JP2745226B2 - ラジアルタービンにおける可変スクロール機構 - Google Patents

ラジアルタービンにおける可変スクロール機構

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JP2745226B2 JP1041665A JP4166589A JP2745226B2 JP 2745226 B2 JP2745226 B2 JP 2745226B2 JP 1041665 A JP1041665 A JP 1041665A JP 4166589 A JP4166589 A JP 4166589A JP 2745226 B2 JP2745226 B2 JP 2745226B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エンジンの排気ターボ過給機等に用いられ
るラジアルタービンに関するもので、特に、タービンホ
イールにガスを導くスクロール部の形状を変化させるこ
とができるようにした可変スクロール型ラジアルタービ
ンにおける可変スクロール機構に関するものである。
(従来の技術) 自動車用などのエンジンにおいては、排気ガスのエネ
ルギを利用して、燃焼室に供給される給気の圧力を高め
る排気ターボ過給機が用いられることが多い。そのよう
な排気ターボ過給機には、一般にラジアルタービンが用
いられている。ラジアルタービンは、タービンホイール
にその外周全周からガスを吹き付けるようにしたもので
ある。そのガスは、タービンのガス導入通路からタービ
ンホイールの外周を取り巻くスクロール部を通して供給
される。
その場合、ガスがタービンホイールの全周にほぼ均一
に分配されるようにすることが望ましい。そのために
は、スクロール部の断面積がその終端部に向かって一定
の比率で変化するようにすればよい。そのための最も簡
単な手法は、スクロール部の断面を、タービン軸線方向
の長さが一定の矩形状とし、スクロール部の外周面が第
6図に示されているようなアルキメデス曲線、すなわち r=ro+aθ で表される曲線となるようにすることである。ここで、
roはタービンノズルの入口半径、aはアルキメデス曲線
の係数、θはスクロール終端部からの角度である。
このようにすれば、アルキメデス曲線によって形成さ
れるスクロール部、すなわちガス流路の半径方向断面積
Sのθに対する変化率が常に一定となり、ガスがタービ
ンホイール全周のノイズからタービンホイールに向かっ
て一様に供給されることになる。
ところで、このような排気ターボ過給機においては、
タービンのA/R比(Aはスクロール入口部の断面積、R
はタービン軸心からその入口部断面の中心までの距離)
の選定によってその使用範囲が限られる。すなわち、A/
R比が小さいと、エンジンの高速回転時、高速で流入し
た排気ガスがスクロールの入口部で絞られて更に高速と
なるので、タービンが過速となってしまう。逆にA/R比
が大きいと、エンジンの低速回転時、低速の排気ガスが
そのままタービンホイールに供給されるので、出力トル
クが得られない。自動車用エンジンのように低速域から
高速域までの広範囲にわたって使用されるエンジンの場
合には、そのA/R比は高速域に合わせて設定せざるを得
ないので、低速域においてはトルクが不足することとな
っている。
このような低速域のトルク不足を改善するために、従
来、一端がスクロール室の終端部にピボット連結された
板ばねからなる可動スクロール板によってスクロール室
を内外二重に分割し、その可動スクロール板の自由端部
をガス導入通路の外周側内面に沿って摺動させることに
より、スクロール部におけるガス流路の形状をエンジン
の回転速度に応じて変化させるようにすることが考えら
れている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、そのような板ばねを用いた可変スクロ
ール機構では、排気ガスの圧力が板ばねに作用したとき
その板ばねが変形するので、板ばねからなる可動スクロ
ール板によって形成されるガス流路の形状がそのときの
排気圧力に応じて変化することになる。そのために、そ
の可動スクロール板を常に理想的なアルキメデス曲線に
保たせるということができず、タービン効率が低下して
しまう。
また、そのように可動スクロール板の自由端部を直線
的に移動させることによってスクロール部の形状を変化
させるものでは、スクロール入口部の断面積を大きく変
化させようとすると、その可動スクロール板の自由端部
を大きく移動させることが必要となり、そのためのアク
チュエータに極めて大きなストロークが要求されること
