JP2744906B2 - ブレード取り外し装置を備えたガード付き外科用メス - Google Patents

ブレード取り外し装置を備えたガード付き外科用メス

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JP2744906B2 JP8274724A JP27472496A JP2744906B2 JP 2744906 B2 JP2744906 B2 JP 2744906B2 JP 8274724 A JP8274724 A JP 8274724A JP 27472496 A JP27472496 A JP 27472496A JP 2744906 B2 JP2744906 B2 JP 2744906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外科用メスに関
し、より特定すると、治療専門家が手術室において外科
手術する際に外科用メスを取り扱うときに不意に切り傷
を負うのを防止するためにブレードをカバーするために
使用することができる後退可能なブレードガードを備え
た外科用メスに関する。更に、本発明は、外科手術中に
又は外科手術の終了時に廃棄するためにブレードを柄か
ら取り外すための独特の機構に関する。更に、本発明
は、外科用メスの清掃及び殺菌を容易にするために部分
的に分解することができる外科用メスに上記の特徴の全
てを結合する。最後に、本発明は、清掃及び殺菌が必要
とされる前に外科用メスが不用意に分解するのを防止す
る係止機構を含む。
【0002】
【従来の技術】メスは、通常、手術中に患者の体を切開
するために外科医及びその他の治療従事者によって使用
される。典型的には、看護婦は、外科医が患者から自分
の目をそらすことなくメスの柄を把持できるように予め
定められた方向でメスを外科医に手渡す。メスが台の上
に置かれいるときに看護婦が偶然にメスに触れたり、メ
スを取り上げるときに十分な注意を払わない場合又はメ
スが外科医に渡されるときに所定の向きが正確に守られ
ない場合には、看護婦又は外科医の手がメスのブレード
によって切られるか又は傷付けられるかもしれない。外
科医がメスを看護婦に手渡しで戻すときにも、ブレード
によって切られるか又は傷付けられるという同じ危険性
に遭遇するかもしれない。
【0003】これらの切り傷は不快なものであり且つ気
を散らすものである。更に、これらは、病院内の手術室
又はその他の場所において患者と外科医又は他の治療従
事者との間で血液又は体液が露呈される結果となる。こ
のことは、患者と治療専門家との間に伝染病が広がるこ
とにつながるかもしれない。このような状況に関する問
題は、後天性免疫不全症候群すなわちエイズや肝炎のよ
うな病気があるために、特に重大になって来ている。
【0004】外科用手袋は、外科手術において切り傷を
負う機会を減らす助けとなるけれども、誤操作を防止す
るものではない。更に、二組の手袋が使用される場合で
さえ、メスのブレードは両方の手袋を貫通して切れるの
で、治療従事者に十分な保護を提供しない。また、二組
の手袋を使用すると、外科医の指の機敏さを低下させ且
つ外科医の気を散らし且つ意図する外科処置に影響を及
ぼす。
【0005】取り扱い中に偶然に切り傷を負うのを防止
するか又は切り傷を負う機会を少なくとも最少にする外
科用メスの必要性の観点から、多くのガード付きの外科
用メスが最近設計されている。残念なことに、これらの
設計は、使用が煩わしく且つ難しく、シールド又は露出
が必要とされる前にメスのブレードの不所望のシールド
又は露出を生じるかもしれず、又は、ブレードをシール
ド又は露出させるためにユーザーによるかなりの注意を
必要とするので、不完全なものである。更に、これらの
従来の設計は、外科処置の間又は最中に、ブレードを柄
から取り外すための安全で且つ効率の良い方法を提供し
ないので、不十分なものである。典型的には、ブレード
の刃根はユーザーの手によって又は把持部材によって挟
まれて柄から引っ張り出されなければならない。この方
