JP2754266B2 - 工具データ集中管理機能を有する数値制御装置 - Google Patents

工具データ集中管理機能を有する数値制御装置

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JP2754266B2
JP2754266B2 JP1288763A JP28876389A JP2754266B2 JP 2754266 B2 JP2754266 B2 JP 2754266B2 JP 1288763 A JP1288763 A JP 1288763A JP 28876389 A JP28876389 A JP 28876389A JP 2754266 B2 JP2754266 B2 JP 2754266B2
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正作 沢田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、機械加工を主に行う工作機械において、
工具データ集中管理機能を有する数値制御装置(以下、
NC装置と記載)に関する。更に詳しくは、工具に関する
データをNC装置内で処理する工具データ集中管理機能を
有するNC装置に関する。
[従来技術] NC工作機械の工具機能はT機能と呼ばれており、NC加
工プログラム内では通常Tに続く数字(Tコード)で指
令されている。このTコード指令がNC装置よりプログラ
マブルコントローラ(以下、PCと記載)に出力される
と、PCが自動工具交換装置(以下ATCと記載)などに工
具交換動作を実行させる。
また、工具の状態を監視・計測する機能としては下記
のような監視・計測装置が知られている。切削監視装置
は、加工中の状態を監視するものである。切削監視装置
は、加工状態を検出する対象を何にするかで異なる。一
般には、主軸トルクや切削動力などを測定して切削監視
を行うものが多い。
工具寿命の判定は、折損などのアクシデントを除け
ば、切削時間を積算して、設定した時間以上使用すると
寿命であると判定して、新しい工具と交換するものが多
い。ワーク計測装置は、工作物の加工寸法を測定して、
次回からのワーク加工時の工具補正量の補正を行うもの
である。刃先計測装置は、刃先位置を計測して、工具刃
先の摩耗、折損の検出を行うものである。
そして、前記監視・計測装置より、各工具が折損,摩
耗,寿命に達したとの信号が出力された場合、その工具
の代替工具として予備工具があらかじめ登録してあれ
ば、予備工具をNC加工プログラム(以下、プログラムと
記載)の指令工具におきかえて加工を続行する予備工具
機能を有する工具システムも知られている。
[発明が解決しようとする課題] 前記した各付属装置は、一般にオプションとして必要
に応じて工作機械に付属して構成される場合が多い。し
たがって、各付属装置をどのように組み合わせて構成す
るかは、その都度決定される。このとき、各装置の工具
に関するデータ処理は、各々独立で処理されるため重複
した処理を行っているのが現状である。そのため、刃先
計測装置で工具異常と判定され予備工具に変更された場
合には、他の切削監視装置やワーク計測装置に通知する
ためのプログラム処理を行い各装置の工具に関するデー
タを一致させていた。
また、各装置の組み合わせによっては、上位の装置と
この装置により制御される下位の装置として構成され、
オペレータにとって親子関係を考慮してプログラムを組
む必要がある。すなわち、各装置で予備工具機能を行う
場合下記のようにプログラムする。
(1)切削監視装置にて予備工具を呼出す場合には、下
記のように予備工具を呼出す順序にオプショナルブロッ
クスキップとT番号をプログラムし、予備工具呼出しに
応じてオプショナルブロックスキップを制御し行う。
/1 T×× /2 T×× ……………… /9 T×× (2)NC装置の予備工具呼出し機能を使用すると、G○
○ T△△のプログラムとなる。この場合のT△△は工
具グループである。そして出力されるT番号は、NC装置
内予備工具登録プログラム内に登録された予備工具番号
となる。
予備工具登録プログラム T△△:T△△1,T△△2,……… (3)刃先計測装置での予備工具呼出し機能は、マクロ
プログラム形態のTコード(T#**)で予備工具を呼
出す。この場合の予備工具は、NC装置内のコモン変数な
どに設定される。
システムコモン変数(予備工具ファイル) 5001:01(工具番号) 5002:03 ………………… 5009:10 以上、プログラム例を示したが、各装置を組合わせた
場合には、どの装置にて予備工具機能を行うかで、プロ
グラム形態は全く異なったものとなり、プログラム形態
を含め、各装置間のインタフェイス(I/F)を調整する
ことが必要となる。
また、各工具の判定データは、各装置が独立で持って
