JP2753180B2

JP2753180B2 - 溶融金属容器のノズル受煉瓦内面付着物除去装置

Info

Publication number: JP2753180B2
Application number: JP4224001A
Authority: JP
Inventors: 佐藤光邦; 山本堅二; 石井浩二
Original assignee: Shinagawa Shiro Renga KK
Current assignee: Shinagawa Shiro Renga KK
Priority date: 1992-08-24
Filing date: 1992-08-24
Publication date: 1998-05-18
Anticipated expiration: 2013-05-18
Also published as: JPH0663730A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタンディッシュ、取鍋等
の溶融金属容器から溶融金属を取り出すためのインサー
トノズルが取り付けられるノズル受煉瓦内面付着物を除
去する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】タンディッシュ、取鍋等の溶融金属容器
底部には溶融金属を取り出すためのインサートノズル、
溶鋼流出量のコントロールを行うためのスライドバルブ
が設けられている。このインサートノズル、スライドバ
ルブの交換は、従来、人力により行われてきたが、人力
による交換作業では作業能率が悪く、安全性にも劣り、
さらに作業が熱間のため重労働となる。この対策として
インサートノズル、スライドバルブの交換作業を自動化
する技術について本出願人は既に提案している（特開平
４−６６２６８）。

【０００３】上記既提案のものにおいては、スライドバ
ルブ取付位置及び退避位置間を往復動可能に設置された
台車上にスライドバルブ着脱放置、インサートノズル抜
取装置、ノズル受煉瓦内面の加工装置および清掃装置、
インサートノズルセット装置を備えたスライドバルブ交
換装置により、溶融金属容器のノズル受煉瓦内面のモル
タル煉瓦屑等の付着物を除去したり、また付着物を除去
した後、ノズル受煉瓦内面の清掃等を行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記既提案の
ものは、スライドバルブ用煉瓦すべてを交換してノズル
受煉瓦内面の付着物除去を行っているために、かなり規
模の大きな設備となり、新規設備に対して設置する場合
には良いものの、既設設備に対して設置する場合には台
車を含む装置本体の設置スペース、台車のレール設置ス
ペースをとることが困難な場合も多く、コスト的にも多
額の費用を要するため、このような設備を導入するケー
スは限られてしまう。

【０００５】また、溶融金属容器に対して台車上の各装
置の位置決めを行っているが、取鍋等は鍋の缶体（鉄部
分）に対してノズル受煉瓦が当初セットした位置から熱
膨張等の影響で動く場合があるため、缶体に対してのみ
の位置決めでは芯ずれを起こし、ノズル受内面の加工を
行ったときにノズル受煉瓦そのものを削ってしまい、イ
ンサートノズルとの目地厚さが大きくなり、漏鋼の原因
になる場合もある。

【０００６】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、軽量かつコンパクトであり、設置スペースが少なく
て済み、さらにコスト的に安価な溶融金属容器のノズル
受煉瓦内面への付着物除去装置を提供することを目的と
する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、取付け用ピン
及び油圧シリンダで前後進するロックピンを有し、溶融
金属容器底面に設けられる専用の装置取付け金物の位置
決め用溝、固定用テーパー穴にそれぞれ前記位置決めピ
ン及びロックピンを嵌合させるようにしたフレーム端面
に複数箇所設けられた位置決め固定機構により溶融金属
容器底面へ着脱可能に取付けられて溶融金属容器のノズ
ル受煉瓦内面の付着物を除去する装置であって、フレー
ムに取付けられ、直交する２方向への移動装置により２
方向へ移動可能なブロックと、該ブロックに取付けら
れ、前後進移動装置により前後進するとともに、回転装
置により回転駆動される回転軸先端に取付けられる工具
台と、工具台に着脱可能に取付けられる切削工具とを備
え、工具台を前記直交する２方向への移動装置により２
方向へ移動させてノズル受煉瓦と芯合わせし、前後進移
動装置によりノズル受煉瓦内面へ挿入しつつ回転装置に
より回転させ、切削工具によりノズル受煉瓦内面を切削
して付着物を除去することを特徴とする。

