JP2756610B2 - 靴底の製造方法 - Google Patents

靴底の製造方法

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JP2756610B2
JP2756610B2 JP2140420A JP14042090A JP2756610B2 JP 2756610 B2 JP2756610 B2 JP 2756610B2 JP 2140420 A JP2140420 A JP 2140420A JP 14042090 A JP14042090 A JP 14042090A JP 2756610 B2 JP2756610 B2 JP 2756610B2
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、バレーボールシューズ,バトミントンシュ
ーズ,卓球シューズ等の室内競技用シューズに使用され
る靴底の製造方法に関し、具体的には、爪先部及び踵部
等の側面に靴底の周縁を立ち上げた言わゆる巻き上げ構
造の靴底であって、胛被下部への接着の際に巻き上げ工
程を省略することのできる該靴底の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
例えば、バレーボールシューズ,バトミントンシュー
ズ,卓球シューズ等の室内競技用シューズに使用される
靴底として、爪先部及び踵部等の側面に靴底の周縁を立
ち上げて靴の防滑性を向上させた巻き上げ底がある。
従来、この巻き上げ底は、一般に、加硫時の弾性回復
率が小さい未加硫ゴム配合物を、靴底の意匠面を付形す
る靴底意匠付形面を有する意匠モールドと、この意匠モ
ールドに嵌合される蓋モールドとからなる靴底成形用金
型の内部に成形される靴底成形用空隙内に入れ、その後
この靴底成形用金型を常温又は比較的低温で加圧嵌合し
て靴底を成形するコールドプレス法によって製造してい
る。
このときの靴底形用金型の温度は、意匠モールド及び
蓋モールドとも同一で、加硫が生じない常温又は70〜90
℃程度の低温に設定する。
また、上記の未加硫ゴム配合物は、通常、表面に滑剤
である融点116℃のステアリン酸亜鉛の粉末を散布(す
なわち、打粉)した平滑なシート状のものを使用する。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、従来の靴底の製造方法では、前述したよう
に、意匠モールド及び蓋モールドとも同一で、しかも比
較的低温であるため、次のような問題があった。
先ず、靴底製造原料である未加硫ゴム配合物の平滑な
シートが、上記両モールドとも低温であるために、充分
に軟化することができず、意匠モールドの靴底意匠付形
面の凹凸形状に馴染み難く、靴底意匠面の付形が不良と
なる場合があった。
次に、靴底成形後の金型離脱(すなわち、脱型)の際
に、上記両モールドとも同一温度であるために、これら
モールドの何れの側に付着するかが、製造ケース毎に異
なり、脱型作業を困難としていた。
しかも、上記両モールドの温度に比較して、未加硫ゴ
ム配合物シートの表面に打粉されるステアリン酸亜鉛の
融点が116℃と高いため、この加熱された金型を加圧嵌
合して靴底を成形するとき、この打粉が溶融せず、未加
硫ゴム配合物内へ移行しないで、意匠モールドの靴底意
匠付形面に堆積し、意匠モールドを汚したり、特に付形
される意匠がシャープな場合には、意匠の再現性を不充
分とする虞れもあった。
本発明者等は、このような問題を解決するために、先
に、意匠モールドと蓋モールドの温度を変えると共に、
該意匠モールドの温度を従来のコールドプレス法では考
えられなかった100〜130℃(特願平1-281770号)あるい
は130℃以上(特願平2-74749号)と高い温度として、前
述の巻き上げ構造の靴底を製造する方法を提案した。
