JP2744942B2 - 欠陥発生予測装置 - Google Patents

欠陥発生予測装置

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JP2744942B2
JP2744942B2 JP63039018A JP3901888A JP2744942B2 JP 2744942 B2 JP2744942 B2 JP 2744942B2 JP 63039018 A JP63039018 A JP 63039018A JP 3901888 A JP3901888 A JP 3901888A JP 2744942 B2 JP2744942 B2 JP 2744942B2
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  • Testing Resistance To Weather, Investigating Materials By Mechanical Methods (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Investigating Strength Of Materials By Application Of Mechanical Stress (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子力プラントや火力プラント等の機器、
配管等の欠陥発生予測装置に係り、特に応力腐食、腐食
疲労や熱疲労などによる欠陥の発生をプラント運転デー
タや製造履歴から予測することにより、定期検査の密
度、細度などの検査程度を判定して、検査の重点化を行
うことを可能とし、検査の合理化、被曝低減、あるいは
信頼性向上を図るのに好適なものに関する。
〔従来技術〕
原子炉配管内面の溶接部の熱影響部では応力腐食割れ
(SCC)が、形状不連続部では腐食疲労によるき裂が、
配管の合流部では熱疲労によるき裂が発生する可能性が
ある。現在は定期検査時に超音波探傷等により検索を行
ってそのような欠陥の検出を行っている(文献 腐食防
食 87B−302p.223(1987)エキスパートシステムによ
る欠陥評価システムの開発)。
従来の定期検査方法は公的規格に定められた方法に従
い、機器や配管毎に一定の期間毎に検査される。その期
間は検査される機器、配管の重要度に依存して、重要で
あるほど期間は短く設定してあり、実際の欠陥発生確立
を基にした検査程度に従った検査方法とはなっていな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが原子力プラントの運転実績と種々の経験、改
良からみると、従来の検査基準により設定された期間で
は欠陥が予想以上に成長、進展してしまう恐れがあった
り、逆に全く欠陥の発生する可能性がないことが判って
きた。しかるに、従来の定期検査方法によると欠陥の発
生の有無等に拘らず同じ検査方法を採っており、実際の
欠陥発生状態と必ずしも適合したものではないことか
ら、欠陥の発生の可能性が非常に低い個所でも無駄に検
査してしまうという問題があつた。
本発明の目的は、上記問題点を解決すること、言い換
えれば、き裂などの欠陥発生の予測精度を向上させるこ
とができる欠陥発生予測装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の欠陥発生予測装置
は、検査対象の欠陥発生に関する各種の既知データが集
積されてなるデータベース記憶手段と、該データベース
に基づいて欠陥発生に及ぼす影響因子と欠陥発生の因果
関係を解析して各影響因子の影響度合を評価し、欠陥発
生の判定基準データを確立する判定基準作成手段を具備
したものとし、予測の基礎データを充実するとともに最
適かつ合理的な予測を可能にしたものである。
また、前記判定基準データと検査対象に係る影響因子
の実績データを含んでなる評価対象データに基づいて当
該検査対象の欠陥発生を予測する検査基準判定手段を付
加したものとし、自動処理により欠陥発生の予測をする
ようにしたものである。
また、前記データベース記憶手段は応力腐食割れデー
タベース、腐食疲労データベース、熱疲労データベー
ス、運転履歴データベースを含んでなるものとして、基
礎データを充実したものである。
また、前記判定基準データは各影響因子の欠陥発生時
間又は欠陥発生繰返し数に及ぼす影響度合を関数で近似
したものとし、あるいはこれをさらに当該因子に係る所
定の評価基準値についての影響度合との相対値により表
わした評価関数とすることにより、判定基準データを最
適かつ合理的なものしたものである。
また、前記判定基準作成手段は新たなデータベースの
追加があった場合に追加されたデータを含めて前記判定
基準データを近似し直す点数の再配分機能を有するもの
とし、基礎データをさらに充実するようにしたものであ
る。
また、前記検査基準判定手段は前記判定基準データに
基づいて評価対象データの各影響因子に係る影響度合を
点数配分により求め、それらの評価点の総合点から欠陥
発生を予測するものとし、評価方法を合理化したもので
ある。なお、この総合点は、各影響因子の独立変数和、
2つの影響因子が相乗作用を持つ場合の二重積変数和、
および3つの因子が相乗作用を持つ場合の三重積変数和
とし、各因子の相関を考慮して最適な予測を行なうこと
が望ましい。
また、前記検査基準判定手段は前記データベース記憶
手段を検索して前記評価対象データに略一致するのを読
出し、これにより前記総合点による予測結果を検証する
ものとし、予測結果の信頼性を向上させることもでき
る。
また、前記判定基準作成手段は前記判定基準データと
して応力−破断時間、応力振幅−破断繰返し数、あるい
は温度範囲−破断繰返し数の基準曲線を定め、前記検査
基準判定手段は評価対象データの各影響因子の項目ある
いは数値を入力して破断時間、あるいは破断繰返し数を
求め、使用時間あるいは繰返し数を前記基準曲線から得
られる破断時間あるいは破断繰返し数との比により欠陥
発生確率を定め、欠陥発生を予測するものとし、他の評
価方法を提供するものである。
また、前記検査判定手段は予測結果に基づいて検査対
象に係る検査の重点化度を含む検査基準を決定する手段
を含んでなるものとし、定期検査の検査程度、重点化度
などの基準を提供して、検索の最適化、合理化を図るも
のである。
〔作用〕
上記のように構成された欠陥発生予測装置によれば、
予測の基準となる欠陥発生の既知データ(データベー
ス)が充実されるとともに、予測に係る判定基準データ
が影響因子との因果関係に基づいて確立される。これに
より最適かつ合理的な精度の高い欠陥発生の予測が可能
となる。
また、検査基準判定手段により、上記判定基準データ
に基づいて、検査対象の欠陥発生の予測が自動処理によ
りなされる。これにより、欠陥発生の予測精度向上と合
まって、合理的でかつ信頼度の高い検査程度などの検査
基準の決定が可能となる。
また、データベースを欠陥種類と運転履歴に分類する
とともに、新たな既知データを補充するようにしている
ことから、予測の信頼度が向上する。そして、これらデ
ータベースから影響因子と欠陥発生の因果関係を分析し
て関数近似して判定基準データを設定していることか
ら、最適かつ合理的な予測を可能とし、また予測処理時
間を短縮可能となる。
また、欠陥発生の予測を前記判定基準データである近
似関数と合まって、点数配分による総合点により行なう
ことにより、各影響因子を総合的に反映した精度の高い
予測となる。特に、各影響因子の相乗作用を考慮するこ
とにより、一層、実状に沿したものとなる。
また、このようにして得られた評価対象データに基づ
く予測結果と、データベースを直接検索して得られた評
価対象データに略一致する欠陥発生データとを比較し
て、予測結果を検証することにより、一層予測の信頼性
が向上する。
また、判定基準データを応力又は温度に対する破断時
間と破断繰返し数を表わした基準曲線とすることによ
り、検査基準判定手段は評価対象データに係る欠陥発生
確率を直接的に求めることが可能となる。
また、上記のようにして得られる予測結果に対応させ
て、予め検査の重点化度などの検査基準を定めておくこ
とにより、検査対象のデータを入力するたけで、最適か
つ合理的な検査基準を得ることができるので、定期検査
の合理化、作業の軽減、期間の短縮に寄与し得る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
第1図に本発明の一実施例の全体構成図を示す。本実
施例はデータベースに基づいてプラント運転履歴から定
期検査における検査程度(基準)を判定するものであ
り、応力腐食割れデータベース記憶装置1、腐食疲労デ
ータベース記憶装置2、熱疲労データベース記憶装置
3、プラント運転履歴データベース記憶装置4、中央演
算処理装置5、検査基準判定手段6、判定基準作成手段
7、CRT8、及びプリンタ9で構成される。この装置で
