JP2749030B2 - 電界効果トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

電界効果トランジスタおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超平滑面を必要と
する電界効果トランジスタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ヘテロ界面の平滑化は、更に微細
化されたサイズを持つ量子素子やMOSトランジスタな
どの次世代電子素子のために、精力的に研究されてい
る。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来のMOS
型電界効果トランジスタのヘテロ界面を説明する。な
お、本願明細書において、「MOS」は、金属/酸化膜
/半導体の3層構造に限定されず、広く、導電体/絶縁
膜/半導体の3層構造を含むものとする。
【0004】図4(a)〜(c)は、従来のシリコン/
酸化膜の界面を形成する過程を示す断面図である。
【0005】図4(a)は、MOS型電界効果トランジ
スタのゲート絶縁膜形成前のシリコン基板70の断面を
示している。一般に、シリコン基板の表面には、スライ
シングや研磨等による種々の損傷を受けた加工層(厚
さ:約100nm〜500nm)が形成されている。こ
のような加工層は、ウェット酸化によってシリコン基板
の表面に熱酸化膜を形成し、その熱酸化膜をフッ酸等で
除去することにより、取り除かれる。ウェット酸化の前
に、シリコン基板の表面から有機物などを除去するた
め、RCA洗浄がシリコン基板に対して施される。図4
(a)は、上記熱酸化膜を除去した直後におけるシリコ
ン基板70の表面の様子を示している。
【0006】ウェット酸化の酸化速度は速いので、ウェ
ット酸化は極薄ゲート絶縁膜の形成には適さない。この
ため、極薄ゲート絶縁膜の形成には、乾燥雰囲気中で熱
酸化を施すドライ酸化が有利と考えられるが、ドライ酸
化によって形成されたゲート絶縁膜には絶縁耐圧が低い
という問題も指摘されている。そのような耐圧劣化の原
因は、ゲート絶縁膜とシリコン基板との界面における凹
凸によるものと考えられる(例えば、M.Niwa et al, J.
Electrochem. Soc., 139(1992)901)。
【0007】次に、図4(b)に示されるように、ドラ
イ酸化によってゲート絶縁膜(厚さ:10nm)71が
形成される。このドライ酸化は、電気炉を用いて乾燥酸
素雰囲気中で900℃程度の温度にシリコン基板を加熱
することにより行われる。ゲート絶縁膜71からピンホ
ールなどの酸化膜欠陥を除去するため、更に、乾燥窒素
中にて950℃、20minのアニール処理を施した。
【0008】ゲート絶縁膜71とシリコン基板70との
界面72に凹凸が形成される機構は、現在十分には解明
されていないが、界面の凹凸形成に、酸化種のサイズ効
果及び酸化膜中のシラノール基が大きく関与していると
考えられる。
【0009】ドライ雰囲気中のO2はウェット雰囲気中
のH2Oにくらべてそのサイズが大きい。また、構造緩
和剤として機能し得るシラノール基がドライ雰囲気中に
は存在しない。このため、酸化種(O2)は、シリコン
表面の格子位置に存在するシリコンに対してランダム
(一様)に結合することなく、正味のボンド長が最も長
い(111)ファセット面から内部に侵入し、そこでシリ
コン原子と反応すると考えられる。このため、ドライ酸
化の場合、シリコン表面の特定部分に酸化種侵入経路が
形成され、その経路から優先的に酸化が進むと考えられ
ている。このため、ドライ酸化によれば、酸化膜とシリ
コン基板との界面に凹凸が形成されやすくなる。
【0010】ドライ酸化により形成された酸化膜の場
合、デバイ長は約15nmであるので、本実施例の場合
大半がその機構が解明されていない酸化の初期過程領域
で膜形成の最終段階、即ちシリコン酸化膜界面付近の酸
化膜形成はDeal-Groveの反応律則にのっとって行われ
る。
【0011】以上のことから、図4(b)に示される比
較的大きなシリコン基板表面の凹凸は、(111)ファセ
ットのような比較的入りやすい経路から酸化種が優先的
に入り込みシリコン原子との反応が促進された結果生成
されたと理解される。
【0012】ドライ酸化前のシリコン基板70の表面に
は、図4(a)に示されるように、比較的に小さな凹凸
が存在し、種々の微細な結晶面が表面に現れている。結
晶面の酸化速度は、面方位に応じて異なるため、図4
(b)に現れる酸化膜界面72は、大きな凹凸と小さな
凹凸の組み合わされた複雑な形状を持つことになる。
【0013】ゲート絶縁膜が形成された後、図4(c)
に示すように、ゲート電極として機能するポリシリコン
層73をゲート絶縁膜71上に堆積し、MOS構造を形
成する。このようにして形成した絶縁膜/シリコン基板
界面凹凸のrms値は、透過型電子顕微鏡による断面観
察によれば、約1.5nmである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、界面凹凸が原因となり反転層中の走行電
子が散乱され、素子の応答速度が抑制されるという問題
点がある。上記MOS構造を用いて、MOS型電界トラ
ンジスタを作製し、動作させると、シリコン基板70の
うちゲート酸化膜71に近接する部分(シリコン基板7
0の表面付近)に、反転層74が形成される。反転層7
4には高い電界が形成され、反転層74中の電子75
は、高速で反転層74中を走行する。この際、シリコン
表面の凹凸によって電子75が散乱され、電子の電界効
果移動度が低下してしまう。
【0015】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的とするところは、走行電子の界
面散乱を低減することにより、素子特性を向上させた電
界効果トランジスタ及びその製造方法を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明の電界効果トラ
ンジスタは、ソース領域及びドレイン領域と、該領域間
に位置するチャネル領域とを含む半導体基板と、該半導
体基板の少なくとも該チャネル領域上に形成されたゲー
ト絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極
とを備えた電界効果トランジスタであって、該半導体基