これら先提案の方法によれば、意匠モールドの温度が
高いために、上記の問題は悉く解消されるが、製造され
る靴底は平坦なものであるため、胛被との接着の際に、
該靴底の周縁部を胛被下部へ巻き上げる工程を必要とす
る。
この巻き上げ工程は、熟練を要する手作業で行わざる
を得ないため、巻き上げ底を有する室内球技用靴の生産
性を低下させているのみならず、製造コストアップの要
因ともなっている。
そこで、本発明は、前述の従来の巻き上げ底の製造方
法に見られる問題点と、上記した本発明者等による先提
案の製造方法に残存する生産性やコスト等の問題点を同
時に解消することのできる靴底の製造方法を提案するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の靴底の製造方法は、前述の目的を達成するた
めに、靴底に意匠を付形する靴底意匠付形面及び少なく
とも爪先部と踵部とに立ち上がり部を有する意匠モール
ドと、該意匠モールドに嵌合される蓋モールドとからな
る靴底成形用金型の靴底成形用空隙内に、前記両モール
ドを130〜180℃として、又は意匠モールドを130〜180
℃,蓋モールドを60〜90℃として、加硫速度の異なる2
枚の未加硫ゴム配合物シートからなる未加硫ゴム配合物
を、加硫速度の速い未加硫ゴム配合物シートを意匠モー
ルド側に、加硫速度の遅い未加硫ゴム配合物シートを蓋
モールド側に位置させて装填し、次いで該金型を加圧嵌
合して少なくとも爪先部と踵部とに立ち上がり部を有す
ると共に、外周面が加硫状態、内周面が未加硫状態の靴
底を成形することを特徴とする。
〔作用〕
本発明方法では、先ず、意匠モールド,蓋モールドと
も130〜180℃(なお、この場合は、両モールドを同一温
度にしてもよいし、130〜180℃の範囲内で意匠モールド
と蓋モールドの温度を異ならせてもよく、後者の場合は
意匠モールドを高温とし、蓋モールドを低温とすること
が好ましい))、又は意匠モールドを130〜180℃,蓋モ
ールドを60〜90℃とした靴底成形用金型の靴底成形用空
隙内に、加硫速度の異なる2枚の未加硫ゴム配合物シー
トからなる未加硫ゴム配合物を、加硫速度の速い未加硫
ゴム配合物シートを意匠モールド側に、加硫速度の遅い
未加硫ゴム配合物シートを蓋モールド側に位置させて装
填する。
次いで、この靴底成形用金型を加圧嵌合して靴底を成
形する。
このとき、意匠モールド,蓋モールドとも130〜180℃
と高温にする場合は、蓋モールド側に加硫速度の遅い未
加硫ゴム配合物シートが位置し、意匠モールド側に加硫
速度の速い未加硫ゴム配合物シートが位置していること
から、上記の2枚のシートからなる未加硫ゴム配合物
は、意匠モールド側(すなわち、靴底の外周面)におい
ては加硫された状態となる一方、蓋モールド側(すなわ
ち、靴底の内周面)においては、加硫は進まず、未加硫
状態を維持する。
また、意匠モールドを130〜180℃,蓋モールドを60〜
90℃とする場合も、意匠モールド側に加硫速度の速い未
加硫ゴム配合物シートが位置し、蓋モールド側に加硫速
度の遅い未加硫ゴム配合物シートが位置ていることか
ら、意匠モールド側(靴底の外周面)は加硫状態とな
り、蓋モールド側(靴底の内周面)は未加硫状態を維持
する。
そして、上記の加硫速度の異なる両シートの界面は、
充分に融着し合って、あたかも1枚のシート様を呈す
る。
また、上記の意匠モールドは、靴底に意匠を付形する
靴底意匠付形面及び少なくとも爪先部と踵部とに立ち上
がり部を有する構造であるため、上記のゴム配合物は、
この意匠付形面及び立ち上がり部により、靴底意匠が付
形されると共に、少なくとも爪先部と踵部が立ち上がっ
た形状に付形されて、靴底が成形される。
このようにして成形される靴底は、脱型後であって
も、外周面が加硫されているため、型崩れすることな
く、少なくとも爪先部と踵部が立ち上がった形状を良好
