JP2748553B2 - 内燃機関のアイドル回転数制御装置 - Google Patents

内燃機関のアイドル回転数制御装置

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JP2748553B2 JP13120489A JP13120489A JP2748553B2 JP 2748553 B2 JP2748553 B2 JP 2748553B2 JP 13120489 A JP13120489 A JP 13120489A JP 13120489 A JP13120489 A JP 13120489A JP 2748553 B2 JP2748553 B2 JP 2748553B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関のアイドル回転数制御装置に関する
ものであり、特に内燃機関のアイドル回転数を制御する
システムの内部状態を考慮してそのシステムを動的なシ
ステムとして捕らえて、その内部状態を規定する状態変
数量に従って求まる制御値に対応してアイドル回転数を
制御する装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、この種の内燃機関のアイドル回転数制御装置と
しては、例えば特開昭59−46353号公報において示され
ており、特にこの公報ではアイドル回転数をフィードバ
ック制御している時にエアコン等の負荷外乱が入った
ら、フィードバック制御により演算された値を外乱に応
じた補正量が加減して、アイドル回転数の過渡応答を改
善した構成が示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、内燃機関のアイドル回転数制御装置ではア
イドル回転数を制御するためのアクチュエータ(例え
ば、アイドルスピードコントロールバルブ)の可動範囲
等を考慮して最終的に出力される制御値(制御ソレノイ
ドを制御するデューティ信号のデューティ比)を所定の
上下限(0%〜100%)に制限するということが一般に
行われている。また、特開昭59−43942号公報に示され
ているように最終的に出力される制御値を定めるために
用いられる前回の演算タイミングで求められた制御値、
検出回転数等から定められる状態変数量や目標回転数と
検出回転数との偏差の積分値が過剰に大きくなったり小
さくなったりしてアクチュエータの作動に悪影響を引き
起こしてしまうということを防ぐために、積分値並びに
状態変数量に対しても上下限を設けて制限している。
その為に、最終制御値、積分値、状態変数量に上下限
を設けてなる上記装置に外乱に応じた補正量でフィード
バック制御により演算された値を加減する従来技術にお
いて述べた構成を適用した場合には、検出回転数が目標
回転数よりも高くて最終制御値が最小にされてもその時
に負荷外乱が入っていると補正量が加えられていて、最
終制御値の下限よりも所定量だけ大きな値以下になれな
いことがある。そしてこのような場合ではアイドルスピ
ードコントロールバルブが所定量だけ開いた状態に維持
されてしまうため、検出回転数を目標回転数に収束させ
ることができずに高い回転数に維持されてしまう恐れが
ある。
従って、本発明の目的は負荷外乱等の影響を考慮して
制御値をフィードフォワード的に修正するにあたって、
上述のような問題が生じない、極めて精度良く目標回転
数に検出回転数を制御できるように改善した内燃機関の
アイドル回転数制御装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために本発明においては、第7図
に示すように、 内燃機関の回転数を検出する回転数検出手段と、 内燃機関の回転数を調節する回転数調節手段と、 前記検出手段の検出回転数が所望の目標回転数に一致
するように前記調節手段を制御するための制御値を所定
の周期毎に演算し、その制御値に応じた制御信号を出力
する制御手段とを備える内燃機関のアイドル回転数制御
装置であって、 前記制御手段は、 前記検出回転数と前記調節手段に対して出力した前記
制御信号に対応した前記制御値とに基づいて状態変数量
を設定する状態変数量設定手段と、 前記設定手段で設定された前記状態変数量が所定範囲
内にあるかを判断し、前記状態変数量が範囲外のときは
所定範囲に制限する状態変数量制御手段と、 前記検出回転数と前記目標回転数との偏差の積分値を
求める積分値算出手段と、 前記算出手段で算出された前記積分値が所定範囲内に
あるかを判断し、前記積分値が範囲外のときは所定範囲
に制限する積分値制限手段と、 前記状態変数量制限手段を介して得られた状態変数量
と前記積分値制限手段を介して得られた前記積分値とを
用いて制御値を演算する制御値演算手段と、 前記演算手段で演算された制御値が所定範囲内にある
かを判断し、前記制御値が範囲外のときは所定範囲に制
限する制御値制限手段と、 前記制御値制限手段を介して得られた制御値を前記調
節手段に対して出力する制御値出力手段と、 前記状態変数量を設定するのに必要な値を記憶する記
憶手段と、 前記内燃機関に対する負荷状態が変化したことを検知
する状態変化検知手段と、 前記状態変化検知手段にて前記状態変化が検知された
時に、前記算出手段で算出される前記積分値を検知され
た状態変化に対応して修正する積分値修正手段とを含ん
でなることを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御
装置としている。
〔作用〕
上記構成によれば、状態変数量設定手段で設定された
状態変数量は状態変数量制限手段で所定範囲内に制限さ
れ、積分値算出手段で算出された検出回転数と目標回転
数との偏差の積分値は積分値制限手段で所定範囲内に制
限される。また各制限手段を介して得た状態変数量と積
