JP2758401B2 - 強誘電性高分子光記録媒体 - Google Patents
強誘電性高分子光記録媒体Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕
本発明は、光カード、光ディスク、ディスプレー等に
有用な強誘電性高分子光記録媒体に関する。 〔数来技術〕 ビニリデン系重合体(以下PVD系重合体と略す)を記
録媒体とした高分子光メモリーは、すでに知られてい
る。 これは、PVD系重合体の強誘電性を利用した画期的な
光メモリーで、その記録原理は特開昭59−215096及び同
59−215097号公報、あるいはIEEE Trans,Electr,Ins.,E
I−21,539,1986、高分子加工35,418(1986)に開示され
ているように、強誘電性高分子材料が電界によって分極
する性質を利用して、高い電界を印加して一方向に分極
させた該強誘電性高分子材料に対して、抗電界以下の弱
い逆電界を印加した状態で任意の部分に光ビームを照射
加熱して該光照射部のみを選択的に分極反転せしめるこ
とにより書き込みを可能にし、さらに光または熱による
焦電効果を利用して読み出すことができるというもので
ある。 このような強誘電性高分子を光メモリーとして使用す
る場合には、該メモリーに照射される光に対する吸収効
率は重要な要素となるが、PVD系重合体膜は一般に光透
過性が高いために高出力のレーザー光を照射してもロス
が多く、実用化に際して大きな問題となっていた。 又、本記録媒体は、それを支える基板上に保持しなけ
ればならないが、発生した熱が基板に容易に拡散してし
まうため、記録層の温度上昇が妨げられ、メモリーとし
て使用する場合は、S/N比や記録密度が低下するといっ
た問題を有していた。 〔目 的〕 本発明はこうした実情に鑑み、ビニリデン系重合体か
ら成る光記録媒体において、熱の拡散が低減された高感
度の強誘電性高分子光記録媒体を提供することを目的と
するものである。 〔構 成〕 本発明者らは従来より前記光記録媒体を実用化するた
め研究を重ねてきたが、該光記録媒体およびそれを挟む
電極層を保持する基板として、特定の条件を満たす材料
を使用することにより、光照射点において発生した熱を
保持し、光照射点の温度を効率よく上昇させる方法を確
立し、実用性の高い強誘電性高分子記録媒体を作成する
ことに成功した。 すなわち、本発明は、ビニリデン系重合体からなる光
記録媒体において、記録層およびそれを挟む電極層を保
持するための基板の材料が、下記の条件式を満たす物性
を有することを特徴とする強誘電性高分子光記録媒体で
ある。 ただし、 k:熱伝導率(wm-1 K-1) P:密 度(gm-3) C:比 熱(Jg-1 K-1) 上記の条件を満たす物性を示す材料としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
アクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリふ
っ化ビニリデン、セルロース樹脂、ナイロン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂などがある。この条件を満たす
物性を示す材料により該光記録媒体を構成すると、記録
層から基板への熱の浸透を抑制して、当該記録層の温度
上昇率を向上せしめるために、当該記録媒体の感度を上
昇させることが判明した。なお、これらの材料として
は、照射光に対して透明であることが好ましく、また電
極との絶縁を兼ねているものであることが望ましいが、
本発明は特にこれらに限定されるものではない。 以下本発明の構成を図面に基づいて説明する。第1〜
3図は本発明の強誘電性高分子光記録媒体の構成モデル
図である。この図中の1が該光記録媒体の記録層である
PVD系重合体膜からなる部分である。2は下部電極であ
り、3が上部電極である。また4は下部電極2を支持す
る基板である。 記録層を構成するPVD系重合体には種々の化合物が報
告されているが、本記録媒体においては強誘電性を有