に保持する。
このため、本発明方法で成形される靴底を、胛被下部
に接着させる際には、例えば、胛被を吊り込んだラスト
モールドに靴底を内周面側から嵌め込むか、あるいは該
ラストモールドを該靴底の内周面に嵌め込む等するのみ
でよく、従来の熟練を要する手作業による巻き上げ工程
は不要となる。
なお、このとき、靴底の内周面は、未加硫状態である
ため、充分な接着強度を得ることができる。
また、両モールド又は意匠モールドが130〜180℃と比
較的高温であるため、加圧嵌合時の上記の2枚のシート
からなる未加硫ゴム配合物の流動粘度が低くなり、意匠
モールドに馴染み易く、少なくとも爪先部と踵部が立ち
上がった形状の付形が良好となると共に、意匠の付形も
良好となる。
加えて、靴底成形後の脱型時においては、意匠モール
ドに接している靴底の外周面が加硫された状態となって
いるため、意匠モールド側から離脱し易く(換言すれ
ば、蓋モールド側に付着し易く)なり、脱型作業時の意
匠の歪みや変形等の防止を配慮する必要がなく、脱型作
業が容易となる。
そして、未加硫ゴム配合物の表面に打粉されたステア
リン酸亜鉛等の高融点の滑剤も、高温の両モールド又は
意匠モールドの熱により溶融して、該ゴム配合物内に移
行し、意匠モールドへの未溶融滑剤の付着を原因とする
意匠モールドの汚れ及び靴底に付形される意匠の再現性
の低下をも防止することができる。
更に、靴底外周面が加硫された状態となっているた
め、上記の胛被下部との接着工程や運搬工程等におい
て、靴底同士あるいは他物との接触があっても、上記の
少なくとも爪先部と踵部が立ち上がった形状及び意匠の
型崩れや、損傷を生ずることはない。
〔実施例〕
本発明方法の実施例を、卓球靴を製造する場合を例に
採り、図面を参照して説明する。
先ず、靴底成形材料として、第1図に示すように、加
硫速度の速い未加硫ゴム配合物シート1aと、加硫速度の
遅い未加硫ゴム配合物シート1bからなるシート状の未加
硫ゴム配合物1(表面に滑剤としてステアリン酸亜鉛を
打粉している)を用意する。
なお、加硫速度の速い未加硫ゴム配合物シート1aと、
加硫速度の遅い未加硫ゴム配合物シート1bの厚さは、同
じでもよいし、靴底外周面の加硫をより促進させるため
に加硫速度の速い未加硫ゴム配合物シート1aの厚さを薄
くしてもよい。
また、上記両シート1a,1bは、カレンダー処理する等
して予め積層しておいてもよいし、2枚のシート1a,1b
を積層することなく夫々使用することもできる。
次いで、この未加硫ゴム配合物1を、第2図に示すよ
うに、靴底意匠付形面21,爪先部の立ち上がり部22及び
踵部の立ち上がり部23を有する意匠モールド2と、該意
匠モールド2に嵌合される蓋モールド3とからなる靴底
成形用金型Mの靴底成形用空隙部4内に入れる。
このとき、意匠モールド2及び蓋モールド3とも130
〜180℃、好ましくは150〜160℃とするか、あるいは意
匠モールド2のみを上記温度とし、蓋モールド3を60〜
90℃、好ましくは70〜80℃に調整する。
意匠モールド2及び蓋モールド3あるいは意匠モール
ド2が130℃未満であると、前述のような作用が発揮で
きなくなると共に、ゴムの流動性が悪くなり、意匠欠け
が生じるばかりでなく、前述の少なくとも爪先部と踵部
が立ち上がった形状への付形も良好に行われなくなる。
一方、180℃を越えても、加硫速度の速いシート1aの加
硫は180℃以下で完了するため、熱経済上好ましくな
い。
意匠モールド2を130〜180℃とする場合の蓋モールド
3を60〜90℃とするのは、60℃未満であると、ゴムが流
れ難くなり、90℃を越えると、上記の意匠モールド2,蓋
モールド3とも130〜180℃とする場合に近づき、両モー
ルドの温度を変える意味がなくなってしまうからであ
る。
また、上記の加硫速度の速い未加硫ゴム配合物シート