分値とから制御値演算手段にて演算される制御値も制御
値制限手段にて所定範囲内に制限される。そしてこのよ
うに求められた制御値に応じた制御信号で調節手段が制
御されて機関の回転数が所望の目標回転数に調整され
る。記憶手段には状態変数量を設定するのに必要な値が
記憶され、次回の状態変数量の設定に備える。さらに状
態変化検知手段にて負荷の状態変化が検知されると、そ
の時に積分値算出手段で算出される積分値が積分値修正
手段にてその状態変化に従って修正される。従って、修
正された積分値により制御値もフィードフォワード的に
修正され、状態変化が生じても応答良く機関回転数を所
望の状態に制御できるようになる。
〔実施例〕
以下に本発明の好適な実施例としてのアイドル回転数
制御装置について図面を用いて説明する。第1図は、以
下に説明するアイドル回転数制御が行われるエンジン10
とその周辺装置を示す概略構成図である。図示するよう
に本実施例では、エンジン10の点火時期,燃料噴射量、
アイドル回転数の各々の制御が、電子制御装置20により
行われるが、ここではアイドル回転数の制御を中心に説
明する。
エンジン10は車両に搭載されており、第1図に示すよ
うに、4気筒4サイクルの火花点式のものであって、そ
の吸入空気は上流より、エアクリーナ21,エアフローメ
ータ22,吸気管23,サージタンク24,吸気分岐管25を介し
て各気筒に吸入され、一方燃料は図示しない燃料タンク
より圧送されて吸気分岐管25に設けられた燃料噴射弁26
a,26b,26c,26dから噴射・供給されるよう構成されてい
る。また、エンジン10には、点火回路27から供給される
高電圧の電気信号を各気筒の点火プラグ28a,28b,28c,28
dに分配するディストリビュータ29、このディストリビ
ュータ29内に設けられエンジン10の回転数Neを検出する
回転数をセンサ30,スロットルバルブ31を開度THを検出
するスロットルセンサ32,エンジン10の冷却水温Thwを検
出する暖機センサ33、同じくその吸気温度Tamを検出す
る吸気温センサ34が備えられている。回転数センサ30は
エンジン10のクランク軸と同期して回転するリングギヤ
に対向して設けられるもので、エンジン回転数に比例し
てエンジン10の1回転、即ち720°CAに24発のパルス信
号を出力する。スロットルセンサ32はスロットルバルブ
31の開度THに応じたアナログ信号と共に、スロットルバ
ルブ31がほぼ全開であることを検出するアイドルスイッ
チからのオン−オフ信号も出力する。
一方、エンジン10の吸気系には、スロットルバルブ31
を迂回し、エンジン10のアイドル時における吸入空気量
ARを制御するバイパス通路40が設けられている。バイパ
ス通路40は、空気導管42,43と空気制御弁(以下、ISCバ
ルブと呼ぶ)44とから構成されている。このISCバルブ4
4は、基本的には比例電磁式(リニアソレノイド)制御
弁であり、ハウジング45の中に移動可能に設定したプラ
ンジャ46の位置によって、上記空気導管42と43との間の
空気通路面積を可変制御するものである。ISCバルブ44
は、通常はプランジャ46が圧縮コイルばね47によって上
記空気通路面積が零となる状態に設定されているが、励
磁コイル48に励磁電流を流すことによって、プランジャ
46が駆動されて空気通路を開くように構成されている。
即ち、励磁コイル48に対する励磁電流を連続的に変化制
御することによってバイパス空気流量が制御されるもの
である。この場合、励磁コイル48に対する励磁電流は、
励磁コイル48に印加するパルス幅のデューディ比を制御
する所謂パルス幅変調PWMを行うことで制御されてい
る。
このISCバルブ44は、燃料噴射弁26a乃至26dや点火回
路27と同様に電子制御装置20によって駆動制御されるも
ので、上述したものの他にもダイヤフラム制御式の弁、
ステップモータ制御による弁等が適宜用いられる。
電子制御装置20は、周知のセントラル・プロセッシン
グ・ユニット(CPU)52,リード・オンリー・メモリ(RO
M)52,ランダム・アクセス・メモリ(RAM)53,バックア
ップRAM54等を中心に算術論理演算回路として構成さ
れ、上述した各センサからの入力を行う入力ポート56や
各アクチュエータへ制御信号を出力する出力ポート58等
とバス59を介して相互に接続されている。電子制御装置
20は、入力ポート56を介して、上述の各センサで検出さ
れた吸入空気量AR,吸気温度Tam,スロットル開度TH,冷却
水温Thw,回転数Ne,エンジン10の出力を駆動源とするコ
ンプレッサを含んでなるエアコンのオン・オフ状態に応
じてオン・オフするエアコンスイッチ62からの信号なら
びに自動変速機が中立レンジのときにONし、走行レンジ
のときにOFFするニュートラルスイッチ64からの信号等
を入力し、これらに基づいて燃料噴射量τ,点火時期I
g,ISCバルブ開度θ等を算出し、出力ポート58を介して
燃料噴射弁26a乃至26d,点火回路27,ISCバルブ44の各々
に制御信号を出力する。これらの制御のうち、アイドル
回転数制御について以下に説明する。
電子制御装置20は、アイドル回転数制御を行うため
に、予め次の手法で設計されている。なお、以下に述べ
る設計手法は特開昭64−8336号公報に示されている。
(1)制御対象モデリング 本案ではエンジン10のアイドル回転数を制御するシス
テムのモデルに、むだ時間P(=0,1,2,…)を持つ次数
〔n,m〕の自己回帰移動平均モデルを用い、さらに外乱
dを考慮して近似している。まず自己回帰移動平均モデ
ルを用いたアイドル回転数を制御するシステムのモデル
は、 Ne(i)=a1・Ne(i−1)+a2・Ne(i−2)+……
+an・Ni(i−n)+b1・u(i−1−p)+b2・u
