JP2748969B2 - 非常時即応型折り畳み式ベッド - Google Patents

非常時即応型折り畳み式ベッド

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JP2748969B2 JP7313388A JP31338895A JP2748969B2 JP 2748969 B2 JP2748969 B2 JP 2748969B2 JP 7313388 A JP7313388 A JP 7313388A JP 31338895 A JP31338895 A JP 31338895A JP 2748969 B2 JP2748969 B2 JP 2748969B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、普段の時には、折
り畳んで多数保管しておくことができ、災害時、緊急時
に、簡単な操作で速やかに広げることができて、ベッド
等(ベッド、移送用ベッド、治療台)として使用できる
ようにした、非常時即応型折り畳み式ベッドに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】最近、神戸を中心とする阪神大震災が起
こり、建物は勿論、人的にも大きな被害を被ったことは
周知の通りである。鉄筋コンクリート造りの建築物の被
害も相当なもので、病院もその例に漏れなかった。中に
は、建物の中間部が押しつぶされ、そこの病室にいた入
院中の患者が閉じ込められたりして、救出が困難を極め
た。また、一般の建物においても、多くの人が建物の下
敷きになり、多くの人命が奪われた。かかる状態から、
救出された人に対する応急処置を始めとする緊急治療
は、表面的に被害がなかった病院においても、治療スタ
ッフ、担架、蘇生装置などの緊急備品が不足し、停電、
断水等もあって、受け入れが困難であり、ほとんど機能
しなかったといわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる大地震は、何時
起こっても不思議ではない状態にあり、その対策が叫ば
れている。しかし、現状においては、担架、ベッドは、
そのような非常時に対応した機能が充分に備わっている
とはいえず、また、ベッドは場所をとるため多数台数を
在庫しておくだけの保管場所の確保が問題となってい
る。本発明はこのような背景から提案されたもので、普
段の時には、折り畳んで多数保管しておくことができ、
災害時、緊急時に、簡単な操作で速やかに広げることが
できて、ベッド等(ベッド、移送用ベッド、治療台)と
して使用できるようにした、非常時即応型折り畳み式ベ
ッドを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、基台と、基台長手方向両端側に取り
付けた、旋回可能な移動用キャスタを備えた脚フレーム
と、脚フレーム頂部側に支持した床部フレームと、床部
フレームおよび基台の中間部に、方向転換に供し得るセ
ンターホイールを設けたホイール支柱とを備え、前記床
部フレームおよび基台を二分割して前記ホイール支柱に
対し屈曲可能に連結すると共に、床部フレームを脚フレ
ーム頂部側に、基台を脚フレームの下部側にそれぞれ屈
曲可能に連結して、前記二分割した床部フレームおよび
基台を、両脚フレームを支えとしてホイール支柱を中心
として上昇させるように起立させて、双方の床部フレー
ムおよび基台を折り重ねるように折り畳むと共に、前記
両脚フレームにおける移動用キャスタにより移動可能に
構成した。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明にかかる非常時即応
型折り畳み式ベッドについて、一つの実施の形態を示
し、添付の図面に基づいて以下説明する。図1に、非常
時即応型折り畳み式ベッド1を示す。この折り畳み式ベ
ッド1は、基台3と、基台3に移動用キャスタ2を備え
た脚フレーム4、脚フレーム4上に屈曲可能に取り付け
た床部フレーム5とを有する。また、基台3および床部