し、かつ誘電ヒステリシス測定で矩形を示すようなもの
が望ましく、たとえばふっ化ビニリデンのホモ重合体、
及びふっ化ビニリデンを50重量%以上含むふっ化ビニリ
デン共重合体である。該共重合体としてはふっ化ビニリ
デンと三ふっ化エチレン、六ふっ化プロピレン、三ふっ
化塩化エチレン等との共重合体等を挙げることができ
る。また、ポリシアン化ビニリデン、シアン化ビニリデ
ン及び酢酸ビニル共重合体等も挙げられるが、これらの
中でも弗化ビニリデン及び三弗化エチレン共重合体[以
下P(VDF−TrFE)と略す]が最も好ましい。 該記録層のPVD系重合体膜を製膜する方法としては浸
漬コーティング、スプレーコーティング、スピナーコー
ティング、ブレードコーティング、ローラコーティン
グ、カーテンコーティング等の溶液塗布法によって形成
することができる。この中でも浸漬コーティングやスピ
ナーコーティングによるものが該PVD系重合体膜を均一
な膜厚に形成する上に、超薄膜が得られる点からも好ま
しい。 本強誘電性高分子記録媒体が光メモリーとして機能す
るためには記録層を挟む電極の少くとも一方が照射光に
対してできる限り透明であることが望ましく、特に本発
明では電極基板2に透明電極又は半透明電極を採用する
ことが好ましい。勿論電極基板2及び上部電極3の両方
が透明であっても良く、また上部電極3のみが透明であ
っても構わない。本発明で採用される透明電極とはスズ
をドープした酸化インジウム(ITO)や酸化スズ、アン
ドープの酸化インジウム等の蒸着、CVD、スパッタリン
グ膜等が挙げられ、半透明電極には金、白金、銀、銅、
鉛、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、タンタル、チタ
ン、コバルト、ニオブ、パラジウム、スズ等の各種金属
の蒸着、CVD、スパッタリング膜等が挙げられるが本発
明は特にこれらに限定されるものではない。 照射光源は量産性及び価格的にも半導体レーザー(L
D)が最適と考えられる。LD光の照射方向は上部・下部
何れの電極側からでも構わないが、その際に少くとも光
源側の電極は照射光に対して透明であることが望まし
い。 第2図は下部電極2の表面に下引き層5を設けた例で
ある。下引き層5は下部電極2の表面に表面処理剤を塗
布あるいは蒸着することにより形成され、その目的には
下記のものが挙げられる。 1)電極との接着性の向上 2)記録層の保存安定性の向上 3)水、ガス、溶剤等のバリアー性 上記に於て、特に1に主たる特性が要求される。そこ
で使用される表面処理剤には、ヘキサメチルジシラザン
(HMDS)、トリメチルクロルシラン(TMCS)、ジメチル
クロルシラン(DMCS)、ジメチルジクロルシラン(DMDC
S)、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、t−ブ
チルジメチルクロルシラン、ビス(トリメチルシリル)
トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルジフェニ
ル尿素、ビストリメチルシリル尿素等があげられる。
又、上記シリル化剤以外にチタン系のカップリング剤
(アンコーカート剤)も有効であることが確認されてい
る。 第3図には上部電極3上に保護層6を設けた例を示し
たが、この保護層は記録層をキズ、ホコリ、汚れ等から
の保護及び記録層の保存安定性の向上等を目的として、
各種高分子材料やシランカップリング剤、ガラスなどか
ら形成される。 以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。 実施例 1 厚さ約1mmのITO蒸着ポリスチレン 基板上に、スピンコート法によりP(VDF−TrFE)膜を
厚さ1μmで塗布して記録層1を形成した。本サンプル
の上部電極としてアルミニウムを蒸着した後に該(VDF
−TrFE)膜に100Vの電圧をかけてポーリング処理を施し
た。さらに25Vの逆電界を掛けながら、発振波長830nmの
半導体レーザー(以下LDと略す)を用いて照射光強度1.
