JP2745792B2 - 内燃機関のプレーンベアリング - Google Patents

内燃機関のプレーンベアリング

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JP2745792B2
JP2745792B2 JP2213653A JP21365390A JP2745792B2 JP 2745792 B2 JP2745792 B2 JP 2745792B2 JP 2213653 A JP2213653 A JP 2213653A JP 21365390 A JP21365390 A JP 21365390A JP 2745792 B2 JP2745792 B2 JP 2745792B2
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栄次 福森
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株式会社豊田自動織機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は内燃機関のコネクティングロッド大端部に設
けられたプレーンベアリングの潤滑に関する。
〔従来の技術〕
第10図に従来の内燃機関のコネクティングロッド大端
部とクランクシャフトピン部近傍の断面図を示す。10は
クランクシャフト、20はコネクティングロッド、1はク
ランクシャフトピン部、2はコネクティングロッド大端
部、3はプレーンベアリング(単にメタル、又は親メタ
ルとも言う)を示し、クランクシャフトピン部1とプレ
ーンベアリング3との間隙Kにオイルポンプ(図示せ
ず)より潤滑油(以下オイルと言う)が圧送され潤滑が
行われる。このコネクティングロッド20からクランクシ
ャフト10に動力が伝達されるときにプレーンベアリング
3とクランクシャフトピン部1との間にはオイルによる
油膜4が形成されているが、動力伝達時の衝撃力が大き
い場合には、その衝撃力を受けたベアリング3とピン部
1との接触部より油膜4のオイルが外部に押し出され、
いわゆるスクイズ(絞り出し)効果が発生してその部分
の油膜が薄くなり、その薄い油膜により流体潤滑が行わ
れている。
〔発明が解決しようとする課題〕
エンジンが高負荷、低速回転の場合等で、特に上記ベ
アリング3とピン部1が受ける衝撃力が大きい時には、
前記の流体潤滑の状態よりも更に油膜が薄くなり、オイ
ルの分子層の配列による境界潤滑の状態になり更にこれ
が進むと、油膜が切れ金属接触が起こりはじめ、このた
め、ベアリングが摩耗し、更に焼付きを起す危険性があ
る。
したがって、衝撃的な力を受けて上記のスクイズ効果
が発生した時のベアリングとピン部との間の間隙よりオ
イルが多量に流出すると流体潤滑に支障をきたし、ベア
リングが摩耗する。この摩耗を防ぐための方法として、
従来、更に油圧を高くするか又は油膜の面積を広くする
こと等が考えられているが、前者はオイル消費量が多く
なり、また、後者については重量、容積が増す等種々の
支障が生ずる。
上記の問題点に鑑み、本発明においては、衝撃力を受
けてスクイズ効果が発生した場合に油膜が切れることの
ないようにその滞留時間を長くすることでプレーンベア
リングの摩耗を低減することを目的とする。
なお、従来、潤滑油の漏洩防止に関しては特公昭61−
14388号公報にも見られるように、種々の工夫が提案さ
れているが、本発明の課題とするスクイズ効果に対する
油膜保持の対策を講じたものは無い。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために本発明においては、内燃
機関のクランクシャフトピン部と摺動するコネクティン
グロッド大端部に設けられたプレーンベアリングにおい
て、前記プレーンベアリングの両側端部の近傍の該ベア
リングの摺動面に、その円周方向に沿って環状をなし、
クランクシャフトピン部と共に、クランクシャフトの回
転軸の軸線方向にのみ開放された空間を形成し、前記プ
レーンベアリングと前記クランクシャフトピン部との間
隙の大きさ程度の深さを有する細溝を刻設したことを特
徴とする内燃機関のプレーンベアリングを提供する。
また、前記細溝の深さを30μm〜80μmとし、該細溝
の幅を0.1〜1.0ミリメートルとすると効果的である。
〔作 用〕
エンジンの回転中に、高負荷、低速時等に一時的に大
きな衝撃力がコネクティングロッドを経てクランクシャ
フトに伝わった時に、コネクティングロッド大端部のプ