フレーム5の中間部には、搬送時の方向転換用に供する
センターホイール6aを保持するホイール支柱6が配置
されている。また、前記床部フレーム5には、ヘッドフ
レーム7、サイドフレーム8、フットフレーム9が設け
られている。そして、床部フレーム5上には、マットレ
スMが載置されている。
【0006】前記基台3は、図2に示すように、床部フ
レーム5の中間部に配置したホイール支柱6に屈曲可能
に連結した、一対のアルミニウム製の方形状の角形パイ
プフレーム3a、3bによって構成している。また、こ
れら方形状の角形パイプフレーム3a、3bには、アル
ミニウム製のパネル10が装着されている。
【0007】前記脚フレーム4は、両端に一対の旋回自
在な移動用キャスタ2を取り付けた横枠4aと、横枠4
aに一体的に構成すると共に、鉛直状に立設せる支柱部
4bとによって構成している。なお、前記移動用キャス
タ2のうち、ベッドの対角線状に位置する移動用キャス
タ2にストッパー2aが設けられている。
【0008】前記床部フレーム5は、一対のスチールパ
イプ枠よりなる、第1、第2の床部フレーム5a、5b
によって構成しており、ホイール支柱6を取り付ける保
持金具11を介して屈曲可能に連結している。
【0009】前記ホイール支柱6は、一対有し、基台3
を構成する角形パイプフレーム3a、3bの幅方向寸法
と同等の軸部材6bによって互いに連結している。前記
ホイール支柱6の図中下端部側には、受け金具6cを介
してセンターホイール6aが転動自在に取り付けられて
いる。また、前記ホイール支柱6は、中間部断面がコ型
形状の枠で、これら枠の開放側を互いに対向するように
配置している。さらに、ホイール支柱6の軸部材6b下
端部における受け金具6c直上には、基台3を構成する
角形パイプフレーム3a、3bを連結する連結部6dを
設けている。
【0010】ここで前記保持金具11について説明する
と、保持金具11は、前記第1、第2床部フレーム5
a、5bの突き合わせ端部側を差し入れる保持枠12
と、保持枠12に沿わせるように取り付けた鉤型受け金
具13と、鉤型受け金具13の一端側に回動可能に取り
付けると共に前記ホイール支柱6内側に沿って移動可能
に装着した、補助腕部材14とを備えている。前記保持
枠12は、床部フレーム5幅方向と同寸法を有し、それ
ぞれ第1、第2床部フレーム5a、5bの突き合わせ端
部を差し入れるパイプ部12aを有する。前記鉤型受け
金具13は、補助腕部材14を取り付けた箇所と反対側
の端部側を所定角度屈曲形成した屈曲部13aを有し、
これら双方の鉤型受け金具13における屈曲部13aを
前記ホイール支柱6頂部に回動可能に連結している。前
記補助腕部材14は、鉤型受け金具13の一端側に両端
部を回動自在に軸止めした軸部14aと、軸部14a両
端近傍に突設した補助腕部14bとを有している。そし
て、これら補助腕部材14を互いに中間軸15両端部に
ローラ部材16を介して回動自在に連結している。前記
ローラ部材16を、ホイール支柱6内側に沿って移動昇
降自在に構成している。
【0011】次に前記床部フレーム5において、第1、
第2床部フレーム5a、5bに保持枠12を差し入れる
に先立ち、アルミニウム製のサイドフレーム8をばね部
材17を介して、フレームの奥の方へ付勢するように装
着している。すなわち、サイドフレーム8は、両端部に
前記床部フレーム5a、5bに嵌入可能とした中空基部
18を有する。また、これら中空基部18の間に、第
1、第2床部フレーム5a、5bに固定基部19を嵌入
固定し、第1、第2床部フレーム5a、5bの突き合わ
せ端部側に近接する側の中空基部18を、前記ばね部材
17の付勢力により固定基部19に圧接することで、サ
イドフレーム8を床部フレーム5下方内側に格納する一
方、鉛直上方に固定保持する構成としている。すなわ
ち、前記固定基部19に係合凹部19a、中空基部18
側に凸部18aを設けている。また、前記床部フレーム
5には、脚フレーム4における支柱部4bを、支柱部4
b頂部に設けた受け枠4c、4dを介して回動自在に取
