JP2753372B2 - アミラーゼ阻害物質及びその製造法 - Google Patents
アミラーゼ阻害物質及びその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規なアミラーゼ阻害物質及びその製造方
法に関する。
法に関する。
(従来技術及び発明が解決しようとする課題) 近年、糖尿病、肥満症、高脂血症などの糖代謝と関連
する疾患は、増加の傾向にあり、動脈硬化、心筋梗塞な
どの病因ともなっている。現在のところ、これらの疾患
に対する効果的な予防法はなく、唯一その予防法とし
て、澱粉質などを制限した食事療法がなされている。し
かしながら、この食事療法では、疾患初期の予防として
は、患者に苦痛を与える結果となっている。
する疾患は、増加の傾向にあり、動脈硬化、心筋梗塞な
どの病因ともなっている。現在のところ、これらの疾患
に対する効果的な予防法はなく、唯一その予防法とし
て、澱粉質などを制限した食事療法がなされている。し
かしながら、この食事療法では、疾患初期の予防として
は、患者に苦痛を与える結果となっている。
そこで、最近では、澱粉質の分解を抑制するアミラー
ゼ阻害剤が、糖尿病や肥満症の予防剤、治療剤などとし
て注目されている。このアミラーゼ阻害物質は、高等植
物、微生物など多くの起源から産生されることが知られ
ている。これらのアミラーゼ阻害物質を用いた治療剤、
予防剤が種々検討なされているが、その安全性あるいは
有効性の点で問題があり、ほとんどが未だ実用化されて
いないのが現状である。
ゼ阻害剤が、糖尿病や肥満症の予防剤、治療剤などとし
て注目されている。このアミラーゼ阻害物質は、高等植
物、微生物など多くの起源から産生されることが知られ
ている。これらのアミラーゼ阻害物質を用いた治療剤、
予防剤が種々検討なされているが、その安全性あるいは
有効性の点で問題があり、ほとんどが未だ実用化されて
いないのが現状である。
すなわち、微生物により産生されるアミラーゼ阻害剤
は、微生物起源であるため、安全面において食品、飲料
などに添加することは不適切である。また、実用化され
た予防剤としては、食用に供されている高等植物の中で
インゲン豆や小麦のアミラーゼ阻害物質を用いた肥満予
防剤が開発されているが、ヒトに対して効果がないこと
が報告されており(“The New England Journal of Med
icine",Vol.307,p.1413−1416,1982年)、食事療法にと
って代わるほど効果的なものではない。
は、微生物起源であるため、安全面において食品、飲料
などに添加することは不適切である。また、実用化され
た予防剤としては、食用に供されている高等植物の中で
インゲン豆や小麦のアミラーゼ阻害物質を用いた肥満予
防剤が開発されているが、ヒトに対して効果がないこと
が報告されており(“The New England Journal of Med
icine",Vol.307,p.1413−1416,1982年)、食事療法にと
って代わるほど効果的なものではない。
一方、これらのアミラーゼ阻害剤は、消化管プロテア
ーゼに不活性化されるために、経口摂取には適さないこ
と、また、その作用有効pHがヒトα−アミラーゼの作用
pHと異なることから体内において有効にアミラーゼの作
用を阻害できないなどの問題がある。
ーゼに不活性化されるために、経口摂取には適さないこ
と、また、その作用有効pHがヒトα−アミラーゼの作用
pHと異なることから体内において有効にアミラーゼの作
用を阻害できないなどの問題がある。
また、コロカシア(Colocasia)属植物にも、アミラ
ーゼ阻害物質が存在することが知られている。例えば、
ヒト唾液α−アミラーゼを阻害し、顕著な熱的安定性を
示すもの(“Indian Journal of Biochemistry",vol.7,
p.241−243,1970年)や、哺乳類起源のα−アミラーゼ
を阻害し、タンパク様物質であるが、ペプシン、トリプ
シンあるいはキモトリプシンなどの消化管プロテアーゼ
にもほとんど不活性化されないもの(“Indian Journal
of Biochemistry & Biophysics",Vol.16,p.52−55,19
79年)がある。
ーゼ阻害物質が存在することが知られている。例えば、
ヒト唾液α−アミラーゼを阻害し、顕著な熱的安定性を
示すもの(“Indian Journal of Biochemistry",vol.7,
p.241−243,1970年)や、哺乳類起源のα−アミラーゼ
を阻害し、タンパク様物質であるが、ペプシン、トリプ
シンあるいはキモトリプシンなどの消化管プロテアーゼ
にもほとんど不活性化されないもの(“Indian Journal
of Biochemistry & Biophysics",Vol.16,p.52−55,19
79年)がある。
しかしながら、これらのアミラーゼ阻害物質において
も、脾臓α−アミラーゼを阻害し、消化管プロテアーゼ
に対して不活性化されず傾向投与が可能で、かつ調理が
可能な耐熱性があるなどの予防食に添加するためのアミ
ラーゼ阻害剤としての必須の条件を満足するものは現在
のところ存在しない。従って、現在のところ、これらの
アミラーゼ阻害物質を用いた効果的な予防食、予防飲料
