JP2754384B2 - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- G03G5/02—Charge-receiving layers
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- G03G5/02—Charge-receiving layers
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は電子写真用感光体に関し、詳しくは有機材
料を含む電荷発生層および電荷輸送層を備えた、電子写
真方式の複写機，プリンターなどに用いられる積層型電
子写真用感光体に関する。
料を含む電荷発生層および電荷輸送層を備えた、電子写
真方式の複写機，プリンターなどに用いられる積層型電
子写真用感光体に関する。
近年、電子写真用感光体（以下感光体とも称する）の
感光材料として、有機光導電性物質の研究が広く進めら
れている。有機光導電性物質を用いた感光材料は、従来
主として用いられているセレンなどの無機光導電性物質
を用いた場合に比して、可とう性，熱安定性，膜形成
性，透明性，価格など利点が多いが、暗抵抗，光感度の
点で劣っている欠点があった。そこで膜形成の容易であ
る利点を生かして、感光体の感光層を主として電荷発生
に寄与する層と、主として暗所での表面電荷の保持およ
び光受容時の電荷輸送に寄与する層などに機能分離した
層の積層とし、それぞれ各層の機能に適した材料を選択
使用し、全体として電子写真特性の向上をはかることに
より、実用化を進めている。
感光材料として、有機光導電性物質の研究が広く進めら
れている。有機光導電性物質を用いた感光材料は、従来
主として用いられているセレンなどの無機光導電性物質
を用いた場合に比して、可とう性，熱安定性，膜形成
性，透明性，価格など利点が多いが、暗抵抗，光感度の
点で劣っている欠点があった。そこで膜形成の容易であ
る利点を生かして、感光体の感光層を主として電荷発生
に寄与する層と、主として暗所での表面電荷の保持およ
び光受容時の電荷輸送に寄与する層などに機能分離した
層の積層とし、それぞれ各層の機能に適した材料を選択
使用し、全体として電子写真特性の向上をはかることに
より、実用化を進めている。
これらの感光体を用いた電子写真法による画像形成に
は、例えばカールソン方式が適用される。この方式によ
る画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯
電、帯電された感光体表面への露光による原稿の文字や
絵などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナー
による現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への
転写，定着により行われ、トナー像転写後の感光体は除
電，残留トナーの除去，光除電などを行った後、再使用
に供される。また、この画像形成は感光体表面の帯電極
性により、正帯電方式と負帯電方式とに分類される。
は、例えばカールソン方式が適用される。この方式によ
る画像形成は、暗所での感光体へのコロナ放電による帯
電、帯電された感光体表面への露光による原稿の文字や
絵などの静電潜像の形成、形成された静電潜像のトナー
による現像、現像されたトナー像の紙などの支持体への
転写，定着により行われ、トナー像転写後の感光体は除
電，残留トナーの除去，光除電などを行った後、再使用
に供される。また、この画像形成は感光体表面の帯電極
性により、正帯電方式と負帯電方式とに分類される。
上述の積層型感光体には、通常導電性基体上に有機電
荷発生物質を含む電荷発生層，有機電荷輸送性物質を含
む電荷輸送層が順次積層されてなり、画像形成に負帯電
方式が適用されるものと、導電性基体上に電荷輸送層，
電荷発生層，被覆層が順次積層されてなり、画像形成に
正帯電方式が適用されるものとがある。負帯電方式の場
合はアルミニウム，銅，ステンレスなどの導電性基体上
にまず電荷発生層を形成する。この電荷発生層は、プリ
ンター用では赤外光領域に吸収ピークを有するフタロシ
アニン系化合物と、複写機用としては可視光領域に吸収
ピークを有するアゾ系化合物などと、ポリエステル，ポ
リメタクリル酸メチルなどの樹脂バインダーとを有機溶
媒中で混合させた材料をディップ法，スプレー法などに
より塗布することによって形成される。次に、ピラゾリ
ン化合物，ヒドラゾン化合物などの有機電荷輸送性物質
とポリカーボネートなどの樹脂バインダーとを有機溶媒