【０００８】また本発明は、工具台または回転軸に芯合
わせ用のカメラを設置したこと、工具台の回転中心部、
及び回転中心部から先端面及び側面方向へ表面まで貫通
したエアー供給用孔を設けたことを特徴とする。

【０００９】

【作用】本発明はスライドバルブを交換する際、最も作
業環境の悪い熱間でのブレーカを使っての作業となるノ
ズル受煉瓦内面への付着物除去および清掃作業を機械化
したものであり、溶融金属容器底面に設けた専用金物に
本装置を取付ける。

【００１０】本装置はノズル受煉瓦内面の付着物を除去
するための切削工具を先端に取付けた回転軸をＸ，Ｙ，
Ｚの３方向に移動させる機構を設け、２方向の移動によ
り工具とノズル受煉瓦との芯合わせを行い、このとき、
工具先端部にはカメラを設けて工具とノズル受煉瓦内面
との芯合わせを正確に行うようにする。さらにノズル受
煉瓦内面へ切削工具を挿入して内面の付着物の除去を行
い、同時に切削工具内部よりエアーを供給し、切削工具
取付部近傍よりノズル受煉瓦内面に向かってエアーを吹
付け、ノズル受煉瓦内面および切削工具を冷却すると共
に、切削した付着物を溶融金属容器内へ吹き飛ばすこと
により冷却と清掃を同時に行う。

【００１１】

【実施例】図１は溶融金属容器である取鍋に取り付けた
本発明の付着物除去装置を示す図、図２、図３は本発明
の付着物除去装置を説明する図、図４、図５は切削工具
を説明するための図、図６は付着物除去装置の取鍋への
取付け装置を示す図、図７はノズル受煉瓦内面の付着物
を説明する図である。図中、１は取鍋、１ａは取鍋鉄
皮、２はノズル受煉瓦、３はノロ・地金・煉瓦屑、４は
モルタル、５は専用金物、６は専用金物取付ベース、７
はインサートノズル、１０は付着物除去装置、１１はフ
レーム、１２は工具台回転装置、１３は工具台回転軸
受、１４は工具台前後進装置、１４ａは工具台前後進用
レール、１５は水平方向移動装置、１５ａは水平方向移
動用レール、１６は垂直方向移動装置、１６ａは垂直方
向移動用レール、２０は取付け位置決め機構、２１は油
圧シリンダ、２２はロックピン、２３はロックピンガイ
ド、２４は取付け用ピン、３０は工具台、３１は切削工
具、３２は空冷エアー用孔、３３は工具台側面、３４は
工具台先端面、３５は切削工具押さえ金物、３６は切削
工具取付け口である。

【００１２】図１は付着物除去を行う取鍋１を横転さ
せ、その底面を垂直にした状態で本発明の装置を取り付
けた状態を示している。取鍋１の底面の取鍋鉄皮１ａに
は、本発明の装置を取り付けるための専用金物取付ベー
ス６、専用金物５が溶接等により取付られている。取鍋
１の底面には溶融金属を取り出すためのインサートノズ
ル７が挿入されるノズル受煉瓦２が設けられており、そ
の内面に付着したノロ・地金・煉瓦屑３を本発明の装置
により取り除くようにする。

【００１３】付着物除去装置１０はフレーム１１から突
出して設けられた、例えば４箇所程設けられた取付け・
位置決め機構２０により取鍋１の底面に設けられた専用
金物５に取り付けられる。すなわち、図６に示すよう
に、取鍋１の鉄皮１ａに溶接等で取り付けられた専用金
物取付ベース６から突出した専用金物５には、その中央
部にＵ字溝５ｂ、先端部にテーパー穴５ａが設けられて
おり、一方、取付け・位置決め機構２０にはＵ字溝５ｂ
に嵌合する取付け用ピン２４が、また取付け用ピン２４
を嵌合させた後、専用金物５のテーパー穴５ａに挿入さ
れるロックピン２２が設けられており、ロックピン２２
は油圧シリンダ２１でロックピンガイド２３に沿って前
方へ押し出されるようになっている。そして、付着物除
去装置１０をクレーン等で吊り下げて、取付け・位置決
め機構２０の取付け用ピン２４を専用金物５のＵ字溝５
ｂの上方より嵌合させると共に、油圧シリンダ２１でロ
ックピン２２を押し出して、テーパー穴５ａに挿入する
ことにより除去装置１０が取鍋１の底面にがた無く位置
決め、固定される。