法は、ユーザーの手が刃根を把持するために使用される
場合には、ユーザーがブレードを取り外そうとすると切
り傷を負う危険にさらされるので望ましくない。更に、
把持部材が使用される場合であっても、この方法は厄介
なものである。
【0006】これらのガード付き外科用メスの構造の別
の欠点は、清掃及び殺菌が難しいことである。これらの
構造は、典型的には、(i)ブレードを覆っているガー
ドを伸長させ又は後退させるか、又は(ii)ブレードを
柄から又は柄へと伸長させ且つ後退させて治療専門家と
ブレードの鋭い切断端縁との間の接触を防止するある種
の保護機構を含んでいる。通常は、保護機構の大部分は
柄の内側にある。このことにより、外科処置においては
血液及びその他の体液がメスの内側及び外側の大部分を
汚染するので、ガード付きの外科用メスは清掃するのが
難しい。実際、外科処置におけるある箇所においては、
メス全体が体液の中へ浸漬されることが珍しくない。不
幸にも、典型的には、これらのメスは、外科処置が終わ
った後すぐに清掃されない。実際には、メスが再使用の
ために清掃され且つ殺菌されるまでに相当の時間がある
かもしれない。使用されたメスを汚染している体液は、
この時間中に乾燥してメスにしっかりと付着した部分は
硬くなるであろう。従って、使用されたメスを洗浄液に
浸漬して完全に清掃するのは容易なことではない。浸漬
する代わりに、表面の何箇所かは、研磨剤によってこす
り取らなければならない。メスのこれらの部分、特に、
シールド機構のようなメスの内側に収容されている部分
にとって、このような作業は困難であり又は不可能でさ
えあるかもしれない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、治療専門家がガード付きの外科用メスを取り扱うと
きに切り傷を負う機会を避けるか又は少なくとも最少に
するガード付きの外科用メスを提供することである。
【0008】本発明の別の目的は、使用し易く且つガー
ドが片手で操作できるガード付きの外科用メスを提供す
ることである。
【0009】本発明の更に別の目的は、必要とされるま
でブレードをシールドさせない又は露出させないガード
付きの外科用メスを提供することである。
【0010】本発明の更に別の目的は、ユーザーがガー
ドの動きを観察したり、操作に過度の注意を払う必要な
く、使用することができる外科用メスを提供することで
ある。
【0011】本発明の更に別の目的は、使用後に柄から
ブレードを安全且つ効率良く取り外すことを可能にする
ガード付きの外科用メスを提供することである。
【0012】本発明の更に別の目的は、使用後に容易に
清掃できるガード付きの外科用メスを提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、柄と、同柄に
作動可能に結合されたブレード支持部材と、柄の中のブ
レード支持部材の周りに入れ子式に取り付けられて後退
位置と伸長位置との間を摺動できるガードと、を含むガ
ード付きの外科用メスからなる。ガードと柄との間に
は、柄上におけるガードの伸長位置と後退位置とを規定
するための特有の止め機構が設けられている。この止め
機構は、柄の少なくとも一方の側壁に形成された上方に
曲がった端部を備えた孔と、内部に形成された横方向に
延びているフランジを有するガード内に形成された可動
の頂壁と、を含んでいる。このフランジは、柄の側壁内
に形成された孔内に係合し且つ乗っている。ガードと頂
壁とフランジとは、ガードが十分に伸長した位置及び十
分に後退した位置に位置しているときに、孔の端部の上
方に曲がった部分内に捕捉される。フランジのこの構造
と孔の上方に曲がった端部とにより、ガードが十分に伸
長した位置及び十分に後退した位置にあるときに、ユー
ザーによるガードへの長手方向の力によってガードが長
手方向に動くのが阻止される。しかしながら、ユーザー
は、ガードの頂壁を単に押し込むだけでガードを動かし
てフランジを孔の端部の上方に曲がった部分との係合状
