JP2758810B2 - 形状測定方法 - Google Patents

形状測定方法

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JP2758810B2
JP2758810B2 JP5215998A JP21599893A JP2758810B2 JP 2758810 B2 JP2758810 B2 JP 2758810B2 JP 5215998 A JP5215998 A JP 5215998A JP 21599893 A JP21599893 A JP 21599893A JP 2758810 B2 JP2758810 B2 JP 2758810B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、検出器と被測定物とを
相対移動させる移動機構を備えた形状測定機による形状
測定方法に関する。詳しくは、非接触式検出器や接触式
検出器などの検出器と被測定物とを相対移動させながら
被測定物の輪郭形状などを非接触または接触状態で測定
する形状測定方法に関する。
【0002】
【背景技術】従来、被測定物の輪郭形状などを測定する
形状測定機として、図13に示す構造が知られている。
同図において、ベース1上にはコラム2が立設されてい
る。コラム2には図示しない送りねじ軸を介して昇降部
材3が上下方向(Z軸方向)へ昇降自在に設けられ、こ
の昇降部材3には揺動部材4がコラム2の軸線に対して
直交する軸(紙面に対して直交する軸)を中心として角
度(θ)調整可能に取り付けられている。揺動部材4に
は、モータ5Aまたは操作ハンドル5Bによつて回転さ
れる送りねじ軸6が設けられている。
【0003】送りねじ軸6には、ナットなどの連結部材
7を介して筐体8が左右方向(X軸方向)へ移動自在に
吊り下げ支持されている。筐体8には、先端にスタイラ
ス9を有する測定アーム10が上下方向へ揺動自在に支
持されているとともに、その測定アーム10の揺動量を
電気的に検出する差動トランスなどの変位検出センサ
(図示省略)が設けられている。なお、2Aは昇降部材
3を上下方向(Z軸方向)へ昇降させる操作ハンドルで
ある。
【0004】従って、測定に当たっては、まず、ベース
1上に被測定物Wを載置するとともに、その被測定物W
の測定開始点にスタイラス9を位置させる。ここで、モ
ータ5Aを駆動させると、送りねじ軸6の回転に伴って
筐体8がX軸方向へ移動される。筐体8がX軸方向へ移
動すると、スタイラス9が被測定物Wの表面輪郭形状の
凹凸に応じて上下に変位するので、測定アーム10が揺
動される。その結果、その測定アーム10の揺動量が図
示しない変位検出センサによって検出されるから、その
揺動量から被測定物Wの輪郭形状などを測定することが
できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の形状
測定機は、上述したように、ベース1およびコラム2な
どで構成される直交座標系を測定用データムとするもの
であるため、この直交座標系における測定機の機械的精
度が測定精度を決定する。つまり、ベース1の平面度、
測定アーム10や変位検出センサを含む筺体8のX軸方
向の走りの真直度、ベース1に対するコラム2の直角度
などが測定精度を決定する。従って、高精度化のために
は、高度の機械加工および調整を要することから高価に
ならざるを得ない上、経年変化に対する調整にも手間と
時間がかかる。
【0006】また、測定機の機械的精度のほかに、触針
式の場合、触針先端の径、いわゆる、触針半径も大きな
誤差要因となり、触針のR補正手段を不可欠とする。こ
れは、触針先端部の被測定物との接触位置が変化する
と、Z軸方向の変位信号が変化するとともに、X軸方向
の検出位置が変化することに起因する。特に、高分解能
が要求された場合に大きな問題として残ることになり、
高精度化の限界を決定することになる。
【0007】また、上述したX軸とZ軸とにより構成さ
れる直交座標系の第1象限内での測定では、X軸方向の
測定可能長を大きくすることは可能であるが、Z軸方向
の検出可能範囲を大きくすることは難しい。そのため、
測定対象形状としては主に略平面状に限られ、直角形
状、円形状、楕円形状、あるいは、これらの複合された
形状を有する被測定物の輪郭形状測定には制限があっ
た。