中に均一に溶解させた材料を同様に塗布することによ
り、電荷輸送層を形成して感光体とする。正帯電方式の
場合は、導電性基体上に、電荷輸送層，電荷発生層の順
に塗布形成し、最後にこの電荷発生層の保護を目的とし
て被覆層を、ポリエステル，ポリアミドなどの有機絶縁
材料を使って形成して感光体とする。正帯電方式の場合
の電荷発生層構成材料および電荷輸送層構成材料は、上
記負帯電方式の場合とほぼ同様なものが用いられる。
荷発生物質を含む電荷発生層，有機電荷輸送性物質を含
む電荷輸送層が順次積層されてなり、画像形成に負帯電
方式が適用されるものと、導電性基体上に電荷輸送層，
電荷発生層，被覆層が順次積層されてなり、画像形成に
正帯電方式が適用されるものとがある。負帯電方式の場
合はアルミニウム，銅，ステンレスなどの導電性基体上
にまず電荷発生層を形成する。この電荷発生層は、プリ
ンター用では赤外光領域に吸収ピークを有するフタロシ
アニン系化合物と、複写機用としては可視光領域に吸収
ピークを有するアゾ系化合物などと、ポリエステル，ポ
リメタクリル酸メチルなどの樹脂バインダーとを有機溶
媒中で混合させた材料をディップ法，スプレー法などに
より塗布することによって形成される。次に、ピラゾリ
ン化合物，ヒドラゾン化合物などの有機電荷輸送性物質
とポリカーボネートなどの樹脂バインダーとを有機溶媒
中に均一に溶解させた材料を同様に塗布することによ
り、電荷輸送層を形成して感光体とする。正帯電方式の
場合は、導電性基体上に、電荷輸送層，電荷発生層の順
に塗布形成し、最後にこの電荷発生層の保護を目的とし
て被覆層を、ポリエステル，ポリアミドなどの有機絶縁
材料を使って形成して感光体とする。正帯電方式の場合
の電荷発生層構成材料および電荷輸送層構成材料は、上
記負帯電方式の場合とほぼ同様なものが用いられる。
ところが、このような積層型有機感光体は1500lux程
度の蛍光灯下に暴露することによって、暴露後の感光体
特性が大きく変化する。第１表は、ｐ−ジエチルアミノ
ベンズアルデヒド−ジフェニルヒドラゾン、ならびに１
−フェニル−３−（ｐ−ジエチルアミノスチリル）−５
−（パラジエチルアミノフェニル）−２−ピラゾリンを
電荷輸送性物質に、ポリカーボネートを樹脂バインダー
に用いて電荷輸送層を形成したプリンター用負帯電方式
積層型有機感光体の、1500luxで５分間の蛍光灯暴露前
後における、−4.5kVのコロナ放電直後の感光体表面の
初期帯電電位変化を示したものである。なお、これらの
積層型有機感光体の電荷発生層には、電荷発生物質とし
てＸ型のフタロシアニン、樹脂バインダーとしてバイロ
ン（東洋紡製ポリエステル樹脂）を使用した。
度の蛍光灯下に暴露することによって、暴露後の感光体
特性が大きく変化する。第１表は、ｐ−ジエチルアミノ
ベンズアルデヒド−ジフェニルヒドラゾン、ならびに１
−フェニル−３−（ｐ−ジエチルアミノスチリル）−５
−（パラジエチルアミノフェニル）−２−ピラゾリンを
電荷輸送性物質に、ポリカーボネートを樹脂バインダー
に用いて電荷輸送層を形成したプリンター用負帯電方式
積層型有機感光体の、1500luxで５分間の蛍光灯暴露前
後における、−4.5kVのコロナ放電直後の感光体表面の
初期帯電電位変化を示したものである。なお、これらの
積層型有機感光体の電荷発生層には、電荷発生物質とし
てＸ型のフタロシアニン、樹脂バインダーとしてバイロ
ン（東洋紡製ポリエステル樹脂）を使用した。
第１表に見られるように、光暴露前後で感光体の初期
帯電電位は大きく変わる。したがって、この種の積層型
有機感光体を、実際のプリンターや複写機に組みこんで
使用すると、感光体の交換時や紙づまりの処理の際に感
光体は室内灯下にさらされるので、上記のような特性変
化が生じ、その後特性がもとに復するまでの間正常に機
能しなくなってしまう。
帯電電位は大きく変わる。したがって、この種の積層型
有機感光体を、実際のプリンターや複写機に組みこんで
使用すると、感光体の交換時や紙づまりの処理の際に感
光体は室内灯下にさらされるので、上記のような特性変
化が生じ、その後特性がもとに復するまでの間正常に機
能しなくなってしまう。
また第１表において、電荷輸送性物質にｐ−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−ジフェニルヒドラゾンを用い
た場合は、暴露後の帯電電位は暴露前に比べ上昇が見ら
れるのに対して、電荷輸送性物質に１−フェニル−３−
（ｐ−ジエチルアミノスチリル）−５−（パラジエチル
アミノフェニル）−２−ピラゾリンを用いた場合は、減
少が見られる。
