JP2760934B2 - 多関節型ロボットの原点校正方法 - Google Patents

多関節型ロボットの原点校正方法

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JP2760934B2 JP8670293A JP8670293A JP2760934B2 JP 2760934 B2 JP2760934 B2 JP 2760934B2 JP 8670293 A JP8670293 A JP 8670293A JP 8670293 A JP8670293 A JP 8670293A JP 2760934 B2 JP2760934 B2 JP 2760934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多関節型ロボットのア
ームの原点校正方法に関し、特に2つのアームの回転位
置の関係を高精度に設定するための原点校正方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多関節型のロボットにおいてアームの原
点出し(各アームが真っ直ぐになる様に位置出しするこ
と)を行うことは、ロボットの位置決め精度の低下を防
止するために極めて重要であり、従来より様々な方法が
試みられている。例えば、特開平1−193190号公
報には、水平多関節ロボットの第1腕と第2腕の原点校
正方法が開示されている。この原点校正方法は、図11
に示す様に、ロボットの第2腕の先端に丸棒を設け、ロ
ボットの動作範囲内に設定された基準点にこの丸棒の中
心を一致させた状態で、第1腕と第2腕を右手系と左手
系とに移動させ、そのときの第1腕と第2腕のなす角θ
1 とθ2 とをそれぞれの腕に取り付けられたエンコーダ
の値より求めるものである。そして、これらの角度θ1
とθ2 の値からθ=(θ1 +θ2 )/2を求め、この角
度を第2腕が第1腕に対して真っ直ぐになる角度、すな
わち原点とするものである。
【0003】また、実開平1−143377号公報に
は、同じく水平多関節ロボットの第1腕と第2腕の原点
校正方法が開示されている。この方法においては、第1
腕上に、第1腕の回転中心軸と第2腕の回転中心軸を結
ぶ直線上に位置する1つの基準穴が設けられており、ま
た、第2腕上に、第2腕の回転中心軸と第2腕の先端に
取り付けられるハンドの回転中心軸とを結ぶ直線上に位
置する2つの基準穴が設けられている。そして、原点校
正治具として、上記の3つの基準穴に夫々挿入される3
本のピンが一直線上に並んで取り付けられたバー状の治
具を用意しておき、この3本のピンを、第1腕及び第2
腕の3つの基準穴に同時に挿入し、第1腕と第2腕を一
直線状になしてその位置を原点とするものである。第2
腕の2つの基準穴の内径は、校正治具のピンに嵌合する
寸法に設定されており、第1腕の基準穴の内径は、校正
治具のピンの外径よりもやや大きい寸法に設定されてい
る。そして、第1腕の基準穴においては、ゼロマスター
でのダイヤルゲージの示す値を見ておき、校正治具のピ
ンが基準穴の中心にくる様にアームを移動させるもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例のうち前者のものにおいては以下の様な問題点が
あった。 (1)第2腕の先端に取り付ける丸棒等の中心軸は、第
2腕の先端に取り付けられるハンド等の回転軸と正確に
一致している必要があり、ロボットにこのように高精度
に位置合わせをして丸棒を取り付けることは手間がかか
り、ロボットのコストが高くなる。 (2)第2腕の先端の丸棒等をある基準点に高精度に位
置決めすることが難しい。 (3)ロボットの腕の駆動系には減速機が使用されてお
り、減速機は僅かながらバックラッシュ及びロストモー
ションを有している。そのため、第2腕先端の丸棒等を
基準点に合わせる時の第2腕の移動方向により、バック
ラッシュ、ロストモーションが一定せず、原点校正の誤
差となる。
【0005】また、上記の従来例のうち後者のものにお
いては以下の様な問題点がある。 (1)ロボットに校正治具をセットするとき、第2腕を
どちらの方向から移動させるかにより、減速機の持つバ
ックラッシュ、ロストモーションが一定せず、原点校正
の誤差となる。 (2)ロボットの第1腕及び第2腕に高精度な寸法精度
の穴を形成する必要があると共に、高精度な校正治具及
びゼロマスターを準備する必要があり、高価となる。
