JP2749964B2 - バーナ装置 - Google Patents

バーナ装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は火力発電用および一般産業用ボイラのスラリ
ー燃焼に適用されるバーナ装置に関する。
〔従来の技術〕
第7図および第8図は、従来のスラリー燃料用バーナ
装置の一例を示す縦断面図および正面図である。
これらの図において、(1)はバーナ風箱、(2)は
一次空気筒、(3)は二次空気筒、(4)は三次空気
筒、(5)は一次空気流路、(6)は二次空気流路、
(7)は三次空気流路、(8)は二次空気旋回ベーン、
(9)は三次空気旋回ベーン、(10)は一次空気スワ
ラ、(11)は一次空気スライドダンパ、(12)は二次空
気スライドダンパ、(13)は三次空気スライドダンパ、
(14)はバーナタイル、(15)はバーナスロート、(1
6)はバーナガン、(17)は燃焼用空気、(18)は一次
空気、(19)は二次空気、(20)は三次空気、(21)は
スラリー燃料、(22)は噴霧媒体、(23)はスプレイジ
ェット、(24)は炉内、(25)は火炎、(26)はアトマ
イザをそれぞれ示す。
図示されてない通風装置によってバーナ風箱(1)内
へ送り込まれて来た燃焼用空気(17)は、一次空気(1
8)、二次空気(19)および三次空気(20)に分流され
る。
一次空気(18)は一次空気筒(2)内に入り、一次空
気流路(5)の出口部に設けられた一次空気スワラ(1
0)を通して炉内(24)へ吹込まれる。この一次空気筒
(2)の中心部には、一次空気スワラ(10)を介して、
バーナガン(16)が設けられている。
二次空気(19)および三次空気(20)は、それぞれ二
次空気旋回ベーン(8)および三次空気旋回ベーン
(9)を通って二次空気流路(6)および三次空気流路
(7)から、旋回流として炉内(24)へ吹込まれる。
バーナガン(16)の先端にはアトマイザ(26)が取付
けられていて、図示されてないスラリー燃料供給装置か
ら圧送されて来たスラリー燃料(21)と、同じく図示さ
れてない噴霧媒体供給装置から送り込まれて来た噴霧媒
体(22)とが混合され、スプレイジェット(23)として
炉内(24)へ噴射される。噴霧媒体(22)としては蒸気
または圧縮空気が使用される。
炉内(24)へ噴霧されたスプレイジェット(23)は、
図示されてない着火源において着火され、火炎(25)を
形成するが、その着火点は一次空気(18)が形成する旋
回流によって安定する。一方、このスプレイジェット
(23)の着火燃焼によって更に膨張し燃焼しようとする
全体火炎は、二次空気旋回ベーン(8)および三次空気
旋回ベーン(9)によって形成される二次空気(19)お
よび三次空気(20)の大きな旋回流によって、安定した
全体着火点を維持することができる。
微粉炭と水等によって構成されるスラリー燃料(21)
は、噴霧媒体(22)と混合して噴霧され、スプレイジェ
ット(23)を形成するが、スプレイジェット(23)への
着火は、着火源によってスプレイジェット(23)中の水
分がある程度乾燥し、微粉炭が着火可能温度に達してか
ら行なわれる。
着火源としては、通常、液体燃料またはガス燃料焚き
点火トーチの火炎が用いられるが、点火トーチ火炎は、
スプレイジェット(23)へ着火し火炎(25)を形成した
後、消火する。したがって、点火トーチ火炎消火後のス
プレイジェット(23)が形成する火炎(25)は、自らの
火炎(25)と耐火材で構成されたバーナタイル(14)か
らの輻射熱によって保炎が図られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
前記のとおり、スプレイジェット(23)が形成する火
炎(25)は、点火トーチ火炎消火後は自らの火炎(25)
と耐火材で構成されたバーナタイル(14)からの輻射熱
によって保炎されているが、第7図および第8図に示さ
れる従来のバーナ装置においては、バーナスロート(1
5)が広く、しかも火炎に比べて低温の二次空気(19)
および三次空気(20)によってスプレイジェット(23)
の表面を包囲するため、火炎(25)が冷却されて、火炎
(25)の着火点がアトマイザ(26)から遠く離れ、バー
ナスロート(15)外となる。火炎(25)の着火点がバー
ナスロート(15)外になれば、保炎に有効な一次空気
(18)の旋回流が、その効力を失うため、火炎(25)の
着火点が変動し、失火の危険性が高くなる。
一方、二次空気(19)および三次空気(20)は、旋回
流を形成して全体火炎の着火点安定を図ろうとするが、