は、予め応力腐食割れや、腐食疲労、熱疲労に関するデ
ータベースを作成しておき、プラントの運転データにつ
いても運転開始時からの履歴を作成して、プラントの定
期検査時において、履歴に伴う損傷を評価して、き裂発
生を予測することにより検査の程度を判定するものであ
る。従って、応力腐食割れデータベース記憶装置1、腐
食疲労データベース記憶装置2、熱疲労データベース記
憶装置3は応力腐食割れや、腐食疲労、熱疲労に関する
データベースを記録する装置であり、プラント運転履歴
データベース記録装置4はプラントの運転開始時からの
履歴を記録する装置である。検査基準判定手段6は基準
作成手段7から与えられる種々の影響因子がき裂発生に
及ぼす影響度合を解析評価した判定基準データに基づい
て、プラント運転履歴からき裂発生の可能性を演算して
検査程度を判定する装置である。判定基準作成手段7は
初期に駆動される他、データベースが拡張されると、種
々の因子がき裂発生に及ぼす影響程度が多少変化するた
め、拡張されたデータベースに基づき種々の影響因子が
き裂発生に及ぼす影響度合を評価する判定基準を再作成
するための装置である。中央演算処理装置5は検査基準
判定手段6や判定基準作成手段7を制御すると共に、デ
ータベース作成や修正等の演算、処理を行うための装置
であり、CRT8、及びプリンタ9はデータの入出力及び表
示のための装置である。
以下、データベースに基づいてプラント運転履歴から
定期検査における検査程度を判定する方法について述べ
る。第2図はき裂発生予測による定期検査方法のフロー
チャートの概要、第3図は詳細フローチャートである。
第2図全体に示すき裂発生予測プログラムにおいては、
SCC(応力腐食割れ)及び疲労割れ、等に影響を及ぼす
影響因子ごとにその程度に応じて欠陥発生に係る評価点
数を配分し、総合的に検査重点度を判定する。点数配分
には効率を考慮してデータベースを活用すること、判断
結果はデータベースで確認すること、及び判断基準はデ
ータベースの拡張に伴って変更となるがプログラム内部
に新たな判断基準を設定できる機能が必要であることな
どから、き裂発生予測プログラムは、検査程度を点数配
分から判定する検査基準判定プログラム、データベース
作成プログラム、データベース検索プログラム、及び判
定基準作成プログラムで構成するものとした。このき裂
発生予測プログラム全体により駆動されるのが、前述し
た中央演算処理装置5であり、検査基準判定プログラム
に従って駆動されるのが検査基準判定手段6であり、判
定基準作成プログラムに従って駆動されるのが判定基準
作成手段7である。但し、データベース作成プログラ
ム、データベース検索プログラムは中央演算処理装置5
で駆動される。
(検査基準判定の概要) 第2図において、き裂発生予測プログラムをスタート
させると、ステップ100でメニュー選択により検査基準
判定プログラム、データベース検索プログラム、データ
ベース作成プログラムが選択できる。ステップ200の検
査基準判定プログラムを選択すると、ステップ210にお
いて後述するき裂発生に影響を及ぼす影響因子に関して
の評価対象データを入力する。ステップ250では欠陥発
生確率を表わす検査基準パラメータPを計算する。これ
で一応き裂発生確率が判定できる訳であるが、念のため
文献データ、事例データで判定結果を確認するため、評
価対象データをデータベース検索プログラムのステップ
310の検索条件に入力する。これにより、ステップ350で
全データベースを検索し、入力した評価対象データに合
致する条件のSCC破断時間、あるいは疲労寿命等がステ
ップ360で出力され、その値は検査基準判定プログラム
に戻される。ステップ260において検索結果と評価対象
データの運転履歴と比較して算出されるき裂発生確率
と、ステップ250で得られた検査基準パラメータとを比
較して最終的なき裂発生確率を計算して検査重点化度を
判定する。
(データベース作成の概要) ステップ40のデータベース作成プログラムを選択する
と、ステップ410で1つの文献データ、または事例デー
タ毎に入力し、ステップ460でフロッピーディスク、ま
たはハードディスクにファイル名または文献名をつけて
記録する。これによりデータベースが確立される。
(判定基準作成の概要) ステップ500の判定基準作成プログラムは、上記確立
したデータベースに基づいて、欠陥発生に及ぼす影響因
子と欠陥発生の因果関係を解析して各影響因子の影響度
合を評価し、点数配分方法等に基づいた欠陥発生の判定
基準データを確立する。この判定基準データは前述した
検査基準判定プログラムにおける検査基準パラメータP
の算出に用いられる。
また、新たにデータが追加された場合は、これにより
前記判定基準データの点数配分などが変わるので、判定
基準作成プログラムは必要に応じて全データベースを検
索し、判定基準データを再作成する。
(データベース検索の概要) ステップ300のデータベース検索プログラムは、ステ
ップ310で検索条件を入力すると、ステップ350で全デー
タについて検索して検索条件に合致するデータを選びだ
す。そしてステップ360では検索結果を種々の形態で出
力する。この検索プログラムは判定基準作成におけるデ
ータベース検索にも用いられる。
(検査基準判定の詳細) 第3図により各プログラムの詳細を説明する。プログ
ラムをスタートさせると、ステップ100でメニュー選択
により、検査基準判定プログラム、データベース検索プ
ログラム、データベース作成プログラムを選択する。ス
テップ200の検査基準判定プログラムを選択すると、ス
テップ210〜217で検査対象個所の評価対象データ(プラ
ントデータ)を入力する。先ず、ステップ211で運転開
始時期を、ステップ212で運転履歴に関連して運転パタ
ーン、例えば、温度と時間、或いは圧力と時間の関係を
入力する。運転履歴については後述する。そして、ステ
ップ213からステップ217で検査対象個所の製造履歴や使
用環境に関するデータとして材料要素、形状要素、溶接
要素、応力要素、環境要素を入力する。各要素の内容の
詳細は後述する。ステップ251では判定基準作成プログ
ラムによって設定された判定基準データの点数配分方式
に従って各要素の各影響因子毎の点数評価を行う。そし
てステップ252では得られた各影響因子毎の点数を総合
的に評価して検査基準パラメータPを算出する。ステッ
プ261では予め設定された基準値を基にして、検査基準
パラメータPの値によって検査重点化度を先ず判定す
る。ステップ262ではステップ252で得られた検査重点化
度が妥当なものかどうかをデータベースを検索すること
により検証することを行う。そのためステップ263でス
テップ210で入力した評価対象データをデータベース検
索プログラムに転送する。転送されるデータはステップ
210で入力したデータをそのままではなく、検索するた
めにある幅を持たせたものとする。そのデータに従って
データベースを検索して、SCC破断時間、或いは疲労寿
命を求める。それを再び検査基準判定プログラムに戻し
て、ステップ264において運転履歴と比較して発生確率
を計算し、検査基準判定パラメータPとの比較から総合
的に検査基準である検査重点化度の最終判定を下す。
(データベース作成の詳細) ステップ100でステップ400のデータベース作成プログ
ラムを選択すると、次にステップ411でメニュー選択に
より事例データベースか、文献データベースかを選択す
る。ステップ421の事例データベースを選択した場合、
ステップ422で事例の起きたプラント名を入力する。ス
テップ423では発見された欠陥の種類を入力する。ステ
ップ424ではプラントの運転開始年月を入力し、ステッ
プ425では運転履歴に関連して運転パターン、例えば、
温度と時間、或いは圧力と時間の関係を入力する。ステ
ップ426では欠陥が発見された方法を、例えば、目視で
あるとか、非破壊検査の超音波探傷法であるとかを入力
する。ステップ430では欠陥発生個所のデータを入力す
る。ステップ431からステップ435では製造履歴や使用環
境に関するデータとして材料要素、形状要素、溶接要
素、応力要素、環境要素に関する項目について入力す
る。ステップ436では得られた情報から欠陥の発生した
原因を解明した結果を入力する。ステップ437では特記
事項を入力して、ステップ460でファイリングする。
一方、ステップ411で文献データベース(ステップ44
1)を選択した場合には主に、実験室におけるSCCや疲労
に関するデータを入力する。先ず、ステップ442で文献
のタイトルを入力する。ステップ443からステップ445で
は文献の著者名、著者所属、文献の出典を入力する。ス
テップ446では実験対象を、SCCか、腐食疲労か、熱疲労
かなどを項目選択により入力する。ステップ450から実
験条件と得られたデータを入力する。ステップ451から
ステップ455では実験に使用した材料の製造履歴や実験
環境に関するデータとして材料要素、形状要素、溶接要
