JP2759844B2 - 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板 - Google Patents
腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板Info
- Publication number
- JP2759844B2 JP2759844B2 JP2293768A JP29376890A JP2759844B2 JP 2759844 B2 JP2759844 B2 JP 2759844B2 JP 2293768 A JP2293768 A JP 2293768A JP 29376890 A JP29376890 A JP 29376890A JP 2759844 B2 JP2759844 B2 JP 2759844B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- steel
- corrosion rate
- automobiles
- steel sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
形性を有する冷延鋼板に係わる。
需要家の寿命に対する要求も強くなっている。一方、腐
食環境は冬季の融雪のための塩化マグネシウム使用等一
段と厳しくなっている。通常は十分な塗装を行なってい
るがこの塗装がこれら塩による破砕作用のため壊れ、そ
の後腐食は鋼自体を侵して進行する。そのため鋼板に穴
があくまでの全腐食寿命には母材の耐食性が重要になっ
てくる。もちろん鋼板に十分な塗装性がそなわっていな
いと塗装による耐食性が劣化し全腐食寿命は大きく劣化
する。
形加工を受けて製品となる。そのため成形加工性は自動
車用冷延鋼板には当然そなわっていなければならない。
特に本冷延鋼板が目指すのはフェンダーやサイドパネル
等の複雑な成形加工を受けるパネルではこれは必須であ
る。
術がある。以下、それを挙げるとともにこれら先行技術
が本発明が目的とする技術といかに相違するか述べる。
Pを拡散し、拡散層上に非鉄金属を被覆する方法であっ
て、この方法は特別な拡散処理が必要であり、さらに鋼
板表面がPの拡散層のため硬質となり成形性が減ぜられ
る。したがって高度な成形を受けるパネル等の自動車用
には向かない。
物と高Pにより耐食性をもたそうとするものである。こ
の鋼板は高Pのため硬質となり成形性が確保できない。
さらに、高Sは介在物の増加をもたらし、そのため鋼の
熱間脆性を誘起しさらに製品の成形性も劣化させる。こ
の点からやはり自動車のような高度の成形用途には向か
ないのは当然である。
する熱延鋼板であり、本発明のパネルを中心とした冷延
鋼板とは異なる。Crを多量に使っているが本発明のよう
なパネルでは硬質になりプレス成形性が劣化する上、パ
ネルでは化成処理後塗装して使われるのでこれら化成処
理性においておそらく不適である。
加している。Niは高価で経済性に問題がある。その上、
Ti,Nbを添加していないので主要な成形性の指標である
値が低くなり、やはり、プレス成形性に問題が残る。
Pも高すぎて硬質となり、これまた低成形性とする。こ
れらいずれの先行技術に於いても問題がある。
い母材腐食速度を両立させることである。しかも塗装性
や溶接性は従来材に遜色ないレベルを維持する。ここで
低い母材腐食速度とは、鋼板の穴あきまでの時間を問題
にしており、課題は腐食速度を減じることである。そし
て前者の成形性の指標は値と伸びである。その目標値
としては≧1.8,El≧48%(t=0.8mm相当:Elは板厚に
依存する)であり、このレベルがあるとフェンダー等に
代表される複雑な形状のパネルにも成形可能である。
0.003%以下、N:0.0025%以下、Si:0.02%以下、Mn:0.0
3〜0.15%、P:0.018〜0.060%、S:0.005%以下、Al:0.0
05〜0.035%、Nb:0.005〜0.025%、Ti:0.02%以下を含
有し、さらに、Cu:0.05〜0.35%および/または、B:0.0
001〜0.0010%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる、腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動
車用冷延鋼板。
下、Mn:0.03〜0.15%、P:0.018〜0.060%、S:0.005%以
下、Al:0.005〜0.035%、Nb:0.005〜0.025%、Ti:0.02
%以下、Cu:0.05〜0.35%、B:0.0001〜0.0010%、Ni:0.