【0006】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、精度良く
且つ安価に多関節ロボットの原点位置を校正することが
できる様な、多関節型ロボットの原点校正方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決し、目
的を達成するために、本発明の多関節型ロボットの原点
校正方法は、第1の点を支点として第1の平面内で回動
可能に支持された第1の腕と、該第1の腕に前記第1の
点と第1の所定距離を離間した第2の点を支点として前
記第1の平面と平行な第2の平面内で回動可能に支持さ
れた第2の腕と、該第2の腕上に位置するところの前記
第2の点と第2の所定距離を離間した第3の点とを有す
る多関節型ロボットにおいて、前記第1の点と前記第2
の点と前記第3の点が一直線上に並ぶ前記多関節型ロボ
ットの原点位置を規定するための、多関節型ロボットの
原点校正方法であって、前記第1の点と前記第2の点を
結ぶ直線と、前記第2の点と前記第3の点を結ぶ直線と
がある一定の角度をなす位置である初期位置に前記第1
の腕と前記第2の腕を位置決めする第1の工程と、前記
初期位置から前記第2の腕を前記第2の点を支点として
前記第1の腕に対して回動させ、前記第1の腕の一側面
と前記第2の腕の一側面とが劣角をなす状態において、
前記第1の点と前記第2の点を結ぶ直線上に位置する第
4の点と、前記第2の点と前記第3の点を結ぶ直線上に
位置する第5の点との距離が所定の距離となるまでの前
記第2の腕の前記初期位置からの回動角θ1 を計測する
第2の工程と、前記初期位置から前記第2の腕を前記第
2の点を支点として前記第1の腕に対して回動させ、前
記第1の腕の他側面と前記第2の腕の他側面が劣角をな
す状態において、前記第4の点と前記第5の点との距離
が前記所定の距離となるまでの前記第2の腕の前記初期
位置からの回動角θ2 を計測する第3の工程と、前記初
期位置から前記第2の腕を、前記第2の点を支点として
前記第1の腕に対して角度θ=(θ1 +θ2 )/2だけ
回動させた位置を原点位置とする第4の工程とを具備す
ることを特徴としている。
【0008】また、この発明に係わる多関節型ロボット
の原点校正方法において、前記第1の腕は前記第4の点
を中心とする第1の穴を有すると共に前記第2の腕は前
記第5の点を中心とする第2の穴を有し、前記第1の穴
と前記第2の穴に、校正治具上に互いに離間して配置さ
れた2本のピンを夫々挿入することにより、前記第4の
点と前記第5の点が前記所定の距離だけ離れた状態に規
定されることを特徴としている。
【0009】また、この発明に係わる多関節型ロボット
の原点校正方法において、前記第1及び第2の穴の直径
は、前記2本のピンの外径よりも大きく設定されている
ことを特徴としている。また、この発明に係わる多関節
型ロボットの原点校正方法において、前記校正治具は、
前記2本のピン間の距離を可変でき、且つ該2本のピン
間の距離を検出できる様に構成されていることを特徴と
している。
【0010】また、この発明に係わる多関節型ロボット
の原点校正方法において、前記校正治具は、前記2本の
ピンを互いに離れる方向に付勢する付勢手段を備えるこ
とを特徴としている。また、この発明に係わる多関節型
ロボットの原点校正方法において、前記第2の工程と前
記第3の工程において、前記第4の点と前記第5の点と
が前記所定の距離より離れた状態から、前記第2の腕を
前記第1の腕に対して回動させ、前記第4の点と前記第
5の点の距離を前記所定の距離に追い込むことを特徴と
している。
【0011】
【作用】以上の様に、この発明に係わる多関節型ロボッ
トの原点校正方法は構成されているので、第1の腕の一
側の側面と第2の腕の一側の側面との間の角が劣角とな
る所謂右手系の状態で第1の腕上の第4の点と第2の腕
上の第5の点との距離が所定の距離となるときの第2の
腕の回動角θ1 を求め、また、第1の腕の他側の側面と
第2の腕の他側の側面との間の角が劣角となる所謂左手
系の状態で、第4の点と第5の点との距離が同じ所定の
距離となるときの第2の腕の回動角θ2 を求め、第1の
腕と第2の腕の関係が右手系になる状態と左手系になる
状態との中間の位置であるθ=(θ1 +θ2 )/2の位
置をロボットの原点とすることにより、ロボットの原点
校正を容易に行うことができる。
【0012】また、第4の点と第5の点の距離を所定の
距離に設定することは、第1の腕に形成された第4の点