ならびに予防剤はない。
も、脾臓α−アミラーゼを阻害し、消化管プロテアーゼ
に対して不活性化されず傾向投与が可能で、かつ調理が
可能な耐熱性があるなどの予防食に添加するためのアミ
ラーゼ阻害剤としての必須の条件を満足するものは現在
のところ存在しない。従って、現在のところ、これらの
アミラーゼ阻害物質を用いた効果的な予防食、予防飲料
ならびに予防剤はない。
本発明は、上述した従来技術の課題に鑑み発明された
ものであって、その目的とするところは、脾臓α−アミ
ラーゼを阻害し、消化管プロテアーゼに対して不活性化
されず、かつ耐熱性のある性質を有する新規なアミラー
ゼ阻害物質及びその製造方法を提供することを目的とし
ている。
ものであって、その目的とするところは、脾臓α−アミ
ラーゼを阻害し、消化管プロテアーゼに対して不活性化
されず、かつ耐熱性のある性質を有する新規なアミラー
ゼ阻害物質及びその製造方法を提供することを目的とし
ている。
(課題を解決するための手段) 本発明の新規アミラーゼ阻害物質は、上述の従来技術
の課題及び目的に鑑み発明なされたものであって、その
特徴とするところは、コロカシア(Colocasia)属植物
から抽出され、脾臓α−アミラーゼ及び唾液α−アミラ
ーゼ阻害性を有し、消化管プロテアーゼに対して不活性
化されず、かつ耐熱性を有することを特徴とする新規ア
ミラーゼ阻害物質である。
の課題及び目的に鑑み発明なされたものであって、その
特徴とするところは、コロカシア(Colocasia)属植物
から抽出され、脾臓α−アミラーゼ及び唾液α−アミラ
ーゼ阻害性を有し、消化管プロテアーゼに対して不活性
化されず、かつ耐熱性を有することを特徴とする新規ア
ミラーゼ阻害物質である。
また、本発明のアミラーゼ阻害物質の製造方法は、コ
ロカシア(Colocasia)属植物の塊茎を溶媒とともにホ
モジナイズし、その可溶性成分を必要によりゲル濾過
後、イオン交換カラム、疎水クロマトカラム、ゲル濾過
クロマトカラムまたはそれらの組み合わせにより、アミ
ラーゼ阻害物質を分離精製することを特徴とする。
ロカシア(Colocasia)属植物の塊茎を溶媒とともにホ
モジナイズし、その可溶性成分を必要によりゲル濾過
後、イオン交換カラム、疎水クロマトカラム、ゲル濾過
クロマトカラムまたはそれらの組み合わせにより、アミ
ラーゼ阻害物質を分離精製することを特徴とする。
本発明者等は、上述の目的に鑑み、種々の植物の中か
ら、所期の諸性質を満足する性質を有するアミラーゼ阻
害物質の抽出について鋭意研究した結果、コロカシア
(Colocasia)属植物から抽出した新規アミラーゼ阻害
物質が、脾臓α−アミラーゼ及び唾液α−アミラーゼ阻
害性を有し、消化管プロテアーゼに対して不活性化され
ず、かつ耐熱性を有することを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
ら、所期の諸性質を満足する性質を有するアミラーゼ阻
害物質の抽出について鋭意研究した結果、コロカシア
(Colocasia)属植物から抽出した新規アミラーゼ阻害
物質が、脾臓α−アミラーゼ及び唾液α−アミラーゼ阻
害性を有し、消化管プロテアーゼに対して不活性化され
ず、かつ耐熱性を有することを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。
(実施例) A.アミラーゼ阻害物質の抽出・精製 具体的には、コロカシア(Colocasia)属植物の塊茎
を溶媒とともにホモジナイズし、その可溶成分を必要に
よりゲル濾過後、イオン交換カラム、疎水クロマトカラ
ム、ゲル濾過クロマトカラムまたはそれらの組み合わせ
により、アミラーゼ阻害物質を分離精製すれば、本発明
の2種類の新規アミラーゼ阻害物質(以下、「NSAI−
I」ならびに「NSAI−II」と言う。)が得られる。
を溶媒とともにホモジナイズし、その可溶成分を必要に
よりゲル濾過後、イオン交換カラム、疎水クロマトカラ
ム、ゲル濾過クロマトカラムまたはそれらの組み合わせ
により、アミラーゼ阻害物質を分離精製すれば、本発明
の2種類の新規アミラーゼ阻害物質(以下、「NSAI−
I」ならびに「NSAI−II」と言う。)が得られる。
より詳細には、抽出に用いる溶媒は、含まれるアミラ
ーゼ阻害物質が失活せず可溶なもの、例えば、酸、アル
カリ溶液でも抽出可能であるが、好ましくは、低濃度の
中性塩水溶液を用いる。ゲル濾過に使用する樹脂として
は、例えばセファデックスG−50(ファルマシア(Phar
macia)社製)、トヨパールHW−50(東ソー(株)社
製)、スーパーロース12(ファルマシア(Pharmacia)
社製)などを用い、イオン交換樹脂としては、例えば、
Q−セファロース ファスト フロー(ファルマシア
(Pharmacia)社製)、QAE−トヨパール550C(東ソー
(株)社製)などを用いる。また、疎水結合クロマト樹
脂としては、フェニル セファロースCL−4B(ファルシ
ア(Pharmacia)社製)などを用いる。
ーゼ阻害物質が失活せず可溶なもの、例えば、酸、アル
カリ溶液でも抽出可能であるが、好ましくは、低濃度の
中性塩水溶液を用いる。ゲル濾過に使用する樹脂として
は、例えばセファデックスG−50(ファルマシア(Phar