アミノベンズアルデヒド−ジフェニルヒドラゾンを用い
た場合は、暴露後の帯電電位は暴露前に比べ上昇が見ら
れるのに対して、電荷輸送性物質に１−フェニル−３−
（ｐ−ジエチルアミノスチリル）−５−（パラジエチル
アミノフェニル）−２−ピラゾリンを用いた場合は、減
少が見られる。
そこで、暴露前後の帯電電位の安定化をはかるため
に、これら両電荷輸送性物質の混合系を用いて検討した
ところ、第２表に示したように帯電電位変化は解消する
が、初期の感光体特性における感度の低下，すなわち，
半減衰露光量の増大を起こしてしまい、実用上問題とな
る。なお、半減衰露光量は、感光体を暗所で−6kVで10
秒間のコロナ放電によって帯電させたのち、波長780nm
で１μＷの単色光を照射して帯電電位が半減するまでの
露光量（μJ/cm2）として求めた。
に、これら両電荷輸送性物質の混合系を用いて検討した
ところ、第２表に示したように帯電電位変化は解消する
が、初期の感光体特性における感度の低下，すなわち，
半減衰露光量の増大を起こしてしまい、実用上問題とな
る。なお、半減衰露光量は、感光体を暗所で−6kVで10
秒間のコロナ放電によって帯電させたのち、波長780nm
で１μＷの単色光を照射して帯電電位が半減するまでの
露光量（μJ/cm2）として求めた。
この発明は、上述の点に鑑みてなされたものであっ
て、有機材料を含む電荷発生層および電荷輸送層を備え
た積層型感光体において、蛍光灯などの光が照射されて
も、光暴露前後で初期帯電電位がほとんど変化せず、か
つ、感度も良好な、優れた電子写真特性を有する、複写
機用およびプリンター用の電子写真用感光体を提供する
ことを目的とする。
て、有機材料を含む電荷発生層および電荷輸送層を備え
た積層型感光体において、蛍光灯などの光が照射されて
も、光暴露前後で初期帯電電位がほとんど変化せず、か
つ、感度も良好な、優れた電子写真特性を有する、複写
機用およびプリンター用の電子写真用感光体を提供する
ことを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明によれば、導
電性基体上に有機材料を含む電荷発生層および電荷輸送
層を備えてなる電子写真用感光体において、前記電荷輸
送層が、電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ａ）を
有するヒドラゾン化合物のうちの少なくとも一つの第一
化合物と、電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ｂ）
のヒドラゾン化合物と、バインダー樹脂として働くポリ
カーボネート樹脂とを用いる電子写真用感光体であっ
て、当該ポリカーボネート樹脂が、前記第１化合物のみ
との組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV以上に
なるという条件を満たすものであり、かつ、前記第２化
合物のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78
eV未満になるという条件を満たすものであることを特徴
とする電子写真用感光体。
電性基体上に有機材料を含む電荷発生層および電荷輸送
層を備えてなる電子写真用感光体において、前記電荷輸
送層が、電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ａ）を
有するヒドラゾン化合物のうちの少なくとも一つの第一
化合物と、電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ｂ）
のヒドラゾン化合物と、バインダー樹脂として働くポリ
カーボネート樹脂とを用いる電子写真用感光体であっ
て、当該ポリカーボネート樹脂が、前記第１化合物のみ
との組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV以上に
なるという条件を満たすものであり、かつ、前記第２化
合物のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78
eV未満になるという条件を満たすものであることを特徴
とする電子写真用感光体。
（R1,R2はアルキル基，アルケニル基，アラルキル基の
うちのいずれかを表す。） 〔作用〕 積層型感光体の感光層の電荷輸送層に、電荷輸送性物
質として、上記（Ａ）および（Ｂ）の一般構造式を有す
る２種類のヒドラゾン系化合物を混合したものを用い、
樹脂バインダーとして、上記一般構造式（Ａ）を有する
ヒドラゾン系化合物のみと組み合わせて用いると光学的
禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上の樹脂膜が形成でき、
かつ、上記一般構造式（Ｂ）を有するヒドラゾン系化合
物のみと組み合わせて用いると光学的禁止帯幅Eg（op
t）が2.78eV未満の樹脂膜が形成できるような特定の高
分子樹脂を用いることにより、感度が良好で、しかも、
感光体表面に光が照射されたときでも光暴露前後で初期
帯電電位の変化がほとんと生じない感光体を得ることが
できる。
うちのいずれかを表す。） 〔作用〕 積層型感光体の感光層の電荷輸送層に、電荷輸送性物
質として、上記（Ａ）および（Ｂ）の一般構造式を有す
る２種類のヒドラゾン系化合物を混合したものを用い、
樹脂バインダーとして、上記一般構造式（Ａ）を有する
ヒドラゾン系化合物のみと組み合わせて用いると光学的
禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上の樹脂膜が形成でき、
かつ、上記一般構造式（Ｂ）を有するヒドラゾン系化合
物のみと組み合わせて用いると光学的禁止帯幅Eg（op
t）が2.78eV未満の樹脂膜が形成できるような特定の高
分子樹脂を用いることにより、感度が良好で、しかも、
感光体表面に光が照射されたときでも光暴露前後で初期
帯電電位の変化がほとんと生じない感光体を得ることが
できる。
第１図は、この発明の感光体の一実施例の模式的断面
図で、アルミニウム合金などの導電性基体１上に電荷発
生層３と電荷輸送層４とを順次積層した感光層2aを形成
したプリンター用負帯電方式の積層型感光体を示す。こ
の電荷輸送層４は、前記一般構造式（Ａ）をさらに一部
特定した下記一般構造式（A1）を有するヒドラゾン系化
合物と前記一般構造式（Ｂ）を特定した下記構造式（B
1）を有するヒドラゾン系化合物との混合系を電荷輸送
性物質とし、ポリカーボネートを樹脂バインダーとして
形成したものである。
図で、アルミニウム合金などの導電性基体１上に電荷発
生層３と電荷輸送層４とを順次積層した感光層2aを形成
したプリンター用負帯電方式の積層型感光体を示す。こ
の電荷輸送層４は、前記一般構造式（Ａ）をさらに一部
特定した下記一般構造式（A1）を有するヒドラゾン系化
合物と前記一般構造式（Ｂ）を特定した下記構造式（B
1）を有するヒドラゾン系化合物との混合系を電荷輸送
性物質とし、ポリカーボネートを樹脂バインダーとして
形成したものである。
〔式（A1）中、R1およびR2は以下のそれぞれ置換されて
もよいアルキル基，アルケニル基，アラルキル基のうち
のいずれかを表す。〕 ポリカーボネートは、前記一般構造式（A1）を有する
ヒドラゾン系化合物と組み合わせて用いることにより光
学的禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上の樹脂膜を形成
し、前記構造式（B1）を有するヒドラゾン系化合物と組
み合わせて用いることにより光学的禁止帯幅Eg（opt）
が2.78eV未満の樹脂膜を形成することが測定結果より判
っっている樹脂である。ここで記述した樹脂膜の光学的
禁止帯幅Eg（opt）は、膜の吸収係数α（λ）〔λ；波
長〕スペクトル中の350nm〜500nmの波長範囲にある吸収
端において、次式を用いて算出したものである。
もよいアルキル基，アルケニル基，アラルキル基のうち
のいずれかを表す。〕 ポリカーボネートは、前記一般構造式（A1）を有する
ヒドラゾン系化合物と組み合わせて用いることにより光
学的禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上の樹脂膜を形成
し、前記構造式（B1）を有するヒドラゾン系化合物と組
み合わせて用いることにより光学的禁止帯幅Eg（opt）
が2.78eV未満の樹脂膜を形成することが測定結果より判
っっている樹脂である。ここで記述した樹脂膜の光学的
禁止帯幅Eg（opt）は、膜の吸収係数α（λ）〔λ；波
長〕スペクトル中の350nm〜500nmの波長範囲にある吸収
端において、次式を用いて算出したものである。
α（λ）∝〔（ｈ・ｃ）／λ〕−Eg（opt） ただし、上式において、ｈはプランクの定数であり、
ｃは光速度である。
ｃは光速度である。
この「前記第１化合物のみとの組合せからなる層の光
学的禁止帯幅が2.78eV以上になるという条件を満たすも
のであり、かつ、前記第２化合物のみとの組合せからな
る層の光学的禁止帯幅が2.78eV未満になるという条件を
満たす」ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例え
