JP2763602B2 - Ｉｃカードドライバ用格納装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、ICカードドライバ用格納装置に係り、特に
挿入方向長さが互いに異なった複数種類のICカードを用
いられるICカードドライバのための格納装置に係る。

（従来の技術） ICカードのデータを読み書きするICカードドライバに
は、ICカードの全てがスロット内に格納される完全格納
式のものがあり、この完全格納式のものに於ては、ICカ
ードの使用時に於て、これがICカードドライバのスロッ
トより外部へはみ出すことがないので、ICカード使用時
に於ける安全性に優れ、ICカードが各種ノイズの影響を
受けることがない。

（発明が解決しようとする課題） 従来の完全格納式のICカードドライバに於ては、ICカ
ードの格納可能長さは一定であり、このため規格化され
た一種類のICカードしか完全格納することができない。

非接触式のICカードに於ては、挿入方向長さが互いに
異なったものが多くあり、このようなことから非接触式
ICカード用のICカードドライバには完全格納式のものが
ない。ICカードがICカードドライバのスロット内に完全
格納されない場合にはICカードの一部がスロットより外
部へ突き出ることになり、これは、上述の如く、ICカー
ドの使用下に於ける保護の観点から好ましくないばかり
でなく、ICカードがICカードドライバに確実にセットさ
れたか否かが使用者にとって判断し難いという不具合を
も生じる。

本発明は、上述の如き不具合に鑑み、挿入方向長さが
互いに異なった各種ICカードの全てを完全格納すること
ができる新しいICカードドライバ用格納装置を提供する
ことを目的としている。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段） 上述の如き目的は、本発明によれば、フレームと、正
面にICカードを挿入されるスロットを有しICカードを受
入れ保持するICカードドライバと、前記ICカードドライ
バを取付けられ前記ICカードドライバに対するICカード
の挿入方向に移動可能に前記フレームに取付けられたス
ライダと、前記スライダを各種ICカードの挿入方向長さ
に応じた複数個の挿入方向移動位置に前記フレームに対
し選択的に係止するストッパと、前記ストッパによる前
記スライダの係止を解除するエジェクタとを有するICカ
ードドライバ用格納装置によって達成される。

（作用） 上述の如き構成によれば、スライダがICカードドライ
バを保持した状態にてフレームに対しICカードの挿入長
さ方向に移動してストッパにより各種ICカードの挿入方
向長さに応じた複数個の挿入方向移動位置に選択的に係
止され、これによってフレーム内に於けるICカードの格
納可能長さが各種ICカードの挿入方向長さに応じて多段
階的に変化するようになり、挿入方向長さが互いに異な
った各種ICカードの全てがフレーム内に完全格納される
ようになる。

（実施例） 以下に添付の図を参照して本発明を実施例について詳
細に説明する。

第１図乃至第６図は本発明によるICカードドライバ用
格納装置の一つの実施例を示している。これらの図に於
て、符号１はフレームを示している。フレーム１は、箱
状をなし、前部にエスカッション３を有し、エスカッシ
ョン３にはICカード挿入用のカード挿入口５が設けられ
ている。フレーム１はエスカッション３の両側部に位置
してカード挿入口５よりのICカードの挿入方向に互いに
平行に延在する側壁７および９を有しており、この側壁
７と９との間に矩形板状のスライダ11が第３図及び第６
図で見て左右方向に、即ちICカードの挿入方向に移動可
能に設けられている。

スライダ11は側壁７及び９に設けられたエンボス案内
部13上に載置され、エンボス案内部13とフレーム１に固
定されたアッパープレート15との間を第３図及び第４図
にて左右方向に摺動するようになっている。スライダ11
の下底部には複数個のねじ17によってICカードドライバ
19が固定装着されている。ICカードドライバ19はエスカ
ッション３のカード挿入口５に整合する正面位置にICカ
ードを挿入されるスロット21を有しており、スロット21
より挿入されるICカードを受入れ保持するようになって
いる。