6mWで下部電極側からP(VDF−TrFE)層内の数箇所を加
熱して情報を記録した。その後、LD光強度を0.16mWに弱
めて10kHzでチョピングしながら再度P(VDF−TrFE)層
にLD光を照射して電極間に生じる焦電電流を計測して記
録した情報の読み出し操作を行うと、S/N比が43dBであ
ることが判明した。 実施例 2 実施例1と同様に厚さ約1mmのITO蒸着ポリメチルメタ
アクリレート 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が41dBであることが判明し
た。 実施例 3 実施例1と同様に厚さ約1mmのITO蒸着ポリカーボネー
ト 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が40dBであることが判明し
た。 比較例1 実施例1と同様に厚さ約1mmのITOの蒸着ガラス 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が30dBであることが判明し
た。 実施例4 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着ポリ四フッ化エチレン(k/ρ
c)=1.1×10-7wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして強誘電性高分子光記録媒体を作製し、また
同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が41d
Bであった。 実施例5 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着ポリプロピレンJIS A5154(k/
ρc=1.0×10-7wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が4
1dBであった。 比較例2 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着アルミニウム合金JIS A5154(k
/ρc=5.3×10-5wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が1
5dBであった。 以上の実施例と比較例の結果から、k/ρc≦3.0×10
-7wm2J-1を満足する材料を基板に使用した場合にはS/N
比が40dB程度となり、強誘電性光記録媒体として十分な
性能を有するが、この条件を越えると、S/N比は30dB以
下となり同光記録媒体として使用に耐えなくなる。 〔効 果〕 以上説明したように、本発明の強誘電性高分子光記録
媒体においては、発生した熱の拡散を低下せしめて該光
記録媒体の感度を増大させることができ、半導体レーザ
ーのような低パワーの照射光に対しても極めて鋭敏に反
応して書き込み読み出し及び消去という一連の動作をス
ムーズに行うことができる。
有用な強誘電性高分子光記録媒体に関する。 〔数来技術〕 ビニリデン系重合体(以下PVD系重合体と略す)を記
録媒体とした高分子光メモリーは、すでに知られてい
る。 これは、PVD系重合体の強誘電性を利用した画期的な
光メモリーで、その記録原理は特開昭59−215096及び同
59−215097号公報、あるいはIEEE Trans,Electr,Ins.,E
I−21,539,1986、高分子加工35,418(1986)に開示され
ているように、強誘電性高分子材料が電界によって分極
する性質を利用して、高い電界を印加して一方向に分極
させた該強誘電性高分子材料に対して、抗電界以下の弱
い逆電界を印加した状態で任意の部分に光ビームを照射
加熱して該光照射部のみを選択的に分極反転せしめるこ
とにより書き込みを可能にし、さらに光または熱による
焦電効果を利用して読み出すことができるというもので
ある。 このような強誘電性高分子を光メモリーとして使用す
る場合には、該メモリーに照射される光に対する吸収効
率は重要な要素となるが、PVD系重合体膜は一般に光透
過性が高いために高出力のレーザー光を照射してもロス
が多く、実用化に際して大きな問題となっていた。 又、本記録媒体は、それを支える基板上に保持しなけ
ればならないが、発生した熱が基板に容易に拡散してし
まうため、記録層の温度上昇が妨げられ、メモリーとし
て使用する場合は、S/N比や記録密度が低下するといっ
た問題を有していた。 〔目 的〕 本発明はこうした実情に鑑み、ビニリデン系重合体か
ら成る光記録媒体において、熱の拡散が低減された高感
度の強誘電性高分子光記録媒体を提供することを目的と
するものである。 〔構 成〕 本発明者らは従来より前記光記録媒体を実用化するた
め研究を重ねてきたが、該光記録媒体およびそれを挟む
電極層を保持する基板として、特定の条件を満たす材料
を使用することにより、光照射点において発生した熱を
保持し、光照射点の温度を効率よく上昇させる方法を確
立し、実用性の高い強誘電性高分子記録媒体を作成する
ことに成功した。 すなわち、本発明は、ビニリデン系重合体からなる光
記録媒体において、記録層およびそれを挟む電極層を保
持するための基板の材料が、下記の条件式を満たす物性
を有することを特徴とする強誘電性高分子光記録媒体で
ある。 ただし、 k:熱伝導率(wm-1 K-1) P:密 度(gm-3) C:比 熱(Jg-1 K-1) 上記の条件を満たす物性を示す材料としては、例え
