JP2760917B2 - 線図形の表現方法 - Google Patents

線図形の表現方法

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JP2760917B2
JP2760917B2 JP4046574A JP4657492A JP2760917B2 JP 2760917 B2 JP2760917 B2 JP 2760917B2 JP 4046574 A JP4046574 A JP 4046574A JP 4657492 A JP4657492 A JP 4657492A JP 2760917 B2 JP2760917 B2 JP 2760917B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、線図形の表現方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】画像を計算機内部等に格納するときの表
現形式として、従来から画像の種類と適応分野に応じた
種々の方式が提案され、実用化されている。例えば、2
値化された線図形を表現する方法としては、チェーン符
号が良く知られている。この他に、リスト表現、グラフ
表現等が用いられている。このような内部表現形式を採
ることによって、画像データ量の圧縮が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画像には種
々の雑音(例えば、ボケ、線の切れ等)が混入してお
り、このような雑音を認識処理の前に除去しなければな
らない。一般的に雑音除去は、画素レベルでのフィルタ
リング処理によって雑音除去を行っているが、従来の雑
音除去は、このように圧縮前の画像データに対して処理
を施しているので、計算量が多くなるという問題があっ
た。
【0004】本発明の目的は、計算量が削減され、雑音
除去と認識処理に適した線図形の表現方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明では、2値化された文字画像データから行毎
黒ラン領域と白ラン領域とからなるランデータを生成
し、隣接する第1の行内のランデータパターンと第2の
行内のランデータパターンとを参照することにより、隣
接する一対の行を、第1の行内の黒ラン領域数と第2の
行内の黒ラン領域数が同じで、かつ、それぞれ対応する
前記第1の行内の黒ラン領域と前記第2の行内の黒ラン
領域が連結している状態にある同一パターンの一対の行
と、該状態ではない異なるパターンの一対の行(以下、
変化ペア)とに分類し、該変化ペアの連なりによって前
記線図形を表わすとき、それぞれ異なる変化ペアに対し
て所定のコードを割り当て、該コードの組み合わせによ
って前記線図形を表現すると共に、前記連なりを保ちな
がら前記線図形の所定部分のランデータを削除すること
を特徴としている。
【0006】
【作用】2値化処理部では、文字画像を読み取って2値
化し、ランレングスデータ生成部では、2値化された画
像データからランレングスデータを生成する。縦位相表
現データ生成部では、隣接する上下の行のランレングス
データから位相変化ペアすなわち、上下の行のランパタ
ーンが異なるペアを抽出して縦位相表現を作成する。つ
の削り処理部では、縦位相表現を用いて、図形の位相的
性質を変えることなく、雑音除去のためのつの削り処
理、すなわちドロップ削りとホーン削りを行う。これに
より、図形の位相的情報が保存され、また、小容量の記
憶容量で構成することができる。更に、縦位相表現に対
して、つの削り処理ができるので、高速に雑音を除去す
ることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて具体
的に説明する。図1は、本発明の実施例のブロック構成
図である。図において、1は、画像を読み取って2値化
する2値化処理部、2は、2値化された画像データから
ランレングスデータを生成するランレングスデータ生成
部、3は、隣接する行のランレングスデータから位相変
化ペアを抽出して縦位相表現を生成する縦位相表現デー
タ生成部、4は、図形の位相的性質を変えることなく、
つの削り処理を行う、つの削り処理部、5は、文字認識
部である。
【0008】〈縦位相表現〉 図2は、本実施例の縦位相表現を生成するフローチャー
トである。縦位相表現データ生成部3は、図3のように
2値化された線図形画像から、位相変化ペアを抽出する
ことによって、縦位相による図形の表現データを作成す
るものである。図2において、先ず、初期化処理後(ス