03〜0.25%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物から
なる、腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用
冷延鋼板。
Mnをこれまた極限まで減少させた高純鋼をベースとし、
成形性のために腐食速度を阻害しない範囲で微量のTiと
Nbを添加する。前者は有害なNを熱延以前にTiNとして
固定するため用いる。後者はNbCとして熱延中に作用さ
せ、熱延板を細粒にし、続いて焼鈍では有害なため熱延
巻取段階で粗大化させ個数を減じる。炭化物はこのよう
に有用に利用した後、無害化する。
いて述べる。
鈍時に値好ましい方位の発達を妨げる。また、製品板
に残留するとひずみ時効により鋼の延性を劣化させる。
さらに、本法では低腐食速度とするためPを微量添加す
るがそのための硬質化を補う必要がある。このため本法
ではC,Nは極力減少させる。それぞれ0.0030%,0.0025%
を上限とする。
成処理性、塗装性を劣化させる。そのため不純物レベル
である0.02%以下とする。
のMnSは腐食の核となり促進させる。また、Mnは固溶体
強化により鋼を硬質にし延性を害する上に、値にも悪
影響を与える。そのため極力低減させ0.15%以下とす
る。そしてSは0.005%以下、好ましくは0.002%以下の
高純レベルにする。Mnの下限は大量に製造する転炉溶製
の現状およびFeS脆性を防止する点を考慮して0.03%と
した。
せる。しかしながら、錆を硬質にし成形性に悪影響を与
える。そのため0.045%以下の添加とする。下限は、腐
食速度低減の観点から上記MnS低下効果を合わせても0.0
18%は必要である。好ましくは0.030%必要である。
ると介在物が増加し鋼の延性・成形性を劣化させる。そ
のため添加量は0.005〜0.035%とする。
もに有害なCを固定する役割をになう。しかし多すぎる
と微細析出物として作用し値を劣化させるとともに鋼
を硬質化する。そのため添加量は、0.005〜0.025%とす
る。
する。そのため0.02%以下添加する。好ましくはTi/Nで
2〜5である。これ以上の添加はTiCを形成し成形性を
少し悪くする。また、固溶Tiも多くなり耐食性や化成処
理性を劣化させる。
%添加する。0.05%未満では添加効果はなく、0.35%を
越える添加はCuの固溶体強化あるいはε−Cuの析出によ
り鋼を硬質化して成形性を減じる。
が生じる場合があり、その場合Niを0.03〜0.25%添加す
ることが好ましい。下限値未満では割れ防止効果がな
く、上限値付近で効果は飽和する。また、さらに、この
鋼を厳しく成形する場合などに二次加工脆性、あるいは
縦割れと呼ばれる成形欠陥を呈することがある。これは
本鋼のような高純鋼では粒界にも固溶炭素等粒界強化元
素がなくなり、粒界強度が低下するため生じるもので、
これを補うためにはBを0.0001〜0.0010%添加する。下
限値未満ではその効果がなく、0.0010%を越えると値
と延性が大幅に劣化する。
ガスにより脱炭される。そして造塊・分塊または連続鋳
造にてスラブとした後熱延される。熱延条件は加熱:105
0〜1250℃、圧延終了温度:880〜950℃、巻取温度:600〜
780℃程度であるが、より一層成形性を高めるには加熱
温度≦1120℃、巻取温度≧690℃とすることが望まし
い。
〜85%であるが、本発明鋼では78%以上の高冷延率とす
ることが成形性確保の点で好ましい。焼鈍は箱焼鈍また
は連続焼鈍にて行なわれる。箱焼鈍では650〜750℃,5〜
20h程度の条件が普通であるが、成形性をさらに上げる
という意味からは700℃以上の高温、10h以上の長時間が
好ましい。また、連続焼鈍では720〜870℃,0.5〜3minが
通常の条件であるがこれまた、830℃以上、1.5min以上
の条件が好ましい。本発明鋼においては最終大きな結晶
粒を得て値、伸び等の成形性を付与させるが、この意
味からはより高温焼鈍の可能な連続焼鈍法にて焼鈍する
方が好ましい。焼鈍後、調質圧延を行なうが本鋼におい
ては調質圧延率は、0.5%以下の最小値にとどめること
が、材質確保の点で好ましい。
炉で精錬した後、RH脱ガスにて脱炭を行なった。
である。鋼符号Bの鋼はMnおよびSが高い。同じくCの
鋼はPが低い。鋼符号FおよびGの鋼ではPが高く、さ
らにGの鋼ではTiも高い。鋼HではC,Mn,S,Cuが高く、
Pが低い。鋼IおよびJではTiSが生成するようにMn+S
/Ti量を制御している。鋼KではSi,Cr添加を、鋼Lでは
Si,P添加および高Mn,Sとしている。さらに、鋼Mおよび
Nは通常の極低炭素鋼および低炭素鋼で、本発明の目指
している成形性レベルは鋼Mに匹敵するレベルである。
べた。機械試験はJIS5号試験片を用いて実施した。結果
を第2表に示す。
トするためりん酸亜鉛による、ボンデ処理を施した後電
着塗装を行いその後中塗り、上塗りした。そしてクロス
