JP2748891B2 - 光増幅器 - Google Patents

光増幅器

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JP2748891B2 JP7170578A JP17057895A JP2748891B2 JP 2748891 B2 JP2748891 B2 JP 2748891B2 JP 7170578 A JP7170578 A JP 7170578A JP 17057895 A JP17057895 A JP 17057895A JP 2748891 B2 JP2748891 B2 JP 2748891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号光を増幅する
光増幅器に関し、特に本来の信号に加えて、副信号を重
畳する機能を備えた光増幅器に関する。
【０００１】
【従来の技術】図４は、従来の光増幅器の構成の一例を
示す。ここに示す一例では、励起用光ファイバとしてエ
ルビウム添加ファイバが用いられ、このエルビウム添加
ファイバには後方から励起光が入射される。
【０００２】従来の光増幅器は、図４に示されるよう
に、エルビウム添加ファイバ１とこのファイバ１に光合
波器２によって接続され、励起光を後方より入射する励
起光源４を備えている。また、増幅された光が前方に戻
るのを防止するために光アイソレータ３が光合波器４の
後方に配置されている。なお、一般的なエルビウム添加
ファイバ光増幅器の場合、信号光の波長は１．５５μｍ
帯、励起光の波長は０．９８μｍ帯または１．４８μｍ
帯が用いられる。したがって、信号光に損失を与えずに
効率良く励起光をエルビウム添加ファイバ１に入射する
ために、互いに異なる２つの波長、例えば１．５５μｍ
と０．９８μｍの光を合波させる光合波器が用いられ
る。
【０００３】エルビウム添加ファイバ（図中左側）に入
力された信号光は、エルビウム添加ファイバにおける誘
導放出によって光増幅され、出力される。ここで、本来
の上記信号に加えて、副信号を重畳して出力する場合が
ある。従来は、本来の信号へ副信号を重畳するために、
副信号発生回路において発生された電気信号による副信
号を、ＬＤ電流制御回路により振幅変調した電流信号に
変換して励起光源４を構成する半導体レーザに注入し、
副信号が強度変調された励起光を出力させている。
【０００４】このような光増幅器では、励起光が副信号
により強度変調されると、光増幅器の利得が変動するた
め、増幅される信号光に副信号の強度変調が重畳される
という長所がある。このため、伝送装置等において、副
信号の伝送を行う際の変調手段として用いることができ
る。ここに示される従来例では、副信号発生回路７で生
成された副信号を、励起光源４の電流を制御しているＬ
Ｄ電流制御回路６に入力することにより、励起光源５の
電流を振幅変調して、励起光に副信号の強度変調を施し
ている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】従来の励起光に単純に
副信号を重畳させる方式では、増幅された光信号が歪ん
でしまい、伝送品質が著しく低下するという問題があ
る。特に、励起光の強度変調が遅い速度でされた場合に
この傾向が強いという問題がある。
【０００６】このような歪んだ副信号が伝送されると、
これを良好に受信／再生するためには必然的に副信号の
変調度を大きくすることが必要になり、その結果、信号
光の伝送品質を著しく低下させることになる。
【０００７】本発明は、信号光自体の伝送品質を低下さ
せることなく、副信号を重畳することができる光増幅器
を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】課題を解決する手段を説
明する前に、従来の光増幅器において副信号を重畳する
際に問題となる信号光の伝送品質の低下の原因について
検討する。
【０００９】一般的に、誘導放出により信号光の増幅を
行う増幅媒体、例えば上記従来例に示されるエルビウム
添加ファイバは、励起光を吸収して励起状態になるまで
に固有の時定数を有している。したがって、この固有の
時定数（τ（ｓｅｃ）とする）より遅い速度で励起光が
強度変調された場合には、信号光に効率よく強度変調が
重畳される。ところが、逆に、時定数より速い速度で励
起光が強度変調されると、増幅媒体がこの動きに追従で
きないために歪んだ強度変調が信号光に重畳されてしま
う。
【００１０】この様子を示したのが、図２（ａ）および
（ｂ）である。図２（ａ）は、副信号の周波数が低い場
合、（ｂ）は副信号が高い場合である。エルビウム添加
ファイバの場合、時定数τは数ｍｓｅｃであるので重畳
する副信号の周波数が数ｋＨｚ以上になると急激に波形
歪みが生じる。
【００１１】図３（ａ）は、エルビウム添加ファイバの
励起光変調の副信号周波数に対する、信号光に重畳され
た強度変調の強さの関係を示している。この図からもわ
かるように、副信号周波数が高いほど信号光に重畳され
る強度変調が小さくなり、高周波成分の欠如による副信
号の波形歪みが大きくなることがわかる。
【００１２】このような歪んだ副信号が伝送されると、
これを良好に受信／再生するためには必然的に副信号の
変調度を大きくすることが必要になり、その結果、信号
光の伝送品質を著しく低下させることになる。
【００１３】上述のように、従来例の光増幅器では、副
信号の周波数（および周波数成分）が増幅媒体の励起の
時定数τの逆数（１／τ）以上の場合に、信号光に重畳
される副信号の波形が歪んで副信号の品質を低下させる
ことがわかる。
【００１４】上記従来の光増幅器がもつ問題点およびそ
の発生原因に鑑みて、本発明の光増幅器は、励起光を吸
収することで信号光を増幅する増幅媒体と、この増幅媒
体を励起する励起光を発生する励起光源と、励起光を増
幅媒体に入射する光結合手段に加え、励起光源より出力
される励起光を強度変調するための変調手段と、励起光
に強度変調で重畳される副信号を発生する副信号発生手
段と、副信号の周波数特性を変換して変調手段に入力す
る周波数フィルタとを備えている。そして、励起光の強
度変調に対し、光増幅媒体の利得変化により副信号を重
畳することを特徴としている。
【００１５】本発明ではまた、周波数フィルタとして微
分回路を使用することを特徴としている。さらに、周波
数フィルタの周波数特性は、励起光を強度変調する副信
号の周波数に対する、光増幅媒体の利得変化の周波数特
性を補正するものであることを特徴としている。
【００１６】本発明では、周波数フィルタによってあら
かじめ副信号の高周波成分を強調しておき、この高周波
成分が強調された副信号で励起光を強度変調すること
で、信号光に波形歪みのない良好な副信号が重畳できる
ようにする。
【００１７】
【発明の実施の形態】次に、本発明の光増幅器を図面を
参照して、詳細に説明する。
【００１８】図１は、本発明の光増幅器の一実施例の構
成を示している。本実施例では、周波数フィルタに、最
も構成の簡単なＣＲ型の微分回路６が用いられている。
ここで、微分回路６のコンデンサＣと抵抗Ｒは増幅媒体
であるエルビウム添加ファイバ１の励起光変調周波数特
性、すなわち励起の時定数の逆数１／τに対応して最適
に調整される。これにより、励起光にはあらかじめ微分
回路６によって補正された副信号の強度変調がなされ
る。したがって、光増幅器の出力によって得られる信号
光に重畳された副信号の波形は歪みがなく、副信号発生
回路７から出力された波形に近いものとなる。
【００１９】この時の各部の波形を図２（ｃ）に示す。
微分回路６から出力された副信号は高周波成分が強調さ
れた微分波形であり、これにより強度変調された励起光
がエルビウム添加ファイバ１に入射されると、増幅後の
信号光には元の副信号波形に近い強度変調が重畳され
る。
【００２０】本実施例では、図４に示されるように、周
波数フィルタとして微分回路を用いている。増幅媒体の
励起光強度変調の周波数特性を補正するような周波数特
性のフィルタを用いても、同様の効果が得られる。
【００２１】図３（ｂ）に本実施例の場合の周波数フィ
ルタ特性例を示す。この場合の、周波数フィルタはエル
ビウム添加ファイバの周波数特性とは逆に、高周波にな
るほど通過損失が小さくなるように設計されており、エ
ルビウム添加ファイバの周波数特性を補正することがで
きる。なお、この際、周波数フィルタ損失により副信号
の振幅が小さくなるので、副信号発生回路は出力を大き
く設定する必要がある。
【００２２】図３（ａ）はエルビウム添加ファイバ増幅
器励起光変調の周波数特性であり、（ｂ）は周波数フィ
ルタの透過率の周波数特性である。
【００２３】
【発明の効果】以上の構成により本発明の光増幅器は信
号光に強度変調で重畳される副信号の波形を歪みをなく
し、副信号の伝送品質を向上するとともに、主信号光に
対する副信号の影響を小さくするという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の光増幅器の一実施例の構成を示す図で
ある。
【図２】本発明の光増幅器の各部の副信号波形を示す図
である。
【図３】エルビウム添加ファイバ増幅器の励起光変調の
周波数特性の一例を示す図である。
【図４】従来の光増幅器の一実施例の構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
１ エルビウム添加ファイバ ２ 光合波器 ３ 光アイソレータ ４ 励起光源 ５ ＬＤ電流制御回路 ６ 微分回路 ７ 副信号発生回路