ば、以下のビスフェノールＡ型ポリカーボネート（商品
名:K−1300、帝人化成製）や、 以下のPCZ型ポリカーボネート（商品名:TS2050、帝人
化成製）のものが挙げられる。
学的禁止帯幅が2.78eV以上になるという条件を満たすも
のであり、かつ、前記第２化合物のみとの組合せからな
る層の光学的禁止帯幅が2.78eV未満になるという条件を
満たす」ポリカーボネート樹脂の具体例としては、例え
ば、以下のビスフェノールＡ型ポリカーボネート（商品
名:K−1300、帝人化成製）や、 以下のPCZ型ポリカーボネート（商品名:TS2050、帝人
化成製）のものが挙げられる。
なお、電荷発生層３は、電荷発生物質としてのＸ型フ
タロシアニンを、樹脂バインダーとしてのバイロン（東
洋紡製ポリエステル樹脂）中に分散させた塗布液を用い
て形成した。
タロシアニンを、樹脂バインダーとしてのバイロン（東
洋紡製ポリエステル樹脂）中に分散させた塗布液を用い
て形成した。
バインダー樹脂として働くポリカーボネート樹脂とし
て、上記のビスフェノールＡ型ポリカーボネートを用
い、また、上記の電荷輸送物質として、上記の一般構造
式（A1）の左端のR1,R2を次の第３表に示すように変え
た化合物No.A1−１ないしNo.A1−４のヒドラゾン系化合
物のそれぞれと上記の構造式（B1）のヒドラゾン系化合
物とを2:8の重量混合比で混合したもの４種類を調製
し、これらを用いて上述のようにし実施例No.1ないしN
o.4の感光体を作製した。
て、上記のビスフェノールＡ型ポリカーボネートを用
い、また、上記の電荷輸送物質として、上記の一般構造
式（A1）の左端のR1,R2を次の第３表に示すように変え
た化合物No.A1−１ないしNo.A1−４のヒドラゾン系化合
物のそれぞれと上記の構造式（B1）のヒドラゾン系化合
物とを2:8の重量混合比で混合したもの４種類を調製
し、これらを用いて上述のようにし実施例No.1ないしN
o.4の感光体を作製した。
また、比較のために、電荷輸送性物質として化合物N
o.A1−１ないしNo.A1−４をそれぞれ単独で用い、その
他は実施例と同様にして比較例No.1ないしNo.4の感光体
を作製した。
o.A1−１ないしNo.A1−４をそれぞれ単独で用い、その
他は実施例と同様にして比較例No.1ないしNo.4の感光体
を作製した。
これらの感光体について、暗所で感光体を−6kV,10秒
間のコロナ放電で帯電させたのち、波長780nmで１μＷ
の単色光を照射して半減衰露光量を測定した。また、15
00luxの蛍光灯で５分間感光体表面を照射する光暴露前
後における−4.5kVのコロナ放電直後の感光体初期表面
帯電電位を測定した。これらの測定結果を第４表に示
す。
間のコロナ放電で帯電させたのち、波長780nmで１μＷ
の単色光を照射して半減衰露光量を測定した。また、15
00luxの蛍光灯で５分間感光体表面を照射する光暴露前
後における−4.5kVのコロナ放電直後の感光体初期表面
帯電電位を測定した。これらの測定結果を第４表に示
す。
第４表に見られるように、混合系の電荷輸送性物質を
用いた実施例の感光体においては、単体の電荷輸送性物
質を用いた比較例の感光体に比して光暴露前後での初期
表面帯電電位の変化が大幅に低減している。また、前述
のｐ−ジエチルアルノベンズアルデヒド−ジフェニルヒ
ドラゾンと１−フェニル−３−（ｐ−ジエチルアミノス
チリル）−５−（パラジエチルアミノフェニル）−２−
ピラゾリンとの混合系に見られたような、混合に伴う初
期の感度悪化は全くあらわれない。
用いた実施例の感光体においては、単体の電荷輸送性物
質を用いた比較例の感光体に比して光暴露前後での初期
表面帯電電位の変化が大幅に低減している。また、前述
のｐ−ジエチルアルノベンズアルデヒド−ジフェニルヒ
ドラゾンと１−フェニル−３−（ｐ−ジエチルアミノス
チリル）−５−（パラジエチルアミノフェニル）−２−
ピラゾリンとの混合系に見られたような、混合に伴う初
期の感度悪化は全くあらわれない。
さらに詳細な実験を行った結果、前記構造式（B1）を
有するヒドラゾン系化合物の電荷輸送性物質全体に対し
て占める混合比が10％から90％の範囲内にあれば、光暴
露に伴う帯電電位の変化を20V以内に抑えることがで
き、実用上問題がなくなることが判った。
有するヒドラゾン系化合物の電荷輸送性物質全体に対し
て占める混合比が10％から90％の範囲内にあれば、光暴
露に伴う帯電電位の変化を20V以内に抑えることがで
き、実用上問題がなくなることが判った。
なお、本実施例では、ポリカーボネート樹脂として、