カットを入れて腐食試験を行なった。腐食試験はCCT(c
yclic corrosion test)にて行なった。これは以下に示
すサイクルからなる。(SST:塩水噴霧試験) SST→乾燥→ 湿潤 相対湿度:40% 相対湿度:98% 35℃ 60℃ 50℃ 4h 2h 2h この試験で1500h後の状態を調べた。指標としてはCCT
後、錆層を除去し板厚を測定した。板厚減少の大きい方
から10点とりその平均の板厚でもって残存板厚とした。
試験は繰り返し数3で実施した。それぞれの値を同じく
第2表に示す。また、残存板厚を第1図に図示した。
ね20%以内である。また、加工性も良好で値≧2.0,El
≧49%のレベルを確保している。これに対し、これ以外
の鋼では腐食減量が大きいかあるいはまた低加工性であ
り、本発明の目的を満たしていない。なお、本実施例で
は本発明にしたがった鋼の塗装性(りん酸亜鉛被膜の付
着状態および塗料密着性)は何等問題なく良好であっ
た。
しかも加工性に優れ、かつ塗装性も良好であることから
複雑な成形加工を受ける自動車用パネル等に最適な製品
を提供することが出来る。
Claims (2)
- 【請求項1】質量割合(以下、鋼成分に関しては同じ)
で、C:0.003%以下、N:0.0025%以下、Si:0.02%以下、
Mn:0.03〜0.15%、P:0.018〜0.060%、S:0.005%以下、
Al:0.005〜0.035%、Nb:0.005〜0.025%、Ti:0.02%以
下を含有し、さらに、Cu:0.05〜0.35%および/また
は、B:0.0001〜0.0010%を含有し、残部Feおよび不可避
的不純物からなる、腐食速度の低く、かつ高成形性を有
する自動車用冷延鋼板。 - 【請求項2】C:0.003%以下、N:0.0025%以下、Si:0.02
%以下、Mn:0.03〜0.15%、P:0.018〜0.060%、S:0.005
%以下、Al:0.005〜0.035%、Nb:0.005〜0.025%、Ti:
0.02%以下、Cu:0.05〜0.35%、B:0.0001〜0.0010%、N
i:0.03〜0.25%を含有し、残部Feおよび不可避的不純物
からなる、腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動
車用冷延鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2293768A JP2759844B2 (ja) | 1990-11-01 | 1990-11-01 | 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2293768A JP2759844B2 (ja) | 1990-11-01 | 1990-11-01 | 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04168246A JPH04168246A (ja) | 1992-06-16 |
JP2759844B2 true JP2759844B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=17798961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2293768A Expired - Lifetime JP2759844B2 (ja) | 1990-11-01 | 1990-11-01 | 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2759844B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2579705B2 (ja) * | 1991-09-09 | 1997-02-12 | 新日本製鐵株式会社 | 成形性に優れた亜鉛系めっき鋼板 |
US5500290A (en) * | 1993-06-29 | 1996-03-19 | Nkk Corporation | Surface treated steel sheet |
TW275649B (ja) * | 1993-11-22 | 1996-05-11 | Nippon Steel Corp |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58110659A (ja) * | 1981-12-25 | 1983-07-01 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 深絞り用亜鉛めつき鋼板およびその製造方法 |
JPS61291924A (ja) * | 1985-06-17 | 1986-12-22 | Nippon Steel Corp | 加工性の優れたプレス成形用鋼板の製造方法 |
-
1990