1a及び加硫速度の遅い未加硫ゴム配合物シート1bは、両
者とも常温又は比較的低温で可塑性を有し、かつ加硫時
に弾性回復率が小さい未加硫のゴム配合物で、そのゴム
原料としては、例えばポリブタジエン,天然ゴム,ポリ
イソプレン,ブタジエン−アクリロニトリル共重合体,
スチレン−ブタジエン共重合ゴム,スチレン−クロロプ
レン共重合ゴム,ビニルピリジン−ブタジエン共重合ゴ
ム等が使用され、特にスチレン−ブタジエン共重合ゴム
〔SBR(例えば、商品名:ソルプレン)〕,ポリイソプ
レン(IR)が好ましく使用される。
これらのゴム原料に添加される充填剤として例えば無
水珪酸系充填剤が使用でき、該無水珪酸系充填剤として
は、例えば一般にホワイトカーボンと称される無水珪酸
と少量の水分を含有する補強性充填剤で、ハイシール,
カープレックス,ニプシールVN-3,トクシールTP等の商
品名で市販されているものが使用できる。
これら無水珪酸系充填剤の外に、ゴム用配合物として
一般に使用されている硫黄,加硫促進剤等を同時に混和
使用することができ、更に一般に使用されている種々の
添加剤を添加することもできる。
上記の無水珪酸系充填剤の添加量は、上記両シート1
a,1bとも、ゴム原料100重量部に対して30〜60重量部、
好ましくは40〜50重量部であり、30重量部未満である
と、分出しゴムシートの肌が荒れて不安定となり、60重
量部を越えると、ゴムが硬くなり過ぎる。
また、上記の加硫促進剤の添加量は、加硫速度の速い
ゴムシート1aには、意匠モールドの温度(130〜180℃)
で、かつ後述する加圧嵌合条件下で、充分に加硫する程
度の量、具体的にはゴム原料100重量部に対して2〜3
重量部とする。一方、加硫速度の遅いゴムシート1bに
は、蓋モールドの温度(130〜180℃又は60〜90℃)で、
かつ後述する加圧嵌合条件下では、加硫しないが、後述
する仕上げ加硫条件下では、充分に加硫する程度の量、
具体的にはゴム原料100重量部に対して1.8〜2.2重量部
とする。
なお、加硫速度の遅いゴムシート1bには、加硫を遅延
させるために、無水フタール酸,安息香酸,サリチル酸
の他、SCONOC(大内新興社製商品名),SUMITARD-XL(住
友化学社製商品名),Santguad PVI(Monsant社製商品
名)等の遅延剤(リターダ)を配合することもでき、こ
の場合の遅延剤の添加量は、余り多い過ぎると仕上げ加
硫時にも加硫しなくなり、余り少な過ぎても添加効果が
なくなるため、上記のゴム原料と加硫促進剤との合計量
100重量部に対し、0.1〜1.0重量部とすることが好まし
い。
上記のようにしてシート状の未加硫ゴム配合物1を靴
底成形用空隙4内に装填した後、第3図に示すように、
靴底成形用金型Mを加圧嵌合し、靴底12を成形する。
このときの加圧嵌合には、一般に使用されているプレ
ス機(図示省略)が使用できる。
この加圧時の圧力は、100〜200Kg/cm2、好ましくは14
0〜160Kg/cm2であり、100Kg/cm2未満であると、加圧が
弱く、意匠の付形が不良となり、厚さがばらつくことが
あり、200Kg/cm2を越えるとモールドが破損し易くな
る。
加圧時間は、10秒〜3分、好ましくは30秒〜3分であ
り、10秒未満では均一な厚さが出難く、3分を越えると
未加硫ゴム配合物1が蓋モールド側まで加硫されてしま
う。
以上のようにして、靴底12が、意匠モールド2に接す
る外周面12aが加硫状態、蓋モールド3に接する内周面1
2bが未加硫状態で成形される。
そして、この加硫状態の外周面12bに、第1図に示す
意匠モールド2の靴底意匠付形面21による意匠が付形さ
れると共に、意匠モールド2の爪先部と踵部の立ち上が
り部22,23による立ち上がり部12c,12dが形成される。
第4図(A),(B)は、脱型後の靴底12を示す図
で、同図(B)は同図(A)のA−A線断面図である。