【0008】敢えて、これらの輪郭形状測定を行う場合
には、一般に、被測定物を傾斜させて測定する方法が採
られるが、検出器の検出可能範囲に限定されるため、X
軸方向に対する測定可能長に比べ非常に小さいものにな
らざるを得ず、従って、ごく一部の小さな測定範囲のみ
を対象とするものになっていた。
【0009】他の方法に、真円度測定時に使用されるよ
うに、被測定物を回転させて形状を測定するものがあ
る。この場合、被測定物の中心と回転機構の中心とを厳
密に一致させる必要が生じる。この作業は手間のかかる
面倒なもので、作業者の慣れとともに時間を要する。こ
の場合も、被測定物を傾斜させる方法と同じく回転中心
軸方向の検出可能範囲に限定されることは当然であり、
狭い測定範囲内での形状測定以外には利用できない。つ
まり、被測定物全体の輪郭形状測定を必要としても不可
能であった。
【0010】ここに、本発明の目的は、このような従来
の問題を全て解消し、高度な機械加工および調整を必要
とすることなく、高精度な形状測定を行うことができる
とともに、従来において測定不可能であった形状の測定
も可能な形状測定方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、本発明の形状
測定方法は、検出器と被測定物とを三次元方向へ相対移
動させる移動機構を備えた形状測定機による形状測定方
法であって、形状が高精度に把握されている基準体を前
記移動機構によって形成される測定空間内にセットし、
その基準体と前記検出器とを相対移動させながら基準体
の形状または位置を測定し、この測定データから得られ
る検出器と基準体との相対的位置関係から空間座標を設
定し、その空間座標と機械座標との差を補正データとし
て記憶する補正データ作成工程と、前記移動機構によっ
て形成される測定空間内に被測定物をセットし、その被
測定物と検出器とを前記空間座標に基づく相対移動軌跡
に従って相対移動させながら前記検出器と被測定物との
間の変位量を測定し、この測定データを基に生成した被
測定物の測定形状に応じた形状の相対移動軌跡を前記補
正データで補正して測定用データムとして測定空間内に
仮想設定する測定用データム設定工程と、この測定用デ
ータム設定工程によって設定された測定用データムに従
って前記検出器と被測定物とを相対移動させながら前記
検出器と被測定物との間の変位量を測定する測定工程
と、前記測定空間内に設定された測定用データムに対す
る前記測定工程で得られた測定データから被測定物の形
状を演算する形状演算工程と、を備えることを特徴とす
る。
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】測定にあたっては、まず、移動機構によって形
成される測定空間内にセットされた被測定物の測定形状
に応じた形状の測定用データムを測定空間内に仮想設定
する(測定用データム設定工程)。これには、予め形状
が高精度に把握されている基準体を移動機構によって形
成される測定空間内にセットし、その基準体と検出器と
を相対移動させながら基準体の形状または位置を測定
し、この測定データから得られる検出器と基準体との相
対位置関係から空間座標を設定し、その空間座標と機械
座標との差を補正データとして記憶しておく。次に、移
動機構によって形成される測定空間内に被測定物をセッ
トし、その被測定物と検出器とを前記空間座標に基づく
相対移動軌跡に従って相対移動させながら前記検出器と
被測定物との間の変位量を測定し、この測定データを基
に生成した被測定物の測定形状に応じた形状の相対移動
軌跡を前記補正データで補正して測定用データムとして
測定空間内に仮想設定する。このとき、測定用データム
の形状は、被測定物の測定形状そのものでなく、検出器
の検出可能範囲に被測定物の測定形状が入る形状であれ
ばよい。の後、その測定用データムに従って検出器と
被測定物とを相対移動させながら検出器と被測定物との
間の変位量を測定する(測定工程)。すると、測定工程
で得られた測定データを基に被測定物の形状が演算され
る(形状演算工程)。
【0015】従って、測定空間内に仮想設定した測定用
データムであるから、補正データを用いて測定用データ
ムを簡易に補正することができる。つまり、予め形状が
高精度に把握されている基準体と検出器とを相対移動さ
せながら基準体の形状または位置を測定し、この測定デ
