JP2762193B2 - シリコン単結晶ウェーハにおけるサンドブラスト条件の評価及び管理方法 - Google Patents
シリコン単結晶ウェーハにおけるサンドブラスト条件の評価及び管理方法Info
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ハ(以下単にウェーハと略す)のうち、特に<100>
面を主面とするウェーハに関し、エクストリンシックゲ
ッタリング効果を付与する手段としてのサンドブラスト
法において、その条件を評価し及び管理する方法に関す
るものである。
集積化されるに伴ない、半導体デバイスの基板材料とな
るウェーハに対する品質要求もより厳しくなりつつあ
り、その要求の一つとして、半導体デバイスの製造工程
でウェーハの素子形成面上における汚染物質に起因する
結晶欠陥の発生を抑制する問題がある。
子形成工程で重金属を主とする汚染不純物を、素子形成
領域外に形成した歪場に集めてしまうゲッタリング法が
知られている。このゲッタリング法は、イントリンシッ
クゲッタリング(IG)とエクストリンシックゲッタリ
ング(EG)とに大別される。
れる方法は、主としてウェーハの素子形成面とは反対側
の裏面に機械的な歪みを付与するものであり、その一方
法としてサンドブラスト法がある。このサンドブラスト
法によりウェーハ裏面に形成されるバックサイドダメー
ジの大きさは上記ゲッタリング技術の重要な要素であ
り、サンドブラストされたウェーハの酸化熱処理により
生成する酸化誘起積層欠陥(oxidation induced stacki
ng fault;以下OSFと略す)の密度の大小をもって評
価することができる。
うに、ローダー1によりウェーハ2をコンベアーベルト
3に載せる。コンベアーベルト3上のウェーハ2は図8
矢印方向に搬送され、搬送中にフィーダー4から石英粒
子やアルミナ粒子の噴流5を衝突させて、サンドブラス
ト処理が行なわれる。サンドブラスト処理後のウェーハ
2はアンローダー6にてコンベアーベルト3から降ろさ
れ、次の加工工程に移される。
イス製造時の歩留まりを上げるために<100>方位に
成長させた単結晶より切り出した、<100>面を主面
とするウェーハが圧倒的な多数で用いられ、<111>
面を主面とするウェーハは極く僅かしか用いられていな
い。従って、サンドブラストに付されるウェーハもその
殆どが<100>面を主面とするものである。
ず、サンドブラストの評価及び工程の管理には、<11
1>面を主面とするウェーハがモニターとして用いられ
る。これは、<111>面を主面とするウェーハは、サ
ンドブラストの条件と、その評価のために行なわれる酸
化熱処理によるOSF密度測定値の再現性が良好である
ために、サンドブラスト工程におけるその条件付けを比
較的正確に行なえるからである。
は任意の輝度を有するウェーハを、図8に示すサンドブ
ラスト処理装置で処理した場合の説明図で、フィーダー
4からの石英粒子やアルミナ粒子の噴流5の噴出スピー
ドを一定にしておき、コンベアーベルト3の搬送速度を
変化させることにより、粒子の噴流5を衝突させる時間
を変えた場合における、サンドブラスト後のウェーハの
OSF密度測定値とベルトスピードの逆数との関係を示
すものである。図3によれば、ベルトスピードの逆数
(サンドブラスト処理時間に相当する)とOSF密度測
定値とは直線的比例関係にあり、しかもこの関係は、ウ
ェーハ輝度の影響を殆ど受けていないことがわかる。換
言すれば、<111>面を主面とするウェーハの場合、
どのような輝度のウェーハであっても、一定のサンドブ
ラスト条件に対しては、一定のOSF密度が再現される
ということを示しており、この事実がサンドブラスト条
件を評価するためのモニターに採用される根拠になって
いる。
うに、実際にサンドブラストされるウェーハは、<10
0>面を主面とするものが圧倒的であるから、この型の
ウェーハをサンドブラスト処理する際のモニター用に、
<111>面を主面とするウェーハを使用するのは不自
然であり、可能であるなら<100>主面と同一のウェ
ーハをモニターとして採用すべきであるとの着想がでる
のは至極当然のことである。また、生産量の少ない<1
11>面を主面とするウェーハを、わざわざ調達しなけ
ればならない不便がある。しかし、<100>面を主面
とするウェーハの場合、サンドブラスト後、酸化熱処理
をすることによってOSF密度を測定する場合、OSF
密度の測定値は非常に不安定で再現性が悪く、サンドブ
ラストの条件を正しく設定することができないという問
題があった。
で、その目的は、<100>面を主面とするウェーハを