り付ける取付部20を有している。さらに、前記床部フ
レーム5には、長手方向両端部側にヘッドフレーム7、
フットフレーム9を各々の取付部に取り付ける。そし
て、かかる床部フレーム5上には、アルミ製のボトム5
c、5dが取り付けられる。これらボトム5c、5dに
は、小径の多数の通気孔21が設けられる。 さらにこ
れらボトム5c、5d上には、略中間部において、床部
幅方向に張設した抑制帯22を有している(図3参
照)。
【0012】以上のような折り畳み式ベッド1におい
て、基台3とホイール支柱6、並びに脚フレーム4と床
部フレーム5との取り付け構造、その他、折り畳みに関
する細部構造について、さらに詳細に説明する。前記基
台3とホイール支柱6とは、基台3を構成する角形パイ
プフレーム3a、3bの長手方向端部側に取り付けた鉤
型形状の取り付け具23を互いにホイール支柱6の下端
部における連結部6dに回動可能に連結している。一
方、基台3と脚フレーム4においては、角形パイプフレ
ーム3a、3bの、鉤型形状の取り付け具23を取り付
けた長手方向端部と反対側の端部側に、取り付け金具2
4を介して脚フレーム4の横枠4aを連結する構造とし
ている。また、前記脚フレーム4と床部フレーム5とで
は、脚フレーム4における支柱部4bを床部フレーム5
の取付部20に取り付けるための受け枠4c、4dにお
いて、受け枠4cがL字型の形状を有し、受け枠4dが
コ型形状を有している。この受け枠4dには、ベッド頭
側に位置する方の受け枠4dの、床部フレーム5の取付
部20との取り付け箇所と反対側に係止ボルト25を、
軸部が受け枠4d内側に突出するように取り付ける一
方、ベッド脚側に位置する方の受け枠4dの、床部フレ
ーム5の取付部20との取り付け箇所と反対側に、折り
畳み時に前記ベッド頭側に位置する方の受け枠4dにお
ける係止ボルト25に係止させるようにしたストッパ2
6を設けている。そして、前記基台3を構成する角形パ
イプフレーム3aの裏面には、ベッド折り畳み時にIV
ハンガーを格納するためのフック27が設けられてい
る。
【0013】本発明にかかる折り畳み式ベッド1は以上
のように構成されるものであり、次に、その折り畳み操
作および作用を説明する。この折り畳み式ベッド1は、
使用時において、脚フレーム4における移動用キャスタ
2によって移動自在であり、且つ移動用キャスタ2のス
トッパ2aにより解除操作して移動用キャスタ2を旋回
自在としておけば、ベッド搬送時に、基台3中央のホイ
ール支柱6におけるセンターホイール6aを回動中心と
してベッドを容易に横に振ることができ、ベッド搬送時
の方向転換を容易にしている。また、前記移動用キャス
タ2のストッパ2aにより、通常の固定用ベッドとして
用いることも可能である。さらに、床部フレーム5にお
けるサイドフレーム8を床部フレーム5鉛直上方に固定
保持したり、床部フレーム5内側に格納することができ
るので、ベッドの乗り降りと共に、床部フレーム5のマ
ットレスM上の患者を安全に支えることができる。
【0014】ここで、折り畳み式ベッド1を折り畳むに
は、先ず、ヘッドフレーム7、フットフレーム9を床部
フレーム5より抜き取り、次いで、サイドフレーム8
を、ばね部材17の付勢力に抗して中空基部18におけ
る凸部18aを固定基部19の係合凹部19aから離脱
させて床部フレーム5内側に格納する。次に、移動用キ
ャスタ2のストッパ2aを解除して、第1、第2床部フ
レーム5a、5bを連結する保持金具11近傍の床部フ
レーム5を持ち上げるようにすると、第1、第2床部フ
レーム5a、5bは、保持金具11中心に、基台3にお
ける角形パイプフレーム3a、3bは、ホイール支柱6
の下端部における連結部6d中心に、移動用キャスタ2
の転動によって、頭側、脚側の移動用キャスタ2が近接
していくと共に、ホイール支柱6が持ち上がって、次第
に上に凸状に屈曲していき、ついには、第1、第2床部
フレーム5a、5b並びに基台3における角形パイプフ
レーム3a、3bは鉛直状態となり、脚フレーム4にお