板の表面は、結晶学的に平滑な面を持つ複数のテラス
と、該複数のテラスの境界部に位置する少なくとも一つ
のステップとを含んでおり、該ステップは、実質的にチ
ャネル長方向に沿って延びており、そのことにより上記
目的が達成される。
【0017】動作時において、前記チャネル領域中に生
じた電荷は、前記半導体基板の前記チャネル長方向に沿
って移動するように、前記ソース領域、チャネル領域及
びドレイン領域が配置されていることが好ましい。
【0018】前記ステップの50%以上は、Aステップ
から形成されていることが好ましい。
【0019】ある好ましい実施形態では、前記半導体基
板は、零ではないミスオリエンテーション角を有する
(001)シリコン基板である。
【0020】ある好ましい実施形態では、前記ミスオリ
エンテーション角が0度より大きく、4度より小さい。
【0021】前記ステップのうち、前記チャネル領域を
横切るものの数が、20個以下であることが好ましい。
【0022】ある好ましい実施形態では、前記複数のテ
ラスのそれぞれの上には、前記チャネル長方向に延びる
ダイマー列が形成されている。
【0023】ある好ましい実施形態では、前記ステップ
は実質的にAステップからなる。
【0024】ある好ましい実施形態では、前記半導体基
板は、4度より大きく、15度より小さいミスオリエン
テーション角を有する(001)シリコン基板である。
【0025】ある好ましい実施形態では、前記チャネル
領域は、前記ステップの肩部分に形成された量子細線で
あり、該量子細線の幅は10nm以下である。
【0026】ある好ましい実施形態では、前記複数のテ
ラスのうち任意のテラス上には、そのテラスに隣接する
テラス上に形成されたダイマー列に直交するダイマー列
が形成されている。
【0027】ある好ましい実施形態では、前記半導体基
板は、シリコンから形成されており、前記ゲート絶縁膜
は、熱酸化膜から形成されている。
【0028】前記熱酸化膜の厚さは4nm以下であるこ
とが好ましい。
【0029】ある好ましい実施形態では、前記熱酸化膜
の上面の形状は、該熱酸化膜の下面の形状と同一であ
る。
【0030】本発明の電界効果トランジスタの製造方法
は、ソース領域及びドレイン領域と、該領域間に位置す
るチャネル領域とを含む半導体基板と、該半導体基板の
少なくとも該チャネル領域上に形成されたゲート絶縁膜
と、該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備え
た電界効果トランジスタの製造方法であって、該半導体
基板の表面に、結晶学的に平滑な面を持つ複数のテラス
と、該複数のテラスの境界部に位置する少なくとも一つ
のステップとを形成する表面処理工程と、該半導体基板
の該表面に該ゲート絶縁膜を形成する工程と、該ゲート
絶縁膜上に該ゲート電極を形成する工程と、該ステップ
が実質的にチャネル長方向に沿って延びるように、該ソ
ース領域及びドレイン領域を該半導体基板中に形成する
工程と、を包含し、そのことにより上記目的が達成され
る。
【0031】ある好ましい実施形態では、前記表面処理
工程が、前記半導体基板を真空中で加熱する工程を包含
する。
【0032】前記表面処理工程は、1000℃以上の温
度に加熱することが好ましい。
【0033】ある好ましい実施形態では、前記ゲート絶
縁膜を形成する工程は、前記半導体基板の前記表面を熱
酸化する工程を含んでいる。
【0034】前記表面処理工程の後に、前記半導体基板
に素子分離構造を設ける工程を更に包含していてもよ
い。
【0035】前記半導体基板としては、零ではないミス
オリエンテーション角を有する(001)シリコン基板
を用いる。
【0036】ある好ましい実施形態では、前記ミスオリ
エンテーション角が0度より大きく、4度より小さい。
【0037】ある好ましい実施形態では、前記ステップ
の高さは、シリコン単原子層の厚さに等しい。
【0038】ある好ましい実施形態では、前記ミスオリ
エンテーション角が4度より大きい。
【0039】ある好ましい実施形態では、前記ステップ
の高さは、シリコン単原子層の厚さよりも厚い。
【0040】本発明の半導体基板上のステップの平坦化
方法は、複数のテラスと、該複数のテラスの境界部に位
置するステップとを備えた半導体基板を形成する工程
と、該半導体基板の表面を酸化することにより、該ステ
ップの該境界部から該半導体基板に平行に突出する突起
部のサイズを小さくし、該境界部の凹凸を平坦化する工
程とを包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0041】前記突起部のサイズは8nm以下であるこ
とが好ましい。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を説明す
る。
【0043】(実施例1)以下、図面を参照しながら、
本発明による電界効果トランジスタの実施例を説明す
る。本実施例は、原子的尺度で平坦な絶縁層/半導体界
面を有する。
【0044】まず、図1(a)を参照する。真空中の加
熱清浄化やシリコンのホモエピタキシャル成長により形
成された(001)清浄表面の斜視図である。図1(a)
に示されるように、シリコン基板10の表面は、複数の
ステップと複数のテラスから形成されている。各テラス
の上面は、(001)面であり、微視的(原子レベル)
スケールで平滑である。本願明細書では、このような平
滑な面を「結晶学的に平滑な面」を呼ぶ場合がある。
【0045】上記表面構造は、真空中の加熱清浄化技術
やシリコンのホモエピタキシャル成長技術により形成さ
れる。これらの技術の詳細は、あとで説明する。
【0046】シリコン基板10の表面において、各ステ
ップは、隣接する2つのテラスの境界部に形成されてい
る。言い換えると、各ステップを挟んで、相対的に高い
レベルにあるテラス(上側テラス)と、相対的に低いレ
ベルにあるテラス(下側テラス)とが隣接している。本
実施例の場合、図1(b)に明瞭に示されるように、方
向IIに沿ってテラスのレベルは段々に低くなっている。
言い換えると、シリコン基板10の表面は、巨視的なス
ケールでは、(001)面から傾斜している。このよう
な表面構造を持つシリコン基板10は、ミスオリエンテ
ーション基板を用いて準備される。本実施例では、ミス
オリエンテーション角15が2度の基板(P型不純物
(ボロン)濃度: 約1015cm-3)を用いている。
【0047】本実施例では、各ステップの高さは、シリ