macia)社製)、トヨパールHW−50(東ソー(株)社
製)、スーパーロース12(ファルマシア(Pharmacia)
社製)などを用い、イオン交換樹脂としては、例えば、
Q−セファロース ファスト フロー(ファルマシア
(Pharmacia)社製)、QAE−トヨパール550C(東ソー
(株)社製)などを用いる。また、疎水結合クロマト樹
脂としては、フェニル セファロースCL−4B(ファルシ
ア(Pharmacia)社製)などを用いる。
そして、上記の抽出およびゲル濾過、イオン交換、疎
水結合クロマトグラフィーの方法は常法に従えばよい。
また、必要に応じて、他の精製方法、例えば、エタノー
ルなどを用いた沈澱分画法、又はメンブレンフィルター
などを用いた分子量分画法を適宜付加してもよい。
水結合クロマトグラフィーの方法は常法に従えばよい。
また、必要に応じて、他の精製方法、例えば、エタノー
ルなどを用いた沈澱分画法、又はメンブレンフィルター
などを用いた分子量分画法を適宜付加してもよい。
さらに、NSAI−IとNSAI−IIの抽出、分離精製の具体
的な方法としては、コロカシア(Colocasia)属植物の
塊茎を、50mM食塩溶液とともにホモジナイズし、37℃で
1時間抽出後、遠心分離により固形成分を除去する。必
要により、その抽出液をセファデックスG−50カラムな
どのゲル濾過に通した後、陰イオン交換クロマトグラフ
ィーを行い、次いで、疎水またはゲル濾過クロマトグラ
フィーを行えばNSAI−IおよびNSAI−IIが得られる。
的な方法としては、コロカシア(Colocasia)属植物の
塊茎を、50mM食塩溶液とともにホモジナイズし、37℃で
1時間抽出後、遠心分離により固形成分を除去する。必
要により、その抽出液をセファデックスG−50カラムな
どのゲル濾過に通した後、陰イオン交換クロマトグラフ
ィーを行い、次いで、疎水またはゲル濾過クロマトグラ
フィーを行えばNSAI−IおよびNSAI−IIが得られる。
実施例1 コロカシア(Colocasia)属植物からのNSAI
−IおよびNSAI−IIの分離・精製 コロカシア(Colocasia)属に属するサトイモ(Coloc
asia esculenta(Linn.)Schott)の塊茎1.0kgと50mM食
塩溶液0.5をホモジナイズし、37℃で1時間保温後、
遠心分離により、上清を分取した。得られた上清を分子
量カット10,000のメンブレンフィルターを用いて100ml
に濃縮し、50mM食塩溶液で平衡化したセファデックスG
−50 カラム(ファルマシア(Pharmacia)社製)を用
いたゲル濾過クロマトグラフィーを行った。その溶出パ
ターンを第11図に示した。
−IおよびNSAI−IIの分離・精製 コロカシア(Colocasia)属に属するサトイモ(Coloc
asia esculenta(Linn.)Schott)の塊茎1.0kgと50mM食
塩溶液0.5をホモジナイズし、37℃で1時間保温後、
遠心分離により、上清を分取した。得られた上清を分子
量カット10,000のメンブレンフィルターを用いて100ml
に濃縮し、50mM食塩溶液で平衡化したセファデックスG
−50 カラム(ファルマシア(Pharmacia)社製)を用
いたゲル濾過クロマトグラフィーを行った。その溶出パ
ターンを第11図に示した。
次に、アミラーゼ阻害活性を示す画分について、20mM
グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 10)で平衡化
したQ−セファロースファストフローカラム(ファルマ
シア(Pharmacia)社製)を用いた陰イオン交換クロマ
トグラフィーを行った。カラムからの溶出は、0.1〜0.3
Mの食塩を含む20mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH 10)により濃度勾配溶出法で行った。その溶出パ
ターンを第12図に示した。
グリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH 10)で平衡化
したQ−セファロースファストフローカラム(ファルマ
シア(Pharmacia)社製)を用いた陰イオン交換クロマ
トグラフィーを行った。カラムからの溶出は、0.1〜0.3
Mの食塩を含む20mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液
(pH 10)により濃度勾配溶出法で行った。その溶出パ
ターンを第12図に示した。
さらに、アミラーゼ阻害活性を示す画分について、FP
LC(ファルマシア(Pharmacia)社製)を用い50mM食塩
溶液で平衡化したスーパーロース12(ファルマシア(Ph
armacia)社製)によるゲル濾過クロマトグラフィーを
行った。その溶出パターンを第13図に示した。図中の画
分1をNSAI−I、画分2をNSAI−IIとし、それぞれの画
分を蒸留水を外液として透析後、凍結乾燥を行ったとこ
ろ、NSAI−IおよびNSAI−IIの白色の粉末がそれぞれ、
約130mg、約30mgが得られた。
LC(ファルマシア(Pharmacia)社製)を用い50mM食塩
溶液で平衡化したスーパーロース12(ファルマシア(Ph
