JP2762617B2 - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置

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JP2762617B2 JP1267706A JP26770689A JP2762617B2 JP 2762617 B2 JP2762617 B2 JP 2762617B2 JP 1267706 A JP1267706 A JP 1267706A JP 26770689 A JP26770689 A JP 26770689A JP 2762617 B2 JP2762617 B2 JP 2762617B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は誘導電動機のベクトル制御装置に関するもの
である。
B.発明の概要 本発明は、誘導電動機における直交2軸座標系の1次
電流の各軸の成分と2次時定数とにもとづいてすべり角
周波数を演算するすべり角周波数演算部を備えたベクト
ル制御装置において、 一次電流を基準軸とする回転座標γ−δ軸における一
次電圧のδ軸成分が一次抵抗の大きさに左右されないこ
とに着目し、その変動成分に基づいてすべり角周波数の
目標値を修正することによって、 一次抵抗変化に影響されない理想的な二次抵抗変化の
補償をすることができ、これによりトルク制御精度を向
上させるようにしたものである。
C.従来の技術 2次磁束とそれに直交する2次電流を非干渉に制御す
る誘導電動機のベクトル制御が広く適用されてきてい
る。
このベクトル制御は、3相誘導電動機の場合電流や磁
束を、電源による回転磁界と同速度で回転する直交2軸
のd−q座標系のベクトルとして取り扱い、演算結果を
3相電源の各相の電流指令値に換算して制御する方法で
ある。
その具体的方法について述べると、d−q座標系での
電圧方程式は次の(1)式で表される。
ただしω=ω−ω Lσ=(L1L2−M2)/L2であ
る。
ここでv1d,v1qは夫々1次電圧のd,q軸成分、 i1d,i1qは夫々1次電流のd,q軸成分、 λ2d,λ2qは夫々2次磁束のd,q軸成分、 R1,R2は夫々1次,2次抵抗、 L1,L2Mは夫々1次,2次,励磁インダクタンス、 ω,ω,ωは夫々1次電源角周波数,回転子角周
波数,すべり角周波数、 Pはd/dt を表すものである。
d−q座標系においてd軸を二次磁束上にとればλ2q
=0となる。このときλ2d=Φ=一定、i2d=0、i2q
=i2となり直流機と同様なトルクと磁束の直交制御が可
能となる。
一方二次磁束は次の関係がある。
ベクトル制御条件よりi2d=0であり、(2)式から
λ2d=Mi1dとなる。
また、λ2q=0より となり、i1qはトルク電流と比例する。
次に(1)式4行目より(3)式が得られ、この
(3)式からすべり角周波数の条件を求めると、ω
(4)式で表される。
以上がd軸上に二次磁束が一致するように制御したと
きのベクトル制御条件である。従ってベクトル制御を行
うためにはi1dをΦ/Mに設定し、ωを(4)式が成
り立つように制御することが必要である。
ここですべり角周波数ωの演算に用いる2次抵抗R1
は周囲温度及び回転子の自己発熱などの温度変化により
抵抗値が変化するため、電動機の出力電圧に基づいて抵
抗値の変化分を推定し、この変化分によりすべり角周波
数ωの目標値を修正して、2次抵抗変化による発生ト
ルク変動を補償する必要がある。仮に2次抵抗の変化分
を無視したとすると、トルク制御精度やトルク応答が悪
化する。このような2次抵抗の変化分の推定を例えばイ
ンバータの出力電圧そのままを用いると1次抵抗の変化
分が取り込まれてしまうため、推定に用いる信号として
は、1次抵抗に左右されない信号であることが望まし
い。
こうしたことから第7図に示す制御回路が既に提案さ
れている。図中1は励磁分電流指令部であり、角周波数
ωがある値を越えるまで二次磁束指令値Φをi1d
目標値i1d*とし、ωがある値を越えるとi1d*を小さ
くする。以下目標値あるいは理想値を*を付して示す