ータから得られる検出器と基準体との相対位置関係から
空間座標を設定し、その空間座標と機械座標との差を補
正データとして記憶してお、この補正データを用いて
測定用データムを簡易に補正することができる。そのた
め、従来のような高度な機械加工および調整を必要とす
ることなく、機械系の繰り返し精度のみの確保でもっ
て、高精度な形状測定を行うことができる。また、測定
空間内に設定した測定用データムであるから、任意の形
状を測定用データムとして用いることができるため、従
来において測定不可能であった形状の測定も可能であ
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明の形状測定方法を適用した実施
例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本実施例の形状測定システムを示している。同形
状測定システムは、被測定物をセットし測定を行うため
の測定機本体Aと、この測定機本体Aの動作を制御しつ
つ測定データを取り込む演算制御装置Bと、この演算制
御装置Bからの測定データを解析しその結果などを表示
するデータ解析処理装置(ホストコンピュータ)Cとか
ら構成されている。なお、Dは作業テーブルである。
【0017】前記測定機本体Aは、図2および図3に示
す如く、ベース11と、このベース11上にX軸駆動系
12を介してX軸方向へ移動自在に設けられたX軸テー
ブル13と、このX軸テーブル13上にY軸駆動系14
を介してY軸方向へ移動自在に設けられたY軸テーブル
15と、前記ベース11上の後部位置に立設されたコラ
ム16と、このコラム16にZ軸駆動系17を介してZ
軸方向へ昇降自在に設けられたZ軸スライダ18と、こ
のZ軸スライダ18に旋回駆動系19を介して前記Y軸
と平行な軸を中心として旋回自在に設けられた旋回テー
ブル20と、この旋回テーブル20の正面に固定された
所定の検出可能範囲を有する非接触検出器21とから構
成されている。ここでは、上記テーブル13,15,2
0、Z軸スライダ18およびこれらの駆動系12,1
4,17,19によって、非接触検出器21と被測定物
とを相対移動させる移動機構10が構成されている。
【0018】前記ベース11の前端縁には、複数のスイ
ッチ群22を有するスイッチパネル23が設けられてい
る。前記X軸駆動系12およびY軸駆動系14は、送り
ねじ軸24X,24Yとモータ25X,25Yとから構
成されているとともに、ベース11上に設けられたカバ
ー26内に収納されている。前記Z軸駆動系17は、前
記コラム16にZ軸方向と平行に支持された送りねじ軸
27と、この送りねじ軸27に減速器28やヘリカルギ
ヤ29,30などを介して連結されたモータ31と、前
記送りねじ軸27に螺合されかつ前記Z軸スライダ18
に固定されたナット32とから構成されている。前記旋
回駆動系19は、前記Z軸スライダ18に枠体33を介
してY軸と平行に設けられかつ前端部に前記旋回テーブ
ル20を有する旋回軸34と、この旋回軸34にヘリカ
ルギヤ35,36を介して連結されたモータ37とから
構成されている。
【0019】前記非接触検出器21は、例えば、特願平
3−292477号に示す構造である。つまり、レーザ
ビームを測定面に照射し、その測定面からの正反射光を
用いて、合焦点近傍における光軸上の光量変化を検出し
ながら、対物レンズを光軸方向に駆動制御し、合焦点状
態を基準にして対物レンズの移動量を検出することによ
り、測定面と検出器との間の距離の変化量、つまり、測
定面との凹凸の変化を測定するもので、その焦点位置が
前記旋回軸34の中心線上に位置されている。ちなみ
に、ここで用いるものは、作動距離10mm,測定最大
レンジ600μm,分解能0.2μm(最小レンジ6μ
m,分解能0.002μm)である。なお、38はバラ
ンスウェイトで、一端が前記コラム16上の滑車39を
介してZ軸スライダ18に連結されたワイヤ40の他端
に連結されている。また、41はZ軸スライダ18の昇
降範囲に亘ってコラム16の正面側を塞ぐ防塵用蛇腹、
42はカバーである。
【0020】図4は前記測定機本体Aおよび演算制御装
置Bを中心とした回路構成を示すブロック図である。同
演算制御装置Bは、CPU51、伝送部52、メモリ部
53、プリアンプ部59、データサンプリング部54、
スイッチ群コントロール部55、モータドライバ部5