同図(A),(B)に示すように、上記の加硫速度の
速いシート1aと加硫速度の遅いシート1bとの界面は完全
に融着し、靴底12は1枚のシートで製造されたような外
観を呈する。
また、同図(A),(B)では、靴底12の接地面及び
爪先部及び踵部の立ち上がり部12c,12dの加硫状態の外
周面全面に意匠を付形したものを示しているが、意匠は
接地面のみに付形してもよい。
更に、本例では、爪先部と踵部のみに立ち上がり部12
c,12dを設けたが、靴底の側面全体に立ち上がり部を設
けることもできる。
上記の脱型後、第5図に示すように、靴底12の内周面
12bに、胛被5を吊り込んだラストモールド6を矢印方
向に押し込んで嵌め込む。
なお、この胛被5の靴底12との接着面には接着剤が塗
布されており、靴底12の内周面12bは溶剤で拭かれてい
る。
上記の嵌め込みの後、通常の水圧圧着機(図示省略)
を用いて、上記の胛被5と靴底12を圧着する。
この後、例えば、130℃,空気圧3Kg/cm2の間接加硫缶
内に55分間入れて靴底及び接着剤を仕上げ加硫する。
第6図は、以上のようにして製造される卓球靴を示し
ている。
同図に示すように、この卓球靴は、爪先部12cと踵部1
2dが巻き上がった靴底12を有している。
なお、第2,3図に示す本発明方法による靴底12の製造
工程と、第5図に示す靴底12と胛被5との接着工程との
間が、距離的あるいは時間的に離れている場合、靴底12
を複数積み重ねて運搬あるいは保管する必要があり、こ
のとき上方に積み重ねられる複数の靴底12の重量によ
り、下方の靴底12が型崩れする懸念がある。この対策と
しては、例えば、靴底12の内周面が未加硫状態で大きい
弾性回復率を維持していることを利用し、第7図に示す
ような靴底台7を用い、該台7の上に複数の靴底12を次
々と被せて重ね、この状態で運搬あるいは保管するよう
にすればよい。
以上の要領で、実際に、巻き上げ底を有する卓球靴を
製造したところ、高温の意匠モールド2により加硫速度
の速い未加硫ゴム配合物シート1aと加硫速度の遅い未加
硫ゴム配合物シート1bからなる未加硫ゴム配合物1が充
分に加熱されて流動粘度が低くなり、意匠モールド2の
意匠付形面21及び爪先部と踵部の立ち上がり部22,23に
良好に馴染み、意匠の付形及び第4図(A),(B)に
示す形状への付形が良好に行われた。
また、脱型時、靴底12は、蓋モールド2側に付着して
おり、脱型作業が容易となった。
更に、未加硫ゴム配合物1の表面に打粉したステアリ
ン酸亜鉛が完全に溶融して靴底12内へ移行し、意匠モー
ルド2への残留堆積は見られず、意匠付形の再現性が良
好であった。
そして、脱型後、十数個の靴底12を第7図に示す靴底
台7に被せて積み重ね、約24時間放置しておいたが、型
崩れは見られなかった。
なお、以上の実施例では、加硫速度の速いシート1a,
加硫速度の遅いシート1bとも単一素材を使用した卓球靴
の靴底の例を説明したが、これら両シート1a,1bとも例
えば異色又は異質の材料を使用した他の室内競技用靴の
靴底にも適用でき、この場合には高温の意匠モールドに
より各材料の融着性が良好となる。
〔発明の効果〕
以上詳述したように、本発明方法によれば、意匠モー
ルドに接する側(靴底の外周面)のゴム配合物が加硫さ
れた状態となる一方で、蓋モールドに接する側(靴の内
周面)のゴム配合物は未加硫状態を維持することができ
る。
このため、靴底意匠付形面の外に少なくとも爪先部と
踵部とに立ち上がり部を有する意匠モールドにより付形
される意匠及び少なくとも爪先部と踵部とが立ち上がっ
た形状が、脱型後、型崩れすることなく、良好に保持さ
れると共に、未加硫状態の靴底内周面による胛被との接
着性も良好に維持される。
そして、脱型された靴底が上記の形状を保持している
ために、該靴底と胛被との接着に際し、従来のような熟
