JP2758284B2 - 電気的に書き込み消去可能な不揮発性メモリを備えたカウンタ - Google Patents

電気的に書き込み消去可能な不揮発性メモリを備えたカウンタ

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は,プリンタ装置等におけ
る総印刷枚数(累積カウント値)を記憶するのに有用な
電気的に書き込み消去可能な不揮発性メモリ(EEPR
M)を備えたカウンタに関する。 【0002】 【従来の技術】プリンタ等においては,印刷用紙枚数を
一枚ずつカウントして累積し,使用を開始してからの総
印刷枚数を記憶するようにして,プリンタの保守管理デ
ータとして用いられるようにしている。そして,そのよ
うな総印刷枚数のカンウト値は電気的に消去可能な不揮
発性メモリ(以後,EEPROMと称する)に記録し,
電源が絶たれてもカウント値が保存されるようにしてい
る。 【0003】図4は従来のプリンタの総印刷枚数のカウ
ンタを示す。図 (a)は,カウンタの構成を示す。図にお
いて,40はカウント要求部であって,印刷用紙一枚の
印刷実行毎にカウント値の更新要求をするものである。
41はメモリであって,16ビット/ワード×nワード
のEEPROMにより構成され,総印刷枚数を記憶する
ものである。42はメモリ書き換え制御部であって,カ
ウント要求部40に基づいて,メモリ41のデータを読
み出して,更新し(読み出したデータに+1する),メ
モリ41を消去して,更新したデータを書き込むもので
ある。43はメモリ消去部であって,メモリ41のデー
タを消去するものである(通常は,EEPROM内部に
あってメモリの全ビットを1とすることによりデータ消
去を行う)。 【0004】図 (b)は,カウンタの動作フローである。
図示の番号に従ってフローを説明する。 (1) メモリ書き換え制御部42は,カウント要求部4
0からのカウント値要求を入力すると,メモリ(EEP
ROM)41から記憶されているカウント値を読み出
す。 【0005】(2) メモリ書き換え制御部42は読み出
したカウント値に1を加算してカウント値を更新する。 (3) メモリ書き換え制御部42は,メモリ消去部43
にメモリ消去を指示する。メモリ消去部43はメモリ4
1を消去する(通常,消去はメモリの全ビットを1に書
き換えることにより行われる)。 【0006】(4) メモリ書き換え制御部42は,更新
したカウント値をメモリ41に書き込む。図5は,従来
のカウンタのカウント方式を示す。 【0007】図において,51〜54は1ワード(16
ビット)のEEPROMを示す。従来の,プリンタの総
印刷枚数のカウンタでは,1ワード(16ビット)のE
EPROM51〜54を用いて2進方式でカウントして
いた。 【0008】図において,51は総印刷枚数が1のとき
のメモリの状態,52は総印刷枚数が2のメモリの状
態,53は総印刷枚数が3の状態,54は総印刷枚数が
1万の状態を表す。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従来のプリンタにおけ
る総印刷枚数の記憶は,上記のように,1ワード(16
ビット)のEEPROMに,用紙一枚の印刷実行毎にメ
モリの消去と,更新したカウント値を2進方式で記憶す
るようにしていた。 【0010】ところで,EEPROMの書き換え可能な
回数は通常1万回程度であり,書き換えられるメモリの
ビット位置は下位ビットが多いので,ほぼカウント1万
回程度で書き換え不能になる。一方,プリンタの寿命
は,総印刷枚数30万〜50万枚程度もしくはそれ以上
である。 【0011】そのため,従来のカウント方式では,プリ
ンタの寿命が総印刷枚数50万枚の場合には,EEPR
OMの容量が,16ビット/ワード×50ワード=80
0ビット必要となり,プリンタ寿命がそれ以上の場合に
は,さらに多くのEEPROM容量を必要とした。 【0012】本発明は,少ない容量で,大きなカウント
値まで更新可能な電気的に書き込み消去可能な不揮発性
メモリ(EEPROM)を用いたカウンタを提供するこ
とを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明は,電気的に書き
込み消去可能な不揮発性メモリを備えたカウンタにおい
て,nビットのうちの1ビットのみを他のビットと異な
らしめ,該1ビットの位置でカウント値を表すn中1カ
ウント方式の不揮発性メモリのカウンタ(1)と,前記
n中1カウント方式のカウンタからのオーバフローをカ
ウントする2進カウント方式の不揮発性メモリのカウン