態から外すことができる。
【0014】ブレード支持部材には、典型的には、取り
外し自在にブレードが結合される。ガードの側壁の一方
の末端には、ブレードの刃根の基端に形成された切り欠
きと合致する切り欠きが形成されている。ガードの側壁
に設けられた切り欠きをブレードの刃根に設けられた切
り欠きと単に整合させることによって、ガードを前方へ
移動させると、ブレードをブレード支持部材から外すこ
とができるであろう。ガードの側壁に設けられた切り欠
きとブレードの刃根に設けられた切り欠きとの整合は、
ブレード支持部材上の可動の持ち上げ楔状部分によって
提供される。この持ち上げ楔状部分は、ブレードの刃根
とブレード支持部材との間に押し込まれて、ブレードの
刃根をブレード支持部材から持ち上がらせる。
【0015】ブレード支持部材は、柄に取り外し自在に
結合されており且つガードがブレード支持部材を越えて
摺動できるような向きとされている。ブレード支持部材
は、柄に取り外し自在に結合されているけれども、ガー
ドは、ガードのフランジが柄の孔内に保持されているこ
とによって、柄に結合されたままとなる。柄、ブレード
支持部材及びガードのこのような特有の配列によって、
ブレード支持部材とガードとを柄の内側から取り外すこ
とができる。これによって、本発明のガード付きの外科
用メスのシールド機構へのアクセスが容易になり、清掃
及び殺菌が容易になる。本発明のガード付きの外科用メ
スはまた、当該ガード付きの外科用メスが清掃され且つ
殺菌されるまで、ブレード支持部材とガードとが柄の内
側から不用意に外れるのを防止する係止機構をも含んで
いる。
【0016】ブレード支持部材は、末端に隣接して配置
された少なくとも1つのピンを含んでいる。この末端ピ
ンは、ブレード支持部材の長手軸線に直角で且つブレー
ド支持部材の両側を越えて外方に延びている。このピン
は、ガードの両側に形成された長孔内へ且つ同長孔を越
えて延び且つ柄の側壁内へと延びている。ピンを柄の側
壁内に収容するために、少なくとも1つのL字形状の孔
が末端に隣接した各側壁内に形成されており、従って、
ブレード支持部材上のピンがL字形状の孔内へ延びてい
る。このブレード支持部材もまた、基端に隣接して少な
くとも1つのピンを含んでいる。この基端のピンもま
た、ブレード支持部材の長手軸線に直角であり且つブレ
ード支持部材の両側を越えて柄の側壁内へと外方に延び
ている。このガードは、ブレード支持部材よりも短くて
基端のピンと干渉しないのが好ましい。末端ピンがL字
形状の孔内に配置されると、基端ピンは、柄の両側壁の
底部に形成された切り欠き内に配置される。末端ピンと
基端ピンとがこのような向きにある状態で、ブレード支
持部材は、柄と効率良く係合し且つ柄に係止される。使
用後には、ブレード支持部材の基端部分を押し込んでブ
レード支持部材上の基端ピンを柄の両側壁の底部に形成
された切り欠きから外すことができる。このことによ
り、ブレード支持部材が係合状態から外され且つ係止解
除されて、末端ピンがL字形状の孔の垂直部分と整合で
きるようになる。ブレード支持部材が上方に移動するこ
とによって、ブレード支持部材が柄から完全に脱係合状
態となることができる。ガードは、末端ピンを介してブ
レード支持部材に結合されているので、このガードもま
た、柄から離脱し、従って、ガード付きの外科用メスの
全ての部分が清掃及び殺菌のためにアクセス可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のガード付き外科用メス1
0は、柄20を含み、柄20は、摺動及び回転自在のガ
ード30と、柄20に取り外し自在に係止され且つガー
ド30に摺動自在に取り付けられているブレード支持部
材40とを有する。柄20、ガード30及びブレード支
持部材40の以下の説明は、これらの部材の一方の側面
のみに関するけれども、各部材の各々の側面は、はっき
りと述べる場合以外は、他方の側面と鏡像関係にあるこ
とは理解されるべきである。更に、以下において上方及