素、応力要素、環境要素に関する項目について入力し、
ステップ460でデータベースの登録する。ステップ500の
判定基準作成プログラムは前述したように、データベー
スに新たにデータが追加された場合に点数配分方法等が
全データベースを検索することによって変更する機能を
有するものである。
(データベース検索の詳細) ステップ100でステップ300のデータベース検索プログ
ラムを選択すると、ステップ311で事例データベース
か、文献データベースかの選択を行い、ステップ312で
検索したい欠陥の種別を選択する。ステップ320から検
索条件を入力する。ステップ321からステップ325では材
料要素、形状要素、溶接要素、応力要素、環境要素に関
する項目について検索条件を入力する。ステップ350は
この検索条件に合致したデータをデータベース記憶装置
1,2,3,4から検索する。検索が終了すると、ステップ361
で検索結果の図表を出力する。検索結果が満足できない
ときはステップ362で検索条件を再設定して改めて検索
し直す。ステップ363では検索結果のデータについて近
似曲線を求めたい場合に近似曲線を出力することもでき
る。
(データベース作成の具体例) データベース作成プログラムではSCC、腐食疲労、及
び熱疲労によるき裂発生に関連した実験室データ、及び
実際のプラントにおける事例データを収集、整理してデ
ータベースとしてコンピュータ付属のデータベース記憶
装置1,2,3に記録させることができる。SCC、腐食疲労、
及び熱疲労などのき裂発生に影響を及ぼす因子として、 材料要素に関しては、鋼種、製造履歴、熱処理、加
工、経年劣化などがある。
形状要素に関しては、直管、エルボ、T継手、レデュ
ーサ、圧力容器ノズルなどがある。
溶接要素に関しては、溶接方法、入熱量、溶接材料、
溶接履歴などがある。
応力要素に関しては、運転圧力、温度、ひずみ速度、
形状係数、残留応力、振動などがある。
環境要素に関しては、溶存酸素、PH、電気伝導度、放
射線などがある。
第4図から第8図には、材料要素、形状要素、溶接要
素、応力要素、環境要素のそれぞれについて、き裂発生
の影響因子を入力するためのCRT画面を示した。
第9図には、データ入力用の画面を示す。これらのデ
ータとしては、SCCに関しては、負荷応力−破断時間、
粒界侵食深さ−破断時間、各因子の数値−破断時間、等
がある。腐食疲労や熱疲労に関しては、応力振幅−破断
繰返し数、ひずみ振幅−破断繰返し数、温度振幅−破断
繰返し数、各因子の数値−破断繰返し数、等がある。
データベース作成プログラムにおけるデータの入力方
法は第10図に示すようなCRT画面に従い、文献番号、題
目、等を入力後、第4図から第9図に示したようなCRT
画面に従って、材料要素、形状要素、溶接要素、応力要
素、環境要素のデータの順で入力し、ファイルするもの
である。この時、第10図の最後の項目の調査対象におい
て、SCC、腐食疲労、熱疲労を選択すれば、それぞれ自
動的にSCCデータベース記録装置1、腐食疲労データベ
ース記録装置2、熱疲労データベース記録装置3にファ
イルされる。
(データベース用データの入力手順) データベース作成プログラムの入出力操作フローチャ
ートを第11図から第13図に示す。データの入力手順は以
下の通りである。
初めに、第11図のフローチャートに従い、ステップ
412においてデータベースの対象、すなわち、“文献デ
ータベース”か、“プラント事例データベース”かの選
択を行い、次にステップ413において新規データの“作
成”か、入力済のデータの“修正”かの選択を行う。ス
テップ414ではデータを入力して処理する。
“作成”の場合には第12図に示したフローチャート
に従い、ステップ420でデータを入力する。データの入
力は事例データの場合、第14図のCRT画面表示に従って
欠陥の種類、運転時間及び推定された欠陥発生原因につ
いて入力し、第4図から第8図の両面表示に従って材料
要素、形状要素、溶接要素、応力要素、環境要素、の各
項目毎に入力する。文献データの場合は第10図のような
画面により、論文題目、著者、出典等を入力して、第4
図から第8図のような画面表示に従って実験条件を入力
し、最後に第9図のようなデータ入力書式に従って数値
を入力する。入力するデータタイプとしては応力−破断
時間の関係、応力振幅−破断繰返し数の関係、などであ
る。
入力を終了したデータは、第12図のステップ461に
おいてファイル名を付けた上でデータベース記憶装置
1、腐食疲労データベース記憶装置2、熱疲労データベ
ース記憶装置3に登録する。
“修正”の場合は第13図に示したフローチャートに
従って操作する。先ず、ステップ415において修正する
データベースNo.を入力する。この場合、第10図、また
は第14図に示した文献データベース、事例データベース
の個々のデータの先頭画面だけを連続的に表示すること
により、修正するデータベースNo.を確認できる機能も
作成しておく。そして修正したいNo.を入力すると、ス
テップ416でそれぞれのデータベース記憶装置1,2,3から
データを読み込む。読み込まれたデータはステップ417
において第10図、または第14図、そして第4図から第9
図が中央演算処理装置5のキー操作により順次画面に表
示されるので、ステップ418において変更したいデータ
については変更し、ステップ419で登録し直して終了す
る。
(データベース検索の具体例) データベース検索プログラムでは、材料要素、形状要
素、溶接要素、応力要素、環境要素について、き裂発生
に影響を及ぼす因子毎に、検索したい数値範囲、あるい
はパラメータを後述するようなCRT画面に従って入力す
ると、全てのデータベースを検索して、入力データに合
致したデータを種々の形態で出力することができる。デ
ータベース検索プログラムの機能の概要を以下に示す。
データの入力方法は第16図から第20図に示したような
コンピュータのCRT画面に従い、各種パラメータ毎にパ
ラメータあるいは数値を入力する。
原則的には文献、事例毎にファイルは作成されている
が、同一文献で環境、材料、等が異なる場合には個別に
ファイルが作成されているので、ファイル毎の全データ
の出力を可能とする。
データベースは、SCCの発生、腐食疲労き裂、及び熱
疲労き裂の発生に分類して作成し、サブルーチン化して
後述の検査基準判定プログラムから呼び出せるようにす
る。これは、後述するように、検査基準パラメータPの
算出により検査重点化度を判定した後、データベースで
インプット条件に合致するものを検索することで判定結
果を確認する機能を持たせるためである。
検索は影響因子毎に数値を範囲で入力する(例:C%=
0.02〜0.03)。もちろん、複数の因子の同時入力は可能
である。
出力は文献又はデータ毎に記号を変えて図示する、又
は選択により表形式で出力する。図表はハードコピー可
能とする。
個別文献の出力を可能とする。
負荷応力と破断時間、又は破断繰返し数の関係等の影
響因子毎に対応関係としては最適曲線と95%,90%ある
いは65%信頼限界の近似曲線を出力する。但し、近似の
方法は対応関係毎に、真数、片対数、両対数などの直線
近似、n次近似、あるいは、ストロマイヤ法などによる
が、予め、設定しておいても良いし、近似に当たって各
種の方法で近似してみて、誤差が最も小さくなる近似方
法をその都度自動的に設定して、関数表示できるように
する。即ち、例えば、AとBの関係について、 n次近似 A=a0+a1B+a2B2+a3B3+a4B4+… 指数近似 A=bBc ストロマイヤ近似 A=dBe+f などのように近似できるようにする。ここで、a〜fは
係数である。近似は最小自乗法によるものであるが、通
常の回帰では図表の縦軸基準となり、横軸の近似が悪く
なるため縦軸、横軸の両方について回帰できるようにす
る。また、データ数が少ない場合には、データの中間点
を求めて、それをデータとみなして近似するものとす
る。
(データベース検索の手順) データベース検索プログラムの入出力操作のフローチ
ャートを第15図に示す。また、各入出力のCRT画面例を
第16図から第20図に示す。データの入出力手順は以下の
通りである。
初めにステップ311において、データベースの対象、
すなわち、“文献データベース”か“プラント事例デー
タベース”かの選択を行うとともに、ステップ312で欠
陥種別を指定する。
ステップ320において第16図から第20図のCRT画面に従
い、材料要素、形状要素、溶接要素、応力要素、環境要
素の各項目毎に検索条件を入力する。入力方法は画面に
表示される単語選択か、または数値入力である。数値入
力の場合には画面例に示されているように任意の範囲を
設定可能とする。
ステップ350では対象のデータベースをファイル順に
検索する。先ず、ステップ351でデータベースをファイ
ル順に読み込み、ステップ352で個々の項目毎にデータ
の比較を行い、データが一致するかどうかを判別する。
