JP2763143B2 - 高電圧機器の部分放電検出装置 - Google Patents

高電圧機器の部分放電検出装置

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JP2763143B2 JP1187282A JP18728289A JP2763143B2 JP 2763143 B2 JP2763143 B2 JP 2763143B2 JP 1187282 A JP1187282 A JP 1187282A JP 18728289 A JP18728289 A JP 18728289A JP 2763143 B2 JP2763143 B2 JP 2763143B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は高電圧機器、例えばSF6ガス等の絶縁媒体に
より高電圧導体を絶縁するようにした高電圧機器の部分
放電検出装置に関する。
(従来の技術) 近年、変電所等においては接地電位にある金属容器内
に高電圧導体を配設すると共に絶縁性能の優れた絶縁ガ
ス、例えばSF6ガスを圧縮充填して高電圧導体を絶縁す
る構造のガス絶縁開閉装置が採用されている。このガス
絶縁開閉装置に使用されているSF6ガスは、平等電界の
もとでは非常に優れた絶縁特性を示すが、不平等電界の
もとでは極端に絶縁性能が低下する性質がある。
ところで、ガス絶縁機器内の電解分布を乱す要因とし
ては種々考えられるが、主なものとして高電圧導体表面
の打痕等の欠陥及び組立時あるいは輸送時に内部に混入
する金属異物が挙げられる。勿論この他にも組立ミスに
よる高電圧部の接触不良、更にはボイド等の絶縁スペー
サの欠陥等も考えられる。
このような欠陥によりガス絶縁機器内に不平等電界が
形成されると、運転状態において部分放電が発生し、つ
いには全路破壊という重大事態に至る可能性がある。し
たがって、全路破壊に至る前の部分放電を確実に検出
し、絶縁破壊を未然に防ぐ必要がある。このため、ガス
絶縁機器は通常工場試験で念入りな部分放電試験を行
い、内部の欠陥を予め検出できるようにされている。
一般にかかる工場試験はユニット毎に行われるため、
当該ユニットの欠陥については工場での部分放電試験に
より確実に検出することができる。しかしながら、ガス
絶縁機器は工場試験分解されてユニット毎に現地に輸送
され、そこで多数のユニットの組立が行われるため、工
場試験合格後のこのような過程、すなわち輸送時あるい
は現地組立中に当該ユニットに欠陥が生じる可能性があ
る。したがって、ガス絶縁機器の信頼性を向上させるた
めには、このような欠陥を現地にて運転開始前に事前に
見つける必要があることから、通常は現地組立後に部分
放電試験が実施されている。しかし、現地では工場内と
は異なり、様々な電気的雑音、例えば実運転中の密閉型
開閉装置に接続されている電力用送電線の気中部分放電
や当該送電線が拾う誘導雑音および機械的雑音、例えば
雨音や異物がタンク壁に当たった音や動物がタンク壁上
を動く音等の雑音があるため、感度の高い部分放電試験
は難しい。
そこで、従来ではこのような問題点に対処するため、
種々の部分放電測定手段が提案されており、その一例を
第3図に基づいて説明する。すなわち、第3図に示すよ
うに接地電位にある金属容器20内には高電圧導体21が配
設されると共にSF6ガスのような絶縁性能の優れた絶縁
ガス22が所定のガス圧力で圧縮充填されている。また、
金属容器20は接地線23を介して接地電位に保持されると
共に、この接地線23を内部に貫通させて高周波変流器
(以下CTという)24が取付けられている。更に、CT24の
二次側にはその出力を検出し、表示するための測定装置
25がケーブル26を介して接続されている。
したがって、このような部分放電測定装置において
は、金属容器20の内部、例えば高電圧導体21の表面で発
生した部分放電に起因してパルス電流が接地線23を介し
て流されると、このパルス電流はCT24により検出されて
測定装置25にケーブル26を介して入力されることにな
り、部分放電の発生が検知される。
(発明が解決しようとする課題) しかし、ガス絶縁開閉装置において、SF6ガス中の部
分放電パルスの周波数は著しく高く、例えばその立上り
時間は通常nSであり、このような周波数領域のパルス電
流は表皮効果のため、金属容器20の内側表面を伝わって
両方向に伝搬してしまう。したがって、第3図に示すよ
うに接地線23を通して流れるパルス電流をCT24により検
出する部分放電検出装置では、検出感度が低く、自ずと
その検出に限度があるため、実用上十分な精度で部分放
電の測定を行うことができないのが現状である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的
は高電圧機器内で発生する部分放電を高感度で検出する
ことができる構成簡単且つ信頼性の高い高電圧機器の部
分放電検出装置を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、絶縁ガスが圧縮
封入された接地電位の金属容器内に高電圧導体を配設
し、前記金属容器の適宜箇所に前記容器終端部を有する
高電圧機器の部分放電検出装置において、前記容器終端
部内に、高電圧機器内の部分放電に起因して放射される
電磁波を検出するアンテナを設ける構成としたものであ
る。
(作用) したがって、本発明のような構成の高電圧機器の部分
放電検出装置にあっては、金属容器の終端部に電磁波を
検出するアンテナを設けることにより、金属容器内で放
射される電磁波を感度よく、確実に検出することが可能
となり、また外部ノイズを完全に遮蔽することができ
る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は、本発明による高電圧機器の部分放電検出装
置の断面図である。
第1図において、1は地面上に水平に配置され、且つ
図示しない絶縁部材により適宜の間隔をあけて支持され
た金属容器で、この金属容器1内部には高電圧導体2が
配設されると共に、絶縁性能のすぐれた絶縁ガス例えば
SF6ガスが所定の圧力で圧縮充填されている。また、金
属容器1の適宜箇所には、終端部3が設けられている。