コン単原子層の厚さに相当し、約0.136nmであ
る。方向Iに沿って計測した各テラスのサイズは、約1
0〜20nmである。
【0048】次に、図1(c)を参照する。方向Iに平
行な直線を横切るステップの数は、方向IIに平行な直線
を横切るステップの数に比較して極めて少ない。ステッ
プは、巨視的スケールでは、方向Iに沿ってまっすく延
びているといえる。言い換えると、本実施例のシリコン
基板10の上では、平滑な面を持つテラスが、方向Iに
沿って長く延びている。本願明細書では、方向Iを「ス
テップ方向」と呼ぶことがある。
【0049】次に、ステップとテラスとの関係を説明す
る。各テラスの最表面に位置するシリコン原子は、2量
体(ダイマー)からなる原子配列(ダイマー列)を形成
している。ダイマー列には、第1の方向に沿って延びる
第1のダイマー列14と、第1の方向に垂直な第2の方
向に沿って延びる第2のダイマー列13とが含まれる。
1つのテラスには、1種類のダイマー列が形成される。
ステップは、その向きによって、Aステップ11及びB
ステップ12の2種類に分けられる。図1(c)に示さ
れるように、Aステップ11は、上側テラス上に形成さ
れたダイマー列に平行なステップであり、Bステップ1
2は、上側テラス上の形成されたダイマー列に垂直なス
テップである。本実施例では、図示されているように、
ダイマー列13及び14が交互に繰り返されるようなテ
ラス構造が形成されている。シリコン基板のミスオリエ
ンテーション角度によっては、ダイマー列13及び14
の何れか一方のみが表面に形成される場合がある(実施
例2を参照)。
【0050】次に、図1(a)に示されるような表面構
造を持ったシリコン基板10を作製する工程を詳細に説
明する。
【0051】まず、シリコン基板の表面から有機物など
を除去するため、RCA洗浄をシリコン基板に対してほ
どこす。次に、ウェット酸化によってシリコン基板の表
面に熱酸化膜を形成した後、その熱酸化膜をフッ酸等で
除去する。こうすることにより、シリコン基板の「加工
層」が除去される。この段階では、シリコン基板の表面
には、微細凹凸が不規則に形成されている。
【0052】次に、シリコン基板を超高真空チャンバ内
にセットし、チャンバ内の圧力を約4〜6×10-9Pa
に減圧する。次に、短時間加熱法でシリコン基板を急速
に加熱し、約1〜5秒間程度で1150〜1250℃に
まで昇温する。その後、徐々に室温近くの温度にまで冷
却する。冷却の課程でシリコン基板表面におけるシリコ
ンが再配列し、(2×1)構造が形成される。シリコン
基板の主面が(001)面からオフしていると、ステッ
プのある平坦な複数のテラスを持つ構造が形成される。
チャンバ内からシリコン基板を取り出すと、シリコン基
板の表面に飛来した大気中の酸素分子が表面に吸着し、
表面に薄い自然酸化膜を形成する。
【0053】上記方法を加熱清浄化法と呼ぶことにす
る。真空下での加熱に代えて、酸素雰囲気中で紫外線照
射を行いながらシリコン基板を加熱しても、同様の(2
×1)構造を形成できる。これらの表面処理方法は、特
開平5-243266号公報や特開平6-151395号公報に記載され
ている。
【0054】また、ホモエピタキシャル成長技術を用い
て、オフ基板上にエピタキシャル成長層を設けても、そ
の表面にステップのある平坦な複数のテラスを持つ構造
を形成することができる。本願明細書では、このような
ホモエピタキシャル成長工程も「表面処理工程」に含め
ることとする。
【0055】このようにして、図1(a)に示されるよ
うな表面構造を持ったシリコン基板10を準備した後、
シリコン基板10の表面を熱酸化する。シリコン基板1
0の表面に自然酸化膜が厚く形成された場合は、できる
かぎり、それを除去しておくことが好ましい。上記熱酸
化は、ドライ酸化で行われる。より詳細には、電気炉で
乾燥酸素雰囲気中においてシリコン基板10を900℃
程度の温度に加熱することにより、厚さ5nmの酸化膜
16をシリコン基板10上に形成する。熱酸化に引続
き、ピンホールなどの酸化膜欠陥を除去するために乾燥
窒素中にて950℃、20minのアニール処理を施
す。
【0056】上記熱酸化は、酸化膜/シリコン界面から
シリコン基板10の内部に向かって進行する。一般に
は、形成される熱酸化膜が厚くなるにつれて、初期過程
→反応律則→拡散律則というように、酸化膜形成機構は
変化してゆく。しかし、本実施例の場合、最終的に形成
する酸化膜の厚さが極めて薄いため、初期過程で酸化膜
の形成は完了する。
【0057】本実施例によれば、シリコン基板10の表
面が原子的に平坦な面、すなわち、(001)テラス面
から構成されているため、従来例において生じたと考え
られる特定の酸化種侵入経路は発生しにくい。そのた
め、酸化種は均一にシリコン表面原子と反応するので、
従来例に比べて、酸化膜/シリコン界面には不規則な凹
凸が形成されにくい。
【0058】上記熱酸化によって、熱酸化前のシリコン
基板10の表面のステップ形状17を反映した形態を持
つ酸化膜16が形成される。これは、熱酸化が表面の位
置によらず均一に進行し、その結果、位置によらず均一
な厚さを持つ酸化膜が形成されたことを意味している。
酸化膜16の形態が、下地シリコンのステップ形状17
を保存する現象は、酸化膜16が薄いほど顕著である。
従来の方法によって、厚さが約4nm以下の熱酸化膜を
形成すると、熱酸化膜の厚さが不均一となり、局所的に
薄くなりすぎる部分が形成される結果、その部分から絶
縁破壊が生じるおそれが強かった。これに対して、本発
明によれば、薄い熱酸化膜が均一な厚さを有するように
形成される利点がある。従って、本発明の方法は、熱酸
化膜の厚さが約4nm以下の場合に特に顕著な効果をも
たらすといえる。
【0059】なお、本発明者による実験から、方向IIに
平行なステップの長さ及び数が熱酸化によって減少する
ことがわかった。従って、本発明は、ゲート絶縁膜とし
て熱酸化膜を用いる場合に特に好ましい効果をもたら
す。
【0060】次に、酸化膜16上にゲート電極として機
能するポリシリコン(厚さ:200nm)18を堆積
し、MOS構造を形成する。ゲート電極に所定値の電圧
を印加すると、従来例と同様に、酸化膜/シリコン界面
のシリコン側に、薄い反転層(厚さ:4nm)19が形
成される。より詳細には、反転層無いの電子は、酸化膜
/シリコン界面から深さ0.4nm程度の位置にピーク
を持った分布を示す。
【0061】MOS型電界効果トランジスタを作製する