と、速度指令ω*及びωの偏差分を速度アンプ2を
通じてi1q*とし、i1d*,i1q*に基づいてd−q軸上
の一次電圧の理想値v1d*,v1q*を演算で求め、一次抵
抗と二次抵抗変化による電圧変動分の補正をi1d*=
i1d、i1q*=i1qとなるように制御すると、i1d*=i1d
を制御するPIアンプ31にはΔv1dが得られ、i1q*=i1q
を制御するPIアンプ32にはΔv1qが得られる。Δv1d,Δ
v1qには一次抵抗と二次抵抗の変化による電圧変動分を
共に含んでいるため、一次抵抗変化による電圧変動を含
まない成分を求めることにより二次抵抗変化の補償を行
えば、一次抵抗変化に影響されない補償が可能となる。
そこで一次電流I1のベクトル上に基準軸γを置いた回転
座標γ−δ軸をとり、このδ軸の一次電圧変動分Δv
1δをすべり補正演算部33で求めている。このΔv1δ
は一次抵抗R1を含まない式で表され、従って一次抵抗R1
の影響を受けない。Δv1δについては本発明でも用い
るので、本発明の内容説明の項にて詳述する。
第5図はd−q軸及びγ−δ軸と電圧、電流との関係
を示すベクトル図、第6図は一次電圧変動分を示すベク
トル図であり、図中V1、Eは夫々一次電圧、二次電圧、
Δv1は一次電圧変動分、Δv1γ,Δv1δは夫々その
変動分のγ軸成分、δ軸成分、ψはγ軸とd軸との位相
差、I0は励磁分電流、I2はトルク分電流である。Δv
1δは次の(5)式により表される。
Δv1δ=−Δv1d・sinψ+Δv1qcosψ…(5) ただしcosψ=I0/I1=i1d/i1q、sinψ=I2/I1=i
1q/i1γ そしてすべり補正演算部33ではΔv1δに基づいて2
次抵抗変化分に対応するすべり角周波数の修正分Δω
を演算で求め、すべり角周波数演算部34で求めたω
とΔωとの加算値をすべり角周波数の目標値とし、こ
れに回転子角周波数ωを加算して一次電圧の角周波数
ω=θ/tの目標値としている。第7図中35は極座標変換
部、36は座標変換部、41はPWM回路、42はインバータ、I
Mは誘導電動機、PPはパルスピックアップ部、43は速度
検出部である。
D.発明が解決しようとする課題 一次電圧変動分Δv1d,Δv1qは一次抵抗の変動分及び
二次抵抗の変動分を共に含んでいるため、第7図の回路
では、すべり補正演算部33にてΔv1d,Δv1qから更に一
次抵抗変化の影響を受けないΔ1δを算出し、更にこの
Δv1δからΔωを算出している。
本発明の目的は、すべり角周波数の演算式中のに二次
抵抗の変化を補償するにあたって、一次抵抗変化に影響
されない理想的な補償を行うことができ、更にすべり角
周波数の目標値の演算が既に提案されている方式よりも
簡単になるベクトル制御装置を提案することにある。
E.課題を解決するための手段及び作用 既述したように二次抵抗のみならず一次抵抗も温度に
より変化するため一次抵抗変化の影響を受けずに二次抵
抗補償を行うことが理想的である。ここに本発明では第
7図の回路と同様に一次電圧のδ軸成分の変動量Δv
1δを用いると共に、更に一歩進めた制御方式を採用し
た。
即ち第7図に示すベクトル制御では回転座標d−q軸
のd軸を二次磁束と同一軸とすることにより、励磁電流
i1d、トルク電流i1qの直交性を保つように制御してい
た。
今回、この回転座標をγ−δ軸としてγ軸を一次電流
I1上に設定して制御する方法を検討した。ただし、ベク
トル制御を行うためには当然d−q軸上での制御が必要
であるため、電源角周波数ωと同一速度で回転し、位
相の異なるd−q軸とγ−δ軸を併用する新制御方式と
した。
一次電流I1を基準としたγ−δ軸上で考えた場合、二
次抵抗変化による一次電圧変動をδ軸の変動分Δv1δ
で検出すると、一次抵抗による電圧変動分を含まない電
圧成分となるためロバスト性のある二次抵抗補償が可能
となる。
そのため、γ−δ軸上での理想一次電圧v1γ*,v
1δ*を演算で求め、一次抵抗と二次抵抗変化による電
圧変動分の補正をi1γ=I1、i1δ=0となるように
制御することにより実行する。このように制御すること