になる。そのようなアクチュエータを用いると、過給機
全体が極めて大形のものとなり、また、スムーズな作動
も得られなくなってしまう。
更に重大な欠陥は、その可動スクロール板は高温で腐
食性の強い排気ガスにさらされることになるが、そのよ
うな環境下においても良好なばね特性を示す板ばね材料
は、現在のところ適当なものがないということである。
一方、実開昭59−159733号公報や特開昭62−195419号
公報に示されているように、複数枚の案内板とリンク機
構とを用いて、スクロール部の形状を変化させるように
することも考えられているが、その構造は複雑で、潤滑
油を使用することのできない排気ガス環境下ではスムー
ズな作動は到底得られない。また、そのスクロール入口
部に位置する案内板はガス導入通路の外周壁にピボット
連結されているので、その案内板の回動によるスクロー
ル入口部の断面積の変化量、すなわちA/R比の変化量に
は限りがある。しかも、その案内板によって形成される
スクロール入口部近傍のガス流路の形状は、アルキメデ
ス曲線から大きく外れることになる。
このような理由のために、スクロール部の形状を変化
させるアイデアは、いずれも現在まで実用化されるに至
っていない。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであ
って、その目的は、スクロール入口部の断面積を大きく
変化させることができ、しかも、スクロール部における
ガス流路の外周面を常にアルキメデス曲線に近似した形
状に保つことのできる、小形で作動の確実な可変スクロ
ール機構を得ることである。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本発明は、スクロール部
におけるガス流路の外周面を形成する可動スクロール板
を、直列に関節連結される複数枚のスクロール片によっ
て構成するようにしたことを特徴としている。
このようにすれば、その可動スクロール板は一連のリ
ンク機構となる。したがって、各スクロール片間の連結
部の移動軌跡を適宜定めておき、その一部を駆動するよ
うにすれば、その可動スクロール板の形状は一定の法則
に従って変化することになる。
本発明者は、このような着想に基づいて研究を重ねた
結果、そのスクロール片の枚数を5枚とすることによっ
て、スクロール部における可動スクロール板の形状を常
にアルキメデス曲線に近似させることができるというこ
とを見出した。可動スクロール板の外端は常にガス導入
通路の外周側内面に接するようにしなければならないの
で、スクロール片が4枚以下では、可動スクロール板を
移動させたときアルキメデス曲線から大きく外れてしま
う。スクロール片の枚数を多くすればよりアルキメデス
曲線に近似させることができるが、そのようにすると部
品点数が多くなるばかりでなく、構造が複雑化してスム
ーズな作動が得られなくなってしまう。そこで、スクロ
ール片は5枚とした。
そして、5枚のスクロール片を直列に関節連結した可
動スクロール板を用い、その一端を中心として回動させ
たときの形状変化を分析した結果、その形状を常に近似
アルキメデス曲線に保たせるためには、各スクロール片
間の連結部に円弧状の軌跡を描かせるようにすればよい
ことが確認された。
したがって、本発明では、可動スクロール板を、ター
ビンハウジング内のスクロール室の終端部に一端がピボ
ット連結される第1スクロール片と、その第1スクロー
ル片から順に直列に関節連結される第2ないし第5スク
ロール片との5枚のスクロール片によって構成するとと
もに、第2及び第3スクロール片間の連結部を案内する
円弧状ガイドと第5スクロール片の外端部を案内する直
線状ガイドとを設け、第4及び第5スクロール片間の連
結部を駆動機構により円弧状の軌跡に沿って移動させる
ようにしている。第4及び第5スクロール片間の連結部
は、スクロール室の入口部をまたがってその上流側から
下流側までの間で移動するようにされている。また、第
5スクロール片の外端部は、スクロール室の入口部より
上流側において常にガス導入通路の外周側内面に接した
状態に保たれるようになっている。
(作用) このように構成することにより、第4及び第5スクロ
ール片間の連結部を駆動機構によって移動させると、第
1ないし第5スクロール片からなる可動スクロール板全
体が、スクロール室の終端部とのピボット連結部を中心
として回動することになる。そのとき、第2及び第3ス
クロール片間の連結部は円弧状ガイドによって案内さ
れ、第4及び第5スクロール片間の連結部は駆動機構に
よって円弧状に移動されるので、第1及び第2スクロー