いるため、工具異常、工具寿命と判定された工具の履歴
を調べるのに時間を要した。とりわけ、指令工具番号、
すなわちプログラムで指令された工具が工具寿命などで
使用できないとき予備工具が使われるが、この実際に使
用される指令工具番号と実行工具番号との関係が工具の
データ処理が一元化されていないため混乱し不明りょう
になっていた。
[発明が解決しようとする課題] この発明は、前記したような技術的背景のもとに発明
されたものであり、次の目的を達成するものである。
この発明の目的は、各付属装置の工具に関するデータ
を集中管理することにより、プログラムはオプションの
有無に関係なく同一とし、オペレータが操作およびメン
テナンスを行うのに容易な工具データを集中管理機能を
有する数値制御装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、各付属装置を工作機械のNC装
置と接続するのに容易で、工具データ処理を簡素化した
工具データ集中管理機能を有する数値制御装置を提供す
ることにある。
[前記課題を解決するための手段] 前記課題を解決するために、この発明は次のような手
段を採る。
この手段は、 a.機械加工を行うための複数の工具を有し、 b.この工具の加工中、加工後の状態を直接または間接的
に監視、計測するとともに、所定の設定値をこえた場合
に工具異常信号を出力する監視・計測装置を選択的に取
り付けることが可能な数値制御工作機械において、 c.前記複数の工具の工具番号・種別、前記各工具の寿命
時間設定データ、前記各工具の使用時間である累積切削
時間データ、前記工具の現在状態を示す工具判定データ
を記憶保持するための工具ファイルメモリ(9)と、 d.前記工具の切削時間を累積し前記工具ファイルメモリ
(9)の累積切削時間データを書替えるとともに、この
累積切削時間データが前記工具寿命設定時間データを越
えたとき工具寿命と判定し、前記工具ファイルメモリ
(9)の工具判定データを工具寿命と書替える工具寿命
管理手段(32)と、 e.前記工具の前記工具判定データガ工具異常、工具寿命
となったとき代替工具として使用される予備工具の工具
番号を登録保持する予備工具ファイルメモリ(31)と、 f.前記監視・計測装置から工具異常信号が出力されたと
き、前記工具ファイルメモリ(9)の工具判定データを
工具異常と書替えるとともに、前記工具の、前記工具判
定データが工具寿命または工具異常となったとき、この
工具の代替工具として、前記予備工具ファイルメモリ
(31)に登録されている前記予備工具の選択呼出を行う
工具ファイル管理手段(8)と、 g.前記工具ファイルメモリ(9)、前記予備工具ファイ
ルメモリ(31)の登録内容を表示する表示手段(4)
と、 h.前記各手段、前記各メモリを統括制御する中央処理装
置(1)とからなり、 i.前記各手段、前記各メモリを監視・計測装置でなく工
作機械本体の数値制御装置に集中させて、前記複数の工
具に関するデータを集中して設定、表示および操作を行
えることを特徴とする工具データ集中管理機能を有する
数値制御装置である。
前記監視・計測装置は、前記工具の加工時の加工負荷
を監視する切削監視装置と、前記工具の刃先位置を検知
する刃先計測装置と、前記工具で加工した工作物の寸法
を計測するワーク計測装置とから構成するとなお効果的
である。
[作用] NC装置に接続された各付属装置は、工具状態の判定デ
ータのみをNC装置に出力し、工具に関するデータはNC装
置が集中して管理を行う。このことにより各付属装置間
での工具データに関する入出力を最小限とし、工具デー
タ管理をより簡素化する。
[実施例] 第1図は、ATC付NC旋盤用の工具データ集中管理機能
を有する数値制御装置30の概要を示す機能ブロック図で
ある。CPU(中央処理装置)1には、バス2を介して入
出力機器、メモリなどが接続されている。CRT4、キーボ
ード5は、インタフェイス3を介して接続されている。
CRT4は、加工プログラムの確認、編集のときに表示する
表示装置である。キーボード5は、そのための入力装置
である。システムプログラムメモリ6は、数値制御装置
全体を稼働させるためのOSプログラムが記憶保持されて
いる。
加工プログラムメモリ7は、機械加工のための工具の
工具経路、加工条件などの加工プログラムが記憶保持さ
れている。工具ファイル管理プログラムメモリ8は、後
述する切削監視装置19、刃先計測装置23、ワーク計測装
置26などからのデータに基づき後述する工具ファイルメ
モリ9にデータを書込・変更を行うとともに、工具異
常、工具寿命となった工具の代替工具として予備工具フ
ァイル31に登録されている予備工具の呼出しを行うため
のプログラムが記憶されている。
工具ファイルメモリ9は、工具の工具番号、種別、工
具寿命時間の設定、使用時間である累積切削時間デー