6、カウンタ部57およびこれらを接続するバス58を
備える。前記CPU51は、前記メモリ部53に記憶さ
れた処理プログラムに従って処理を実行する。なお、こ
の処理については、作用の中で述べる。前記伝送部52
には、前記データ解析処理装置Cが接続されている。前
記メモリ部53には、前記処理プログラムを記憶するプ
ログラム格納エリアのほか、各種測定マップを記憶する
測定マップ格納エリア、生成される測定用データムのデ
ータを記憶するデータム格納エリア、入力される測定デ
ータを記憶するデータ格納エリアなどが設けられてい
る。
【0021】前記プリアンプ部59は、前記非接触検出
器21からの出力を前記データサンプリング部54と同
期して所定サンプリング間隔で取り込む。前記データサ
ンプリング部54は、プリアンプ49X,49Y,49
Z,49θからの出力を選択して所定のサンプリング間
隔で取り込む。前記スイッチ群コントロール部55は、
前記スイッチ群22の操作に基づくデータを取り込む。
前記モータドライバ部56には、前記各駆動系12,1
4,17,19を構成するモータ25X,25Y,3
1,37が接続されている。前記カウンタ部57には、
各駆動系12,14,17,19における変位量を検出
するエンコーダ45,46,47,48からの出力がそ
れぞれ前記プリアンプ49X,49Y,49Z,49θ
を介して入力されている。
【0022】前記X軸方向の変位量を検出するエンコー
ダ45は、前記X軸テーブル13にX軸方向に沿って設
けられたX軸スケールと、このX軸スケールに所定の隙
間を隔てて前記ベース11側に対向配置された検出器と
から構成されている。前記Y軸方向の変位量を検出する
エンコーダ46は、前記Y軸テーブル15にY軸方向に
沿って設けられたY軸スケールと、このY軸スケールに
所定の隙間を隔てて前記X軸テーブル13上に固定され
た検出器とから構成されている。前記Z軸方向の変位量
を検出するエンコーダ47は、前記コラム16にZ軸方
向に沿って設けられたZ軸スケールと、このZ軸スケー
ルに所定の隙間を隔てて前記Z軸スライダ18に対向配
置された検出器とから構成されている。前記非接触検出
器21の角度θを検出するエンコーダ48は、前記旋回
軸34に固定されたロータリ円盤と、このロータリ円盤
に所定の隙間を隔てて前記枠体33に対向配置された検
出器とから構成されている。
【0023】次に、本実施例の作用を図5〜図11を参
照しながら説明する。例えば、工場からの出荷時に、形
状が高精度に把握されている基準体、ここでは基準片を
移動機構10によって形成される測定空間内にセット
し、その基準片と非接触検出器21とを相対移動させな
がら基準片の形状または位置を測定し、この測定データ
から得られる非接触検出器21と基準片との相対的位置
関係から空間座標を設定し、その空間座標と機械座標と
の差を補正データとしてメモリ部53に書き込んでお
く。
【0024】これには、図5のフローチャートに従って
処理を実行する。まず、ステップ(以下、STと略
す。)1において、原点検出を行ったのち、ST2で基
準片測定を行う。例えば、図6に示す如く、形状が高精
度に把握されている基準片100を測定空間内の所定位
置にセットしたのち、測定を開始すると、データ解析処
理装置Cからダウンロードされた移動軌跡(予め、測
定前に基準片100の直角形状に対応してデータ解析処
理装置Cに設定、記憶されている。)に従って非接触検
出器21が移動される。この間、非接触検出器21から
の測定データ、つまり、非接触検出器21から基準片1
00までの変位量が所定サンプリング間隔で取り込まれ
る。
【0025】基準片測定終了後、ST3において、それ
らのサンプリングデータから得られる検出器21と基準
片100との相対的位置関係から図7に示すX’軸と
Z’軸とからなる直交空間座標(これが、測定機のデー
タム)を測定空間内に設定し、その直交空間座標と移動
機構10の機械的精度によって決まる機械座標(例え
ば、図7のX−Z座標)との差を補正データとして作成
する。続いて、ST4において、その補正データをメモ
リ部53に書き込む。
【0026】一方、測定では、図8に示すフローチャー
トに従って処理を実行する。まず、ST11において、
初期設定(電装部)を行い、かつ、原点検出を行ったの
ち、ST12において、データ解析処理装置Cから測定
