JP2764044B2 - 超微粒子からなるダイヤモンド焼結体およびその製造方法 - Google Patents

超微粒子からなるダイヤモンド焼結体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、粉体のダイヤモンドを衝撃に伴って発生す
る超高圧、高温によって、介在物を含まず焼結してなる
高硬度ダイヤモンド焼結体およびその製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来ダイヤモンドを含む焼結体は主に2種類の製造方
法が知られていた。一つはダイヤモンド粉にCo、Ni等の
金属を添加してプレスによって静的超高圧を発生し、ヒ
ーターで同時に高温で発生させて金属の介在下に焼結し
たダイヤモンド焼結体で、焼結体中に金属を含むために
その焼結体を切削工具として利用する場合に金属がダイ
ヤモンドに較べて弱いため、その性能に限界があること
が知られている。もう一つの方法は、何も添加してない
ダイヤモンド粉を金属製カプセルに収め、その外部から
主として爆薬の爆発によって発生する超高圧を直接つた
えるか、爆薬の爆発などによって発生する超高圧を受け
て高速で飛翔する金属板を衝突させることにより、ダイ
ヤモンド粉を圧縮成形して介在物なしに焼結する方法が
知られていた。例えばAkashiとSawaokaは、Journal of
Material Science(材料科学誌:雑誌名邦訳)の第22巻
3276頁(1987)に、2−4μmと10−20μmの2種の粒
度範囲を持った短結晶ダイヤモンド粉に90GPaの衝撃を
負荷し、ダイヤモンドの真密度に対して88.5%と91.0%
の相対密度の誌を得たと報告している。また、吉田、田
中、青木及び藤原は、第2回ダイヤモンドシンポジウム
講演要旨集(昭和61年12月14,15日開催)25頁に、5−
7μm、0.5−1μm、0−0.5μmの3種の粒度分布を
有する試料に衝撃圧力を負荷して焼結体を得たとしてい
るが、その硬度値やその他の焼結体の性質については報
告されていなく、硬度にばらつきが多く、圧痕の測定で
きないものも多く、特に0−0.5μmの粒度範囲のもの
ではダイヤモンドのグラファライト化が顕著であったと
報告している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記「従来の技術」の方法による場合、500nm以下の
ダイヤモンド粒子が存在すると、超高圧を負荷するのと
同時に発生する高温によって、それらが黒鉛化し、ダイ
ヤモンド焼結体特有の高硬度が得られず、500nm以上の
ダイヤモンド粒子のみによって焼結しなければならず、
好ましくは数μm以上の粒子を使用することが適当とさ
れていた。500nm以上の粒子を焼結原料として使用した
場合には上記の黒鉛化による問題は発生し難くなるが、
概して三つの問題が発生する。
一つは大きなダイヤモンド粒子を原料として使用する
と、当然粒子間の空隙も大きくなる。従って粒子同士を
強固に結合するためには、その大きな空隙を埋めるだけ
の大きな変形をダイヤモンド粒子に与えなければならな
い。原理的にはダイヤモンド粒子の高い硬度、従って高
い変形抵抗に打ちかつ高い圧力をかけて粒子同士を密着
させ、その際同時に発生する高温を利用して接合すれば
良い訳であるが、周知のようにダイヤモンドは脆性材料
であり、衝撃で処理する場合にはダイヤモンド粒子は貫
通する亀裂の発生が避けられない。反面、一旦亀裂が発
生しても、高圧、高温によって再度結合されることが期
待できるが、全部の亀裂が再結合されることは殆ど無
く、亀裂のまま残存して焼結体の強度を低くする効果を
有する。
二番目の問題は、一番目の問題を解決するために高い
圧力を付加することによって発生する問題である。即
ち、高い圧力を負荷することによって、ダイヤモンド粒
子の集合体は強く圧縮されて断熱的に温度を上昇する
が、高い圧力をかければかけるほど温度も高くなるため
に、好ましくない高温に達し、その結果黒鉛化を避ける
ために粒子径を大きくしたのが逆に働いて黒鉛化を助長
し、必要な焼結体硬度が維持できなくなることになる虞
れが大きい。
三番目の問題は、上記の問題を解決して焼結体が出来
たとした場合の問題である。良く知られた事実として、