スラリー燃料(21)の全体火炎は微粉炭が燃焼して形成
されているから、火炎(25)に旋回を与えると、燃焼中
の微粉炭粒子を飛散させることになる。したがって、二
次空気(19)および三次空気(20)に旋回を与えること
は、スラリー燃料(21)の火炎(25)に対しては着火、
燃焼両面で悪影響を及ぼすことになる。
上述のとおり従来のバーナ装置においては、火炎の着
火部近傍における輻射熱が少ないことゝ、全体火炎の着
火安定を意図して二次空気および三次空気を旋回させて
いることが起因して、微粉炭と水などを混合して精製し
たスラリー燃料を燃焼する場合には、微粉炭粒子が飛散
して却って着火燃焼が悪くなるという問題点があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、前記従来の課題を解決するために、微粉炭
燃料と液体とを混合したスラリ燃料を噴射するバーナガ
ンと、上記バーナガンを同軸で取囲み同バーナガンとの
間に環状断面の一次空気流路を形成する一次空気筒と、
上記一次空気筒を同軸で取囲み同一次空気筒との間に環
状断面の二次空気流路を形成する二次空気筒と、上記二
次空気筒を同軸で取囲み同二次空気筒との間に環状断面
の三次空気流路を形成する三次空気筒と、上記一次空気
流路内の出口近傍において上記一次空気筒から間隔をへ
だてて上記バーナガンを同軸で取囲み内部にスワラを有
する補助一次空気筒と、上記二次空気流路の出口に設け
られて同流路の一部を閉塞する複数の二次空気流路閉塞
体と、上記三次空気流路の出口に設けられて同流路の一
部を閉塞する複数の三次空気流路閉塞体とを具え、上記
一次空気筒または二次空気筒の少なくとも先端部が保炎
用耐火材により形成されており、かつ上記二次空気流路
閉塞体と上記三次空気流路閉塞体とがバーナ正面から見
て同一放射線上には配されていないことを特徴とするバ
ーナ装置を提案するものである。
〔作用〕 本発明においては、一次空気筒または二次空気筒の先
端部が耐火材で形成されるので、火炎の着火点近傍の輻
射熱量が増大する。また、二次空気流路および三次空気
流路の出口部にそれぞれ複数個の閉塞体が設けられるの
で、二次空気および三次空気の旋回流が消滅するととも
に、炉内高温ガスが吸引される。こうして、火炎の着火
燃焼性が向上する。これら閉塞体は、同一放射線上に位
置せぬよう位相をずらせて配されるので、アトマイザか
ら噴射されたスプレイジェットが二次空気流と三次空気
流を貫通するのが防止される。
〔実施例〕
第1図は本発明の第1実施例を示す縦断面図、第2図
は同じく正面図、第3図は第2図のIII−III断面図、第
4図は第2図のIV−IV断面図である。
これらの図において、(101)はバーナ風箱、(102)
は一次空気筒、(103)は二次空気筒、(104)は三次空
気筒、(105)は一次空気流路、(106)は二次空気流
路、(107)は三次空気流路、(108)は二次空気旋回ベ
ーン、(109)は三次空気旋回ベーン、(110)は一次空
気スワラ、(111)は一次空気スライドダンパ、(112)
は二次空気スライドダンパ、(113)は三次空気スライ
ドダンパ、(114)はバーナタイル、(115)はバーナス
ロート、(116)はバーナガン、(117)は燃焼用空気、
(118)は一次空気、(119)は二次空気、(120)は三
次空気、(121)はスラリー燃料、(122)は噴霧媒体、
(123)はスプレイジェット、(124)は炉内、(125)
は火炎、(126)はアトマイザ、(127)は補助一次空気
筒、(128)は二次空気流路閉塞体、(129)は三次空気
流路閉塞体、(130a)は保炎用耐火材をそれぞれ示す。
本実施例のバーナ装置は、大別すると一次空気筒(10
2)、二次空気筒(103)、三次空気筒(104)およびバ
ーナガン(116)によって構成されている。
本実施例では、一次空気スワラ(110)を内蔵した補
助一次空気筒(127)が、一次空気筒(102)内に設置さ
れており、その軸心部にはバーナガン(116)が装着さ
れている。また、二次空気筒(103)には保炎用耐火材
(130a)を内張りして、炉内(124)および火炎(125)
からの輻射熱が火炎(125)の着火点近傍に多く与えら
れるように配慮してある。さらに、二次空気流路(10
6)および三次空気流路(107)の出口部には、それぞれ
複数個の二次空気流路閉塞体(128)および三次空気流
路閉塞体(129)が設けられており、二次空気(119)お
よび三次空気(120)の旋回流を消滅させるとともに、