アッパープレート15にはピン23によって捩りばね25が
取付けられている。捩りばね25は、一端にてアッパープ
レート15のばね止め27に係止され、他端にてスライダ11
に取付けられたばね止めピン29に係合し、スライダ11を
第２図乃至第４図で見て左方、即ちICカードドライバ19
がエスカッション３に近付く初期位置へ向けて付勢して
いる。

アッパープレート15の下底部には枢軸31によってスト
ッパ爪33が回動可能に設けられている。スライダ11には
ストッパ爪33が選択的に係合するストッパプレート35が
ねじ37によって固定装着されている。ストッパプレート
35には、第４図で見て左右方向、即ちICカード挿入方向
に互いに隔置された二つの位置にストッパ突出片部39、
41を有している。ストッパ突出片部39及び41は各々ICカ
ードの挿入方向長さに応じてその配設位置を定められて
いる。ストッパ爪33はばね止め43を有しており、ばね止
め43には捩りばね45の一端が係合している。捩りばね45
は、ピン47によってアッパープレート15に装着され、他
端にてアッパープレート15のばね止め49に係止され、ス
トッパ爪33を枢軸31を中心として第４図で見て反時計廻
り方向へ付勢している。ストッパ爪33は、傾斜辺部33a
と垂直辺部33bとを有し、ストッパ突出片部39、41の第
４図で見て左方より右方への移動を自由に許し、それと
は反対の方向の移動を阻止する一方向ストッパ爪をなし
ている。

スライダ11にはねじ53によってエジェクタガイドプレ
ート51が固定装着されている。またストッパプレート35
にはエジェクタガイド片部55が設けられており、エジェ
クタガイド片部55とエジェクタガイドプレート51との間
に帯板状のエジェクタ57が第４図で見て左右方向に摺動
可能に設けられている。エジェクタガイド57は、一端部
59にてエスカッション３の前方に突出し、この一端部に
図示されていない操作つまみを装着されるようになって
おり、他端部61にて係合爪33に当接し、第４図で見て右
方への移動、即ちプッシュ操作移動により係合爪33を捩
りばね45のばね力に抗して図にて反時計廻り方向、即ち
ストッパ解除方向へ駆動するようになっている。

尚、アッパープレート15にはスライダ11のねじ37、53
及びねじ止めピン29を受入れる細長いスリット63及び65
が設けられており、これらねじによってスライダ11のカ
ード挿入方向移動が阻害されないようになっている。

第４図はICカードが挿入されていない初期状態を示し
ており、この状態にてICカードはエスカッション３のカ
ード挿入口５よりICカードドライバ19のスロット21内に
挿入される。ICカードドライバ19のスリット21の深さは
ICカードの挿入方向長さより浅いことにより、ICカード
はその全体がカード挿入口５内に挿入される以前に於て
スリット21の奥壁に当接するようになり、このため、こ
れより更にICカードがその挿入方向に押されると、スラ
イダ11が捩りばね25のばね力に抗して第３図及び第４図
で見て右方へ移動するようになる。この移動に伴いスト
ッパプレート35のストッパ突出片部39がストッパ爪33の
傾斜辺部33aに当接し、このストッパ突出片部39は、ス
トッパ爪33を捩りばね45のばね力に抗して図にて時計廻
り方向へ回動させつつこれを乗越え、ストッパ爪33の垂
直辺部33bに当接係合するようになる。この当接係合に
よってスライダ11は第５図に示されている如き挿入方向
移動位置に係止されることになる。この挿入方向移動位
置は図にて符号Ａで示されている挿入方向長さが短い方
のICカードが丁度フレーム７内に完全格納される位置と
なっている。

スライダ11は第５図に示されている如き挿入方向移動
位置より更に第５図で見て右方へ移動可能であり、この
時にはもう一つのストッパ突出片部41がストッパ爪33を
乗越えて移動し、スライダ11はストッパ突出片部41にて
係合爪33の垂直辺部33bに当接係合してこの挿入方向移
動位置に係止されることになる。この挿入方向移動位置
は第６図に示されている如く、挿入方向長さが長い方の
ICカードＢが丁度フレーム１内に完全格納される位置と
なっている。