ば、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタ
アクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリふ
っ化ビニリデン、セルロース樹脂、ナイロン樹脂、フェ
ノキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、ポリイミド樹脂などがある。この条件を満たす
物性を示す材料により該光記録媒体を構成すると、記録
層から基板への熱の浸透を抑制して、当該記録層の温度
上昇率を向上せしめるために、当該記録媒体の感度を上
昇させることが判明した。なお、これらの材料として
は、照射光に対して透明であることが好ましく、また電
極との絶縁を兼ねているものであることが望ましいが、
本発明は特にこれらに限定されるものではない。 以下本発明の構成を図面に基づいて説明する。第1〜
3図は本発明の強誘電性高分子光記録媒体の構成モデル
図である。この図中の1が該光記録媒体の記録層である
PVD系重合体膜からなる部分である。2は下部電極であ
り、3が上部電極である。また4は下部電極2を支持す
る基板である。 記録層を構成するPVD系重合体には種々の化合物が報
告されているが、本記録媒体においては強誘電性を有
し、かつ誘電ヒステリシス測定で矩形を示すようなもの
が望ましく、たとえばふっ化ビニリデンのホモ重合体、
及びふっ化ビニリデンを50重量%以上含むふっ化ビニリ
デン共重合体である。該共重合体としてはふっ化ビニリ
デンと三ふっ化エチレン、六ふっ化プロピレン、三ふっ
化塩化エチレン等との共重合体等を挙げることができ
る。また、ポリシアン化ビニリデン、シアン化ビニリデ
ン及び酢酸ビニル共重合体等も挙げられるが、これらの
中でも弗化ビニリデン及び三弗化エチレン共重合体[以
下P(VDF−TrFE)と略す]が最も好ましい。 該記録層のPVD系重合体膜を製膜する方法としては浸
漬コーティング、スプレーコーティング、スピナーコー
ティング、ブレードコーティング、ローラコーティン
グ、カーテンコーティング等の溶液塗布法によって形成
することができる。この中でも浸漬コーティングやスピ
ナーコーティングによるものが該PVD系重合体膜を均一
な膜厚に形成する上に、超薄膜が得られる点からも好ま
しい。 本強誘電性高分子記録媒体が光メモリーとして機能す
るためには記録層を挟む電極の少くとも一方が照射光に
対してできる限り透明であることが望ましく、特に本発
明では電極基板2に透明電極又は半透明電極を採用する
ことが好ましい。勿論電極基板2及び上部電極3の両方
が透明であっても良く、また上部電極3のみが透明であ
っても構わない。本発明で採用される透明電極とはスズ
をドープした酸化インジウム(ITO)や酸化スズ、アン
ドープの酸化インジウム等の蒸着、CVD、スパッタリン
グ膜等が挙げられ、半透明電極には金、白金、銀、銅、
鉛、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、タンタル、チタ
ン、コバルト、ニオブ、パラジウム、スズ等の各種金属
の蒸着、CVD、スパッタリング膜等が挙げられるが本発
明は特にこれらに限定されるものではない。 照射光源は量産性及び価格的にも半導体レーザー(L
D)が最適と考えられる。LD光の照射方向は上部・下部
何れの電極側からでも構わないが、その際に少くとも光
源側の電極は照射光に対して透明であることが望まし
い。 第2図は下部電極2の表面に下引き層5を設けた例で
ある。下引き層5は下部電極2の表面に表面処理剤を塗
布あるいは蒸着することにより形成され、その目的には
下記のものが挙げられる。 1)電極との接着性の向上 2)記録層の保存安定性の向上 3)水、ガス、溶剤等のバリアー性 上記に於て、特に1に主たる特性が要求される。そこ
で使用される表面処理剤には、ヘキサメチルジシラザン
(HMDS)、トリメチルクロルシラン(TMCS)、ジメチル
クロルシラン(DMCS)、ジメチルジクロルシラン(DMDC
S)、ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、t−ブ
チルジメチルクロルシラン、ビス(トリメチルシリル)
トリフルオロアセトアミド、トリメチルシリルジフェニ
ル尿素、ビストリメチルシリル尿素等があげられる。
又、上記シリル化剤以外にチタン系のカップリング剤
(アンコーカート剤)も有効であることが確認されてい
る。 第3図には上部電極3上に保護層6を設けた例を示し
たが、この保護層は記録層をキズ、ホコリ、汚れ等から
の保護及び記録層の保存安定性の向上等を目的として、
各種高分子材料やシランカップリング剤、ガラスなどか
ら形成される。 以下実施例によって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。 実施例 1 厚さ約1mmのITO蒸着ポリスチレン 基板上に、スピンコート法によりP(VDF−TrFE)膜を
厚さ1μmで塗布して記録層1を形成した。本サンプル
の上部電極としてアルミニウムを蒸着した後に該(VDF
−TrFE)膜に100Vの電圧をかけてポーリング処理を施し
た。さらに25Vの逆電界を掛けながら、発振波長830nmの
半導体レーザー(以下LDと略す)を用いて照射光強度1.