テップ21)、L行の画像(ランレングスデータ)に対
して、図4のように、隣接する行のペアを調べる(ステ
ップ23、24、25、26)。該ペアが後述する位相
変化ペアであるときは(ステップ23)、該位相変化ペ
アを縦位相表現としてメモリに書き込む(ステップ2
4)。
【0009】位相変化ペアについて説明する。図5は、
幅1の画素の行単位で生成されたランレングスデータの
一例を示す図で、各行毎に付けられているラン番号の
内、奇数の番号は黒ラン、偶数の番号は白ランを表して
いる。図6は、隣接する行3と行4のデータを取りだし
た図で、図7は、行3と行4の相互に接している上下の
ランを、左から順に配列した図で、上のラン0と下のラ
ン0が接し、上のラン0と下のラン1が接し、上のラン
1と下のラン1が接し、...、ということを表した第
1の中間表現図である。図8は、同様に、隣接する行4
と行5のデータを示す図で、図9は、その第1の中間表
現図である。なお、この処理は、行単位ではなく、列単
位あるいは斜め方向でもよい、図7、図9に示した第1
の中間表現図から、上下のペアが偶数−偶数または奇数
−奇数以外のペアを削除した第2の中間表現図を作成す
る。図10は、図7から作成された第2の中間表現図で
あり、図11は、図9から作成された第2の中間表現図
である。このように作成された第2の中間表現図におい
て、上部と下部が同一であるペアを、位相不変ペアと呼
ぶ。すなわち、この位相不変ペアは、例えば、図12に
示すように、隣接する2行が同数の黒領域を有し、且つ
それらが一つずつ連結している状態にあるペアである。
【0010】一方、第2の中間表現図において、上部と
下部の一部でも異なる場合を、位相変化ペアと呼ぶ。位
相変化ペアの具体例として、上下の黒連結成分(黒ラ
ン)の数が異なる場合を図13、図14に示す。また、
図15は、上下の黒連結成分が一部連結していない例を
示す。更に、図16に示す4連結と8連結では、黒8連
結(白4連結)であるならば、位相変化ペアとなり、黒
4連結(白8連結)であるならば、位相不変ペアとな
る。なお、上記説明では、上下のランデータから第1の
中間表現を作成し、第1の中間表現から第2の中間表現
を得ていたが、これを上下のランデータから直接第2の
中間表現を得るようにしてもよい。
【0011】このように、本発明の縦位相表現は、位相
変化ペアの連なりによって構成される。図17は、数字
「0」の縦位相表現を表し、行番号8(h=8)、1
2、30、34の位相変化ペアで構成されていることが
分かる。
【0012】さて、画像を計算機内部等に格納するとき
の表現形式として、本発明の位相変化ペアは、以下のよ
うにして内部表現される。図18に示す一つの位相変化
ペアにおいて、各ラン毎に一つのノ−ドを作り、これを
スタンプと呼ぶ(このスタンプは白黒が交互に並ぶ)。
図19は、本発明の位相変化ペアの内部表現つまりデー
タ構造を示し、各位相変化ペアは、スタンプと、スタン
プ間の接続を表すグラフと、行番号と、前方の位相変化
ペアを指すポインタフィールド(prev1)と、後方
の位相変化ペアを指すポインタフィールド(next
1)からなっている。
【0013】また、図20は、スタンプのデータ構造を
示し、各スタンプは、同一の行内の隣のスタンプを指す
ポインタフィールド(prev2,next2)と、同
一の位相変化ペア内にあるが、異なる行にあるスタンプ
を指すブランチフィールドと、そのブランチ数と、隣の
位相変化ペアの対応するスタンプを指すパートナーフィ
ールドとから構成されている。このデータ構造中に、ラ
ンの長さを含めるようにしても良い。従って、本発明の
縦位相表現は、位相変化ペア間のポインタ(prev
1,next1)と、パートナーポインタによって図2
1に示すように一連の「鎖」として表現される。
【0014】以上の説明をまとめると、2値化された画
像データ(図22)は、位相変化ペア231〜234で
構成された縦位相に表現され(図23の235)、スタ
ンプ(白丸と黒丸)とパートナー(棒線)とブランチ
(棒線)等で内部表現される(図24)。
【0015】〈縦位相表現を用いた文字の大分類〉 OCR等においては、入力された文字画像を大分類し、
大分類されたグループを詳細認識する手法を用いること
があるが、本発明では、上述した縦位相表現のトポロジ
ーコードの組み合わせによって文字を大分類している。
すなわち、図25には、10種類のトポロジーコード
(ただし、その他のコード*を含む)を示す。例えば、
数字「8」については、縦位相表現のトポロジーコード