ダイヤモンドは(111)面に劈開面を有する。即ち(11
1)面に平行な応力を加えることによって、ダイヤモン
ドは容易にその面に沿って割れる。よって、天然、合成
を問わず、一つの単結晶ダイヤモンドをそのまま、工具
に使用する場合、主な応力が(111)面に平行な方向に
かからないように配慮しなければならない。しかし、ど
のように注意しても、工具として使用する場合は各方向
の応力が負荷されることは当然であり、劈開による単結
晶ダイヤモンド工具の破壊は謂わば宿命的なものともさ
れる。それを避けるために、多数の粒子を無作為に配置
して焼結し、強固な一体の焼結体として工具に利用され
ている訳であるが、焼結体ダイヤモンドの微細な構造を
見ると個々の粒子は単結晶であり、それぞれは相変らず
劈開性を有している。そのため、工具として切削や線引
き、掘削等に使用される場合、局所に集中的かつ衝撃的
な応力がかかるため、個々の粒子の強度が問題となって
きて、劈開性が現われる結晶格子の(111)面に近い角
度で粒子に応力が負荷されると容易にその粒子が損傷を
受けて破損し、場合によっては隣接したダイヤモンド粒
子に次々に亀裂を伝播させ、焼結体損耗を早める。要す
るに、ランダムな方向で配列焼結した焼結体であって
も、微視的に見れば単結晶の集まりであるので、その欠
点が残っていると云う問題があり、解決されていない。
〔問題を解決するための手段〕
発明者らは、前項の問題を解決するために多くの理論
的、実験的検討を進め、本発明に到達した。
まず、前項の三つの問題点のそれぞれについて、各個
に検討し対策を考える。
(1) 大きな粒子を使用するために空隙が大きくな
り、そのため強い衝撃をかける必要が生じ、亀裂が発生
してしまうことに対しては、基本的には原料として使用
するダイヤモンド粒子径を小さくすることと、亀裂の発
生し難いダイヤモンド粒子を使用することで対処可能で
ある。
(2) 前項により、大きな粒子を使用しないことによ
って、強い衝撃をかける必要がなくなり、より弱い衝撃
をかけることによって焼結できるようになるため、必要
以上の高温が発生して、焼結体強度の維持に有害な黒鉛
化が発生することはなくなる。無論余りにも微細な粒子
を使用すると、焼結時に粒全体が選択的に高温になるこ
とによって有害な黒鉛化が発生し、必要な硬度が得られ
なくなるが、前項に記載したように500nm以上の粒子を
使用することによって黒鉛化は最低限に止めることがで
きる。また、各種の実験によって、ダイヤモンド粒子を
貫通する亀裂を最低限に抑えるためには、無論それだけ
では従来の技術による焼結体と変わらないので、次項に
述べる対策が必要になってくる。
(3) 前記2項により、従来の技術でも衝撃強度を十
分に吟味すれば、有害な黒鉛変を最低限に抑えて工具材
料として使用可能な焼結体を作れる可能性もないとは言
えないことが分かった。しかし、個々のダイヤモンド粒
子が単結晶としての性質を焼結体になってからも保持し
ていることによる問題はそれらによっては対処できな
い。結論としては、単結晶のダイヤモンド粒子を使用す
る限りにはその問題は避けられないことである。従って
発明者らは爆薬の爆発に伴う超高圧や、火薬銃あるいは
二段式軽ガス銃または電気的方法によって発射された金
属板または弾丸が衝突する際に発生する衝撃超高圧によ
って合成されたダイヤモンド(以後衝撃合成ダイヤモン
ドとする)が多結晶であることに着目し、それを焼結原
料に用いることによって、単結晶のダイヤモンド粒子を
焼結した場合に発生する問題を解決し、事実上焼結体内
に結晶上の方向性を伴わないために、天然、合成を問わ
ず単結晶で一体のダイヤモンドの有する劈開性を全く伴
わず、また、従来の焼結体ダイヤモンドよりはるかに優
れた耐摩耗性、耐衝撃性を有するダイヤモンド焼結体が
得られることを見出したものである。衝撃合成ダイヤモ
ンドが多結晶であると云う意味は、個々の寸法が非常に
微細な単結晶粒子(一次粒子と称する)が多数集まって
一つの粒子(二次粒子と称する)をかたち作っているこ
とを意味し、一次粒子の寸法は10nmから100nm、二次粒
子の寸法は数10nmから数100μmまであることが知られ
ている。100nm以下の寸法の一次粒子が集まってできた
二次粒子を事実上介在物なしに焼結した場合、焼結体は
