JP2748586B2 - カバーを有する長尺トリム材の製造方法 - Google Patents

カバーを有する長尺トリム材の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カバーを有する長尺トリム材の製造方法、
特にトリム材本体の取付基部に長手方向に間隔をおいて
欠除部を有し、かつこの欠除部を外側から離れて開閉可
能に覆うように一体的に形成されたカバーを有する長尺
トリム材の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
第8図は自動車のフロントウインドウの下部周辺部に
取付けられるウインドウモールディングのロア部材とし
て用いられる未公開の長尺トリム材を示す一部の斜視
図、第9図はその全体の平面図である。トリム材1は金
属板を折曲げ成形した異形材からなるトリム材本体2の
板状の取付基部3に、長手方向にl1〜l4の間隔をおいて
欠除部としての孔4が形成され、この孔4を含む取付基
部3を外側から離れて開閉可能に覆う樹脂製のカバー5
がトリム材本体2の上縁部6に一体的に固着され、装飾
被覆層7を形成している。8は緩衝材としての樹脂部で
ある。
このようなトリム材1の製造方法として通常に考えら
れる手段としては、金属ストリップを送出して折曲げ成
形により異形材を形成し、これを押出成形型に供給して
押出成形によりカバー5、装飾被覆層7および樹脂部8
を一体的に形成する。そしてつかみしろ9を含む所定の
長さに切断後、つかみしろ9をつかんでテンションをか
けながら曲げ型に押当ててストレッチベンディングを行
い、第9図の形状に曲げ成形する。その後、カバー5を
めくって、所定の位置に孔4を形成するとともに、つか
みしろ9を切断してトリム材1を得る。
しかしながら、このような製造方法では、押出成形に
よりカバー5を形成した後、カバー5をめくって孔4等
の欠除部の形成を行うはん雑な工程が必要であり、工程
が複雑であるとともに、カバー5を開くため位置決めが
困難であるなどの問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記問題点を解決するため、インラ
インで欠除部の形成が可能であり、はん雑な別工程が必
要でなく、容易にかつ位置決め精度よく欠除部を形成す
ることが可能なカバーを有する長尺トリム材の製造方法
を提案することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は次のカバーを有する長尺トリム材の製造方法
である。
(1)トリム材本体の取付基部に長手方向に間隔をおい
て欠除部を有し、かつこの欠除部を外側から離れて開閉
可能に覆うように一体的に形成されたカバーを有する長
尺トリム材の製造方法であって、 板状の硬質材料に長手方向に所定の間隔をおいて欠除
部を形成し、トリム材本体を形成する工程と、 トリム材本体を押出成形型に供給して軟質材料の押出
成形を行い、カバーを一体成形する工程と、 冷却硬化後トリム材本体とカバーを同時に所定の長さ
に切断する工程と からなることを特徴とするカバーを有する長尺トリム
材の製造方法。
(2)欠除部の形成および切断は、板状の硬質材料の送
出量を検出し、この検出量に応じて制御するようにした
上記(1)記載の方法。
(3)欠除部の形成は、硬質材料を板状の状態または折
曲げ成形した状態で行うようにした上記(1)または
(2)記載の方法。
本発明において、欠除部としては孔、切欠、切抜など
があげられる。硬質材料としては、金属、硬質合成樹脂
などがあげられる。軟質材料としては、弾性、可撓性を
有するエラストマーの軟質合成樹脂(ゴムを含む)など
があげられる。また長尺トリムとしては、車両用モール
ディング、建材などがあげられる。
〔作 用〕
本発明の製造方法においては、まず板状の硬質材料に
長手方向に所定の間隔をおいて欠除部を形成して、トリ
ム材本体を形成する。このとき後加工でストレッチベン
ディング等の曲げ加工などを行う場合は、曲げ加工など
による伸びや変位を見込んで欠除部を形成する。次にト
リム材本体を押出成形型に供給して軟質材料の押出成形
を行い、欠除部を外側から離れて開閉可能に覆うように
カバーを一体成形する。そして冷却硬化後トリム材本体
とカバーを同時に所定の長さに切断することにより長尺
トリム材を製造する。
この製造方法では、欠除部の形成はカバー形成前にイ
ンラインで行われるため、カバーを開くはん雑な工程は
必要でなく、欠除部の位置決め精度もよい。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により説明する。
第1図は実施例の製造方法を示す系統図、第2図およ
び第3図は製造工程を示す斜視図、第4図および第5図
は同じく平面図であり、第8図および第9図と同一符号
は同一または相当部分を示す。
この実施例は第8図および第9図に示すトリム材1を
製造する場合を示す。その製造方法は、まず第1図に示
すように、コイル状に巻かれたステンレス鋼、アルミニ
ウムなどの金属板からなるストリップ材11をアンコイラ
12から、送出ロール13を経て駆動ロール14により長手方
向に送出す。
このときロータリエンコーダからなる送出量検出装置
15により、ストリップ材11の送出量を検出し、この検出
量を制御装置16に送信する。そしてその検出量に応じ
て、制御装置16からの信号によって孔明装置17により、
第2図に示すように、ストリップ材11の取付基部3とな
る部分に孔4を形成する。この孔4の形状は、取付位置
の誤差の吸収などから長円状に形成するのが好ましい。
孔明装置17はパンチ17aおよび17bからなり、固定式の場
合はストリップ材11の送出を停止して孔明が行われる
が、ストリップ材11の送出と同期して走行しながら孔明
を行う走行式のものが好ましい。