ル片間の連結部と第3及び第4スクロール片間の連結部
とも円弧状に移動する。したがって、少なくとも第1ス
クロール片から第4スクロール片までの内面はアルキメ
デス曲線に近似した形状に保たれる。
そして、第4及び第5スクロール片間の連結部がスク
ロール室の入口部よりも上流側にあるときには、第5ス
クロール片は更にその上流側に位置するので、第4スク
ロール片の外端とガス導入通路の外周壁との間を塞ぐ第
5スクロール片のためにスクロール部におけるガス流路
の形状に影響が及ぼされることはない。また、その連結
部がスクロール入口部よりも下流側にあるときには、第
5スクロール片はスクロール室の外周壁にほぼ沿うこと
になり、その内面も第1ないし第4スクロール片の内面
に連結する近似アルキメデス曲線となる。
こうして、第1ないし第5スクロール片からなる可動
スクロール板の内面は、スクロール部においては常に近
似アルキメデス曲線に保たれる。したがって、タービン
ホイールには、その外周全周から常にほぼ均一に分配さ
れたガスが流入することになり、タービンの効率は常に
良好に保たれる。
そして、第4及び第5スクロール片間の連結部を円弧
状に移動させるようにすることにより、スクロール入口
部の断面積が大きく変化するようになる。しかも、その
駆動機構は、構造が簡単で小形のものとすることができ
る。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図中、第1図は本発明による可変スクロール機構の一
実施例を示すもので、その可変スクロール機構を備えた
ラジアルタービンの縦断面図であり、第2図はそのター
ビンの横断面図である。
これらの図から明らかなように、ラジアルタービン1
は、タービンハウジング2とその中心部に設置されるタ
ービンホイール3とを備えている。ハウジング2の内部
には、エンジンの排気管に連結されるガス導入通路4
と、そのガス導入通路4から連なり、タービンホイール
3の外周を取り巻くスクロール室5とが設けられてい
る。スクロール室5の外周壁はほぼアルキメデス曲線に
沿った形状とされ、そのスクロール室5の半径方向の幅
がスクロール入口部5aから終端部5bに向かって徐々に小
さくなるようにされている。また、スクロール室5の断
面はほぼ矩形とされ、そのタービン軸線方向の長さは全
体にわたって一定とされている。
タービンハウジング2内には、可動スクロール板6が
設けられている。この可動スクロール板6は、第1スク
ロール片71、第2スクロール片72、第3スクロール片
73、第4スクロール片74、及び第5スクロール片75の5
枚のスクロール片によって構成されている。これらのス
クロール片71〜75は、スクロール室5のタービン軸線方
向長さとほぼ等しい幅を有するものとされている。そし
て、第1スクロール片71の一端には側方に突出するピボ
ットピン8が設けられ、そのピン8がスクロール室5の
終端部5bにおいてハウジング2の側壁により回動自在に
支持されている。また、第1スクロール片71の他端には
第2スクロール片72が関節連結されている。その連結部
91は、第1スクロール片71の端部に設けられた円柱部を
第2スクロール片72の端部に設けられた切り欠き円筒状
の把持部に嵌合させた構造とされ、第1スクロール片71
と第2スクロール片72とが回動自在に連結されるととも
にその間が気密に保たれるようになっている。第2スク
ロール片72と第3スクロール片73との間、第3スクロー
ル片73と第4スクロール片74との間、及び第4スクロー
ル片74と第5スクロール片75との間も、それぞれ同様な
連結部92,93,94によって関節連結されている。
こうして、可動スクロール板6は、基端部、すなわち
第1スクロール片71の一端部をスクロール室5の終端部
5bにピボット連結し、その第1スクロール片71から順に
第2ないし第5スクロール片72〜75を直列に関節連結し
た一連のリンク機構とされている。そして、その可動ス
クロール板6によってスクロール室5が内外に区画され
るようになっている。
第1ないし第4スクロール片71〜74の内面は、第1図
に示されているような中間位置にある状態においてほぼ
アルキメデス曲線をなす形状とされている。一方、第5
スクロール片75の内面はほぼ直線状とされている。そし
て、第2スクロール片72の第3スクロール片73との連結
部92には側方に突出するガイドピン10が設けられ、その
ピン10がハウジング2の側壁に形成された円弧状のガイ
ド溝11に係合して案内されるようになっている。また、
第5スクロール片75の外端部近傍にも側方に突出するガ