は、上位の位相変化ペアから順に、d,A,V,A,
V,pとなり(図26)、数字「2」については、d,
A,pI,pとなる(図27)。
【0016】図28は、トポロジーコードを生成するフ
ローチャートである。このフローチャートにおいて、位
相変化ペアの左端の白領域(ステップ281)から順
に、黒領域(ステップ283)、白領域(ステップ28
4)へとコードが付けられる。ここで、白領域、黒領域
とは、図29の位相変化ペアの例では、ただ一つの白領
域からなり(トポロジーコードはd)、図30の位相変
化ペアの例では、白−白スタンプ301、黒−黒スタン
プ302、または、黒−黒スタンプ303、白−白スタ
ンプ304となっている部分で、グラフを分け、左端か
ら交互に白領域、黒領域といい、図30の例では、2つ
の白領域と、1つの黒領域からなっている。 図31
は、白領域についてトポロジーコードを生成するステッ
プ281、284の詳細な処理フローチャートである。
図32は、任意の与えられた白領域320であるとす
る。この白領域320において、u(321)を上部左
端のスタンプとし、d(322)を下部左端のスタンプ
とする(ステップ311)。d(322)を開始スタン
プとして、d(322)のnext(323)が存在
し、かつdのnext(323)のブランチ数が0で、
かつdのnextのnext(324)の左端がu(3
21)である条件を満たすので(ステップ316)、白
スタンプ322、321、324でなる白領域には、ト
ポロジーコードdが付与され(ステップ317)、d側
における次の処理開始スタンプは、白スタンプ324と
なる(ステップ318)。
【0017】次いで、処理がu(321)に移り、u
(321)のnext(325)が存在し、かつuのn
ext(325)のブランチ数が0で、かつuのnex
tのnext(326)の左端がd(324)である条
件を満たすので(ステップ312)、白スタンプ32
1、324、326でなる白領域には、トポロジーコー
ドpが付与され(ステップ313)、u側における次の
処理開始スタンプは、白スタンプ326となる(ステッ
プ314)。以上の処理が各スタンプについて行われ、
図32の白領域には、コードdpddpが付与される。
【0018】図33は、黒領域についてトポロジーコー
ドを生成するステップ283の詳細な処理フローチャー
トである。黒領域が黒スタンプ同志の結合であれば(ス
テップ331)、ステップ334でトポロジーコードと
してIを出力する。黒領域が黒スタンプ同志の結合でな
ければ、ステップ332において、黒スタンプに対し
て、前述した白領域についての手順と全く同様の手順で
トポロジーコードを生成する。ただし、黒領域について
は、pの代わりにqを出力し、dの代わりにbを出力す
る。そして、ステップ333で、表中の左欄のコードが
出力されたら、それに対応する右欄のトポロジーコード
を生成出力する。
【0019】このように、一つの位相変化ペア内の白領
域および黒領域毎に、文字d,p,I,b,qからなる
コードが生成され、図71に示すようにトポロジーコー
ドに変換される。本実施例では、トポロジーコードに変
換される前のコードをbqコードと呼ぶ。前述したよう
に、「その他」のコードは、トポロジーコード“*”に
変換されるが、該コードからは接続情報が得られず、つ
まり例えば、bbbとqqqを区別することができない
という欠点がある。
【0020】そこで、本実施例では、「その他」の場合
についてはbqコードで表現することにより、上記欠点
を解消している。しかし、「その他」の代わりにbqコ
ードを用いても、図72の縦位相表現の場合は、“bb
bqqq”となり、本来、コード“bbbqqq”によ
って表される図73の縦位相表現と区別できない。本実
施例ではこの点を考慮して、bqコードを生成する際
に、「2つの白スタンプからなる白領域」を表すトポロ
ジーコード“i”を導入している。
【0021】図74は、トポロジーコードを生成し、削
除可能なトポロジーコード“i”を削除するフローチャ
ートである。図74のステップA,Bの詳細を図75に
示す。図75は、「2つの白スタンプからなる白領域」
についてトポロジーコード“i”を出力するフローチャ
ートである。従って、図72の縦位相表現の場合には、
コード“bbbiqqq”が生成され、図73の縦位相
表現の場合は、コード“bbbqqq”が生成される。
【0022】さて、上述したトポロジーコードを用い
て、手書き数字を大分類した結果、図34に示す数字
1,2,3,5に同一のトポロジーコードd,A,p