マップをダウンロードする。例えば、直角形状の被測定
物を測定するには、前記直交空間座標(測定機のデータ
ム)のX’軸方向の移動軌跡とZ’軸方向の移動軌跡と
を有する測定マップをダウンロードする。ここで、例え
ば、図10に示すように、各軸の移動軌跡が被測定
物101に対して図の関係になるように測定条件を設定
しておく。なお、被測定物101は、図9に示す如く、
セット治具110上の所定位置に位置決め片111およ
び位置決め片112(これは、被測定物のセット時には
一点鎖線の位置へ、測定時には実線の位置に切り換えら
れる。)を利用して測定空間内にセットしておく。
【0027】次に、ST13において、予備測定(被測
定物101の予備測定)を行う。測定が開始されると、
図10に示す如く、測定マップの移動軌跡に従って非
接触検出器21と被測定物101とが相対移動され、か
つ、その非接触検出器21からの測定データが所定サン
プリング間隔で取り込まれていく。また、移動軌跡に
従って非接触検出器21と被測定物101とが相対移動
され、かつ、その非接触検出器21からの測定データが
所定サンプリング間隔で取り込まれていく。
【0028】次に、ST14において、測定用データム
を測定空間内に生成、つまり、仮想設定する。まず、各
移動軌跡で得られた各測定データを基に検出器21
の回転中心座標を演算する。つまり、被測定物表面の法
線方向と非接触検出器21の光軸が一致した状態で、か
つ、被測定物表面が非接触検出器21の検出可能範囲に
入った状態で旋回できる回転中心座標Pを演算する。そ
して、その回転中心座標Pを回転中心とする半径Rの円
弧軌跡によってX’軸およびZ’軸方向の移動軌跡が
連続してつながった相対移動軌跡(図11参照)を生
成し、その相対移動軌跡のデータを補正データで補正
したのち測定用データムとしてメモリ部53内に書き込
む。
【0029】次に、ST15において、本測定(被測定
物101の本測定)を行う。これには、被測定物101
をセットしたまま、検出器21を自動的に測定起点まで
戻し、本測定を開始する。すると、図11に示す相対移
動軌跡の測定用データムに従って非接触検出器21と
被測定物101とが相対移動されていく。まず、非接触
検出器21と被測定物101とがX’軸方向の点Pまで
相対移動されると、X’,Z’軸方向へ相対移動されつ
つ旋回テーブル20の旋回により非接触検出器21が円
弧軌跡に沿って旋回されていく。つまり、被測定物1
01表面の法線方向と非接触検出器21の光軸とが一致
した状態で、かつ、被測定物101表面が非接触検出器
21の検出可能範囲内に入った状態のまま旋回されてい
く。やがて、非接触検出器21の向きが水平姿勢まで旋
回されたのち、Z’軸の制御により下方へ移動されてい
く。
【0030】この移動中において、非接触検出器21か
らの測定データが所定サンプリング間隔で取り込まれ、
これらが各エンコーダ45,46,47,48のデータ
とともにメモリ部53内に格納される。そして、ST1
6において、メモリ部53内に格納されたデータは形状
データに演算される。最後に、ST17において、これ
らの測定データは、データ解析処理装置Cにアップロー
ドされる。データ解析処理装置Cでは、測定データをデ
ィスプレイ上に形状図形データとして出力することがで
きるほか、その図形上の点を指定することなどにより各
点の寸法、位置、角度、円弧の半径などを最少自乗法に
より求めるなど、各種の加工ができる。
【0031】従って、本実施例によれば、予め、非接触
検出器21と基準片100とを相対移動させながら基準
片100の形状を測定し、この測定データから得られる
検出器21と基準片100との相対的位置関係からX’
軸およびZ’軸からなる直交空間座標を測定空間内に形
成するとともに、その空間座標と機械座標との差を補正
データとして記憶しておく。測定に当たっては、被測定
物101を測定空間内の所定の場所にセットし、直交空
間座標を基準に被測定物の測定形状に応じた形状でかつ
補正データによって補正した測定用データムを測定空間
内に設定したのち、その測定用データムに従って検出器
21と被測定物101とを相対移動させながら検出器2
1によって被測定物101との変位を測定し、その測定
データを基に被測定物の形状を演算する。
【0032】そのため、測定空間内に仮想設定した測定
用データムであるから、基準片100の測定による補正
