JP2754865B2 - 亜鉛アルカリ電池の製造法 - Google Patents

亜鉛アルカリ電池の製造法

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JP2754865B2
JP2754865B2 JP2128485A JP12848590A JP2754865B2 JP 2754865 B2 JP2754865 B2 JP 2754865B2 JP 2128485 A JP2128485 A JP 2128485A JP 12848590 A JP12848590 A JP 12848590A JP 2754865 B2 JP2754865 B2 JP 2754865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、負極活物質として亜鉛、電解液としてアル
カリ水溶液、正極活物質として二酸化マンガン、酸化
銀、酸素等を用いる亜鉛アルカリ電池の無水銀化技術に
関わり、無公害でかつ貯蔵性、放電性能に優れた亜鉛ア
ルカリ電池製造法を提供するものである。
従来の技術 約十年前から廃電池の水銀による環境汚染が強く懸念
されるようになり、アルカリ乾電池中の水銀量の低減の
研究がなされた。その結果、耐食性亜鉛合金等の開発に
より、現状ではアルカリ乾電池中に含まれる水銀量は電
池重量に対し250ppmに低減されようとしている。ところ
が、フロンによるオゾン層破壊の問題に代表されるよう
に、世界的な工業製品による環境破壊問題が懸念されて
いる今日、さらにアルカリ乾電池中の水銀を完全になく
す要望が高まってきている。
アルカリ乾電池の無水銀化技術に関するアプローチ
は、水銀を含有したアルカリ乾電池が開発されていた当
時からなされ、特許や邦文に亜鉛合金、無機系インヒビ
ターおよび有機系インヒビターに関して様々な材料につ
いて、多数出願や発表がなされている。
インジウムは水素過電圧の高い材料として、一次電池
にかかわらず二次電池の負極への添加剤として知られて
いる。そして金属インジウムを合金添加元素として用い
る方法や、インジウム化合物を無機系インヒビターとし
て用いる方法に関しても多数出願、発表がなされてい
る。
たとえば、合金添加元素として用いる方法(特公平1
−41576)、無機系インヒビターとして酸化インジウム
および水酸化インジウムを用いる方法(特公昭51−3645
0、特開昭49−93831、特開昭49−112125、第56回電化大
会講演要旨集:発表番号3G05;205ページ)、酸化インジ
ウムと酸化カドミウムとを複合添加する方法(特開平1
−105466)などがある。また、二次電池の負極への添加
剤として添加する例(特開昭61−96666、特開昭61−101
955)もある。
また、有機系インヒビターとしてはジエタノールアミ
ン、オレイン酸、ラウリルエーテル、アミン、あるいは
エチレンオキサイド重合体が提案されている。また、無
機系インヒビターと有機系インヒビターの複合添加の例
として、水酸化インジウムとエトキシルフルオロアルコ
ール系ポリフッ化化合物を複合添加する提案されている
(特開平2−79367)。
発明が解決しようとする課題 純亜鉛を無水銀のまま負極の活物質に用いた電池で
は、亜鉛の水素発生を伴った腐食反応が激しく起こり、
電池内圧が増加して電解液を外部へ押し出し、耐漏液性
の低下という問題がある。
また部分的に放電した電池では亜鉛負極の水素発生速
度が加速され、耐漏液性はさらに低下する。これらは亜
鉛表面の水素過電圧を高めることで、腐食反応を抑制し
ていた水銀がなくなったことに起因している。
亜鉛腐食の低水銀化で耐食性の効果が証明されている
インジウム、アルミニウムおよび鉛を含む耐食性亜鉛合
金でも無水銀のまま電池を構成すれば、部分放電後の電
池の耐漏液性は確保できない。
また、純亜鉛粉末を負極の活物質としたゲル負極に通
常販売されている酸化インジウムあるいは水酸化インジ
ウムを添加して構成した電池でも上述の耐食性合金のみ
で構成した電池と同様に実用的な電池の耐漏液性は確保