(i−2−p)……+bm・u(i−m−p)……(1) で近似でき、さらに外乱dを考慮して本案の制御システ
ムのモデルを Ne(i)=a1・Ne(i−1)+a2・Ne(i−2)+……
+an・Ni(i−n)+b1・u(i−1−p)+b2・u
(i−2−p)……+bm・u(i−m−p)+d(i−
1) ……(2) として近似できる。
そして、本実施例ではアイドル回転数を制御する系
を、n=m=2として次数〔2,2〕の自己回帰移動平均
モデルを用い、これにサンプリング時間(むだ時間)に
よる遅れpをp=2として Ne(i)=a1・Ne(i−1)+a2・Ne(i−2)+b1
u(i−3)+b2・u(i−4) ……(3) を得る。これに更に外乱dを考慮してアイドル回転数を
制御する系のモデルを、 Ne(i)=a1・Ne(i−1)+a2・Ne(i−2)+b1
u(i−3)+b2・u(i−4)+d(i−1) ……(4) として近似する。尚、ここで、uはISCバルブ44の制御
値を示すものであって、本実施例では励磁コイル48に印
加されるパルス進行のデューティ比に相当する。またi
は最初のサンプリング開始からの制御(演算)回数を示
す変数である。
こうして近似したモデルに対し、ステップ応答を用い
てアイドル回転数を制御する系の伝達関数Gを求め、こ
れから上記モデルの各定数a1,a2,b1,b2を実験的に定
めることは容易である。定数a1,a2,b1,b2を定めるこ
とにより、アイドル回転数を制御する系のモデルが定ま
ったことになる。
(2)状態変数 表示の方法 上式(4)の状態変数量 を用いて書き直すと、 を得る。従って、取りもなおさず状態変数量 は、 X1(i)=Ne(i),X2(i)=Ne(i−1),X
3(i)=u(i−1),X4(i)=u(i−2),X5
(i)=u(i−3) ……(6) となる。
(3)レギュレータの設計 上記(5),(6)式についてレギュレータを設計す
ると、最適フィードバックゲイン と状態変数量〔X1(i) X2(i) X3(i) X4(i) X5(i)〕T
〔Ne(i) Ne(i-1) u(i-1) u(i-2) u(i-3)〕とを用いて となる。更に、誤差を吸収させるための積分項u1(i)
を加え、 u(i)=K1・Ne(i)+K2・Ne(i−1)+K3・u
(i−1)+K4・u(i−2)+K5・u(i−3)+uI
(i) ……(8) としてISCバルブ44の制御値u(i)を求めることがで
きることになる。尚、ここで、積分項uI(i)は、アイ
ドル時の目標回転数NFと実際の回転数Ne(i)との偏差
NF−Ne(i)と積分定数Kaから求まる値であり、 uI(i)=uI(i−1)+Ka・(NF−Ne(i)) ……(9) として求められる。
第2図は、上述の如くモデリングしたアイドル回転数
を制御するシステムのブロック線図であって、この第2
図では、制御値u(i−1)をu(i)から導くために
Z-1変換を用いて表示したが、これは過去の制御値u
(i−1)をRAM53に記憶しておき、次の制御の時点で
読み出して用いることに相当する。
なお、第2図において一点鎖線でかこまれたブロック
P1が回転数を目標回転数にフィードバック制御している
状態において状態変数量 を定める部分、ブロックP2が上記積分項uI(i)を求め
る部分(累積部)、及びブロックP3がブロックP1で定め
られた状態変数量 とブロックP2で求められた積分項uI(i)とから今回の
制御値u(i)を演算する部分を示している。
(4)最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaの決定 最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaは、例えば以下の手法によって決定でき
る。
(最適サーボ系) 最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaは、評価関数、 を最小とするように決定される。ここで、評価関数Jと
は、ISCバルブ44の制御u(i)の動きを制約しつつ、
制御出力としてのアイドル回転数Ne(i)の目標回転数
NFからの偏差を最小にしようと意図したものであり、制
御値u(i)に対する制約の重み付けは、重みのパラメ
ータQ,Rの値によって変更することができる。従って、
重みパラメータQ,Rの値を種々換えて最適な制御特性が
えられるまでのシュミレーションを繰り返し、最適フィ
ードバックゲイン 及び積分定数Kaを定めればよい。
そして上述の最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaはモデル定数a1,a2,b1,b2に依存して
いる。そこで、実際のアイドル回転数を制御する系の変
動(パラメータ変動)に対するシステムの安定性(ロバ
スト性)を保証しようとすると、モデル定数a1,a2
b1,b2の変動分を見込んで最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaを設計する必要がある。従ってシュミレ
ーションはモデル定数a1,a2,b1,b2の現実に生じ得る
変動を加味して行い、安定性を満足する最適フィードバ
ックゲイン 及び積分定数Kaを定める。変動要因としては、ISCバル
ブ44のへたりやバイパス通路の目詰まり等の経時的変化
の他、負荷変動等によるものも考えることができる。な
お、この最適フィードバックゲイン 及び積分定数Kaは例えば小さな負荷変動状態に対応する
ものと大きな負荷変動状態に対応するものとの2種類な
ど事前に複数個備えられていてもよく、負荷変動状態に
応じて切り替えるようにすることも考えられる。
以上、制御対象のモデリング、状態変数量表示の方
法、レギュレータの設計、最適フィードバックゲインの
決定について説明したが、これらは予め決定され求めら
