抵抗、反応ガス圧力
あるいは差圧などの設定範囲をはずれて低下した時、あ
るいは任意に選定された特定セルの分極値の設定範囲を
はずれて低下した時、酸化剤ガスとしての炭酸ガス含有
ガスの供給量を、一定時間、電池スタックあるいはブロ
ックに流れる電流を基準にその電気化学的当量よりも少
ない所定の割合に低減せるのち再度元の状態に復帰させ
る制御機構を有する溶融塩型燃料電池発電プラントであ
ることである。もちろん、その制御機構のなかには反応
ガスの遮断も可能である。 【0029】 【実施例】以下、概略系統図に基づき、本願発明の内容
をより詳細に説明する。 【0030】図1は水蒸気改質装置1を燃料ガス製造装
置として設置する溶融塩型燃料電池発電プラントであ
る。通常発電時においては、燃料電池本体2のアノード
へ水蒸気改質装置1の改質部から配管3及び配管4を通
して燃料ガスが供給される。一方、燃料電池本体2のア
ノード出口ガスが配管5を通して所定量の空気とともに
水蒸気改質装置1の火炉部に導入されて燃焼し、その熱
は改質部への熱源として利用される。本図は水蒸気改質
装置を有するクリーン燃料系発電プラントの基本概略系
統図であり、実際にはアノード出口ガスの有する燃焼熱
だけでは改質部の熱源として不足の場合には原燃料であ
るLNGの一部を補助燃料として該火炉部に供給するこ
ともある。水蒸気改質装置1の火炉部よりも燃焼排ガス
である炭酸ガス含有ガスは配管6、配管7及び配管8を
通して、また空気は配管8を通して燃料電池本体2のカ
ソードへ供給される。これら反応ガスの供給量は発電条
件である負荷電流量、反応ガス利用率等によって所定流
量に制御されている。燃料電池本体2のカソード出口ガ
スは配管9を通して排熱回収装置10に導入され、同じ
く排熱回収装置10へ供給された水との熱交換により水
蒸気を発生させたのち配管11を経て系外に排出され
る。実際のプラントでは、カソード出口ガスの一部は燃
料電池本体2の冷却用としてコンプレッサよりサイクル
ガスとして使われることもあり、またタービンコンプレ
ッサに導入されて空気の圧縮及びタービン発電のガス源
として利用されるのが一般的であるが、本図では省略し
ている。通常、その後段に排熱回収装置10が設置され
る。排熱回収装置10で発生した水蒸気は配管12及び
配管13を通して、また原燃料であるLNGは水蒸気と
の所定の比率で配管13を通して水蒸気改質装置1の水
蒸気改質部に供給され、水蒸気改質反応によりアノード
への燃料ガスで水素含有ガスが製造される。 【0031】燃料電池本体2で発電した直流の電気はイ
ンバータ13で交流に交換されて電力系統線へ継ぎ込ま
れる。 【0032】燃料電池発電プントに出力特性が低下し
てきたことを示す指標としては電池電圧、電力、内部抵
抗等が最も代表的である。また、任意に選定された特定
セルの分極値を指標とすることも可能である。この場合
には、アノード分極及びカソード分極値の大小を比較す
ることにより、燃料ガスあるいは酸化剤ガスのいずれの
供給量低減若しくは遮断操作をすべきかの有効な判断材
料となり得る。ただし、この場合には指標値検出端子を
かなり多く設けなくてはならないという不利な点もあ
る。また、別の指標としてカソード圧力あるいはアノー
ド圧力、あるいはアノード・カソード間差圧、ベルジャ
内圧と反応ガス圧力間差圧なども挙げられる。 【0033】一例として電池電圧を指標とし、定格電圧
の7割の値を設定したとする。この値はコンピュータに
記憶しておく。また、必要に応じて例えば定格の90%
というようにその設定値を任意に変更することができ
る。この指標検出端子、この例では電池電圧検出端子
を、単位電池を複数個積層してなるブロック毎に設ける
ことも出来るし、大容量集中型発電プラントの如きにお
いてこれらが集合したセルスタック毎に該検出端子を設
けることもできる。その場合、それぞれブロック毎ある
いはセルスタック毎に反応ガス供給量低減若しくは遮断
のための制御機構を設けるのが好ましい。 【0034】指標であるブロックあるいはセルスタック
の電池電圧が設定値以下になった時、設定値以下になっ
たセルブロック若しくはセルスタックの制御機構が作動
してアノードに供給する燃料ガス及び/又はカソードに
供給する酸化剤ガスである空気、炭酸ガス含有ガスの供
給量を一定時間低減するか若しくは遮断したのち、再度
元の状態に復帰させる。供給量低減若しくは遮断操作を
する反応ガスの種類やその時間は任意に設定したコンピ
ュータに記憶させておくことができる。また、必要に応
じてその設定条件を任意に変更することができる。 【0035】燃料ガスの供給量低減若しくは遮断操作を
数度繰り返すこともできるし、また酸化剤ガス中の炭酸
ガス含有ガスの供給量低減若しくは遮断操作を数度繰り
返すこともできるが、通常最も効果的な手順はまず燃料
ガスの供給量低減若しくは遮断、復帰後酸化剤ガス中の
炭酸ガス含有ガスの供給量低減若しくは遮断、再復帰後
空気の供給量低減若しくは遮断操作を行い、三たび復帰
させる。その操作によって最も電池電圧ゲインの大きか
った反応ガスについて再度供給量低減若しくは遮断操作
を繰り返し、電池電圧のゲインがなくなった時点でこの
操作を完了させる。この制御ステップはあくまでも実施
の一態様であり、任意に設定が可能であり、また電池電
圧ゲインと関連したプログラミングも可能である。供給
量低減若しくは遮断の時間も任意に設定できるが、通常
1〜3分程度が好ましい。 【0036】上記反応ガスの供給量低減若しくは遮断は
燃料電池本体2に流れる電流を基準としてその電気化学
的当量よりも少ない所定の割合で実施される。例えば1
000Aの電流が流れている単位電池40段積層のセル
ブロックに必要な電気化学的当量の燃料ガス量はそのガ
ス中に含まれる水素(H2 )と一般化炭素(CO)の合
量が16.8Nm3 /hとなる供給量である。また、酸
化剤ガスである炭酸ガス含有ガスの場合にはそのガス中
