JP2758739B2 - 固体撮像装置の駆動方法 - Google Patents

固体撮像装置の駆動方法

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JP2758739B2 JP3185999A JP18599991A JP2758739B2 JP 2758739 B2 JP2758739 B2 JP 2758739B2 JP 3185999 A JP3185999 A JP 3185999A JP 18599991 A JP18599991 A JP 18599991A JP 2758739 B2 JP2758739 B2 JP 2758739B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体撮像装置の駆動方法
に関し、特に縦型オーバーフロードレイン構造で、電子
シャッタ動作可能な固体撮像装置の駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な固体撮像装置の断面構造
を図6に示す。シリコンなどのN型半導体基板6の表面
側にP型ウェル7を形成し、そのさらに表面側に入射光
を光電変換し一定期間蓄積するN型光電変換領域4(以
下フォトダイオードと記す)と信号電荷を転送するN型
転送チャネル5を形成してある。なお、P型ウェル7に
はN型転送チャネル5の直下のみ選択的に高濃度P型領
域8を設けてある。またフォトダイオード4の表面には
+ 型拡散層3を設け、その一部はチャネルストッパー
9(P+ 型素子分離領域)とつながっておりP型ウェル
7,P+ 型拡散層3,チャネルストッパー9は同電位と
なっている。後述するようにP型ウェル7は0Vを印加
し電位を固定する為、P+ 型拡散層3も0Vに固定され
る。これにより表面の酸化シリコン膜11との界面は非
空乏状態となり界面からの暗電流の発生を押さえてい
る。P型ウェル7とN型半導体基板6の間には、電源1
2によりP型ウェル7側に0V,N型半導体基板6側に
プラス電圧Vsubを印加し、このVsubによりフォ
トダイオード4で蓄積可能な最大電荷量を決定するとと
もに、それ以上の過剰な電荷はN型半導体基板6へ流れ
込むといういわゆる縦型オーバーフロードレイン構造と
なっている。
【0003】ここで、この種の従来構造固体撮像装置に
於けるフォトダイオード最大蓄積電荷量と電子シャッタ
ー動作について説明する。図7は、図6に於けるX−Y
方向の電子のポテンシャル模式図である。上述したよう
なP型ウェル7とN型半導体基板6との間に印加する逆
バイアス電圧Vsubによってフォトダイオード4直下
のP型ウェル部は完全に空乏化しており、ポテンシャル
分布は同図の曲線Dのようになる。この時のフォトダイ
オード4直下のP型ウェル部のポテンシャルをφB1とす
ると、この時の最大蓄積電荷量は同図中の右下り斜線で
示した部分に蓄えられるQ1となる。これ以上の電荷は
P型ウェル7のポテンシャルバリアを越えて同図にaで
示すようにN型半導体基板6へ流れこむ。また印加して
いるVsub電圧をV1だけ高くすると同図の曲線Eに
示したようにP型ウェル部のポテンシャルがφB2にな
り、最大蓄積電荷量は左斜線で示したQ2となる(Q1
>Q2)。このようにフォトダイオード4に蓄積可能な
最大電荷量はP型ウェル7とN型半導体基板6間に印加
される電圧によって決定される。また電子シャッタ動作
は、図7の曲線Fに示したように印加する電圧をP型ウ
ェル部のポテンシャルバリアが無くなるような電圧Vs
ub+V2にすることによりそれまで蓄積していた信号
電荷の全てが同図bのようにN型半導体基板側へはき出
すことにより達成している。すなわち、水平ブランキン
グ期間内、もしくは垂直ブランキング期間内にパルス的
に印加電圧を大きくし、フォトダイオード内を空にした
後、再びもとのVsub値に戻し、その時点から信号電
荷の蓄積を再開することで、ほぼ任意の時間(1/60
秒〜1/∞秒)の電子シャッタ動作が可能となるのであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の固体撮
像装置では、フォトダイオードに蓄積可能な最大電荷量
がP型ウェルとN型半導体基板間に印加する電圧Vsu
bによって決定される訳であるが、過剰電荷の隣接画素
へのもれ込み(ブルーミング)を押さえる為にこのVs
ub電圧は一定値以下にはさげられず、その電圧で最大
蓄積電荷量が決定されてしまうという欠点があり、最大
蓄積電荷量を大きくすることに苦慮している。また、電
子シャッタ動作の時に印加するパルス電圧も非常に高い
電圧を必要とし、実装するカメラ側でその為の大規模な
昇圧回路が必要になるという欠点があった。フォトダイ
オードの最大蓄積電荷量を大きくする方法には、フォト
ダイオード部の不純物濃度を濃くし、ポテンシャルを深
くする方法があるが、そうすると上述の電子シャッタ動