れており、フィードバック制御時において電子制御装置
20の内部では通常その結果すなわち、第(8),(9)
式のみを用いて実際の制御を行う。
ところで、本実施例では上述した如く、ISCバルブ44
の可動範囲に合わせてISCバルブ44に対する制御値(デ
ューティ比)を0%〜100%の上下限で制限している。
また状態変数量X1(i)〜X5(i)並びに積分項u
I(i)についても所定の上下限で制限している。
さらに本実施例では上述のエアコンや自動変速機等の
エンジン10に対する負荷の状態や、回転数センサ30から
の出力に基づいて得られる回転数Neの状態に応じてフィ
ードフォワード制御も合わせて行っており、特に本実施
例では上記の如く制御値、状態変数量、積分項に対して
それぞれ上下限が設定されているものに対応したフィー
ドフォワード処理を実行している。
以下に電子制御装置20のCPU51で実行される処理内容
を第3図,第4図を用いて説明する。
第3図のフローチャートはISCバルブ44の制御プログ
ラムであって、図示しないIGスイッチが閉じられている
状態で所定時間毎に(例えば100msec毎)に割込により
実行される。
まず割込により処理が開始されると、ステップ302に
おいてエンジン10の作動状態がアイドル回転数のフィー
ドバック制御を実行する条件に合致しているかを判断す
る。フィードバック条件としては、始動完了後所定時間
(例えば3sec)経過としていること、スロットルバルブ
31が全閉であること、及び暖機完了後であることがあ
り、全ての条件が成立しているとき、ステップ304に進
む。
ステップ304では、ニュートラルスイッチ64がオン
か、即ち自動変速機が中立レンジ(ニュートラルあるい
はパーキング)にあるかを判断し、中立レンジにあって
スイッチ64がオンであればステップ306に、また走行レ
ンジ(ロー、セカンド、ドライブ、リバースのいずれ
か)にあってスイッチ64がオフであればステップ308に
進む。
ステップ306は基準回転数NFBを700rpmにセットし、ま
た次のステップ310では前にセットされていた目標回転
数NFに5rpmを加える。次にステップ312ではステップ310
で求めた目標回転数NFと基準回転数NFBとを比較して、N
F>NFBであればステップ314で基準回転数NFBを目標回転
数NFとしてセットする。
一方ステップ308では基準回転数NFBを600rpmにセット
し、次のステップ316では前にセットされていた目標回
転数NFから5rpmを引く。次にステップ318ではステップ3
16で求めた目標回転数NFと基準回転数NFBとを比較し
て、NF<NFBであればステップ320で基準回転数NFBを目
標回転数NFとしてセットする。
つまり、ステップ304〜320では自動変速機が中立レン
ジにある場合と走行レンジにある場合とで目標回転数の
基本レベルが切替えられており、さらに中立レンジと走
行レンジとの切り替わり直後は直ちに切替後のレンジに
合わせた目標回転数をセットするのではなく、時間経過
に合わせて徐々に切替後のレンジに合わせた目標回転数
へと変更している。具体的には中立レンジから走行レン
ジへと切り替えられた直後は目標回転数NFが70rpmから1
00msec毎に5rpmずつ600rpmになるまで減らされる。また
逆に走行レンジから中立レンジへと切り替えられた直後
は目標回転数NFが600rpmから100msec毎に5rpmずつ700rp
mになるまで増やされる。
なお、上述の如く、走行レンジの方が中立レンジより
も目標回転数の基本レベル(基準回転数NFB)を低くす
るのはクリープ現象を抑制するためである。
次にステップ322及びステップ324ではそれぞれ前回の
ニュートラルスイッチ64の状態を確認し、ニュートラル
スイッチ64の状態が前回と今回とで相違し、自動変速機
のレンジの切替が生じたと判断されると、それぞれステ
ップ326,328で上述したRAM53に記憶されている積分項uI
(i−1)をフィードフォワード的に一度だけ修正す
る。具体的にはステップ326では自動変速機が走行レン
ジから中立レンジに切り替えられてエンジン10に対する
負荷が減少するので、β1だけ積分項uI(i−1)を切
替後の一度だけ減少補正しており、ステップ328では逆
にエンジン10に対する負荷が増加するので、α1だけ積
分項uI(i−1)を切替後の一度だけ増加補正してい
る。
次にステップ330,332ではエアコンスイッチ62が前回
と今回との間で切り替っているか、つまり車載エアコン
がオン、あるいはオフに切り替えられたかを判断する。
そしてエアコンがオフの状態からオンに切り替えられた
と判断した場合はステップ334にて、エンジン10に対す
る負荷が増加するので、α2だけ積分項uI(i−1)を
切替後の一度だけ増加補正し、逆にエアコンがオンの状
態からオフに切り替えられたと判断した場合にはステッ
プ326にて、β2だけ積分項uI(i−1)を切替後の一度
だけ減少補正する。
次にステップ338,340では前回の処理タイミングにお
ける検出回転数Neoから今回の処理タイミングにおける
検出回転数Nenを引いて求まる回転数の変動分、特に降
下分が所定値Aより大きいかを判別し、大きい場合には
積分項uI(i−1)をα3だけ増加補正する。
次にステップ342,344では検出回転数Nenがアイドル回
転数として上下限値Nemax(例えば1600rpm),Nemin(例
えば400rpm)の範囲内にあるかを判断し、下限値Nemin
より検出回転数Nenが下回っていると判断した場合、ス
テップ346で積分値uI(i−1)をα4だけ増加補正し、
逆に上限値Nemaxより検出回転数Nenが上回っていると判
断した場合、ステップ348で積分項uI(i−1)をβ4
け減少補正する。
次にステップ350では後述する演算において用いられ