I,pが付与されたとする。文字認識部5において、こ
れらの数字から例えば数字「2」を認識するには、図3
4の参照番号341で指示される輪郭の特徴を調べれば
良い。そこで、文字認識部5では、縦位相表現データ生
成部3で生成された縦位相表現上で、数字「2」の輪郭
部(341)を作る位相変化ペアを求める(図35の
b,c,d)。
【0023】位相変化ペアXの行番号をL(X)とし、
ランレングスデータ生成部2のランレングスデータのフ
ォーマットが図36に示すようになっていたとすると、
輪郭部を作る位相変化ペアで参照される列番号のランデ
ータを読みだして(例えば、L(a)〜L(b)−1行
目で、2番目の列番号が参照され、L(b)〜L(c)
−1行目で、4番目の列番号が参照され、L(c)〜L
(d)−1行目で、2番目の列番号が参照される)、該
ランデータの構造を調べることによって、数字「2」が
認識されることになる。
【0024】このように、本発明の縦位相表現は、ラン
レングスデータと整合性が良く、認識時における輪郭の
インデックスとして用いることができる。
【0025】また、図形の位相的情報が保持されている
縦位相表現によって文字を大分類し、しかる後、輪郭情
報等を用いて文字を認識しているので、手書き文字等の
認識精度を向上させることができる。
【0026】〈つの削り処理〉 本発明のつの削り処理とは、内部表現データから高さm
ドット以下の白または黒の連結成分を削除するドロップ
削りと、内部表現データから高さnドット以下の黒及び
白領域がなす山と谷の組み合わせを埋めるホーン削りの
両処理を行うことを云う。図37は、ドロップ削りの一
例を示す図で、座標値の差h1,h2が高さmドット以
下である白と黒の連結成分が削除されている。また、図
38は、ホーン削りの一例を示す図で、高さnドット以
下の山が削られた図である。このような、つの削り処理
は、雑音除去処理であり、また前述した縦位相表現を特
徴抽出と考えると、それに伴う一処理でもある。
【0027】図39は、本実施例のつの削り処理のフロ
ーチャートであり、ドロップ削りの高さの閾値mとホー
ン削りの高さの閾値nが等しい場合のフローチャートで
ある(m≠nの場合にも容易に変更できる)。初期化し
た後、処理開始の位相変化ペアをgとする(ステップ3
901,3902)。gからnext方向に見て、つの
削り処理の閾値m以内にある位相変化ペアで最も離れて
いる位相変化ペアをgeとし(gの次の位相変化ペアが
gとm以上離れている場合、ge=gとなる)、gから
何回nextポインタをたどればgeになるかを、リミ
ット(回)とする(ステップ3903)。gとリミット
を指定してドロップ削りとホーン削りを行い(ステップ
3905、3906)、gをnextポインタで指定さ
れた次のgにして(ステップ3907)、全ての位相変
化ペアについて調べる(ステップ3908)。図形が少
しでも削られたときは、以上の処理をもう一度繰り返す
(ステップ3909、3910、3911)。全ての位
相変化ペアについて、処理後も位相変化ペアであるか否
かを調べ、位相不変ペアに変化していた場合、そのペア
を縦位相表現から削除する(ステップ3912)。
【0028】つの削り処理は、図形の一部に選択的に行
われるが、つの削り処理を行った結果、つの削りが可能
な個所が新たに生じる可能性がある。つの削りが可能な
個所がなくなるまで、何回でもつの削り処理を行うとす
ると、この処理は有限回で終了することができる。実用
的には2回行うだけで十分であるので、上記フローチャ
ートは、つの削り処理を2回行う場合を示した。この
他、n回行う、つの削りが可能な個所がなくなるまで行
う、あるいは、n回の内に、つの削りが可能な個所がな
くなったらそこまで、そうでなければn回つの削り処理
を行う等の方法に変更することも可能である。
【0029】〈ドロップ削り〉 ドロップ削りの条件は、図40において、両端のスタ
ンプA,Bのブランチ数が0であること、スタンプ
A,Bの間に0個以上の位相変化ペアが介在していても
良いが、このペアは次の条件を満たしていなければなら
ない。すなわち、スタンプAのパートナーをスタンプC
とすると、スタンプCのブランチ数は1であり、かつス
タンプCの唯一のブランチであるスタンプDのブランチ
数は1であること、スタンプAからBまでたどる他のス
タンプ全てについても、同様の条件が満たされているこ
と。
【0030】図41は、gおよびリミットを指定して、
図40の如きパターンに対してドロップ削りを行う詳細
なフローチャートである。gは上下2行のランの接続状