データを用いて測定用データムを簡易に補正することが
でき、従来のような高度な機械加工および調整を必要と
することなく、機械系の繰り返し精度のみの確保でもっ
て、高精度な形状測定を行うことができる。つまり、X
軸およびY軸方向の移動機構は、非接触検出器21を旋
回させる機構ともに運動の繰り返し精度が要求されるの
みである。一般的に、機械加工により組み立てられる機
構の有する繰り返し精度は高いものとなり得るから、特
に高度な加工技術を必要としない利点がある。従って、
安価である。
【0033】また、空間内に仮想設定した測定用データ
ムであるから、任意の形状、関数を測定用データムとし
て用いることができるため、従来において測定不可能で
あった形状の測定も可能である。例えば、直角形状のほ
か、角柱、楕円形状をはじめ、タービンブレードのよう
なひねり成分のある複雑な被測定物の輪郭形状の全域な
ども測定することができる。
【0034】また、Z軸スライダ18に旋回テーブル2
0をY軸と平行な旋回軸34を中心として旋回可能に設
け、この旋回テーブル20の回転中心軸線上に焦点位置
が一致するように非接触検出器21を取り付けた構造を
有するので、角部がアールとなった形状を測定する場合
でも、X軸およびZ軸へ移動させつつ、旋回テーブル2
0を旋回動作させ非接触検出器21の向きをアールの中
心Pに向かせることによりアールの表面に対して垂直な
姿勢のまま非接触検出器21を移動させることができ
る。通常、検出器21の光軸と被測定物101表面の法
線方向とをできる限り一致させることが高精度測定を達
成する上で望ましいが、これに対しても、最適な姿勢に
検出器21を制御できるから、誤差の少ない測定を達成
することができる。なお、触針式の場合、触針R補正を
不要にできる。
【0035】また、データ解析処理装置Cにアップロー
ドされた測定データは、そのまま図形として表示するこ
とができるほか、指定された直線、円、楕円、その他の
曲線にあてはめられ、段差寸法、2点間距離、交点角
度、最小自乗近似円交点中心と半径、または、楕円の長
径と短径など、図形に最も適した位置、寸法関係を最小
自乗法など数学的データ処理により算出、表示すること
ができる。更に、図形を回転、拡大、縮小させるなど自
由に加工できる。
【0036】以上、本発明について好適な実施例を挙げ
て説明したが、本発明は、この実施例に限られるもので
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改
良並びに設計の変更が可能である。例えば、測定機のデ
ータムとしては、上記実施例で述べた直交空間座標に限
らず、他の任意の線や形状、あるいは、それらの組み合
わせでもよい。また、上記実施例では、直交空間座標を
基準に被測定物の測定形状に応じた相対移動軌跡データ
を補正データで補正し、それを測定用データムとして測
定空間内に設定したが、ST16において、メモリ部5
3内に格納されたデータを補正データで補正して形状デ
ータを演算するようにしてもよい。
【0037】また、上記実施例では、非接触検出器21
を用いたが、被測定物101の形状を測定する検出器と
しては、これに限らず、被測定物101の表面にスタイ
ラスが直接接触する触針式検出器でもよい。また、上記
実施例では、被測定物101をX’およびY軸方向へ、
非接触検出器21をZ’軸方向へ移動させるように構成
したが、この構成に限らず、被測定物101と非接触検
出器21とが少なくともX’およびZ’軸方向へ相対移
動できる構造であれば、片方のみが移動する構造であっ
てもよい。
【0038】また、基準片100の測定については、工
場などからの出荷時に一度行えばよいが、一定期間おき
に定期的に行うようにすれば経年変化による誤差の発生
を未然に防止できる。更に、複数の同一形状の被測定物
を測定する際、位置決めが正しくなされる場合には、2
個目以降は予備測定を省略して本測定のみとすることが
できる。
【0039】また、測定可能な形状としては、上記実施
例で述べた形状に限られない。例えば、図12に示すサ
インカーブの場合には、直線移動軌跡と円弧移動軌
跡とを組み合わせた相対移動軌跡を測定用データムと
して測定空間内に設定し、これに従って被測定物と検出
器とを相対移動させるようにすればよい。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、本発明の形状測定方法によ