び下方と称する場合は、紙が立てかけられた状態で本発
明の外科用メスが図示されるている図面の頂部と底部と
を指している。
【0018】柄20は、2つの平行な側壁21,22
と、底壁23と、閉塞された基端24とを有する。柄2
0のこの構造は、内部に空間25を形成している。柄2
0の基端24は、手術中に使用することができる先の鈍
い解剖器具を提供するために、厚みの薄い部分に向かっ
て傾斜がつけられている。柄20の側壁21及び22
は、各々、ほぼ整合した長孔26を形成されているのが
好ましい。各々の長孔26は、柄20の長手軸線に対し
てほぼ平行である。更に、各長孔26の端部は、長孔2
6の主要部分から離れる方向に伸びている上方に曲がっ
た部分26’を有している。側壁21及び22にはま
た、各々、柄20の末端に隣接した少なくとも2つのL
字形状の孔27と、柄20の基端に隣接した切欠き28
とが形成されている。
【0019】快適で機能的な製品を得るために、柄20
は、全長が約10.62センチ(約4.180インチ)
で、全幅が約0.79センチ(約0.310インチ)
で、全高が約1.32センチ(約0.520インチ)で
あるのが好ましい。各長孔26は、全長が約4.76セ
ンチ(約1.875インチ)であるのが好ましい。
【0020】ブレード支持部材40は、このブレード支
持部材の長手軸線に直角で柄20の幅を広げるためにブ
レード支持部材の両側面を越えて延びている複数の横方
向ピン41,42,43を含んでいる。ピン43は、ブ
レード支持部材40の基端に隣接して配置されており、
一方、ピン41,42は、ブレード支持部材40の末端
に隣接して配置されている。ピン41,42,43は、
軌道リベット、化学接着、超音波接合若しくは超音波溶
接又はろう付けのようなあらゆる一般的な手段によって
結合することができる。別の方法として、ピン41,4
2,43は、ブレード支持部材40と一体成形すること
ができる。ブレード支持部材40は、ピン41及び42
がL字形状の孔27内へ延び、ピン43が切欠き28内
へ延びるように柄20のキャビティ25内に嵌合してい
る。ピン43が段部28a内にあるとき、ピン41及び
42は、L字形状孔27の水平部分内に延びていて、ブ
レード支持部材40を柄20に効率良く係止する。この
ようにして、ピン43が段部28aに有効に係止されて
いるので、ブレード支持部材40の末端に長手方向の力
がかけられても、ブレード支持部材40は動かないであ
ろう。同様に、ピン41及び42はL字形状の孔27の
水平部分内に係止されているので、ブレード支持部材4
0の末端に上方向又は下方向の力が加えられても、ブレ
ード支持部材40は動かないであろう。以下において更
に詳細に説明するように、ブレード支持部材40は、清
掃及び殺菌を容易にするために、柄20から取り外して
もよい。
【0021】ブレード支持部材40が柄20に係止され
ていると、ブレード支持部材40は、ブレード止め部4
9へと前方に延び且つ外側溝48が設けられた横方向に
延びている長手方向リブ49aを有している。ブレード
50は、溝48及びリブ49aと協働して、ブレード5
0をブレード支持部材40に取り付けてブレード50を
柄20に取り付けるための長孔51を有している。ブレ
ード50は、比較的薄く且つ極めて鋭い端縁を有し、ブ
レード支持部材40上のリブ49aの周囲にスナップ嵌
合される。ブレード支持部材40には、刃根57に形成
されている別の切欠き59とかみ合う切欠き44が形成
されている。この形状は、所望ならば、適切なブレード
のみがガード付きの外科用メス10と共に使用されるの
を確実にするために使用してもよい。
【0022】ブレード支持部材40に片持ちばねアーム
46を形成してもよい。片持ちばねアーム46の末端
は、ブレード止め部49を含んでいる。ばねアーム46
と楔状部分47とは、ブレード支持部材40上に整列せ
しめられて、楔状部分47の先端が付勢されない状態で
ブレード止め部49まで延びるようにされている。この
ようにして、楔状部分47の先端は、ブレード止め部4