に含まれる炭酸ガス(CO2 )量が16.8Nm3 /h
となる供給量であり、また空気量としては40Nm3
hである。この電気化学的当量よりも少ない所定の割合
に供給量を低減する制御機構を備えており、指標である
電池電圧の設定値以下になったセルブロック若しくはセ
ルスタックでは燃料電池本体2に流れる電流値と連動し
て各反応ガス供給量制御機構が作動する仕組である。例
えば燃料ガスの供給量低減若しくは遮断は燃料ガス流量
制御弁14により実施される。電気化学的当量の1/2
に設定された場合には燃料電池本体2のアノードに供給
される燃料ガス流量は上記流量の半分に低減される。ま
た、設定をゼロにしておけば燃料ガスのアノードへの供
給が遮断される。余剰の燃料ガスは配管15を経てバイ
パスされる。バイパスされた燃料ガスは別に設ける燃焼
器に導入され、その燃焼排ガスをタービン発電機若しく
は排熱回収装置10に供給され、そのエネルギ及び熱量
を回収することができる。また、水蒸気改質装置1の火
炉部に導入して燃焼させ、同様にそのエネルギ及び熱量
を回収することもできる。その他、燃料ガスタンクに導
入し、再度該ガスを燃料電池発電に再利用することもで
きる。 【0037】また、燃料ガス供給量低減の別方式とし
て、水蒸気改質装置1に供給する原燃料であるLNG及
び水蒸気の供給量を制御することも可能である。 【0038】一方、燃料電池本体2のカソードに供給す
る炭酸ガス含有ガスの供給量低減若しくは遮断は燃焼排
ガス流量制御弁16により、燃料ガス流量制御弁14と
同様の制御機構で実施される。燃焼排ガスの余剰ガスは
配管17より放出されるが、該ガスも余剰燃料ガスの場
合と同様に、タービン発電機若しくは排熱回収装置10
に供給され、そのエネルギ及び熱量を回収することがで
きる。 【0039】また、燃料電池本体2のカソードに供給す
る空気の供給量低減若しくは遮断は空気流量制御弁18
により、前記の同様の制御機構で実施される。 【0040】図2は石炭ガス化装置19を燃料ガス製造
装置として設置する溶融塩型燃料電池発電プラントであ
る。図1と異なるところは水蒸気改質装置1の代わりに
石炭ガス化装置19を設け、それに付随してガス精製装
置20を具備していることである。その他には、アノー
ド出口ガスを燃焼させてその燃焼ガスである炭酸ガス含
有ガスをカソードへ供給するための燃焼器21を設けて
おり、それに伴って空気及び余剰燃料ガスを該燃焼器2
1に導入するための配管8’及び配管15’を設けてい
る。 【0041】本発電プラントの制御運用法については、
図1に基づいて前述した方法に準拠する。本プラントに
おいてもガスタービン及び/又はスチームタービン発電
機が設置されて運転できることは言うまでもない。 【0042】 【発明の効果】本願発明によれば、溶融炭酸塩を電解質
として炭酸イオンを伝導体とする型の燃料電池発電プラ
ントにおいて、電池性能が発現しにくかったり、出力特
性が低下してきた場合に、外部からの至極簡便な操作に
より、短時間のうちにその特性を回復させることがで
き、長期にわたって高性能でかつ安定な出力特性が維持
できる効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本願発明の一態様を示すクリーン燃料であるL
NGを原燃料とする溶融塩型燃料電池発電プラントの基
本系統図である。 【図2】石炭を原燃料とする溶融塩型燃料電池発電プラ
ントの基本系統図である。 【符号の説明】 1 水蒸気改質装置 3〜7,8,8’,9,11,12,15,15’,1
7 配管 2 燃料電池本体 10 排熱回収装置 13 インバータ 14 燃料ガス流量制御弁 16燃焼排ガス流量制御弁 18 空気流量制御弁 19 石炭ガス化装置 20 ガス精製装置 21 燃焼器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 一男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 岩瀬 嘉男 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 加茂 友一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 三次 浩一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−170866(JP,A) 特開 平5−335030(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 8/00 - 8/24

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 アノードとカソードを有し、溶融炭酸塩を電解質として
    炭酸イオンを伝導体とし、アノードに燃料ガス、カソー
    ドに酸化剤ガスとして空気と炭酸ガス含有ガスを反応ガ
    スとして供給する型の溶融塩型燃料電池発電プラントに
    おいて、 燃料電池に負荷を接続して運転している際に、燃料電池
    の出力が定格からあらかじめ設定して出力以下に低下し
    たときには、燃料電池の本体のカソードに供給する前記
    酸化剤ガスのうち炭酸ガス含有ガスが燃料電池本体に流
    れる電流を基準としてその電気化学的当量よりも少なく
    なるように、前記酸化剤ガス中の炭酸ガス含有ガスの供
    給量を一定時間低減もしくは遮断した後再度元の状態に
    復帰させる手段と、 前記カソードに供給される炭酸ガス含有ガスの余剰分を
    タービン発電機及び排熱回収装置の少なくとも一方に供
    給する手段と、 を備えていることを特徴とする溶融塩型燃料電池発電プ
    ラント。
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