モニターとして使用するに際し、サンドブラストの条件
とその後の酸化熱処理により導入されたOSFの密度
を、再現性良く、正確に評価することができる方法を提
供することにあり、更にはこれにより、<100>面を
主面とするウェーハをサンドブラスト処理するに際し、
その条件設定を<100>面を主面とするウェーハをモ
ニターに使用することによっても直接的に行なうことが
できる管理方法を提供することにある。
結晶ウェーハにおけるサンドブラスト条件の評価方法
は、<100>面を主面とするシリコン単結晶ウェーハ
の片側表面をサンドブラストした後、酸化熱処理を行な
い、前記ウェーハのサンドブラストされた片側表面上に
酸化誘起積層欠陥を導入し、その表面欠陥密度を測定す
ることによりサンドブラストの条件を評価する方法にお
いて、前記ウェーハ主面の輝度を予め特定した後、サン
ドブラストを行なうことを特徴とする。
方法は、<100>面を主面とするシリコン単結晶ウェ
ーハをサンドブラストするに際し、請求項1に記載の方
法により、前記ウェーハ主面の輝度と、酸化誘起積層欠
陥密度により評価されるサンドブラスト条件との関係を
予め測定し、それより得られる関係に基づいて、任意の
輝度を有する前記シリコン単結晶ウェーハに対し、その
輝度に対応しながらサンドブラストの条件を設定するこ
とを特徴とする。
は、<100>面を主面とするシリコン単結晶ウェーハ
において、その主面の輝度を特定したウェーハをモニタ
ーとして使用することを特徴とする。
するウェーハは、<100>軸方向に成長させたシリコ
ン単結晶棒の引上軸を回転中心として円筒研磨した後、
同引上軸の垂直方向にスライスして円板を得、同円板エ
ッジ部の面取りと主表面をラッピングした後、残存する
加工歪を除去する目的でエッチング処理を行なった段階
のものを指し、通常ケミカルエッチウェーハ(CWウェ
ーハ)と称されるものである。すなわち、本発明の適用
を受けるウェーハは、正確にはこのCWウェーハの略称
である。サンドブラスト処理はその後で行なわれ、更に
最終的な鏡面研磨を施されたものが、製品として出荷さ
れる鏡面ウェーハ(PWウェーハ)である。
は、JIS Z 8741-1987 (鏡面光沢測定方法)を参考に
し、同規格で指定の鏡面光沢度計(グロスメーターS
D)を使用、同法に準じた方法により測定した。すなわ
ち対物位置に何も置かない状態の輝度を便宜上0%と仮
想し、鏡面ウェーハの輝度を100%とする設定条件に
おいて、予め、ウェーハのエッチング量により相対的に
輝度が増加する傾向に対応して作製された、各種の標準
ウェーハを基準にして決定された検量線を使用した。こ
の現象を一般的に説明すれば、<100>ウェーハにお
いて、ケミカルエッチする際のエッチング代(μm)を
20、30、40、50、60とする時のウェーハの輝
度の値(%)は各々で大体10〜30、40、65、8
0、90の値を示す。
その度合いを評価する方法は色々考えられるが、本発明
の場合はEG効果との関連において、サンドブラスト後
のウェーハを熱酸化処理した際に発生するOSF密度を
測定する方法を採用した。すなわち、サンドブラスト処
理されたウェーハは、湿式酸化雰囲気中で1100℃/
1時間の熱処理を行なった後冷却し、フッ酸処理で表面
酸化膜を除去した後、ジルトルエッチング液により単結
晶表面を約1μmエッチングし、洗浄及び乾燥したウェ
ーハのサンドブラストされた表面を、光学顕微鏡(NIKO
N IC顕微鏡)で観察し、生成したOSFを計測する。
OSF計測は測定倍率を1000倍とし、ウェーハの任
意半径方向を3等分した3点について、視野中に存在す
るOSFをカウンターを利用して計数し、その密度を×
104 個/cm2 換算することで統一した。
完成されるに至った過程については、実施例において、
詳しく説明する。
ラストした後、熱酸化処理することにより導入されるO
SFの密度は、サンドブラストに付すウェーハの輝度を
特定していれば、サンドブラスト強度に比例する。よっ
て、この比例関係を利用することによりサンドブラスト
条件を再現性よく評価することができる。よって<10
0>面を主面とするウェーハのOSF密度が所定値にな
るようにサンドブラスト条件を制御することができる。
明する。 実施例1及び比較例1 各種の輝度を有するウェーハに対するサンドブラスト条
件として、その強度に対するOSF発生の関係を、<1
11>主面のウェーハ(比較例1)と<100>主面の
ウェーハ(実施例1)について調べた。
>及び<100>を主面とするP型(抵抗率1Ωcmの
普通抵抗品)単結晶より、輝度が各々30%、60%、