できない。
さらにインジウム、アルミニウム、鉛を含む耐食性亜
鉛合金を、負極の活物質としたゲル負極に有機系インヒ
ビターとして、低水銀化で効果のあるアミン系界面活性
剤を添加して電池を構成しても、部分放電後の電池の耐
漏液性は確保できない。
以上のように、今までのシーズはそれぞれ腐食抑制効
果が完全でなく、少なくとも密閉系の電池には実用的な
ものとはいえない。
アルカリ乾電池の無水銀化の実現を可能にするにあた
り、本発明者等は耐食性亜鉛合金、無機系インヒビター
や有機系インヒビターのそれぞれの複合効果において、
最高に効果を発揮できる材料およびその最適な状態や濃
度について検討した。
課題を解決するための手段 まず、耐食性亜鉛合金と無機系インヒビターの複合使
用についての本発明の構成を説明する。本発明における
ゲル状負極は、インジウム、鉛、ビスマス、カルシウ
ム、およびアルミニウムの群のうちいずれかを適正な組
合せでかつ適正な量だけ亜鉛に添加した耐食性亜鉛合金
粉末を活物質と、無機系インヒビターとしてのアルカリ
金属の硫化物を適正量溶解させ、さらに酸化インジウ
ム、水酸化インジウムあるいは硫化インジウムを適正な
濃度で分散させたゲル状アルカリ電解液により構成され
る。
上記の耐食性亜鉛合金は、インジウムを0.01〜1wt
%、鉛およびビスマスの一種または二種を合計で0.005
〜0.5wt%含有した亜鉛合金、あるいはインジウムを0.0
1〜1wt%、鉛およびビスマスの一種または二種を合計で
0.005〜0.5wt%、カルシウムおよびアルミニウムの一種
または二種を合計で0.005〜0.2wt%含有した亜鉛合金で
ある。また、上記のアルカリ金属の硫化物の添加量は亜
鉛合金に対して0.002〜0.2wt%、酸化インジウム、水酸
化インジウムあるいは硫化インジウムの添加量は亜鉛合
金に対して0.002〜0.2wt%である。
次に、亜鉛合金、無機系インヒビターと有機系インヒ
ビターの複合使用についての本発明の構成を説明する。
本発明のゲル状負極は、インジウム、鉛、ビスマス、カ
ルシウム、および、アルミニウムを適正な組合せで適正
な量位で添加された耐食性亜鉛合金粉末と、アルカリ金
属の硫化物を適正量溶解させ、さらに水酸化インジウム
あるいは硫化インジウムを適正な濃度で分散させ、さら
にポリエチレンオキサイドを親水部に持ち、フッ化アル
キル基を親油部に持った界面活性剤の適正量を添加した
ゲル状アルカリ電解液とにより構成される。
上記の界面活性剤は亜鉛合金に対して0.001〜0.1wt%
アルカリ電解液中に含有させることで効果がある。
また、耐食性亜鉛合金はインジウムを0.01〜1wt%、
鉛およびビスマスの一種または二種を合計で0.005〜0.5
wt%含有した亜鉛合金、あるいはインジウムを0.01〜1w
t%、鉛およびビスマスの一種または二種を合計で0.005
〜0.5wt%、カルシウムおよびアルミニウムの一種また
は二種を合計で0.005〜0.2wt%含有した亜鉛合金であ
る。また、上記のアルカリ金属の硫化物の添加量は亜鉛
合金に対して0.002〜0.2wt%、酸化インジウム、水酸化
インジウムあるい硫化インジウムの添加量は亜鉛合金に
対して0.002〜0.2wt%である。
さらに、界面活性剤は下記の構造式 (X)−CnF2n−(Y)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Y:−CONH−あるいは−SO2NR−{Rはアルキル基} Z:−CH3,−P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金 属} n:4〜10 m:20〜100 または、 (X)−CnF2n−(CH2CH2)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Z:−CH3,−P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金 属} n:4〜10 m:40〜100 で表されるものが効果的である。
