JP2753883B2 - 燐酸バリウムを触媒とするアルコキシル化方法 - Google Patents

燐酸バリウムを触媒とするアルコキシル化方法

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアルコキシル化方法に関するものである。一
層具体的にいえば本発明は、1またはそれ以上のアルキ
レンオキサイドと1またはそれ以上の活性水素原子含有
化合物とを、触媒としての有効量の燐酸バリウムの存在
下に反応させることからなるアルコキシル化方法に関す
るものである。本発明の好ましい具体例は、ノニオン系
表面活性剤として有用なアルコキシレート生成物の製造
方法に関する。
従来の技術 アルキレンオキサイド(エポキシド)と、活性水素原
子を1またはそれ以上有する有機化合物との付加反応
(すなわちアルコキシル化反応)によって、種々の種類
の有用な生成物が製造でき、たとえば、ノニオン系表面
活性剤、湿潤剤、乳化剤、溶剤、潤滑剤、化学合成の中
間体等として有用な種々の生成物が製造できる。
たとえば、エチレンオキサイドと脂肪族アルコールま
たは炭素原子を6−30個含む置換フェノールとの反応に
よってアルカノールエトキシレートまたはアルキル置換
フェノールエトキシレートが得られる。前記エトキシレ
ート、およびそれに対応する若干のプロポキシレート
(ならびにオキシエチレン基とオキシプロピレン基を混
在状態で含む化合物)は、工業用および家庭用の洗剤組
成物のノニオン系洗剤成分として広く使用されている。
また、別の例を示せば、プロピレンオキサイドとポリオ
ールとの付加物は、ポリウレタン生成物の製造のための
中間体として使用されている。
単一化合物であるアルカノールの分子〔式(I)〕
に、n個のエチレンオキサイド分子〔式(II)〕を付加
させることによってアルカノールエトキシレート〔式
(III)〕を製造する方法は、次の反応式で表される。
このようなアルコキシル化方法によって得られる生成
物は、複数種のアルコキシレート分子からなる混合物で
あり、たとえば、前記の式(III)中のnの値が種々異
なる複数種の化合物(III)からなる混合物であり、換
言すれば、アルキレンオキサイドユニットの数が異なる
複数種のアルコキシレート分子からなる混合物である。
本発明は特に、前記のアルキレンオキサイドの付加反
応を、触媒としての燐酸バリウム化合物Ba3(PO4)2の存
在下に行うことを包含するアルコキシル化方法に関す
る。
バリウムおよび他のアルカリ土類元素の種々の化合物
がアルコキシル化触媒として使用できることは既に公知
である。たとえば米国特許第3,752,857号、第4,134,854
号、第4,223,164号、第4,306,093号および第4,239,917
号明細書、および欧州特許出願第26544号、第26546号お
よび第26547号公開明細書には、バリウム、ストロンチ
ウムおよびカルシウムを含む若干種の化合物がアルコキ
シル化反応において触媒として使用できることが開示さ
れている。米国特許第4,210,764号明細書には、触媒と
してのバリウム化合物の存在下に行われるアルコキシル
化反応をさらに促進するために、クレジル酸を使用する
ことが開示されている。米国特許第4,302,613号明細書
には、バリウムやストロンチウムの化合物である触媒
と、酸化カルシウム、炭化カルシウム、水酸化カルシウ
ム、金属マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、金属アルミニウムのごとき助触媒とからなる触媒系
が開示されている。
燐酸を包含する強酸類がアルコキシル化触媒として使
用できることも公知である。
米国特許第4,453,023号明細書には、バリリウム化合
物からなる触媒と、過燐酸、燐酸、ジ燐酸、トリ燐酸、
亜燐酸、二水素ホスフエート化合物、酸化燐、二酸化炭
素およびシュウ酸からなる群から選択された助触媒とを
使用するアルコキシル化方法が開示されている。
発明の構成 燐酸バリウム化合物Ba3(PO4)2が、アルキレンオキサ
イドと活性水素原子含有有機化合物との付加反応のため
に有効な触媒であることが今や発見された。
したがって本発明は、1またはそれ以上のビシナル
(vicinal)アルキレンオキサイドを含有するアルキレ
ンオキサイド反応体と、1またはそれ以上の活性水素含
有有機化合物を含む活性水素含有反応体とを、有効量の
燐酸バリウムを含む触媒の存在下に反応させることを特
徴とする、活性水素含有有機化合物とアルキレンオキサ
イドとの付加物の製造方法に関するものである。
本発明に係る燐酸バリウム触媒を用いるアルコキシル
化方法は、他のバリウム触媒を用いる公知方法に比し1
またはそれ以上の利点を有することが見出された。
本発明方法によって得られる生成物におけるアルキレ
ンオキサイド付加物の分布状態は、バリウムおよび/ま
たは燐を含む触媒を使用する従来の方法によって得られ
る生成物における該付加物の分布状態と大きく異なって
いるが、これは重要なことである。アルキレンオキサイ
ドの付加反応では、アルキレンオキサイドの付加数〔す
なわち前記の式(III)中のnの値が〕が異なる種々の
種類のアルキレンオキサイド付加物の混合物が得られ
る。当業者にはよく知られているように、反応生成物
(これは前記のごとく混合物である)中の種々の種類の
アルキレンオキサイド付加物の分布状態(すなわち付加
数の分布状態)は、当該アルコキシル化生成物の種々の
性質を左右する因子であり、したがって、付加物の分布
状態を所望通りに調節して、所望用途に適した付加物を
生成させるために種々の研究が行われていた。
本発明の好ましい具体例では、アルコキシレート混合
物の製造の際に選択率を高めることができ、たとえば、
比較的狭い範囲のnの値を有するアルコキシレートの混
合物(すなわち比較的少ない種類のアルキレンオキサイ
ド付加物の混合物)が生成物中のアルコキシレート類の
比較的大きな部分を占めるような生成物が得られる。た
とえば、本発明の好ましい一具体例によれば、有効量の
燐酸バリウムを含有してなるアルコキシル化触媒の存在
下に、アルカノール反応体とエトキシレート反応体とを
接触させることを包含するアルカノールエトキシレート
を製造する方法が提供される。上記の好適な方法によっ
て得られるアルカノールエトキシレート生成物では、エ
チレンオキサイド付加物の分布が非常に狭い。
本発明は、若干の種類の触媒をアルコキシル化反応に
用いて研究を行ったときに得られた知見に基いて完成さ
れたものである。前記の特定の触媒を使用することを除
外すれば、本発明方法(これは、前記の反応体を用いて
前記の操作方法に従って前記の反応条件下に有利に実施
できる)は、アルコキシル化反応に関する技術分野で一
般に周知であると考えられる。しかしながら、反応体、
操作方法および反応条件についてはその範囲が広いの
で、その好ましい範囲について、以下の文節において詳
細に説明する。
本発明方法では、たとえば、1またはそれ以上のビシ
ナルアルキレンオキサイドからなるアルキレンオキサイ
ド(エポキシド)反応体を使用するのが好ましく、低級
アルキレンオキサイド(特にC2−C4範囲のアルキレンオ
キサイド)を使用するのが一層好ましい。このアルキレ
ンオキサイドは一般に次式で表される。
上式において、R1、R2、R3、およびR4の各々はそれぞ
れ個別的に、水素およびアルキル基からなる群から選択
された基を表わす。
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドを含