armacia)社製)によるゲル濾過クロマトグラフィーを
行った。その溶出パターンを第13図に示した。図中の画
分1をNSAI−I、画分2をNSAI−IIとし、それぞれの画
分を蒸留水を外液として透析後、凍結乾燥を行ったとこ
ろ、NSAI−IおよびNSAI−IIの白色の粉末がそれぞれ、
約130mg、約30mgが得られた。
B.NSAI−IおよびNSAI−IIの理化学的性状・生理学的性
質 上記実施例1で得られたNSAI−I及びNSAI−IIについ
てそれぞれ、理化学的性状・生理学的性質について検査
した結果を下記に示す。
質 上記実施例1で得られたNSAI−I及びNSAI−IIについ
てそれぞれ、理化学的性状・生理学的性質について検査
した結果を下記に示す。
外観:NSAI−I、NSAI−IIともに白色粉末 分子量: NSAI−I 15,000±1,000 NSAI−II 14,000±1,000 本物質の分子量は、スーパーロース12(ファルマシア
(Pharmacia)社製)を用いたゲル濾過法により算出し
た。
(Pharmacia)社製)を用いたゲル濾過法により算出し
た。
分子量マーカーとしては、リボヌクレアーゼA、ミオ
グロビン、β−ラクトグロブリンを用いた(第1図参
照)。
グロビン、β−ラクトグロブリンを用いた(第1図参
照)。
紫外線吸収スペクトル: 紫外線吸収スペクトルをそれぞれ、第2図(NSAI−
I)及び第3図(NSAI−II)に示した。ともに276nm付
近に極大吸収、250nm付近に極小吸収を有し、蛋白質特
有のスペクトルを示す。
I)及び第3図(NSAI−II)に示した。ともに276nm付
近に極大吸収、250nm付近に極小吸収を有し、蛋白質特
有のスペクトルを示す。
アミノ酸組成: NSAI−IおよびNSAI−IIをそれぞれ、6N塩酸溶液中、
110℃で一定時間(20〜72時間)加水分解後、アミノ酸
自動分析機431A(ベックマン(Beckman)社製)によ
り、構成アミノ酸を測定した。以下に、NSAI−Iおよび
NSAI−IIのアミノ酸組成(%)を示す。
110℃で一定時間(20〜72時間)加水分解後、アミノ酸
自動分析機431A(ベックマン(Beckman)社製)によ
り、構成アミノ酸を測定した。以下に、NSAI−Iおよび
NSAI−IIのアミノ酸組成(%)を示す。
NSAI−Iのアミノ酸組成 アスパラギン酸 10.2±0.3 グルタミン酸 8.2±0.2 セリン 12.1±0.5 スレオニン 8.9±0.3 グリシン 13.5±0.6 アラニン 2.7±0.2 システイン 3.5±0.2 バリン 5.1±0.5 メチオニン 1.0±0.1 イソロイシン 4.9±0.2 ロイシン 6.8±0.2 チロシン 11.3±0.3 フェニルアラニン 6.7±0.1 プロリン 1.3±0.1 リジン 2.7±0.2 アルギニン 1.3±0.1 NASI−IIのアミノ酸組成 アスパラギン酸 10.0±0.2 グルタミン酸 8.2±0.3 セリン 13.1±0.3 スレオニン 9.0±0.4 グリシン 13.7±0.8 アラニン 2.7±0.1 システイン 3.3±0.6 バリン 5.1±0.3 メチオニン 1.1±0.2 イソロイシン 5.0±0.4 ロイシン 6.7±0.2 チロシン 10.3±0.5 フェニルアラニン 6.6±0.3 プロリン 1.3±0.1 リジン 2.6±0.1 アルギニン 1.3±0.1 元素分析: NSAI−I C:約45.3%、H:約6.3%、N:約12.1%、 NSAI−II C:約41.0%、H:約5.6%、N:約11.7%、 糖含量: フェノール硫酸法により糖含量を測定した。NSAI−I
は、約6%の糖を含有する糖蛋白質である。NSAI−II
は、糖は検出されなかった。
は、約6%の糖を含有する糖蛋白質である。NSAI−II
は、糖は検出されなかった。
H1−NMRスペクトル: 400MHzのH1−NMRスペクトルをそれぞれ、第4図(NSA
I−I)および第5図(NSAI−II)に示した。
I−I)および第5図(NSAI−II)に示した。
IRスペクトル: KBr法によるIRスペクトルをそれぞれ、第6図(NSAI
−I)および第7図(NSAI−II)に示した。
−I)および第7図(NSAI−II)に示した。
アミラーゼに対する阻害の特異性: NSAI−I、NSAI−IIともに、ヒト、ラット、ブタの脾
臓α−アミラーゼを阻害し、ヒト唾液α−アミラーゼを
阻害するが、微生物及び植物由来のアミラーゼは阻害し
ない。
臓α−アミラーゼを阻害し、ヒト唾液α−アミラーゼを
阻害するが、微生物及び植物由来のアミラーゼは阻害し
ない。
作用至適pH: NSAI−IおよびNSAI−IIのヒト唾液α−アミラーゼに
対する活性のpH依存性をそれぞれ、第8図および第9図
に示した。NSAI−Iの作用至適pHは、7.0〜10.0であ
り、NSAI−IIでは6.0〜10.0である。
対する活性のpH依存性をそれぞれ、第8図および第9図
に示した。NSAI−Iの作用至適pHは、7.0〜10.0であ
り、NSAI−IIでは6.0〜10.0である。
熱安定性: NSAI−I、NSAI−IIともに、pH7.0において、80℃、2
0分間処理をしても活性の低下は認められなかった。ま