には、ソース領域及びドレイン領域とチャネル領域とを
シリコン基板10の表面近傍に形成する必要がある。本
願発明では、反転層中の電子の走行方向が図1(c)に
示される矢印20の方向に一致するようにソース領域及
びドレイン領域(N型不純物濃度:1020cm-3)を形
成する。ソース領域及びドレイン領域は、図1(c)に
は示されていない。
【0062】次に、図5を参照する。図5は、MOS型
電界効果トランジスタにおける、シリコン表面のステッ
プ構造とソース領域及びドレイン領域との配置関係を示
している。本実施例では、ステップ方向と電子の走行方
向とは平行になっている。
【0063】図5のテラス100a〜100eのうち、
例えばテラス100cの表面をソース領域からドレイン
領域に向かって走行する電子は、テラス100b側のス
テップ(特に、テラス100bとテラス100cとの境
界部からステップ方向に対して垂直な方向に突出した部
分)で散乱を受ける。しかし、この突出したステップの
サイズは、たかだか数原子層の厚さに相当する大きさし
か持たないため、電子の移動が大きく妨げられることは
ない。しかし、上側テラスから下側テラスに突出するス
テップのサイズや数は少ないほうが、電子の散乱は少な
くなるので好ましいことは言うまでもない。
【0064】Aステップ付近では、電子は殆ど散乱され
ずに走行するが、Bステップ付近ではその複雑な2次元
ステップ形状により電子は散乱され易くなると予想され
るが、酸化後のBステップの複雑に入り組んだ形態は、
点線で示した酸化前の表面形態21よりもやや均された
酸化膜界面形態23になり、電子の走行方向20に対し
て2次元的な酸化膜界面凹凸の頻度が少なくなる傾向を
示す。
【0065】各ステップの高さは、シリコン(001)面
の単原子層の厚さに相当するので、シリコン基板表面に
垂直な方向(深さ方向)に沿った凹凸のサイズはせいぜ
い0.36nmであるので、走行する電子は、このラフ
ネスを感じない。
【0066】一方、ステップ方向(矢印20)に対して
直角の方向(矢印22の方向)に電子を走行させた場
合、常に単原子ステップ段差に基づく階段状のラフネス
を感じながら走行するので、前者の場合に比べて散乱確
率が大きくなる。
【0067】図1(d)は、熱酸化膜厚が5nmの場合
の酸化膜/シリコン界面のラフネスと室温における反転
層中の電子移動度(電子の電界効果移動度μe)の測定
結果を示したものである。
【0068】本発明によるヘテロ界面形成方法を用いた
場合を通常のウェット洗浄による界面形成方法と比較し
て示した。図1(d)の□はウェット洗浄によりSi(0
01)表面を処理した場合(図4に相当)、○は真空加
熱清浄化し、Si(001)-2×1再配列表面を熱酸化
し、ステップ高さの大きい方向に電子を走行させた場合
(図1(c)22の方向に相当)、そして●は真空加熱
清浄化し、Si(001)-2×1再配列表面を熱酸化し、
ステップ高さの小さい方向に電子を走行させた場合(図
1(c)20の方向に相当)をそれぞれ示す。ウェット
洗浄表面を酸化した場合に比べて2×1再配列表面を熱
酸化した場合、移動度は大幅に向上する。
【0069】そして、2×1再配列表面を熱酸化し、ス
テップ段差の小さい方向に電子を走行させた場合にはさ
らに電子移動度の向上が確認された。
【0070】以上の結果は、室温における測定結果であ
ったが、基板温度を冷却した場合にはフォノン散乱が抑
制され、走行する電子が界面部分に押し寄せられるの
で、この改善効果がより顕著になる。
【0071】以上のように、本発明において対向するソ
ース、ドレインの配置に関して反転層中の電子の走行方
向をステップが走る方向と平行にすることにより、シリ
コン-酸化膜界面部での電子散乱を低減することが可能
となり、必ずしもミスオリエンテーション角15が小さ
い基板を用いなくても界面散乱は抑制される。このよう
に、高い垂直電界強度のもとではシリコン-酸化膜界面
ラフネス散乱による界面移動度の低下が抑制される。
【0072】以上は、シリコン基板表面の面方位が(0
01)の場合についてであったが、その他の面方位の場
合でも同様の事が成立ち、シリコン(111)面の場合や
本発明の実施例2で示すようにステップ段差が大きい場
合には本発明の効果が顕著に現れる。
【0073】また本実施例では、シリコン基板を用いた
電界効果トランジスタについて説明したが、例えばGa
As基板を用いた電界効果トランジスタについても応用
が可能である。またミスオリエンテーション角15は2
度としているが、図1(a)示すステップを得るために
は、0度より大きく、4度より小さいことが好ましい。
【0074】(実施例2)以下、図面を参照しながら、
本発明による電界効果トランジスタの第2の実施例を説
明する。
【0075】図2(a)は、本実施例に使用するシリコ
ン基板30の表面を示している。本実施例では、実施例
1のシリコン基板10に比較して、ミスオリエンテーシ
ョン角度の大きい(001)基板を使用している。シリコ
ン基板30のミスオリエンテーション角31は、8度で
ある。図2(a)に示す(001)清浄表面も、前述の真
空中の加熱清浄化やシリコンのホモエピタキシャル成長
により形成される。
【0076】シリコン基板30の表面は、ミスオリエン
テーション角31により規定されたテラス34、35、
及び36とステップ32及び33とから形成されてい
る。
【0077】シリコン(001)表面のステップ32及び
33は、テラス34、35、及び36を分離する。これ
らのステップ32及び33は、テラス34、35、及び
36上に形成された最表面シリコン原子の2量体(ダイ
マー)で構成されたダイマー列37、38、39に平行
に走る。ミスオリエンテーション角31が比較的大きい
為、形成されるステップAは、ステップで、各ステップ
の高さは2原子層の厚さ程度である。ステップとステッ
プとの間隔(テラスの幅)は、ミスオリエンテーション
角31に依存する。本実施例におけるステップとステッ
プとの間隔(テラスの幅)は、4.5nm程度である。
もし、ミスオリエンテーション角31を10度にする
と、ステップとステップとの間隔(テラスの幅)は、
1.6nm程度になる。
【0078】本実施例のシリコン基板30の表面には、
ダイマー列と垂直に走るBステップがほとんど存在しな
い。ここでは、「ダイマー列と平行なAステップと垂直
なBステップとが交互に配置され、各々のテラス上には
ダイマー列が交互に直角に存在する形態」は観察されな