を中心とする第1の穴と第2の腕に形成された第5の点
を中心とする第2の穴とに、校正治具に設けられた2本
のピンを挿入するすることによって行われるが、このと
き、第1の穴及び第2の穴は校正治具の2本のピンに正
確に嵌合する必要がないので、第1及び第2の穴の直径
と2本のピンの外径を高精度に加工する必要がなく、コ
ストの上昇を防止することができる。
【0013】また、校正治具が2本のピンを互いに離れ
る方向に付勢する付勢手段を有していることにより、右
手系と左手系において第1及び第2の腕が共に離れる方
向に付勢されるので、右手系及び左手系において第1及
び第2の腕を駆動する減速機構のバックラッシュが互い
に反対方向に片寄せされることとなり、これらの中間に
原点を規定することにより、バックラッシュの幅の中央
に原点位置を設定することができ、原点の校正精度が向
上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について、添
付図面を参照して詳細に説明する。図1は、一実施例の
原点校正方法が適用される水平多関節ロボットを示す側
面図である。
【0015】図1において、ロボット10の基部を構成
する基台12は略円筒状に形成されており、その下部に
形成されたフランジ部12aにより組立装置の架台等に
固定される様になされている。基台12の上部には、第
1腕14を駆動するための第1のモータ16と、この第
1のモータ16の後端部に接続され、この第1のモータ
16の回転を検出する第1のエンコーダ18とが配置さ
れている。第1のモータ16の回転軸には減速機構20
を介して第1腕14の一端部が接続されており、第1腕
14は、第1のモータ16が回転することにより減速機
構20の出力軸を中心に水平面内で回動される。
【0016】第1腕14の先端部には、第1腕14に対
して第2腕22を回動させるための第2のモータ24が
配設されている。第2のモータ24の後端部にはこの第
2のモータ24の回転を検出する第2のエンコーダ26
が接続されている。また、第2のモータ24の回転軸に
は減速機構28を介して第2腕22の一端部が接続され
ており、第2腕22は、第2のモータ24が回転するこ
とにより減速機構28の出力軸を中心に水平面内で回動
される。
【0017】第2腕22の先端部には、第2腕22に対
して上下動作及び回転動作されるシャフト30が配設さ
れており、シャフト30の下端には、ハンド等が取り付
けられるフランジ部材32が取り付けられている。な
お、第2腕22の中間部には、シャフト30を上下動さ
せる第3のモータ32及びこのモータ32に接続された
第3のエンコーダ34と、シャフト30を回転動作させ
る第4のモータ36及びこのモータ36に接続された第
4のエンコーダ38とが配設されている。
【0018】次に、図2は、図1のロボット10を上方
から見た平面図である。図2において、第1腕14の中
間部には、第1腕14の回転中心軸C1と第2腕22の
回転中心軸C2とを結ぶ直線上に、第1の校正穴40が
形成されている。この第1の校正穴40は、回転中心軸
C1とC2を結ぶ直線上であればどこに形成されていて
も良い。また、第2腕22の中間部には、第2腕22の
回転中心軸C2とシャフト30の中心軸C3とを結ぶ直
線上に、第2の校正穴42が形成されている。この第2
の校正穴42も、回転中心軸C2と中心軸C3とを結ぶ
直線上であればどこに形成されていても良い。
【0019】次に図3は、校正治具44の構造を示した
側断面図である。図3において、校正治具44は、第1
のプレート46と第2のプレート48とが互いに直線ガ
イド50により接続されて構成されており、これら2枚
のプレートが図中左右方向に相対的にスライドできる様
になされている。直線ガイド50の両端部にはストッパ
ー50a,50bが取り付けられており、第1のプレー
ト46と第2のプレート48とは、これらストッパー5
0a,50bの間で規定される範囲内で互いにスライド
することが可能である。第1のプレート46の先端部に
は、このプレート46に起立した状態で第1のピン52
が取り付けられている。また、第2のプレート48の先
端部には、このプレート46に起立した状態で第2のピ
ン54が取り付けられている。
【0020】第1のプレート46と第2のプレート48
との間には、直線ガイド50のスライド方向に沿って引
っ張りバネ56が張設されており、第1のプレート46
と第2のプレート48とは、これらに取り付けられた第