全て100nm以下の単結晶が無作為に配置されて一体とな
っていることになり、100nm以下の極く微細な単結晶の
場合、劈開性は全く問題にならない。従って衝撃合成ダ
イヤモンドを原料として焼結体を作った場合、方向性が
全くない、全体が等質である理想的なダイヤモンドが得
られる。更に、従来の単結晶ダイヤモンドを使用して衝
撃焼結したダイヤモンド焼結体が、原料ダイヤモンド粉
末の粒子径が500nm以上でないと良好な焼結体が得られ
なかったのに対して、本発明による衝撃合成ダイヤモン
ドを焼結原料に用いて、衝撃によって焼結したダイヤモ
ンド焼結体は、衝撃合成ダイヤモンドの粒子寸法が500n
m未満でも、100nm以上であれば充分に優れた性能の焼結
体が得られることが判明した。その際、100nm未満のダ
イヤモンド粒子を1%以上含むと、それが衝撃負荷時ま
たは圧力が常圧近くに低下しても残留する高温のため
に、優先的に黒鉛化して、ダイヤモンド焼結体の硬度を
低下させることが判明した。尚、本発明で云う粒子寸
法、または粒子の径とは、粒子の最大と最小の部分の平
均寸法を云うものとする。
また、本発明による超微粒子からなる多結晶ダイヤモ
ンド焼結体は、極く微量のダイヤモンドが高温によって
転換した黒鉛を含むが、これは不定型の衝撃合成ダイヤ
モンドの表面の一部で突出した部分が局部的にダイヤモ
ンド不安定領域の高温にさらされた結果生じたものと考
えられる。本来、黒鉛は固体潤滑材として用いられる程
軟らかく、高硬度と高強度を求めるダイヤモンド焼結体
中に存在することは好ましくないと考えられていた。し
かし、非常に微細な組織を持った本発明によるダイヤモ
ンド焼結体の場合は、後に述べる程度の量が存在する程
度であれば従来の静的超高圧による市販ダイヤモンド焼
結体より優れた性能を発揮し、殆ど問題ではなく、むし
ろ本発明によるダイヤモンド焼結体の特徴と考えられ
る。
〔発明の効果〕
本発明による焼結体は、衝撃合成ダイヤモンドを焼結
原料に用いて衝撃によって焼結した、焼結体全体がごく
微細な多結晶ダイヤモンドから構成されているため、極
めて靭性の高い多結晶ダイヤモンド焼結体で、切削工
具、ダイス、掘削工具、耐摩耗材として、従来のダイヤ
モンド工具材料である、天然、合成の単結晶ダイヤモン
ド、単結晶ダイヤモンドを原料とした結晶ダイヤモンド
の有する劈開性を事実上有していない全く新しい優れた
焼結体である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によって説明する。
実施例1 第1図の断面図に示すような試料容器で、外径25mm、
高さ30mmの円柱形のSUS304ステンレス鋼製で、直径12m
m、深さ27mmの試料室を有し、試料室入口部分に深さ12m
mにわたって雌ねじ溝を有するカプセル部1の内部に爆
発衝撃によって合成した、粒子数で99%以上の粒子寸法
が200nmから500nmの範囲にある焼結原料ダイヤモンド2
を充填し、同じくSUS304鋼製の高さ22mm、直径12mmで、
側面の一方の端に長さ10mmにわたって雄ねじを有する蓋
3をねじ溝を利用して締め込んだ。蓋3には直径1mmの
真空引き用の穴4を予じめ開けてあり、ダイヤモンドを
封入した後に、10-5torrの真空炉中で400度、4時間保
持して吸着した酸素を除去した。酸素の除去作業を終了
してから、真空引き用の穴は真空中で銀ろうによって封
止して内部の真空を保持した。
封入したダイヤモンドの量は1.18gで、かさ比重は2.0
8g/cm3となり、ダイヤモンドの真比重とされる値の約5
9.4%に相当する。
同様にして合計4個のカプセルを用意し、第2図の断
面図に示すSS41鋼製のモーメンタムトラップと称する、
直径80mm、厚さ30mmの円板の平面上の直径45mmの同心円
上に等間隔で4個の直径25mmの平面に直角な穴を設けた
試料収納部5と、外径120mm、内径80mm、厚さ30mmのリ
ング6と、直径120mm、厚さ30mmの円板7を組合せたも
の、直径25mmの穴に、カプセルの蓋3が下の方に位置す
るようにしてカプセルを詰め、全体を深さ120mm、直径2
00mmの蓋のないポリプロピレン製容器8に充填した粘土
9中に、試料収納部5の側を上にして埋め込んだ。次に