れば、高度な機械加工および調整を必要とすることな
く、高精度な形状測定を行うことができるとともに、従
来において測定不可能であった形状の測定も可能である
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】同上実施例の測定機本体の外観を示す斜視図で
ある。
【図3】同上実施例の測定機本体の縦断面図である。
【図4】同上実施例の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図5】同上実施例における補正データ作成処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図6】同上実施例における基準片測定の様子を示す図
である。
【図7】同上実施例における測定機用データムを測定空
間上に設定した様子を示す図である。
【図8】同上実施例における測定処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図9】同上実施例において被測定物をセットするため
のセット治具を示す斜視図である。
【図10】同上実施例において被測定物を予備測定する
際の検出器の移動軌跡を説明するための図である。
【図11】同上実施例において被測定物を本測定する際
の検出器の移動軌跡を説明するための図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す図である。
【図13】従来の形状測定機を示す図である。
【符号の説明】
A 測定機本体 B 演算制御装置 C データ解析処理装置 21 非接触検出器 101 被測定物
フロントページの続き (72)発明者 時任 博幸 神奈川県川崎市高津区坂戸1−20−1 株式会社ミツトヨ内 (72)発明者 日高 宏幸 広島県呉市広古新開6−8−20 株式会 社ミツトヨ内 (72)発明者 加納 孝文 広島県呉市広古新開6−8−20 株式会 社ミツトヨ内 (56)参考文献 特開 平1−148904(JP,A) 特開 昭63−131018(JP,A) 特開 昭56−58606(JP,A) 特開 昭61−213616(JP,A) 特開 昭57−110913(JP,A) 特開 昭63−100319(JP,A) 実開 昭62−168410(JP,U) 特表 昭58−501290(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 11/00 - 11/30 G01B 21/00 - 21/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出器と被測定物とを三次元方向へ相対
    移動させる移動機構を備えた形状測定機による形状測定
    方法であって、形状が高精度に把握されている基準体を前記移動機構に
    よって形成される測定空間内にセットし、その基準体と
    前記検出器とを相対移動させながら基準体の形状または
    位置を測定し、この測定データから得られる検出器と基
    準体との相対的位置関係から空間座標を設定し、その空
    間座標と機械座標との差を補正データとして記憶する補
    正データ作成工程と、 前記移動機構によって形成される測定空間内に被測定物
    をセットし、その被測定物と検出器とを前記空間座標に
    基づく相対移動軌跡に従って相対移動させながら前記検
    出器と被測定物との間の変位量を測定し、この測定デー
    タを基に生成した被測定物の測定形状に応じた形状の相
    対移動軌跡を前記補正データで補正して測定用データム
    として測定空間内に仮想設定する測定用データム設定工
    程と、 この測定用データム設定工程によって設定された測定用
    データムに従って前記検出器と被測定物とを相対移動さ
    せながら前記検出器と被測定物との間の変位量を測定す
    る測定工程と、 前記測定空間内に設定された測定用データムに対する前
    記測定工程で得られた測定データから被測定物の形状を
    演算する形状演算工程と、を備えることを特徴とする形
    状測定方法。
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