有する反応体、またはエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドとの混合物を含有する反応体が一層好まし
く、実質的にはエチレンオキサイドまたはプロピレンオ
キサイド、もしくはその混合物からなる反応体が特に好
ましい。実際のアルコキシル化反応においては、商業的
立場からみて、さらにまた、独特なアルキレンオキサイ
ド付加物分布を有する生成物が得られるという本発明方
法の効果の面からみて、実質的にエチレンオキサイドか
らなるアルキレンオキサイド反応体を使用するのが最も
好ましいと思われる。
同様に、本発明方法に有利に使用できる活性水素含有
反応体の例には、アルキレンオキサイドとの反応によっ
てアルコキシレート生成物に変換できる当業界で周知の
反応体があげられる。適当な活性水素含有反応体の例に
はアルコール、フェノール、チオール(メルカプタ
ン)、アミン、ポリオール、カルボン酸およびその混合
物があげられる。ヒドロキシル基含有反応体が一般に好
ましい。一層好ましい活性水素含有反応体は、アルカノ
ール、アルキルポリオールおよびフェノール(アルキル
置換フェノールを包含する)からなる群から選択された
1種またはそれ以上の反応体である。
適当なカルボン酸はモノーおよびジカルボン酸であっ
て、これは脂肪族(飽和および不飽和の両者を包含す
る)および芳香族の両者を包含する。その具体例には酢
酸、プロピオン酸、ラク酸、吉草酸、カプロン酸、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、ロジン酸、トール油酸、テレフタル酸、安
息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸およびマレイン酸があげられる。
適当なアミンの例には第1、第2および第3アルキル
アミンがあげられ、さらにまた、アミノ基とヒドロキシ
ル基との両者を含むアルキルアミン(たとえばN,N−ジ
(n−ブチル)−エタノールアミン)もあげられる。
適当なチオールは、1−30個の炭素原子を含む第1、
第2および第3アルカンチオールであり、好ましくは8
−20個の炭素原子を含む該チオールである。好適な第3
チオールは、低級オレフィンのオリゴマー(特にプロピ
レンおよびブチレンの2量体、3量体、4量体および5
量体)のハイドロサルフリゼーションによって得られる
高度に分枝状の炭素鎖を有するチオールである。第2チ
オールの例には低級アルカンチオール(たとえば2−プ
ロパンチオール、2−ブタンチオールおよび3−ペンタ
ンチオール)があげられ、さらにまた、実質的に線状の
エチレンオリゴマーのハイドロサルフリゼーションによ
って得られる生成物(たとえばオキソ法で得られる生成
物)があげられる。エチレンオリゴマーから導かれたチ
オールの例には線状炭素鎖を有する該チオール(たとえ
ば2−デカンチオール、3−デカンチオール、4−デカ
ンチオール、5−デカンチオール、3−ドデカンチオー
ル、5−ドデカンチオール、2−ヘキサデカンチオー
ル、5−ヘキサデカンチオール、8−オクタデカンチオ
ール)、および分枝状炭素鎖を有するチオール(たとえ
ば2−メチル−4−トリデカンチオール)があげられ
る。第1チオールは、一般にターミナル(terminal)オ
レフィンにフリーラジカル条件下にハイドロサルフリゼ
ーション反応を行うことによって製造でき、しかして第
1チオールの例には1−ブタンチオール、1−ヘキサン
チオール、1−ドデカンチオール、1−テトラデカンチ
オール、2−メチル−1−トリデカンチオールがあげら
れる。
好適なポリオールは、ヒドロキシル基を2−6個含む
ポリオールである。このようなポリオールの例にはアル
キレングリコール(たとえばエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ヘキシレングリコール、デシレング
リコール)、ポリアルキレングリコールエーテル(たと
えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール)が
あげられる。
アルコール(1価アルコールおよび多価アルコールの
両者を包含する)およびフェノール(アルキル置換フェ
ノールを包含する)は、本発明の目的のために好ましい
種類の活性水素含有反応体である。好ましいフェノール
は非置換フェノールおよびアルキル置換フェノール(こ
こにアルキル置換基は炭素原子1−30個一層好ましくは
1−20個有するものである)であり、その例にはp−メ
チルフェノール、p−エチルフェノール、p−ヘキシル
フェノール、ノニルフェノール、p−デシルフェノー
ル、ジデシルフェノールがあげられる。
非環式脂肪族1価アルコール(アルカノール)は最も
好ましい種類の反応体であり、第1アルカノールが特に
好ましいが、第2および第3アルカノールもまた本発明
方法に非常に有利に使用できる。反応操作の容易性およ
び生成物の商品価値の立場からみて、炭素原子を1−30
個含むアルカノールが好ましく、C6−C24アルカノール
が一層好ましく、C8−C20アルカノールが最も好ましい
と思われる。一般にアルカノールは分枝状または直鎖状
構造のものであってよいが、アルカノール反応体中のア
ルカノール分子のうちの50%(一層好ましくは60%、最
も好ましくは70%)より多くのものが直鎖状(すなわち
線状)炭素構造のアルカノール分子であることが好まし
い。
アルコキシル化反応において前記アルカノールが反応
体として一般に適当であることは当業界においてよく知
られている。エチレンのオリゴマー化反応によって高級
オレフィンを作り、該高級オレフィンにヒドロホルミル
化または酸化反応および加水分解反応を行うことによっ
て得られた1価の第1アルカノールの混合物が市販され
ているが、これは特に好ましいアルカノール反応体であ
る。市販のアルカノール混合物の例には、シェル、ケミ
カル社から「ネオドールアルコール」(商標)なる名称
で販売されているアルカノール混合物があげられ、その
具体例にはC9、C10およびC11アルカノールの混合物
(「ネオドール91アルコール」)、C12およびC13アルカ
ノールの混合物(「ネオドール23アルコール」)、
C12、C13、C14およびC15アルカノールの混合物(「ネオ
ドール25アルコール」)、C14およびC15アルカノールの
混合物(「ネオドール45アルコール」)があげられる。
また、ビスタ、ケミカル社から「アフロールアルコー
ル」(商標)なる名称で市販されており、その例にはC
10およびC12アルカノールの混合物(「アフロール101
2」)、C12およびC14アルカノールの混合物(「アフロ
ール1214」)、C16およびC18アルカノールの混合物
(「アフロール1618」)、C16、C18およびC20アルカノ
ールの混合物(「アフロール1620」)があげられる。ま
た、エチルケミカル社から「エパールアルコール」(商
標)なる名称で市販されており、その例にはC10およびC
12アルカノールの混合物(「エパール1012」)、C12
よびC14アルカノールの混合物(「エパール1214」)、C
14、C16およびC18アルカノールの混合物(「エパール14
18」)があげられる。また、ユニオン、カーバイド社か
ら「ターギトール−L−アルコール」(商標)なる名称
で市販されており、その例にはC12、C13、C14およびC15
アルカノールの混合物(「ターギトール−L−125」)
があげられる。また、天然産脂肪エステルの還元によっ
て製造された市販アルカノールもまた非常に適当であ
り、その例にはプロクタ、アンド、ガンブル社から販売
されている製品「CO」および「TA」、およびアシュラン
ド、オイル社から販売されている「TAアルコール」があ