態を表しているので、gの下の行の左端のスタンプをS
とする(ステップ4101)。左端と右端のスタンプは
背景を表し、ドロップ削りの対象ではないので、Sを左
から2番目のスタンプとする(ステップ4102)。S
のブランチ数が0で、Sのパートナーのスタンプ列がド
ロップ削りの条件を満足しているときは(ステップ41
03、4104)、対応するランレングスデータを削除
し(ステップ4105)、対応するスタンプを縦位相表
現から削除する(ステップ4106)。Sを更に隣のス
タンプにして(ステップ4107)、Sが背景を表す
(nil)右端のスタンプになるまで、上記処理を繰り
返す(ステップ4108)。
【0031】上記したドロップ削りは、高さがm以下で
あれば、図40の他に、h<mである図42に示す如き
パターンをドロップ削りの対象とすることも可能であ
る。
【0032】〈ホーン削り〉 後述するコーン条件を満たすスタンプの集合を、スタン
プAを頂点とするコーンと呼び、図43は、高さ3、タ
イプ1のコーンを示し、図44は、高さ2、タイプ2の
コーンを示す。コーン条件とは、スタンプAのブラン
チ数が0であり、スタンプAを含む位相変化ペアと後
述する「台」との間には、0個以上の位相変化ペアが介
在しても良い。ただし、これら介在する位相変化ペア
は、前述したドロップ削り条件における間に挾まれた位
相変化ペアと同様の条件を満たしていること。
【0033】ここで、「台」とは、スタンプAから上記
間にはさまる条件を満たしスタンプを辿ったとき、初め
てその条件が満たされない位相変化ペアであって、か
つ、頂点を含む位相変化ペアからリミット以内にあり、
かつ後述するタイプ1またはタイプ2の条件を満たして
いる位相変化ペアである。
【0034】タイプ1の条件は、スタンプAから辿った
スタンプが最初にその位相変化ペアに入るスタンプ(図
43のスタンプB)のブランチ数は1であり、かつスタ
ンプBの唯一のブランチであるスタンプ(図43のスタ
ンプC)のブランチ数は2以上である。タイプ2の条件
は、スタンプAから辿ったスタンプが最初にその位相変
化ペアに入るスタンプ(図44のスタンプD)のブラン
チ数が2以上である。また、コーンの高さとは、頂点を
含む位相変化ペアと台との間の位相変化ペアの数をnと
したとき、n+1をコーンの高さという。
【0035】ホーン条件とは、次のを満たし、を満
たさない。すなわち、上下逆向きの一対のコーンが同
じ高さを持ち、隣合い、かつ互いの頂点が相互の台に含
まれていること。この条件を満たす一対のコーンを図4
5に示す。図45の原画像は、図46または図47の形
状をしている。コーンの高さが1で、かつ2つの位相
変化ペアの行番号の差が1で、かつ2つのコーンが何れ
もタイプ2の台を持つとき。図48は、この条件を満
たす2つの位相変化ペアの一例であり、図49は、その
原画像である。図48(図49)をホーン削りの対象と
しない理由は、図49において、点線から上の部分49
1を削ると、図50に示す形状になり、これは明らかに
図形の位相的性質を変化させてしまうので、条件を満
たすものはホーン削りの対象としない。
【0036】図51は、gおよびリミットを指定して、
図45の如きパターンに対してホーン削りを行うフロー
チャートである。gの下の行の左端のスタンプをSとす
る(ステップ5101)。Sを左から2番目のスタンプ
とする(ステップ5102)。Sのブランチ数が0で、
Sのパートナーのスタンプ列がコーン条件を満足してい
るときは(ステップ5103、5104)、Sの左隣は
コーンで、かつ全体でホーン条件を満たしているとき
は、タイプSのホーン削りを行い(ステップ5105、
5106)、Sの右隣はコーンで、かつ全体でホーン条
件を満たしているときは、タイプNのホーン削りを行う
(ステップ5109、5110)。Sを更に隣のスタン
プにして(ステップ5107)、Sが背景を表す(ni
l)右端のスタンプになるまで、上記処理を繰り返す
(ステップ5108)。
【0037】図52は、タイプS(谷が左で山が右の画
像)またはタイプN(山が左で谷が右である図46また
は図47に示す画像)のホーン削りのフローチャートで
ある。この処理は、何れのタイプでも各コーンの頂点か
ら台方向に1行ずつ削っていく。以下の説明で、ホーン
を構成するコーンをそれぞれコーンA,Bという。図5
3は、ホーン削りの対象となる2つのコーンA,Bのグ
ラフ表現を示し、図57は、その原画像である。初期化
後(ステップ5201)、コーンA,Bの次に削るべき
ランについて、一方を削ることができないときは、他方