このステップ351と352を全てのデータベースについて繰
返し行う。検索中は検索データ個数、検索条件に合致す
るデータ個数を表示できるようにする。
検索が終了すると、検索した全てのデータ数、及び検
索条件に合致したデータ個数を表示する。
検索された結果はステップ361aにおいて、グラフ出
力、リスト出力、あるいはCRT画面表示(第4図から第
8図に準ずる)の中から選択により出力することができ
る。ステップ361bで検索結果を出力して終了する。第21
図にグラフ出力の一例を示す。グラフの形式も真数、横
軸片対数、縦軸片対数、両対数が選択可能である。第21
図は縦軸が真数、横軸が対数である。線図のフィッティ
ングは前述したようにn次近似、または指数近似か、ス
トロマイヤ法による近似が可能である。
検索結果が不満足で検索し直したい場合にはステップ
362において検索条件を再設定し、上記動作を繰返し行
なう。
(判定基準データの作成と検査基準判定) 検査基準判定プログラムに入力する影響因子等は第4
図から第8図に示したCRT画面の項目のように多数ある
が、ここでは、実験的に得られているデータについて調
査を行ってデータベースを作成し、各影響因子について
の点数配分を行った例について説明する。
ステンレス鋼配管の溶接熱影響部における粒界型応力
腐食割れ(IGSCC)は材料(鋭敏化)、環境および応力
の三者が共に存在して初めて生じるものである。ここで
は、それらに関連する影響因子として代表的な炭素量、
入熱量、溶存酸素量、応力、温度、時間、その他につい
て検討した結果により、点数配分を行った例を示す。
(1)溶存酸素量 評価の基準とした応力−破断時間線図を第22図に示
す。材料は強鋭敏化したSU304である。内部液体中の溶
存酸素量DOにより破断時間Trは影響される。寿命を比較
するとDO=100ppmと8ppmはほぼ破断時間Trに対して平行
移動であるのに対して、DO=0.2ppmは多少複雑な応力依
存性を示す。第23図に破断時間Trと溶存酸素濃度DOの関
係を示す。ここで縦軸は破断時間TrをDO=100ppmにおけ
る破断時間Tr(100ppm)で基準化した破断時間比Tr/Tr
(100ppm)である。破断時間が長い領域、あるいは溶存
酸素濃度が低い領域では応力依存性が強くなる傾向があ
るが、ほぼ1本の線で表すことが可能である。ここでは
仮に破線で示した線で近似を行うとすると、溶存酸素パ
ラメータをTDOとして、 TDO=Tr/Tr(100ppm)=7.368DO−0.434 (1) と表わせる。尚、評価基準とした100ppmの応力σ−破断
時間Trの関係は LogTr=12.51−0.913σ+2.74×10-2σ−2.92×10-4
σ (2) で近似される。
(2)PH及びアニオン種 第24はPH3〜9の範囲の試験液により溶存酸素濃度40p
pm、250℃、付加応力2.5Smの条件下で得られたSCC破断
データである。PHは3〜5は硫酸で、9はアンモニア水
により調製した。PH6は空気飽和条件に相当し、炭酸に
よるPH値と考えられる。PH7は空気飽和による炭酸をイ
オン交換樹脂で十分除去して達成したもので、実測のPH
は6.6〜6.8、電導度は0.1〜0.2μS/cmであった。破断時
間はPH5以下で著しく短く、PHが高くなるにつれて長く
なりPH7〜9では1000hrまで未破断であった。従ってSCC
感受性領域のPHしきい値は7付近にあると予想される。
第24図には割れ感受性の高い低PH領域でアニオン種の
影響を検討した結果も示してある。同一PHで比較すると
炭酸イオンに比べて硫酸イオン及び塩素イオンがややSC
C加速性が大きいようである。PH5の塩酸は0.35ppmの塩
素イオンを含むが、同一PHの硫酸イオンと同程度の加速
性であり、250℃の高温水中では硫酸イオンもやはり腐
食性が強いことを示している。後述するようにPH6で塩
素イオンを0.5ppm含む溶液中のSCC平均破断時間は約50h
であり一方PH5の塩酸溶液中では約30hなのでPHの6から
5への低下によるSCC加速性は比較的小さい。炭酸イオ
ンが他の酸に比べてSCC加速性小さいのは、炭酸イオン
そのものが腐食性に小さいこと及び高温水中で炭酸が解
離しにくいためと推測される。
低PHがSCCを加速することは明らかであるが、第24図
に示したように、それにはアニオン種も影響する。両者
の複合効果をきちんとした形で数式化することは困難で
ある。そこで、ここでは第24図を基にしてPHの効果のみ
を数式化することを試みた。第25図に第24図の中央値を
とったPH−Tr曲線を示す。片対数で両者の関係を近似し
た結果、PHの効果は LogTr=13.49−12.78pH+4.83×pH2−0.70pH3 +0.024pH4+0.0020pH5 (3) で表わすことができる。PH=7を基準にすれば、PH=7
ではTr=104hrであるので、 PH=(13.49−12.78pH+4.83×pH2−0.70pH3 +0.024pH4+0.0020pH5)/10000 (4) と表わすこともできる。
(3)隙間の影響 第26図は250℃、付加応力2.5Smの試験条件で、隙間及
び共存アニオン濃度の影響を検討した結果である。試験
は静止式で、アニオンとして0〜1×103Nの硫酸ナトリ
ウムを添加した試験液に室温で酸素を飽和させた条件
(溶存酸素40ppm,PH6)で実施した。硫酸ナトリウムを
含まず、隙間もない条件では40hr〜1000hrで破断してお
り、循環式で250℃、溶存酸素濃度40ppmで得られた結果
とほぼ一致している。この条件に隙間を付与すると18〜
25hrで破断し、さらに硫酸ナトリウムを1×10-3N、1
×10-4N及び1×10-3N添加することにより破断時間はそ
れぞれ10〜17hr、4〜7hr及び0.9〜1.2hrと著しく短縮
される。割れ形態はすべて完全な粒界割れである。1×
10-3N硫酸ナトリウム、隙間共存の加速性(2)項で検
討したPH3、硫酸、隙間なしのものと破断時間で評価す
るとほぼ同等で、いずれも極めて過酷な水質条件となっ
ている。ただし、隙間付与の場合は破断時間のバラツキ
が著しく小さくなるのが特徴である。
第27図では250℃、溶存酸素濃度3ppmの静止純水中のS
CC破断データで、付加応力及び隙間の有無の影響を検討
した結果である。付加応力は0.5Sm単位で変化させてい
る。隙間のない場合、1.5Sm(182MPa)の付加応力で著
しく破断時間が長くなっており、降伏点が定荷重SCC試
験法における応力のしきい値であるという傾向と一致し
ている。一方、密着した人工隙間を付与した場合には、
降伏点以下の応力である1.0Sm(122MPa)においても極
めて短時間で破断しており、応力のしきい値が低下する
ことが注目される。
隙間は隙間の幅と深さで定義される。即ち、隙間は幅
が狭いほど厳しく、また、深いほど厳しくなる。実験的
には第28図に示してあるように、隙間と隙間でない領域
の2通りに分けられるとされるか、画一的に分けること
は困難であるので、ここでは隙間の程度を4段階に分類
することにした。隙間の程度を隙間の幅と深さにより、
次の(5)〜(8)式に従って区別する。即ち、隙間の
幅をWd、隙間の深さをDとして、 隙間無し: Wd>0.787+0.903logD+0.257logD2 −0.281logD3+0.0393logD4+0.113logD5 (5) 隙間少し厳しい: 0.418+0.844logD+0.357logD2−0.353logD3 −0.0560logD4+0.106logD5<Wd< 0.787+0.903logD+0.257logD2−0.281logD3 +0.0393logD4+0.113logD5 (6) 隙間やや厳しい: 0.237+0.0639logD+0.230logD2+0.966logD3 −0.781logD4+0.173logD5<Wd< 0.418+0.844logD+0.357logD2−0.353logD3 −0.0560logD4+0.106logD5 (7) 隙間厳しい: Wd<0.237+0.0639logD+0.230logD2 +0.966logD3−0.781logD4+0.173logD5 (8) 但し、隙間の幅Wdが6.25mmよりも広いか、深さDが25
0mmよりも深い場合にはいずれも隙間無しとする。
第27図の隙間を付与した試験結果を隙間が最も厳しい
条件における破断曲線とし、隙間がない場合の破断曲線
との間に隙間が少し厳しい破断曲線と隙間がやや厳しい
破断曲線を内挿で決定した。それぞれの曲線は第29図に
示したようになり、次式のように表わされる。
隙間無し: Tr=((σ−14.7)/509.5)−1.225 (9) 隙間少し厳しい: Tr=((σ−11.3)/455.8)−1.156 (10) 隙間やや厳しい: Tr=((σ−7.9)/392.4)−1.093 (11) 隙間厳しい: Tr=((σ+5.01)/666.7)−0.659 (12) ここで、隙間付与の有無の基準曲線は式(9)で与え