9と刃根57との間の境目に既に位置している。押しボ
タン46aによってこの境目に向かって片持ちばねアー
ム46を動かすことによって、楔状部分47は、刃根5
7をブレード止め部49から離れる方向に移動させて、
ブレード50がブレード支持部材40から外れるのを容
易にする。好ましくは、片持ちばねアーム46は、長さ
が約2.54センチ(1インチ)で幅が約0.32セン
チ(約0.125インチ)である。楔状部分47がブレ
ード止め部49と刃根57との境目に向かって移動する
のを容易にするために、可撓性のヒンジによって片持ち
ばねアームがブレード支持部材40に結合されている。
【0023】楔状部分47とブレード支持部材40と
は、楔状部分47をブレード止め部49と刃根57との
境目に保持する戻り止め機構を提供するような形状とな
っている。このようにして、治療専門家は、刃根57を
持ち上げるためにばねアーム46を常に把持する必要が
ない。その代わりに、止め機構が、楔状部分47をブレ
ード止め部49と刃根57との境目に保持する。ブレー
ド50がブレード支持部材40から一度取り外される
と、止め機構は、ばねアーム46が非付勢位置へ戻るの
を許容する。別の方法として、ガード30の内壁上に肩
部を形成することができる。この肩部は、楔状部分47
がブレード止め部49と刃根57との境目に維持される
ようにばねアーム46を保持する。以下に説明するよう
に、ガード30がブレード50をブレード止め部49か
ら取り外すために一度前方へ進められると、ガード30
の肩部は、ばねアーム46を越えて配置されて、ばねア
ーム46が非付勢位置へ戻るのを許容する。
【0024】ガード30は、好ましくは、基端頂壁33
と末端頂壁34とによって結合されている2つの互いに
平行な側壁31,32を有している。側壁31,32の
末端部分は、標準的な外科用メスのブレードと類似の形
状を有しているのが好ましい。側壁31,32の末端部
分のこの形状を使用することにより、このガード付きの
外科用メス10のユーザーがガード付きの外科用メス1
0をどの向きで保持し使用するかを最初に理解するのを
助ける。側壁31及び32の各々には、側壁31及び3
2のほぼ全長に沿って延びている長孔を形成されてい
る。
【0025】末端頂壁34は、末端部分に沿ってのみ側
壁31及び32と結合されている。これによって、末端
頂壁34の基端部分が片持ち梁状に下方へ撓むことがで
きる。末端頂壁34の基端部分は、隆起部35を支持し
ていて、末端頂壁34の基端部分の下方への撓みを容易
にしている。別の方法として、末端頂壁34の基端部分
に止めボタンを形成して、末端頂壁34の基端部分の下
方への撓みを容易にすることができる。止めフランジ3
6を両側面において末端頂壁34の基端に隣接して配置
し、圧入、溶接又は化学接着によって接合してもよい。
別の方法としては、フランジ36が末端頂壁34に沿っ
て同頂壁と一体に形成されるのが好ましい。別個の部材
すなわちピンの代わりにフランジ36を使用することに
よって、ガード付きの外科用メス10の製造が容易にな
る。
【0026】ガード30は、入れ子式に動くように柄2
0のキャビティ25内に取り付けられるのが好ましく、
緊密でしかも可動である嵌合を許容するような寸法とさ
れるべきである。ガード30によるこのような動作を可
能にするために、ブレード支持部材40がガード30内
の中心に配置され、ピン41及び42がガード30の孔
39を介してL字形状の孔27内へと延びている。ガー
ド30をキャビティ25内に配置することによって、フ
ランジ36は、柄20の側壁21,22内に形成された
長孔26内へと延び且つ乗る。フランジ36は、ガード
30が十分に伸長するか又は十分に後退した位置にある
ときに、長孔26の端部に設けられた上方に曲がった部
分内へと付勢される。柄20の側壁21,22内に形成
された長孔26の長さは、ガード30が一杯に後退した
位置から一杯に伸長した位置まで動く量に等しい。
【0027】フランジ36が柄20の側壁21,22に