タ(2)と,それぞれのカウント方式に基づいてそれぞ
れの不揮発性メモリのカウンタを更新するカウンタ制御
部(3)とを備え,不揮発性メモリの消去した時の状態
での論理値を消去論理値,不揮発性メモリに該消去論理
値と異なる論理値を書き込む時の論理値を書き込み論理
値とした時,カウント値を表す該1ビットの論理は不
揮発性メモリの該書き込み論理であり,該他のビット
は不揮発性メモリの該消去論理値であるようにした。 【0014】図1は,本発明の基本構成を示す。図にお
いて,1は電気的に書き込み消去可能な不揮発性メモリ
(EEPROM)であって,n中1カウント方式により
カウントするカウンタ部である。2は,第1のカウンタ
部のオーバフローを2進カウント方式でカウントするカ
ウンタを設定したものである。3はカウンタ制御部であ
って,第1のカウンタ,第2のカウンタの値を読み出
し,カウント値の更新,第1のカウンタ,第2のカウン
タの書き込み制御を行うものである。4は読み出し制御
部であって,第1のカウンタおよび第2のカウンタの値
を読み出すものである。5は更新部であって,カウント
値の更新を示すカウントデータ入力に基づいて,読み出
したカウント値に1を加算して,カウント値を更新する
ものである。7はメモリ消去部であって,第1のカウン
タ,第2のカウンタを消去するものである。8はカウン
ト要求部であって,印刷実行毎にカウンタ制御部3にカ
ウント値の更新を要求するものである。 【0015】 【作用】消去は全ビットを1に書き換えることにより
う不揮発性メモリを使用する場合について説明する。そ
のようなメモリの場合には,本発明のn中1カウント方
式はカウント値は1ビットのみ0とし,他のビットは全
て値を1とする。そして,値0のビットの位置でカウン
トを表すようにし,カウント値を1加算する毎に0値の
ビット位置を左シフトしてカウント値するものとする。 【0016】図示の丸つきの番号に従って,説明する。
例えば,印刷実行処理により,カウント要求部8
は,カウント値の更新をカウンタ制御部3に指示する。 【0017】 読み出し制御部4は第1のカウンタと
第2のカウンタのデータを読み出す。 更新部5は読
み出し制御部4の読み出した値に1を加算し,カウント
値を更新する。 【0018】 書き込み制御部6は,更新部5で更新
されたカウント値を受け取る。 書き込み制御部6
は,メモリ消去部7にメモリの消去を指示する。このと
き,第1のカウンタにオーバフローが生じたときは,第
1のカウンタと第2のカウンタの両方を消去し,オーバ
フローがなかった場合は,第1のカウンタだけを消去す
るように指示する。 【0019】 メモリ消去部7は,指示された第1の
カウンタもしくは第2のカウンタを消去する。 書き
込み制御部6は,オーバフローがあった場合は第1と第
2のカウンタに更新値を書き込み,オーバフローがなか
った場合は第1のカウンタにのみ更新値の書き込み制御
を行う。 【0020】上記の構成においては,第1のカウンタ
不揮発性メモリは,消去を全ビットの値を1にすること
により行うものなので,第1のカウンタを書き換えると
きは,値0のビットが含まれるワードのみを消去すれば
良い。そのため,例えば,第1のカウンタとして,3ワ
ードで構成するとすれば,n=48で,48枚カウント
するまでに各ビットの書き換え回数は1回だけとなる。
通常EEPROMの各ビットは,1万回程度の書き換え
が可能であるので,48万回の書き換えが可能になる。
従って,上記のような構成によれば,48万枚程度のカ
ウントは可能となる。 【0021】従って,本発明によれば,例えば,4ワー
ド構成のメモリを使用する場合,第1のカウンタとして
3ワードを割り当てることにより,第2のカウンタとし
て1ワードで,48万枚のカウントが可能になる。従来
の方式においては,48万枚のカウントには1ワード
(16ビット)のEEPROM48ワード程度を必要と
していたので,本発明の方式によれば,大幅に不揮発性
メモリの使用数を削減することが可能になる。 【0022】なお,上記の構成は,メモリの消去は全ビ
ット1にすることにより行う不揮発性メモリを使用し
n中1カウント方式のメモリのカウント0値のビット
位置により表すようにしたが,全ビット位置0値に書
き換えることにより消去を行う不揮発性メモリの場合
は,第1の不揮発性メモリの1ビットのみ1値とし,
他のビットは全て0値とし,1値のビット位置により
ウント値を表すn中1カウント方式により行うようにす
る。 【0023】また,図1の構成では,メモリに記憶され
ている値の更新時に,更新部5が各カウンタから,値を