イドピン12が設けられ、そのピン12がハウジング2のガ
ス導入通路4の側壁に形成された直線状のガイド溝13に
係合して案内されるようになっている。そのガイド溝13
は、ガス導入通路4の外周側の壁面に近接して配置され
ており、そのガイド溝13に沿って案内される第5スクロ
ール片75の外端が、スクロール室5の入口部5aよりも上
流側において常にガス導入通路4の外周側内面に接した
状態に保たれるようになっている。
こうして、可動スクロール板6の内面によって、ガス
導入通路4からタービンホイール3の外周部に位置する
タービンノズル14までのガス流路15の外周面が形成され
るようになっている。
スクロール室5の入口部5aよりやや下流側の位置に
は、可動スクロール板6の背面側に、その可動スクロー
ル板6を駆動する駆動機構16が設けられている。その駆
動機構16は、第4スクロール片74の背面から突出するピ
ン17と、そのピン17の先端の球状頭部17aが係合するガ
イド孔18を備えたコントロールレバー19と、そのコント
ロールレバー19を回転させるアクチュエータ20とによっ
て構成されている。ピン17は、第4及び第5スクロール
片74,75間の連結部94の近傍において第4スクロール片7
4の幅方向中央部に固定されている。また、コントロー
ルレバー19は、第3図に斜視図で示されているように、
スクロール室5の外周壁を外側寄りの位置において貫通
する軸部19aと、その軸部19aの内端から延出し、その軸
部19aに対して傾斜するアーム部19bとからなるもので、
その軸部19aによってスクロール室5の外周壁に回転自
在に支持されている。そのアーム部19bは上面が切り欠
かれた中空円筒状とされ、その中空部にピン17の先端の
球状頭部17aが摺動自在に嵌合されている。すなわち、
そのアーム部19bの中空部によって上述のガイド孔18が
構成されている。したがって、そのガイド孔18は、コン
トロールレバー19の回転軸線に対して傾斜するものとな
っており、レバー19の回転時、円錐面状の軌跡を描くよ
うになっている。アクチュエータ20は、エンジンの回転
数に応じた角度だけレバー19を回転させるものとされて
いる。
各スクロール片71〜75の長さや円弧状ガイド溝11の曲
率、コントロールレバー19の取り付け位置、ガイド孔18
の傾斜角度等は、数値解析によって最適に定められてい
る。その場合、第4スクロール片74と第5スクロール片
75との連結部94は、スクロール室5の入口部5aよりも上
流側から下流側まで移動し得るように設定される。
次に、このように構成された可変スクロール機構の作
用について説明する。
エンジンの低速回転時には、アクチュエータ20によ
り、アーム部19bが第1図で最も右側となる位置までコ
ントロールレバー19が回転される。そのときには、第4
図(A)に示されているように、ピン17の球状頭部17a
がガイド孔18の先端部に位置するので、そのピン17が固
定されている第4スクロール片74の第5スクロール片75
との連結部94は、第1図で最も右側の比較的高い位置に
位置することになる。
エンジン回転数が上昇すると、コントロールレバー19
は第4図で反時計方向に回転される。したがって、ピン
17は、それが係合しているレバー19のアーム部19bによ
って左方向へと移動させられる。そのとき、ピン17の球
状頭部17aは、ガイド孔18に沿って先端部側から基端部
側へと摺動する。そのガイド孔18は傾斜しているので、
それによってピン17は下降する。したがって、第4スク
ロール片74の外端側連結部94は、左方向へと移動しなが
ら下降することになる。
そして、第4図(B)に示されているようにピン17の
球状頭部17aがガイド孔18の最も基端側に達した状態か
ら、更にエンジン回転数が上昇すると、レバー19が更に
反時計方向に回転するので、ピン17は更に左方向に移動
されるとともに、ガイド孔18の先端側へと向かって摺動
することにより上昇する。したがって、連結部94も左方
向へと移動しながら上昇する。
こうして、エンジンが高速回転域に達したときには、
第4図(C)に示されているようにピン17の球状頭部17
aは再びガイド孔18の先端部に位置することになる。
したがって、コントロールレバー19の回転により、第
4スクロール片74と第5スクロール片75との連結部9
4は、円弧状の軌跡を描きながら移動することになる。
そして、その移動によって、可動スクロール板6全体が
ピボットピン8を中心として回動する。すなわち、駆動
機構16は、可動スクロール板6を移動させる役割とその
形状を規制する役割とを果たす。