形成された長孔26の端部における上方に曲がった部分
に配置されると、ガード30は、伸長位置又は後退位置
に一時的に係止される。ガード30がこれらの位置のう
ちのどちらか一方にあるときにユーザーが不用意にガー
ド30へ長手方向の力をかけたてもガード30は動かな
い。ガード30を動かすためには、隆起部35を介して
末端頂壁34に下向きの力をかけてフランジ36を長孔
26の端部に設けられた上方に曲がった部分との係合状
態から外れるように動かさなければならない。このよう
にして、ユーザーがブレード50をシールドするか又は
露出させる必要がある前に不用意に動かす機会が最少に
される。更に、末端頂壁34従ってフランジ36が上方
に付勢されているので、ユーザーは、フランジ36が長
孔26の端部に設けられた上方に曲がった部分のうちの
一つと係合したときに、可聴のクリック音によってガー
ド30が一杯に伸長した位置又は一杯に後退した位置へ
と完全に移動したときを自動的に知るであろう。
【0028】ユーザーが快適な力によって末端頂壁34
を下方に撓ませるためには、末端頂壁34は、ガード3
0がステンレス鋼によって作られているときに、末端頂
壁34の最も末端の部分の約2.79センチ(約1.1
インチ)だけが側壁31,32に結合されていなければ
ならない。プラスチックのようなより軟らかい材料が使
用される場合には、この距離はより短くすることができ
る。この構造のためには、末端頂壁34に上方の孔が形
成される。これらの上方孔は、約1.65ミリ(約0.
065インチ)の高さを有するべきである。これらの寸
法によって、フランジ36が十分な下方への移動が可能
になり、長孔26の上方に曲がった部分から移動して係
合状態から外れる。
【0029】ブレード50に隣接している側壁32は、
刃根57上に形成されている切り欠き59とかみ合う末
端に形成された切り欠き39を有してもよい。この形状
によって、治療専門家が手でブレードを把持する必要が
なく、ブレード50をブレード支持部材40から容易に
取り外すことができる。片持ちばねアーム46によって
刃根57を若干持ち上げることにより、ガード30の切
り欠き39が切り欠き59と係合することができる。こ
れらの切り欠きが一度係合すると、ガード30は、ブレ
ード50を付勢してブレード50をブレード支持部材4
0から末端方向へ進ませることができる。所望ならば、
側壁31もまた、切り欠き59とかみ合う切り欠きを有
することもできる。
【0030】上記から容易に明らかとなるように、ガー
ド付きの外科用メス10は使用が簡単である。ブレード
支持部材40が柄20に係止されている状態で、ガード
30は、十分後退してブレード支持部材40の末端を露
出させることができる。ブレード50は、次いで、リブ
49aの周囲にスナップ嵌合されてもよい。治療専門家
は、次いで、隆起部35を押し込んでガード30を一杯
に伸長した位置まで移動させることができる。次いで、
ガード付きの外科用メス10は、他の治療専門家によっ
て安全に取り扱われる。ガード付きの外科用メス10が
外科手術において使用されるために準備が完了すると、
治療専門家は、隆起部35を押し込んでガード30を一
杯に後退した位置まで動かしてブレード50の鋭い切断
端縁を露出させることができる。使用後に、治療専門家
は、隆起部35を押し込んで、ガード30を一杯に伸長
した位置にし、ガード付きの外科用メス10が安全に処
理されるようにすることができる。
【0031】ガード付きの外科用メス10が清掃及び殺
菌のために準備がされた状態となると、隆起部35が押
し込まれて、ガード30を、一杯に後退した位置まで移
動させることができる。次いで、ボタン46aが押し込
まれて刃根57がブレード止め部49から離れる方向に
持ち上げられる。次いで、隆起部35は、ガード30を
伸長位置に向かって動かすために押し込まれ、切り欠き
39が切り欠き59と整合せしめられる。ガード30を
更に末端方向へ移動させると、ブレード50がブレード
支持部材40から外れるであろう。