た、pH7.0において、100℃、10分間の加熱処理を行う
と、NSAI−Iでは約10%、NSAI−IIでは約20%活性が低
下する(第10図参照)。
0分間処理をしても活性の低下は認められなかった。ま
た、pH7.0において、100℃、10分間の加熱処理を行う
と、NSAI−Iでは約10%、NSAI−IIでは約20%活性が低
下する(第10図参照)。
プロテアーゼに対する安定性: NSAI−I、NSAI−IIともに、消化管内で分泌されるペ
プシン、トリプシンおよびα−キモトリプシンを、10倍
量加えて処理をしても活性の低下は認められなかった。
プシン、トリプシンおよびα−キモトリプシンを、10倍
量加えて処理をしても活性の低下は認められなかった。
生体内における効果: ラットを用いた動物実験により、NSAI−IとNSAI−II
の混合物であるNSAI−Iの生体内における有効性が確認
された。すなわち、体重約150gのSD系雄性ラットを24時
間絶食させ、その後、煮沸したコーンスターチ750mg/kg
を経口投与した。これと同時にNSAI−IとNSAI−IIの混
合物であるNSAIを30mg経口投与した。投与20分後に、ラ
ット腹部下行大動脈より採血し、常法により血糖値を測
定した。その結果、NSAI投与群は、コーンスターチのみ
を投与した対象群と比較すると、血糖上昇が30%抑制さ
れた(詳細については後述する試験例2参照)。
の混合物であるNSAI−Iの生体内における有効性が確認
された。すなわち、体重約150gのSD系雄性ラットを24時
間絶食させ、その後、煮沸したコーンスターチ750mg/kg
を経口投与した。これと同時にNSAI−IとNSAI−IIの混
合物であるNSAIを30mg経口投与した。投与20分後に、ラ
ット腹部下行大動脈より採血し、常法により血糖値を測
定した。その結果、NSAI投与群は、コーンスターチのみ
を投与した対象群と比較すると、血糖上昇が30%抑制さ
れた(詳細については後述する試験例2参照)。
C.NSAI−IおよびNSAI−IIのアミラーゼ阻害活性、生体
内効果、ならびに熱安定性 次に、上記実施例1で得られたNSAI−IおよびNSAI−
IIのアミラーゼ阻害活性、生体内効果、ならびに熱安定
性を確認するために、下記の種々の試験を実施した。
内効果、ならびに熱安定性 次に、上記実施例1で得られたNSAI−IおよびNSAI−
IIのアミラーゼ阻害活性、生体内効果、ならびに熱安定
性を確認するために、下記の種々の試験を実施した。
なお、アミラーゼ活性・阻害活性の測定は下記のよう
な方法に基づいて実施した。
な方法に基づいて実施した。
1. アミラーゼ活性測定法 アミラーゼ溶液100μに水100μを加え、40℃で10
分間保温後、1重量%可溶性澱粉、5mM 塩化カルシウ
ムおよび5mM 塩化ナトリウムを含有する20mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.2)300μを加え、40℃で10分間反応
させた。その後、この反応液500μ中の還元糖をソモ
ジ・ネルソン法により定量し、1分間に100μgのグル
コースを遊離する酵素力価を1単位(1U)とした。
分間保温後、1重量%可溶性澱粉、5mM 塩化カルシウ
ムおよび5mM 塩化ナトリウムを含有する20mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.2)300μを加え、40℃で10分間反応
させた。その後、この反応液500μ中の還元糖をソモ
ジ・ネルソン法により定量し、1分間に100μgのグル
コースを遊離する酵素力価を1単位(1U)とした。
2. アミラーゼ阻害活性測定法 (a) ヒト唾液α−アミラーゼに対する阻害活性 0.5単位/ml アミラーゼ溶液100μにアミラーゼ阻
害物質溶液100を加え、40℃で10分間保温後、1重量
%可溶性澱粉、5mM 塩化カルシウムおよび5mM 塩化ナ
トリウムを含有する20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.2)
300μを加え、40℃で10分間反応させた。その後、上
述したアミラーゼ活性測定法と同様に、反応液中の還元
糖を定量し、1単位のアミラーゼ活性を50%阻害する阻
害物質の活性を0.5阻害単位(0.5 IU)とした。
害物質溶液100を加え、40℃で10分間保温後、1重量
%可溶性澱粉、5mM 塩化カルシウムおよび5mM 塩化ナ
トリウムを含有する20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.2)
300μを加え、40℃で10分間反応させた。その後、上
述したアミラーゼ活性測定法と同様に、反応液中の還元
糖を定量し、1単位のアミラーゼ活性を50%阻害する阻
害物質の活性を0.5阻害単位(0.5 IU)とした。
(b) その他のアミラーゼに対する阻害活性 ヒト脾臓、ラット脾臓、ブタ脾臓α−アミラーゼにつ
いては、上記のヒト唾液α−アミラーゼと同様な方法で
阻害活性を測定した。Phizopus niveus起源のグリコア
ミラーゼ、Aspergillus oryzae起源のα−アミラーゼ、
およびサツマイモ起源のβ−アミラーゼについては、上