読み出すよう指示しているが,更新値を各カウンタに書
き込む際に,同じ値をレジスタに保持しておき,そのレ
ジスタの値を読み出して,更新するようにしてもよい。 【0024】 【実施例】本発明の実施例を図2に示す。図において,
211〜213は,3ワード(48ビット)のメモリを
構成し48中1カウント方式によりカウント値を記憶す
るようにしたものである。214は,3ワードのメモリ
(211〜213)からのオーバフローを2進カウント
方式によりカウントするものである。 【0025】メモリ221〜223,メモリ231〜2
33,メモリ241〜243,メモリ251〜253は
それぞれ,メモリ211〜213と同じものであり,書
き込み値が異なっている状態を表す。同様に,メモリ
24〜254も,メモリ214と同じものであり,メモ
リ254は書き込み値が他と異なる状態を表している。 【0026】図の各カウンタ(211〜213,21
4)に使用する不揮発性メモリの消去は,全ビットを1
に書き換えることにより行うものである。図のメモリの
動作を説明する。 【0027】(1) はカウント値1枚の状態を示す。即
ち,48中1カウント方式の3ワードメモリ(211〜
213)の最下位ビットのみ0で他のビットは全て1で
ある。このとき,2進カウント方式の1ワードメモリ2
14は各ビット全て0である。 【0028】(2) はカウント値2の状態を示す。即ち,
(1) の状態の48中1カウント方式の3ワードメモリの
値0の位置を1ビット左シフトされて,3ワードメモリ
(221〜223)の最下位から2番目のビット位置に
0が格納される。このとき,2進カウント方式の1ワー
ドメモリ224の各ビットは0である。 【0029】(3) はカウント値3の状態を示す。即ち,
(2) の状態の48中1カウント方式の3ワードメモリの
値0の位置が1ビット左シフトされて,3ワードメモリ
(231〜233)の最下位から3番目のビット位置に
0が格納される。このとき,2進カウント方式の1ワー
ドメモリ234の各ビットは0である。 【0030】(4) 同様にカウントを行い,カウント値が
48で,48中1カウント方式の3ワードメモリの最上
位ビットに値0が格納される。このとき,2進カウント
方式の1ワードメモリ244の各ビットは0である。 【0031】(5) カウント値が49になると,48中1
カウント方式の3ワードメモリの値0の位置がオーバフ
ロし,3ワードメモリ(251〜253)の各ビットの
値は1になる。そして,カウント制御部,オーバフロー
を検出し,2進カウント方式の1ワードメモリ254の
最下位ビットに1を格納する。 【0032】カウント値50以降は,3ワードメモリ
(48中1カウント方式のメモリ)の状態は(1) 〜(5)
を同じ順番に繰り返し,2進カウント方式の1ワードメ
モリは,3ワードメモリがオーバーフローする毎に1ず
つ加算される。 【0033】以上の処理を繰り返し,EEPROMの書
き換え可能回数に応じてきめられるカウント値までカウ
ント値を更新することができる。図3は,本発明の実施
例フローを示す。 【0034】図は,図2のメモリのカウント制御部のフ
ローを示し,カウント制御部等の装置構成は,図1と同
様である。必要に応じて図1,図2を参照する。 (1) 書き込み制御部6はカウント要求部8のカウント
要求入力を受ける。 【0035】 (2) 読み出し制御部4は,カウント値を読み出して,
更新部5にロードする。 (3) 更新部5は,ロードした下位ワード(図2におけ
ワードメモリ211〜213に対応する部分)の値
に1を加算する。 【0036】 (4) 更新部5は,EEPROMの下位3ワード部分
(図2の3ワードメモリ211〜213)にオーバフロ
ーがあるか判断する。オーバフローがあれば,(5) に進
み,なければ(8) に進む。 【0037】 (5) オーバフローがあったので,更新部5にロードし
た上位ワード(図2の1ワードメモリ214に対応する
部分)に1を加算する。 (6) 書き込み制御部6は,メモリ消去部7に,2進カ
ウント方式メモリ(図2の1ワードメモリ214)の消
去を指示する。メモリ消去部7は,2進カウント方式メ
モリを消去する。 【0038】 (7) 書き込み制御部6は,2進カウント方式メモリに
更新値を書き込む。 (8) 下位ワードにオーバフローがなかったので,書き
込み制御部6は,メモリ消去部7に48中1カウント方
式メモリ(3ワードメモリ211〜213)の消去を指
示する。メモリ消去部7は,48中1カウント方式メモ
リを消去する(消去は全ビットを1値に書き換えること