られる。従って、隙間の効果Creviceは式(9)で得ら
れた破断時間Trを、式(10)〜(12)で得られる破断時
間Trで割った値で与えられる。
(4)塩素イオン 酸素飽和した純水中ではSCC発生に対する温度のしき
い値は150℃付近にある。ここでは他の環境因子として
塩素イオンを添加し、しきい値の変化を検討した結果を
示す。付加応力は2.5Sm、塩素イオン濃度は0.5ppmと
し、塩化ナトリウムの形で添加した。実験は静止式オー
トクレーブ中で実施した。溶存酸素濃度は室温で試験液
に酸素ガスを飽和した条件(室温値で約40ppm)であ
る。第30図にSCC破断データを、純水中のSCC破断データ
の平均値と共に示した。この環境中でも割れ形態はすべ
て完全な粒界割れであり、また試験片面部での孔食も認
められず、いわゆる孔食を起点とする割れではなかっ
た。0.5ppmの塩素イオンの添加はいずれの温度において
もSCC感受性を高めているが、特に150℃以下の温度でそ
の加速性が著しく、温度のしきい値は100℃以下に低下
している。また(2)、(3)で述べたようにPHの低下
や隙間の付与により150℃でもSCCを生じており、塩素イ
オンばかりでなく他の環境因子による加速でも温度のし
きい値が低下すると推定される。
塩素イオン添加によるSCC破断時間の低下を温度の関
数として表すことを試みた。塩素イオン添加、塩素イオ
ン無添加ともに温度250℃付近に破断時間のノーズがあ
る。そこで後述の温度の影響の評価と同じように整理し
た。すなわち、T=240〜250℃に破断時間のノーズがあ
って一定とみなし、その破断時間を基準にした破断時間
の逆数との間に関数を設定するものである。第31図にSC
C破断時間に及ぼす温度と塩素イオン濃度の影響を示
す。実線は後述の温度の影響を調べた結果によるもので
ある。○印は第30図の塩素イオン濃度Cl=0.5ppmの場合
の破断時間中央値である。左側の破断は(240℃、1/Tr
=1)と(100℃、1/Tr=0)を結んだものであるが、
実験値はほぼ破線上に載っている。従って、Trは温度T
に依存して、 250℃<T<300℃ 1/Tr=−0.0107T+3.675 240℃<T<250℃ 1/Tr=1 (13) 100℃<T<240℃ 1/Tr=(T−100)/140 と表すことができる。
第32図には破断時間Trに及ぼす塩素イオン濃度Clの影
響を整理した結果を示す。縦軸の破断時間は塩素イオン
濃度Cl=600ppmにおける破断時間Tr(600ppm)で基準化
した値Tr/Tr(600ppm)である。温度によって多少勾配
は異なるが、平均的な値を求めると、図中に破線で示し
たような直線となり、 Tr/Tr(600ppm)=22.86Cl−0.4892 (14) と表すことができる。
第32図においてCl=0.5ppm添加によりSCC破断時間は2
50℃で約2.15倍加速されている。従って、塩素イオン濃
度と温度の効果の評価法は第31図により塩素イオン添
加、無添加により直線か、破線かを選択して、温度の効
果を定量評価し、塩素イオン添加がある場合には第32
図、あるいは式(13)により塩素イオン濃度を影響を定
量評価する。
(5) 炭素量 材料の鋭敏化には炭素量C%が大きく影響する。SCC
が発生した配管の溶接継手について、炭素量に対して発
生頻度を整理すると、SCCはC量が、0.044%〜0.08%の
範囲において発生している。C量が0.06%付近にピーク
が見られるのは、高炭素ほど割れやすいことと、この付
近のC量の材料が多数用いられていたものと思われる。
SUS304系、SUS316系、SUS347系の4インチ管を主体に鋼
種毎に数ヒートずつ、UCL試験を実施した結果によれ
ば、C量が0.05%程度以上である材料はいずれも破断し
ている。なお、材料は試験前に溶接部の定温鋭敏化(LT
S)を加速模擬した2段加熱を行ったものである。
鋭敏化熱処理を施したステンレス鋼のUCL試験結果に
よれば、SUS304鋼及び0.03%CのSUS304LN鋼は約1000時
間以内でIGSCCで破断しているが、他の低炭素SUS304、S
US316系鋼は約1000時間の試験に耐えている。
鋭敏化(595℃、24hr、炉冷)した304鋼の溶存酸素10
0ppm、289℃で行った単軸定荷量SCC試験により、炭素含
有量とSCC発生時間の関係を調べた結果によれば、炭素
含有量の多いほどSCC発生時間は短く、炭素含有量とSCC
の発生には相関がある事が示されている。同じく炭素量
C%と破断時間Trの関係を調べた結果を第33図に示す。
炭素量が多いほど寿命は短いが、炭素量が0.03%以下、
あるいは0.02%以下では鋭敏化しないため寿命は極めて
長くなる。
溶存酸素濃度DO=8ppmの場合の下限界値が0.03%、DO
=100ppmの場合の下限界値が0.02%である。材料の鋭敏
化そのものには溶存酸素は影響しないので、第33図の2
本の曲線を基にして炭素量の影響の評価線図を作成し
た。その結果を第34図に示す。炭素量Cと破断時間Trの
関係は Tr=0.567C−0.659+0.020 (15) で表される。そこで、炭素量の点数配分CarbonはC=0.
08%を基準として TR1=((0.08−0.029)/0.585) −0.65 TR2=((C−0.029)/0.585) −0.65 (16) Carbon。=TR1/TR2 で与えられる。
(6) 入熱量と溶接パス数 鋭敏化に影響するもう1つのパラメータは入熱量Qで
ある。入熱量Qと鋭敏化程度の関係を詳細に検討した結
果は見当らない。ストラウス試験による溶接部の粒界部
の粒界侵食深さDpと入熱量Q(KJ/cm)の関係について
は第35図のような結果が得られる。一般的にはQ<20KJ
/cmであればIGSCCは生じないとされている。一方、SUS3
04鋼溶接継手のストラウス試験結果によれば、Q=10,2
0及び40KJ/cmの入熱量によりそれぞれHAZが鋭敏化して
いたが、特に低入熱で溶接パス数を多い場合に鋭敏化が
著しいという結果が得られている。従って鋭敏化に及ぼ
す入熱量Qの影響については溶接パス数との兼合いを考
慮しなければならないが、ここでは第35図の結果に従
い、仮にQ=15KJ/cmで入熱量の影響度Heat=0、Q=5
0KJ/cmでHeat=1として、その間は比例するものとして
評価した。すなわち、入熱量の点数配分Heatは Heat=(Q−15)/35 (17) と表される。
(7) 温度 破断時間Trに及ぼす温度Tの影響は第30図に示したよ
うな結果が得られている。温度T=250℃付近において
最も短時間でSCCが起こり易く、それよりも温度が高く
ても、低くても破断時間は長くなる。そこで、第36図は
T=250℃における破断時間Trを基準として1/Trについ
てプロットしてある。図中に示したようにT=240〜250
℃をノーズにしているが、データはT=160℃とT=250
℃、及びT=250℃とT=300℃を直線で結んだ線上ほと
んど載っている。従ってTrは 250℃<T<300℃ Tr=50/(300−T) 240℃<T<250℃ (17) Tr=1 160℃<T<240℃ Tr=90/(T−160) と表わすことができる。従って、温度パラメータに対す
る点数配分TempはT=288℃に対するTr=4.17を基準に
した比で Temp=Tr/4.17 (18) と与えられる。
(8) モリブデン モリブテンMoの添加は不動態皮膜を強化する。SUS316
ではMoは2〜3%が添加されている。第37図はステンレ
ス鋼を脱敏化処理として700℃×30hr+500℃×7daysの
2段熱処理を施したものについて250℃、DO=20ppmの純
水中でCBB試験した結果である。Mo無添加の場合には、
最大割れ深さDpは270μmであるが、Moを0.5%添加する
と、Dpは40μmまで浅くなり、SCC感受性は喪失され
る。Dp=100μmがSCC感受性の目安とされるから、Mo添
加の下限界値は約0.027%となる。
Mo添加の影響を数式化した結果、 Dp=280−1008Mo+1542Mo2−1133Mo3+395Mo4−52.6Mo5 (19) が得られた。ここでは上式においてDp=280を基準にし
て点数配分を行い、 Mo=(280−1008Mo+1542Mo2−1133Mo3+395Mo4−52.6Mo5)/280 (20) とした。
(9) 残留応力 オーステナイト系ステンレス鋼のIGSCCは応力、境
環、鋭敏化の3者があいまって初めて発生する。そのう
ち応力に関しては前述したように負荷応力は小さくて、
溶接による残留応力が大きい。残留応力は配管径や入熱
量、溶接パス数などの条件によって異なる。残留応力は
高い場合には軸方向、周方向共に降伏応力以上の値を示
すことがある。しかし入熱量や溶接パス数などの影響が
大きいために残留応力値のバラツキが大きいので残留応
力を管径で整理することは現状では困難である。流水冷