レーンベアリングよりその衝撃力がクランクシャフトピ
ン部に伝わり、このためにこの衝撃力がかかった部分に
介在している潤滑油が該ベアリングの摺動面に押されて
外部に押し出されスクイズ(絞り出し)効果が発生し、
その部分の油膜が薄くなる。このときに、その油膜内の
オイルはベアリング摺動面に刻設された細溝の中に流れ
込み、反転して戻った後にベアリング側端部より外部に
流出し、これにより細溝の中をオイルが往復する分だけ
油膜内のオイルの滞留時間が長くなり、衝撃力のために
油膜が切れることがなく、ベアリングの摩耗や焼付きの
発生が低減する。
〔実施例〕
本発明の実施例を図面に基いて説明する。
第1図に本発明による第1実施例を示す。図は第10図
におけるクランクシャフトピン部1とプレーンベアリン
グ3の部分を拡大した模式図で、第2図に第1図のA1
拡大図を示す。図において第10図と共通の部分について
は同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
第1〜2図に示すようにプレーンベアリング3の両側
端部6の近くに円周方向に沿って環状をなし、クランク
シャフトピン部と共に、クランクシャフトの回転軸の軸
線方向にのみ開放された空間を形成した細溝5が設けら
れている。この細溝の深さ、は前記プレーンベアリング
3と前記クランクシャフトピン部1との間隙Kの大きさ
程度、すなわち、この間に形成される油膜4の厚さHの
程度(30μm〜80μm)とし、その幅は1/4mm(0.25m
m)程度である。この溝の深さと幅はコネクティングロ
ッド20の大きさやクランクシャフトのピン径によりそれ
ぞれに対応して異った値となる。ここに示した数値は一
般の自動車用エンジンを対象とした一例である。
上記の構成を提案する根拠は流体有限要素法により得
られた計算結果に基いている。第3〜第5図にこの有限
要素法による油膜の流体解析の結果を示す。第3図は油
膜を要素による計算領域の分割図、第4図は油膜内のオ
イルの流線図、第5図は油膜内の圧力分布図を示す。こ
の場合に、オイルの流れは、第1図に示すセンターライ
ンC−Cをはさんで左右対称と仮定し、第1図における
右半分のみを計算の領域とした。なお、第3〜5図は全
て、縦方向に油膜を引き伸ばした形に縦軸、横軸の比率
を定めて画いてある。また、計算領域の長さLは9mm、
高さH(これは前記間隙Kに等しい)は30μmである。
また細溝5の深さDは30μm、幅Wは0.25mmである。第
3〜5図の右上に示す突起が前記細溝5を示している。
第3図に示す格子状の分割領域は有限要素法による計
算領域を示す。図において、衝撃力Fがベアリング3に
より油膜4に加えられスクイズ効果が発生し、油膜4が
押しつぶされオイルは押し出されて図に示すBの方向に
流れ右側のベアリング側端部6より外部に流出し、油膜
4の厚さが薄くなる。このとき従来のように、ベアリン
グ3に細溝5が設けられていない場合には、オイルはど
この領域でもスムーズに流れて右端から流出する。この
ために、衝撃力を受けると油膜4が切れるおそれがあ
る。ところが本発明による細溝5が設けてあると第4図
の流線図に示すようにオイルは矢印に示すように右方に
流れ細溝5に近づくにつれて細溝5の中へ一旦流れ込む
ように方向を変えた後で反転して戻り、右端より矢印B
の方向に流出する。したがって細溝5の方向へオイルが
往復する分だけ長い距離を流れることとなり、その効果
は丁度、右端近くにオイルの流れを妨げる物体を置いた
のと等価となる。したがって、オイルのベアリング3と
ピン部1との間における滞留時間が溝が無い従来のもの
と比べて長くなっている。第5図には油膜4内の圧力分
布を示し、センターラインC−C側の圧力が高く、右端
部に近づくにつれて圧力が低くなり、オイルはこの圧力
分布に応じて第4図に示すように右方に、すなわち、矢
印B方向に流れる。
第9図にベアリング3とピン部1との間に隙間Kがあ
りここに油膜4が形成された状態の横断面の模式図を示
す。第9図(a)はエンジンが定常回転を続けて居り、
油膜4はほゞ等しい隙間Kを満たしてベアリング3の内
面全周に均等に分布されている状態を示す。エンジンが
高負荷低回転時等でピストンの爆発力が大きな衝撃力F
をクランクピン1に与えると短時間に部分的に隙間Kが
狭くなり衝撃力Fを受けた部位では前記のスクイズ効果
が発生して油膜が極端に薄くなり、このスクイズ効果発
生中の短時間の間に油膜が保持しきれない場合には、前
述の通り油膜が切れベアリングの摩耗が増大する。この
衝撃力Fは瞬間的に作用し、その後は回転につれて楔効