練を要する手作業による巻き上げ工程を行う必要がな
く、単に、胛被を吊り込んだラストモールドに該靴底を
嵌め込むか、あるいは該ラストモールドを該靴底に嵌め
込む等するのみでよく、生産性が大幅に向上し、製造コ
ストの大幅な低減を図ることができる。
また、高温の意匠モールド及び蓋モールドにより、あ
るいは意匠モールドにより、加圧嵌合時の未加硫ゴム配
合物の流動粘度を低くでき、意匠モールドへの馴染みを
良好とし、上記の形状及び意匠の付形を鮮明なものとす
ることができる。
加えて、成形後の靴底は、意匠モールドに接している
側が加硫されて離脱し易くなっていることから、蓋モー
ルド側に残存し、脱型作業の容易化を図ることができ
る。
更に、未加硫ゴム配合物の表面に打粉される高融点の
滑剤が、高温の意匠モールド,蓋モールドあるいは意匠
モールドにより完全に溶融されて、ゴム配合物内に移行
し、意匠モールドへの未溶融滑剤の付着を解消すること
ができ、この結果として、意匠の再現性をも向上させる
ことができる。
しかも、上記のように靴底の外周面が加硫されている
ため、上記の胛被下部との接着工程あるいは運搬工程等
において、靴底同士あるいは他物と接触することがあっ
ても、上記の少なくとも爪先部と踵部が立ち上がった形
状及び意匠の型崩れや損傷を生ずることもない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法に使用される靴底成形材料を説明す
るための図、第2,3図は本発明方法の一実施例を工程順
に示す説明図、第4図(A),(B)は第2,3図に示す
工程により製造される靴底の一例を示す説明図で、同図
(B)は同図(A)のA−A線断面図、第5図は第4図
(A),(B)に示す靴底と胛被との接着作業の一例を
示す説明図、第6図は第5図に示す接着作業で得られる
卓球靴の一例を示す説明図、第7図は本発明方法により
製造される靴底の運搬あるいは保管時の一態様を示す説
明図である。 1……未加硫ゴム配合物 1a……加硫速度の速い未加硫ゴム配合物 1b……加硫速度の遅い未加硫ゴム配合物 2……意匠モールド 21……意匠モールドの靴底意匠付形面 22……意匠モールドの爪先部の立ち上がり部 23……意匠モールドの踵部の立ち上がり部 3……蓋モールド 4……靴底成形用金型内部に形成される靴底成形用空隙 12……靴底 12a……靴底意匠面(加硫状態) 12b……靴底内周面(未加硫状態) 12c……靴底爪先部の立ち上がり部(加硫状態) 12d……靴底踵部の立ち上がり部(加硫状態)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 43/52 // B29K 21:00 105:24 B29L 31:50

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】靴底に意匠を付形する靴底意匠付形面及び
    少なくとも爪先部と踵部とに立ち上がり部を有する意匠
    モールドと、該意匠モールドに嵌合される蓋モールドと
    からなる靴底成形用金型の靴底成形用空隙内に、前記両
    モールドを130〜180℃として、又は意匠モールドを130
    〜180℃,蓋モールドを60〜90℃として、加硫速度の異
    なる2枚の未加硫ゴム配合物シートからなる未加硫ゴム
    配合物を、加硫速度の速い未加硫ゴム配合物シートを意
    匠モールド側に、加硫速度の遅い未加硫ゴム配合物シー
    トを蓋モールド側に位置させて装填し、次いで該金型を
    加圧嵌合して少なくとも爪先部と踵部とに立ち上がり部
    を有すると共に、外周面が加硫状態、内周面が未加硫状
    態の靴底を成形することを特徴とする靴底の製造方法。
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