それら閉塞体(128),(129)の背面に生じる渦流にス
プレイジェット(123)の一部と炉内(124)の高温ガス
を吸引して、安定した着火燃焼が得られるよう配慮され
ている。
図示されてない通風装置によってバーナ風箱(101)
内へ送り込まれて来た燃焼用空気(117)は、一次空気
(118)、二次空気(119)および三次空気(120)に分
流される。
一次空気(118)は一次空気筒(102)内に入り、一次
空気流路(105)の出口部に設けられた補助一次空気筒
(127)内および一次空気筒(102)と補助一次空気筒
(127)とで形成される環状断面通路から炉内(124)へ
吹込まれる。その補助一次空気筒(127)内には、一次
空気スワラ(110)が設けられていて、送り込まれて来
た一次空気(118)は旋回流として炉内(124)へ吹込ま
れる。一方、補助一次空気筒(127)の外側に形成され
る環状通路からは、一次空気スワラ(110)から吹込ま
れる旋回流の広がりを抑えるようにして、直進流の一次
空気(118)が炉内(124)へ吹込まれる。
一次空気筒(102)の軸心部には、バーナガン(116)
が設けられている。バーナガン(116)の先端にはアト
マイザ(126)が取付けられていて、図示されてないス
ラリー燃料(121)供給装置から圧送されて来たスラリ
ー燃料(21)と、同じく図示されてない噴霧媒体(12
2)供給装置から送り込まれて来た噴霧媒体(122)(蒸
気又は圧縮空気)とが混合され、スプレイジェット(12
3)として炉内(124)へ噴射される。
炉内(124)へ噴霧されたスプレイジェット(123)
は、図示されてない着火源によって着火され、火炎(12
5)を形成するが、その着火点は一次空気(118)が形成
する旋回流と、二次空気筒(103)に内張りされた保炎
用耐火材(130a)とによって、火炎(125)および炉内
(124)からの輻射熱を充分に受けて安定する。火炎(1
25)の着火点は、一次空気(118)旋回流の効果によ
り、スプレイジェット(123)の広がり角度が大きくな
る程、アトマイザ(126)に近づいて安定する傾向にあ
るが、スプレイジェット(126)が広がり過ぎると、高
温の保炎用耐火材(130)に衝突してスラッギングを起
し、二次空気流路(106)を閉塞する恐れがある。補助
一次空気筒(127)は保炎用耐火材(130)のスラッギン
グ防止を目的として設けたもので、一次空気筒(102)
と補助一次空気筒(127)との間に形成する環状通路か
らは、一次空気スワラ(110)から吹込まれる一次空気
(118)旋回流とアトマイザ(126)から吹込まれるスプ
レイジェット(123)とを包囲して、直進する一次空気
(118)流を吹込むので、そのモーメンタムをコントロ
ールすることにより、スプレイジェット(123)が保炎
用耐火材(130)へ衝突するのを防止することができ
る。
二次空気(119)および三次空気(120)は、旋回ベー
ン(108),(109)の角度が0度の場合でも、バーナ風
箱(101)に接続されている図示されてない空気ダクト
の形状の影響を受けて、旋回流を形成する。本実施例で
は、これら、二次空気流路(106)および三次空気流路
(107)の出口部にそれぞれ複数個の閉塞体(128),
(129)が設けられているので、上記旋回流を消滅させ
ることができる。二次空気流路閉塞体(128)と三次空
気流路閉塞体(129)とは、アトマイザ(126)から噴射
されたスプレイジェット(123)が二次空気(119)流と
三次空気(120)流を貫通するのを防止するため、同一
放射線上に位置せぬよう位相をずらせて配設されてい
る。また、これら閉塞体(128),(129)は、二次空気
(119)および三次空気(120)の旋回流を消滅させるだ
けではなく、その背面に渦流を生じさせて、アトマイザ
(126)から噴射されたスプレイジェット(123)の一部
と、炉内(124)の高温ガスとを吸引するので全体火炎
の保炎に有効である。
次に第5図は本発明の第2実施例を示す縦断面図、第
6図は同じく正面図である。
本実施例のバーナ装置が前記第1実施例のものと異な
る点は、保炎用耐火材(130b)を一次空気筒(102)の
先端部に設けたことである。
この場合、火炎(125)の着火点近傍に与える輻射熱
量は増大するが、保炎用耐火材(130b)のスラッギング
による閉塞が懸念されるので、一次空気筒(102)と補
助一次空気筒(127)とで形成される環状断面通路から
吹込まれる一次空気(118)量を増大するか、またはア
トマイザ(126)の噴射角度を小さくして対処すること
