JP2764440B2 - アナモルフィックプリズム - Google Patents

アナモルフィックプリズム

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、レーザダイオードの偏光特性を利用する例
えば偏光ビームスプリッタを用いた光学機器等に使用す
るアナモルフィックプリズムに関する。
(従来の技術) レーザダイオードのビームの放射角度特性は楕円形で
あり、レンズ等によって平行ビームに変換すると、楕円
形のビームとなる。アルモルフィックプリズムペアは、
この楕円形のビームを円形のビームに直すための一つの
手段として知られている。
このプリズムペアの各プリズムの光入射面には、光透
過率を高めるため及びヤケを防止するために低屈折率誘
電体の単層減反射コーティングが施されている。
(発明が解決しようとする課題) アナモルフィックプリズムペアは、ブリュースタ角の
近くで使用されるため、レーザダイオードの光の偏光特
性はそのプリズムペアを透過することにより強化される
が、各プリズムの光入射面に単層減反射コーティングが
あると、レーザダイオードの光の偏光特性を弱めるよう
に作用する。したがって、レーザダイオードの光の偏光
特性を高めたいという面から見ると、前記コーティング
を施すことは好ましくないという課題があった。
本発明は、従来のもののこのような課題を解決するこ
とをその目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記の目的を達成するために、プリズムの
光入射面に該プリズムの素材より高屈折率の誘電体膜を
その膜厚がλ/4n1(但し、λは光の波長、n1は誘電体膜
の屈折率)の付近となるようにコーティングしたことを
特徴とする。
(作用) 大部分がP偏光で、わずかにS偏光成分を含んでいる
レーザダイオードの光がアナモルフィックプリズムにブ
リュースタ角度に近い角度で入射すると、プリズムの光
入射面においてS偏光が反射し、P偏光のみがプリズム
を透過する。この光入射面に前記誘電体膜がコーティン
グされると、S偏光の反射量が増加し、P偏光も反射す
るようになる。しかし、P偏光の反射量はS偏光の反射
量に比べて小さいので、透過光におけるP偏光の割合は
増加し、レーザダイオードの光の偏光特性が高まる。
光が屈折率n0の媒質から、屈折率n1膜厚d1の薄膜がコ
ーティングされた屈折率n2の媒質に垂直入射したときの
反射率Rは次式で表わされる。
但し、 ψ1:前記薄膜へ垂直入射したときの屈折角。
この式を作図した第3図に示す前記誘電体膜の膜厚d1
とその屈折率n1との積に対する光反射率特性から明らか
なように約λ/4n1の膜厚において従来のもの(破線で示
す)に比べて大幅に光反射率が高くなる。したがってこ
の膜厚付近においてレーザダイオードの光の偏光特性が
高まる。
約λ/4n1の奇数倍の膜厚でも光反射率が高いが、波長
によって著しく変化するので、種々の波長で使用する場
合には、約λ/4n1の膜厚がよい。
(実施例) 以下本発明の実施例を図面につき説明する。
第1図は本発明の一実施例のアナモルフィックプリズ
ムの慨略構成を示す。
同図において、アナモルフィックプリズム1を構成す
るプリズム1aと1bの光入射面には、プリズム1aと1bの素
材より高屈折率の誘電体膜2が約λ/4n1(λ:光の波
長、n1:屈折率)の膜厚になるようにコーティングされ
ている。
図示の2つのプリズム1aと1bの配置構成によれば、レ
ーザダイオードの光3が図示のようにプリズム1aに入射
し、プリズム1bから出放射すると、第2図示のように、
断面楕円形の入射光(破線で示す)は断面円形の出射光
(実線で示す)となる。そのビーム整形の程度はビーム
整形比b/aで表わされる。このビーム整形比は、プリズ
ム1a,1bの素材例えばガラスの屈折率、プリズム1a,1bの
ウェッジ角θ及び2個のプリズム1a,1bの配置により変
化できる。
たとえば屈折率=1.78,ウェッジ角θ=29.4゜とし、
入射角度θをこの場合のブリュースタ角=60.5゜とす
ると、ビーム整形比は3.6倍となる。このプリズム1a,1b
を使用し、これ等の配置を変更してビーム整形比を約5
倍とすると、入射角度θは65.5゜、ビーム整形比を約
6倍とすると、θ=68゜となる。以上の各場合につい
て、無コートの場合、n1=2.04のZrO2、n1=2.30のTiO2
を膜厚d1がλ/4n1になるようにコーティングした場合の
偏光各成分の反射率を次表に示す。
表から明らかなように、同じ入射角度における場合、
本発明によれば、S偏光の反射率がP偏光の反射率に比
べて大幅に増加する。したがってレーザダイオードの光
の偏光特性は無コートの場合よりも更に強化される。ま
た入射角度が大きくなるほどS偏光の反射率が増加し、
P偏光の反射率は減少するので、透過光の偏光比率は強
化される。
(発明の効果) 本発明は、上述の通りの構成であるから、プリズム素
材の表面のヤケを防ぐことができると共にレーザダイオ
ードの偏光特性を高めることができる等の効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の慨略構成図、第2図はレー
ザダイオードの光ビームの整形の説明図、第3図は本発
明と従来例の特性図である。 1……アナモルフィックプリズム 1a,1b……プリズム 2……誘電体膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリズムの光入射面に該プリズムの素材よ
    り高屈折率の誘電体膜をその膜厚がλ/4n1(但し、λは
    光の波長、n1は誘電体膜の屈折率)の付近となるように
    コーティングしたことを特徴とするアナモルフィックプ
    リズム。
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JP2013057820A (ja) * 2011-09-08 2013-03-28 Asahi Kasei E-Materials Corp 車両窓用の光透過性積層体

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