により、i1γ=I1を制御すPIアンプ出力にはΔv1γ
が得られ、i1δ=0に制御するPIアンプ出力にはΔv
1δが得られる。Δ1δには一次抵抗変化による電圧成
分が含まれていないので、二次抵抗変化の補償に使用す
ることが可能である。つまり、Δv1δを用いて二次抵
抗変化の補償を行えば、一次抵抗変化に左右されない理
想的な補償を行うことができる。
このように、一次電流I1を基準値としたγ−δ軸を用
いれば、二次抵抗変化の補償に用いる一次電圧変動デー
タがδ軸に直接得られるという利点を有する。
以下に本発明を具体的に詳述する。
(1)γ−δ軸を用いた場合のベクトル制御条件 第3図は誘導電動機の非対称T−I形等価回路、第4
図はこの等価回路に対応するベクトル図である。
今γ軸を一次電流I1上にとればi1γ=I1、i1δ
0となる。γ−δ軸においても「従来技術」の項で示し
た(1)式と同様の式が成り立つので(1)式のd,qを
夫々γ,δに変更すると、(1)式の3,4行目から
(6),(7)式が成り立つ。
Pを含んだ項を除去すれば常に成立するωの条件が
求められる。(7)式より次式が求められる。
(8)式を(6)式に代入すると次式が得られ、従っ
て(9)式が成り立つ。
ここで、λ2dとλ2γ,λ2δの関係は次のようにな
る。
(10),(11)式を(9)式に代入すると次式が得ら
れる。
以上のようにγ軸を一次電流I1上にとってi1γ
I1、i1δ=0となるように制御し、かつd−q軸上で
のベクトル制御条件を満足するようにすればωは「従
来技術」の項の(4)式と同一の式で表され、同一の条
件が得られることが分かった。
(2)γ−δ座標における理想電圧 i1γ=I1、i1δ=0としたときのγ−δ軸の電圧
1γ,v1δを(1)式1、2行目より求めると次のよ
うになる。
定常状態を考えてP=0とし、λ2d=Mi1dを考慮する
と次のように変形できる。
(3)d−q座標における理想電圧 λ2d=Mi1d、λ2q=0としたときのd−q軸の電圧v
1d,v1qを(1)式1,2行目より求めると次のようにな
る。
定常状態を考えてP=0とすると次のように変形でき
る。
(4)二次抵抗変化時の二次磁束変動 二次抵抗が変化したときの二次磁束変動について検討
する。(1)式3,4行目の定常状態を考えると次式が得
られる。
(22)式より次式が得られる。
(21)式に(24)を代入してλ2γを求めると次のよ
うになる。
(21)式に(23)式を代入してλ2δを求めると次の
ようになる。
ここで電流は指令値通りに制御されているとしてi1d
*=i1d、i1q*=i1q、i1γ*=i1γとする。また
2次抵抗変化分をKとすると、R2は(27)式で表される
から、ωは(4)式より(28)式で表される。
一方(25),(26)式にあるL2/R2ωは次のよう表
される。
(25)式に(29)式を代入すると次のようになる。
ここで、二次磁束の理想値は(10),(11)式より次
のように表すことができる。
ここで(30)式と(32)式を組み合わせ、また(31)
式と(33)式とを組み合わせると二次磁束変動分Δλ
2γ,Δλ2δは次のように表すことができる。
(5)二次抵抗変化時の一次電圧変動 (15),(16)式の各一段目よりγ−δ座標系におけ
る一次電圧の理想値は次のように表すことができる。
ここで、二次抵抗が変化したときの一次電圧変動につ
いて検討する。
λ2δ=λ2δ*+Δλ2δ、λ2γ=λ2γ*+Δ
λ2γを考慮して(15),(16)式の各一段目よりγ−
δ座標系における一次電圧を二次磁束変動を用いて表す
と次の(38),(39)式のようになる。ただし(38)式
の2段目1,2項は(16)式1段目よりv1δ*となり、
(39)式の2段目1,2項は(15)式1段よりv1γ*と
なる。またΔλ2δ,Δλ2γの値は夫々(35),(3
4)式を用いている。
(38),(39)式より一次電圧変動分Δv1γ,Δv
1δは次のようになる。
いま、(38)式よりv1γにはR1i1γ*の成分を含
んでいるため、一次抵抗R1の変化による電圧変動もv
1γは含むことになる。そのため、一次抵抗R1の変化も