になる。その他の作用については、前記第1実施例のバ
ーナ装置と同様である。
上記のとおり、本発明の実施例によれば、微粉固体燃
料と水等の液体を混合して精製したスラリー燃料(12
1)の燃焼において、安定した着火燃焼が実現できる。
〔発明の効果〕
本発明においては、アトマイザから噴射されたスプレ
イジェットの周囲に保炎用耐火材を設け、かつ、二次空
気流路および三次空気流路の出口部にそれぞれ複数個の
閉塞体を設置したことにより、微粉固体燃料と水等を混
合して精製したスラリー燃料の良好な着火燃焼が可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例を示す縦断面図、第2図は
同じく正面図、第3図は第2図のIII−III断面図、第4
図は第2図のIV−IV断面図である。第5図は本発明の第
2実施例を示す縦断面図、第6図は同じく正面図であ
る。第7図は従来のスラリー燃焼用バーナ装置の一例を
示す縦断面図、第8図は同じく正面図である。 (1)……バーナ風箱; (2)……一次空気筒; (3)……二次空気筒; (4)……三次空気筒; (5)……一次空気流路; (6)……二次空気流路; (7)……三次空気流路; (8)……二次空気旋回ベーン; (9)……三次空気旋回ベーン; (10)……一次空気スワラ; (11)……一次空気スライドダンパ; (12)……二次空気スライドダンパ; (13)……三次空気スライドダンパ; (14)……バーナタイル; (15)……バーナスロート; (16)……バーナガン; (17)……燃焼用空気; (18)……一次空気; (19)……二次空気; (20)……三次空気; (21)……スラリー燃料; (22)……噴霧媒体; (23)……スプレイジェット; (24)……炉内; (25)……火炎; (26)……アトマイザ; (101)……バーナ風箱; (102)……一次空気筒; (103)……二次空気筒; (104)……三次空気筒; (105)……一次空気流路; (106)……二次空気流路; (107)……三次空気流路; (108)……二次空気旋回ベーン; (109)……三次空気旋回ベーン; (110)……一次空気スワラ; (111)……一次空気スライドダンパ; (112)……二次空気スライドダンパ; (113)……三次空気スライドダンパ; (114)……バーナタイル; (115)……バーナスロート; (116)……バーナガン; (117)……燃焼用空気; (118)……一次空気; (119)……二次空気; (120)……三次空気; (121)……スラリー燃料; (122)……噴霧媒体; (123)……スプレイジェット; (124)……炉内; (125)……火炎; (126)……アトマイザ; (127)……補助一次空気筒; (128)……二次空気流路閉塞体; (129)……三次空気流路閉塞体; (130a),(130b)……保炎用耐火材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−8602(JP,A) 特開 昭64−57004(JP,A) 実開 昭57−30528(JP,U) 特公 昭60−21281(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微粉炭燃料と液体とを混合したスラリ燃料
    を噴射するバーナガンと、上記バーナガンを同軸で取囲
    み同バーナガンとの間に環状断面の一次空気流路を形成
    する一次空気筒と、上記一次空気筒を同軸で取囲み同一
    次空気筒との間に環状断面の二次空気流路を形成する二
    次空気筒と、上記二次空気筒を同軸で取囲み同二次空気
    筒との間に環状断面の三次空気流路を形成する三次空気
    筒と、上記一次空気流路内の出口近傍において上記一次
    空気筒から間隔をへだてて上記バーナガンを同軸で取囲
    み内部にスワラを有する補助一次空気筒と、上記二次空
    気流路の出口に設けられて同流路の一部を閉塞する複数
    の二次空気流路閉塞体と、上記三次空気流路の出口に設
    けられて同流路の一部を閉塞する複数の三次空気流路閉
    塞体とを具え、上記一次空気筒または二次空気筒の少な
    くとも先端部が保炎用耐火材により形成されており、か
    つ上記二次空気流路閉塞体と上記三次空気流路閉塞体と
    がバーナ正面から見て同一放射線上には配されていない
    ことを特徴とするバーナ装置。
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