作用 本発明の耐食性亜鉛合金、無機系インヒビター、有機
系インヒビターの材料、およびそれらの複合における組
合せや組成については、それぞれが複合効果を最高に発
揮できるように鋭意研究した結果、見出したものであ
る。その作用機構の解明は今のところ不明確であるが、
以下のように推察される。
まず、合金の添加元素、無機系インヒビター、有機系
インヒビターそれぞれの単独での作用効果は次のようで
ある。
合金中の添加元素のうちインジウム、鉛およびビスマ
スはそれらの元素自身の水素過電圧が高く、亜鉛に添加
されて、その表面の水素過電圧を高める作用がある。均
一に合金中に添加した場合、粉末のどの深さにも添加元
素が存在するため、この作用は放電により新しい亜鉛表
面が現れたとしても保持される。また、アルミニウムや
カルシウムは亜鉛粒子を球形化させる作用があり、真の
比表面積を少なくさせるため、亜鉛粉末の単位重量当た
りの腐食量を低下させる。
酸化インジウム、水酸化インジウムおよび硫化インジ
ウムは粉末としてゲル状アルカリ電解液中に亜鉛合金と
共存状態で分散された場合、その一部は置換メッキの原
理で亜鉛合金表面に金属インジウムとして電析し、その
表面の水素過電圧を高める。残りの部分は電解液中に固
体のまま残留し、放電により新しい亜鉛合金表面が現れ
たとき、この新しい表面に電析して防食効果を示す。酸
化物、硫化物の放電後の作用効果はそれ自身の難溶解性
のため、水酸化物に比べ高くなる。
アルカリ金属の硫化物はアルカリ電解液にアルカリ金
属イオンと硫黄イオンとして溶解する。この硫黄イオン
は亜鉛合金と共存状態では亜鉛と反応し、亜鉛合金表面
に不活性な硫化亜鉛の被膜を形成し、その表面の腐食反
応を抑制する。
界面活性剤はゲル状アルカリ電解液中に亜鉛合金と共
存すると、金属石けんの原理で亜鉛合金表面に化学吸着
して疎水性の単分子量を形成し、防食効果を示す。特
に、ポリエチンレンオキサイドを親水部に持つ界面活性
剤は、アルカリ電解液に対しミセルとしての溶解性が高
く、電解液に投入させた場合、亜鉛合金表面への移動、
吸着が速やかに起こるため防食効果が高い。さらに、フ
ッ化アルキル基を親油部に持てば、これが亜鉛合金表面
に吸着した場合、電気絶縁性が高いため腐食反応の電子
授受を効果的に疎外し、また耐アルカリ性が強いためそ
の効果は持続する。
次に界面活性剤の分子構造を限定する意味について説
明する。ポリエチレンオキサイドを親水部に持つ界面活
性剤は、アルカリ電解液に対しミセルとしての溶解性が
高く、電解液に投入させた場合、亜鉛合金表面への移
動、吸着が速やかに起こるため防食効果が高い。また、
ポリエチンレンオキサイドの末端が水酸基つまりアルコ
ールであると、アルカリ電解液中で加水分解を受けやす
いので、末端基は耐アルカリ性が強いメチル基、スルホ
ン基、燐酸基がよい。フッ化アルキル基を親油部に持て
ば、これが亜鉛合金表面に吸着した場合、電気絶縁性が
高いため腐食反応の電子授受を効果的に疎外する。親水
部と親油部の間の結合基は撥水性のアルキル基より、親
水性のアミド基、スルホアミド基であれば、この部分で
の亜鉛との化学吸着が起こり、高い防食性が現われる。
次にインジウム化合物、硫化物と亜鉛合金との複合効
果について説明する。インジウムは亜鉛合金表面に電析
して作用するので、電析がスムーズにかつ均一に起こる
必要がある。耐食性のない亜鉛合金の表面では著しい水
素ガスの発生が起こっているため、インジウムの電析が
疎外され、電析の状態が不均一となる。しかし、耐食性
の良好な亜鉛合金表面では水素ガスの発生が抑制されて
おり、電析がスムーズにかつ均一に起こるために複合効
果が得られる。硫黄イオンは亜鉛と反応し亜鉛表面に対
しエチング効果と防食に有効な合金添加元素の濃縮効果
により上記の作用を助ける。これは部分放電後の状態で
も同様である。
次に上記の複合にさらに界面活性剤の添加したに場合
について説明する。インジウム化合物および硫黄イオン
の作用機構は先に記したとうりであるが、すべてが初期
に反応してしまえば部分放電後に作用する物がなくなっ
てしまう。界面活性剤はそれ自身の作用に加え、必要以