1のピン52と第2のピン54が互いに離れる方向に付
勢されている。また、第2のプレート48上にはダイヤ
ルゲージ58が水平に取り付けられており、このダイヤ
ルゲージ58の測定子58aの先端部は第1のプレート
46の後端部に接触している。従って、第1のプレート
46と第2のプレート48の相対的なスライド量をダイ
ヤルゲージ58で測定することが可能であり、第1のプ
レート46の寸法と第2のプレート48の寸法とこのダ
イヤルゲージ58の読みとから第1のピン52と第2の
ピン54の間隔を知ることができる。
【0021】図4は、図3に示した校正治具44を上方
から見た図であり、第1のプレート46と第2のプレー
ト48は、図示した様に左右に細長い形状に形成されて
いる。次に図5(a),(b)は、校正治具44の実際
の使用方法を示した図である。また、図6は、図5
(a)におけるA−A断面図である。
【0022】図5及び図6に示す様に、校正治具44
は、その両端部の第1及び第2のピン52,54を、第
1腕14の第1の校正穴40と第2腕22の第2の校正
穴42とに夫々挿入させて使用される。なお、第1及び
第2の校正穴40,42は、第1及び第2のピン52,
54の外径よりもやや大きい直径に加工されている。こ
こで、図5(a)は、第1腕14の左側面と第2腕22
の左側面とが劣角をなす所謂右手系の状態を示してお
り、図5(b)は、第1腕14の右側面と第2腕22の
右側面とが劣角をなす所謂左手系の状態を示している。
そして、一実施例の原点校正方法は、図5(a)に示す
右手系と、図5(b)に示す左手系において、校正治具
44のダイヤルゲージの読みが同じになる(第1のピン
52と第2のピン54の間隔が同じになる)ときの第2
腕22の回動角を夫々測定し、それらの中間位置を第2
腕22の原点に設定しようとするものである。
【0023】また、前述した様に、第1のピン52と第
2のピン54が互いに離れる方向に第1のプレート46
と第2のプレート48が付勢されているので、図6に示
す様に、第1のピン52及び第2のピン54は第1の校
正穴40と第2の校正穴42の外側の壁面に当接してい
る。従って、第1腕14と第2腕22は、これらの第1
及び第2のピン52,54により互いに開く方向に付勢
されることとなり、第2腕22を駆動する減速機構28
のバックラッシュが片寄せされることとなる。図5
(b)に示した左手系においても、第1腕14及び第2
腕22は互いに開く方向に付勢され、このとき減速機構
28のバックラッシュは図5(a)の右手系の場合とは
逆方向に片寄せされることとなる。
【0024】次に、図7は、ロボット10を制御するた
めの制御装置100の構成を示すブロック図である。図
7において、参照番号102は、ロボット10の全体動
作を制御するCPUを示している。CPU102には、
外部からオペレータが指令を入力するためのキーボード
108及びCRT110が接続されている。また、CP
U102にはROM104及びRAM106が接続され
ている。ROM104には、ロボット10の制御プログ
ラム、キーボード108とCRT110をサポートする
プログラム及び基準位置出しプログラム(基準位置出し
については後述する)が記憶されている。RAM106
は、バッテリーによりバックアップされており、ロボッ
トの動作プログラム、ロボットの動作ポイントデータ、
原点の校正値θ(校正値θについては後述する)等が記
憶されている。また、ロボット10の第1乃至第4のモ
ータ16,24,32,36及び第1乃至第4のエンコ
ーダ18,26,34,38は、夫々第1乃至第4のモ
ータの制御部112,114,116,118とエンコ
ーダのパルス数をカウントするカウンタ120,12
2,124,126とを介して、CPU102に接続さ
れている。
【0025】次に、上記の様に構成されたロボットにお
いて、原点校正を行う手順について説明する。図8は、
原点校正を行う手順を模式的に示した図であり、図9は
その手順を示すフローチャートである。まず、ロボット
10の電源をON状態とし、第1腕14と第2腕22が
第1及び第2のモータ16,24で駆動され、第2腕2
2の回転角を第2のエンコーダ26で検出可能な状態と
する。
【0026】次に、ステツプS2において、第2腕22
の基準位置出しが行われる。ロボットが組み上がった時
点においては、第1腕14と第2腕22の位置関係が全
くわかっていないので、原点校正動作に先立ってこの基
準位置出しが行われる。具体的には、前述した様に第2
