JP2756972B2 - クリーム状起泡性油脂組成物 - Google Patents

クリーム状起泡性油脂組成物

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JP2756972B2 JP63166196A JP16619688A JP2756972B2 JP 2756972 B2 JP2756972 B2 JP 2756972B2 JP 63166196 A JP63166196 A JP 63166196A JP 16619688 A JP16619688 A JP 16619688A JP 2756972 B2 JP2756972 B2 JP 2756972B2
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暢之 青井
則昭 門田
義郎 戸田
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【発明の詳細な説明】 本発明は、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファ
チジルエタノールアミン、リゾホスファチジルイノシト
ール、リゾホスファチジルセリンの1種又は2種以上の
混合物を総リン脂質中に70重量%以上含む加水分解酵素
レシチンを含有することを特徴とするクリーム状起泡性
油脂組成物に関する 〔産業上の利用分野〕 クリーム状起泡性油脂組成物は、高価な生クリームの
代替品として菓子食品に広範囲に渡って使用されてい
る。
〔従来の技術〕
クリーム状起泡性油脂組成物に関しては、グリセリン
脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ショ糖脂
肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,プロピ
レングリコール脂肪酸エステル,有機酸モノグリセリド
及びレシチン等の乳化剤の少なくとも1種以上と特定の
融点範囲を有する油脂及び乳固形分を含有する水溶液と
を混合乳化し、均質化する方法(特開昭53−98310,昭58
−86056,昭59−51739等)が周知である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来使用されてきた乳化剤、即ちグリセリン脂肪酸エ
ステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エス
テル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,有機酸モノグリ
セリド,プロピレングリコール脂肪酸エステル等の合成
乳化剤をそれぞれ単独で使用して調製されたクリーム状
起泡性油脂組成物は、生クリームに比較してオーバーラ
ンが出過ぎる為に食感が劣る、あるいは保形性が悪いと
いった欠点が指摘されている。天然乳化剤であるレシチ
ンを使用した場合には、脂肪球凝集により保形性は高ま
るものの、クリーム粘度が著しく増加して作業性を悪く
する欠点がある。
この様な問題点を解決するために先記の如く各種乳化
剤の併用系が考案されてきたが、未だ満足できるクリー
ム状起泡性油脂組成物は得られていない。
〔問題を解決するための手段〕
本発明は上記の問題点を解決するために成されたもの
で、天然物から得られるレシチンを加水分解酵素処理し
て機能性を高めた酵素処理レシチンをクリーム状起泡性
油脂組成物に配合する事により生クリームに類似したオ
ーバーランが得られると共に保形性及び耐熱性等の物性
に優れ、かつ食感等の風味面にも優れたクリーム状起泡
性油脂組成物をはじめて提供可能とした。
即ち本発明は、上昇融点15〜46℃の油脂25〜55重量
%,乳固形分を含有する水溶液45〜75重量%,加水分解
酵素処理レシチン0.05〜5重量%とを混合乳化する事を
特徴とするクリーム状起泡性油脂組成物に関するもので
ある。
本発明において使用される油脂は、ヤシ油,パーム
油,大豆油等の植物油脂,種々の動物油脂及びこれらの
分別脂又は水素添加油等の食用油脂であり、単独あるい