却と噴水冷却の2通りの水冷溶接による残留応力改善効
果を調べた結果によれば、軸方向、周方向の残留応力は
水冷溶接では管径が大きい程高い圧縮応力となる傾向が
みられる。4B管以下では水冷溶接でも一部引張残留応力
となるところもあるが、通常の溶接による場合と比較す
ると著しく改善されるようである。
第38図に自然冷却、流水冷却の水冷溶接(HSW)、並
びに最終溶接パス水冷溶接(LPHSW)の場合のHAZ部にお
ける軸方向残留応力に及ぼす管径の影響の評価線図を示
す。HSW、及びLPHSWの場合の残留応力σrは2B管のよう
に非常に小さい管径のものを除けば、圧縮側であるので
問題はない。残留応力σrは管径Dの関数として、それ
ぞれ次式で表される。
HSW: σr=12.1−5.62D+0.65D2−0.40D3+0.0012D4 (21) LPHSW: σr=12.3−5.64D+0.70D2−0.045D3+0.0014D4 (22) 一方、通常溶接の自然冷却の場合は精度良い評価式が
ないため、ここでは実測値の最大値で評価するものとし
た。その場合、残留応力σrは σr=21.5+3.78D−0.061D2+0.039D3−0.0012D4 (23) と表される。このような溶接方法毎の残留応力評価式に
より求めた残留応力Residualを負荷応力に加えて全体の
応力σを算出するものとする。
(10) 局部補修溶接(Repaire) 組立てが完了したSUS304鋼配管、あるいは運転を開始
したプラントのSUS304鋼配管のIGSCCを防止するために
水冷再溶接法が開発されている。この溶接法は既に通常
の方法による溶接が終了した配管溶接部の外表面側をあ
る深さまで環状に削り取り、改めて内面を水冷しながら
溶接するものである。水冷溶接後の配管内面は全て圧縮
応力に改善されることが研究結果により明らかにされ、
本溶接法が十分に有効であることが知られている。
ところで配管溶接終了後には必ず溶接部の放射線検査
が実施される。そこで欠陥が検出されると補修溶接が行
われることになる。局部補修水冷溶接は水冷再溶接法を
補修溶接に応用したもので、欠陥部周辺を局部的に削り
取って水冷再溶接を行うものである。しかし、全周を環
状に削り取って再溶接する場合よりも、溶接幅、溶接長
さ、溶接深さ、溶接個所、配管径、溶接手順の影響を受
けて残留応力は複雑になるものと思われる。ところがこ
れらのパラメータについて系統的には検討されていな
い。一部で実験室的で行われた結果によれば、補修溶接
長さが長い場合には十分な圧縮残留応力であるが、短い
場合には引張残留応力となることがある。特に4B管では
補修溶接長さが60mm以下では軸方向、周方向共に高い張
引応力であり、IGSCCが発生することが予想される。前
述したように補修溶接による残留応力については種々の
パラメータが影響しており、一義的に決められるまでに
は至ってないので、ここでは水冷補修溶接の場合につい
て、溶接長さの影響についてのみ評価した。便宜上、溶
接長さl=60mm以上では補修溶接の影響はないものと
し、l=30mmで影響は最大で、破断時間はl=60mmの1/
2とし、溶接長さがl=30mmより更に短くなった場合に
は影響が小さくなって、l=30〜60mmとl=10〜30mmの
間は直線内挿とした。
(11) グラインダ加工(Prosess) オーステナイト系ステンレス鋼の鋭敏化は溶接による
熱影響だけでなく、旋削、研削、グラインダ、その他の
機械加工の影響を受ける。グラインダ加工と鋭敏化熱処
理の種々の組合せ条件のものでBWRプラント炉水影響を
苛酷側で模擬した高温純水中(288℃、溶存酸素26ppm)
におけるIGSCC感受性を調べた結果によれば、グライン
ダ加工による引張残留応力の効果は熱処理グラインダ加
工したものにみられ、熱処理後エメリーペーパーで研摩
したものには圧縮残留応力の効果が認められる。
また、IGSCC発生限界応力が調べた結果によれば、溶
接化処理(SHT)を施した非鋭敏化材ではグラインダ加
工しても、高い負荷応力にも拘らず104時間経過後も破
断しないこと、グラインダ加工後に鋭敏化熱処理を施し
たものは高い負荷応力では鋭敏化材よりも更に短時間で
IGSCCを生じるけれども、低い負荷応力では破断時間は
長くなる。そしてIGSCC発生限界応力が存在し、ほぼSm
値に等しい約12kg/mm2であることが分かっている。一
方、グラインダ加工、溶接、低温鋭敏化処理(LTS)の
順序を変えた場合のUCL試験結果によれば、溶接のまま
(W)では6本中5本が破断しているが、その破断時間
は比較的長時間である。更に、溶接前あるいは溶接後に
グラインダ加工を施したGr+W、及びW+Gr条件では、
それぞれ26〜3052hr及び60〜707hrの範囲で全試験片が
破断しており、W条件よりも短時間である。W=Gr条件
の場合、グラインダ加工による引張残留応力がIGSCCを
促進したものと思われる。Gr+W条件ではグラインダ加
工による引張残留応力は溶接によって消失してしまうの
で、グラインダ加工の影響は加工によって生成された結
晶内部の転位や空孔などの格子欠陥が粒界炭化物の析出
を促進した、言い換えれば鋭敏化を促進したものと思わ
れる。上記3条件にLTS処理を加えた条件では破断時間
は全体的に短時間である。低炭素量のSUS304L、304NG、
316NG、347にGr+W+LTS条件を施した場合のUCL試験結
果によれば、6000hr以上でも全て未破断である。このよ
うにSUS304鋼溶接継手部のSCC感受性は溶接のままでは
比較的低いが、グラインダ加工あるいはLTS処理が施こ
されると著しく高くなることが分る。しかしながら、同
じグラインダ加工と言っても材料、施工方法、施工者に
よって、その程度が異なるので定量化が困難である。
第39図はUCL試験結果における破断時間を対数正規確
率紙にプロットしたものである。各処理条件毎の破断時
間分布ほぼ対数正規分布とみなされ、その平均破断時間
から大略の影響の定量化が行い得るものと思われる。そ
こでグラインダGと溶接W、及びLTSとの組合せにより Gr+W+LTS>LGr+W+LTS>Gr+W>W+Gr>Wの
順に鋭敏化度が高いとした。ここでLGrは軽いグライン
ダ加工の意味である。溶接のまま(W)の場合の評価に
は第22図の621℃、24hrの鋭敏化処理についての破断曲
線を用いた。グラインダ加工Grと溶接WとLTSの効果は
第39図の50%破断率よりWはTr=5000hr、Gr+WはTr=
600hr、Gr+W+LTSはTr=80hrとなるので、Wに対する
Trを基準として破断時間を補正した。また、Wだけでは
SCC発生限界応力σwは約15kg f/mm2であるのに対し
て、Gr+Wではσwは約12kg f/mm2まで低下する。それ
らを勘案して上記5ケースに分けた場合の破断曲線を第
40図のように設定した。それぞれの曲線は次式で与えら
れる。
W: Tr=((σ−13.98)/82.5)−2.314 (24) W+Gr: Tr=((σ−12.48)/64.8)−2.415 (25) Gr+W: Tr=((σ−10.48)/56.8)−2.548 (26) LGr+W+LTS: Tr=((σ−9.98)/39.6)−2.660 (27) Gr+W+LTS: Tr=((σ−8.98)/29.4)−2.786 (28) このような製造履歴についての点数配分Processとし
ては、通常溶接による鋭敏化を基準とするものとして、
(24)式から得られる破断時間Trを(25)〜(28)式で
得られる破断時間Trで割ったものを採用する。
以上はデータベースに基づくSCC破断時間等におよぼ
す主たる影響因子についての点数配分結果である。他の
要因についても応力腐食割れデータベースを作成して、
データベース検索プログラムを利用すれば、それぞれの
因子がSCC破断時間におよぼす影響を評価することがで
きる。即ち、主だった因子の基準値を、例えばDO=80〜
100ppm、PH=6.5〜7.5、C1=0ppm、TEMP=270〜290℃、
σ27.5〜32.5kg f/mm2のように設定して調べたい因子と
破断時間との関係を求めれば良い。
(12) 運転履歴 次に、運転履歴については第41図に示すように、プラ
ントの設計寿命範囲において様々な履歴を受ける。当然
SCC破断時間Trは負荷応力や環境に大きく影響されるの
で、個々の運転パターン毎に被害を計算して、定期検査
に至った時点で累積被害を求めることになる。即ち、第
41図のようなプラント運転履歴データベースを基に、静
的荷重によるSCCの累積被害と、動的荷重による疲労被
害を計算する。いま、静的応力σが保持された時間を
tiとし、その応力および環境条件におけるSCC破断時間T
riであるとすると、その応力による被害はDiはDi=ti/T
riとなる。従って、全ての静的荷重に対する累積被害D
は D=Σti/Tri (29) で与えられる。動的荷重による疲労被害については後述
する。