【００１４】付着物除去装置１０のフレーム１１には工
具台回転軸受１３が設けられ、軸受された回転軸先端部
には後述する工具台３０が取り付けられる。この回転軸
は工具台回転装置１２により回転駆動されると共に、工
具台前後進装置１４により、図２（ｂ）に示す工具台前
後進用レール１４ａ上を動いて矢印Ｚ方向（図１）に移
動し、ノズル受煉瓦２内へ挿入されるようになってい
る。また、付着物除去装置１０には、図１及び図２
（ａ）のＡーＡ断面図である図３に示すようにシリンダ
からなる水平方向移動装置１５が設けられ、水平方向移
動用レール１５ａに載っているブロックを図１の紙面に
垂直方向、すなわち図２（ａ）の矢印Ｘ方向に工具台を
移動させるようになっている。また、フレーム１１に設
けられた垂直方向移動装置１６により、図２（ａ）の垂
直方向移動用レール１６ａに沿って、フレーム１１内の
ブロック全体を垂直方向に移動させて、工具台３０を矢
印Ｙ方向（図１）に移動できるようになっている。

【００１５】こうして工具台３０をＸ，Ｙ方向に移動さ
せて工具台３０をノズル受煉瓦に芯合わせした後、回転
装置１２により工具台３０を回転させ、前後進駆動装置
１４により工具台３０をＺ方向に移動させてノズル受煉
瓦２内へ挿入する。なお、芯合わせの方法としては、工
具台３０あるいは工具台３０の回転シャフトにカメラを
埋め込み、付着物除去装置１０を取鍋１に取り付けた
後、カメラでノズル受煉瓦内をモニタし、オペレータが
モニタを見ながら、遠隔インチング操作によって芯合わ
せを行うようにする。また、芯合わせを行い易くするた
めにカメラ芯を工具台３０の芯に合わせておき、モニタ
上にカメラの芯位置が表示できるようにすることも可能
である。

【００１６】次に工具台につてい説明すると、図４
（ｂ）に示すように、工具台３０はノズル受煉瓦２の内
面と同一の形状をしており、ノズル受煉瓦２へ回転しつ
つ所定位置まで挿入されて付着物を削りとっていく。図
４（ａ）、図４（ｂ）に示すように、工具台３０には十
字形状の本体３７にその長さ方向及び径方向に複数の切
削工具取付け口３６が形成されて各切削工具取付け口３
６には切削工具押さえ金物３５が設けられ、図５に示す
ように切削工具押さえ金物３５により、側面３３および
先端面３４にそれぞれ切削工具３１がボルト止めできる
構造になっており、工具台３０の先端部のノロ、地金を
主に切削する部分については、耐熱用の金属切削工具と
して超鋼材質、煉瓦屑を主に切削する部分についてはダ
イヤモンド材質、モルタルを主に切削する部分について
は比較的安価な炭素工具鋼材質と、必要に応じて各部位
の工具材質を変えることができるようになっている。

【００１７】また、図５に示すように工具台３０の内部
には工具台の回転中心線方向、およびそこから工具台の
側面３３および先端面３４の方向へ表面に貫通した孔３
２が開けられており、この孔を通してエアを供給するこ
とによりノズル受煉瓦２の内面および切削工具３１の冷
却を行うと共に、付着物除去作業中に発生した除去物を
エアブローによって取鍋内へ吹き飛ばすことにより、付
着物除去作業後の清掃も兼ねられるようになっている。
なお、エアブローだけで十分に清掃できない場合は、切
削工具間にワイヤブラシ等を取り付け、ブラッシングと
エアブローの併用により清掃を行うようにしても良い。
なお、このエア冷却は熱間で作業を行う場合にノズル受
煉瓦内面が５００〜９００℃あるため、切削工具の熱軟
化による急速な摩耗を防ぐために必要不可欠のものであ
る。