は二種以上の混合物であってその上昇融点が15〜46℃の
ものが使用できるが、好ましくは20〜40℃のものが良
い。油脂の融点が上記の範囲を逸脱する場合は、クリー
ムの保形性が劣化して食感を損ねる事となる。
本発明において使用する乳固形分とは、脱脂乳固形分
を指し、油脂量に対して15%以上が水溶液中に含有され
ていれば良い。
本発明品中の油脂量は25〜55重量%,乳固形分を含有
する水溶液量は45〜75重量%の範囲であることが必要
で、油脂量が55重量%より多くなり、水溶液量が45重量
%より少なくなると可塑化現象を呈して好ましくない。
また、油脂量が25重量%より少なくなり、水溶液量が75
重量%より多くなるとクリーム状起泡性油脂組成物とし
ての性能が得られない。
本発明の加水分解酵素処理レシチンとは、大豆,卵黄
等の天然物から得られるレシチン(1,2−ジアシルグリ
セロリン脂質)をホスフォリパーゼ,リパーゼ等の加水
分解酵素により部分加水分解してリゾレシチン(1−モ
ノアシルグリセロリン脂質)へと改質し、反応中に生成
する遊離脂肪酸及び原料由来の他の脂溶成分を有機溶剤
により分離除去して精製したリゾレシチン成分、即ちリ
ゾホスファチジルコリン,リゾホスファチジルエタノー
ルアミン,リゾホスファチジルイノシトール及びリゾホ
スファチジルセリンの1種又は2種以上の混合物を総リ
ン脂質中に70重量%以上含むもので、レシチン本来の乳
化特性を損なうこと無く水中油型乳化能を発揮する天然
乳化安定剤を指す。この効果を発揮するに好ましい配合
量は0.05〜5重量%であり、0.05重量%未満では本発明
の効果が発揮され難く、5重量%以上では製品の風味を
低下させる事となる。また、本発明でいう混合乳化の方
法としては公知の如何なる乳化方法を用いても差し支え
ない。
〔作用〕
本来、レシチンは生物の細胞膜の主たる構成成分であ
り、ホスファチジルコリン,ホスファチジルエタノール
アミン,ホスファチジルイノシトール及びホスファチジ
ルセリン等の混合物の総称であるが、各成分はそれぞれ
の極性基に基づく独特の界面活性を有しており、レシチ
ンの乳化力はこれらの総合力だといえる。しかし、レシ
チンを用いたクリーム状起泡性油脂組成物は、保形性及
び耐熱性に優れているが、粘度が高く可塑性を呈し、起
泡性に乏しいという欠点を有する。また、先述のショ糖
脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,有機
酸モノグリセリド等の親水性乳化剤を使用した場合は、
耐熱性が弱いものの、起泡性が高く、造花性に優れてい
る事が知られている。この両者を併用する事で相互の欠
点が相殺されて非常に良好なクリーム状起泡性油脂組成
物が得られる事も周知であるが、生クリームを形成する
天然乳化成分とは、根本的性状が異なる物質の配合では
目的とする生クリームの性質及び食感を得る事は難し
い。
本発明に用いる酵素処理レシチンは、レシチンの2位
の脂肪酸部分を部分加水分解したもので、リゾホスファ
チジルコリン,リゾホスファチジルエタノールアミン,
リゾホスファチジルイノシトール及びリゾホスファチジ
ルセリンの一種又は2種以上の混合物を主成分とする。
故に、レシチンとしての極性基に由来する特性を維持し
たまま水和力が高められて親水性を呈する事となり、保
形性,耐熱性及び造花性に優れ、ホイップ時間が短時間
でかつオーバーランが適度な生クリームに近似した食感
を持つクリーム状起泡性油脂組成物の製造を可能とし
た。更に、本発明で使用する加水分解酵素処理レシチン
の界面活性は、従来のレシチンよりも数倍に向上してい
るので、添加適量を減じた場合でも効果を発揮できる。
本発明のクリーム状起泡性油脂組成物には、ビタミン
類,有機酸及びその塩類,増粘安定剤,甘味料,着色
料,香料等を任意に加える事ができ、本発明の効果がこ
れらの物質により阻害される事は無い。
次に、実施例及び比較例によって本発明を具体的に説
明するが、その結果により本発明の効果及び用途が限定
されるものではない。
〔比較例〕 試験方法 脱脂粉乳4重量部及びカゼインナトリウム1重量部を