げられる。
好ましいポリオールは、ヒドロキシル基を2−6個有
しそして炭素原子を2個以上、一層好ましくは2−30個
含むポリオールである。ポリオールの具体例にはアルキ
レングリコール(たとえばエチレングリコール、プロピ
レグリコール、ヘキシレングリコールおよびデシレング
リコール)、ポリアルキレングリコールエーテル(たと
えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールおよ
びペンタエリスリトール)があげられる。ポリオールの
オリゴマーおよび重合体もまた非常に適当である。
活性水素含有化合物に予備(previous)アルコキシル
化反応を行うことによって得られたアルコキシレート生
成物もまた、非常に適当な活性水素含有反応体である。
たとえば、燐酸バリウムまたは他のアルコキシル化触媒
の存在下におけるアルコノールの予備エトキシル化によ
って得られたアルカノールエトキシレートを、本発明に
従ってさらにエトキシル化することによって大なる利益
が得られる。
本発明に適したアルキレンオキサイド反応体および活
性水素含有反応体のさらに別の具体例として、前記の米
国特許明細書に記載されている種々の反応体があげられ
る。
一般に本発明方法では、アルキレンオキサイド反応体
と活性水素含有反応体とを、触媒としての有効量の燐酸
バリウムの存在下に接触させることが必要である。一般
に触媒の有効量は、当該アルコキシル化反応の活性およ
び/または選択性に影響を与えるのに充分な量を意味す
る。
有効量の燐酸バリウムを含有する触媒を使用すること
が本発明の必須条件である。本明細書中に記載された用
語「燐酸バリウム」は、式Ba3(PO4)2の化合物を意味
し、該化合物はまたオルト燐酸トリバリウムまたはバリ
ウムトリオルトホスフェートとも称される。この化合物
は、燐酸水素バリウム(別名バリウムジオルトホスフェ
ート)BaHPO4とは別の化合物であり、また、バリウムの
他種燐酸塩とも明らかに区別され得る。この点からみて
本発明方法は、他のバリウム化合物および/または他の
燐酸塩化合物を含有してなる触媒を使用する従来の方法
から明らかに区別できる。
たとえば米国特許第4,453,023号明細書には、バリウ
ムアルコキシド、バリウムフェノキシド、水酸化バリウ
ムおよびその混合物からなる群から選択されたバリウム
触媒と、助触媒(好ましくは燐酸)との存在下にアルコ
キシル化反応を行うことを特徴とするアルコキシル化方
法が開示されているが、これは明らかに本発明方法とは
別異の方法である。前記の米国特許第4,453,023号明細
書に使用されるバリウム化合物に対し、また、バリウム
化合物と燐酸との混合物に対しX線回折分析を行った
が、その結果、燐酸水素バリウム、炭酸バリウムおよび
酸化バリウムの存在が認められた。この分析では、“認
め得る量の燐酸バリウム”は全く検出されなかった。前
記の米国特許第4,453,023号明細書に記載の触媒はアル
コキシル化反応を促進するが、このアルコキシル化反応
における活性および選択性は、本発明方法に使用される
燐酸バリウムの活性における選択性とは明らかに異なる
ものであった。
本発明に使用される燐酸バリウムは、水酸化バリウム
または酸化バリウムを水性媒質中で燐酸で中和すること
によって合成されたものであることが好ましい。たとえ
ば、水酸化バリウムの水溶液またはスラリに室温におい
て燐酸(好ましくは燐酸の希水溶液)を単純に添加する
かまたは混和操作を行いながら添加することができる。
この方法で燐酸バリウムを作る場合には、前記のバリウ
ム化合物と燐酸とを3:2すなわち1.5:1のモル比で混合す
るのが好ましい。前記の比3:2は、燐酸バリウムBa3(P
O4)2における化学量論的比率に相当する値である。
水性媒質中の燐酸の濃度がバリウム塩基の濃度よりも
高い場合には、塩基への酸の添加の実施中に、燐酸バリ
ウム以外の“バリウムおよび燐酸を含む種々の生成物”
が生成することがあり得ることが見出された。したがっ
て、水性塩基をよく撹拌しながら酸を除々に添加するの
が好ましい。また、一部中和された塩が溶液から沈澱す
る前に塩基を完全に中和するのに充分な添加速度で酸を
添加することも好ましい。さらに、塩である生成物の結
晶化を促進するために、中和後に反応混合物を撹拌する
ことが好ましいと考えられる。生成物は沈澱として回収
できる。塩の回収のために濾過により塩を単離し、水洗
し、真空下に乾燥するのが好ましい。実質的に完全に乾
燥するのが特に好ましく、たとえば、高温において真空
乾燥を行うのが有利である。乾燥温度は臨界条件ではな
いが、ピロ燐酸塩が生じるような高温(たとえば600
℃)は避けるべきである。
前記の燐酸バリウムの製法は本発明の必須要件ではな
く、他の製法でもよいが、このことは当業者には明らか
であろう。しかしながら、米国特許第4,453,023号明細
書に記載の方法に従ってアルコール溶液中でバリウム塩
基触媒と燐酸(助触媒)とを接触させることは、燐酸バ
リウムの製造のためには不適当な方法であることが見出
された。アルコールの存在は酸/塩基の完全中和を妨
げ、燐酸水素バリウムBaH(PO4)のごとき一部中和生成物
の生成を促進するように思われる。
本発明方法では、アルコキシル化反応混合物に、触媒
としての有効量の燐酸バリウムを存在させる。すなわ
ち、アルコキシル化反応の活性および/または選択性に
充分な影響を与え得るような量の燐酸バリウムを使用す
る。本発明の実施の場合における燐酸バリウムの使用量
は少なくとも約0.1重量%である(活性水素含有反応体
の重量基準)一層好ましい触媒の使用量は約0.2−5重
量%であり、最も好ましい使用量は約0.5−2重量%で
ある。上記の使用量は、1価アルカノール反応体および
エチレンオキサイド反応体を使用する反応の場合に特に
適した使用量である。触媒を上記量より実質的に多い
量、たとえば10重量%までの大量(活性水素含有反応体
の重量基準)使用することも適当である。一般に、アル
コキシレート生成物において所望されるアルキレンオキ
サイド付加数が高い程、また、反応速度の所望値が高い
程、そのような場合に必要な触媒の使用量は一層多くな
るであろう。
本発明方法では、触媒は、有効量の燐酸バリウムの他
に、他の物質をも含有し得る。他の物質の例には、燐酸
バリウム触媒の添加の際に不純物として反応系に入る物
質、および、触媒活性の向上または変改のために使用さ
れる物質があげられる。たとえば、燐酸バリウムの他
に、別のバリウム化合物をも含む触媒を本発明方法に使
用することが可能な場合もある。しかしながら、前記の
別種のバリウム化合物はアルコキシル化触媒として公知
のものであり、そしてこれらは燐酸バリウムのような高
い活性および/または選択性を有するものではないか
ら、触媒中に含まれるバリウム化合物の大部分は燐酸バ
リウムであるという条件を満たす触媒が好ましいと思わ
れる。換言すれば、このような場合には、触媒中のバリ
ウム化合物の大部分(重量単位)が燐酸バリウム化合物
であることが好ましい。触媒中に含まれるバリウム成分
の実質的に全部が、燐酸バリウム化合物として存在する
ことが一層好ましい。
最も好ましくは、本発明方法に使用される触媒は、実
質的に燐酸バリウムからなるものであるべきである。
一般に、前記の燐酸バリウムに関する説明および好適
条件は、触媒としての燐酸バリウムの使用に関するもの
であり、この触媒を本発明方法の操作の開始時に供給し
て反応体と接触させるのがよい。当該技術分野において
よく知られているように、アルコキシル化反応工程にお
いて最初に供給される触媒は、アルコキシル化反応の実