記の5mM 塩化カルシウムおよび5mM 塩化ナトリウムを
含有する20mM トリス−塩酸緩衝液(pH 7.2)の代わり
に、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)を用いて測定
した。
いては、上記のヒト唾液α−アミラーゼと同様な方法で
阻害活性を測定した。Phizopus niveus起源のグリコア
ミラーゼ、Aspergillus oryzae起源のα−アミラーゼ、
およびサツマイモ起源のβ−アミラーゼについては、上
記の5mM 塩化カルシウムおよび5mM 塩化ナトリウムを
含有する20mM トリス−塩酸緩衝液(pH 7.2)の代わり
に、50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 5.0)を用いて測定
した。
試験例1 NSAI−IおよびNSAI−IIのアミラーゼ阻害活
性 NSAI−IおよびNSAI−IIの各種アミラーゼに対する阻
害活性を上述した方法により測定した。
性 NSAI−IおよびNSAI−IIの各種アミラーゼに対する阻
害活性を上述した方法により測定した。
その結果を、蛋白1mg当たりの阻害活性単位(IU/mg蛋
白)として下記の第1表に示した。この表より明らかな
ように、NSAI−I、NSAI−IIともに、ヒトのα−アミラ
ーゼに対して高い特異性を有することが理解できる。
白)として下記の第1表に示した。この表より明らかな
ように、NSAI−I、NSAI−IIともに、ヒトのα−アミラ
ーゼに対して高い特異性を有することが理解できる。
なお、Rhizopus niveus起源のグルコアミラーゼ、Asp
ergillus oryzae起源のα−アミラーゼ、およびサツマ
イモ起源のβ−アミラーゼに対しては、阻害活性を示さ
なかった。
ergillus oryzae起源のα−アミラーゼ、およびサツマ
イモ起源のβ−アミラーゼに対しては、阻害活性を示さ
なかった。
試験例2 NSAI−IおよびNSAI−IIの生体内効果 24時間絶食させた体重約150gのSD系雄性ラットを1群
4匹とし、検体として3群用意し、澱粉として煮沸コー
ンスターチ、アミラーゼ阻害物質としてNSAI−IとNSAI
−IIの混合物(約4:1の割合)を用い、澱粉投与後の血
糖上昇に対する抑制効果を検討した。
4匹とし、検体として3群用意し、澱粉として煮沸コー
ンスターチ、アミラーゼ阻害物質としてNSAI−IとNSAI
−IIの混合物(約4:1の割合)を用い、澱粉投与後の血
糖上昇に対する抑制効果を検討した。
第1群には水、第2群には煮沸したコーンスターチ75
0mg/kg、第3群には煮沸したコーンスターチ750mg/kgと
上記のアミラーゼ阻害物質30mgを経口投与した。投与20
分後に、検体の腹部下行大動脈より採血し、検体血清中
のグルコース量(mg/100ml)を、ロッシュ(Roche)社
製“COBAS FARA"により測定した。その結果を、平均血
中グルコース量として下記第2表に示した。
0mg/kg、第3群には煮沸したコーンスターチ750mg/kgと
上記のアミラーゼ阻害物質30mgを経口投与した。投与20
分後に、検体の腹部下行大動脈より採血し、検体血清中
のグルコース量(mg/100ml)を、ロッシュ(Roche)社
製“COBAS FARA"により測定した。その結果を、平均血
中グルコース量として下記第2表に示した。
表から明らかなように、NSAI投与群(第3群)は、コ
ーンスターチのみを投与した対象群(第2群)と比較す
ると、血糖上昇が38%抑制されている。
ーンスターチのみを投与した対象群(第2群)と比較す
ると、血糖上昇が38%抑制されている。
試験例3 NSAI−IおよびNSAI−IIの熱安定性 NSAI−IおよびNSAI−IIの熱に対する安定性を検討す
るため、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)中、NSAI−
I蛋白濃度が37.0μg/mlになるように調製し、このNSAI
−I溶液を100℃で加熱処理し、経時的にヒト唾液α−
アミラーゼに対する阻害活性を測定した。NSAI−IIにつ
いても同様な方法で測定した。この結果を第10図に示し
た。
るため、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.0)中、NSAI−
I蛋白濃度が37.0μg/mlになるように調製し、このNSAI
−I溶液を100℃で加熱処理し、経時的にヒト唾液α−
アミラーゼに対する阻害活性を測定した。NSAI−IIにつ
いても同様な方法で測定した。この結果を第10図に示し
た。
図より明らかなように、pH 7.0において、100℃、10
分間の加熱処理を行うと、NSAI−Iでは約10%、NSAI−
IIでは約20%活性が低下する(第10図参照)。
分間の加熱処理を行うと、NSAI−Iでは約10%、NSAI−
IIでは約20%活性が低下する(第10図参照)。
(作用・効果) 本発明の新規アミラーゼ阻害物質、特に、NSAI−Iな
らびにNSAI−IIは、食後の血糖上昇抑制作用を有し、ま
た、安全面からも日常に食用に供されている植物、すな
わち、コロカシア(Colocasia)属植物、特にサトイモ