6mWで下部電極側からP(VDF−TrFE)層内の数箇所を加
熱して情報を記録した。その後、LD光強度を0.16mWに弱
めて10kHzでチョピングしながら再度P(VDF−TrFE)層
にLD光を照射して電極間に生じる焦電電流を計測して記
録した情報の読み出し操作を行うと、S/N比が43dBであ
ることが判明した。 実施例 2 実施例1と同様に厚さ約1mmのITO蒸着ポリメチルメタ
アクリレート 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が41dBであることが判明し
た。 実施例 3 実施例1と同様に厚さ約1mmのITO蒸着ポリカーボネー
ト 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が40dBであることが判明し
た。 比較例1 実施例1と同様に厚さ約1mmのITOの蒸着ガラス 基板上にスピンコート法で厚さ約1μmにP(VDF−TrF
E)膜を塗布し、さらに上部電極としてアルミニウムを
蒸着した。以下実施例1と同様の方法により情報を記録
し読み出したところ、S/N比が30dBであることが判明し
た。 実施例4 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着ポリ四フッ化エチレン(k/ρ
c)=1.1×10-7wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして強誘電性高分子光記録媒体を作製し、また
同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が41d
Bであった。 実施例5 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着ポリプロピレンJIS A5154(k/
ρc=1.0×10-7wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が4
1dBであった。 比較例2 実施例1におけるITO蒸着ポリスチレン基板に代え
て、厚さ約1mmのITO蒸着アルミニウム合金JIS A5154(k
/ρc=5.3×10-5wm2J-1)基板を用いる以外は実施例1
と同様にして情報を記録し、読み出したところS/N比が1
5dBであった。 以上の実施例と比較例の結果から、k/ρc≦3.0×10
-7wm2J-1を満足する材料を基板に使用した場合にはS/N
比が40dB程度となり、強誘電性光記録媒体として十分な
性能を有するが、この条件を越えると、S/N比は30dB以
下となり同光記録媒体として使用に耐えなくなる。 〔効 果〕 以上説明したように、本発明の強誘電性高分子光記録
媒体においては、発生した熱の拡散を低下せしめて該光
記録媒体の感度を増大させることができ、半導体レーザ
ーのような低パワーの照射光に対しても極めて鋭敏に反
応して書き込み読み出し及び消去という一連の動作をス
ムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は、本発明の強誘電性高分子光記録媒体の構
成モデル図。 1……記録層、2……下部電極、3……上部電極、4…
…基板、5……下引き層、6……保護層
成モデル図。 1……記録層、2……下部電極、3……上部電極、4…
…基板、5……下引き層、6……保護層
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 小島 明夫
東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株
式会社リコー内
(56)参考文献 特開 昭62−108088(JP,A)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ビニリデン系重合体からなる光記録媒体において、
記録層およびそれを挟む電極層を保持するための基板の
材料が、下記の条件式を満たす物性を有することを特徴
とする強誘電性高分子光記録媒体。 ただし、 k:熱伝導率(wm-1 K-1) ρ:密 度(gm-3) C:比 熱(Jg-1 K-1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62318614A JP2758401B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | 強誘電性高分子光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62318614A JP2758401B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | 強誘電性高分子光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01160684A JPH01160684A (ja) | 1989-06-23 |
JP2758401B2 true JP2758401B2 (ja) | 1998-05-28 |
Family
ID=18101103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62318614A Expired - Lifetime JP2758401B2 (ja) | 1987-12-18 | 1987-12-18 | 強誘電性高分子光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2758401B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62108088A (ja) * | 1985-11-07 | 1987-05-19 | Canon Inc | 光感熱記録材料とこの材料を用いた記録方法 |
-
1987
- 1987-12-18 JP JP62318614A patent/JP2758401B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01160684A (ja) | 1989-06-23 |
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