【0032】ブレード50がブレード支持部材40から
取り外された後に、ガード30とブレード支持部材40
とは、回転されて柄20から分離されるのが好ましい。
これによって、ガード付きの外科用メス10の各表面が
清掃及び殺菌のために実質的に露出される。ガード30
とブレード支持部材40とを回転させるためには、ブレ
ード支持部材40を柄20への係止状態から解除しなけ
ればならない。これは、ブレード支持部材40の基端部
分を押し込んでピン43を切欠き28の段部28aから
移動させることによって達成される。図4を図5と比較
されたい。この時点で、ブレード支持部材40は、短い
距離すなわちL字形状の孔27の水平部分の長さだけ末
端方向に移動させて、ピン41及び42をL字形状の孔
27の垂直部分と整合状態とさせることができる(図6
参照)。ピン41及び42がこのように整合せしめられ
ると、ブレード支持部材40は、上方に回転せしめられ
て柄20から分離され、ピン43は、切り欠き28の段
部28b内の枢支点として作用する。ガード30は、長
孔26内でフランジ36を中心として回転するので、ブ
レード支持部材40と共に回転せしめられて柄20から
分離することができる。もちろん、長孔26とフランジ
36とは、このような回転が可能な寸法でなければなら
ない。好ましくは、ガード30が一杯まで後退せしめら
れて、フランジ36が長孔26の基端の上方に曲がった
部分内に配置されたときにガード30の回転が生じる。
ブレード支持部材40が上方に動き続けると、ブレード
支持部材40が柄20との係合状態から完全に外れて、
ガード30を回転させて柄20から分離させる(図7参
照)。柄20の底部は、ガード30とブレード支持部材
40とを回転させて柄20から分離させる開口した空間
を形成している。この時点で、ガード付きの外科用メス
10は、容易に清掃し且つ殺菌することができる。
【0033】柄20、ガード30及びブレード支持部材
40は、全て410ステンレス鋼によって作られるのが
好ましい。しかしながら、303ステンレス鋼又は42
0ステンレス鋼を使用することもできる。ガード30
は、柄20及びブレード支持部材40を越えて摺動する
ので、ガード30は、窒化チタン又は窒化クロムの蒸着
によって処理するのが好ましい。この処理は、ガード3
0の表面を硬化させて、いらいらさせるのを防止し且つ
使用寿命に亙ってガード付きの外科用メス10の円滑な
動作を確保する。
【0034】
【発明の効果】このようにして、取り扱い中に切り傷を
負う機会を防止するか又は少なくとも最少にし、使用が
簡単でユーザーが片手で操作することができ、ブレード
が必要とされる前にシールドされるか又は露出されず、
ユーザーがガードの動きを監視しその操作に過度の注意
を払う必要なく使用することができ、ブレードを柄から
取り外すための簡単で安全で効率の良い方法を提供し、
容易に清掃することができる、ガード付きの外科用メス
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガード付き外科用メスの斜視図であ
り、ガードがブレードを露出させるために後退位置にあ
る状態が示されている。
【図2】本発明のガード付きの外科用メスの分解斜視図
である。
【図3】本発明のガード付きの外科用メスの斜視図であ
り、ブレード支持部材とガードとが回転されて柄から分
離される状態が示されている。
【図4】本発明のガード付き外科用メスの側面図であ
り、ガードが後退位置にあり、ブレード支持部材が柄に
係止されている状態が示されている。
【図5】本発明のガード付き外科用メスの側面図であ
り、ガードが後退位置にあり、ブレード支持部材の基端
部分が押し込まれて柄への係止状態から外されている状
態が示されている。
【図6】本発明のガード付き外科用メスの側面図であ
り、ガードが後退位置にあり、ブレード支持部材が前方
に移動せしめられて柄との係合から外された状態が示さ
れている。
【図7】本発明のガード付き外科用メスの側面図であ
り、ブレード支持部材が柄から外され且つ回転され、ガ