るNe(i)に上記下限値Neminを代入し、またステップ3
52ではNe(i)に上記上限値Nemaxを代入し、ステップ3
54ではNe(i)に検出回転数Nenを代入する。すなわ
ち、ステップ350,352,354ではNe(i)を所定の上下限
(Nemin〜Nemax)の範囲内に制限している。
続くステップ356では上述の処理により定められた、
あるいは修正されたNF,Ne(i)、およびuI(i−1)
を用いて今回の積分項uI(i)を上記第(9)式に基づ
いて算出する。そして次のステップ358,360では算出し
た積分項uI(i)が所定の上下限(0%〜100%)の範
囲内にあるかを判断し、上限(100%)を越えているな
らステップ362にて積分項uI(i)を100%に設定し、下
限(0%)を下回っているならステップ364にて積分項u
I(i)を0%に設定する。なお、この積分項uI(i)
の上下限は上記第(8)式で求められる制御値u(i)
によってISCバルブ44を実際に動かされる範囲となるよ
う設定されている。
次のステップ366では第(8)式に基づいて今回の制
御値u(i)を算出する。なお、今回の制御値u(i)
を算出するために用いられるNe(i−1),u(i−
1),u(i−2),u(i−3)は前回の本処理において
このフィードバック処理に備えて記憶されていたもの
で、これらのNe(i−1),u(i−1),u(i−2),u
(i−3)と今回の処理で求められたNe(i)とにより
今回の状態変数量 が設定される。
つまりステップ366では、このように設定された今回
の状態変数量 と予め定めておいた最適フィードバックゲイン とを行列演算して、さらに今回の積分項uI(i)を加え
て今回の制御値uI(i)を定めている。なお上記状態変
数量 におけるNe(i),Ne(i−1)は上記ステップ342,34
4,350,353,354の処理により所定の上下限の範囲内に制
限されている。
次にステップ368,370ではステップ366で算出した今回
の制御値u(i)が所定の上下限(0%〜100%)の範
囲内にあるかを判断し、上限(100%)を越えていれば
ステップ372にて今回の制御値u(i)を100%に設定
し、下限(0%)を下回っているようならステップ374
にて今回の制御値u(i)を0%に設定する。なお、制
御値u(i)の上下限はISCバルブ44を実際に動かせら
れる範囲となるように設定されている。またこのように
制御値u(i)を所定範囲で制限することで、上記状態
変数量 におけるu(i−1),u(i−2),u(i−3)も所定
の上下限(0%〜100%)内に制限されることになる。
そしてステップ376にて上述の如くして決められた今
回の制御値u(i)に応じたデューティ比の制御信号を
出力ポート58からISCバルブ44に対して出力させる。
ところで上記ステップ302にてフィードバック条件が
成立していないと判断した場合には、ステップ390のオ
ープン処理に進む。
第4図にオープン処理の内容を示す。このオープン処
理ではまずステップ402にて今回の制御値u(i)を所
定値uOに設定する。なお、この所定値uOはデューティ比
として100%や0%や50%など任意の一定値でもよく、
また冷却水温Thwなどの検出パラメータに応じて定めら
れる値であってもよい。次にステップ404,406,408,410,
412では上述のステップ342,344,350、354と同様、検出
回転数Nenとアイドル回転数における上下限Nemax,Nemin
とを比較して、Nen>NemaxならばNe(i)にNemaxを代
入し、Nen>NeminならばNe(i)にNeminを代入し、Nem
in≦Nen≦NemaxならばNe(i)にNenを代入する。次に
ステップ414では、ステップ408,410,412でセットされた
Ne(i)とRAM53に記憶されているNe(i−1),u(i
−1),u(i−2),u(i−3)とステップ402で設定
した今回の制御値u(i)とから第(8)式に基づいて
今回設定した制御値u(i)と現在の状態変数量に合致
した積分項uI(i)を逆演算する。
なお、このオープン処理時における状態変数量はステ
ップ408,410,412でセットされたNe(i)とRAM53に記憶
されているNe(i−1),u(i−1),u(i−2),u
(i−3)から〔Ne(i) Na(i−1) u(i−
1) u(i−2) u(i−3)〕で表現される。
そして続くステップ416,418,420,422では上記ステッ
プ414で求められた積分項uI(i)が0%〜100%の上下
限内にあるかを判断し、100%を上回っているのであれ
ば積分項uI(i)を100%に設定し、逆に0%を下回っ
ているのであれば積分項uI(i)を0%に設定する。そ
して、以上の処理を終えると、上記ステップ376に進
む。
ステップ376での処理を実行した後、ステップ378では
ステップ304〜374のフィードバック処理とステップ390
のオープン処理とのいずれかで設定された状態変数量に
おけるNe(i),u(i−2),u(i−1)をそれぞれNe
(i−1),u(i−3),u(i−2)に代入し、また上
記フィードバック処理またはオープン処理にて定めた今
回の制御値u(i)ならびにuI(i)をそれぞれu(i
−1),uI(i−1)に代入する。
次にステップ380では上記ステップ378で定めたNe(i
−1),u(i−3),u(i−2),u(i−1),uI(i
−1)をRAM53に記憶する。
即ち、上記記憶処理ではフィードバック処理,オープ
ン処理で用いたNe(i),u(i−2),u(i−1)及び
同じく各処理で定めた制御値u(i)を用いて次回のフ
ィードバック処理と次回のオープン処理における積分項
の逆演算の処理とに備えて記憶されている状態変数量を