このように可動スクロール板6がピボットピン8を中
心として回動するとき、第2スクロール片72と第3スク
ロール片73との連結部92は、ガイドピン10とガイド溝11
との係合によってその移動軌跡が円弧状に規制される。
また、上述のように第4スクロール片74の外端側連結部
94の移動軌跡も円弧状に規制される。したがって、第1
及び第2スクロール片71,72間の連結部91と第3及び第
4スクロール片73,74間の連結部93との移動軌跡もそれ
ぞれ円弧状となる。
その結果、各スクロール片71〜75は第5図に示されて
いるような運動をすることになる。この図から明らかな
ように、第1ないし第4スクロール片71〜74の内面は、
常にアルキメデス曲線に近似した形状をなす。
そして、第4スクロール片74の外端側連結部94がスク
ロール室5の入口部5aよりも上流側にあるときには、ガ
ス流路15のスクロール部における外周面はその第1ない
し第4スクロール片71〜74のみの内面によって形成され
る。したがって、第5スクロール片75の内面がアルキメ
デス曲線から外れていても問題はない。このときの第5
スクロール片75は、第4スクロール片74の外端とガス導
入通路4の外周壁内面との間を塞ぐ役割のみを果たす。
また、第4スクロール片74の外端側連結部94がスクロ
ール室5の入口部5aよりも下流側に移動されたときに
は、第1ないし第4スクロール片71〜74はスクロール室
5の外周壁に接近し、第5スクロール片75もほぼそれに
沿った状態となる。したがって、第5スクロール片75
内面は、第1ないし第4スクロール片71〜74の内面に連
続した近似アルキメデス曲線をなすことになる。こうし
て、このときには、第1ないし第5スクロール片71〜75
の各内面によって、ガス流路15のスクロール部における
外周面がアルキメデス曲線に近似した形状に形成され
る。
このように、この可動スクロール板6により、スクロ
ール部におけるガス流路15な外周面が常にアルキメデス
曲線に近似した形状に保たれる。したがって、ガスは、
常にタービンノズル14の外周からほぼ一様にタービンホ
イール3に流入することになり、常に高いタービン効率
が得られるようになる。
そして、第5スクロール片75は第4スクロール片74
運動に伴って変動するのみで、その運動に影響を及ぼす
ことがないので、第4スクロール片74はガス導入通路4
の内周側の壁面、すなわち第1図で上面に十分近づける
ことができる。したがって、ガス流路15のスクロール入
口部15aを十分に絞ることができ、その入口部断面積の
変化量を大きくすることができる。すなわち、A/R比の
変化量を大きくして、エンジンの低速域から高速域にま
でわたる広範囲の回転域においてタービン1の効率を高
めることができる。
また、ピボットピン8から遠く離れた第4スクロール
片74の外端部近傍において可動スクロール板6を駆動す
るようにしているので、その駆動トルクは比較的小さく
てよい。そして、連結部94を円弧状に移動させる駆動機
構16は、コントロールレバー19等からなる簡単な構造の
ものとすることができる。しかも、その駆動機構16は可
動スクロール板6の背面側に設けられるので、排気ガス
の影響を直接受けることもない。したがって、スムーズ
な作動を確保することができる。更に、第4スクロール
片74に固定されたピン17をガイド孔18に摺動自在に係合
支持させるようにすることにより、その第4スクロール
片74を前後及び上下方向に確実に駆動することが可能と
なる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ス
クロール部のガス流路外周面を形成する可動スクロール
板を、5枚のスクロール片を直列に関節連結した一連の
リンク機構として構成するようにしているので、その可
動スクロール板の形状を、ガス圧等にかかわらず一定に
保持させるようにすることができる。また、任意の剛性
材を用いることができるので、高温で腐食性の強い排気
ガスにも耐え得るものとすることができる。
そして、その可動スクロール板の基端をスクロール室
終端部にピボット連結し、第2及び第3スクロール片間
の連結部を円弧状にガイドするとともに、第4及び第5
スクロール片間の連結部を円弧状に移動させるようにし
ているので、その可動スクロール板によって形成される
ガス流路のスクロール部における外周面をアルキメデス
曲線に近似した形状に保つことができる。したがって、
タービン効率を常に高く保つことができる。
また、第4及び第5スクロール片間の連結部を、スク
ロール室の入口部上流側から下流側まで移動させるよう