ビスフェノールＡ型ポリカーボネートを用いたが、これ
に限定されるものではなく、その他のポリカーボネート
樹脂、例えば前述のPCZ型ポリカーボネート（商品名:TS
2050、帝人化成製）を用いても上記同様良好な感光体が
得られる。
ビスフェノールＡ型ポリカーボネートを用いたが、これ
に限定されるものではなく、その他のポリカーボネート
樹脂、例えば前述のPCZ型ポリカーボネート（商品名:TS
2050、帝人化成製）を用いても上記同様良好な感光体が
得られる。
第２図は異なる実施例を示すもので、電荷輸送層４上
に電荷発生層３を積層した、第１図とは逆の層構成の感
光層2bを備えた実施例である。この場合には電荷発生層
を保護するために、さらに被覆層５を設けるが一般的で
あり、正帯電で使用される。第２図の実施例において
も、第１図の実施例と同様の電荷輸送層，電荷発生層を
形成することにより、感度が良好に光暴露によっても帯
電電位の変化がほとんど生じないプリンター用正帯電方
式の積層型感光体となる。
に電荷発生層３を積層した、第１図とは逆の層構成の感
光層2bを備えた実施例である。この場合には電荷発生層
を保護するために、さらに被覆層５を設けるが一般的で
あり、正帯電で使用される。第２図の実施例において
も、第１図の実施例と同様の電荷輸送層，電荷発生層を
形成することにより、感度が良好に光暴露によっても帯
電電位の変化がほとんど生じないプリンター用正帯電方
式の積層型感光体となる。
各種ヒドラゾン系化合物に関して、さらに詳細に検討
した結果、電荷輸送性物質を前記一般構造式（Ａ）およ
び（Ｂ）を有する２種類のヒドラゾン系化合物の混合系
とすることによって、感度良好でしかも光暴露に対して
初期帯電電位の変化の少ない感光体を得ることができ
る。
した結果、電荷輸送性物質を前記一般構造式（Ａ）およ
び（Ｂ）を有する２種類のヒドラゾン系化合物の混合系
とすることによって、感度良好でしかも光暴露に対して
初期帯電電位の変化の少ない感光体を得ることができ
る。
一方、電荷輸送層用樹脂バインダーとしては、各種高
分子に関して実験を行った結果、前記一般構造式（Ａ）
を有するヒドラゾン系化合物のみと組み合わせて形成し
た樹脂膜の光学的禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上であ
り、かつ、前記一般構造式（Ｂ）を有するヒドラゾン系
化合物のみと組み合わせて形成した樹脂膜の光学的禁止
帯幅Eg（opt）が2.78eV未満となるようなポリカーボネ
ートであれば、前記２種類の化合物の混合系と組み合わ
せて用いることによって、光暴露に対して安定な感光体
を得ることができることが明らかとなった。
分子に関して実験を行った結果、前記一般構造式（Ａ）
を有するヒドラゾン系化合物のみと組み合わせて形成し
た樹脂膜の光学的禁止帯幅Eg（opt）が2.78eV以上であ
り、かつ、前記一般構造式（Ｂ）を有するヒドラゾン系
化合物のみと組み合わせて形成した樹脂膜の光学的禁止
帯幅Eg（opt）が2.78eV未満となるようなポリカーボネ
ートであれば、前記２種類の化合物の混合系と組み合わ
せて用いることによって、光暴露に対して安定な感光体
を得ることができることが明らかとなった。
このようにして、この発明による電荷輸送性物質と樹
脂バインダーとよりなる電荷輸送層と、適切に選定した
電荷発生物質を含む電荷発生層とを積層して感光層を構
成することにより、白色光あるいは各種波長の単色光を
露光光源とする複写機あるいはプリンターなどの各種電
子写真装置に適した、正帯電あるいは負帯電方式で使用
できる積層型感光体を得ることができる。
脂バインダーとよりなる電荷輸送層と、適切に選定した
電荷発生物質を含む電荷発生層とを積層して感光層を構
成することにより、白色光あるいは各種波長の単色光を
露光光源とする複写機あるいはプリンターなどの各種電
子写真装置に適した、正帯電あるいは負帯電方式で使用
できる積層型感光体を得ることができる。
この発明によれば、積層型感光体において、前記構造
式（Ａ）を有するヒドラゾン化合物のうちの少なくとも
一つの第一化合物と、前記構造式（Ｂ）のヒドラゾン化
合物との混合系を電荷輸送性物質とし、前記第１化合物
のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV以
上になるという条件を満たすものであり、かつ、前記第
２化合物のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が
2.78eV未満になるという条件を満たすポリカーボネート