のモータ24には第2のエンコーダ26が備えられてお
り、この第2のエンコーダ26により第2のモータ24
の回転角、すなわち第2腕22の回動角が検出される。
第2のエンコーダ26にはA相とB相とC相が存在す
る。A相は例えば第2のモータ24が1回転する間に1
000パルスの方形波を発する様になされている。また
B相は、A相と同様に第2のモータ24が1回転する間
に1000パルスの方形波を発する様になされている
が、その方形波の位相はA相と180度ずれる様に設定
されている。また、C相は第2のモータ24が一回転す
る間に1パルスの方形波を発する。ロボット10が組み
上がった時点での基準位置とは、第1腕14と第2腕2
2に近接センサーを取り付けておき、第2腕22を回動
させていったときにこの近接センサーがONになった後
に初めてC層のパルスが出力される位置である。従っ
て、第2腕22の基準位置は、近接センサーの取付位置
とモータの取付位置によって決まり、例えば、図8にB
で示した様な位置となる。
【0027】次に、ステツプS4において、第1腕14
を固定して第2腕22を回動させ、第1腕14及び第2
腕22が図8にCで示した様に右手系になり、且つ校正
治具44の両端のピン52,54が第1腕14の第1の
校正穴40と第2腕22の第2の校正穴42に挿入可能
な位置まで第2腕22を移動させる。次にステツプS6
〜ステツプS10において、第2腕22を反時計回転方
向に1パルスずつ回動させ、校正治具44のダイヤルゲ
ージ58が0を示す位置まで移動させる。そしてこのと
きの第2のエンコーダ26の値を読み取り、この値から
第2腕22の回動角を算出し、この値をθ1 とする。こ
の工程においては、第1腕14と第2腕22は互いに開
く方向に校正治具44により付勢されているので、第2
腕22の減速機構28のバックラッシュは常に第2腕2
2が時計回転方向に回動する方向に片寄せられている。
従って、第2腕22を反時計回転方向に回動させなが
ら、ダイヤルゲージ58が0を示す様に追い込んでいく
ことにより減速機構28のバックラッシュが完全に時計
回転方向に片寄せされたままの状態で第2腕22の回動
角θ1 が計測されることとなる。
【0028】次にステツプS12において、第1腕14
と第2腕22が図8にDで示した様に左手系になる様に
第2腕22を回動させる。そして、ステツプS14〜ス
テツプS18において、校正治具44を第1腕14と第
2腕22に装着し、右手系の場合とは逆に第2腕22を
時計回転方向に1パルスずつ回動させ、校正治具44の
ダイヤルゲージ58が0を示す位置まで移動させる。そ
してこのときの第2のエンコーダ26の値を読み取り、
この値から第2腕22の回動角を算出し、この値をθ2
とする。この工程においては、第1腕14と第2腕22
は互いに開く方向に校正治具44により付勢されている
ので、第2腕22の減速機構28のバックラッシュは常
に第2腕22が反時計回転方向に回動する方向に片寄せ
られている。従って、第2腕22を時計回転方向に回動
させながら、ダイヤルゲージ58が0を示す様に追い込
んでいくことにより減速機構28のバックラッシュが完
全に反時計回転方向に片寄せされたままの状態で第2腕
22の回動角θ2 が計測されることとなる。
【0029】次にステツプS20において、θ=(θ1
+θ2 )/2を計算して、このθを原点校正値として記
憶する。従って、図8にBで示した基準位置から、第2
腕22をθだけ回動することにより、第1腕14と第2
腕22がまっすぐとなる原点位置に第2腕22が位置決
めされることとなる。ここで、原点校正値θの値は、第
1腕14及び第2腕22が右手系の場合と左手系の場合
で、減速機構28のバックラッシュが互いに逆方向に片
寄せられた場合の回動角θ1 とθ2 を平均したものであ
るため、第2腕22は、原点に位置決めされた状態にお
いては、バックラッシュの幅の中央に位置決めされるこ
ととなる。そのため、原点校正後の実際の動作時におい
ては、第2腕22のバックラッシュによる位置決め誤差
がバックラッシュの幅の半分となるので位置決め精度が
向上する。
【0030】以上の様にして、第2腕22の原点校正動
作が行われる。なお、図10は、第1腕14と第2腕2
2の回動角度と長さにより、第2腕の先端位置を直交座
標で表す場合の変換式を示したものであり、実際には、
このように直交座標に直して、第2腕22の先端に取り
付けられたハンド等が位置決めされる。
【0031】以上説明した様に、一実施例の原点校正方