次に、運転履歴に関する項目について示す。ここで
は、取敢えず運転時間と起動停止回数について検討し
た。
(1) 運転時間 運転時間TIMEについては累積被害と考えるものとす
る。
(2) 起動停止回数 前述したようにBWRプラントの起動停止の過渡段階で
は、水質が変動し、それがSCCに影響を及ぼすことが考
えられる。
純水中における起動模擬試験結果によると、非脱気の
場合には昇降温サイクル数が22回に達したときIGSCCで
破断したが、脱気の場合には昇降温サイクルが66回経過
後も未判断であった。次に、PH低下などの異常水質が生
じた場合を想定した1×10-6N硫酸(PH4)溶液中で脱気
及び非脱気パターンの起動時昇降温を繰り返し、鋭敏化
SUS304鋼のSCC破断サイクル数を比較した。その結果、
非脱気の場合には第1回目の昇降温サイクルで、脱気の
場合には第5回目の昇降温サイクルで破断した。このよ
うに脱気すれば非脱気に比べてSCC破断寿命が3〜5倍
以上延びることから、過渡運転時の脱気運転はSCCに低
域に有効であることがわかる。
原子炉炉水中の溶存酸素は原子炉炉内を減圧し、沸騰
が起れば速かに除去されると予想される。原子炉は起動
前に減気できる構造となっていることから、脱気運転を
試み、運転開始から定格運転に至るまでの溶存酸素測定
が実施されている。従ってSCC発生評価に当っては単に
プラントの起動停止回数に留まらず脱気運転と非脱気運
転の回転を考慮した評価が必要である。前述したよう
に、脱気した場合は高温純水中においてはSCC破断サイ
クル数は非脱気に比して3倍以上でも破断していない。
プラント毎に非脱気運転時のSCC加速条件は異なり、一
概に非脱気運動のSCC加速効果を決定することはできな
いが、ここでは非脱気運転のSCC加速効果を2.5%と設定
した。即ち、起動に要した時間に2.5%上乗せして運転
時間に加える、或いは、非脱気起動の回数をSSNUMとす
れば、起動に要する時間SSは大体一定であるので、 STIME=SS×1.025×SSNUM (30) を運転時間TIMEに加えるものとした。
(SCC発生予測の評価方法−その1) 以上のような点数配分からのSCC発生予測の評価方法
としては、個別のパラメータの和を、応力STR、材料MA
T、環境ENV、及び履歴HISTにまとめて検討した。すなわ
ち、応力、材料、環境の総合点数をそれぞれSTR、MAT、
ENVとして、 MATは炭素量Carbon、モリブテン量Mo、入熱量Heat、
製造履歴(グラインダ加工と溶接の手順の組合せ)Proc
ess、等により、 STRは内圧による応力Load、熱応力Thermal、拘束応力
Const、溶接法による残留応力Residual、および補修溶
接Repair、等により、 ENVは溶存酸素量DO、温度Temp、塩素イオン濃度Cl、P
H、および隙間Crevice、等により評価した。
運転時間TIMEと非脱気起動回数SSNUM、等は履歴HIST
として評価するものといた。
ここで、応力に関しては内圧による応力Load、熱応力
Thermal、拘束応力Const、溶接法による残留応力Residu
alの和から求められる全応力を(2)式に代入して得ら
れる破断時間Trを基準破断時間とする10000hrで割った
ものを改めて応力の点数配分Stressとすれば、 のように表して、材料の製造履歴、使用環境における基
本的評価基準を求める。ここでNi,Nj、Nkは影響因子の
数である。履歴については、例えば、10000時間使用を
基準として、 HIST=(TIME+STIME+…)/(10000・Nl) (32) のように表す。以上の4つの総合点の和により、 P=(STR+MAT+ENV+HIST)/4 (33) で検査基準パラメータPを求める。Pの値が1に近けれ
ば、き裂の発生している可能性が高く、0に近ければ、
き裂の発生している可能性が低いことになる。
(SCC発生予測の評価方法−その2) 別の方法として、個別のパラメータが互いに影響し合
うものとして、 のように表し、 P=STR×MAT×ENV×HIST (35) で検査基準パラメータPを求める。
(SCC発生予測の評価方法−その3) 一方、IGSCCは前述したように、応力、材料(鋭敏
化)および環境の三者が共存して初めて発生するもので
ある。そこで、それぞれのパラメータが応力、材料、環
境のそれぞれに及ぼす影響程度を前述した評価式になる
点数配分で評価し、更に、応力、材料、環境の総合点数
の独立変数、二重積変数及び三重積変数の和により検査
基準パラメータPは評価するものとした。
独立変数和SUM1、二重積変数和SUM2及び三重変数和SU
M3はそれぞれ である。ここで、SS1,SS2,SS3,M1,M2,M3,N1,N2,N3は係
数である。次に、検査基準パラメータPは SUM=SUM1+SUM2+SUM3 (37) のように表わす。データベース検索プログラムにより、
実験により得られたデータを検索して、どのデータにつ
いてもPがほぼ1に等しくなるように(36)式の係数を
決定する。
(SCC発生予測の評価方法−その4) 別の方法を以下に示す。前述した各影響因子の点数配
分は全て、各影響因子と破断時間との関係、或いはその
影響因子を振った条件での負荷応力と破断時間の関係を
求めて数式表示したものであるので、破断確率を個別に
求めていることになる。即ち、各影響因子と破断時間と
の関係から破断時間が求まり、それと基準曲線である第
22図に示した応力−破断時間の基準曲線の条件との相違
を補正することにより確率が基まる。また、影響因子の
条件によって応力−破断時間曲線が異なる場合にはその
影響因子に対する曲線に応力を代入して破断時間Trを求
め、その影響因子における基準曲線から得られる破断時
間Tr′との比から発生確率を求める。そして、そのパラ
メータに対する基準曲線の第22図に示した応力−破断時
間の基準曲線との条件の相違に従って発生確率の補正を
行う。次に第22図に示した応力−破断時間の基準曲線に
全応力を代入して得られた破断時間Troを全影響因子に
よる確率で割ってやれば、予想される破断時間TTRが求
まる。最後に、運転履歴から補正された運転時間HIST=
STIMEによりTTRを割って検査基準パラメータPを P=TTR/HIST (38) と求めることができる。
(運転履歴の評価方法) 運転履歴に関して、第41図においては内圧と流体温度
が示されているが、内圧により応力Load、流体温度より
熱応力Thermalと高速応力Constが計算されているので、
それらの和から全応力を求める。温度一定、応力一定の
場合にはその応力における持続時間を運転時間TIMEとし
て、その環境じょうけんいおける被害を、言い換えれば
破断時間TRを求めて運転時間TIMEで割ることにより、被
害を計算する。過渡状態では、例えば1時間毎にその平
均の応力、温度、環境、等の条件を求めて時間当りの被
害を計算し、それらの総和から検査基準パラメータPを
求める。
従って、プラント運転履歴データベース記録装置4に
検査対象箇所毎の運転履歴を試運転を含めたプラント稼
動開始後の運転パターン(内圧、温度、等)を記録させ
ておいて定期検査毎に累積被害を計算して検査基準パラ
メータPを計算する。基本的にはSCCや腐食疲労、熱疲
労のデータベースが変わらない場合には、定期検査毎に
評価した検査基準パラメータPをプラント運転履歴デー
タベース記録装置4に運転履歴と共に記録させておき、
次の運転期間中の運転パターンについてのみ検査基準パ
ラメータPを計算して、前回までの検査基準パラメータ
Pに加えたものを改めてその定期検査時における検査基
準パラメータPとする。但し、データベースが拡張され
て後述の判定基準プログラムにより判定基準、言い換え
れば、点数配分が変更となった場合には改めて運転開始
時からの検査基準パラメータPを求めるものとする。
(判定基準データ再作成の具体例) データベースの拡張に伴う点数配分の再作成を自動的
に行う判定基準作成プログラムについて以下に示す。第
22図から第40図に示したように各影響因子と侵食深さ、
或いは破断時間との関係、または、負荷応力と破断時間
の関係に及ぼす各影響因子の影響を検討した結果を、一
旦判定基準データベースとして判定基準作成手段7に記
憶させる。その場合第22図から第40図のような関係を求
めた時の条件もデータベースの中に合わせて記憶させて
おく、データベースが拡張された場合、もし、それが前
述したようなパラメータ以外の新しいパラメータについ
ての整理結果であれば、それについて近似式を前述した
ような方法により作成して点数配分を行う。或いは、す
でに整理してある影響因子についてのものであれば、そ
の影響因子について近似されているデータベースに追加
した上で、改めて近似式を作成する。
点数配分の再作成の別の方法としては、例えば、第34
図のような炭素量Carbonと破断時間Trとの関係を数式近
似する場合に、DO=100±10ppm、Cl=0ppm、PH=7±0.