爆発消音装置中の水10を満たした鋼製の槽11の上に木板
12を渡して、その試料などからなる構成13を槽の中央に
位置するようにして載せ、更に厚さ3.2mm、150mm角のSS
41鋼板14の中央部に比重1.64g/cm3で爆発速度9,000m/se
cの爆薬15を厚さ30mm、直径120mmの円板状に成形したも
のを載せ、鋼板14の底面と構成13の上面が平行でかつ距
離が30mmになるように鋼板14の四隅に高さ30mm、幅30m
m、厚さ15mmの木片16を配置して置いた。更に爆薬の上
面に平面波発生装置17を載せ、それに6号電気雷管18を
装着して通電し、爆薬15を鋼板14の平面に平行な爆轟波
面で爆発させた。爆発によって、爆薬15の下面の鋼板14
は下方に高速で飛ばされ、構成13の上面に平行に2.8km/
secの速度で衝突した。その際に鋼板14と構成13の表面
のSUS 304ステンレス鋼の衝突面に発生した圧力を計算
した所、71.8GPa(約73万気圧)であった。
鋼板が衝突した構成13は、槽11内に満たされた水10の
中に打ち込まれ、槽11の底から回収された。構成13のう
ち、試料収納部5とリング6はばらばらに破壊されてい
たが、カプセル1は蓋3を備えたまま、変形は認められ
たがほぼ原形を保って回収された。
回収したカプセル1の蓋3の反対側の端を、充填した
ダイヤモンドの表面が露出するまで旋盤を用いて切削バ
イトによって切削した処、ダイヤモンドは全体が強固に
結合した焼結体になっていた。
得られたダイヤモンド焼結体の表面を5−10μmの粒
度範囲を有するダイヤモンドペーストで研磨し、マイク
ロビッカース硬度試験が可能な程度の平滑さに仕上げて
から加重1kgfでマイクロビッカース硬度を測定したとこ
ろ、衝撃波の入射側で平均4,680kgf/mm2(n=12)、反
対側の面で平均5,990kg/mm2(n=12)の値が得られ
た。
アルキメデス法によって得られた結晶体の密度を測定
したところ、3.22g/cm3で、ダイヤモンドの真密度とさ
れる値3.51g/cm3の91.7%であった。
ダイヤモンド焼結体の表面をX線回折試験によって検
査したところ、円板の上下面共に広い回折角にわたって
僅かな黒鉛の存在が認められた。
直径12mm、厚さ約3.5mmの焼結体をレーザーで十文字
に切断して、一片が約5.8mmで頂角90゜の扇状のチップ
とし、12.7mm角で長さが150mmの鋼製の柄の長手の端に
銀蝋でダイヤモンド焼結体を包み込んで取り付け、切削
試験用のバイトとした。対象試験用として、市販の静的
超高圧焼結によるCoを含むダイヤモンド焼結体によっ
て、同様なバイトを作成した。
一方、WC粉92wt.%とCo粉8wt.%を混合、成形した後9
00℃1時間の焼成で仮焼体とした直径約100mm、長さ約2
50mmの円柱を、本発明によるダイヤモンド焼結体を取り
付けたバイトで切削した。切削条件は、周速55−30m/mi
n、切込み0.3−0.5mm、送り0.2mm/revとした。その結
果、延べ1時間48分の切削でやや切れ味が低下したので
試験を終了した。焼結体の刃先を倍率20倍の実体顕微鏡
で調べたところ、先端が摩耗によって0.18mm後退してい
た。
次に同様な切削試験を、市販の静的超高圧焼結による
Coを含むダイヤモンド焼結体を取り付けたバイトで実施
した。その結果、切削を開始してから13分後に刃先が欠
損して以後の切削試験は実施できなくなった。
比較例1 実施例1の実験を繰り返した。ただし、充填したダイ
ヤモンドは、静的超高圧で溶融触媒を用いて合成した。
個々のダイヤモンド粒子は単結晶のものとした。また、
ダイヤモンドの粒子寸法は、全部の粒子の99%以上が25
0nmから500nmの範囲に含まれるものとし、実施例1と同
寸法のカプセルに1.18gが充填できた。この場合のかさ
比重は2.08g/cm3となり、ダイヤモンドの真比重とされ
る値の約59.4%に相当する。
回収されたカプセルを実施例1と同様にして切削し、
ダイヤモンド部分を露出した処、ダイヤモンドは一見強
固に焼結されたように見受けられた。
実施例1と同様にしてマイクロビッカース硬度を測定
したところ、衝撃波の入射側の面で平均3,710kgf/mm
2(n=12)、反対側の面で平均4,920kgf/mm2(n=1
2)の値が得られた。