考慮すると(40)式は次のようになる。ただしK1は一次
抵抗変化分である。
以上より、Δv1γには一次抵抗R1の変動分を含むた
め、二次抵抗R2変化の補償に使用するには不適当であ
る。一方Δv1δにはR1の成分を含んでいないため、二
次抵抗変化による電圧変動成分と考えられる。従って、
δ軸の一次電圧v1δの変動分Δv1δを検出して二次
抵抗補償を行えば、一次抵抗R1の影響を含んでいないの
で次のような利点がある。
(i)一次抵抗R1の温度変化の影響を受けることなく二
次抵抗補償を行うことができる。
(ii)低速域ではR1の電圧降下分の影響が大きくなる
が、δ軸の一次電圧v1δにはR1の電圧降下分を含んで
いないので、低速域でも二次抵抗補償を正確に行うこと
が可能となる。
(iii)Δv1δより二次抵抗補償を行えば、Δv1γ
にはR1変化分による電圧成分のみが発生する。これによ
り、R1の推定が可能となる。R1は一次抵抗ケーブルの抵
抗分デッドタイムの電圧降下分主回路素子のVCE分など
を含んだものと考えられる。
(6)二次抵抗変化分Kの算出 (41)式より二次抵抗変化分Kを求めると、次のよう
になる。ただし、i1q*/i1γ*=sinψ、i 1q*/i1γ
*=cosψを用いている。
また(41)式の展開の仕方を変えると1+Kは次の
(44)式のように表される。
従ってδ軸成分の一次電圧変動分Δ1δが検出できれ
ば、(43)または(44)式より二次抵抗変化分Kを求め
ることができる。
(7)本発明の手段 二次抵抗の目標値R2*と実際の二次抵抗とが一致して
いれば(28)式に基づいてωを求め、これをω*と
すればよいが、二次抵抗は温度により変化する。そこで
本発明ではΔv1δを用いてKを演算し、このKにより
R2*を修正してω*を求める。一方一次抵抗も温度に
より変化するが、Δv1δは(41)式からわかるように
一次抵抗の値を含んでいないので二次抵抗を補償するに
あたって一次抵抗変化に左右されない。この点において
は第7図に示した回路と共通しているが、第7図の回路
ではd−q座標系における電流制御を行っているのに対
し、本発明ではγ−δ座標系における電流制御を基本と
して一次電圧を制御し、これにより電流制御アンプ出力
にΔv1γ,Δv1δを得、このΔv1δを用いて二次
抵抗を補償するようにしている。
具体的には、i1d*,i1q*に基づいて一次電流のγ軸
成分の目標値i1γ*(=I1)及び前記位相ψを算出す
る第1の座標変換部と、i1γ*、ψに基づいて一次電
圧のγ、δ軸成分の目標値v1γ*、v1δ*を夫々算
出する手段と、誘導電動機の一次電流の検出値をγ−δ
座標の各軸成分i1γ,i1δに変換する第2の座標変換
部と、i1γ*及び一次電流のδ軸成分の目標値i1δ
*(=0)と前記第2の座標変換部よりのi1γ,i1δ
とに基づいて、現在の一次電圧のγ軸成分におけるv
1γ*からの変動分Δv1γと、現在の一次電圧のδ軸
成分におけるv1δ*からの変動分Δv1δとを算出す
る手段と、 i1d*,i1q*,i1γ*及びΔv1δに基づいて二次抵
抗の設定値に対する変化分を演算する二次抵抗変化分演
算部とを設け、 v1γ*とΔv1γとの加算値を一次電圧のγ軸成分
の目標値v1γとし、またv1δ*とΔv1δとの加算
値を一次電圧のδ軸成分の目標値v1δとし、これら目
標値v1γ,v1δに基づいて電源電圧を制御すると共
に、 前記すべり角周波数演算部により二次時定数の設定値
と前記二次抵抗変化分演算部で得られた演算結果とに基
づいてそのときの二次時定数を求め、この二次時定数を
用いて演算を行うようにしている。
また本発明では二次抵抗変化分演算部を用いる代わり
に、現在の一次電圧のδ軸成分におけるv1δ*からの
変動分Δv1δとこのΔv1δの目標値零との偏差を入
力すると共に、すべり角周波数の目標値ω*からの変
動分Δωを出力するすべり角周波数制御アンプを設
け、 このすべり角周波数制御アンプよりのΔωとすべり
角周波数演算部で求めたω*との加算値をすべり角周
波数の目標値としても同様の作用、効果が得られる。
F.実施例 第1図は本発明の実施例を示す回路図であり、第7図