ードが回転されて柄から外された状態が示されている。
【符号の説明】
10 ガード付き外科用メス、 20 柄、 2
1,22 側壁、26 長孔、 27 L字形状孔、
28 切り欠き、30 ガード、 31,32
側壁、 34 頂壁、35 隆起部、 36 止め
フランジ、 40 ブレード支持部材、41,42,
43 ピン、 46 片持ちばねアーム、46a 押
しボタン、 47 楔状部分、 48 溝、49
ブレード止め部、 50 ブレード、 51 長
孔、57 刃根、 59 切り欠き、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クレイグ・ディー・ニューマン アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨ ーク,ウエスト・エイティフォース・ス トリート 255,アパートメント 7シ ー (72)発明者 ロバート・ダブリュー・ピアス アメリカ合衆国マサチューセッツ州 02093,レンサム,メタコメット・スト リート 50

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柄と、 同柄に対して長手方向の動き及び回転ができるように同
    柄に取り付けられたガードと、 同ガードに関して長手方向に移動できるように同ガード
    に取り付けられ且つ前記柄に対して取り外し自在に取り
    付けられたブレード支持部材と、 を含むガード付き外科用メス。
  2. 【請求項2】 前記柄が、間に空間を形成している2つ
    の側壁を含み、前記ガードと前記ブレード支持部材とが
    前記空間内に配設されている、請求項1に記載の外科用
    メス。
  3. 【請求項3】 前記ブレード支持部材が前記ガード内に
    配設されている、請求項2に記載の外科用メス。
  4. 【請求項4】 前記ガードの基端部分に隣接してフラン
    ジが形成されており、前記柄の2つの側壁のうちの一方
    に長孔が形成されており、同長孔内へ前記フランジが延
    びており、それによって、前記フランジと前記長孔とが
    協働して、前記ガードの後退位置と伸長位置との間の移
    動可能範囲を規定している、請求項3に記載の外科用メ
    ス。
  5. 【請求項5】 前記柄の2つの側壁のうちの一方の末端
    に隣接して少なくとも1つのL字形状の孔が形成されて
    おり、前記ブレード支持部材の末端部分に隣接して第1
    のピンが設けられており、同第1のピンが、前記L字形
    状の孔内に取り外し自在に配置されている、請求項4に
    記載の外科用メス。
  6. 【請求項6】 前記柄の2つの側壁のうちの一方の基端
    部分に隣接して切り欠きが設けられており、前記ブレー
    ド支持部材の基端部分に隣接して第2のピンが設けら
    れ、同第2のピンは同切り欠き内に取り外し自在に配設
    されており、前記第1のピンがL字形状の孔内に配置さ
    れ前記第2のピンが前記切り欠き内に配置されていると
    きに、前記ブレード支持部材が前記柄に対して固定され
    る、請求項5に記載の外科用メス。
  7. 【請求項7】 前記ブレード支持部材にブレードが取り
    外し自在に結合されている、請求項1に記載の外科用メ
    ス。
  8. 【請求項8】 前記ブレード支持部材に対して移動自在
    に取り付けられた楔状部分を更に含み、同楔状部分は、
    前記ブレード支持部材に対向する位置まで移動自在であ
    って、前記ブレード支持部材からのブレードの取り外し
    を容易にするようになされた、請求項1に記載の外科用
    メス。
  9. 【請求項9】 前記ブレードを前記ブレード支持部材か
    ら取り外すための手段を更に含む、請求項7に記載の外
    科用メス。
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