孔4を形成する位置は、後工程のストレッチベンディ
ングにより第9図のl1,l2……の位置になるように、予
め補正した位置に孔明を行う。一定間隔で孔明を行う場
合は、円周方向外側に突出するパンチと、ダイを有する
ローラとをギヤ等でかみ合せて回転させることにより目
的を達する。
孔明を行ったストリップ材11はルーパー18を経てロー
ル成形装置19に送込み、折曲げ成形を行って第3図に示
すような異形断面のトリム材本体2を形成する。このト
リム材本体2は接着剤塗布装置21において、装飾被覆層
7および樹脂部8を固着する面に接着剤を塗布し、必要
により加熱硬化処理を行って押出成形型22に供給する。
接着剤層の形成は折曲げ成形前に行ってもよい。
押出成形型22では、軟質樹脂等の軟質材料の押出成形
を行い、カバー5、装飾被覆層7、樹脂部8をトリム材
本体2に一体的に固着し、第8図の断面形状を有する押
出成形材23を形成する。このときカバー5は取付基部3
から離れて、中間に空間を形成するように外側から取付
基部3を覆い、その上縁部がトリム材本体2の上縁部6
に固着されて装飾被覆層7を形成し、下縁部は樹脂部8
との間に間隔を保ち、めくり上げにより開閉可能な形状
とするのが好ましいが、これを筒状に成形し、後で連結
部を分離してもよい。
押出成形材23は冷却装置24において、カバー5、装飾
被覆層7、樹脂部8が塑性変形しない程度に冷却硬化さ
せて、引取機25で引取る。引取機25を出た押出成形材23
の送出量をロータリエンコーダ等の送出量検出装置26で
検出し、また孔4の位置を光電スイッチ等の孔検出装置
27で検出し、これらの検出量を制御装置16に送って演算
する。そして制御装置16からの信号により切断装置28を
駆動し、押出成形材23を所定位置で所定寸法に切断す
る。このときの切断位置は、孔検出装置27と切断装置28
の距離をm、第9図のつかみしろ9の長さをnとした場
合、第9図の一番端の孔4を孔検出装置27が検出した位
置から、押出成形材23がl1+m+n分だけ送出された位
置を送出量検出装置26で検出し切断を行う。
切断した押出成形23は第4図の形状を有し、直線状の
ままトリム材1として使用する場合は、つかみしろ9の
部分を形成することなく切断し、そのままの状態で製品
となる。また第9図のようにわん曲状にストレッチベン
ディングを行う場合は、つかみしろ9をチャックでつか
んでテンションをかけながら、曲げ型に押当てて曲げ加
工を行い、第5図の形状にする。このとき押出成形材23
は若干伸び、孔4の間隔が所定寸法になる。その後つか
みしろ9の部分を切断し、第8図および第9図のトリム
材1を得る。
第6図および第7図は他の実施例を示す一部の正面図
で、第6図では孔明装置17は孔4に対応して配置された
複数のパンチ17aおよびダイ17bからなり、すべての孔4
を一度に形成するようになっている。第7図では孔明装
置17は押出成形型22の直前に配置され、折曲げ成形され
た後のトリム材本体2の送出量を送出量検出装置15で検
出して、孔明装置17で孔明を行い、その後押出成形型22
に供給して押出成形を行うようになっている。孔明装置
17は走行式のものが使用されている。
なお上記説明では、トリム材1として車両用のウイン
ドウモールディングの例を説明したが、他の車両用また
は車両以外の用途のトリム材についても同様に適用でき
る。また欠除部としては孔4に限らず、切欠、切抜等で
あってもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、硬質材料の長手方向に欠除部を形成
して押出成形を行い、カバーを形成するようにしたの
で、インラインで欠除部の形成が可能であり、はん雑な
別工程が必要でなく、容易にかつ位置決め精度よく欠除
部を形成し、カバーを有する長尺トリム材を製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の製造方法を示す系統図、第2図および
第3図は製造工程を示す斜視図、第4図および第5図は
同じく平面図、第6図および第7図は他の実施例を示す
一部の正面図、第8図は長尺トリム材の一部の斜視図、
第9図はその全体の平面図である。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示し、1はト
リム材、2はトリム材本体、3は取付基部、4は孔、5
はカバー、7は装飾被覆層、11はストリップ材、15、26
は送出量検出装置、16は制御装置、17は孔明装置、19は
ロール成形装置、22は押出成形型、27は孔検出装置、28
は切断装置である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリム材本体の取付基部に長手方向に間隔
    をおいて欠除部を有し、かつこの欠除部を外側から離れ
    て開閉可能に覆うように一体的に形成されたカバーを有
    する長尺トリム材の製造方法であって、 板状の硬質材料に長手方向に所定の間隔をおいて欠除部
    を形成し、トリム材本体を形成する工程と、 トリム材本体を押出成形型に供給して軟質材料の押出成
    形を行い、カバーを一体成形する工程と、 冷却硬化後トリム材本体とカバーを同時に所定の長さに
    切断する工程と からなることを特徴とするカバーを有する長尺トリム材
    の製造方法。
  2. 【請求項2】欠除部の形成および切断は、板状の硬質材
    料の送出量を検出し、この検出量に応じて制御するよう
    にした請求項(1)記載の方法。
  3. 【請求項3】欠除部の形成は、硬質材料を板状の状態ま
    たは折曲げ成形した状態で行うようにした請求項(1)
    または(2)記載の方法。
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