い。
【0079】図2(a)に示されるような表面構造を持
ったシリコン基板30を準備した後、シリコン基板30
の表面を洗浄し、その後、熱酸化する。この酸化は、ド
ライ酸化で行われる。より詳細には、電気炉で乾燥酸素
雰囲気中において900℃程度の温度に加熱することに
より、厚さ5nmの酸化膜40を形成する。引続き、ピ
ンホールなどの酸化膜欠陥を除去するために乾燥窒素中
にて950℃、20minのアニール処理を施す。
【0080】上記熱酸化は、酸化膜/シリコン界面から
シリコン基板30の内部に向かって進行する。一般に
は、形成される熱酸化膜が厚くなるにつれて、初期過程
→反応律則→拡散律則というように、酸化膜形成機構は
変化してゆく。しかし、本実施例の場合、最終的に形成
する酸化膜の厚さが極めて薄いため、初期過程で酸化膜
の形成は完了する。
【0081】本実施例によれば、シリコン基板30の表
面が原子的に平坦な面から構成されているため、従来例
において生じたと考えられる特定の酸化種侵入経路は発
生しにくい。そのため、酸化種は均一にシリコン表面原
子と反応するので、従来例に比べて、酸化膜/シリコン
界面には不規則な凹凸が形成されにくい。
【0082】上記熱酸化によって、熱酸化前のシリコン
表面に存在したステップ形状41を反映した形態を持つ
酸化膜40が形成される。酸化膜の形態が、下地シリコ
ンのステップ形状41を保存する現象は、酸化膜が薄い
場合に顕著である。
【0083】次に、酸化膜40上にゲート電極として機
能するポリシリコン42を堆積し、MOS構造を形成す
る。ゲート電極に所定値の電圧を印すると、従来例と同
様に、酸化膜/シリコン界面のシリコン側に、薄い反転
層43が形成される。
【0084】MOS型電界効果トランジスタを作製する
には、ソース領域及びドレイン領域とチャネル領域とを
シリコン基板30の表面近傍に形成する必要がある。本
願発明では、反転層中の電子の走行方向が図2(c)に
示される矢印44の方向に一致するようにソース領域及
びドレイン領域を形成する。ソース領域及びドレイン領
域は、図2(c)には示されていない。
【0085】Aステップ付近では、電子は殆ど散乱され
ずに走行するが、形状の複雑なBステップが存在しない
ため、電子が散乱される要因はほとんどない。
【0086】各ステップの高さは、シリコン(001)面
の2原子層の厚さに相当するので、シリコン基板表面に
垂直な方向(深さ方向)に沿った凹凸のサイズは0.2
7nmである。
【0087】ステップ方向(矢印44の方向)に電子を
走行させた場合、走行電子はラフネスを感じずに走行す
るので、散乱確率は著しく小さい。これに対して、ステ
ップ方向(矢印44の方向)に対して直角の方向(矢印
45の方向)に電子を走行させた場合、2原子ステップ
段差に基づく階段状のラフネスを感じながら走行するの
で、前者の場合に比べて散乱確率が大きくなる。
【0088】高さの大きなステップが形成されたシリコ
ン表面を酸化し、反転層中のキャリアの伝播方向とステ
ップ方向とを一致させることにより、図2(d)に示す
ような構造が得られる。この構造によれば、ステップの
肩の部分(シャープエッジ)にキャリアを閉じ込めさ
せ、一次元の量子細線を形成することも可能となる。こ
れは、ステップの肩部分に電界集中が生じ、それによっ
て、その部分に選択的に反転層が形成されるからであ
る。このような量子細線を形成するには、ステップは、
4〜8原子程度に相当する高さを持つことが必要であ
る。ソース領域とドレイン領域との間に、このような量
子細線を形成すれば、量子細線トランジスタが作製され
る。
【0089】以上のように、本発明においては対向する
ソース、ドレインの配置に関して反転層中の電子の走行
方向をステップが走る方向と平行にすることにより、シ
リコン-酸化膜界面での電子の散乱を低減することが可
能となる。このことにより高い垂直電界強度のもとでは
シリコン-酸化膜界面ラフネス散乱による界面移動度の
低下が抑制される。以上は、シリコン基板表面の面方位
が(001)の場合についてであったが、その他の面方位
の場合でも同様の結果が得られることは言うまでもな
い。また基板のミスオリエンテーション角は、4度以上
15度以下であることが好ましい。
【0090】(実施例3)以下、図面を参照しながら、
本発明による電界効果トランジスタの第3の実施例を説
明する。
【0091】図3(a)は、本実施例に使用するシリコ
ン基板50の表面を示している。本実施例では、実施例
1のシリコン基板10に比較して、ミスオリエンテーシ
ョン角度の小さい(001)基板を使用している。シリコ
ン基板50のミスオリエンテーション角51は、ほとん
どゼロ度(0.2度以下)である。図3(a)に示す
(001)清浄表面も、前述の真空中の加熱清浄化やシリ
コンのホモエピタキシャル成長により形成される。以
下、本発明の一実施例の原子的に平坦なMOSFETに
ついて、図面を参照しながら説明する。
【0092】ステップ52はテラス上に形成された最表
面シリコン原子の2量体(ダイマー)で構成された原子
配列(ダイマー列)55に平行に走るステップである。
ミスオリエンテーション角51がきわめて小さい為、形
成されるステップ52は表面上の広範囲において殆ど存
在しないが、BステップとAステップとが交互に配置さ
れる。また、各々のテラス上にはダイマー列55、56
が交互に直角に存在する。ステップとステップとの間の
間隔(テラスの幅)は、40nm程度になる。そのた
め、チャネル長が100nm程度以下のトランジスタの
場合、ソース領域からドレイン領域まで電子が移動する
間に、電子が出会うステップは、多くとも、2個以下で
ある。
【0093】図3(a)に示されるような表面構造を持
ったシリコン基板50を準備した後、シリコン基板50
の表面を洗浄し、その後、熱酸化する。この酸化は、ド
ライ酸化で行われる。より詳細には、電気炉で乾燥酸素
雰囲気中において900℃程度の温度に加熱することに
より、厚さ5nmの酸化膜57を形成する。引続き、ピ
ンホールなどの酸化膜欠陥を除去するために乾燥窒素中
にて950℃、20minのアニール処理を施す。
【0094】上記熱酸化は、酸化膜/シリコン界面から
シリコン基板50の内部に向かって進行する。一般に
は、形成される熱酸化膜が厚くなるにつれて、初期過程
→反応律則→拡散律則というように、酸化膜形成機構は
変化してゆく。しかし、本実施例の場合、最終的に形成