と同符号のものは同一部分を示している。5は第1の座
標変換部であって、i1d*、i1q*に基づいて一次電流I1
を基準軸としたγ−δ座標におけるi1γ*とd軸とγ
軸との位相差ψとを演算する機能を有し、具体的には の演算を実行する。そして第1の座標変換部5より出力
されたsinψ、I1、cosψ及び励磁分電流指令部1よりの
i1d*を用いて(15),(16)式の演算を実行し、v
1γ*,v1δ*が求められる。
6は第2の座標変換部であり、一次電流の検出値iu
iwをγ−δ座標の各軸成分i1γ,i1δに変換する。こ
れらi1γ,i1δは夫々目標値i1γ*、i1δ*(=
0)と比較され、その偏差分が夫々電圧制御アンプであ
るPIアンプ7,8に入力される。PIアンプ7,8からは夫々Δ
1γ,ΔV1δが出力され、既述したようにΔv1γ
はv1γ*と、またはΔv1δはv1δ*と夫々加算さ
れる。9は極座標変換部であり、一次電圧のベクトルV1
の大きさ|V1|とγ軸との位相角φとを出力する(第3
図参照)。この位相角φは、ψと後述するθ(=ω0t
と加算され、これら加算値と|V1|とがPWM回路41に入
力されてU、V、W相に対応する一次電圧指令値に変換
され、これによりインバータ42の電圧が制御される。
10は二次抵抗変化分演算部であり、i1d*,i1q*,i
1γ*及びΔv1γを取り込んで(44)式の演算を実行
して二次抵抗変化分Kを求める部分である。また11はす
べり角周波数演算部であり、K,i1d*及びi1q*を取り込
み(28)式を実行してωを求める機能を有する。とこ
ろでコンピュータにより第1図の回路の各部の演算を実
行する場合には次のようにしてωを算出する。即ちK
の演算やすべり角周波数演算を含む一連の演算はクロッ
ク信号により瞬時に行われ、すべり角周波数演算部11に
おける(n−1)回目の演算で求めた2次抵抗値をn回
目の演算における設定値とする。n回目の演算で求めた
K及びR2を夫々Kn,R2nとして表し、R2nの初期値R20
予め設定した値R2*を割り当てると、1回目からn回目
までの演算は次のようになる。
従ってn回目の演算で求めるωをωsnとして表す
と、ωsnは次の(45)式となり、 ωsn=(1+Kn)・ωs(n-1) ……(45) (n−1)回目の演算で求めたωs(n-1)を記憶しておい
て、(45)式により得られたKnを用いることによりωsn
が求められる。
この場合初期値ωs1は ωs1=(1+K1)・R2*・1/L2*・i1δ*/i1γ*で
ある。
こうして得られたωと電動機IMの回転子角周波数検
出値ωとを加算し、その加算値ωを電源角周波数の
目標値とする。
第2図は本発明の他の実施例を示す回路図であり、二
次抵抗変化分演算部12を用いる代りに電圧変動分制御ア
ンプであるPIアンプ13を用い、このPIアンプ13にΔv
1δとΔv1δの目標値零との偏差を入力して現在のす
べり角周波数における目標値ω*からの変動分Δω
を出力信号として得ている。そしてすべり角周波数演算
部12ではR2が理想値から変動しないと仮定した式 に基づいてω*を演算し、このω*とΔωとの加
算値をすべり角周波数の目標値としている。このような
実施例によればすべり角周波数の目標値は二次抵抗変化
に応じて自動的に修正される。
G.発明の効果 本発明によれば一次電流I1を基準軸とする回転座標γ
−δ軸上での一次電圧のδ軸成分v1δは一次抵抗R1
電圧降下分を含まず、そのため二次抵抗変化による一次
電圧変動に関しても、その変動成分Δv1δには一次抵
抗の影響が現れないことに着目し、例えば電流制御アン
プによりΔv1δを求め、これを用いてすべり角周波数
の目標値を求めるときの二次抵抗変化を補償しているた
め、一次抵抗変化に影響されない理想的な補償を行うこ
とができる。更にΔv1γ,Δv1δを求めて電圧制御
を行っているので一次抵抗、二次抵抗変化に対する電圧
補正を行うことができ、この効果高いトルク制御精度を
得ることができると共にトルク応答が良好になる。
そして第7図の回路と比較した場合、第7図の回路で
はd−q座標上のみで電圧制御を行っており、Δv1d