更新して記憶している。また、フィードバック処理で定
まった積分項uI(i)も次回のフィートバック処理に備
えて記憶している。さらにオープン処理で算出された積
分項uI(i)も次のフィートバック処理における第
(9)式による積分項算出の際の初期値として記憶して
いる。しかも本実施例では次回の演算タイミングでの処
理で用いられる形に変更(ステップ378)してから記憶
している。
従って上記ISCバルブ44の制御プログラムによれば、
エアコンや自動変速機等のエンジン10に対する負荷状態
の切り替わりに対応して、記憶しておいた積分項uI(i
−1)を一回だけフィードフォワード的に修正し、この
修正した積分項uI(i−1)を用いて今回の積分項u
I(i)を決め、この今回の積分項uI(i)を上下限内
に収まるように制限をしているので、積分項uI(i)は
上記フィードバックフォワード修正に影響されることな
く、上下限内をフルに変動可能となるため、制御値u
I(i)もフルに変動可能となり、上述した従来技術の
如く、制御値u(i)が上記負荷の作動状態により目標
回転数より検出回転数の方が高いのにもかかわらず、小
さくできなくISCバルブ44を閉じれないというような問
題を引き起こしてしまう恐れは解消できる。
また、アイドル回転数の急降下が生じた場合には直ち
に積分項uI(i−1)をフィードフォワード修正してい
るので、何らかの外乱によりエンジン10の負荷が急増し
てもエンストを充分に防止できる。またさらに、アイド
ル回転数が所定の上下限に達したら、上下限内に収まる
方向に積分項uI(i−1)をフィードフォワード的に修
正しているので、エンジン10への負荷が急に増えたり、
あるいは減ったりしてアイドル回転数が目標回転数から
大きくはずれて上下限に達するようになっても、直ちに
ISCバルブ44が上記フィードフォワード修正に対応して
開度が大きくされる、あるいは小さくされることから目
標回転数側へとすぐに戻される。しかもフィードバック
処理も同時に行っているので、アイドル回転数はスムー
ズに目標回転数へと復帰させることができる。
また上述の処理ではオープン処理時には次のフィード
バック処理に備えて状態変数量の更新、ならびに積分項
uI(i)の逆演算を実行しているので、オープンからフ
ィードバックに入った直後のアイドル回転数は極めてス
ムーズにしかも素早く目標値に落ち着くようになる。
また、さらに応答性に優れた上述の現代制御を用いた
アイドル回転数制御では、目標回転数を急変させるとオ
ーバーシュート、アンダーシュートが大きくなり、大き
な回転変動を引き起こしてしまうが、上記処理において
は自動変速機の中立レンジと走行レンジとの切替時に直
ちに中立レンジ用、あるいは走行レンジ用の目標回転数
に変更するのではなく、切替時点から時間経過に従って
徐々に切替指定されたレンジに対応する目標回転数へと
変更していくので、上述のようなオーバーシュート、ア
ンダーシュートによる大きな回転変動は無くなる。しか
も上記処理では、クリープ防止のために走行レンジにセ
ットされた場合に目標回転数を低下させており、負荷が
増えたときに目標回転数を低下させる形となり、直ちに
目標回転数を下げると、エンストを引き起こす可能性が
極めて大きくなるが、上述の如くであるのでこのような
負荷が増えているにもかかわらず、目標回転数を下げな
ければならない場合においては特に有効であり、応答性
の高い現代制御を用いたアイドル回転数制御にあっては
必須の技術である。
ところで上記第3図の処理においては、記憶されてい
た積分項uI(i−1)をフィードフォワード修正し、さ
らにこの修正した積分項uI(i−1)にNFとNe(i)と
の差に応じた累積処理を施して今回の積分項uI(i)を
得ているが、フィードフォワード修正したものを今回の
積分項uIとしてフィードフォワード修正したものはNFと
Ne(i)との差に応じた累積処理を行わないようにして
もよい。
また、上記処理ではステップ342〜ステップ354にて積
分項uI(i−1)をフィードフォワード修正するための
検出回転数Nenに対する上下限値と状態変数量として用
いるNe(i)の上下限値とをNemax,Neminと同じ値にし
ていたが、それぞれの上下限値は別々の値であってもよ
い。
また上記処理では自動変速機のレンジが切り替えられ
た時やエアコンが切り替えられた時や回転数が急低下し
た時や回転数が上下限に達した時には予め定めて所定量
(α1,α2,α3,α4,β1,β2,β4)で記憶してい
た積分項uI(i−1)を直接加減することで積分項u
I(i)の修正を行っていたが、第5図に示すように上
述の変動に対応してその時に設定されている目標回転数
NFを加減して仮の目標回転数NF′を作って積分項u
I(i)を修正するようにしてもよい。第5図におい
て、詳しくは上述の変化が生じずにステップ322とステ
ップ324とのいずれかとステップ330,ステップ332,ステ
ップ338,ステップ342,ステップ344,ステップ354を経由
してステップ365に進んだ場合は、上述と同様の処理を
実行し、逆に上述の変化のいずれかが生じた場合にはス
テップ326′,ステップ328′,ステップ334′,ステッ
プ336′,ステップ340′,ステップ346′,ステップ34
8′のいずれかで仮の目標回転数NF′がセットされて、
ステップ365′で今回の積分項uI(i)が定められる。
なお、ステップ326′,ステップ328′,ステップ33
4′,ステップ336′,ステップ340′を経てステップ36
5′に進む場合は、ステップ341にてNe(i)の設定処
理、即ちステップ342,344,350,352,354と同じ処理によ
りNe(i)を設定してからステップ365′に進む。
さらに上記実施例では過去の入出データのそのものの
値を用いて状態変数量を構築するように構成された装置