果によりオイルが細くなった間隙Kに侵入充満された後
第9図(a)に示す定常回転の状態に戻り油膜4は切れ
るおそれが無い。したがって、前記細溝を作ることによ
りこのスクイズ効果発生中の短時間の間に境界潤滑とな
り、油膜が切れるおそれのある状態となった時に、その
期間内におけるオイルの流出が抑制され、その間の油膜
保持に大きな効果がある。前記の有限要素法による計算
によれば、上記の細溝を付けることにより、スクイズ効
果発生中におけるオイルの漏れ量が約5%少くなり、そ
の分だけ油膜保持の効果がある。
本発明のその他の実施例を第6〜8図に示す。第6図
には第2実施例として片側に2つ以上の細溝(面側で4
つ以上の溝)が設けられている例を示し、第7図は第6
図A2部の部分拡大図である。その他の点については第1
実施例と同じである。この様にして溝の数を変えること
により、ベアリング3とピン部1との間の隙間にオイル
が滞留する時間を調整することができる。例えば、第6
図に示すように、片側に5a,5bの2つの細溝を設けた場
合には計算によればオイルの漏れ量は約7%少くなり、
第1図の場合よりは若干性能が良くなる。また第8図に
第3実施例によるベアリング摺動図7の展開図を示す
が、ここに示すように細溝5cをクランクシャフトの回転
軸の軸線方向に設けることによってもオイルの滞留時間
を調整することができる。なお第6〜8図に示す細溝の
中内側の細溝5bは連続しない破線の状態に細溝を付けて
もよい。
〔発明の効果〕
本発明を実施することにより、プレーンベアリングと
クランクシャフトピン部との間の油膜の滞留時間が長く
なり、エンジンに重負荷低速回転時等において大きな衝
撃力が発生した場合にも油膜が切れて直接金属同志が接
触をすることがなく、ベアリングの摩耗が低減し、焼付
きが防止される。
また、装置が簡単であり、特別なスペースも必要とせ
ず、コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例を示しコネクティングロッド大端部
のプレーンベアリングとクランクシャフトピン部との要
部断面図、第2図は第1図のA1部拡大断面図、第3〜5
図は有限要素法による油膜の流体解析図を示し、第3図
は、油膜の要素による計算領域の分割図、第4図は、油
膜内のオイルの流線図、第5図は油膜内の圧力分布図を
示す。第6図は第2実施例を示しプレーンベアリングと
クランクシャフトピン部との要部断面図、第7図は第6
図のA2部拡大断面図、第8図は第3実施例を示しプレー
ンベアリング摺動面に設けた細溝の配置の展開図、第9
図はプレーンベアリングとクランクシャフトピン部との
相対位置と油膜との関係を示す模式断面図で、第9図
(a)は定常運転状態、第9図(b)は衝撃力がかゝっ
た場合の状態を示す。第10図は従来技術によるプレーン
ベアリングとクランクシャフトピン部近傍の模式断面図
を示す。 1……クランクシャフトピン部、 2……コネクティングロッド大端部、 3……プレーンベアリング、 4……油膜、5……細溝、 6……プレーンベアリング側端部、 7……プレーンベアリング摺動面、 K……間隙、D……細溝の深さ、 W……細溝の幅。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランクシャフトピン部と摺動
    するコネクティングロッド大端部に設けられたプレーン
    ベアリングにおいて、前記プレーンベアリングの両側端
    部近傍の該ベアリングの摺動面に、その円周方向に沿っ
    て環状をなし、クランクシャフトピン部と共に、クラン
    クシャフトの回転軸の軸線方向にのみ開放された空間を
    形成し、前記プレーンベアリングと前記クランクシャフ
    トピン部との間隙の大きさ程度の深さを有する細溝を刻
    設したことを特徴とする内燃機関のプレーンベアリン
    グ。
  2. 【請求項2】前記細溝の深さを30μm〜80μmとし、該
    細溝の幅を0.1〜1.0ミリメートルとした請求項1記載の
    内燃機関のプレーンベアリング。
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JPS57141228U (ja) * 1981-02-27 1982-09-04
JPS58149622U (ja) * 1982-03-31 1983-10-07 いすゞ自動車株式会社 軸受装置

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