90%であるようにエッチング処理されたウェーハ(C
Wウェーハ)を各3枚づつ調製した。この各ウェーハに
対して、<111>主面のP型ウェーハをモニターとす
るサンドブラスト強度(サンドブラスト後のOSF発生
量、個/cm2 として評価)の設定条件として、30
万、50万、70万の3水準での処理を行なった。
枚のウェーハ3ケ所の観察点(計9点)について、OS
F密度の検査を行ない、その平均値であるOSF発生量
と、サンドブラスト強度及びウェーハ輝度との関係を図
1(比較例1)と図2(実施例1)で示した。
1>主面ウェーハ及び<100>主面ウェーハ共にサン
ドブラスト強度の強弱に対応し、OSFの発生が増減す
る点では同一の傾向が見られる。比較例1(図1)の場
合、同一のサンドブラスト強度の設定条件に対し、いず
れの場合もウェーハ輝度による影響は少なく、設定条件
に近い値を示している。一方、実施例1(図2)の場
合、OSFの発生はウェーハ輝度に対応し指数関数的な
増加を示している。この事実は<111>主面ウェーハ
の場合、ウェーハ輝度の影響は殆ど無く、従ってどのよ
うな輝度のCWウェーハを使用しても、サンドブラスト
強度の設定条件さえ一定なら、一定のOSFを発生する
という再現性が得られるのに対し、<100>主面ウェ
ーハの場合は、その輝度によるOSF発生値の変動が極
めて大きいため、その輝度を管理しない限り、OSF発
生値の再現性が得られない。換言すればこの事実が、従
来より<100>主面ウェーハをモニターに採用できな
かった理由である。しかし<100>主面ウェーハで
も、図2のようにウェーハ輝度とサンドブラスト強度及
びOSF発生量の間には定量的な関係が存在することか
ら、予めその輝度さえ特定すればサンドブラスト用のモ
ニターとして使用できることを示すものである。なお、
データを省略したがN型ウェーハの場合も、P型ウェー
ハと同様の結果となることが確認されている。
件として、その量(サンドブラストする時間で規定)と
OSF発生との関係を、<111>主面のウェーハ(比
較例2)と<100>主面のウェーハ(実施例2)につ
いて調べた。 [試験の条件と方法]結晶方位<111>及び<100
>を主面とするP型単結晶(抵抗率1Ωcmの普通抵抗
品)より、輝度が各々30%、60%、90%であるよ
うにエッチング処理されたウェーハ(CWウェーハ)、
及び輝度100%の鏡面ウェーハ(PWウェーハ)を各
3枚づつ調製した。この各ウェーハを、<111>主面
でP型のモニター用ウェーハによるサンドブラスト強度
の設定条件として50万個/cm2 の一定とし、サンド
ブラスト量は、図8で模擬的に示されるサンドブラスト
装置におけるコンベアーベルトスピード(m/min)
で、1.8、1.2、0.8、0.6に設定してサンド
ブラスト処理を行ない、その逆数(min/m;処理時
間に相当)をサンドブラスト量とした。
ウェーハにつき3ケ所の観察点(計9点)のOSF密度
の検査を行ない、その平均値であるOSF発生量と、サ
ンドブラスト量(時間)及びウェーハ輝度との関係を図
3(比較例2)と図4(実施例2)に示した。図3及び
図4で共通するのは、サンドブラスト量(処理時間)の
増加とOSF発生量は明確な比例関係にあるが、この両
者における大きな相違は、比較例2(図3)の場合、ウ
ェーハ輝度の如何を問わずサンドブラスト時間とOSF
発生量は一定の関係を示しているのに対し、実施例2
(図4)では実施例1の場合と同様、各種輝度のウェー
ハについてサンドブラスト条件とOSF発生量の間に、
かなり顕著な差が存在することである。
OSF発生量が高くなるのは実施例1と同様の傾向であ
るから、<100>を主面とするウェーハの場合、その
輝度さえ特定して管理すれば、<111>主面ウェーハ
の場合と同様、モニターとしての採用が可能となり、従
って<100>主面ウェーハのサンドブラスト条件を設
定する管理手段として利用することができる。
し、任意のサンドブラスト装置と処理条件でサンドブラ
ストを行なう場合、予め図4のような管理図を作成して
おけば、ウェーハに対するサンドブラストの条件を自在
に決定することができる。
4 <111>主面のウェーハと<100>主面のウェーハ
をサンドブラスト管理用モニターとして20日間使用
し、双方のモニターの比較を行なった。
2で使用したものと同じ導電型と抵抗率を有するウェー
ハについて、次の組合せでのモニター用ウェーハ比較試
験を行なった。 (比較例3) <111>主面モニター用ウェーハ(輝
度55%)20枚 (実施例3) <100>主面モニター用ウェーハ(輝
度40%)20枚 (比較例4) <111>主面モニター用ウェーハ(輝