ける支柱部4bを取り付ける床部フレーム5の取付部2
0が近接して、受け枠4dが当接し合う。ここで、ベッ
ド頭側に位置する方の受け枠4dにおける係止ボルト2
5にストッパ26を係止させることで、ベッドを折り畳
んだ状態に保持することができる(図4参照)。そし
て、ヘッドフレーム7、フットフレーム9を脚フレーム
4の横枠4aの各々の取付部に差し込んで完了する。な
お、床部フレーム5上には、マットレスMを装着したま
まで良い。かかる状態で、折り畳み式ベッド1は、移動
用キャスタ2によって容易に移動させることができ、且
つ通常時のように場所をとらないので、多くの台数を非
常用として保管しておくことができ、保管場所に苦慮す
ることはなく、前記折り畳み式ベッド1は、緊急時、災
害時等の非常用ベッドとして、最適のベッドであるとい
うことができる。
【0015】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、簡単な操
作で、ベッド全体を場所をとらない折り畳んだ状態とす
ることができ、多数のベッドを保管するには、最適の構
造のベッドであるということができる。従って、緊急
時、災害時等の非常用ベッドとして、大いに活用するこ
とができる。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる非常時即応型折り畳み式ベッド
の一つの実施形態を示す外観側面説明図である。
【図2】図1に示す非常時即応型折り畳み式ベッドの全
体構造を示す、分解斜視説明図である。
【図3】図1に示す非常時即応型折り畳み式ベッドの平
面図である。
【図4】本発明にかかる非常時即応型折り畳み式ベッド
の折り畳んだ状態を示す、外観側面説明図である。
【符号の説明】
1 折り畳み式ベッド 2 移動用キャスタ 3 基台 3a、3b 角形パイプフレーム 4 脚フレーム 4a 横枠 4b 支柱部 4c、4d 受け枠 5 床部フレーム 5a、5b 第1、第2床部フレー
ム 5c、5d ボトム 6 ホイール支柱 6a センターホイール 6b 軸部材 6c 受け金具 6d 連結部 7 ヘッドフレーム 8 サイドフレーム 9 フットフレーム 10 パネル 11 保持金具 12 保持枠 12a パイプ部 13 鉤型受け金具 13a 屈曲部 14 補助腕部材 14a 軸部 14b 補助腕部 15 中間軸 16 ローラ部材 17 ばね部材 18 中空基部 18a 凸部 19 固定基部 19a 係合凹部 20 取付部 21 通気孔 22 抑制帯 23 取り付け具 24 取り付け金具 25 係止ボルト 26 ストッパ 27 フック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47B 3/083 A47C 19/12 A61G 1/00 A61G 1/02 A61G 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基台と、基台長手方向両端側に取り付
    けた、旋回可能な移動用キャスタを備えた脚フレーム
    と、脚フレーム頂部側に支持した床部フレームと、床部
    フレームおよび基台の中間部に、方向転換に供し得るセ
    ンターホイールを設けたホイール支柱とを備え、前記床
    部フレームおよび基台を二分割して前記ホイール支柱に
    対し屈曲可能に連結すると共に、床部フレームを脚フレ
    ーム頂部側に、基台を脚フレームの下部側にそれぞれ屈
    曲可能に連結して、前記二分割した床部フレームおよび
    基台を、両脚フレームを支えとしてホイール支柱を中心
    として上昇させるように起立させて、双方の床部フレー
    ムおよび基台を折り重ねるように折り畳むと共に、前記
    両脚フレームにおける移動用キャスタにより移動可能に
    構成したことを特徴とする非常時即応型折り畳み式ベッ
    ド。
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