JP2762608B2 - 近赤外光カットガラス及びその製造方法 - Google Patents

近赤外光カットガラス及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は建築用及び自動車用の近赤外光カットガラス
に関する。
[従来の技術] 近年、建築用の窓ガラスには冷房負荷の低減をはかる
ために様々な薄膜をガラス表面に形成したものが用いら
れている。また自動車では、そこに使用される窓ガラス
の面積が増加しており、駐車中の車内温度上昇を抑える
ため太陽光に含まれる近赤外光の透過率が低いガラスが
望まれている。これらの要求に応えるガラスとして板ガ
ラス上に金属膜や金属窒化膜と誘電体膜からなる多層構
造を有する薄膜をスパッタリング法など物理的手法によ
り形成したものが知られているが製造コストが高いこと
及び耐久性に劣ることが、これらの被膜付きガラスの使
用を困難なものとしている。一方低コストかつ高耐久性
の被膜が得られる薄膜形成法としては液体の原料を噴霧
するスプレー法が知られている。スプレー法により得ら
れる被膜の種類は多岐にわたるが、近赤外光の透過率の
低いものとしては、例えば米国特許第2,564,798号に呈
示されているように主として酸化錫と酸化アンチモンか
らなる複合酸化物薄膜があげられる。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、この酸化錫と酸化アンチモンを主成分
とする薄膜をスプレー法によりガラス上に形成させて得
られる近赤外光カットガラスには次のような問題があっ
た。すなわち、近赤外光の透過率を下げるために膜中に
含まれる酸化アンチモンの量を増やすにつれ、斑点や白
濁が生じ実用には問題があった。
[問題点を解決する手段] 本発明は、前記問題点を解決するためになされたもの
であって、可視光の拡散透過率が小さい近赤外光カット
ガラスを提供するものである。
すなわち、本発明はフロートガラス等の板ガラスを基
体とし、その表面に熱分解法により酸化錫と酸化アンチ
モンを主成分とする薄膜を形成して得られる近赤外光カ
ットガラス及びその製造方法である。本発明においてガ
ラス板の表面に酸化錫と酸化アンチモンを主成分とする
薄膜を形成するには500℃以上に加熱されたガラス板表
面に調整された原料を微少な液滴として噴霧し熱分解酸
化反応により薄膜を形成するスプレー法が用いられる。
従来、ガラス板の表面に酸化錫と酸化アンチモンを主成
分とする薄膜を形成するには、SnCl4・5H2O、SbCl3、H
2O、HClの混合溶液が用いられてきた。本発明に用いる
ことのできる錫原料としてはC4H9SnCl3が、アンチモン
原料としてはSbCl3、Sb(CH3COO)3があげられ、これらの
金属塩をアルコール(CnH2n+1OH(n=1〜3)、また
はキシレン(C6H4(CH3)2)、水等の溶媒に溶解させたも
のが原料液として使用される。より好ましくは溶媒とし
てCH3OHを使用することがあげられる。なお、アンチモ
ン原料としてSb2O5、溶媒に上記アルコールや水にHClを
加えたものを使用してもかまわない。また、得られる被
膜の色調や光学特性を調整するためにV,Biなどの金属塩
を上記混合液中に溶解させ、これらの金属酸化物を該被
膜中に含ませてもよい。なお噴霧方法としてはあらかじ
め各成分を混合した液を微小な液滴として噴霧してもよ
いし、各成分を別個に液滴として同時に噴霧・反応させ
てもよい。
こうした噴霧原料液を用いガラス板上に酸化錫及び酸
化アンチモンを主成分とする薄膜を形成した場合、被膜
の組成がSnO265〜85%、Sb2O315〜35%であると、可視
光線透過率(TL)5〜20%、日射透過率15〜30%と近赤
外光カットの目的にかなう特性が得られ、その上可視光
の拡散透過率が1.7%以下と実用上の申し分ない外観特
性を備えた近赤外光カットガラスを得ることができるこ
とがわかった。
なお本発明で問題とされる拡散透過率は酸化物薄膜の
結晶性と深い関係がある。一般的には、膜付け時の温度
や膜厚は膜の結晶性と相関を示す傾向があるが、本発明
で明らかとなった酸化錫・酸化アンチモン原料、および
溶媒の種類による拡散透過率への効果は、こうした要因
によって基本的には影響されない。
また膜の曇り程度を現す場合、ヘイズ率で現すのが一
般的であるが、有色膜では全透過率が低いためヘイズ率
が高い値となってしまう。そのためここではヘイズ率に
全透過率を乗じた拡散透過率(Td)により曇価を表すこ
ととした。
[作用] C4H9SnCl3、SbCl3、あるいはSb(CH3COO)3、CH3OHから
なる原料液を加熱したガラスに噴霧して、酸化錫と酸化
アンチモンを主成分とする所定の組成比の薄膜を作製す
ることにより、可視光の拡散透過率の少ない外観特性に
優れた近赤外光カットガラスが得られる。
[実施例1] 大きさが150×150mm厚みが3mmのソーダライムガラス
を洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊具によって固
定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後、
取り出して以下に示す原料液を市販のスプレーガンを用
いて基板上に約10秒間、空気圧1.5kg/cm2、空気量50l/m
in、噴霧量120ml/minで吹き付けたものを試料とした。
原料液は以下の通りとした。
CH3OH 10g H2O 10g C4H9SnCl3 28.2g SbCl3 1.6g 得られた膜の膜厚はおおむね3000Aであった。
同様にして、原料液中のSbCl3量が2.1g、3.0g、4.6
g、5.7gである原料液を吹き付けて、膜中に含まれるSb2
O3量の異なる試料を作成した。膜厚はおおむね3000Aで
あった。これらの試料について、直読ヘイズコンピュー
タHGM-2DPにより拡散透過率(Td)を測定した。結果を
第1図(○)で示す。
また、JIS-R3106に従って、日射透過率(Tg)さらに
可視光透過率(TL)を測定した。結果を第2、3図に
(○)で示す。膜中の組成分析は高周波プラズマ発光分
析(島津製作所ICP100V型)および蛍光X線分析(フィ
リップスPW1400型)を併用した。
[比較例] 実施例1に用いたものと同じソーダライムガラスを基