度55%)20枚 (実施例4) <100>主面モニター用ウェーハ(輝
度60%)20枚 試験は毎朝、<111>及び<100>モニター用ウェ
ーハの各1枚づつを、同時にサンドブラスト処理した
後、所定の方法によりOSF発生の検査を行なった。な
お、サンドブラスト条件として、その設定強度は<11
1>モニター使用における50万個/cm2 に、またベ
ルトスピードは1.2m/minの共通条件として行な
った。
び実施例3)及び図6(比較例4及び実施例4)に示
す。比較例3、比較例4の<111>主面モニターウェ
ーハにおいては、前記50万個/cm2 に設定のサンド
ブラスト強度に対応した水準値(再現性)で推移してい
る。これに対し、実施例3の輝度40%<100>主面
ウェーハでは<111>の場合よりも低いレベルの値で
あるが、数値的には同じく安定した水準で推移し、再現
性のあることがわかる。同じ傾向は実施例4の輝度60
%の<100>主面ウェーハでも見られ、この場合は、
たまたま比較例4の<111>主面のウェーハと重なり
合った値になっている。このことは<100>主面ウェ
ーハでも、その輝度をある値(本実施例では約60%)
に設定すれば、<111>主面ウェーハと同等のモニタ
ーとしての機能を付与し得ることを意味している。
55%)と実施例4で使用の<100>主面モニター用
ウェーハ(輝度60%)について、サンドブラストの条
件を振りながらOSFの発生の仕方を調べた。その結果
を図7に示す。前記実施例4の傾向を、別の角度から確
認したものであるが、両者の間に一定の相関のあること
がわかる。
によれば、ウェーハの<100>面の輝度を特定するこ
とにより、サンドブラスト条件を再現性よく評価するこ
とができる。また、本発明のサンドブラスト条件の管理
方法によれば、<100>面を主面とするシリコン単結
晶ウェーハのOSF密度が所定値になるようにサンドブ
ラスト条件を制御することができる。また、<100>
面を主面とするシリコン単結晶ウェーハにおいて、その
主面の輝度を特定したウェーハをモニターとして使用す
ることにより、<100>面以外の面を主面とする特別
なモニターを使用しなくても、サンドブラスト条件を管
理することができる。
関係を示すグラフである。
関係を示すグラフである。
スピードの逆数(サンドブラスト量)及びウェーハ輝度
との関係を示すグラフである。
スピードの逆数(サンドブラスト量)及びウェーハ輝度
との関係を示すグラフである。
示すグラフである。
変化を示すグラフである。
ハ(輝度55%)と<100>主面モニター用ウェーハ
(輝度60%)についてサンドブラスト条件を振った場
合の互いのOSF密度の相関関係を示すグラフである。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 <100>面を主面とするシリコン単結
晶ウェーハの片側表面をサンドブラストした後、酸化熱
処理を行ない、前記ウェーハのサンドブラストされた片
側表面上に酸化誘起積層欠陥を導入し、その表面欠陥密
度を測定することによりサンドブラストの条件を評価す
る方法において、前記ウェーハ主面の輝度を予め特定し
た後、サンドブラストを行なうことを特徴とするシリコ
ン単結晶ウェーハにおけるサンドブラスト条件の評価方
法。 - 【請求項2】 <100>面を主面とするシリコン単結
晶ウェーハをサンドブラストするに際し、請求項1に記
載の方法により、前記ウェーハ主面の輝度と、酸化誘起
積層欠陥密度により評価されるサンドブラスト条件との
関係を予め測定し、それより得られる関係に基づいて、
任意の輝度を有する前記シリコン単結晶ウェーハに対
し、その輝度に対応させながらサンドブラストの条件を
設定することを特徴とする、シリコン単結晶ウェーハの
酸化誘起積層欠陥密度を制御するためのサンドブラスト
条件の管理方法。 - 【請求項3】 <100>面を主面とするシリコン単結
晶ウェーハにおいて、その主面の輝度を特定したウェー
ハをモニターとして使用することを特徴とする請求項2
に記載のシリコン単結晶ウェーハにおけるサンドブラス
ト条件の管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16382592A JP2762193B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | シリコン単結晶ウェーハにおけるサンドブラスト条件の評価及び管理方法 |
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