施中にその一部または全部が他の触媒活性物質または
“触媒活性を有しない物質”に変わることがあり得る。
したがって本発明は、触媒としての有効量の燐酸バリウ
ムの存在下に行われるアルコキシル化方法を包含し、さ
らにまたは、アルコキシル化反応の反応混合物中でその
場で燐酸バリウムが他の有効触媒量の活性物質1種また
はそれ以上に変わり得るような条件下に、後者の活性物
質の存在下に行われるアルコキシル化方法をも包含す
る。本発明の目的のために不適当であり効果を奏しない
燐酸水素バリウムおよび他種バリウム化合物に燐酸バリ
ウムがその場で変換されることを最小限に抑制するため
に、本方法における反応混合物を実質的に中性のpHに保
つのが有利である。
触媒および反応体は実質的に水分を含まないものであ
ることが好ましい。本発明方法において実質的量の水分
(たとえば、活性水素含有反応体の重量を基準として50
0ppmより多い水分)が存在する場合には、触媒活性が低
下し、かつ、生成物におけるアルキレンオキサイド付加
物の分布状態が変化することが見出された。好ましく
は、水分含有量は200ppm未満(活性水素含有反応体の重
量基準)に保つべきである。本発明の好ましい態様で
は、活性水素含有反応体と触媒との混合物を、アルキレ
オキサイド反応体と接触させる前に真空下に(たとえ
ば、100トルより低い圧力のもとで)加熱することによ
って、水分が除去できる。
本発明方法におけるアルコキシル化反応は、一般に慣
用方法によって実施できる。たとえば、触媒を最初に液
状の活性水素含有反応体に混合できる。前記の触媒と液
状の活性水素含有反応体との混合物を、好ましくは撹拌
下に、アルキレンオキサイド反応体(これは一般にガス
体の形で導入される)と接触させる。アルキレンオキサ
イド反応体は、少なくとも低級アルキレンオキサイドの
場合には、ガス状で導入するのがよい。しかしながら、
各反応体および触媒を相互に接触させる順序は、本発明
の臨界条件ではないことが見出された。
前記の操作方法の説明は回分法に関するものである
が、本発明はまた連続法でも容易に実施できた。
触媒は、前記の液状反応体および液状反応混合物(反
応体と、反応工程実施中に生じた生成物とを含む液状混
合物)に可溶(一部可溶または完全可溶)または不溶の
ものであってよい。本発明の範囲は決して特定の学説ま
たは特定の操作機構に拘束されて限定されるものではな
いが、アルコキシル化反応の反応混合物中に結晶質燐酸
バリウムが存在する場合には、この結晶質燐酸バリウム
が触媒としての反応の進行に好影響を与え、特に、反応
速度、および生成物中のアルキレンオキサイド付加物の
分布状態に好影響を与えるであろうと思われる。
一般に前記の2種の反応体の使用量は、所定の平均付
加数(n)を有するアルコキシレート生成物を得るため
に予め設定された使用量であってよい。生成物における
前記平均付加数の値は本発明方法の臨界条件ではない。
生成物における平均付加数の値は一般に1−30またはそ
れ以上であるが、本発明方法はポリオールのごとき反応
体のアルコキシル化のためにも適した方法であり、この
場合には、実質的に高い付加数がしばしば所望されるで
あろう。本発明の特に好ましい具体例によれば、炭素原
子数を6−24個有し、オキシエチレン基を1−15個好ま
しくは2−12個有し(エトキシレート分子1個当た
り)、かつ、非常に好ましい付加物分布状態を有すると
いう特長をもつ1価の第1アルカノールのエチレンオキ
サイド付加物が製造できる。
本発明方法に適した操作温度および圧力は、公知のア
ルコキシル化方法(本発明方法の場合と同じ反応体を使
用し、かつ、公知触媒を使用する公知方法)の場合の温
度および圧力と一般に同じであろう。反応速度の立場か
らみれば、90℃以上の温度が好ましく、120℃以上の温
度が一層好ましく、130℃以上の温度が最も好ましい。
一方、生成物の劣化を最低限に抑制するためには、温度
は好ましくは250℃未満、一層好ましくは210℃未満、最
も好ましくは190℃未満であるべきである。当該技術分
野でよく知られているように、所定の反応体を用いる反
応操作の場合の最適操作温度は、前記の条件を考慮に入
れて適宜決定できるであろう。
圧力としては、高圧たとえば0.7−11バール(g)の
圧力が好ましい。すなわち、活性水素含有反応体を液状
に保つのに充分な圧力をかけるのが好ましい。
活性水素含有反応体が液体であり、かつアルキレンオ
キサイド反応体が蒸気である場合には、液状の活性水素
含有反応体および触媒を含む圧力反応器に、アルキレン
オキサイドを導入することによってアルコキシル化反応
を行うのが有利である。操作の安全性を考慮して、低級
アルキレンオキサイドの分圧を或上限値より低い値に
し、たとえば4バール未満の値にし、および/または該
反応体を窒素等の不活性ガスで希釈し、蒸気相濃度をた
とえば50%以下にするのが好ましい。しかしながら当業
界でよく知られているように、爆発の危険を避けるため
に適当な安全手段を設けた場合には、アルキレンオキサ
イド濃度を一層高くしても、反応は安全に実施できる。
全圧を3−7バール(g)とし、アルキレンオキサイド
の分圧を1−4バール(g)にするのが好ましく、全圧
を3.5−6.5バール(g)とし、アルキレンオキサイド分
圧を1.5−3.5バール(g)とするのが一層好ましい。
本発明方法の所要時間は、所望アルコキシル化度(す
なわち、生成物におけるアルキレンオキサイドの平均付
加数)およびアルコキシル化反応の反応速度(該速度は
温度、触媒の使用量および反応体の性状に左右されて種
々変化するであろう)に左右されて種々変化するであろ
う。好ましい具体例における反応時間は一般に1−24時
間である。
エトキシル化反応の完了後に生成物を冷却するのが好
ましい。もし所望ならば、最終生成物から触媒が除去で
きるが、本発明方法では触媒の除去は必須条件ではな
い。触媒は、たとえば過、遠心分離、抽出または他の
公知の手段によって除去できる。触媒残留物の高程度の
除去か物理的手段によって実施できるが、このことは、
本発明方法に使用される触媒が反応混合物に実質的に不
溶であることを意味する。
或種の好ましい具体例では、アルコキシル化反応の生
成物中の触媒残留物の量、および或場合には生成物中の
副生成物の量を減少させるために、強酸(特にシュウ酸
および/または燐酸)、アルカリ金属の炭酸塩や重炭酸
塩、固体有機酸、ゼオライト(特にYゼオライトおよび
モルデナイト)およびクレーからなる群から選択された
物質で前記の反応生成物を処理する操作が行われる。こ
の操作では、生成物を前記の物質1種またはそれ以上と
接触させ、次いで過を好ましくは高温たとえば100℃
において行う。また、生成物を約125℃の温度において
水性洗浄液で洗浄することも、触媒残留物および副生成
物の除去のために特に有用な方法であることが見出され
た。
本発明方法は、非常に好ましいアルキレンオキサイド
付加物分布を有する生成物の製造のために有利に利用で
きる方法である。多くの場合において、本発明方法で得
られる生成物におけるアルキレンオキサイド付加物分布
は、公知のアルコキシル化触媒を使用して作られた生成
物における該付加物分布と実質的に異なっている。さら
に、本方法によって得られる生成物は未反応の活性水素
含有反応体(すなわち残留物)を比較的少量しか含んで
おらず、すなわち、付加数0の物質の含有量はかなり低
い。残留反応体の量が多いことは、価値のある反応体の
損失を意味し、しかもこの場合には、該反応体の回収の
ために生成物をさらに処理しなければならない。さらに
また、未反応物質の存在は生成物の品質にしばしば悪影
響を与え、また、環境汚染問題を起こすこともあり得