から抽出、分離精製された物質であるので、高い安全性
を有したアミラーゼ阻害物質である。従って、糖尿病、
肥満症、高脂血症などの糖代謝機能と関連する疾患や動
脈硬化、心筋梗塞などの予防・治療に利用することが可
能である。例えば、消化管内のプロテアーゼに対して不
活性化されないため、経口的に投与が可能であり、錠
剤、カプセルなどに成形し、予防剤・治療剤として投与
することも可能である。
らびにNSAI−IIは、食後の血糖上昇抑制作用を有し、ま
た、安全面からも日常に食用に供されている植物、すな
わち、コロカシア(Colocasia)属植物、特にサトイモ
から抽出、分離精製された物質であるので、高い安全性
を有したアミラーゼ阻害物質である。従って、糖尿病、
肥満症、高脂血症などの糖代謝機能と関連する疾患や動
脈硬化、心筋梗塞などの予防・治療に利用することが可
能である。例えば、消化管内のプロテアーゼに対して不
活性化されないため、経口的に投与が可能であり、錠
剤、カプセルなどに成形し、予防剤・治療剤として投与
することも可能である。
さらには、本発明の新規アミラーゼ阻害物質は、優れ
た耐熱性(熱安定性)を有するので、熱を加える調理も
可能であり、また、予防飲料及び予防食に添加してもそ
のアミラーゼ阻害物質の効能が発揮できるなど幾多の作
用効果を奏する優れた物質である。
た耐熱性(熱安定性)を有するので、熱を加える調理も
可能であり、また、予防飲料及び予防食に添加してもそ
のアミラーゼ阻害物質の効能が発揮できるなど幾多の作
用効果を奏する優れた物質である。
また、本発明の新規アミラーゼ阻害物質の製造方法に
よれば、上述の如き作用効果を有するアミラーゼ阻害物
質をコロカシア(Colocasia)属植物から容易に抽出し
分離精製することが可能である。
よれば、上述の如き作用効果を有するアミラーゼ阻害物
質をコロカシア(Colocasia)属植物から容易に抽出し
分離精製することが可能である。
第1図は、スーパーロース12を用いたゲル濾過クロマト
グラフィーにおけるNSAI−I及びNSAI−IIのVe/Vo(Ve;
溶出容積,Vo;ボイド容積)と分子量の関係を示すグラ
フ、第2図は、NSAI−Iの紫外線吸収スペクトルを示す
グラフ、第3図は、NSAI−IIの紫外線吸収スペクトルを
示すグラフ、第4図は、NSAI−IのNMRスペクトルを示
すグラフ、第5図は、NSAI−IIのNMRスペクトルを示す
グラフ、第6図は、NSAI−IのIRスペクトルを示すグラ
フ、第7図は、NSAI−IIのIRスペクトルを示すグラフ、
第8図は、NSAI−Iのヒト唾液α−アミラーゼに対する
活性のpH依存性を示すグラフ、第9図は、NSAI−IIのヒ
ト唾液α−アミラーゼに対する活性のpH依存性を示すグ
ラフ、第10図は、NSAI−I及びNSAI−IIのpH 7.0、100
℃におけるヒトα−アミラーゼに対する活性の安定性を
示すグラフ、第11図は、セファッデクスG−50カラムか
らの溶出パターンを示すグラフ、第12図は、Qセファロ
ースファストフローカラムからの溶出パターンを示すグ
ラフ、第13図は、スーパーロース12カラムからの溶出パ
ターンを示すグラフである。
グラフィーにおけるNSAI−I及びNSAI−IIのVe/Vo(Ve;
溶出容積,Vo;ボイド容積)と分子量の関係を示すグラ
フ、第2図は、NSAI−Iの紫外線吸収スペクトルを示す
グラフ、第3図は、NSAI−IIの紫外線吸収スペクトルを
示すグラフ、第4図は、NSAI−IのNMRスペクトルを示
すグラフ、第5図は、NSAI−IIのNMRスペクトルを示す
グラフ、第6図は、NSAI−IのIRスペクトルを示すグラ
フ、第7図は、NSAI−IIのIRスペクトルを示すグラフ、
第8図は、NSAI−Iのヒト唾液α−アミラーゼに対する
活性のpH依存性を示すグラフ、第9図は、NSAI−IIのヒ
ト唾液α−アミラーゼに対する活性のpH依存性を示すグ
ラフ、第10図は、NSAI−I及びNSAI−IIのpH 7.0、100
℃におけるヒトα−アミラーゼに対する活性の安定性を
示すグラフ、第11図は、セファッデクスG−50カラムか
らの溶出パターンを示すグラフ、第12図は、Qセファロ
ースファストフローカラムからの溶出パターンを示すグ
ラフ、第13図は、スーパーロース12カラムからの溶出パ
ターンを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/55 AED A61K 37/64 ADP C12N 9/99 ACN (72)発明者 寺田 正樹 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 高津 光宗 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (56)参考文献 J.Sci.Food Agric 31 P.981−991 (1980)
Claims (6)
- 【請求項1】コロカシア(Colocasia)属植物から抽出
され、脾臓α−アミラーゼ及び唾液α−アミラーゼ阻害
性を有し、消化管プロテアーゼに対して不活性化され
ず、かつ耐熱性を有するので80℃、20分の処理によって
も活性が低下しないことを特徴とする新規アミラーゼ阻