上のインジウムの電析および硫黄イオンの亜鉛との反応
を抑え、反応部分放電後に作用する量を確保する作用を
果たすと考えられる。
実施例 以下、実施例によって、本発明の詳細ならびに効果を
説明する。
まず、耐食亜鉛合金の作成方法は、本発明の製造法の
効果を示すため、実施例に用いたLR6型アルカリマンガ
ン電池の構造、および耐漏液性の比較評価の方法につい
て説明する。
耐食性亜鉛合金粉末は、純度99.97%の亜鉛を融解
し、所定の添加元素の所定量加え、均一溶解させた後、
圧縮空気で噴霧して粉末化する、いわゆるアトマイズ法
で作成し、これをふるいで分級して粒度範囲45〜150メ
ッシュに調整した。ゲル状負極は以下のようにして調整
した。まず、40重量%の水酸化カリウム溶液(ZnOを3wt
%含む)に所定量のアルカリ金属の硫化物を溶解させ、
3重量%のポリアクリル酸ソーダと1重量%のカルボキ
シメチルセルロースを加えてゲル化する。ついで、この
ゲル状電解液を撹拌しながら所定量のインジウム化合物
の粉末を徐々に投入し、2〜3時間熟成する。さらにゲ
ル状電解液に対して重量比で2倍の亜鉛合金粉末を加え
て混合した。なお、有機系インヒビターを添加する場合
は、上記調整工程中の硫化インジウムの投入前に、ゲル
状電解液にこれを所定量を投入し、2〜3時間熟成する
工程を付加した。
第1図は本実施例で用いたアルカリマンガン電池LR6
の構造断面図である。第1図において、1は正極合剤、
2は本発明で特徴付けられたゲル状負極、3はセパレー
タ、4はゲル負極の集電子である。5は正極端子キャッ
プ、6は金属ケース、7は電池の外装缶、8はケース6
の開口部を閉塞するポリエチレン製樹脂封口体、9は負
極端子をなす底板である。
耐漏液性の比較評価の方法は、第1図で示したアルカ
リマンガン電池を100個ずつ試作し、LR6で最も苛酷な条
件である1Aの定電流で理論容量の深度20%まで部分放電
を行い、60℃で保存後に漏液した電池数を漏液指数
(%)として評価した。この苛酷な条件下においては60
℃保存30日で漏液指数が0%であれば実用可能である
が、耐漏液性などの信頼性に関する性能はできるだけ長
期に性能を維持できることが望ましい。
実施例1 亜鉛合金と無機系インヒビターを複合した場合の本発
明を説明する。
まず、事前に亜鉛合金において種々の添加元素を、組
成をさまざまに変化させて検討した。その結果、インジ
ウムを必須合金成分とし、これにさらに鉛およびビスマ
スをそれぞれ単独かもしくは複合で含有する亜鉛合金、
あるいはインジウムを必須成分とし、これに鉛およびビ
スマスをそれぞれ単独かまたは複合で、さらにカルシウ
ムおよびアルミニウムを単独または複合で含有する亜鉛
合金系が単独では良好であることがわかった。それらの
中で最もよい合金組成群を表1に示す。
表2に先の表1の各種亜鉛合金に対し水酸化インジウ
ムの添加量を0.1wt%に固定し、硫化カリウムの添加量
を変化させて作成した電池の60℃60日保存後の漏液試験
結果を示す。
表3には先の表1の各種亜鉛合金に対し硫化カリウム
の添加量を0.1wt%に固定し、水酸化インジウムの添加
量を変化させて作成した電池の60℃60日保存後の漏液試
験結果を示す。
表2、表3より耐食性の優れた亜鉛合金でもそれ単独
ではとても実用的な耐漏液性は確保できないことがわか
る。しかし硫化カリウムと水酸化インジウムとを適切
量、加えることにより、耐漏液性は確保できることがわ
かる。各々の亜鉛合金に対し水酸化インジウム添加量は
0.002〜0.2wt%の範囲が良好である。硫化カリウムの添
加量は0.002〜0.2wt%の範囲が良好である。
表4に硫化カリウムと水酸化インジウムの添加量を各
々0.1wt%に固定し、合金成分元素の添加量を変化させ
て作成した電池の60℃60日保存後の漏液試験結果を示
す。
表4より亜鉛合金へのインジウムの添加量は、0.01〜
1wt%、鉛およびビスマスはそれぞれ単独かもしくは合
計で0.005〜0.5wt%、カルシウムおよびアルミニウムは
それぞれ単独かもしくは合計で0.005〜0.2wt%が適当で