にしているので、ガス流路のスクロール部外周面を近似
アルキメデス曲線に保ちながら、その入口部の断面積を
大きく変化させることができる。したがって、タービン
に流入するガスの流速が低い場合にも十分なトルクを得
ることが可能となり、広範囲にわたって使用し得るター
ビンとすることができる。
更に、その可動スクロール板は、第4及び第5スクロ
ール片間の連結部を円弧状に移動させるように駆動する
のみでよいが、その駆動機構は構造が簡単で作動の確実
なものとすることができる。したがって、タービン全体
をコンパクトなものとするとともに、その作動もスムー
ズなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明によるラジアルタービンにおける可変
スクロール機構の一実施例を示すタービンの縦断面図、 第2図は、そのタービンの横断面図、 第3図は、その可変スクロール機構における可動スクロ
ール板駆動機構の要部を示す斜視図、 第4図(A),(B),(C)は、その駆動機構の作動
状態を説明するための概略平面図、 第5図は、その可動スクロール板を構成する各スクロー
ル片の運動状態を示す線図、 第6図は、アルキメデス曲線の説明図である。 1……ラジアルタービン 2……タービンハウジング 3……タービンホイール 4……ガス導入通路、5……スクロール室 5a……入口部、5b……終端部 6……可動スクロール板 71,72,73,74,75……スクロール片 8……ピボットピン 91,92,93,94……連結部 10……ガイドピン、11……円弧状ガイド溝 12……ガイドピン、13……直線状ガイド溝 15……ガス流路 15a……スクロール入口部 16……駆動機構、17……ピン 18……ガイド孔 19……コントロールレバー 20……アクチュエータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タービンホイールと、 ガス導入通路から連なり前記タービンホイールの外周を
    取り巻くスクロール室を形成するタービンハウジング
    と、 一端が前記スクロール室の終端部にピボット連結される
    とともに、他端がそのスクロール室の入口部よりも上流
    側において前記ガス導入通路の外周側内面に接しながら
    移動するように支持されていて、前記スクロール室内に
    おけるガス流路の外周面を形成する可動スクロール板
    と、 を備えた可変スクロール型ラジアルタービンにおいて; 前記可動スクロール板を、前記スクロール室の終端部に
    ピボット連結される第1スクロール片と、その第1スク
    ロール片から順に直列に関節連結される第2ないし第5
    スクロール片との、各内面が少なくとも前記スクロール
    室の入口部から終端部までの間においてはアルキメデス
    曲線に近似した曲線をなすように形成されている5枚の
    スクロール片によって構成し、 これらのスクロール片からなる可動スクロール板が前記
    スクロール室終端部のピボット連結部を中心として回動
    するとき、その第2及び第3スクロール片間の連結部を
    案内して第1及び第2スクロール片の内面を近似アルキ
    メデス曲線に保つ円弧状ガイドと、第5スクロール片の
    外端部を前記ガス導入通路の外周側内面に接しながら移
    動するように案内する直線状ガイドとを設けるととも
    に、 前記可動スクロール板の背面側に、第4及び第5スクロ
    ール片間の連結部を前記スクロール室の入口部の上流側
    から下流側まで円弧状の軌跡を描きながら移動させ、第
    3及び第4スクロール片の内面を前記第1及び第2スク
    ロール片の内面に連続する近似アルキメデス曲線に保ち
    ながら前記可動スクロール板全体を前記スクロール室終
    端部のピボット連結部のまわりに回動させる駆動機構を
    設けてなる、 ラジアルタービンにおける可変スクロール機構。
  2. 【請求項2】前記駆動機構が、 前記スクロール室の外周壁に回転自在に支持され、その
    回転軸線に対して傾斜したガイド孔を有するコントロー
    ルレバーと、 前記第4スクロール片の背面から突出し、先端部が前記
    コントロールレバーのガイド孔に係合して摺動自在に支
    持されるピンと、 前記コントロールレバーを回転させるアクチュエータ
    と、 によって構成されている、請求項1記載の可変スクロー
    ル機構。
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