水50重量部に溶解し、所定の乳化剤を所定量溶解又は均
一分散させた油脂組成45重量部を加えてホモミキサーを
用いて70℃で10分間予備乳化後、ホモジナイザーにより
50+50Kg/cm2の2段の圧力で乳化し、80℃で15分間滅菌
後氷浴中にて5℃まで冷却し、冷蔵庫中で一晩エージン
グ後、粘度,ホィップ時間,オーバーラン,造花性,保
形性,耐熱性を測定、観察する。粘度測定はB型粘度計
を使用し、耐熱性についてはオートクレーブ(121℃,15
分間)を使用した。
乳化剤種類及び使用量 (1).レシチン;SLP−ホワイト,ツルーレシチン工業
(株)製 (2).グリセリン脂肪酸エステル;サンソフト#800
0,太陽化学(株)製 (3).ソルビタン脂肪酸エステル;サンソフト#81S,
太陽化学(株)製 (4).ショ糖脂肪酸エステル;S−770,リョートー
(株)製 (5).ポリグリセリン脂肪酸エステル;サンソフト#
Q−18S,太陽化学(株)製 (6).クエン酸モノグリセリド;サンソフト#621B,
太陽化学(株)製 (7).対照;生クリーム,乳脂肪47% (1)〜(6)の乳化剤使用量は、各0.5重量%であ
る。
上記乳化剤を用いて調製したクリーム状起泡性油脂組
成物の評価結果を表1に示した。
(実施例1) 脱脂粉乳4重量部,加水分解酵素処理レシチン(水溶
性レシチンS,太陽化学(株)製)0.5重量部を水50重量
部に溶解し、70℃に加熱する。該水溶液に大豆硬化油
(上昇融点38℃)30重量部とヤシ硬化油(上昇融点34
℃)15重量部を70℃で融解混合した油脂を加えてホモミ
キサーで10分間予備乳化し、更に50+50Kg/cm2の2段の
圧力でホモジイナイザーを通して均質化を行った後、80
℃で15分間殺菌して、次いで氷浴中で冷却してから冷蔵
庫内で一晩エージングしてクリーム状起泡性油脂組成物
を得た。
このクリーム状起泡性油脂組成物を比較例と同様の操
作により評価したところ、表1に示した様に良好な食感
と、生クリームに類似した性状を呈した。更に、121℃,
15分間の耐熱試験に供したが、性状の変化は殆ど見られ
なかった。
(実施例2) 菜種硬化油(上昇融点36℃)37重量部、ヤシ硬化油13
重量部を70℃で予め融解混合し、改質レシチン0.5重量
部を加えて均質分散させて油脂組成物を得る。該油脂組
成物と乳固形分8%の脱脂乳50重量部を混合し、実施例
1と同様の操作にて均質化、エージングしてクリーム状
起泡性油脂組成物を得た。得られたクリーム状起泡性油
脂組成物は、実施例1と同様に良好な結果を呈した。
〔発明の効果〕
本発明は、菓子食品分野に天然組成の生クリーム代替
品を提供するもので、従来品質のバラツキが欠点であっ
た生クリームの性状を再現しながら品質を定格化したク
リーム状起泡性油脂組成物の製造を可能とした。また、
本発明によるクリーム状起泡性油脂組成物を生クリーム
に配合する事で既存生クリームの品質を一定化する事も
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 長孝 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽 化学株式会社内 審査官 平田 和男 (56)参考文献 特開 昭61−162148(JP,A) 特開 昭61−174938(JP,A) 特開 昭58−86056(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リゾホスファチジルコリン、リゾホスファ
    チジルエタノールアミン、リゾホスファチジルイノシト
    ール、リゾホスファチジルセリンの1種又は2種以上の
    混合物を総リン脂質中に70重量%以上含む加水分解酵素
    レシチンを含有することを特徴とするクリーム状起泡性
    油脂組成物
JP63166196A 1988-07-04 1988-07-04 クリーム状起泡性油脂組成物 Expired - Lifetime JP2756972B2 (ja)

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