また、ダイヤモンド焼結体の表面をX線回折試験によ
って検査したところ、円板の上下面共に広い回折角にわ
たって黒鉛の(002)面の回折を示すピークが認めら
れ、僅かな黒鉛の存在が示唆されたが、その回折ピーク
の高さをダイヤモンドの(111)ピークの高さで割った
値は、実施例1のものが0.03であったのに対して0.18あ
り、黒鉛化度がより高いことを示していた。マイクロビ
ッカース硬度が実施例1のものより低かったのも、その
ためと考えられる。
次に実施例1と同様にしてダイヤモンド焼結による切
削試験用バイトを製作し、同様な切削試験を行った。そ
の結果、バイト先端は切削開始後8分で欠損し、静的超
高圧焼結による市販ダイヤモンド焼結体より劣ってい
た。
実施例2−6 実施例1の実験を繰り返した。ただし、使用したダイ
ヤモンドの粒子寸法と種類及び鋼板が試料ダイヤモンド
を収納したカプセル表面に衝突する速度について、各種
の組合せを作って試みた。その条件及び結果を表1に示
す。尚、表中の充填率とは、ダイヤモンドの真比重を3.
515g/cm3として、ダイヤモンド粒子を充填した際のかさ
比重で除した値を100分率で示したものである。また、
発生圧力は、鋼板とステンレスカプセルの衝突面に発生
する圧力値である。
【図面の簡単な説明】
第1図は試料を収納するカプセルを説明するための図、 第2図は試料を衝撃処理して回収するためのモーメンタ
ムトラップと回収容器の断面図である。 1……カプセル、2……焼結原料 3……カプセルの蓋、4……真空引き用の穴 5……試料収納部、6……リング 7……円板、8……ポリプロピレン製容器 9……粘土、10……水 11……鋼製槽、12……木板 13……試料などからなる構成 14……鋼板、15……爆薬 16……木片、17……平面波発生装置 18……電気雷管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒山 豊 愛知県知多郡武豊町六貫山2―34 (72)発明者 榊原 育夫 愛知県半田市清水東31

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一次粒子径が100nmから10nmで、二次粒子
    の最小のものの径が100nmから1μm、最大のものの径
    が500nmから10μmの多結晶ダイヤモンド粉が、不可避
    不純物を除く他の物質を介さずに直接に接合されてな
    り、実質的に一体となって配向性を有さないことを特徴
    とするダイヤモンド焼結体。
  2. 【請求項2】請求項1に規定するダイヤモンド焼結体に
    おいて、その密度が90%以上であることを特徴とするダ
    イヤモンド焼結体。
  3. 【請求項3】請求項1または2に規定するダイヤモンド
    焼結体において、ダイヤモンド中に、X線回折試験にお
    いて黒鉛の(002)面の回折ピークの高さをダイヤモン
    ドの(111)ピークの高さで割った値が0.11以下となる
    ような微量の黒鉛が含まれることを特徴とするダイヤモ
    ンド焼結体。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに規定するダ
    イヤモンド焼結体の製造方法において、全部のダイヤモ
    ンド粉の一次粒子径が100nmから10nmで、二次粒子の最
    小のものの径が100nmから1μm、最大のものの径が50n
    mから10μmの多結晶質焼結原料ダイヤモンド粉を金属
    製カプセルに封入し、爆薬の爆発や火薬銃あるいは二段
    式軽ガス銃または電気的方法によって発射された金属板
    または弾丸を衝突させて高圧高温を発生させて焼結する
    ことを特徴とする直接焼結ダイヤモンド焼結体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】請求項4に規定するダイヤモンド焼結体の
    製造方法において、焼結原料のダイヤモンド粉が、衝撃
    超高圧によって合成したダイヤモンドであることを特徴
    とするダイヤモンド焼結体の製造方法。
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