する酸化膜57の厚さが極めて薄いため、初期過程で酸
化膜の形成は完了する。
【0095】本実施例によれば、シリコン基板50の表
面が原子的に平坦な面から構成されているため、従来例
において生じたと考えられる特定の酸化種侵入経路は発
生しにくい。そのため、酸化種は均一にシリコン表面原
子と反応するので、従来例に比べて、酸化膜/シリコン
界面には不規則な凹凸が形成されにくい。
【0096】上記熱酸化によって、熱酸化前のシリコン
表面に存在したステップ形状60を反映した形態を持つ
酸化膜57が形成される。酸化膜57の形態が、下地シ
リコンのステップ形状60を保存する現象は、酸化膜5
7が薄い場合に顕著である。
【0097】次に、酸化膜57上にゲート電極として機
能するポリシリコン58を堆積し、MOS構造を形成す
る。ゲート電極に所定値の電圧を印すると、酸化膜/シ
リコン界面のシリコン側に、薄い反転層59が形成され
る。
【0098】MOS型電界効果トランジスタを作製する
には、ソース領域及びドレイン領域とチャネル領域とを
シリコン基板50の表面近傍に形成する必要がある。本
実施例においてはミスオリエンテーション角51がきわ
めて小さいので、きわめて平坦な界面が形成される。矢
印61は反転層中の電子の走行方向を示したもので、こ
の場合、シリコン-酸化膜界面部分のステップが殆ど存
在しないので界面の平坦性はきわめて優れている。仮に
ステップが存在したとしても高々シリコン(001)面の
単原子ステップ(高さ0.136nm)であるので、走
行する電子はこのステップによるラフネスを感じない。
従って、電子の走行方向は基板のミスオリエンテーショ
ンの方向に依存せず、界面付近では電子が散乱される要
因は見あたらない。このようにして対向するソース、ド
レインを表面上の任意の方向に形成しても界面移動度
に、常に高い値を示す。矢印61は反転層中の電子の走
行方向を示している。
【0099】以上のように、本発明においては基板のミ
スオリエンテーション角がきわめて零に近いシリコンを
用いることにより、反転層中の電子の走行方向はステッ
プが走る方向に依存することなく任意の2次元平面上の
シリコン-酸化膜界面での電子散乱を低減することが可
能となる。このことにより高い垂直電界強度のもとで、
シリコン-酸化膜界面ラフネス散乱による界面移動度の
低下が抑制される。このため、二次元電子ガスによるト
ランジスタが実現される。
【0100】以上のことは、シリコン基板表面の面方位
が(001)の場合についてであったが、その他の面方位
の場合でも同様の結果が得られることは言うまでもな
い。
【0101】(実施例4)以下に本発明による電界効果
トランジスタの実施例を説明する。本実施例では、一つ
のシリコン基板上に複数の電界効果トランジスタが形成
され、これらのトランジスタが相互に電気的に分離され
る。
【0102】以下に、図6〜図10を参照しながら、本
実施例の製造方法を説明する。
【0103】まず、図6のステップS1でシリコン基板
の表面に「キー」を形成する。ここで、キーとは、マス
クアライメントに必要なマーク(目印)として機能する
特定の形状を持った凹部である。キーは、シリコン基板
の向き(オリエンテーション)が特定され得るような形
状を持ち、チップの外周辺部等に形成される。キーの形
状として、例えば、十文字が使用され得る。
【0104】図7(a)〜(e)は、キー形成プロセス
を示す工程断面図である。
【0105】図7(a)に示されるように、シリコン基
板201上に熱酸化膜(厚さ:25nm)202を形成
した後、熱酸化膜202上にシリコンナイトライド膜
(厚さ:50nm)203を堆積する。
【0106】次に、図7(b)に示されるように、キー
の位置及び形状を規定する開口部を持つフォトレジスト
膜204を、公知のリソグラフィ工程によってシリコン
ナイトライド膜203上に形成する。
【0107】次に、図7(c)に示されるように、シリ
コンナイトライド膜203のうちフォトレジスト膜20
4の開口部において露出する部分をエッチングし、熱酸
化膜202を部分的に露出させる。こうして、次の局所
熱酸化のためのマスク203’が形成される。フォトレ
ジスト膜204を除去した後、マスク203’で覆われ
た状態のシリコン基板201に対して、熱酸化処理を行
う。この熱酸化処理により、図7(d)に示されるよう
に、キーを形成すべき領域に厚さ125nmの熱酸化膜
205を成長させる。
【0108】次に、図7(e)に示されるように、熱酸
化膜205を完全に除去し、シリコン基板201に凹部
(深さ:50nm)206を形成する。その後、厚さ1
0nmの酸化膜207でシリコン基板201を覆う。
【0109】以上のプロセスでキー形成工程が完了す
る。
【0110】次に、CMOSトランジスタを形成する場
合は、シリコン基板201中にウェルを形成する。
【0111】この後、図6のステップS2でPN接合分
離構造を形成した後、ステップS3で基板表面を平滑化
する。ステップS4で、ゲート絶縁膜を形成した後、ス
テップS5で多結晶シリコン膜を堆積する。ステップS
6でゲートパターニングを行った後、ステップS7でソ
ース/ドレイン領域を形成する。ステップS8で層間絶
縁膜を堆積した後、ステップS9でコンタクトホールを
層間絶縁膜中に形成する。ステップ10でコンタクトを
形成する。
【0112】以下、ステップS2〜S10の工程を図8
(a)〜(e)を参照して説明する。
【0113】まず、図8(a)に示されるように、シリ
コン基板201において、ソース/ドレイン及びチャネ
ル領域が形成される領域(活性領域)を選択的にレジス
ト210で覆った後、レジスト210で覆われていない
領域(分離領域)に対して、P型不純物イオンを注入す
る。このイオン注入は、各トランジスタ素子を電気的に
分離するためのP型不純物拡散領域211を形成するた
めに行う。注入条件は、ドーズ量が7.5×1012cm
-2のボロン(B)イオンを180keVで注入した後、
3.5×1013cm-2のフッ化ボロン(BF2)イオン
を60keVで注入する。
【0114】次に、レジスト210を除去した後、実施
例1で説明した方法によってシリコン基板の表面を平滑
化する。この平滑化工程によっても、前記キーの形状
(図8において不図示)は保存される、その後、図8
(b)に示されるように、熱酸化によって絶縁膜212
を形成した後、多結晶シリコン膜213を絶縁膜212
上に堆積する。多結晶シリコン膜213及び絶縁膜21