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 励起光を吸収することにより信号光を増
    幅する増幅媒体と、 前記増幅媒体を励起する励起光を発生する励起光源と、 前記励起光を前記増幅媒体に入射する光結合手段と、 副信号を発生する副信号発生手段と、 前記励起光を前記副信号に応じて強度変調する変調手段
    と、 前記副信号の周波数特性を変換して前記変調手段に入力
    する周波数フィルタとを備えていることを特徴とする光
    増幅器。
  2. 【請求項２】 前記周波数フィルタは、あらかじめ副信
    号の高周波成分を強調する高周波成分強調手段を含んで
    いることを特徴とする請求項１記載の光増幅器。
  3. 【請求項３】 前記周波数フィルタは、前記励起光の強
    度変調に対し、前記光増幅媒体の利得変化により前記副
    信号を重畳する利得調整手段を含んでいることを特徴と
    する請求項１記載の光増幅器。
  4. 【請求項４】前記周波数フィルタは、微分回路を含んで
    いることを特徴とする請求項１記載の光増幅器。
  5. 【請求項５】 前記周波数フィルタは、 前記副信号の周波数に対する前記光増幅媒体の利得変化
    の周波数特性を補正する周波数特性を有していることを
    特徴とする請求項１記載の光増幅器。
  6. 【請求項６】 前記周波数フィルタは、 前記副信号の周波数に対する前記光増幅媒体の利得変化
    の周波数特性を補正する周波数特性を有していることを
    特徴とする請求項３記載の光増幅器。
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