る。たとえば、洗剤として使用されるアルコールエトキ
シレート生成物中の残留アルカノールは、洗剤組成物の
製造の際の噴霧乾燥のときに有機揮発物として揮散す
る。さらに、本発明方法によって得られる生成物は、ポ
リアルキレングリコールおよび他の副生成物の含有量が
比較的低い。また、本方法によって得られる生成物中に
含まれるポリアルキレングリコール副生成物は、公知の
アルコキシル化方法によって得られる生成物中の該副生
成物よりも一般に炭素原子数が一層多いものであり、そ
して本方法において生じた副生成物は過、遠心分離等
の物理的手段によってアルコキシル化生成物から容易に
分離できる。
実施例 本発明を一層具体的に例示するために、次に実施例を
示す。しかしながら本発明の範囲は決して実施例記載の
範囲内のみに限定されるものではないことが理解される
べきである。
例1 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(15.0g;79.2ミリモル)を蒸留水
1500mlに撹拌下に溶解し、1時間撹拌した。燐酸(85重
量%燐酸6.1g;燐酸分52.8ミリモル)を蒸留水100mlで希
釈し、得られた酸の希薄溶液を前記の水酸化バリウム溶
液に8分間を要して滴下した。乳白色の懸濁液が生じ
た。この懸濁液を2時間撹拌し、ブフナー漏斗を用いて
過し、蒸留水600mlで洗浄し、過し、沈澱(乾燥
物)を回収した。該沈澱を真空炉に入れ、温度120℃、
圧力2.66KPaにおいて数時間保ち、一層完全に乾燥し
た。得られた白色固体粉末にX線粉末回折分析を行っ
た。これは、Ba3(PO4)2を唯一の結晶質生成物として含
有するものであることが見出された。
次に、本発明に従ってアルコキシル化操作を下記のご
とく行った。ここで使用されたアルキレンオキサイド反
応体はエチレンオキサイドからなるものであり、活性水
素含有反応体は市販のネオドール23アルコールからなる
ものであった(「ネオドール」はシェル、ケミカル社の
登録商標である)。ネオドール23アルコールは、直鎖基
を80%有し(したがって分枝基を20%有し)、炭素原子
を12−13個含む第1アルカノール混合物(C12−含量約4
0モル%;C13−含量約60モル%)であった。
最初に、前記の方法によって製造した燐酸バリウム2.
50gをネオドール23アルコール110gに添加し、この混合
物を、窒素雰囲気中に保たれた500ml容量のオートクレ
ーブ反応器に移した。オートクレーブおよびその内容物
を一定の窒素流の存在下に155℃に加熱し、水分を除去
した。反応混合物を155℃に10−15分間保った。窒素と
エチレンオキサイドとの混合物を反応器に、4バールの
全圧(窒素2バール;エチレンオキサイド2バール)で
導入した。これによって、アルコキシル化反応(エトキ
シル化反応)は直ちに開始された。エチレンオキサイド
の分圧を実質的に一定の値(2バール)に保つために、
必要に応じて、追加量のエチレンオキサイドを供給し
た。温度は155℃に保った。2.75時間の反応時間の間に
エチレンオキサイドが全部で180g消費された。未反応の
エチレンオキサイドを充分に反応させるために、反応器
を前記の高温にさらに半時間保った。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は6.9であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコール(PE
G)であって、その量は2.3重量%であった。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 1.8%w 1 0.4%w 2 0.6%w 3 1.3%w 4 2.8%w 5 6.3%w 6 12.3%w 7 18.7%w 8 21.2%w 9 17.1%w 10 10.2%w 11 4.7%w 12 1.7%w 13 0.6%w 14 0.2%w 15 0.1%w 例2 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(20.0g;105.6ミリモル)を蒸留
水3000mlに撹拌下に溶解し、数分間撹拌した。燐酸(85
重量%燐酸8.1g;燐酸分70.4ミリモル)を蒸留水100mlで
希釈し、得られた酸の希薄溶液を前記の水酸化バリウム
溶液に10分間を要して滴下した。乳白色の懸濁液が生じ
た。この懸濁液を4時間撹拌し、ブフナー漏斗を用いて
過し、固体分を蒸留水1200mlで洗浄し、過し、乾燥
固体を回収した。該固体を真空炉に入れ、温度120℃、
圧力2.66kPaにおいて数時間保ち、一層充分に乾燥し
た。得られた白色固体粉末にX線粉末回折分析を行っ
た。これは、Ba3(PO4)2を唯一の結晶質生成物として含
有するものであることが見出された。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、燐酸バリウム(前記の製法に
よって製造されたもの)をアルコキシル化触媒として用
いて行った。155℃の反応温度において、6時間の反応
時間の間にエチレンオキサイドが全部で180g消費され
た。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は7.5であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
った。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 1.1%w 1 0.3%w 2 0.3%w 3 0.7%w 4 1.6%w 5 4.5%w 6 10.5%w 7 18.9%w 8 23.1%w 9 19.2%w 10 11.4%w 11 5.0%w 12 1.8%w 13 0.7%w 14 0.4%w 15 0.2%w 16 0.2%w 例3 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(5.0g;26.4ミリモル)を蒸留水3
000mlに撹拌下に溶解し、1時間撹拌した。燐酸(85重
量%燐酸2.0g;燐酸分17.6ミリモル)を蒸留水100mlで希
釈し、得られた酸の希薄溶液を前記の水酸化バリウム溶
液に8分間を要して滴下した。乳白色の懸濁液が生じ
た。この懸濁液を4時間撹拌し、ブフナー漏斗を用いて
過して固体分を回収した。該固体を蒸留水1200mlで洗
浄し、過し、乾燥固体を回収した。この固体を真空炉
に入れ、温度120℃、圧力2.66KPaにおいて数時間保ち、
一層充分に乾燥した。得られた白色固体粉末にX線粉末
回折分析を行った。これは、Ba3(PO4)2を唯一の結晶質
生成物として含有するものであることが見出された。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1および
例2に記載の一般的操作方法と同様な方法に従って、燐
酸バリウム(前記の製法によって製造されたもの)をア
ルコキシル化触媒として用いて行った。155℃の反応温
度において、1.0時間の反応時間の間にエチレンオキサ
イドが全部で180g消費された。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は6.7であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