害物質。 - 【請求項2】前記脾臓α−アミラーゼがヒト脾臓α−ア
ミラーゼで、唾液α−アミラーゼがヒト唾液α−アミラ
ーゼであることを特徴とする請求項1に記載の新規アミ
ラーゼ物質。 - 【請求項3】前記消化管プロテアーゼが、ペプシン、ト
リプシン及びα−キモトリプシンであることを特徴とす
る請求項1から請求項2のいずれか1項に記載の新規ア
ミラーゼ阻害物質。 - 【請求項4】前記コロカシア(Colocasia)属植物が、
サトイモ(Colocasia esculenta(Linn.)Schott)であ
ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1
項に記載の新規アミラーゼ阻害物質。 - 【請求項5】下記の理化学的物質を有することを特徴と
する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の新規
アミラーゼ阻害物質。 分子量:15,000±1,000(ゲル濾過法) 性状:蛋白質の性状 元素分析値: C:約45.3%、H:約6.3%、N:約12.1%、 アミノ酸組成(%): アスパラギン酸 10.2±0.3 グルタミン酸 8.2±0.2 セリン 12.1±0.5 スレオニン 8.9±0.3 グリシン 13.5±0.6 アラニン 2.7±0.2 システイン 3.5±0.2 バリン 5.1±0.5 メチオニン 1.0±0.1 イソロイシン 4.9±0.2 ロイシン 6.8±0.2 チロシン 11.3±0.3 フェニルアラニン 6.7±0.1 プロリン 1.3±0.1 リジン 2.7±0.2 アルギニン 1.3±0.1 融点:220℃以上で分解 糖含量:約6%(フェノール硫酸法)の糖を含む糖蛋
白質 - 【請求項6】下記の理化学的性質を有することを特徴と
する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の新規
アミラーゼ阻害物質。 分子量:14,000±1,000(ゲル濾過法) 性状:蛋白質の性状 元素分析値: C:約41.0%、H:約5.6%、N:約11.7%、 アミノ酸組成(%): アスパラギン酸 10.0±0.2 グルタミン酸 8.2±0.3 セリン 13.1±0.3 スレオニン 9.0±0.4 グリシン 13.7±0.8 アラニン 2.7±0.1 システイン 3.3±0.6 バリン 5.1±0.3 メチオニン 1.1±0.2 イソロイシン 5.0±0.4 ロイシン 6.7±0.2 チロシン 10.3±0.5 フェニルアラニン 6.6±0.3 プロリン 1.3±0.1 リジン 2.6±0.1 アルギニン 1.3±0.1 融点:200℃以上で分解
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2095992A JP2753372B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | アミラーゼ阻害物質及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2095992A JP2753372B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | アミラーゼ阻害物質及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03294300A JPH03294300A (ja) | 1991-12-25 |
JP2753372B2 true JP2753372B2 (ja) | 1998-05-20 |
Family
ID=14152626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2095992A Expired - Lifetime JP2753372B2 (ja) | 1990-04-10 | 1990-04-10 | アミラーゼ阻害物質及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2753372B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4657396B2 (ja) * | 1998-07-31 | 2011-03-23 | ヒガシマル醤油株式会社 | アミラーゼ阻害活性物質及びその用途 |
JP2003073292A (ja) * | 2001-09-04 | 2003-03-12 | Kagome Co Ltd | 新規コレステロール合成阻害剤 |
-
1990
- 1990-04-10 JP JP2095992A patent/JP2753372B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
J.Sci.Food Agric 31 P.981−991 (1980) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03294300A (ja) | 1991-12-25 |
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