作時にさらに高いパルス電圧が必要になってしまう。つ
まりフォトダイオードの最大蓄積電荷量はできるだけ大
きくしたい(高ダイナミックレンジ化)、かつ、電子シ
ャッタ動作はできるだけ低いパルス電圧で達成したい、
という要求に対し、両者がトレードオフの関係にあるた
めに、製造条件の許容幅が狭くきびしい使用条件(実装
カメラの大型化など)を余儀なくされていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、半導体基板表
面部の型ウェルに、型光電変換領域を複数個列状に
配置し、前記型光電変換領域に隣接して型電荷転送
チャネルを配置してなる画素列を複数列有し、前記各画
素列間に型素子分離領域を配置し、前記型電荷転送
チャネル上に絶縁膜を介して転送電極群を配置し、前記
型光電変換領域に対応する開口を有する金属遮光膜を
前記転送電極群上に他の絶縁膜を介して配置してなり、
前記光電変換領域の表面部に型拡散層を前記型素子
分離領域とは分離して形成し、かつ前記型拡散層は前
記金属遮光膜と一部で直接接触している固体撮像装置の
駆動方法において、前記金属遮光膜に前記P型ウェルに
対して正のバイアス電圧を印加して前記N型光電変換領
域とP型ウェルとでなるフォトダイオードに蓄積可能な
最大電荷量を制御するというものである。この場合、
イアス電圧がN型光電変換領域近傍におけるP型ウェル
内の最低電位を越えないようにすることができる。
【0006】
【作用】上述した本発明の固体撮像装置の駆動方法
は、金属遮光膜に外部から任意のバイアス電圧を印加す
ることにより第1導電型拡散層の電位を制御することが
できる。すなわちフォトダイオード表面の電位を制御す
ることができるもので、フォトダイオードに蓄積可能な
最大電荷量の制御、さらには、電子シャッタ動作を、適
当な負のパルス電圧を印加する事により極めて低いVs
ubパルス電圧で達成させる事ができる。
【0007】
【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。
【0008】図1は本発明の一実施例で駆動される固体
撮像装置の断面図である。
【0009】N型半導体基板6の表面側にP型ウェル7
を形成し、さらにその表面側に入射光を光電変換し蓄積
するN型のフォトダイオード4(N型光電変換領域)と
信号電荷を転送するN型転送チャネル5を形成する。9
はP+ 型のチャネルストッパー(P+ 型素子分離領域)
で、11は酸化シリコン膜(絶縁膜)であり、その上に
信号電荷の読み出しと転送を兼ねる転送電極10が配置
されている。ここまでは前述した従来構造の固体撮像装
置と何ら変わりは無い。従来構造との違いはフォトダイ
オード4の表面に形成するP+ 型拡散層3と金属遮光膜
2であり、P+ 型拡散層3はチャネルストッパー9とは
分離して配置し、リソグラフィー技術とエッチング技術
を用いてP+ 型拡散層3上の酸化シリコン膜11の転送
電極10寄りの箇所にコンタクトホール1を開け、その
後にスパッタリング技術を用いて金属遮光膜2(例えば
アルミニウム,タングステン)を形成する際P+ 型拡散
層3と金属遮光膜2がコンタクトホール1の部分で直接
接触し、本発明の構造の固体撮像装置が得られる。なお
+ 型拡散層3の不純物濃度は1019〜1021個/cm
3 を選ぶので金属遮光膜との接触はオーミックコンタク
トとなる。
【0010】次に本発明の一実施例について説明する。
図2は図1に於けるX−Y方向の電子ポテンシャル模式
図である。同図は、P型ウェル7とN型半導体基板6間
の電圧を一定値Vsub(V)に固定し、金属遮光膜2
に印加する電圧を0(V),+V3(V),−V4
(V)と変化させた時のポテンシャル分布の変化の様子
を示したものである。印加電圧が0Vの時は同図の曲線
Aのような分布となり、+V3(V),例えば1V〜3
Vを印加すると曲線Bのような分布になり、0Vの時よ
りもフォトダイオード4の表面側でポテンシャルが深く
なり、その分最大蓄積電荷量Qmaxを増大させること
ができる。逆に、印加電圧を−V4(V),例えば−1
V〜−3Vにすると曲線Cのようなフォトダイオード4
の表面でポテンシャルが浅くなった分布となり、最大蓄
積電荷量は減少する。図3にフォトダイオードの最大蓄
積電荷量Qmaxと金属遮光膜2への印加電圧の関係の
一例を示す。
【0011】このように、金属遮光膜2に印加する電圧
によってフォトダイオード4に蓄積可能な最大電荷量を
制御することが可能で、大きくしたければ正の電圧を、
小さくしたければ負の電圧を印加すればよい。ただし、
正の電圧を印加する場合は、ブルーミングを防止するた
めにP+ 型拡散層3の表面電位がP型ウェル7のポテン
シャルバリアφB よりも大きくならないような電圧の範
囲内で行なわなければならない。本例では4〜5Vが最
大電圧である。
【0012】続いて、電子シャッタ動作について説明す
る。図4は電子シャッタ動作のタイミングチャートであ