あることがわかる。
実施例2 亜鉛合金と無機系インヒビターおよび有機系インヒビ
ターを複合添加した場合についての実施例を説明する。
表5に各亜鉛合金に対し、硫化カリウムと水酸化イン
ジウムの添加量を各々0.1wt%に固定し、有機系インヒ
ビターの添加量を変化させて作成した電池の60℃75日保
存後の漏液試験結果を示す。
これより有機系インヒビターを添加量は各亜鉛合金に
対し0.001〜0.1wt%が適当であることがわかる。
有機系インヒビターを添加した場合でも、亜鉛合金と
無機系インヒビターを複合添加した場合と同様に、亜鉛
合金へのインジウムの添加量は、0.01〜1wt%、鉛およ
びビスマスはそれぞれ単独かもしくは合計で0.005〜0.5
wt%、カルシウムおよびアルミニウムはそれぞれ単独か
もしくは合計で0.005〜0.2wt%が適当であった。
なお、表3で用いた界面活性剤は下記の化学構造式 (X)−CnF2n−(Y)−(CH2CH20)−(Z) X:−H Y:−CONH− Z:−CH3,n:9,m:60 であるものを用いた。
下記の構造式 (X)−CnF2n−(Y)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Y:−CONH−あるいは−SO2NR−{Rはアルキル基} Z:−CH3,P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金属} n:4〜10 m:20〜100 または、 (X)−CnF2n−(CH2CH2)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Y:−CH3,−P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金 属} n:4〜10 m:40〜100 である界面活性剤であれば、同様あるいはそれ以上の効
果が得られる。なお、上記の界面活性剤のうち、燐酸系
のものは一級、二級燐酸塩の混合物でもかまわない。
実施例に用いたアルカリ金属の硫化物は硫化カリウム
(K2S)であるが、ポリ硫化カリウム、硫化ナトリウ
ム、硫化リチウム、ポリ硫化ナトリウム、ポリ塩化リチ
ウム、硫化ルビジウムでも同様の効果が得られる。
実施例では硫酸塩を出発物質とした水酸化インジウム
を用いたが、塩化物、硝酸塩を出発物質としたものを用
いても効果が得られる。その効果の程度は、塩化物を出
発物質としたもの、硫酸塩を出発物質としたもの、硝酸
塩を出発物質としたものの順に高かった。
また、水酸化インジウムは硫化インジウムおよび酸化
インジウムにも置き換えることができる。その粒子径は
0.5〜8μの範囲の粒子を80wt%以上含んだ粉末であれ
ば充分あるいはそれ以上の耐漏液性が得られる。
ところで、全実施例では本発明の効果を無汞化亜鉛合
金で説明したが、水銀添加量が数PPM〜数十PPMの極低汞
化の場合でも効果は充分である。
発明の効果 以上のように、本発明によれば、亜鉛アルカリ電池に
おいて、ゲル状アルカリ電解液中に適正な組成を有する
亜鉛合金に、適正なアルカリ金属の硫化物と、適正な合
成方法により適当な物性をもつように合成したインジウ
ム化合物とを適正量加えることで、無水銀でも亜鉛の腐
食による電池内圧の上昇を抑制して電池の耐漏液性を向
上あせることができる。そして有機インヒビターをこれ
に加えることでさらに貯蔵性の良好な、無公害の亜鉛ア
ルカリ電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例におけるアルカリマンガン電池
の断面図である。 1……正極合剤、2……ゲル状負極、3……セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 4/06 H01M 4/06 U 4/26 4/26 H 4/42 4/42 (72)発明者 杉原 佐知子 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−79367(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜鉛合金粉末をゲル状アルカリ電解液に混