【００１８】通常、取鍋の羽口部に使用されているノズ
ル受煉瓦はインサートノズルを交換する際に、新しいイ
ンサートノズルをセットするためにインサートノズルと
ノズル受煉瓦間の目地部に付着する目地モルタルの残
り、および目地へ進入してきたノロ、地金を除去する作
業を行う必要があり、図７（ａ）に示すインサートノズ
ル７を図示しない装置で取り除いた後、図７（ｂ）に示
すノロ・地金・煉瓦屑３、目地モルタル４を本発明の工
具台３０を挿入しつつ回転することにより削り取り、同
時にエアブローでその内面を清掃することが可能とな
る。

【００１９】

【発明の効果】以上のように本発明によれば溶融金属容
器の底面に取り付けられた専用金物に本発明の装置を取
り付けるのみで、工具台のノズル受煉瓦内面への芯合わ
せを行い、内面を削り取ると共に、エアブローで清掃す
ることができるので、装置は軽量コンパクトとなり、ク
レーン等で吊っての搬送が容易に可能であるため、設置
スペースが少なく、スペースを有効に利用できると共
に、コスト的にも安価にすることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】取鍋に取り付けた本発明の付着物除去装置を
示す図である。

【図２】本発明の付着物除去装置を説明する図であ
る。

【図３】本発明の付着物除去装置を説明する図であ
る。

【図４】切削工具を説明するための図である。

【図５】切削工具を説明するための図である。

【図６】付着物除去装置を取鍋に取付ける装置を示す
図である。

【図７】ノズル受煉瓦内面の付着物を説明する図であ
る。

【符号の説明】

１…取鍋、１ａ…取鍋鉄皮、２…ノズル受煉瓦、３…ノ
ロ・地金・煉瓦屑、４…モルタル、５…専用金物、６…
専用金物取付ベース、７…インサートノズル、１０…付
着物除去装置、１１…フレーム、１２…工具台回転装
置、１３…工具台回転軸受、１４…工具台前後進装置、
１４ａ…工具台前後進用レール、１５…水平方向移動装
置、１５ａ…水平方向移動用レール、１６…垂直方向移
動装置、１６ａ…垂直方向移動用レール、２０…取付け
・位置決め機構、２１…油圧シリンダ、２２…ロックピ
ン、２３…ロックピンガイド、２４…取付け用ピン、３
０…工具台、３１…切削工具、３２…空冷エアー用孔、
３３…工具台側面、３４…工具台先端面、３５…切削工
具押さえ金物、３６…切削工具取付け口、３７…十字形
状本体。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】取付け用ピン及び油圧シリンダで前後進
するロックピンを有し、溶融金属容器底面に設けられる
専用の装置取付け金物の位置決め用溝、固定用テーパー
穴にそれぞれ前記位置決めピン及びロックピンを嵌合さ
せるようにしたフレーム端面に複数箇所設けられた位置
決め固定機構により溶融金属容器底面へ着脱可能に取付
けられて溶融金属容器のノズル受煉瓦内面の付着物を除
去する装置であって、フレームに取付けられ、直交する
２方向への移動装置により２方向へ移動可能なブロック
と、該ブロックに取付けられ、前後進移動装置により前
後進するとともに、回転装置により回転駆動される回転
軸先端に取付けられる工具台と、工具台に着脱可能に取
付けられる切削工具とを備え、工具台を前記直交する２
方向への移動装置により２方向へ移動させてノズル受煉
瓦と芯合わせし、前後進移動装置によりノズル受煉瓦内
面へ挿入しつつ回転装置により回転させ、切削工具によ
りノズル受煉瓦内面を切削して付着物を除去することを
特徴とする溶融金属容器のノズル受煉瓦内面付着物除去
装置。
【請求項２】請求項１記載の装置において、工具台ま
たは回転軸に芯合わせ用のカメラを設置したことを特徴
とする溶融金属容器のノズル受煉瓦内面付着物除去装
置。
【請求項３】請求項１記載の装置において、工具台の
回転中心部、及び回転中心部から先端面及び側面方向へ
表面まで貫通したエアー供給用孔を設けたことを特徴と
する溶融金属容器のノズル受煉瓦内面付着物除去装置。