った。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 2.0%w 1 0.6%w 2 0.8%w 3 1.7%w 4 3.8%w 5 8.3%w 6 14.6%w 7 20.1%w 8 20.1%w 9 14.8%w 10 8.1%w 11 3.3%w 12 1.2%w 13 0.4%w 14 0.2%w 15 0.1%w 16 0.0%w 例4 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(45.0g;237.6ミリモル)を蒸留
水3000mlに撹拌下に溶解し、2時間撹拌した。燐酸(85
重量%燐酸18.3g;燐酸分158.5ミリモル)を前記の水酸
化バリウム溶液に7分間を要して滴下した。乳白色の懸
濁液が生じた。この懸濁液を直ちにブフナー漏斗を用い
て過して固体分を回収し、該固体を蒸留水400mlで洗
浄し、過し、乾燥固体を回収した。該乾燥固体を圧力
2.66KPaにおいて温度120℃に数時間加熱して一層充分に
乾燥した。得られた白色固体粉末にX線粉末回折分析を
行った。これは、Ba3(PO4)2を結晶質生成物として大量
含有し、そしてその他に、ごく少量の結晶質物質BaHPO4
およびBa5(OH)(PO4)3を含有するものであることが見出
された。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、燐酸バリウム(前記の製法に
よって製造されたもの)をアルコキシル化触媒として用
いて行った。155℃の反応温度において、2.8時間の反応
時間の間にエチレンオキサイドが全部で180g消費され
た。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は7.1であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
った。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 2.0%w 1 0.5%w 2 0.6%w 3 1.3%w 4 2.9%w 5 6.4%w 6 11.5%w 7 17.4%w 8 19.8%w 9 16.6%w 10 10.7%w 11 5.5%w 12 2.6%w 13 1.2%w 14 0.6%w 15 0.3%w 16 0.2%w 例5 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(45.0g;237.6ミリモル)を蒸留
水3000mlに撹拌下に溶解し、2時間撹拌した。燐酸(85
重量%燐酸18.3g;燐酸分158.5ミリモル)を前記の水酸
化バリウム溶液に7分間を要して滴下した。乳白色の懸
濁液が生じた。この懸濁液を1時間撹拌しブフナー漏斗
を用いて過して固体分を回収し、該固体を蒸留水400m
lで洗浄し、過し、乾燥固体を回収した。該固体を真
空炉に入れ、温度120℃、圧力2.66KPaにおいて数時間保
ち、一層完全に乾燥した。得られた白色固体粉末にX線
粉末回折分析を行った。これは、Ba3(PO4)2を結晶質生
成物として大量含有し、そしてその他に、ごく少量の結
晶質物質BaHPO4およびBa5(OH)(PO4)3を含有するもので
あった。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、燐酸バリウム(前記の製法に
よって製造されたもの)をアルコキシル化触媒として用
いて行った。155℃の反応温度において、2.0時間の反応
時間の間にエチレンオキサイドが全部で180g消費され
た。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は7.4であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
った。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 1.8%w 1 0.4%w 2 0.4%w 3 0.8%w 4 1.7%w 5 4.0%w 6 8.9%w 7 17.8%w 8 25.4%w 9 19.7%w 10 11.3%w 11 5.0%w 12 1.8%w 13 0.6%w 14 0.3%w 15 0.2%w 16 0.0%w 例6 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(1080g;5.70ミリモル)を蒸留水
102リットルに撹拌下に溶解し、15分間撹拌した。燐酸
(85重量%燐酸439g;燐酸分3.81モル)を前記の水酸化
バリウム溶液に7分間を要して滴下した。乳白色の懸濁
液が生じた。この懸濁液を3時間撹拌し、ブフナー漏斗
を用いて過して固体分を回収した。該固体を蒸留水38
リットルで洗浄し、過し、乾燥固体を回収した。この
固体を真空炉に入れ、温度120℃、圧力2.66KPaにおいて
数時間保ち、一層完全に乾燥した。得られた白色固体粉
末にX線粉末回折分析を行った。これは、Ba3(PO4)2
唯一の結晶質生成物として含有するものであることが見
出された。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、燐酸バリウム(前記の製法に
よって製造されたもの)をアルコキシル化触媒として用
いて行った。155℃の反応温度において、3.25時間の反
応時間の間にエチレンオキサイドが全部で180g消費され
た。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は7.8であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態を次表に示す。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
った。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 1.8%w 1 0.3%w 2 0.4%w 3 0.8%w 4 1.5%w 5 3.5%w 6 7.3%w 7 13.9%w 8 19.9%w 9 20.4%w 10 15.5%w 11 8.7%w 12 3.9%w 13 1.4%w 14 0.5%w 15 0.3%w 16 0.0%w 例7 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(30.0g;158.4ミリモル)を蒸留
水3000mlに撹拌下に溶解し、1時間撹拌した。燐酸(85
重量%燐酸12.2g;燐酸分105.6ミリモル)を蒸留水200ml
で希釈し、得られた酸の希薄溶液を前記の水酸化バリウ
ム溶液に7分間を要して滴下した。乳白色の懸濁液が生
じた。この懸濁液を5時間撹拌し、ブフナー漏斗を用い
て過して固体分を回収した。該固体を蒸留水1200mlで
洗浄し、過し、乾燥固体を回収した。該乾燥固体を真
空炉に入れ、温度120℃、圧力2.66KPaにおいて数時間保
ち、さらに充分に乾燥した。得られた白色固体粉末にX
線粉末回折分析を行った。これは、Ba3(PO4)2を唯一の
結晶質生成物として含有するものであることが見出され
た。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、ただし温度を多少低くして行
った。すなわち本例では、前記の製法によって調製され
た燐酸バリウム3.46gをアルコール154gに添加し、得ら
れた混合物を窒素雰囲気内で1000ml容量のオートクレー
ブ反応器に移した。オートクレーブおよびその内容物
を、一定の窒素流の存在下に155℃までの高温に加熱し
て水分を除去した。次いでオートクレーブを130℃に冷
却し、該温度においてアルコキシル化反応を行った。2.