タ、工具寿命、使用中、未使用などの工具判定データな
どを設定記憶し、必要に応じてデータを書き換えて記憶
するためのメモリである。工具補正ファイルメモリ10
は、工具ごとにX,Y,Z方向の工具補正値と、ノーズ半径
など工具に関する補正データを記憶保持するためのメモ
リである。補正データには、補正組番号が付されてお
り、工具を選択するたびに補正組番号も選択してその工
具に対応した補正データで工具刃先位置をオフセットし
て加工を行う。
予備工具ファイル31は、加工プログラム上の指令工具
が工具異常、工具寿命になって使用不可状態となったと
き、代替工具として使用する予備工具のデータを記憶し
ておくメモリである。この予備工具ファイル31内には、
工具番号、補正組番号のデータが記憶されている。各メ
モリ9、10、31の内容を知るには、キーボード5により
CRT4画面上に表示させる。
オペレータは、機械操作時やメンテナンス時にCRT4の
画面に工具ファイルメモリ9の内容を表示させることに
より、工具判定データから工具の状態の把握が容易に行
える。タレット刃物台は、Xサーボモータ15、Zサーボ
モータ16により駆動制御される。ATC17は、CPU1により
インタフェイス13を介してPC14から命令され必要な工具
交換サイクル動作を行う。切削監視装置17は、NC旋盤の
主軸モータ21の入力電流を検出回路20で検出し、この入
力電流を監視する監視装置である。
この装置内に各工具ごとの設定値をセットしておい
て、入力値がこの設定値をこえた場合に工具異常(負荷
異常)としてインタフェイス18を介して信号をNC装置に
出力する。この設定値は、切削監視装置19内の工具負荷
設定ファイルメモリ12に記憶されている。この設定値と
入力値は、加工中、常時比較されている。刃先計測装置
23は、工具の摩耗などを測定するものである。
刃先位置の測定は、工具Tをサーボモータで駆動し、
所定位置にセットされた接触子24に各方向より接触さ
せ、この接触信号により刃先位置を計測するものであ
る。ワーク計測装置26は、刃先計測装置23と同じ原理の
計測器であり、タッチセンサ27が工作物Wに接触した位
置を検知して、工作物Wの加工寸法を検出するものであ
る。刃先計測装置23において、刃先位置が変化した場
合、刃先位置変化量の累積値が工具摩耗による変化量と
して設定値をこえた場合には、NC装置30に工具異常信号
を出力する。
ワーク計測装置26において、ワーク寸法が所定量をこ
えて変化した場合、ワーク寸法変化量の累積値が設定値
をこえた場合には、NC装置30に工具異常信号を出力す
る。工具寿命管理プログラムメモリ32は、各工具ごとの
使用時間を累積し、工具ファイルメモリ9内の使用時間
を随時書替えるとともに、工具寿命設定時間と比較し
て、使用時間が設定時間をこえた場合に工具寿命とし
て、工具ファイルメモリ9内の工具判定データを書替え
るプログラムを記憶している。前記した切削監視装置1
9、刃先計測装置23、ワーク計測装置26は、いずれも公
知の装置であり詳細についてはここでは説明しない。
[作動] 第2図は、第1図に示したNC装置の動作例を示すフロ
ー図である。
加工プログラムよりTコード(Tttxx)が指令される
(ステップP1)。このTコードのttは工具番号を示し、
xxは補正組番号を示している。この指令工具に、刃先計
測装置23より工具異常が出力されているか否かを判断す
る(P2)。異常信号が出力されていない場合にはステッ
プP3に進み、出力されている場合には工具ファイルメモ
リ9の工具判定データを刃先計測NGに書替える(P8)。
ステップP3において、ワーク計測装置26より工具異常
の信号が出力されているか否かを判断する。異常信号が
出力されていない場合にはステップP4に進み、出力され
ている場合には工具判定データをワーク計測NGと書替え
る(P9)。ステップP4において、切削監視装置19より負
荷異常の信号が出力されているか否かを判断する。異常
信号が出力されていない場合にはステップP5に進み、異
常信号が出力されている場合には、工具判定データを負
荷異常に書替える(P10)。
ステップP5において、工具寿命管理プログラムメモリ
32より工具寿命の信号が出力されているか否かの判断を
行う。出力されていない場合は、ステップP6に進みTコ
ード指令を実行するようPC14に指令を送出する。出力さ
れている場合には、工具判定データを工具寿命に書替え
る(P11)。各装置からのアラーム信号により工具判定
データを書替えたステップP8〜P11は、ステップP12に進
み、予備工具が登録されているか否かを判断される。も
し、予備工具が登録されていない場合には、アラームと
し機械を停止させる(P16)。
予備工具が登録されている場合には、この工具の工具
判定データが工具異常、工具寿命と書替えられているか