を削り、両方共に削ることができる場合は、ランの短い
コーンを選ぶ(ステップ5202)。すなわち、図57
において、ラン571の方がラン572より短いので、
ステップ5202では、ラン571を選択する。次い
で、ランレングスデータ上でそのラン571を削る(ス
テップ5203)。図58は、ラン571が削られた図
である。
【0038】上から削る部分と下から削る部分が衝突す
ると、ホーン削りが終了し、グラフ表現から対応するノ
ード(スタンプ)を削除する(ステップ5204、52
08)。削ったランが、グラフ表現で次のノード(スタ
ンプ)に到達したとき、グラフ表現から対応するノード
を削除する(ステップ5205、5206)。この時点
でのノ−ドが削除されたグラフ表現の図を図54、図5
5に示す。以上の処理を繰り返して、次々にホーンを削
り、図59、図60を経て、最終的には、図61に示す
ようにホーン削りが行われる。また、図61に対応する
グラフ表現を図56に示す。
【0039】図62、図63は、ホーン削りの他の例を
示す図である。なお、上述したつの削り処理は、nが2
ドット以下のときは、縦位相表現のみを用いて処理する
ことができる。ホーン削りの他の方法としては、図64
に示すように、面積A1とA2を比較して、何れか一方
を削る方法、また図65に示すように、高さが半分にな
る位置、面積が半分になる位置あるいはモーメントが等
しくなる位置等で削るようにしても良い。
【0040】また、縦位相表現とつの削り処理との関係
では、例えば、図66のようなノイズが入ったギザギザ
した画像に対しては、縦位相表現は強いが、図67のよ
うなノイズが入った同様なギザギザした画像に対して
は、縦位相表現は弱い。しかしながら、図67の画像に
対して、つの削り処理を施すことによって、より安定し
た縦位相表現が得られることになる。
【0041】図68から図70は、本実施例によるつの
削り処理の幾つかの例であり、左が原画像、右がつの削
り処理後の画像である。
【0042】
【発明の効果】以上、説明したように、発明によれ
ば、隣接する行のランレングスデータから位相変化ペア
を抽出して縦位相表現によって図形を表現しているの
で、図形の位相的情報が完全に保存されるとともに、小
容量の記憶容量で表現することができる。また、縦位相
表現に対して、つの削り処理ができるので、従来の画素
レベルの雑音除去に比べて計算量が著しく少なくなり、
また高速に雑音を除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のブロック構成図である。
【図2】本実施例の縦位相表現を生成するフローチャー
トである。
【図3】2値化された線図形を示す図である。
【図4】隣接する行のペアを調べる図である。
【図5】ランレングスデータの一例を示す図である。
【図6】隣接する行のデータを取りだした図である。
【図7】隣接する行の上下のランを順に配列した図であ
る。
【図8】他の例における隣接する行のデータを取りだし
た図である。
【図9】他の例における隣接する行の上下のランを順に
配列した図である。
【図10】図7から作成された第2の中間図である。
【図11】図9から作成された第2の中間図である。
【図12】位相不変ペアの一例を示す図である。
【図13】位相変化ペアの一例を示す図である。
【図14】位相変化ペアの他の例を示す図である。
【図15】位相変化ペアの更に他の例を示す図である。
【図16】4連結と8連結の例を示す図である。
【図17】数字0の縦位相表現を表す図である。
【図18】内部表現を表す図である。
【図19】位相変化ペアのデータ構造を示す図である。
【図20】スタンプのデータ構造を示す図である。
【図21】鎖で表現された縦位相表現を表す図である。
【図22】2値化された画像データである。
【図23】図22の画像データの縦位相表現図である。
【図24】図23を内部表現した図である。
【図25】縦位相表現のトポロジーコードを示す図であ
る。
【図26】数字8の縦位相表現とトポロジーコードを示
す図である。
【図27】数字2の縦位相表現とトポロジーコードを示
す図である。
【図28】トポロジーコードを生成するフローチャート
である。
【図29】トポロジーコードdの図である。
【図30】トポロジーコードp,Nの図である。
【図31】白領域についてトポロジーコードを生成する
フローチャートである。
【図32】白領域の一例を示す図である。
【図33】黒領域についてトポロジーコードを生成する
フローチャートである。
【図34】同一のトポロジーコードを有する数字を示す