る。同図のパルス幅は説明の便宜上任意の幅にとってあ
る。前述の従来構造固体撮像装置の電子シャッタ動作で
説明したように任意の水平ブランキング期間または垂直
ブランキング期間にN型半導体基板6に通常印加電圧V
subよりもΔVsub高い電圧のパルスを入力(図4
(a))し、フォトダイオード内にそれまで蓄積されて
いた信号電荷をN型半導体基板側へ全て引き抜く訳であ
るが、本実施例では、上述のN型半導体基板入力パルス
に加えて金属遮光膜に図4(d)のような通常印加電圧
VpsよりもΔVpsだけ低い電圧をΔt時間だけ遅ら
せて入力する。なお、上述のパルスの幅(同図中のt
1,t2)およびΔtについては詳細な説明は省略する
が、波形のなまりを考慮するとt1,t2は広いほどよ
いが、ノイズ等を考慮して本実施例の場合t1は6〜8
μsec,t2=4〜6μsec,Δt=2μsecと
している。このように金属遮光膜にマイナスのパルス電
圧を同時に印加するのは、図2のポテンシャル模式図で
示したようにフォトダイオードの表面電位を瞬間的に引
き上げる事になるので、フォトダイオード内の電荷をよ
り低いVsub電圧で引き抜く事が可能となる。なお、
金属遮光膜に印加するパルスタイミングをN型半導体基
板に印加するパルスタイミングに対しΔtだけ遅らせる
のはブルーミングを防止するためである。
【0013】図5に電子シャッタ動作における基板印加
パルス(ΔVsub)と金属遮光膜印加パルス(−ΔV
ps)の関係の一例を示す。従来のN型半導体基板のみ
にパルス電圧を印加する方式では、ΔVsubが20〜
25V必要(同図のΔVps=0Vに相当)であったが
本発明によると例えばΔVps=−5Vとした場合、Δ
Vsubは約8Vでよく、飛躍的に低電圧化できる事が
わかる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明の固体撮像装
の駆動方法は、フォトダイオード表面の型拡散層を
チャネルストッパーとは分離して形成し金属遮光膜と一
部分で直接接触させた事により、金属遮光膜へ印加する
バイアス電圧で、フォトダイオードの表面電位を制御で
き、目的に応じてバイアス電圧を選択することでフォト
ダイオードの最大蓄積電荷量の制御、特に従来から苦慮
していた最大蓄積電荷量の増大という事を容易にし、ま
た、電子シャッタ動作を飛躍的に低電圧化できる為、実
装するカメラ側で、従来のような特殊な昇圧回路を設け
る必要がなく、カメラの小型化に対しても有利であり、
効果は著るしい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に使用する固体撮像装置を示
す断面図である。
【図2】一実施例における光電変換部の深さ方向の電子
の一次元ポテンシャル模式図である。
【図3】一実施例における金属遮光膜2への印加電圧と
フォトダイオード4の最大蓄積電荷量の関係を示す特性
図である。
【図4】一実施例における電子シャッタ動作のタイミン
グチャートである。
【図5】一実施例における電子シャッタ動作の説明に使
用するΔVsubとΔVpsの関係を示す特性図であ
る。
【図6】従来の固体撮像装置を示す断面図である。
【図7】図6のA−B方向の電子の一次元ポテンシャル
模式図である。
【符号の説明】 1 コンタクトホール 2 金属遮光膜 3 P+ 型拡散層 4 光電変換領域(フォトダイオード) 5 N型電荷転送チャネル 6 N型半導体基板 7 P型ウェル 8 P型ウェル7の高濃度領域 9 P+ 型のチャネルストッパー 10 電荷転送電極(電荷読出し電極を兼ねている) 11,11a 酸化シリコン膜

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板表面部の型ウェルに、
    光電変換領域を複数個列状に配置し、前記型光電変換
    領域に隣接して型電荷転送チャネルを配置してなる画
    素列を複数列有し、前記各画素列間に型素子分離領域
    を配置し、前記型電荷転送チャネル上に絶縁膜を介し
    て転送電極群を配置し、前記型光電変換領域に対応す
    る開口を有する金属遮光膜を前記転送電極群上に他の絶
    縁膜を介して配置してなり、前記光電変換領域の表面部
    型拡散層を前記型素子分離領域とは分離して形成
    し、かつ前記型拡散層は前記金属遮光膜と一部で直接
    接触している固体撮像装置の駆動方法において、前記金
    属遮光膜に前記P型ウェルに対して正のバイアス電圧を
    印加して前記N型光電変換領域とP型ウェルとでなるフ
    ォトダイオードに蓄積可能な最大電荷量を制御すること
    を特徴とする固体撮像装置の駆動方法
  2. 【請求項2】 バイアス電圧がN型光電変換領域近傍に
    おけるP型ウェル内の最低電位を越えない請求項1記載
    の固体撮像装置の駆動方法。
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