16時間の反応時間の間にエチレンオキサイドが全部で25
6g消費された。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は7であった。生成物におけるエ
チレンオキサイド付加物の分布状態について述べれば、
最も多く含まれるものの含量は19.2重量%であった。認
められた唯一の副生成物はポリエチレングリコールであ
って、その量は0.8重量%であった。
例8 下記の製法によって燐酸バリウムを製造した。水酸化
バリウム(一水和物)(30.0g;158.4ミリモル)を蒸留
水3000mlに撹拌下に溶解し、1時間撹拌した。燐酸(85
重量%燐酸12.2g;燐酸分105.6ミリモル)を蒸留水200ml
で希釈し、得られた酸の希薄溶液を前記の水酸化バリウ
ム溶液に7分間を要して滴下した。乳白色の懸濁液が生
じた。この懸濁液を4時間撹拌し、ブフナー漏斗を用い
て過して固体分を回収した。該固体を蒸留水1200mlで
洗浄し、過し、乾燥固体を回収した。該乾燥固体を真
空炉に入れ、温度120℃、圧力2.66KPaにおいて数時間保
ち、さらに完全に乾燥した。得られた白色固体粉末にX
線粉末回折分析を行った。これは、Ba3(PO4)2を唯一の
結晶質生成物として含有するものであることが見出され
た。
次に、本発明に係るアルコキシル化操作を例1記載の
一般的操作方法に従って、ただし触媒の使用量を多少少
なくして行った。すなわち本例では、前記の製法によっ
て調製された燐酸バリウム1.80gをアルコール156gに添
加し、得られた混合物を窒素雰囲気内で1000ml容量のオ
ートクレーブ反応器に移した。オートクレーブおよびそ
の内容物を、一定の窒素流の存在下に155℃までの高温
に加熱して水分を除去した。窒素(2バール)とエチレ
ンオキサイド(2バール)との混合物を導入した。アル
コキシル化反応が直ちに始まった。全圧4バールを維持
するために、必要に応じてエチレンオキサイドの追加供
給を行った。温度は155℃に保った。3.62時間の反応時
間の間にエチレンオキサイドが全部で195g消費された。
得られた生成物にGC−LC分析を行った。生成物におけ
る平均付加数の測定値は5.4であった。生成物における
エチレンオキサイド付加物の分布状態における最高値
(peak)は20.9重量%であった。認められた唯一の副生
成物はポリエチレングリコールであって、その量は1.5
重量%であった。
比較実験A−E 本発明方法と米国特許第4,453,023号明細書記載の公
知方法とを比較するために一連の実験を行った。
前記の米国特許第4,453,023号明細書中の各実施例
(特に実施例6)に開示されている方法に従って、燐酸
を助触媒として含むバリウム系のアルコキシル化触媒を
調製し、この助触媒含有触媒を用いて、炭素原子数の多
い第1アルカノールのエトキシル化反応を行った。
一連の比較実験の各々において、水酸化バリウム(一
水和物)3.02gをネオドール23アルコール110gに添加し
た。この混合物を110℃に加熱し、そして真空下に(66P
a)該温度において1時間保った。冷却後に燐酸0.506g
を該混合物に撹拌下に添加した(比較実験A)。他の比
較実験では燐酸の添加量を後記のごとく種々変えた。こ
れによって得られた混合物を真空下に110℃に1時間加
熱し、冷却し、窒素雰囲気下にオートクレーブに入れ、
エチレンオキサイドと140℃において接触させて反応を
行った。
比較実験Aでは、水酸化バリウム触媒と燐酸助触媒と
を、3.6:1の相対的モル比で使用した。比較実験B、
C、DおよびEでは燐酸の使用量を一層多くした。比較
実験CおよびDでは、燐酸のモル比は1.5であり、した
がってこれは、本発明に使用される燐酸バリウム触媒Ba
3(PO4)2における化学量論的比率と同じ比率である。
前記の米国特許第4,453,023号明細書には、助触媒
(たとえば燐酸)は約30重量%以下(バリウム塩の重量
基準)使用できる旨が記載されている。比較実験Aおよ
びBにおける燐酸のモル比3.6および2.5はそれぞれ濃度
(バリウム塩の重量基準)15.8重量%および22.8重量%
に相当し、したがってこれは前記米国特許の発明の範囲
内に入る。比較実験CおよびD(および本発明の触媒)
における燐酸のモル比1.5は、燐酸の濃度38重量%に相
当し、したがってこれは前記の米国特許第4,453,023号
の発明の範囲に入らない。
前記の比較実験の結果を次表に示す。該表から明らか
なように、比較実験の結果は本発明方法の結果と大きく
異なる。特に、水酸化バリウムおよび燐酸を1.5のモル
比で反応器に供給した場合には、その結果生じた中和生
成物はアルコキシル化触媒活性を有しないものであっ
た。該モル比を高くした場合、すなわち比較実験Aおよ
びBの場合には、アルコキシル化反応が起こり、アルコ
キシル化生成物が得られたが、該生成物は、本発明方法
によって得られる生成物とは付加物分布状態が大きく異
なり、すなわちこの比較実験の場合には幅広の付加物分
布を示し、ピークの高さが低いことが観察された。
前記の米国特許第4,453,023号明細書の実施例に記載
の方法によって調製されたバリウム化合物にX線回折分
析を行った。この分析により、該バリウム化合物試料に
は燐酸水素バリウムBaHPO4、炭酸バリウムBaCO3、およ
びバリウム/酸素系化合物(酸化バリウムを包含する)
の存在が認められた。しかしこの分析では、該試料中に
燐酸バリウムの存在は認められなかった。比較実験Cお
よびDでは不活性触媒が得られ、その中のバリウム化合
物は実質的に燐酸水素バリウムからなるものであった。
例9 燐酸バリウムを次の方法によって調製した。水酸化バ
リウム〔Ba(OH)2.8H2O;31.23g;0.099モル〕を蒸留水50
0gに溶解し、1リットル容量のフラスコ型反応器に供給
した。該反応器は磁気撹拌棒、還流冷却器および滴下漏
斗を備えたものであった。得られた濁った溶液を68℃に
加熱し、該溶液に、85重量%燐酸7.61gを蒸留水50gで希
釈してなる燐酸溶液(酸として0.066モル)を、30分間
を要して滴下した。これによって得られた乳白色の反応
混合物を80℃にさらに2時間加熱し、次いで25℃に冷却
し、中程度の孔隙率を有するガラス製材を用いて過
した。白色のフィルタケーキを蒸留水で、洗液が中性の
pHになるまで数回洗浄した。得られた固体を真空下に
(11.8KPa)80℃において24時間乾燥した。この生成物
の分析値は、Ba63重量%、P8.9重量%であり、残分はお
そらく水分であった〔Ba3(PO4)2における理論的組成値
はBa68.4重量%、P10.3重量%である〕。
本発明に従ってネオドール23アルコールのエトキシル
化反応を行った。予備乾燥を行った後の、水分含有量12
0ppmの該アルコール200.2g(1.032モル)を1リットル
容量のオートクレーブに入れた。次いで、前記の方法で
調製された燐酸バリウム3.0gを添加し、反応器を密閉
し、窒素雰囲気下に撹拌下に155℃に加熱した。エチレ
ンオキサイド40モル%と窒素60モル%との混合物を導入
し、反応の進行に応じて該混合物を適宜追加した。エチ
レンオキサイドの全添加量は371g(7.4モル)であり、
反応器内の圧力は9バールに増加した。反応混合物を15
5℃においてさらに1時間撹拌して未反応のエチレンオ
キサイドの消費を促進し、その後に25℃に冷却した。
生成物にGC−LC分析を行った。生成物の平均エチレン
オキサイド付加数は7.05であった。生成物における付加
分布を次表に示す。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 2.1%w 1 0.6%w 2 0.9%w 3 1.7%w 4 3.1%w 5 6.2%w 6 10.9%w 7 16.2%w 8 19.0%w 9 17.1%w 10 12.0%w 11 6.4%w 12 2.7%w 13 0.9%w 14 0.2%w 15 0.1%w 例10 例1記載の方法によって作られた燐酸バリウムを触媒
として使用して、第2アルカノール反応体のアルコキシ
ル化反応を行った。炭素原子を11−12個含む主として線
状の第2アルカノールの混合物(C11−含量約45モル
%、C12−含量約55モル%)192.4g(1.07モル)を、水
分が150ppm未満になるまで乾燥し、そして窒素雰囲気下