否かを判断する(P13)。もし書替えられている場合に
は、ステップP12に戻り、他に予備工具が登録されてい
るか否かを判断する。書替えられていない場合には、予
備工具ファイルメモリ31より予備工具番号を読取り(P
14)、PC14に予備工具の工具番号でTコード指令を実行
するよう指令を送出する。ステップP6,ステップP15でT
コード指令を実行した後は、ステップP7に進み制御装置
がREADY状態(稼働状態)か否かを判断し、READY状態の
ときには、先頭に戻り、次のTコード指令を待つ。READ
Y状態でない場合には、終了となる(P17)。
[発明の効果] 以上、詳記したように、この発明は、工具に関するデ
ータがNC装置内に集中して管理されているため、各種装
置をオプションとして付属させても工具に関するデータ
処理は簡単になる。また、加工プログラムも共通にする
ことができる。各付属装置は、NC装置に対して工具判定
データのみを出力すればよくなり工具に関するデータ処
理が簡単になるため、各付属装置本来の目的である監視
・計測機能に重点をおいた装置とすることができる。
オペレータは、工具の状態をNC画面で確認できるた
め、工具状態を理解しやすくなり、操作、メンテナンス
が容易となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は総合工具呼出装置の機能ブロック図、第2図は
総合工具呼出装置の動作の一例を示すフロー図である。 1……CPU(中央処理装置)、8……工具ファイル管
理、9……工具ファイルメモリ、10……補正ファイルメ
モリ、12……工具負荷設定ファイル、17……切削監視装
置、23……刃先計測装置、26……ワーク計測装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−114843(JP,A) 特開 平1−205964(JP,A) 特開 昭64−58460(JP,A) 特開 昭58−155148(JP,A) 特開 昭64−71642(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a.機械加工を行うための複数の工具を有
    し、 b.この工具の加工中、加工後の状態を直接または間接的
    に監視、計測するとともに、所定の設定値をこえた場合
    に工具異常信号を出力する監視・計測装置を選択的に取
    り付けることが可能な数値制御工作機械において、 c.前記複数の工具の工具番号・種別、前記各工具の寿命
    時間設定データ、前記各工具の使用時間である累積切削
    時間データ、前記工具の現在状態を示す工具判定データ
    を記憶保持するための工具ファイルメモリ(9)と、 d.前記工具の切削時間を累積し前記工具ファイルメモリ
    (9)の累積切削時間データを書替えるとともに、この
    累積切削時間データが前記工具寿命設定時間データを越
    えたとき工具寿命と判定し、前記工具ファイルメモリ
    (9)の工具判定データを工具寿命と書替える工具寿命
    管理手段(32)と、 e.前記工具の前記工具判定データが工具異常、工具寿命
    となったとき代替工具として使用される予備工具の工具
    番号を登録保持する予備工具ファイルメモリ(31)と、 f.前記監視・計測装置から工具異常信号が出力されたと
    き、前記工具ファイルメモリ(9)の工具判定データを
    工具異常と書替えるとともに、前記工具の、前記工具判
    定データが工具寿命または工具異常となったとき、この
    工具の代替工具として、前記予備工具ファイルメモリ
    (31)に登録されている前記予備工具の選択呼出を行う
    工具ファイル管理手段(8)と、 g.前記工具ファイルメモリ(9)、前記予備工具ファイ
    ルメモリ(31)の登録内容を表示する表示手段(4)
    と、 h.前記各手段、前記各メモリを統括制御する中央処理装
    置(1)とからなり、 i.前記各手段、前記各メモリを監視・計測装置でなく工
    作機械本体の数値制御装置に集中させて、前記複数の工
    具に関するデータを集中して設定、表示および操作を行
    えることを特徴とする工具データ集中管理機能を有する
    数値制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記監視・計測装置は 前記工具の加工時の加工負荷を監視する切削監視装置
    と、 前記工具の刃先位置を検知する刃先計測装置と、 前記工具で加工した工作物の寸法を計測するワーク計測
    装置と からなるものである、工具データ集中管理機能を有する
    数値制御装置。
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