樹脂を樹脂バインダとして電荷輸送層を形成する。この
ような電荷輸送層を備えることにより、蛍光灯などの光
が照射されても、光暴露前後で初期帯電電位がほとんど
変化せず、かつ、感度も良好な、優れた電子写真特性を
有する複写機，プリンターなどの電子写真装置用の感光
体を得ることができる。
式（Ａ）を有するヒドラゾン化合物のうちの少なくとも
一つの第一化合物と、前記構造式（Ｂ）のヒドラゾン化
合物との混合系を電荷輸送性物質とし、前記第１化合物
のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV以
上になるという条件を満たすものであり、かつ、前記第
２化合物のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が
2.78eV未満になるという条件を満たすポリカーボネート
樹脂を樹脂バインダとして電荷輸送層を形成する。この
ような電荷輸送層を備えることにより、蛍光灯などの光
が照射されても、光暴露前後で初期帯電電位がほとんど
変化せず、かつ、感度も良好な、優れた電子写真特性を
有する複写機，プリンターなどの電子写真装置用の感光
体を得ることができる。
第１図および第２図は、この発明のそれぞれ異なる実施
例の感光体の模式的断面図である。 １……導電性基体、2a,2b……感光層、３……電荷発生
層、４……電荷輸送層、５……被覆層。
例の感光体の模式的断面図である。 １……導電性基体、2a,2b……感光層、３……電荷発生
層、４……電荷輸送層、５……被覆層。
Claims (1)
- 【請求項１】導電性基体上に有機材料を含む電荷発生層
および電荷輸送層を備えてなる電子写真用感光体におい
て、前記電荷輸送層が、 電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ａ）を有するヒ
ドラゾン化合物のうちの少なくとも一つの第一化合物
と、 電荷輸送性物質として働く下記構造式（Ｂ）のヒドラゾ
ン化合物と、 バインダー樹脂として働くポリカーボネート樹脂とを用
いる電子写真用感光体であって、 当該ポリカーボネート樹脂が、前記第１化合物のみとの
組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV以上になる
という条件を満たすものであり、かつ、前記第２化合物
のみとの組合せからなる層の光学的禁止帯幅が2.78eV未
満になるという条件を満たすものであることを特徴とす
る電子写真用感光体。 （R1,R2はアルキル基，アルケニル基，アラルキル基の
うちのいずれかを表す。）
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17234688A JP2754384B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17234688A JP2754384B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子写真用感光体 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0222662A JPH0222662A (ja) | 1990-01-25 |
| JP2754384B2 true JP2754384B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=15940206
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17234688A Expired - Lifetime JP2754384B2 (ja) | 1988-07-11 | 1988-07-11 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2754384B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0667443A (ja) * | 1992-08-18 | 1994-03-11 | Nec Corp | 電子写真感光体 |
-
1988
- 1988-07-11 JP JP17234688A patent/JP2754384B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0222662A (ja) | 1990-01-25 |
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