この終端部3は、金属蓋4により、密閉構造となってい
る。更に、この終端部3においては、前記高電圧導体2
とほぼ90°の角度で高電圧導体5となって、地面に略垂
直方向に配設されている。また、前記高電圧導体2、5
の境界線は大略円柱形状のスペーサ6により、前記金属
容器1内に、絶縁支持されている。
更に、前記金属容器終端部3内には、ループアンテナ
7が絶縁支持部材8を介して固定されており、その出力
はリード9、金属蓋4を貫通するブッシング10、ケーブ
ル11を経て、測定装置12へ接続されている。
このような構成の高電圧機器の部粉放電検出装置にお
いて、いま金属容器1内で部分放電が発生すると、立上
り時間が数nsという極めて高い周波数の電流パルスが生
じ、金属容器1の内壁あるいは高電圧導体2の外表面等
で複雑な反射を繰り返しながら金属容器1の内部を進行
する。そして、この電磁波がループアンテナ7により検
出されると、このループアンテナ7に誘起電圧を生じ
る。この電圧信号はリード9、ブッシング10を介して金
属容器1の外部に取り出され、さらにケーブル11を介し
て測定装置12に伝送される。
したがって、この測定装置12によりループアンテナ7
で検出された検出信号を表示させることにより、高感度
で部分放電の検出を現地にて容易に行うことができる。
このように本実施例では、ループアンテナ7を金属容
器1の終端部3に設けているので、電磁波の多重反射に
より高感度で検出することができる。従って、従来のよ
うに接地線による減衰等を考慮することなく、現地にて
運転状態にて格段に高い測定を容易に実施することがで
きる。
第2図は本発明の他の実施例の断面図であり、第11図
と同一構成部分には同一符号を付して説明する。
第2図において、高電圧導体2及び密閉容器1等より
構成される密閉型開閉装置に検出容器13が取り付けられ
ている。検出容器13内にはループアンテナ10が配置され
気密端子部14により測定ケーブル11を通じて測定装置
(図示せず)へ接続されている。
次に、本実施例の作用について説明する。
今、何らかの理由により密閉型開閉装置内部で部分放
電が発生した場合、その電磁波信号Sは高電圧導体2表
面と密閉型容器1内表面の間の空間を第2図に矢印で示
す方向に進むものと仮定する。この場合、高電圧導体1
に沿って進んできた電磁波信号Sは検出容器13の入口付
近にて高電圧導体2に沿って流れる電磁波信号S1と検出
容器13に入る電磁波信号S2とに分れる。ここで電磁波信
号S2は、真直ぐに進む電磁波信号S3とそれと直角な方向
へ進む電磁波信号S4とに分れる。電磁波信号S3は検出容
器13内表面と密閉容器13内部表面や高電圧導体2との間
で往復する反射電磁波S5を生じる。又、同様にして電磁
波信号S4は検出容器13内表面の間で往復する反射電磁波
S6を生じる。
ところで、反射電磁波S5は反射を繰り返す毎に密閉型
開閉装置内に放射され減衰する。これに対し、反射電磁
波S6は最終的に減衰するものの検出容器13内で多数回反
射を繰り返す。ループアンテナ7は電磁波信号S4はもと
より多数回に反射を繰り返す反射電磁波S6を検出するの
で、内部部分放電信号を検出できる。また、ループアン
テナ7は密閉容器と同じく密閉された検出容器13に配置
されているために、外部ノイズの影響が小さい。さら
に、ループアンテナ7の配置されている場所は高電圧導
体2からも離れて電界が弱く耐電圧上の設計も容易であ
る。
以上述べたように、本実施例によれば外部ノイズの影
響を受けることなく、機器内部で発生した部分放電信号
を高感度に検出できる。
なお、上記各実施例では金属容器1内に高電圧導体を
配設したガス絶縁開閉装置の場合について述べたが、そ
の他の機器、例えばガス絶縁変圧器であっても前述同様
に実施することにより、同様の作用効果を得ることがで
きる。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、ガス絶縁機器内で
発生する部分放電を高感度で検出することができ、かつ
外部ノイズを完全に遮蔽できる構成簡単且つ安価な高電
圧機器の部分放電検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による高電圧機器の部分放電検出装置の
一実施例の要部断面図、第2図は本発明の他の実施例の
要部断面図、第3図は従来の部分放電検出装置の構成図
である。 1……金属容器 2,5……高電圧導体 3……終端部 4……金属蓋 6……絶縁スペーサ 7……ループアンテナ 8……絶縁支持部材 9……リード 10……ブッシング 11……ケーブル 12……測定装置 13……検出容器 14……気密端子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−2518(JP,A) 特開 昭59−139815(JP,A) 特開 昭62−134573(JP,A) 特開 昭62−134574(JP,A) 実開 昭55−62125(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02B 13/00 - 13/08 H02G 5/00 - 5/10 H02H 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁ガスが圧縮封入された接地電位の金属
    容器内に高電圧導体を配設し、且つ金属容器の適宜箇所
    に容器終端部を有する高電圧機器の部分放電検出装置に
    おいて、前記容器終端部に前記ガス絶縁機器内の部分放
    電に起因して放射される電磁波を検出するセンサを設け
    たことを特徴とする高電圧機器の部分放電検出装置。
  2. 【請求項2】高電圧導体を収納する絶縁ガス密閉容器か
    ら構成される高電圧機器の部分放電検出装置において、
    前記密閉容器内で前記高電圧導体から離れた電界の弱い
    箇所に、前記ガス絶縁機器内の部分放電に起因して放射
    される電磁波を検出するループアンテナを設けた検出容
    器を取付けたことを特徴とする高電圧機器の部分放電検
    出装置。
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