2をパターニングすることによって、ゲート絶縁膜21
2’を介してチャネル領域上に位置するゲート電極21
3’を形成する。
【0115】こうしてMOS構造を形成した後、素子分
離のためのトレンチ(幅500nm、深さ1000n
m)を形成しても良い。トレンチ分離を行う場合は、前
述のP型不純物イオンの注入は必要ない。
【0116】次に、ソース/ドレイン形成のためのレジ
スト214をシリコン基板201上に形成した後、N型
不純物イオンをシリコン基板201に注入して、ソース
/ドレイン領域215を形成する。この後、ゲート電極
213’を覆うように層間絶縁膜218を堆積する。層
間絶縁膜218としては、例えば、100nmのNSG
膜216上に700nmのBPSG膜217を形成した
ものを用いてもよい。BPSG膜217は、850℃6
0分間の熱処理によって、平坦化される。
【0117】次に、ソース/ドレイン領域215に到達
するコンタクトホールを層間絶縁膜218に形成した
後、公知のメタライゼーション技術によってソース/ド
レインコンタクトを形成する。
【0118】図9は、本発明によりN型のMOSトラン
ジスタ221とP型のMOSトランジスタ222をシリ
コン基板201に形成した半導体装置のの断面構成を模
式的に示している。P型のMOSトランジスタ222
は、シリコン基板201に形成されたN型ウェル上に形
成される。
【0119】図10は、図9の半導体装置の改良例の断
面構成を示している。図10の半導体装置が図9の半導
体装置から異なる点は、PN接合分離構造211に代え
てトレンチ分離構造227が用いられていることにあ
る。トレンチ分離構造227は、シリコン基板201の
表面に形成された溝と、その溝の表面に形成された酸化
膜225と、溝を埋める絶縁膜とから構成されている。
【0120】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、真空中の
加熱清浄化やシリコンのホモエピタキシャル成長により
形成された(001)清浄表面反転層中の電子の走行方向
をステップが走る方向と平行にすることにより、シリコ
ン-酸化膜界面においてより散乱を低減することができ
る。このことにより高い垂直電界強度のもとではシリコ
ン-酸化膜界面ラフネス散乱による界面移動度の低下が
抑制される。本発明の原子的に平坦な金属-絶縁物-半導
体電界効果トランジスタのヘテロ界面形成方法を用いる
ことにより走行キャリアの界面散乱低下を抑制したMOS
デバイスの高速化やシリコン量子細線の実現が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は本発明の実施例における金属
-絶縁物-半導体電界効果トランジスタのヘテロ界面形成
方法の構造図を説明する図、(d)は本発明の実施例に
おけるヘテロ界面形成方法による効果を電気特性から示
した測定結果を示す図
【図2】(a)〜(c)は本発明の実施例における金属
-絶縁物-半導体電界効果トランジスタの構造図を説明す
る図、(d)は量子細線を示す断面図
【図3】(a)〜(c)は本発明の実施例における金属
-絶縁物-半導体電界効果トランジスタのヘテロ界面形成
方法の構造図を説明する図
【図4】(a)〜(c)は従来のヘテロ界面形成の処理
手順を説明する図
【図5】本発明のMOS電界効果トランジスタの構成上
面図
【図6】本発明による半導体装置の製造方法の実施例の
フローチャート
【図7】(a)〜(e)は、キー形成プロセスを示す工
程断面図
【図8】本発明による半導体装置の製造方法の実施例の
工程断面図
【図9】N型MOSトランジスタとP型MOSトランジ
スタをシリコン基板に形成した半導体装置の構成を示す
断面図
【図10】図9の半導体装置の改良例の構成を示す断面
【符号の説明】
10 シリコン(001)基板 11 シリコン(001)表面上のダイマー列と平行に走
るステップ(Aステップ) 12 シリコン(001)表面上のダイマー列と垂直に走
るステップ(Bステップ) 13、14 シリコン(001)表面上のダイマー列 15 シリコン基板10のミスオリエンテーション角 16 熱酸化膜 17 下地のステップ形状 18 ゲートポリシリコン 19 酸化膜-シリコン界面の反転層 20 反転層中の電子の走行方向 21 酸化前の表面形態 22 酸化膜界面形態 30 シリコン(001)基板 31 シリコン(001)基板のミスオリエンテーション
角 32、33 シリコン(001)表面上のダイマー列
と平行に走るステップ(Aステップ) 34、35、36 シリコン(001)表面上のテラ
ス 37、38、39 シリコン(001)表面上のダイ
マー列 40 熱酸化膜 41 下地のステップ形状 42 ゲートポリシリコン 43 酸化膜-シリコン界面の反転層 44、45 反転層中の電子の走行方向 50 (001)清浄表面を有するシリコン基板 51 ミスオリエンテーション角 52 シリコン(001)表面上のステップ 53、54 テラス 55、56 最表面シリコン原子のダイマーで構成
されたダイマー列 57 熱酸化膜 58 ゲートポリシリコン 59 反転層 60 下地のシリコン表面形態 61 反転層中の電子の走行方向 70 シリコン基板 71 従来法によるプロセス処理で形成したゲート酸化
膜 72 シリコン酸化膜界面 73 ポリシリコン電極 74 反転層 75 反転層中の走行電子

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース領域及びドレイン領域と、該領域
    間に位置するチャネル領域とを含む半導体基板と、 該半導体基板の少なくとも該チャネル領域上に形成され
    たゲート絶縁膜と、 該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極と、 を備えた電界効果トランジスタであって、 該半導体基板の表面は、結晶学的に平滑な面を持つ複数
    のテラスと、該複数のテラスの境界部に位置する少なく
    とも一つのステップとを含んでおり、 該ステップは、実質的にチャネル長方向に沿って延びて
    て、 該ゲート電極、該ソース領域、及び該ドレイン領域のそ
    れぞれは、該複数のテラスにまたがるように形成されて
    いる 、電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記ゲート絶縁膜は熱酸化膜から形成さ
    れていて、該熱酸化膜の厚さが4nm以下である、請求
