JP2758168B2 - 送信装置の無停電装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ （産業上の利用分野） 本発明は、例えばテレビジョン送信機、FM送信機に用
いられる送信装置の無停電装置に関する。

（従来の技術） 最近の放送事情は一瞬の停波も許されない状勢にあ
る。一般に送信局舎設備として、非常発電機を有し、電
源系統に何らかの異常が発生した場合は、発電機より電
力を供給するシステムとなっている。しかし、電源系統
の異常が雷等の予期されないものの場合、発電機立上り
時間までは、送信装置の電力が供給されず、その間放送
は停波となる。

一方、送信装置が全固体化されたことにより、使用最
高電圧がAC200Vとなったため、無停電装置を用いて、発
電機の立上りの時間については、バッテリより電力を供
給し、停波を防ぐことが行なわれている。

第４図は、従来の無停電化された送信設備の一例を示
す。10,11は送信装置であり、同軸切替器20により、そ
の出力をアンテナ30あるいはタミーロード31に供給す
る。送信装置10,11の電源は、分電盤３より供給され
る。分電盤３の入力には切替器50により、商用電源52あ
るいは発電機51の出力が選択されて加えられる。さら
に、送信装置10,11は振動部EXと電力増幅部PAより構成
される。この電力増幅部PAは第５図に示す様に、レギュ
レータ（REG）60により交流入力を直流に変換し、電力
増幅部（PA）61の電源として供給している。レギュレー
タ60の出力とバッテリ４の出力は、ダイオード62,63を
介して結合されていて、バッテリ４の電圧はレギュレー
タ60の出力よりわずかに低くしている。

従って、レギュレータ60に交流入力がある場合は、レ
ギュレータ60より電力増幅部61に電力が供給される。商
用電源52からの入力が無くなった場合、発電機51が立上
り、生起電圧にたっするまでは、バッテリ４より電力増
幅部PA61に電力を供給する。

第４図に示す様に２台（現用機、待期機）の送信装置
10,11の場合は、送信装置10に対してバッテリ４、送信
装置11に対してバッテリ４′が必要であるため、送信出
力が大きくなればなる程バッテリ容量も大なるものが必
要であり、大形で高価となる欠点があった。

（発明が解決しようとする課題） 以上に述べたように従来の無停電装置では、各送信装
置にそれぞれ対応してバッテリが必要であるため、送信
出力が大きくなればなる程、バッテリ容量も大なものが
必要となり、大型で高価となる。

そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、バッテリ容量を小さくし得、以て小形で安価にし得
る送信装置の無停電装置を提供することを目的とする。

［発明の構成］ （課題を解決するための手段と作用） 上記目的を達成するために本発明では、電源に異常が
発生した場合に発電機よりの出力電力が供給される複数
台の電力増幅部を含む送信装置と、この複数台の送信装
置の電力増幅部に切替回路を介して接続された前記送信
装置１台分の容量のバッテリと、前記複数台の送信装置
のうち現用の送信装置をアンテナに切替接続する切替器
と、この切替器からの複数台の送信装置のどれがアンテ
ナに接続されているかの信号と、放送中かどうかの起動
信号とをアンド処理した信号により前記切替回路を切替
えて、前記アンテナに接続されている送信装置の電力増
幅部を前記バッテリを接続する制御回路とを具備するこ
とを特徴とするものであり、バッテリの容量は送信装置
の現用機分とし、切替回路と制御回路により、現用機の
みに、バッテリを接続するものである。

（実施例） 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。即ち、第１図は本発明の一実施例を示し、送信装置
10,11は同軸の切替器20により、その出力をアンテナ30
あるいはダミーロード31に供給する。送信装置10,11の
電源は、分電盤３より供給される。分電盤３の入力には
切替器50により、商用電源52あるいは、発電機51の出力
が選択されて加えられる。前記送信装置10,11は励振部E
Xと電力増幅部PAより構成される。前記送信装置10,11は
切替回路２を介してバッテリ４が接続される。前記切替
回路２は制御回路１により制御される。

即ち、切替回路２はバッテリ４の出力の切替回路であ
り、送信装置10,11のうち、現用機のみバッテリ４に接
続される。制御回路１は、現用機を判別し、切替回路２
の接続を制御する。

第２図は制御回路１と切替回路２の信号の流れを示
す。即ち、同軸切替器20により送信装置10がアンテナ30
に接続された場合には信号S11が制御回路１の第１のア
ンド回路A1の一方の入力端に加えられ、同軸切替器20に
より送信装置11がアンテナ30に接続された場合には信号
S12が制御回路１の第２のアンド回路A2の一方の入力端
に加えられる。前記各アンド回路A1,A2のそれぞれ他方
の入力端には放送中かどうかの情報、すなわち起動信号
S3が加えられる。前記第１のアンド回路A1の出力端には
切替回路２の第１の接点K1をオンする信号S21が出力さ
れ、前記アンド回路A2の出力端には切替回路２の第２の
接点K2をオンする信号S22が出力される。

以上のように、制御回路１へは、同軸切替器20から送
信装置10,11のどちらがアンテナ30側（現用機）かの情
報と、放送中かどうかの情報（起動信号）を入力し、制
御回路１の内部でアンド処理を行ない、切替回路２の接
点K1あるいはK2のどちらかをオンする。

上記構成によれば、現用機のみ無停電化されているの
で、バッテリは送信装置１台分の容量でよく、小形で安
価である。

第３図は本発明の他の実施例を示し、送信装置が３台
方式の場合である。即ち、送信装置10〜12は定格送信出
力の1/2の出力であり、同軸切替器20〜22により、２台
を選択して合成回路23により定格出力を得ている。本実
施例の場合は切替回路２が３回路になるだけで、動作と
しては上記実施例と同様である。３台方式は、大電力送
信所に用いられている方式であり、バッテリ容量が大な
ので、金額的な効果は大である。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明によれば、バッテリの容量は
送信装置１台分とし、切替回路と制御回路により、現用
機のみにバッテリを接続することにより、バッテリ容量
を小さくでき、小形で安価にできる送信装置の無停電装
置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す回路図、第２図は第１
図の切替回路及び制御回路の一例を示す回路図、第３図
は本発明の他の実施例を示す回路図、第４図及び第５図
は従来の送信装置の無停電装置を示す回路図である。 １……制御回路、２……切替回路、３……分電盤、４…
…バッテリ、10,11……送信装置、20……同軸切替器、3
0……アンテナ、31……ダミーロード、51……発電機。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電源に異常が発生した場合に発電機よりの
   出力電力が供給される複数台の電力増幅部を含む送信装
   置と、 この複数台の送信装置の電力増幅部に切替回路を介して
   接続された前記送信装置１台分の容量のバッテリと、 前記複数台の送信装置のうち現用の送信装置をアンテナ
   に切替接送する切替器と、 この切替器からの複数台の送信装置のどれがアンテナに
   接続されているかの信号と、放送中かどうかの起動信号
   とをアンド処理した信号により前記切替回路を切替え
   て、前記アンテナに接続されている送信装置の電力増幅
   部に前記バッテリを接続する制御回路と を具備することを特徴とする送信装置の無停電装置。