    合分散したゲル状負極の調整において、インジウム、
    鉛、ビスマス、カルシウムおよびアルミニウムの群のう
    ち少なくとも1種以上を含む亜鉛合金を活物質に用い、
    前記アルカリ電解液中にはアルカリ金属の硫化物を前記
    亜鉛合金に対して0.02〜0.2wt%含有させ、さらに酸化
    インジウム、水酸化インジウムあるいは硫化インジウム
    のうちいずれか亜鉛合金に対して0.002〜0.2wt%含有さ
    せことを特徴とする亜鉛アルカリ電池の製造法。
  2. 【請求項2】インジウムを0.01〜1wt%、鉛およびビス
    マスの一種または二種を合計で0.005〜0.5wt%含有する
    亜鉛合金を負極活物質に用いたことを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  3. 【請求項3】インジウムを0.01〜1wt%、鉛およびビス
    マスの一種または二種を合計で0.005〜0.5wt%、カルシ
    ウムおよびアルミニウムの一種または二種を合計で0.00
    5〜0.2wt%含有する亜鉛合金を負極活物質に用いたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の亜鉛アルカリ
    電池の製造法。
  4. 【請求項4】亜鉛合金粉末をゲル状アルカリ電解液に混
    合分散したゲル状負極の調整において、インジウム、
    鉛、ビスマス、カルシウムおよびアルミニウムの群のう
    ち少なくとも1種以上を含む亜鉛合金を活物質に用い、
    前記アルカリ電解液中にはアルカリ金属の硫化物を前記
    亜鉛合金に対して0.0002〜0.2wt%、酸化インジウム、
    水酸化インジウムあるいは硫化インジウムのうちいずれ
    かを亜鉛合金に対して0.002〜0.2wt%それぞれ含有さ
    せ、さらにポリエチレンオキサイドを親水部に持つ界面
    活性剤を前記亜鉛合金に対して0.001〜0.1wt%含有させ
    ることを特徴とする亜鉛アルカリ電池の製造法。
  5. 【請求項5】インジウムを0.01〜1wt%、鉛およびビス
    マスの一種または二種を合計で0.005〜0.5wt%含有する
    亜鉛合金を負極活物質に用いたことを特徴とする特許請
    求の範囲第4項記載の亜鉛アルカリ電池の製造法。
  6. 【請求項6】インジウムを0.01〜1wt%、鉛およびビス
    マスの一種または二種を合計で0.005〜0.5wt%、カルシ
    ウムおよびアルミニウムの一種または二種を合計で0.00
    5〜0.2wt%含有する亜鉛合金を負極活物質に用いたこと
    を特徴とする特許請求の範囲第4項記載の亜鉛アルカリ
    電池の製造法。
  7. 【請求項7】ポリエチレンオキサイドを親水部に持つ界
    面活性剤が下記の構造式 (X)−CnF2n−(Y)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Y:−CONH−あるいは−SO2NR−{Rはアルキル基} Z:−CH3,−P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金属} n:4〜10 m:20〜100 で表される特許請求の範囲第4項記載の亜鉛アルカリ電
    池の製造法。
  8. 【請求項8】ポリエチレンオキサイドを親水部に持つ界
    面活性剤が下記の構造式 (X)−CnF2n−(CH2CH2)−(CH2CH20)−(Z) X:−Hあるいは−F Z:−CH3,−P03W2あるいは−SO3W{Wはアルカリ金属} n:4〜10 m:40〜100 で表される特許請求の範囲第4項記載の亜鉛アルカリ電
    池の製造法。
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