    項1に記載の電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記ゲート絶縁膜は熱酸化膜から形成さ
    れていて、該熱酸化膜の上面の形状は、該熱酸化膜の下
    面の形状と同一である、請求項1に記載の電界効果トラ
    ンジスタ。
  4. 【請求項4】 動作時において、前記チャネル領域中に
    生じた電荷が前記半導体基板の前記チャネル長方向に沿
    って移動するように、前記ソース領域、前記チャネル領
    及び前記ドレイン領域が配置されている請求項1
    から3のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板は、零ではないミスオリ
    エンテーション角を有する(001)シリコン基板であ
    請求項1から3のいずれかに記載の電界効果トラン
    ジスタ。
  6. 【請求項6】 前記ミスオリエンテーション角が0度よ
    り大きく、4度より小さい請求項に記載の電界効果
    トランジスタ。
  7. 【請求項7】 前記複数のテラスのそれぞれの上には、
    前記チャネル長方向に延びるダイマー列が形成されてい
    請求項1に記載の電界効果トランジスタ。
  8. 【請求項8】 前記ステップは実質的に上側テラスに
    形成されたダイマー列に平行なAステップからなる
    求項7に記載の電界効果トランジスタ。
  9. 【請求項9】 前記半導体基板は、4度より大きく、1
    5度より小さいミスオリエンテーション角を有する(0
    01)シリコン基板である請求項8に記載の電界効果
    トランジスタ。
  10. 【請求項10】 前記チャネル領域は、前記ステップの
    肩部分に形成された量子細線であり、該量子細線の幅は
    10nm以下である請求項9に記載の電界効果トラン
    ジスタ。
  11. 【請求項11】 前記複数のテラスのうち任意のテラス
    上には、そのテラスに隣接するテラス上に形成されたダ
    イマー列に直交するダイマー列が形成されている請求
    項1から3のいずれかに記載の電界効果トランジスタ。
  12. 【請求項12】 ソース領域及びドレイン領域と該領域
    間に位置するチャネル領域とを含む半導体基板と、該半
    導体基板の少なくとも該チャネル領域上に形成されたゲ
    ート絶縁膜と、該ゲート絶縁膜上に形成されたゲート電
    極とを備えた電界効果トランジスタの製造方法であっ
    て、 該半導体基板の表面に、結晶学的に平滑な面を持つ複数
    のテラスと、該複数のテラスの境界部に位置する少なく
    とも一つのステップとを形成する表面処理工程と、 該半導体基板の該表面に該ゲート絶縁膜を形成する工程
    と、 該ゲート絶縁膜上に、該複数のテラスの上にまたがるよ
    うに該ゲート電極を形成する工程と、 該ステップが実質的にチャネル長方向に沿って延びるよ
    うに、且つ該複数のテラスの上にまたがるように、該ソ
    ース領域及びドレイン領域を該半導体基板中に形成す
    る工程と、 を包含する電界効果トランジスタの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記表面処理工程は、前記半導体基板
    を真空中で加熱する工程を包含する請求項12に記載
    の電界効果トランジスタの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記表面処理工程は、1000℃以上
    の温度に加熱する請求項13に記載の電界効果トラン
    ジスタの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記ゲート絶縁膜を形成する工程は、
    前記半導体基板の前記表面を熱酸化する工程を含んでい
    請求項12に記載の電界効果トランジスタの製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記表面処理工程の後に、前記半導体
    基板に素子分離構造を設ける工程を更に包含する請求
    12に記載の電界効果トランジスタの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記半導体基板としては、零ではない
    ミスオリエンテーション角を有する(001)シリコン
    基板を用いる請求項12に記載の電界効果トランジス
    タの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記ミスオリエンテーション角が0度
    より大きく、4度より小さい請求項17に記載の電界
    効果トランジスタの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ステップの高さは、シリコン単原
    子層の厚さに等しい請求項17に記載の電界効果トラ
    ンジスタの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記ミスオリエンテーション角が4度
    より大きい請求項17に記載の電界効果トランジスタ
    の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ステップの高さは、シリコン単原
    子層の厚さよりも厚い請求項17に記載の電界効果ト
    ランジスタの製造方法。
  22. 【請求項22】 前記熱酸化膜の厚さは4nm以下であ
    る、請求項12に記載の電界効果トランジスタの製造方
    法。
  23. 【請求項23】 複数のテラスと、該複数のテラスの境
    界部に位置するステップとを備えた半導体基板を形成
    する工程と、 該半導体基板の表面を酸化することにより、該ステップ
    の該境界部から該半導体基板に平行に突出する突起部の
    サイズを小さくし、該境界部の凹凸を平坦化する工程
    と、 を包含する、請求項12に記載の電界効果トランジスタ
    の製造方法
  24. 【請求項24】 前記突起部のサイズは8nm以下であ
    請求項23に記載の電界効果トランジスタの製造方
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