- 1990-11-01 JP JP2293768A patent/JP2759844B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04168246A (ja) | 1992-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7959747B2 (en) | Method of making cold rolled dual phase steel sheet | |
EP0608430A1 (en) | Cold-rolled steel plate having excellent baking hardenability, non-cold-ageing characteristics and moldability, and molten zinc-plated cold-rolled steel plate and method of manufacturing the same | |
US20080251168A1 (en) | Bake-Hardenable Cold Rolled Steel Sheet With Superior Strength and Aging Resistance, Gal-Vannealed Steel Sheet Using the Cold Rolled Steel Sheet and Method For Manufacturing the Cold Rolled Steel Sheet | |
KR20010023573A (ko) | 고강도 박강판, 고강도 합금화 용융아연도금 강판 및이들의 제조방법 | |
US7608156B2 (en) | High strength cold rolled steel sheet and method for manufacturing the same | |
EP3040427B1 (en) | High-strength hot-rolled plated steel sheet and method for manufacturing same | |
JP5031751B2 (ja) | 焼付硬化性に優れた高強度冷間圧延鋼板、溶融メッキ鋼板及び冷間圧延鋼板の製造方法 | |
JPH06145891A (ja) | 延性と耐遅れ破壊特性に優れた高強度冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2759844B2 (ja) | 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用冷延鋼板 | |
WO2022080497A1 (ja) | 鋼板およびその製造方法 | |
JPH06116650A (ja) | 焼付硬化性と非時効性とに優れた冷延鋼板あるいは溶融亜鉛メッキ冷延鋼板の製造方法 | |
JP3464611B2 (ja) | 成形性と耐食性に優れた高強度溶融亜鉛メッキ熱延鋼板及びその製造方法 | |
JP3266328B2 (ja) | 化成処理性ならびに成形性に優れる高張力冷延鋼板及びその製造方法 | |
JPH06306531A (ja) | 焼付硬化性に優れた加工用冷延鋼板及び表面処理鋼板 | |
JPH0559491A (ja) | プレス加工用の高張力薄鋼板とその製造法 | |
JPH06116648A (ja) | 焼付硬化性と非時効性とに優れた冷延鋼板あるいは溶融亜鉛メッキ冷延鋼板の製造方法 | |
JPH06122939A (ja) | 焼付硬化性と成形性とに優れた冷延鋼板あるいは溶融亜鉛メッキ冷延鋼板およびそれらの製造方法 | |
JP2969382B2 (ja) | 腐食速度の低く、かつ高成形性を有する自動車用合金化溶融亜鉛めっき鋼板 | |
JPH08104945A (ja) | 耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板及びその製造方法 | |
JP2689684B2 (ja) | 焼付硬化性を有する深絞り用高強度冷延鋼板の製造方法 | |
JP3309859B2 (ja) | 焼付硬化性および耐食性に優れた深絞り用冷延鋼板の製造方法 | |
JP3291639B2 (ja) | 加工性の均一性に優れた冷延鋼板およびその製造方法 | |
JP2579705B2 (ja) | 成形性に優れた亜鉛系めっき鋼板 | |
JP3371746B2 (ja) | 自動車車体強度部材用高成形性高張力冷延鋼板およびその製造方法 | |
JPH05255807A (ja) | 成形性に優れた高強度冷延鋼板と溶融亜鉛メッキ高強度冷延鋼板およびそれらの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080320 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320 Year of fee payment: 13 |