により行われる)。 【0039】(9) 書き込み制御部6は,48中1カウ
ント方式メモリに更新値を書き込む(0値を1ビット左
シフトする)。 以上の処理を繰り返し,カウント値を更新する。 【0040】本実施例によれば,メモリ消去は全ビット
を1に書き換えることにより行われる不揮発性メモリを
使用し,48中1カウント方式メモリ(図2における3
ワードメモリ211〜213)は,1ビットのみ0で他
は全てカウント値を表している1であるので,消去のた
めの書き換えは,1ビットのみとなる。そして,0値の
ビットは,最下位ビットから順次左シフトして移動する
ので,書き換えビットが平均化される。そのため,EE
PROMの最大消去回数(1ワード16ビットのメモリ
を3ワードで使用する場合,約48万回)に達するまで
のカウントることができる。 【0041】なお,上記実施例においては,48中1カ
ウント方式のカウントを0値のビット位置により行うよ
うにしたのは使用する,EEPROM消去を全ビット
を1値に書き換えることにより行うものであるためであ
って,使用する不揮発性メモリが消去を全ビット0値
に書き換えることにより行うものである場合には,1ビ
ットのみ1値を書き込み,他は全て0とし,1値のビ
ット位置によりカウント値を表すようにする。 【0042】 【発明の効果】本発明によれば,不揮発性メモリの1回
の消去処理において,実際に消去が実行されるビットは
1ビットだけであり,しかも,その位置は,1回の消去
処理毎に最下位ビットから上位ビットにかけて順番に移
動するので,メモリのビット数×消去可能回数の消去が
可能になる。 【0043】そのため,本発明によれば,少ないEEP
ROM容量で,大きいカウント値まで更新することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の基本構成を示す図である。 【図2】本発明の実施例を示す図である。 【図3】本発明の実施例フローを示す図である。 【図4】従来のプリンタの総印刷枚数のカウンタを示す
図である。 【図5】従来のカウンタのカウント方式を示す図であ
る。 【符号の説明】 1 :第1のカウンタ(EEPROM内) 2 :第2のカウンタ(EEPROM内) 3 :カウンタ制御部 4 :読み出し制御部 5 :更新部 6 :書き込み制御部 7 :メモリ消去部 8 :カウント要求部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03K 21/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求請1】 電気的に書き込み消去可能な不揮発性メ
    モリを備えたカウンタにおいて, nビットのうちの1ビットのみを他のビットと異ならし
    め,該1ビットの位置でカウント値を表すn中1カウン
    ト方式の不揮発性メモリのカウンタ(1)と, 前記n中1カウント方式のカウンタからのオーバフロー
    をカウントする2進カウント方式の不揮発性メモリのカ
    ウンタ(2)と, それぞれのカウント方式に基づいてそれぞれの不揮発性
    メモリのカウンタを更新するカウンタ制御部(3)とを
    備え,不揮発性メモリの消去した時の状態での論理値を消去論
    理値,不揮発性メモリに該消去論理値と異なる論理値を
    書き込む時の論理値を書き込み論理値とした時, カウント値を表す該1ビットの論理は不揮発性メモリ
    の該書き込み論理であり,該他のビットは不揮発性メ
    モリの該消去論理であることを特徴とする電気的に書
    き込み消去可能な不揮発性メモリを備えたカウンタ。 【請求項2】 請求項1において,カウンタ制御部
    (3)は,カウント値更新においてn中1カウント方式
    のデータをカウント値を表す該1ビットをカウント値が
    1増える毎に1ビットずつシフトし,オーバフローが生
    じた時,該2進カウント方式のカウンタをカウントアッ
    プすることを特徴とする電気的に書き込み消去可能な不
    揮発性メモリを備えたカウンタ。 【請求請3】 該不揮発性メモリの該消去論理
    「1」であり,カウント値を表す位置のnビットのうち
    の1ビットの論理値を該書き込み論理値「0」とし,他
    のビットの論理は「1」であることを特徴とする請求
    項1もしくは2に記載の電気的書き込み消去可能な不揮
    発性メモリを備えたカウンタ。
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