を用いて説明したが、特開昭59−46353号公報に示され
るような状態観測器で状態変数量を推定するようにした
装置に適用した実施例を第6図により説明する。なお、
基本的には全体的なISCバルブ44に対する制御プログラ
ムは前述の第3図と同じである。また、基本的な技術に
関しては上記公報に示されているので説明は省略する。
第6図において、ステップ302〜348については第3図
と同じである。ステップ344,346,348のいずれかの処理
を終えると、ステップ602にて前回の演算タイミングに
て記憶されていて、上述のステップ304〜348の処理によ
り必要に応じて修正された積分項uI(i−1)、及び目
標回転数NFと検出回転数Nenとの偏差に基づいて積分項u
I(i)を求める。次にステップ604では求めた積分項uI
(i)が上下限(−ua〜100−ua)の範囲内にあるかを
判別し、範囲外ならばステップ606にて上限値100−ua
は下限値−uaにより制限する。ステップ608では検出回
転数Nenの基準設定値Na(例えば650rpm)からのズレΔ
Nを計算する。ステップ616では前回の演算タイミング
で記憶されていた状態変数量X1(i−1),X2(i−
1),X3(i−1)と同じく記憶されていた制御値u
(i)の基準設定値uaに対する増分Δu(i−1)と、
ステップ608で求めたズレΔNとを最適ゲイン(b1
b2,b3,b4),(g1,g2,g3,g4)で重みづけ加算して
状態変数量X1(i),X2(i),X3(i),X4(i)を
求める。ステップ612,614ではステップ610で求めた状態
変数量を構成する各値X1(i)〜X4(i)がそれぞれ所
定の上下限の範囲内にあるかを判断し、範囲外のものが
あれば上限値又は下限値で制限する。ステップ616では
ステップ602〜606の処理を経て得た今回の積分項u
I(i)とステップ610〜614の処理を経て得た今回の状
態変数量X1(i),X2(i),X3(i),X4(i)に最
適ゲインK1,K2,K3,K4,K5を乗じて加算して今回の積
分Δu(i)を求める。ステップ618では制御値u
(i)を基準設定値uaと増分Δu(i)とから求める。
ステップ620,622ではステップ618で求めた制御値u
(i)が所定の上下限(0〜100)の範囲内にあるかを
判断し、範囲外であれば上限値(100)又は下限値
(0)で制限して、今回の制御値u(i)を決定する。
そしてステップ642では決定された今回の制御値u
(i)に応じたデューティ比の制御信号を出力ポート58
からISCバルブ44に対して出力させる。
次にステップ302にてフィードバック条件不成立と判
断されて行われるオープン処理において、ステップ624
では今回の制御値u(i)を所定値uOに設定する。な
お、この所定値uOは前記実施例のステップ402のものと
同様である。ステップ626ではステップ624で設定された
制御値u(i)と基準設定値uaとから今回の増分Δu
(i)を求める。ステップ628では検出回転数Nenの基準
設定値NaからのズレΔNを計算する。ステップ630では
前記実施例と同じく次のフィードバック処理に備えてこ
のオープン状態での状態変数量X1(i),X2(i),X3
(i),X4(i)をステップ610での処理と同じ処理に
より求める。ステップ632,634ではステップ612,614と同
じ処理にて状態変数量を構成する各値X1(i)〜X
4(i)を上下限内に制限する。ステップ636では上記オ
ープン処理の各ステップを経て求まった今回の増分Δu
(i)、並びに状態変数量X1(i),X2(i),X
3(i),X4(i)に従って前述の実施例と同様、積分
項uI(i)を逆演算する。ステップ638,640ではステッ
プ604,606と同様にして求めた積分項uI(i)を上下限
内に制限する。そして、ステップ642ではステップ624で
設定した制御値uI(i)に応じたデューティ比の制御信
号を出力ポート58からISCバルブ44に対して出力させ
る。
次に次のフィードバック処理に備えてステップ644で
は上述のフィードバック処理とオープン処理とのいずれ
かが実行されて定まった今回の演算タイミングでのX
1(i),X2(i),X3(i),Δu(i),uI(i)
をそれぞれX1(i−1),X2(i−1),X3(i−
1),Δu(i−1),uI(i−1)とし、ステップ64
6ではこれらX1(i−1),X2(i−1),X3(i−
1),Δu(i−1),uI(i−1)をRAM53に記憶し
て、今回の演算、制御処理を終了し、他の処理に移る。
なお、上述の実施例では暖機完了後をF/B条件の1つ
としていたが、この条件を削除し、暖機中からF/B処理
が行われるようにしてもよい。ただし、暖機中の空気量
不足を補うために、メカニカルなエアバルブをISCバル
ブ44に対して並設することが好ましい。
また、上記の実施例ではいずれも一定時間毎に演算を
実行していたが、所定の回転角が検出される毎に演算を
実行してもよい。
また、さらに上述の実施例においては第3図のステッ
プ304〜ステップ320の処理により目標回転数NFを自動変
速機のレンジ切換時に徐々に変更していたために、目標
回転数NFが変化している間は検出回転数Nenが目標回転
数NFとずれを生じるようになってしまうので、第3図の
ステップ356の処理を次式のようにする。
UI(i)=2・uI(i−1)−uI(i−2)+Ka・(NF
−Ne(i)) また、この処理に合わせて、ステップ378ではuI(i
−2)←uI(i−1)という処理を付け加え、ステップ
380ではuI(i−2)も記憶するようにさせる。このよ
うにすれば、目標回転数NFに変化が上述のように生じて
も、検出回転数Nenはずれなしに、あるいは極めて小さ
なずれを持って、目標回転数NFに追従するようになる。