従って、挿入方向長さが短いICカードＡと挿入方向長
さが長いICカードＢの何れに於ても、ICカードは全てフ
レーム１内に完全格納されることになる。

第５図或いは第６図に示されている如きICカード格納
状態よりICカードを取出す場合は、エジェクタ57がその
一端部59に取付けられるつまみ（図示省略）によりプッ
シュ操作されれば良い。これによってエジェクタ57は第
５図或いは第６図で見て右方へ移動し、ストッパ爪33が
端部61により押されて捩りばね45のばね力に抗して枢軸
31を中心として時計廻り方向へ回動し、垂直辺部33bが
ストッパ突出片部39或いは41より離間するようになる。
これによってスライダ11は捩りばね25のばね力により第
５図或いは第６図で見て左方へ移動し、第４図に示され
ている如き初期位置に戻るようになる。この時にはICカ
ードＡ或いはＢは何れもエスカッション３のカード挿入
口５より外方へ突出るようになってICカードドライバ19
より抜出され得るようになる。

上述の実施例に於ては、スライダ11は、挿入方向長さ
が互いに異なった二種類のICカードのために、挿入方向
に互いに異なった二つの挿入方向移動位置に選択的に係
止されるようになっているが、使用されるICカードの種
類がその挿入方向長さの違いから二種類以上の多種類で
ある場合には、それに応じてスライダ11が係止される挿
入方向移動位置が増大されれば良く、これはそれに応じ
てストッパが多段化されれば良い。

以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に
説明したが、本発明は、これに限定されるものではな
く、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であること
は当業者にとって明らかであろう。

［発明の効果］ 上述の如き実施例の説明より理解されるように、本発
明によるICカードドライバ用格納装置に於ては、スライ
ダがICカードドライバを保持した状態にてフレームに対
しICカードの挿入方向長さに移動してストッパにより各
種ICカードの挿入方向長さに応じた複数個の挿入方向移
動位置に選択的に係止され、フレーム内に於けるICカー
ドの格納可能長さが各種ICカードの挿入方向長さに応じ
て多段階に変化するようになり、挿入方向長さが互いに
異なった各種ICカードの全てがフレーム内に完全格納さ
れるようになる。これにより、何れのICカードに於ても
その使用下に於ける保護が図られ、またICカードの挿入
完了位置がICカードの挿入方向長さの違いに拘らず一定
になり、このことからICカードがICカードドライバに確
実にセットされたことが使用者にとって判断され易くな
り、セットミスによるICカードの読み書きエラーの発生
が回避されるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるICカードドライバ用格納装置の一
つの実施例を示す正面図、第２図はそれの平面図、第３
図はそれの縦断面図、第４図は第１図乃至第３図に示さ
れた本発明によるICカードドライバ用格納装置をアッパ
ープレートを取外して示す平面図、第５図は挿入方向長
さが短いICカードが格納された状態について示す第４図
と同等の平面図、第６図は挿入方向長さが長い方のICカ
ードが格納された状態について示す第４図と同等の平面
図である。 １…フレーム、３…エスカッション ５…挿入口、11…スライダ 15…アッパープレート 19…ICカードドライバ 21…スロット、33…ストッパ爪 35…ストッパプレート 39、41…ストッパ突出片部 57…エジェクタ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フレームと、正面にICカードを挿入される
   スロットを有しICカードを受入れ保持するICカードドラ
   イバと、前記ICカードドライバを取付けられ前記ICカー
   ドドライバに対するICカードの挿入方向に移動可能に前
   記フレームに取付けられたスライダと、前記スライダを
   各種ICカードの挿入方向長さに応じた複数個の挿入方向
   移動位置に前記フレームに対し選択的に係止するストッ
   パと、前記ストッパによる前記スライダの係止を解除す
   るエジェクタとを有するICカードドライバ用格納装置。