Δv1qには一次抵抗、二次抵抗の双方の変化に対する変
動分を含んでいることから、Δv1d,Δv1qより二次抵抗
変化のみの影響を受けるデータと双方の変化の影響を受
けるデータとに分離する必要があるが、本発明ではその
ような分離を行うことなくΔv1γ,Δv1δにより直
接制御することができる。
またΔv1δにより二次抵抗補償を行えばΔv1γ
は一次抵抗変化による影響のみが残るため、このΔv
1γに基づいて一次抵抗R1の推定を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すブロック回路図、第2図
は本発明の他の実施例を示すブロック回路図、第3図は
誘導電動機の等価回路図、第4図〜第6図は各々電流、
電圧等のベクトル図、第7図はベクトル制御装置の比較
例を示すブロック回路図である。 1……励磁分電流指令部、2……速度アンプ、5……第
1の座標変換部、6……第2の座標変換部、7,8……電
流制御アンプであるPIアンプ、10……二次抵抗変化分演
算部、11……すべり角周波数演算部、13……電圧変動分
制御アンプ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機の電源角周波数と同期して回転
    する回転座標であって、二次磁束を基準軸とする座標を
    d−q座標とすると、誘導電動機の一次電流のd軸成分
    及びq軸成分の目標値i1d*,i1q*を算出し、これら目標
    値と二次時定数の設定値とに基づいてすべり角周波数を
    演算するすべり角周波数演算部を備えた誘導電動機のベ
    クトル制御装置において、 d−q軸に対し位相ψがtan-1(i1q*/i1d*)異なり
    かつ一次電流I1を基準軸とする座標をγ−δ座標とする
    と、i1d*,i1q*に基づいて一次電流のγ軸成分の目標
    値i1γ*(=I1)及び前記位相ψを算出する第1の座
    標変換部と、 i1γ*,ψに基づいて一次電圧のγ,δ軸成分の目標
    値v1γ*,v1δ*を夫々算出する手段と、 誘導電動機の一次電流の検出値をγ−δ座標の各軸成分
    1γ,i1δに変換する第2の座標変換部と、 i1γ*及び一次電流のδ軸成分の目標値i1δ*(=
    0)と前記第2の座標変換部よりのi1γ,i1δとに基
    づいて、現在の一次電圧のγ軸成分におけるv1γ*か
    らの変動分Δv1γと、現在の一次電圧のδ軸成分にお
    けるv1γ*からの変動分Δv1δとを算出する手段
    と、 i1d*,i1q*,i1γ*及びΔv1δに基づいて二次抵抗
    の設定値に対する変化分を演算する二次抵抗変化分演算
    部とを設け、 v1γ*とΔv1γとの加算値を一次電圧のγ軸成分の
    目標値v1γとし、またv1δ*とΔ1δとの加算値を
    一次電圧のδ軸成分の目標値v1δとし、これら目標値
    1γ,v1δに基づいて電源電圧を制御すると共に、 前記すべり角周波数演算部は二次時定数の設定値と前記
    二次抵抗変化分演算部で得られた演算結果とに基づいて
    そのときの二次時定数を求め、この二次時定数を用いて
    演算を行うことを特徴とする誘導電動機のベクトル制御
    装置。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の誘導電動機のベクトル
    制御装置において、 二次抵抗変化分演算部を用いる代りに、現在の一次電圧
    のδ軸成分におけるv1δ*からの変動分Δv1δとこ
    のΔv1δの目標値零との偏差を入力すると共に、すべ
    り角周波数の目標値ω*からの変動分Δωを出力す
    る電圧変動分制御アンプを設け、 この電圧変動分制御アンプよりのΔωとすべり角周波
    数演算部で求めたω*との加算値をすべり角周波数の
    目標値とすることを特徴とする誘導電動機のベクトル制
    御装置。
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