なお、第5図のステップ365′、第6図のステップ602に
関しても同様である。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によれば、状態変化検知手
段にて負荷の状態変化が検知されると、その時に積分値
算出手段で算出される積分値が積分値修正手段にて、そ
の状態変化に従って積分値制限手段で所定範囲内に制限
される前にフィードフォワード的に修正されるので、積
分値は所定範囲内でフルに変動できて、負荷外乱に応じ
たフィードフォワード修正が施されても制御値も所定範
囲内でフルに変動可能となる。よって、上述した従来技
術のような検出回転数が目標回転数よりも高くて最終制
御値が最小にされても、その時に負荷外乱が入っている
と補正量が加えられていて、最終制御値の下限よりも所
定量だけ大きな値以下になれず、アイドルスピードコン
トロールバルブが所定量だけ開いた状態に維持されてし
まい、検出回転数を目標回転数に収束させることができ
ずに、高い回転数に維持されてしまうといった問題は解
消でき、精度良く検出回転数を目標回転数に収束させる
ことができるようになるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例が適用される内燃機関及びその
周辺機器を示す概略構成図、第2図はアイドル回転数を
制御するシステムのブロック線図、第3図は実施例にお
けるISCバルブ制御プログラムのフローチャート、第4
図は第3図図示のプログラムのステップ390の詳細を示
すフローチャート、第5図、第6図は他の実施例の要部
内容を示すフローチャート、第7図は本発明の概略構成
を示すブロック図である。 10…内燃機関(エンジン),20…電子制御装置,30…回転
数センサ,44…空気制御弁(ISCバルブ),51…CPU,52…R
OM,53…RAM,54…バックアップRAM,56…入力ポート,58…
出力ポート,62…エアコンスイッチ,64…ニュートラルス
イッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 辰則 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 中林 勝彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−500925(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の回転数を検出する回転数検出手
    段と、 内燃機関の回転数を調節する回転数調節手段と、 前記検出手段の検出回転数が所望の目標回転数に一致す
    るように前記調節手段を制御するための制御値を所定の
    周期毎に演算し、その制御値に応じた制御信号を出力す
    る制御手段とを備える内燃機関のアイドル回転数制御装
    置であって、 前記制御手段は、 前記検出回転数と前記調節手段に対して出力した前記制
    御信号に対応した前記制御値とに基づいて状態変数量を
    設定する状態変数量設定手段と、 前記設定手段で設定された前記状態変数量が所定範囲内
    にあるかを判断し、前記状態変数量が範囲外のときは所
    定範囲に制限する状態変数量制御手段と、 前記検出回転数と前記目標回転数との偏差の積分値を求
    める積分値算出手段と、 前記算出手段で算出された前記積分値が所定範囲内にあ
    るかを判断し、前記積分値が範囲外のときは所定範囲に
    制限する積分値制限手段と、 前記状態変数量制限手段を介して得られた状態変数量と
    前記積分値制限手段を介して得られた前記積分値とを用
    いて制御値を演算する制御値演算手段と、 前記演算手段で演算された制御値が所定範囲内にあるか
    を判断し、前記制御値が範囲外のときは所定範囲に制限
    する制御値制限手段と、 前記制御値制限手段を介して得られた制御値を前記調節
    手段に対して出力する制御値出力手段と、 前記状態変数量を設定するのに必要な値を記憶する記憶
    手段と、 前記内燃機関に対する負荷状態が変化したことを検知す
    る状態変化検知手段と、 前記状態変化検知手段にて前記状態変化が検知された時
    に、前記算出手段で算出される前記積分値を検知された
    状態変化に対応して修正する積分値修正手段とを含んで
    なることを特徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記内燃機関は自動変速機付車両に搭載さ
    れており、前記状態変化検知手段は自動変速機の走行レ
    ンジと中立レンジとの切り替わりを検知することを特徴
    とする請求項(1)記載の内燃機関のアイドル回転数制
    御装置。
  3. 【請求項3】請求項(2)記載の内燃機関のアイドル回
    転数制御装置において、前記制御手段は、 前記自動変速機の走行レンジと中立レンジとを判別する
    レンジ判別手段と、 前記レンジ判別手段で判別されたレンジに従った前記目
    標回転数を選択するとともに、レンジ切り替わり後は切
    り替わり後のレンジに応じた目標回転数へと徐々に目標
    回転数を変更する目標回転数設定手段とを含むことを特
    徴とする内燃機関のアイドル回転数制御装置。
  4. 【請求項4】前記積分値算出手段は前記検出回転数と前
    記目標回転数との偏差と、前回の演算タイミングで求め
    られた積分値と、前々回の演算タイミングで求められた
    積分値とを用いて算出することを特徴とする請求項
    (3)記載の内燃機関のアイドル回転数制御装置。
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