に1リットル容量のオートクレーブに入れた。燐酸バリ
ウム触媒2.0gを反応器に添加した後に、反応器を密閉し
170℃に加熱した。エチレンオキサイド40モル%と窒素6
0モル%との混合物を反応器に撹拌下に添加し、反応の
進行に応じて適宜追加した。194分間の反応時間にわた
ってエチレンオキサイドが全部で329g添加された。反応
混合物を170℃においてさらに41分間撹拌して未反応の
エチレンオキサイドの消費を促進し、次いで25℃に冷却
した。
この方法で得られた生成物にGC−LC分析を行った。こ
れによって、平均エチレンオキサイド付加数は6.7であ
ることが見出された。生成物における付加物分布を次表
に示す。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 16.8%w 1 1.4%w 2 0.4%w 3 0.6%w 4 0.7%w 5 0.9%w 6 1.2%w 7 1.6%w 8 2.1%w 9 2.9%w 10 3.9%w 11 5.1%w 12 6.9%w 13 8.8%w 14 10.3%w 15 10.7%w 16 9.9%w 17 7.4%w 18 4.7%w 19 2.5%w 20 1.0%w 21 0.4%w 例11 第2アルカノール反応体を用いてエトキシル化操作を
行った。本例では、例2記載の方法によって調製された
燐酸バリウム触媒を使用した。燐酸バリウム2.0gをC11
/C12−第2線状アルカノール混合物(水分含量が200pp
m未満になるように予備乾燥したもの)200gと混合し、
これによって生じたスラリを1リットル容量のオートク
レーブ反応器に窒素雰囲気下に供給した。反応器を密閉
し、170℃に加熱した。窒素ガス中にエチレンオキサイ
ドを40モル%含有してなる混合物を反応器に撹拌下に供
給し、反応の進行に応じて該混合物を適宜追加した。24
4分間の反応時間の間にエチレンオキサイドが全部で342
g添加された。反応混合物を170℃においてさらに1時間
撹拌して未反応エチレンオキサイドの消費を促進し、次
いで25℃に冷却した。
この方法によって得られた生成物にGC−LC分析を行っ
た。生成物の平均エチレンオキサイド付加数は7.1であ
った。生成物における付加物分布を次表に示す。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 13.8%w 1 0.7%w 2 0.4%w 3 0.7%w 4 0.8%w 5 1.2%w 6 1.6%w 7 2.2%w 8 3.1%w 9 4.4%w 10 6.1%w 11 8.1%w 12 10.1%w 13 11.6%w 14 11.7%w 15 9.8%w 16 6.8%w 17 3.9%w 18 1.8%w 19 0.8%w 20 0.3%w 比較実験F 燐酸バリウム触媒の代りに水酸化バリウム触媒を使用
したことを除いて、例11の場合と同様な方法に従って、
同様な条件下に操作を行った。水酸化バリウム触媒を使
用する反応操作は本発明の範囲外の公知操作であり、こ
の実験は単に、本発明方法によって得られる生成物にお
ける付加物分布と、公知方法によって得られる生成物に
おける該分布との差異を例示したものにすぎない。本比
較実験では、第2アルカノール15gとエチレンオキサイ
ド(EO)26gとを、85%水酸化カリウム0.056gの存在下
に150℃の温度において360分間反応させた。EOの分圧は
1気圧であった。生成物の平均エチレンオキサイド付加
数は6.4であり、付加物分布は、次表に示すように幅広
型分布であった。
エトキシレートの分布 付加数 濃度 0 16.1%w 1 1.7%w 2 1.6%w 3 1.7%w 4 1.7%w 5 1.8%w 6 3.5%w 7 3.6%w 8 3.6%w 9 3.9%w 10 4.1%w 11 4.3%w 12 4.4%w 13 4.5%w 14 4.5%w 15 4.5%w 16 4.4%w 17 4.3%w 18 4.2%w 19 4.2%w 20 4.0%w 21 3.7%w 22 3.4%w 23 3.3%w 24 2.9%w 比較実験G 本発明方法では比較的よく乾燥した反応系を使用する
ことが重要であるが、このことを具体的に例示するため
に比較実験の結果を示す。予備乾燥しなかった第2アル
カノール反応体を使用したことを除いて、実施例10に記
載の方法と同様な方法に従って、同様な条件下に反応操
作を行った。このアルカノール反応体の水分含量は7565
ppmであった。エチレンオキサイドと第2アルカノール
とを170℃の温度において70分間接触させた後でさえ反
応は全く起こらないことが観察された。

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1またはそれ以上のビシナルアルキレンオ
    キサイドを含有するアルキレンオキサイド反応体と、1
    またはそれ以上の活性水素含有有機化合物を含む活性水
    素含有反応体とを、有効量の燐酸バリウムを含む触媒の
    存在下に反応させることを特徴とする、活性水素含有有
    機化合物とアルキレンオキサイドとの付加物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】アルキレンオキサイド反応体が、実質的
    に、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドか
    らなる群から選択された1またはそれ以上のアルキレン
    オキサイドからなるものである請求項1に記載の製造方
    法。
  3. 【請求項3】活性水素含有反応体が実質的に、アルコー
    ル、フェノールおよびポリオールからなる群から選択さ
    れた1またはそれ以上の化合物からなるものである請求
    項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】活性水素含有反応体が実質的に、炭素原子
    を1−30個含むアルカノールと、炭素原子を1−30個含
    むアルキル置換基を有するアルキル置換フェノールとか
    らなる群から選択された1またはそれ以上の活性水素含
    有化合物からなるものである請求項3に記載の製造方
    法。
  5. 【請求項5】活性水素含有反応体が実質的に、1または
    それ以上の1価のC1−C30第1アルカノールからなるも
    のである請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】活性水素含有反応体が実質的に、炭素原子
    を6−24個含む1価の第1アルカールからなるものであ
    り、アルキレンオキサイド反応体が実質的にエチレンオ
    キサイドからなるものである請求項1−5のいずれかに
    記載の製造方法。
  7. 【請求項7】活性水素含有反応体が実質的に、炭素原子
    を8−20個含む1価の第1アルカノールからなるもので
    ある請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】1価の第1アルカノールの分子のうちの50
    %より多くのものが、線状炭素構造を有するものである
    請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】前記分子のうちの70%より多くのものが、
    線状炭素構造を有するものである請求項8に記載の製造
    方法。
  10. 【請求項10】バリウム含有触媒の大部分(重量単位)
    が、燐酸バリウムの形のものである請求項1に記載の製
    造方法。
  11. 【請求項11】活性水素含有反応体の重量を基準とし
    て、燐酸バリウムを0.2−5重量%存在させ、好ましく
    は0.5−2重量%存在させる請求項1−10のいずれかに
    記載の製造方法。
  12. 【請求項12】90−250℃、好ましくは130−190℃の温
    度において実施される請求項1−11のいずれかに記載の
    製造方法。
  13. 【請求項13】活性水素含有反応体の水分含有量が200p
    pm未満である請求項1−12のいずれかに記載の製造方
    法。
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