法によれば、右手系と左手系で、減速機構のバックラッ
シュを互いに逆方向に付勢し、その中央を原点位置とし
ているので、第2腕の原点校正精度が向上する。また、
校正治具にバネが配置されていることにより、校正治具
のピンがロボットの腕に形成された校正穴に対して、そ
の内壁面に当接する様に付勢されるので、校正治具のピ
ンとロボットの腕の校正穴とを精密に嵌合する様に加工
する必要がなく、ロボット及び校正治具を低コストに抑
えることができる。
【0032】なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範
囲で、上記実施例を修正または変形したものに適用可能
である。例えば、上記実施例では、ロボットを水平多関
節型として説明したが、垂直多関節型でも良い。また、
ロボットの腕の校正穴と校正治具のピンは、別段嵌合さ
せる必要はないが、嵌合させても良いことは言うまでも
ない。
【0033】また、第1腕と第2腕に校正穴の代わりに
ピンを設け、校正治具側に校正穴を設ける様にしても良
い。
【0034】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明の多関節型ロ
ボットの原点校正方法によれば、第1の腕の一側の側面
と第2の腕の一側の側面との間の角が劣角となる所謂右
手系の状態で第1の腕上の第4の点と第2の腕上の第5
の点との距離が所定の距離となるときの第2の腕の回動
角θ1 を求め、また、第1の腕の他側の側面と第2の腕
の他側の側面との間の角が劣角となる所謂左手系の状態
で、第4の点と第5の点との距離が同じ所定の距離とな
るときの第2の腕の回動角θ2 を求め、第1の腕と第2
の腕の関係が右手系になる状態と左手系になる状態との
中間の位置であるθ=(θ1 +θ2 )/2の位置をロボ
ットの原点とすることにより、ロボットの原点校正を容
易に行うことができる。
【0035】また、第4の点と第5の点の距離を所定の
距離に設定することは、第1の腕に形成された第4の点
を中心とする第1の穴と第2の腕に形成された第5の点
を中心とする第2の穴とに、校正治具に設けられた2本
のピンを挿入するすることによって行われるが、このと
き、第1の穴及び第2の穴は校正治具の2本のピンに正
確に嵌合する必要がないので、第1及び第2の穴の直径
と2本のピンの外径を高精度に加工する必要がなく、コ
ストの上昇を防止することができる。
【0036】また、校正治具が2本のピンを互いに離れ
る方向に付勢する付勢手段を有していることにより、右
手系と左手系において第1及び第2の腕が共に離れる方
向に付勢されるので、右手系及び左手系において第1及
び第2の腕を駆動する減速機構のバックラッシュが互い
に反対方向に片寄せされることとなり、これらの中間に
原点を規定することにより、バックラッシュの幅の中央
に原点位置を設定することができ、原点の校正精度が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の原点校正方法が適用される水平多関
節ロボットを示す側面図である。
【図2】図1のロボットを上方から見た平面図である。
【図3】校正治具の構造を示した側断面図である。
【図4】図3に示した校正治具を上方から見た図であ
る。
【図5】次に図5は、校正治具の実際の使用方法を示し
た図である。
【図6】図5におけるA−A断面図である。
【図7】ロボットを制御するための制御装置の構成を示
すブロック図である。
【図8】原点校正を行う手順を模式的に示した図であ
る。
【図9】原点校正を行う手順を示すフローチャートであ
る。
【図10】第1腕と第2腕の回動角度と長さにより、第
2腕の先端位置を直交座標で表す場合の変換式を示した
図である。
【図11】従来の原点校正方法を示した図である。
【符号の説明】
10 ロボット 12 基台 14 第1腕 16 第1のモータ 18 第1のエンコーダ 20 減速機構 22 第2腕 24 第2のモータ 26 第2のエンコーダ 28 減速機構 30 シャフト 32 フランジ部材 34 第3のエンコーダ 36 第4のモータ 38 第4のエンコーダ 40 第1の校正穴 42 第2の校正穴 44 校正治具 46 第1のプレート 48 第2のプレート 50 直線ガイド 52 第1のピン 54 第2のピン 56 引っ張りバネ 58 ダイヤルゲージ 100 制御装置 102 CPU 104 ROM 106 RAM 108 キーボード 110 CRT 112,114,116,118 制御部 120,122,124,126 カウンタ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B25J 9/10 B25J 9/06 G05B 19/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の点を支点として第1の平面内で回