7、TEMP=228±28.8℃、σ=20±2kg f/mm2、……のよ
うにある程度の範囲で検索条件を設定して、全てのデー
タベースを検索して、炭素量Carbonと破断時間Trとの関
係のデータベースを作成して、そのデータベースについ
て数式近似して点数配分を行うものがある。この方法に
よれば、入力されたデータベースの全ての影響因子につ
いて自動的に点数配分を設定することができる。即ち、
例えば、各影響因子の最大値と最小値の間を10分間する
ことにして、個別の影響因子毎に検索範囲を自動指定し
て検索し、各影響因子と破断時間、或いは侵食深さ等と
の関係を作成して、数式近似して点数配分を行うもので
ある。
(SCC以外の欠陥発生の予測評価) 以上は、主に応力腐食割れ(SCC)についてのデータ
ベースを基に述べたが、腐食疲労や熱疲労についても全
く同様な手法によりき裂発生を予測することが可能であ
る。第42図は高温純水中において得られたステンレス鋼
のS−N曲線である。同図を基に、第41図に示したよう
な運転履歴データベースから疲労による応力変動を評価
して累積被害を求めてき裂の発生予測を行うものであ
る。この場合には検査象箇所の形状係数や、応力集中係
数、或いはひずみ集中係数、等を明らかにして応力の割
増を行い、ある応力振幅での繰返し数niをその応力振幅
での破断繰返し数Nfで割り、それらの全応力波形に対す
る累積被害を、いわゆる線形損傷則に従って評価する。
即ち、 D=Σ(ni/Nf) (39) により累積被害Dを計算する。
第43図は高温純水と低温純水に交互に曝された場合に
生じる熱疲労のS−N曲線である。ここで、縦軸は試験
中の荷重から得られた応力振幅であるが、一般に熱疲労
では応力振幅を直接求めることはできないので、有限要
素法、等により検査対象箇所の温度変動、及び周波数と
熱応力振幅との関係を予め求めておいて、温度を測定す
ることにより熱応力振幅を評価できるようにしておくこ
とが必要である。累積被害の計算方法は腐食疲労の場合
と同じである。腐食疲労と熱疲労の場合には累積被害D
が検査基準パラメータPとなる。
検査基準判定プログラムにおいては、得られた検査基
準パラメータPにより検査程度を決定する。検査基準パ
ラメータPが大きい、即ち、1に近いということはき裂
の発生確率が高いことを意味している。定期検査では通
常超音波探傷法による検査が実施されるが、検査基準で
決められた検査方法で検査すればき裂を見落とす可能性
がある。そこでき裂の発生確率が高い場合には超音波探
傷法における測定ピッチを細かくして、見落としを防止
することが重要である。逆に検査基準パラメータPが小
さい、即ち、0に近いということはき裂の発生確率が低
いことを意味している。この場合には検査基準に定めら
れた検査方法に従って検査すれば良い。しかしながら、
き裂の発生確率が小さいにも拘らず、基準に従って検査
するのは定期検査期間短縮の観点からは非効率的であ
る。そこで、検査基準パラメータPが極めて小さい場合
には検査を省略しても良い。或いは、検査基準パラメー
タPの大きさに応じて超音波探傷の測定ピッチを変えて
も良い。例えば、P<0.3であれば、通常検査の倍のピ
ッチで検査、0.3<P<0.6であれば、通常のピッチで検
査、0.6<Pであれば、通常検査の半分のピッチで検査
する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果を
奏する。
欠陥発生に関する各種の既知データが集積されてなる
データベースと、このデータベースに基づいて欠陥発生
に及ぼす影響因子と欠陥発生の因果関係を解析して各影
響因子の影響度合を評価し、欠陥発生の判定基準データ
を確立することから、予測に係るデータベースが充実さ
れるとともに、最適かつ合理的な欠陥発生の判定基準デ
ータが提供され、これに基づいて精度の高い欠陥発生の
予測が可能となる。したがって、これにより定期検査の
程度などの検査基準を正しく判断又は決定することがで
き、検査の合理化、作業の軽減、期間の短縮などに寄与
することができる。
また、前記判定基準データと検査対象に係る影響因子
の実績データを含んでなる評価対象データに基づいて当
該検査対象の欠陥発生を予測する検査基準判定手段を設
けたものによれば、上記効果に加え、欠陥発生の予測が
自動処理によりなされるという効果があり、検査基準の
判断、作成がきわめて容易になり、合理的で信頼度の高
いものとなる。
また、データベースを欠陥種類と運転履歴に分類する
とともに、新たな既知データを補充するようにしている
ことから、予測の信頼度が向上する。そして、これらデ
ータベースから影響因子と欠陥発生の因果関係を分析し
て関数近似して判定基準データを設定していることか
ら、最適かつ合理的な予測を可能とし、また予測処理時
間を短縮可能となる。
また、欠陥発生の予測を前記判定基準データである近
似関数と合まって、点数配分による総合点により行なう
ようにしていることから、各影響因子を総合的に反映し
た精度の高い予測となる。特に、各影響因子の相乗作用
を考慮すれば、一層実情に沿したものとなる。
また、このようにして得られた評価対象データに基づ
く予測結果と、データベースを直接検索して得られた評
価対象データに略一致する欠陥発生データとを比較し
て、予測結果を検証していることから、一層予測の信頼
性が向上する。
また、判定基準データを応力又は温度に対する破断時
間と破繰返し数を表わした基準曲線としていることか
ら、検査基準判定手段は評価対象データに係る欠陥発生
確率を直接的に求めることが可能となる。また、上記の
ようにして得られる予測結果に対応させて予め検査の重
点化度などの検査基準を定めておくことにより、検査対
象のデータを入力するだけで、最適かつ合理的な検査基
準を得ることができるので、定期検査の合理化、作業の
軽減、期間の短縮に寄与し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図と第3図は
第1図実施例に係る処理手順を示すフローチャート、第
4図から第10図はそれぞれデータベース作成のためのCR
T入力画面の内容を示す図、第11図から第13図はデータ
ベース作成・検索プログラムのフローチャート、第14図
は事例データベース作成のためのCRT入力画面の内容を
示す図、第15図はデータベース検索プログラムのフロー
チャート、第16図から第20図はデータベース検索のため
のCRT入力画面の内容を示す図、第21図は検索結果の出
力表示例を示す図、第22図から第40図はそれぞれ応力腐
食割れ発生の影響因子についてのデータベースの一例
図、第41図はプラント運転履歴の一例図、第42図は腐食
疲労のデータベースの一例図、第43図は熱疲労のデータ
ベースの一例図である。 1……応力腐食割れデータベース記憶装置、 2……腐食疲労データベース記憶装置、 3……熱疲労データベース記憶装置、 4……プラント運転履歴データベース記憶装置、 5……中央演算処理装置、 6……検査基準判定手段、 7……判定基準作成手段、 8……CRT、 9……プリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−213550(JP,A) 特開 昭62−276470(JP,A) 火力原子力発電,36[10] (1985) 古泉,P.1057−P.1066 化学工学,48[3] (1984) 今 村,P.183−P.187 Struct Saf Reliab 31 (1985),P.▲III▼.429 −▲III▼.438 US DOE REP,[EPRI− NP−856] (1978),Zircal oy Cladding Deform ation and Fracture Analysis,190p

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象の欠陥発生に関する各種の既知デ
    ータが集積されてなるデータベース記憶手段と、該デー
    タベースに基づいて欠陥発生に及ぼす影響因子と欠陥発
    生の因果関係を解析して各影響因子の影響度合いを評価
    し、欠陥発生の判定基準データを確立する判定基準作成
    手段と、前記判定基準データと検査対象に係る影響因子
    の実績データを含んでなる評価対象データに基づいて当
    該検査対象の欠陥発生を予測する検査基準判定手段とを
    具備してなり、前記検査基準判定手段は、前記判定基準
    データに基づいて評価対象データの各影響要因に係る影
    響度合いを点数配分により求め、それらの評価点の総合
    点から欠陥発生を予測するものとした欠陥発生予測装
    置。
  2. 【請求項2】前記判定基準データが、各影響因子の欠陥
    発生時間又は欠陥発生繰返し数に及ぼす影響度合いを関
    数で近似したものである請求項1に記載の欠陥発生予測
    装置。
  3. 【請求項3】前記判定基準データが、各影響因子の欠陥
    発生時間又は欠陥発生繰返し数に及ぼす影響度合い関数
    で近似し、さらに当該因子に係る所定の評価基準値につ
    いての影響度合いとの相対値により表した評価関数であ
    る請求項1に記載の欠陥発生予測装置。
  4. 【請求項4】前記判定基準作成手段は、新たなデータベ
    ースの追加があった場合に、追加されたデータを含め
    て、前記判定基準データの関数を近似し直す点数の再配
    分機能を有するものである請求項2又は3に記載の欠陥
    発生予測装置。
  5. 【請求項5】欠陥発生の予測に係る総合点は、各影響因
    子の独立変数和、2つの影響因子が相乗効果を持つ場合
    の二重積変数和、および3つの因子が相乗効果を持つ場
    合の三重積変数和である請求項1乃至4のいずれかに記
    載の欠陥発生予測装置。
  6. 【請求項6】前記検査基準判定手段は、前記データベー
    ス記憶手段を検索して前記評価対象データに略一致する
    ものを読み出し、これにより前記総合点による予測結果
    を検証するものとした請求項1乃至5のいずれかに記載
    の欠陥発生予測装置。
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