板とし、実施例1の原料液でC4H9SnCl3 28.2gのかわり
にSnCl4・5H2O 35.1gとした液を用いて、実施例1と同
じ方法により成膜した。原料液中のSbCl3量は1.6g、2.1
g、3.0g、4.6g、5.7gとした。こうして得られた試料に
ついて、実施例1と同じ方法によりTdおよびTg、TLを求
めた。結果を第1〜3図に(□)で示す。
[実施例2] 大きさが150×150mm厚みが3mmのソーダライムガラス
を洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊具によって固
定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後取
り出して、C4H9SnCl3 28.2g、SbCl3 1.6gを溶媒であるH
2O 20gに溶解させたものを原料液とし実施例1と同様に
試料を作成した。同様に溶媒をH2O 20gから等量のメタ
ノール、エタノール、イソプロパノール(IPA)、キシ
レンに代えた原料液を使用して試料を作成した。膜厚は
どれも約3000Aであった。このようにして得られた試料
について、実施例1と同じ方法により拡散透過率を求め
た。第1表に原料液中の溶媒の違いによる拡散透過率の
結果を示す。また、実施例1と同じ方法により日射透過
率を求めたが、大きな差異は見られなかった。
[実施例3] 大きさが150×150mm厚みが3mmのソーダライムガラス
を洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊具によって固
定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後取
り出して、C4H9SnCl3 28.2g、SbCl3 1.6gを溶媒20gに溶
解させたものを原料液とし実施例1と同様に試料を作成
した。溶媒はH2OとCH3OHの重量混合比を100:0、90:10、
60:40、40:60、10:90、0:100の6種類とし、各々につい
て試料を作成した。膜厚はおよそ3000Aとした。これら
の試料について、実施例1と同じ方法により拡散透過率
を求めた。その結果を第3図に示す。これらの試料につ
き日射透過率を比較したが大きな差異はみられなかっ
た。
[実施例4] 大きさが150×150mm厚みが3mmのソーダライムガラス
を洗浄、乾燥し基板とした。この基板を吊具によって固
定し、650℃に設定した電気炉内に5分間保持した後取
り出して、C4H9SnCl3 28.2g、Sb(CH3COO)3 2.6gを、CH3
OH 10gとH2O 10gの混合溶媒に溶解させたものを原料液
とし実施例1と同様に試料を作成した。得られた試料に
ついて、膜中にSb2O3がほぼ等重量比含まれる実施例1
の試料と、日射透過率、拡散透過率を比較したが大きな
差異はみられなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、実施例から明かなように斑点や白濁
の欠点がなく拡散透過率の低い近赤外光カットガラスを
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の近赤外光カットガラスの拡散透過率を
示したものである。 第2図は本発明の近赤外光カットガラスの日射透過率を
示したものである。 第3図は本発明の近赤外光カットガラスの可視光透過率
を示したものである。 第4図は実施例3に記載したとおり、原料液中の溶媒の
違いによる拡散透過率を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河原 秀夫 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−186478(JP,A) 実公 昭34−11567(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 17/00 - 17/27

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス板上に酸化錫及び酸化アンチモンを
    主成分とする薄膜を形成して得られる近赤外光カットガ
    ラスにおいて、前記被膜の組成がSnO265〜85%、Sb2O31
    5〜35%であり、可視光線透過率5〜20%、日射透過率1
    5〜30%、可視光の拡散透過率が1.7%以下であることを
    特徴とする近赤外光カットガラス。
  2. 【請求項2】前記酸化錫及び酸化アンチモンを主成分と
    する薄膜が、高温に加熱されたガラス板上にC4H9SnC
    l3、SbCl3、H2O、CnH2n+1OH(n=1〜3)またはC6H
    4(CH3)2の混合液を噴霧し、熱分解酸化反応により形成
    されることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    近赤外光カットガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】前記噴霧混合液がC4H9SnCl3、Sb(CH3CO
    O)3、H2O、およびCnH2n+1OH(n=1〜3)またはC6H
    4(CH3)2の混合物であることを特徴とする特許請求の範
    囲第2項に記載の近赤外光カットガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】前記噴霧混合液がC4H9SnCl3、SbCl3、CH3O
    HおよびH2O(CH3OHに対し10重量%以下)の混合物であ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第2項に記載の近赤
    外光カットガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】前記噴霧混合液がC4H9SnCl3、SbCl3あるい
    は、Sb(CH3COO)9、およびCH3OHの混合物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第2項に記載の近赤外光カット
    ガラスの製造方法。
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