    動可能に支持された第1の腕と、該第1の腕に前記第1
    の点と第1の所定距離を離間した第2の点を支点として
    前記第1の平面と平行な第2の平面内で回動可能に支持
    された第2の腕と、該第2の腕上に位置するところの前
    記第2の点と第2の所定距離を離間した第3の点とを有
    する多関節型ロボットにおいて、前記第1の点と前記第
    2の点と前記第3の点が一直線上に並ぶ前記多関節型ロ
    ボットの原点位置を規定するための、多関節型ロボット
    の原点校正方法であって、 前記第1の点と前記第2の点を結ぶ直線と、前記第2の
    点と前記第3の点を結ぶ直線とがある一定の角度をなす
    位置である初期位置に前記第1の腕と前記第2の腕を位
    置決めする第1の工程と、 前記初期位置から前記第2の腕を前記第2の点を支点と
    して前記第1の腕に対して回動させ、前記第1の腕の一
    側面と前記第2の腕の一側面とが劣角をなす状態におい
    て、前記第1の点と前記第2の点を結ぶ直線上に位置す
    る第4の点と、前記第2の点と前記第3の点を結ぶ直線
    上に位置する第5の点との距離が所定の距離となるまで
    の前記第2の腕の前記初期位置からの回動角θ1 を計測
    する第2の工程と、 前記初期位置から前記第2の腕を前記第2の点を支点と
    して前記第1の腕に対して回動させ、前記第1の腕の他
    側面と前記第2の腕の他側面が劣角をなす状態におい
    て、前記第4の点と前記第5の点との距離が前記所定の
    距離となるまでの前記第2の腕の前記初期位置からの回
    動角θ2 を計測する第3の工程と、 前記初期位置から前記第2の腕を、前記第2の点を支点
    として前記第1の腕に対して角度θ=(θ1 +θ2 )/
    2だけ回動させた位置を原点位置とする第4の工程とを
    具備することを特徴とする多関節型ロボットの原点校正
    方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の腕は前記第4の点を中心とす
    る第1の穴を有すると共に前記第2の腕は前記第5の点
    を中心とする第2の穴を有し、前記第1の穴と前記第2
    の穴に、校正治具上に互いに離間して配置された2本の
    ピンを夫々挿入することにより、前記第4の点と前記第
    5の点が前記所定の距離だけ離れた状態に規定されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多関節型ロボットの原
    点校正方法。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2の穴の直径は、前記2
    本のピンの外径よりも大きく設定されていることを特徴
    とする請求項2に記載の多関節型ロボットの原点校正方
    法。
  4. 【請求項4】 前記校正治具は、前記2本のピン間の距
    離を可変でき、且つ該2本のピン間の距離を検出できる
    様に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の
    多関節型ロボットの原点校正方法。
  5. 【請求項5】 前記校正治具は、前記2本のピンを互い
    に離れる方向に付勢する付勢手段を備えることを特徴と
    する請求項4に記載の多関節型ロボットの原点校正方
    法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程と前記第3の工程におい
    て、前記第4の点と前記第5の点とが前記所定の距離よ
    り離れた状態から、前記第2の腕を前記第1の腕に対し
    て回動させ、前記第4の点と前記第5の点の距離を前記
    所定の距離に追い込むことを特徴とする請求項5に記載
    の多関節型ロボットの原点校正方法。
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