図である。
【図35】数字2の位相変化ペアを示す図である。
【図36】ランレングスデータのフォーマットを示す図
である。
【図37】ドロップ削りの一例を示す図である。
【図38】ホーン削りの一例を示す図である。
【図39】本実施例のつの削り処理のフローチャートで
ある。
【図40】ドロップ削りの条件を説明する図である。
【図41】ドロップ削りのフローチャートである。
【図42】ドロップ削りの他のパターンを示す図であ
る。
【図43】タイプ1のコーンを示す図である。
【図44】タイプ2のコーンを示す図である。
【図45】一対のコーンを示す図である。
【図46】一対のコーンのSタイプの原画像である。
【図47】一対のコーンのNタイプの原画像である。
【図48】ホーン削りの対象としない2つの位相変化ぺ
アである。
【図49】図48の原画像である。
【図50】図形の位相的性質を変化させた図である。
【図51】ホーン削りのフローチャートである。
【図52】タイプSまたはタイプNのホーン削りのフロ
ーチャートである。
【図53】ホーン削りの対象となる2つのコーンのグラ
フ表現図である。
【図54】ノードが削除されたグラフ表現図である。
【図55】ノードが削除されたグラフ表現図である。
【図56】ホーン削りの最終的なグラフ表現図である。
【図57】図53の原画像である。
【図58】ランの一部が削られた図である。
【図59】ホーン削りの経過図である。
【図60】ホーン削りの経過図である。
【図61】ホーン削りが行われた図である。
【図62】ホーン削りの他の例を示す図である。
【図63】ホーン削りの更に他の例を示す図である。
【図64】ホーン削りの他の方法を示す図である。
【図65】ホーン削りの更に他の方法を示す図である。
【図66】ノイズの入った画像である。
【図67】ノイズの入った他の画像である。
【図68】本実施例による、つの削り処理前後の図であ
る。
【図69】本実施例による、つの削り処理前後の図であ
る。
【図70】本実施例による、つの削り処理前後の図であ
る。
【図71】bqコードをトポロジーコードに変換する図
である。
【図72】bqコードを用いても適切なコードが得られ
ない縦位相表現の例を示す図である。
【図73】コードbbbqqqによって表される縦位相
表現を示す図である。
【図74】トポロジーコードを生成し、削除可能なトポ
ロジーコードiを削除するフローチャートである。
【図75】トポロジーコードiを出力するフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 2値化処理部 2 ランレングスデータ生成部 3 縦位相表現データ生成部 4 つの削り処理部 5 文字認識部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2値化された文字画像データから行毎に
    黒ラン領域と白ラン領域とからなるランデータを生成
    し、隣接する第1の行内のランデータパターンと第2の
    行内のランデータパターンとを参照することにより、隣
    接する一対の行を、第1の行内の黒ラン領域数と第2の
    行内の黒ラン領域数が同じで、かつ、それぞれ対応する
    前記第1の行内の黒ラン領域と前記第2の行内の黒ラン
    領域が連結している状態にある同一パターンの一対の行
    と、該状態ではない異なるパターンの一対の行(以下、
    変化ペア)とに分類し、該変化ペアの連なりによって前
    記線図形を表わすとき、それぞれ異なる変化ペアに対し
    て所定のコードを割り当て、該コードの組み合わせによ
    って前記線図形を表現すると共に、前記連なりを保ちな
    がら前記線図形の所定部分のランデータを削除すること
    を特徴とする線図形の表現方法。
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JPS5811663B2 (ja) * 1977-05-24 1983-03-04 シャープ株式会社 文字図形認識方式
JPS5811662B2 (ja) * 1977-05-23 1983-03-04 シャープ株式会社 文字図形認識方式
JPS63133765A (ja) * 1986-11-25 1988-06-06 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> パタ−ン検出処理方式

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